JP6796048B2 - Siフォトニクス光回路及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Siフォトニクス光回路及びその製造方法に関し、より詳細には、光ファイバと低損失に接続可能なSiフォトニクス光回路及びその製造方法に関する。
技術背景
光通信システムの進展と共に、システムを構成する様々な光学部品は集積型光回路により実現されるようになり、システムの小型化、経済化のみならず、通信容量の大容量化に寄与してきた。そのような光回路は、様々な材料ベースで実現されてきたが、近年コア材料としてシリコンを使用する、Siフォトニクスが注目され、研究開発が盛んにおこなわれている。Siフォトニクス光回路は、半導体として広く使われるシリコンをコア材料として使用し、これまでの光回路に比べ大幅に回路を小型化できる。これまでの低屈折率材料をベースに開発されてきた光回路に比べ、シリコンの屈折率は非常に大きいため、光の閉じ込めが強く、小さな曲げ半径で導波路を構成できる。また、光回路を構成する光カプラや合波器、フィルタなど、様々な回路要素も同時に小型化でき、全体として非常に小型な光回路を実現できる。
一方で、シリコンフォトニクス光回路は、導波路内への光の閉じ込めが強いため、光ファイバと接続した場合に大きな損失が発生する。光回路内の導波路を伝搬する光は、その高い光の閉じ込め効果によって非常に小さなサイズとなっているため、光ファイバに光が結合する際、そのサイズの違いにより大きな損失を生む。その損失を下げるために、様々なスポットサイズ変換器が提案されている(特許文献1)。スポットサイズ変換器とは、シリコン導波路を伝搬する光のサイズを拡大し、光ファイバに低損失に光を結合させる回路である。一般的に、導波路のコアサイズを縮小することで光の閉じ込めを弱くし、モードフィールド径を拡大することで、低損失に光ファイバと接続できるようになる。スポットサイズ変換器の構造としては1本の導波路のコアサイズをファイバ接続部分で縮小する方法が一般的である。その他に、複数の導波路に分岐した後にコアサイズを縮小する方法や、光の伝搬方向にコアを分断しながらコアサイズを縮小するなど様々あるが、基本的にはコアサイズを小さくすることで光の閉じ込め効果を抑制することで、光ファイバとの接続損失を下げるものである。
また、グレーティングカプラを用いたウェハ製造中のインライン検査手法はいくつか提案されており、例えば、特許文献2にはインライン検査手法の例が開示されている。
特開2000-137129号公報 国際公開2017/085934号公報
しかしながら、上記のモードフィールド径はコアサイズに対し敏感に変化するため、コアサイズの製造バラつきによってファイバ接続部におけるモードフィールド径のバラつきが発生する。このため、ファイバとの結合損失バラつきが問題となる。特に、シリコンをコアに用いるSiフォトニクスにおいては、最適なコアサイズが数百nm程度と非常に小さく、接続損失の製造バラつきを0.1dB程度に抑えるためには、コアの加工精度として、数nm以下の加工精度が要求される。Siフォトニクスのウェハ製造過程において、このような加工精度を実現することは非常に難しく、ファイバ接続損失バラつきの低減が困難となっている。
また、前述の通り、グレーティングカプラを用いたウェハ製造中のインライン検査手法はいくつか提案されており、ウェハプロセス終了後のウェハ状態でチップ内の回路を直接の評価することは可能である。しかしながら、スポットサイズ変換器は、ウェハをチップ化した後にファイバと接続することで初めてその性能評価が可能となるため、ウェハ状態ではその性能を直接評価することが難しいという課題を有していた。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ウェハプロセス途中に観測できるモニタ回路により、スポットサイズ変換器の形状の調整が可能とし、低損失な光回路を安定に製造することにある。
