JP6795799B2 - バギング用フィルム - Google Patents
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Description
(1)ポリアミド樹脂および熱可塑性エラストマを主成分とした、無機粒子を含有する樹脂組成物からなり、チューブ状インフレーションフィルムであって、チューブ状フィルムの内面同士の静摩擦係数が1.4以下であるバギング用フィルム。
(2)無機粒子が金属酸化物を主成分とする粒子であって、平均粒子径が0.5から10μmの範囲である(1)に記載のバギング用フィルム。
(3)樹脂組成物における無機粒子の含有量が0.01から5重量%の範囲である(1)または(2)に記載のバギング用フィルム。
(4)無機粒子が、シリカ粒子を主成分とする無機粒子である(1)から(3)のいずれかに記載のバギング用フィルム。
(5)ポリアミド樹脂が、ナイロン6、ナイロン6を主たる成分とする共重合体、ナイロン66、および、ナイロン66を主たる成分とする共重合体から選ばれる少なくとも1種である(1)から(4)のいずれかに記載のバギング用フィルム。
(6)熱可塑性エラストマが、熱可塑性ポリエステルエラストマおよび/または熱可塑性ポリアミドエラストマである(1)から(5)のいずれかに記載のバギング用フィルム。
(7)樹脂組成物のポリアミド樹脂の含有量が50から80重量%の範囲であり、熱可塑性エラストマの含有量が20から50重量%の範囲である(1)から(6)のいずれかに記載のバギング用フィルム。
(8)樹脂組成物に酸化防止剤として、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類から選ばれる少なくとも1種を含有する(1)から(7)のいずれかに記載のバギング用フィルム。
引張試験機((株)エー・アンド・デイ製“テンシロン(登録商標)”万能試験機)を用い、引張速度300mm/分破断強度、破断伸度およびヤング率を測定した。
JIS K 7125に準拠し、200g分銅を水平方向に一定速度で移動し始めたときに、発生するフィルム面同士の接触抵抗をロード・セルで感知し、静摩擦係数(第1極大点荷重(gf)÷分銅(gf))を測定する。
インフレーション製膜によって上向きリングダイから吐出され、空冷されたチューブ状フィルムを安定板で畳んだ後、ロール搬送して巻き取った。チューブ内面が密着した状態から、手の指を使ってチューブの切り口を開く際の作業性を以下の○〜×のランクで評価した。
○; 片手の指を使って簡単にチューブの切り口が開けられる。
△; 片手の指のみでは開くことが難しいが、両手の指を使うと開くことができる。
×; チューブ内面同士の密着が強く、手の指では開くことができない。
縦10cm×横10cm×長さ30cm×5mm厚のH形鋼を複合材料成形体の代替として用い、そのH形鋼を覆うようにフッ素フィルム(東レフィルム加工(株)製“トヨフロン(登録商標)”FV、50μm)およびブリーザークロス(オー・エス・イー(株)製OSE−135)で包んだ後、幅30cm×長さ50cmのチューブ状バギング用フィルムの中に入れ、更に真空バルブを取り付けた後、バギング用フィルムチューブの両端部をシーラントテープ(Cytec社製SM−5142)を用いて空気が漏れないように封止した。その際のバギング作業性を以下のランクで評価した。
なお、本発明のフィルムは長手(MD)方向、幅(TD)方向いずれにも使用されるため、等方性であることが望ましく、異方性が著しい場合は悪化する懸念がある。したがって、以下の○〜×は、長手(MD)方向、幅(TD)方向について、より良好な値で判断する。
○; 破断伸度が550%以上、かつ、ヤング率が800MPa以下であれば、フィルムが伸びやすく、柔軟性があるため、バギング作業に優れる。
△; ○、または、×以外の場合で、フィルムの伸び、柔軟性にやや劣り、バギング作業性は良好ではあるものの、やや作業しにくい。