ファイバ接続部分のスポットサイズ変換器の製造誤差を製造中に間接的にモニタできるモニタ回路を光回路中に設置し、コア加工後にモニタ回路によるスポットサイズ変換器の製造誤差を推定し、コアの埋め込み工程前にシリコンの追加熱酸化工程によりコアサイズを調整する。
配置するモニタ回路は、ウェハ製造途中で動作する光回路であり、コアの周囲が空気でも動作するように設計されている。グレーティングカプラを介し、ウェハ表面から入射された光を用いて、モニタ回路の透過光もしくは反射光を測定することで、スポットサイズ変換器の加工誤差を評価する。
また、追加熱酸化工程によってシリコンのコア表面は酸化されSiO2となるが、その後の工程により石英ガラスで埋め込まれ、周囲と同等の屈折率となる。結果、導波路サイズを調整することが可能となる。熱酸化工程によるシリコンのサイズ調整精度は一般的に1nm以下の精度で可能となるため、エッチングによるコア加工精度の数十分の1の精度で調整が出来る。
上記の目的を達成するため、本発明のSiフォトニクス光回路の一様態は、
熱酸化によりコアサイズが調整可能なスポットサイズ変換器と、
前記スポットサイズ変換器に接続される光回路と、
前記スポットサイズ変換器の性能をモニタするモニタ回路であって
前記スポットサイズ変換器と同等の構造の導波路を回路の一部に有し、前記スポットサイズ変換器および前記光回路とは光学的に独立したモニタ回路と、
をSOI基板に設けたSiフォトニクス光回路であって、
前記スポットサイズ変換器のコアはシリコンを含み、
前記モニタ回路には少なくとも1つのグレーティングカプラが設けられ
前記モニタ回路における反射光の波長依存性を利用して、前記スポットサイズ変換器の出射端幅の加工精度を製造途中でモニタするように構成されたことを特徴と
する。
前記モニタ回路および前記グレーティングカプラは、前記SOI基板上にシリコンを含む層を有することを特徴とする。
前記モニタ回路は前記スポットサイズ変換器のファイバ接続側の先端幅と同じ幅の導波路パタンを含むことを特徴とする。
前記モニタ回路として、前記グレーティングカプラに接続された導波路にテーパ導波路が接続されており、テーパの出力面と並行に一定の空隙を介して配置された導波路を有することを特徴とする。
2つのグレーティングカプラから接続された導波路のそれぞれにテーパ導波路が接続されており、前記グレーティングカプラのテーパ出力面と並行に空隙を介して導波路が配置され、
前記2つのグレーティングカプラのうち一方のグレーティングカプラのテーパ出力面と前記導波路との距離は、前記2つのグレーティングカプラのうち他方のグレーティングカプラのテーパ出力面と前記導波路との距離と等しいことを特徴とする。
前記モニタ回路として、少なくとも一部にスポットサイズ変換器のファイバ接続側の先端幅と同じ幅の導波路を有する遅延干渉回路であって、前記遅延干渉回路は自由スペクトル領域から前記同じ幅の導波路の屈折率をモニタできる回路であることを特徴とする。
モニタ回路は2種類の遅延干渉回路を有し、前記遅延干渉回路は少なくとも一部にスポットサイズ変換器のファイバ接続側の先端幅と同じ幅の導波路を有する遅延干渉回路と、少なくとも一部に1μm以上の幅の導波路を有する遅延干渉回路とを有することを特徴とする。
また、本発明のSiフォトニクス光回路の作製方法の一様態は、
ウェハの表面上に、熱酸化によりコアサイズが調整可能なスポットサイズ変換器と、
前記スポットサイズ変換器に接続される光回路と、
前記スポットサイズ変換器の性能をモニタするモニタ回路であって、前記スポットサイズ変換器と同等の構造の導波路を回路の一部に有し、前記スポットサイズ変換器および前記光回路とは光学的に独立したモニタ回路と
を有するSiフォトニクス光回路の作製方法において、
前記ウェハの表面から前記モニタ回路における反射光の波長依存性を利用した反射特性及び透過特性の少なくとも1特性を評価するステップと、
評価した結果に基づいて、前記スポットサイズ変換器の出射端幅の加工精度を製造途中でモニタし、熱酸化により少なくとも前記光回路のコアのサイズを調整する
ステップと、
ガラス系材料により前記コアを埋め込むステップと、
を有することを特徴とする。
前記1特性を評価するステップにおいて、前記モニタ回路のコアの上部が空気層と接することを特徴とする。
本発明により、ウェハプロセス途中に観測できるモニタ回路により、スポットサイズ変換器の形状の調整が可能となり、低損失な光回路が安定に製造できる。
本発明のシリコンフォトニクス回路のプロセス過程を示す図である。 (a)シリコンフォトニクスウェハと(b)シリコンフォトニクス光回路を示す図である。 (a)実施例1のモニタ回路(b) モニタ回路の動作原理(c)反射スペクトルの波長依存性(d)反射最小ピークの導波路幅依存性を示す図である。 (a)実施例2のモニタ回路(b)反射スペクトルの波長依存性(c)反射最小ピークの導波路幅依存性を示す図である。 実施例3のモニタ回路を示す図である。 (a)実施例3のモニタ回路透過スペクトル、(b)推定された屈折率の導波路幅依存性を示す図である。
以下、本発明のSiフォトニクス光回路及びその製造方法の形態について、図を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下に示す実施例の記載内容に限定されず、本明細書等において開示する発明の趣旨から逸脱することなく形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者にとって自明である。また、異なる実施例に係る構成は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
図1に本発明におけるSiフォトニクス回路のウェハプロセスを、ウェハ断面構造の視点から模擬的に示した図を示す。図1(a)に示すように、シリコン保持基板11上にボックス層12を形成し、ボックス層12上にシリコン層13を形成する。シリコンコア厚220nmのSOIウェハ(Silicon-On-Insulator)を用いて、上層部のSi層13を加工し、コア(層)14を形成する(図1(b))。コア幅は、回路により様々な幅に加工されるが、スポットサイズ変換器の先端においてはコア幅180nmになるように加工する。シリコン(Si)層13の加工時には、ガラスのハードマスクやレジスト等を用いることでシリコンのパターニングをするが、エッチング条件のバラつきや回路パタン密度など、様々な影響により仕上がりの加工寸法が変化する。コア幅180nmとなるように加工したとしても、+/-30nm程度の加工寸法バラつきが発生する。
コア加工の後、一般的な工程では不純物インプラ工程やメタル工程を経て、ウェハが完成する。一方、本発明では図1(c)のような熱酸化によるコアサイズ調整工程を実施する。コア周辺の熱酸化膜は、雰囲気に存在する酸素により自然酸化膜としてコア周辺にガラスの生成が進む他、不純物インプラ工程のマスクとして使用するために一定の熱酸化膜を作成することがあるが、本発明では図1(b)の工程で発生する加工誤差が補償されるように図1(c)の熱酸化工程条件を決定する。コアサイズ調整工程では、Siの表面がSiO2に酸化されてコア熱酸化膜15が生成されるが、後の工程である図1(d)の工程にて周囲がガラスからなる絶縁層17aで埋め込まれ、同じ屈折率となる。従って、熱酸化によって残留するシリコン部分である調整後のコア16が導波路のコアとして、導波路性能が決定される。絶縁層17aにコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールを介して調整後のコア16と接続するようにパターニングされた埋め込みメタル層18aを形成する。次いで、絶縁層17a及び埋め込みメタル層18a上に、ガラスからなる絶縁層17bを形成する。絶縁層17bにコンタクトホールを形成し、そのコンタクトホールを介して埋め込みメタル層18aと接続するようにパターニングされたメタル層18cを形成する。メタル層18c及び絶縁層17b上に、パターニングされた保護膜18bを形成する。
コアサイズ調整工程で実施する熱酸化条件を決定するために、本発明では本来必要な光回路以外にも、モニタ回路を独立して配置する。図2(a)のシリコンフォトニクスウェハ21に示すように、SOIウェハ内に格子状に光回路を配置して製造するが、モニタ回路をウェハ内にも配置する。図2(b)には、Siチップ内に実際に使用する光回路25とウェハ製造中にモニタするモニタ回路24及びモニタ回路24と接続したグレーティングカプラ23をシリコンフォトニクスチップ22に配置した図を示す。Siフォトニクス回路の機能は、光回路部分で実現され、これはスポットサイズ変換器26によってチップ端で低損失に光ファイバと接続できるようになっている。一方、モニタ部分は光回路とは独立に配置されており、製造中のモニタのみの目的で配置している。モニタ回路は、テーパ導波路32及び狭幅導波路33を含んでおり、導波路を介してグレーティングカプラ23と接続している。なお、図1(d)の断面A-A’は、図2(b)の光回路中に含まれる。
グレーティングカプラを用いたウェハ製造中のインライン検査手法(特許文献2)はいくつか提案されており、ウェハプロセス終了後のウェハ状態でチップ内の回路を直接の評価することは可能である。しかしながら、スポットサイズ変換器26は、ウェハをチップ化した後にファイバと接続することで初めてその性能評価が可能となるため、ウェハ状態ではその性能を直接評価することが難しい。更に、最終プロセスを終えたウェハ状態で性能評価ができたとしても、コアサイズの調整を後から実施することが難しい。
そこで本実施例では、Siフォトニクスチップ内の光回路等の各種回路は、図1に示すような全てのウェハ製造工程を経た後に、目的の性能が実現できるように設計されているが、本発明のモニタ回路は製造工程途中で光回路性能が実現できるように設計している。例えば、モニタ回路が接続されているグレーティングカップラは、図2(b)のようなパタンであり、プロセス工程としては図1(b)のようなガラス層に埋め込まれていないウェハ製造工程の途中状態で、モニタ回路の測定波長において光ファイバと接続ができるようにグレーティング周期を設計している。
本実施例においては、モニタ回路として図3(a)の回路を使用した。グレーティングカプラ31に接続されている導波路32中の光は、テーパを介して空間に放出される。導波路32のテーパの先に空気層を介して導波路構造33が形成されている。テーパは空間に伝搬光をなるべく平行光として放出するために形成されている。テーパの出力から400μmのギャップを介して、幅の細い狭幅導波路構造を配置している。この導波路の幅は、光回路が使用しているスポットサイズ変換器の先端幅と同じ幅が望ましく、本実施例では220μmを使用した。スポットサイズ変換器と光ファイバの接続損は、単純なテーパ状スポットサイズ変換器の場合、スポットサイズ変換器の先端幅の仕上がりにより大きく性能が左右される。従って、本実施例はスポットサイズ変換器の先端幅の加工精度をモニタしたいため、狭幅導波路の幅をスポットサイズ変換器の先端幅と同一にしている。このようなモニタ回路の反射光スペクトルを評価することで、スポットサイズ変換器の先端幅を推定することができる。
図3(b)に示すように、テーパから出力された光は、その先端やシリコンおよび空気境界での多重反射により、波長依存性を持つ反射光特性が実現され、加工誤差に応じて反射スペクトルが変化する。図3(c)に仕上がりの導波路幅が変化した際に発生する反射スペクトルを示す。本モニタ回路の設計は、コア加工直後の段階で1.5μm帯付近で反射スペクトルの最小値が評価出来るように設計されている。実際の加工バラつきを加味し、反射スペクトルの特異点がモニタ波長範囲で観測できるように設計することで、モニタ精度を高くできる。更に、実際に使用される光回路側の動作波長とモニタ回路のモニタ波長はなるべく同じ波長帯で設計しておくことにより、シリコンの屈折率波長依存性の誤差の影響が少なくなるため、モニタ精度を高めることが出来る。
図3(d)に、モニタしたスペクトル最小波長と、仕上がり幅の関係を示す。反射最小波長と仕上がり幅が線形に変化しており、簡便に導波路仕上がり幅の推定が可能となる。例えば、スポットサイズ変換器の先端幅を220nmに加工したい場合、反射最小波長が1650nm付近だとすると、235nmの加工となっており、15nmの加工誤差が発生していることが分かる。
次に、モニタした加工誤差から熱酸化工程により導波路幅を調整する方法を説明する。モニタ回路の評価から加工誤差を推定できると、コア加工後の次工程でコアサイズの調整を実施する。図1(c)に示すように、加工後のコアを熱酸化することで周囲のシリコンの一部を酸化膜のガラスに変質させる。熱酸化プロセスは、一般的なシリコン加工プロセスを用い、温度と時間により酸化させるシリコン厚を厳密に制御可能である。例えば、常温水蒸気による熱酸化プロセスでは1073℃,1000sで15nm程度のシリコン酸化膜を形成できるが、プロセス条件等により条件は様々である。
コアサイズ調整工程の後は、一般的なプロセスをそのまま適用し、ウェハプロセスを実施する。これらの工程によりコアサイズが所望に調整された光回路が製造可能となる。
本実施例では、実施例1で説明したモニタ回路の代わりに図4(a)に示すような、入出力グレーティングカプラ31をもつモニタ回路を使用し、スポットサイズ変換器の加工誤差推定を行う。2つのグレーティングカプラ31から接続された導波路32のそれぞれにテーパ導波路が接続されており、テーパ出力面と並行に同じ一定の空隙を介して導波路33が配置されている。
実施例1の反射型モニタ回路は、モニタ回路サイズが小さく、ウェハ内に省スペースに配置できる。一方、本実施例のモニタ回路では、シリコンと空気の境界面が増えるため、図4(b)のような、より急峻な反射率スペクトルが観測されることが特徴である。ピーク波長を精度高く評価できる他、グレーティングカプラの透過帯域の影響が少なく、より高精度にスポットサイズ変換器の加工誤差評価が可能となる。
図4(d)に、モニタしたスペクトル最小波長と、仕上がり幅の関係を示す。反射最小波長と仕上がり幅が線形に変化しており、簡便に導波路仕上がり幅の推定が可能となる。例えば、スポットサイズ変換器の先端幅を220nmに加工したい場合、反射最小波長が1650nm付近だとすると、235nmの加工となっており、15nmの加工誤差が発生していることが分かる。
本実施例では、実施例1で説明したモニタ回路の代わりに図5に示すような、入出力グレーティングカプラに接続された遅延干渉型のモニタ回路を使用し、スポットサイズ変換器の加工誤差推定を行う。
図5の遅延干渉回路は2つの光カプラ51の入出力導波路が2本の導波路でお互い接続されている回路である。この2本の導波路の少なくとも一方の一部分にスポットサイズ変換器部分と同等の構造を持つ狭幅の導波路が形成されている。遅延干渉型回路の透過波長スペクトルは周期性を持ち、その周期性は2本の導波路の光路長差で決定される。光路長差は導波路の長さと屈折率により決まり、また、屈折率は導波路の幅に依存して変化する。従って、導波路の一部にスポットサイズ変換器と同等の狭幅導波路を干渉計内に含めることで、透過スペクトルの周期性からスポットサイズ変換器の先端幅が推定できる。更に、加工誤差を簡単に、且つ、精度良く評価するためには遅延干渉回路の設計として図5のような対称性の高い回路が望ましい。モニタする狭幅導波路以外の部分は、2本の導波路間で等しい長さ、幅、接続点数となるように設計する。例えば、実際のモニタ回路の設計として、カプラ入出力導波路 (直線導波路)52a、テーパ導波路52b、テーパ導波路52c、曲げ導波路52d,テーパ導波路52eはそれぞれ同じ長さ、幅、形状の導波路で構成されている。一方で、狭幅導波路53, 狭幅導波路54, 狭幅導波路55, 狭幅導波路56は、スポットサイズ変換器の先端幅と同じ幅で、長さのみが異なるように設計されている。このような設計により干渉計の導波路間の光路長差は、狭幅導波路以外の部分の屈折率や長さの影響を受けず、狭幅導波路だけの屈折率と長さで決定される透過スペクトルとなる。従って、その他の導波路の加工誤差の影響を受けることなく、正確に狭幅導波路部分のみの加工誤差を推定でき、スポットサイズ変換器の先端幅の推定が可能となる。干渉計内の狭幅導波路部分の長さについては、透過スペクトルの周期性が精度よく観測できるよう、観測波長範囲に周期性が確認できるように設定することが好ましい。なお、光カプラ51は、カプラ入出力導波路52aの反対側で、グレーティングカプラ57及び導波路58と接続している。遅延干渉回路は、微細な導波路としても機能できるように、その一部が1um以上の幅を有するように設計されている。
図6(a)に遅延干渉型モニタ回路により観測できる透過スペクトルを示す。加工誤差により、わずかに周期性の異なる波形が観測される。一般的にこの周期をFSR(自由スペクトル領域:Free spectral range)と呼ぶ。FSRと、光速度C、導波路の屈折率nおよび導波路長差Lは、FSR = C/nLの関係がある。観測されたFSRと、設計値Lから、屈折率が推定できる。屈折率と導波路幅の関係は、図6(b)に示すような関係があり、屈折率から幅の推定が可能となる。
より精度の高いコア形状推定を行い、低損失なスポットサイズ変換器を実現するために、狭幅導波路の屈折率を推定できる遅延干渉回路と、幅広い導波路の屈折率を推定できる遅延干渉回路の2種類のモニタ回路を併用することも可能である。図6(b)に示すように、導波路幅が広い領域では、数十nm程度の加工誤差があったとしても導波路の屈折率は変動しにくい。導波路の厚さは幅と比較して非常に薄くなっているため、導波路の屈折率は厚さによりほぼ決定される。一方、導波路幅の狭い領域は、導波路幅に対して敏感に屈折率が変化するため、導波路幅の推定が精度よく可能となる。同じウェハ内であれば、導波路の厚さはおおよそ均一であり、同じ導波路幅であれば加工誤差もおおよそ均一である。従って、このような2種のモニタ回路を併用すると、スポットサイズ変換器の幅と厚さの両方の推定が可能となる。追加熱酸化工程ではコアの厚さと幅の両方が変化する。従って、低損失なスポットサイズ変換器を製造するため、調整前のコア形状をより正確に把握できるため、より最適なコアサイズの調整量を把握できる。
本発明は、Siフォトニクス光回路及びその製造方法、より詳細には、光ファイバと低損失に接続可能なSiフォトニクス光回路及びその製造方法に適用することができる。
11 シリコン保持基板
12 ボックス層
13 シリコン(Si)層
14 コア(層)
15 コア熱酸化膜
16 調整後のコア
17a 絶縁層
17b 絶縁層
18a 埋め込みメタル層
18b 保護膜
18c 埋め込みメタル層
21 シリコンフォトニクスウェハ
22 シリコンフォトニクスチップ
23 グレーティングカプラ
24 モニタ回路
25 光回路
26 スポットサイズ変換器
31 グレーティングカプラ
32 テーパ導波路
33 狭幅導波路
51 光カプラ
52a カプラ入出力導波路
52b, 52c, 52e テーパ導波路
52d 曲げ導波路
53, 54, 55, 56, 狭幅導波路
57 グレーティングカプラ
58 導波路

Claims (9)

  1. 熱酸化によりコアサイズが調整可能なスポットサイズ変換器と、
    前記スポットサイズ変換器に接続される光回路と、
    前記スポットサイズ変換器の性能をモニタするモニタ回路であって
    前記スポットサイズ変換器と同等の構造の導波路を回路の一部に有し、前記スポットサイズ変換器および前記光回路とは光学的に独立したモニタ回路と
    をSOI基板に設けたSiフォトニクス光回路であって、
    前記スポットサイズ変換器のコアはシリコンを含み、
    前記モニタ回路には少なくとも1つのグレーティングカプラが設けられ
    前記モニタ回路における反射光の波長依存性を利用して、前記スポットサイズ変換器の出射端幅の加工精度を製造途中でモニタするように構成されたことを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  2. 請求項1のSiフォトニクス光回路において、
    前記モニタ回路および前記グレーティングカプラは、前記SOI基板上にシリコンを含む層を有することを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  3. 請求項1又は請求項2のSiフォトニクス光回路において、
    前記モニタ回路は前記スポットサイズ変換器のファイバ接続側の先端幅と同じ幅の導波路パタンを含むことを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のSiフォトニクス光回路において、
    前記モニタ回路として、前記グレーティングカプラに接続された導波路にテーパ導波路が接続されており、テーパの出力面と並行に一定の空隙を介して配置された導波路を有することを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のSiフォトニクス光回路において、
    2つのグレーティングカプラから接続された導波路のそれぞれにテーパ導波路が接続されており、前記グレーティングカプラのテーパ出力面と並行に空隙を介して導波路が配置され、
    前記2つのグレーティングカプラのうち一方のグレーティングカプラのテーパ出力面と前記導波路との距離は、前記2つのグレーティングカプラのうち他方のグレーティングカプラのテーパ出力面と前記導波路との距離と等しいことを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のSiフォトニクス光回路において、
    前記モニタ回路として、少なくとも一部にスポットサイズ変換器のファイバ接続側の先端幅と同じ幅の導波路を有する遅延干渉回路であって、前記遅延干渉回路は自由スペクトル領域から前記同じ幅の導波路の屈折率をモニタできる回路であることを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  7. 請求項1,2,3,及び5のいずれか一項にSiフォトニクス光回路において、
    前記モニタ回路は2種類の遅延干渉回路を有し、前記遅延干渉回路は少なくとも一部にスポットサイズ変換器のファイバ接続側の先端幅と同じ幅の導波路を有する遅延干渉回路と、少なくとも一部に1 μm以上の幅の導波路を有する遅延干渉回路とを有することを特徴とするSiフォトニクス光回路。
  8. ウェハの表面上に、熱酸化によりコアサイズが調整可能なスポットサイズ変換器と、
    前記スポットサイズ変換器に接続される光回路と、
    前記スポットサイズ変換器の性能をモニタするモニタ回路であって、前記スポットサイズ変換器と同等の構造の導波路を回路の一部に有し、前記スポットサイズ変換器および前記光回路とは光学的に独立したモニタ回路と
    を有するSiフォトニクス光回路の作製方法において、
    前記ウェハの表面から前記モニタ回路における反射光の波長依存性を利用した反射特性及び透過特性の少なくとも1特性を評価するステップと、
    評価した結果に基づいて、前記スポットサイズ変換器の出射端幅の加工精度を製造途中でモニタし、熱酸化により少なくとも前記光回路のコアのサイズを調整するステップと、
    ガラス系材料により前記コアを埋め込むステップと、
    を有することを特徴とするSiフォトニクス光回路の作製方法。
  9. 請求項8に記載のSiフォトニクス光回路の作製方法において、
    前記1特性を評価するステップにおいて、前記モニタ回路のコアの上部が空気層と接することを特徴とするSiフォトニクス光回路の作製方法。
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