×; 破断伸度が500%未満、または、ヤング率が900MPaを超えていると、フィルムが伸びにくく、硬いためバギング作業性に劣る。
上記(4)に引き続いて、真空バルブに接続した真空ポンプによって0.01MPa以下まで減圧した後、オートクレーブ中で4気圧の空気加圧を行いながら、4時間で室温から180℃まで昇温し、180℃に4時間一定とした後、室温まで4時間かけて降温した。
オートクレーブから取り出し、23℃、50%RHの環境下に24時間放置した後、バギング用フィルムの柔軟性および劣化状態を以下のランクで評価した。
○; 柔軟性はオートクレーブ投入前と同等またはやや低下するが、靭性を有し、裂けにくい。
△; シーラントテープによる封止部を開封する際にフィルムが脆化または薄膜化により裂けやすい。
×; 脆化により柔軟性が低下し、裂ける、または部分延伸によりピンホールによる空気漏れが発生。
(1)熱安定剤マスターバッチの作製
ヒンダードフェノール系酸化防止剤である“Irganox(登録商標)”1330粉末および熱可塑性ポリエステル系エラストマ(東レ・デュポン(株)製“ハイトレル(登録商標)”4777)ペレットの混合物をリボンブレンダーで十分混合した後、ベント式二軸押出機に供給し、ストランド状に押出してカッティングし、“Irganox(登録商標)”1330を10重量%含有するペレット状の熱安定剤マスターバッチを作製した。
(2)無機粒子マスターバッチの作製
無機粒子として平均粒子径0.2μm、1.6μm、2.2μm、3.5μmのシリカ粒子をそれぞれナイロン6(宇部興産(株)製“UBEナイロン(登録商標)”1030B2)に添加し、リボンブレンダーで十分混合した後、ベント式二軸押出機の供給し、ストランド状に押出してカッティングした、シリカ粒子を5重量%含有する無機粒子マスターバッチを作製した。
(3)バギング用フィルムの作製
ナイロン6(宇部興産(株)製“UBEナイロン(登録商標)”1030B2)、ナイロン66(東洋紡(株)製東洋紡ナイロンT−660X−2)、ナイロン6/66共重合樹脂((1)東レ(株)製“アミラン(登録商標)”CM6021M(ナイロン6:66=95:5重量%)、(2)東レ(株)製“アミラン(登録商標)”CM6151M(ナイロン6:66=90:10重量%)、(3)宇部興産(株)製“UBEナイロン(登録商標)”5033B(ナイロン6:66=85:15重量%)、(4)宇部興産(株)製“UBEナイロン(登録商標)”5034B(ナイロン6:66=80:20重量%))および熱可塑性ポリエステル系エラストマ(東レ・デュポン(株)製“ハイトレル(登録商標)”4777)および熱安定剤マスターバッチをリボンブレンダーで均一混合した後、単軸押出機、フィルター、リングダイ、エアリング、安定板、巻き取り装置を備える空冷上向きインフレーション製膜装置に供給し、厚さ50μmのインフレーション製膜によるチューブを巻き取ったフィルムロールを得た。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは表に示すとおり、ヤング率が低く、かつ破断伸びに優れ、柔軟性の良いものであり、バギング作業性には優れ、オートクレーブ試験後も良好な特性を保持するが、口開き性は片手の指で簡単に開けず、両手の指を使う必要があった。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは表に示すとおり、口開き性は良好であり、オートクレーブ試験後も良好な特性を保持するが、ヤング率が高い傾向であり、バギング作業性は良好であるものの、やや作業しにくい傾向があった。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは表に示すとおり、口開き性は良好であり、ヤング率が低く、かつ破断伸びに優れ、柔軟性の良いものであり、バギング作業性には優れるが、強度がやや低いため、真空引きおよびその後のオートクレーブ中での加圧により、フィルムが急激に部分延伸しH形鋼に密着する際、部分的に薄膜化し、フィルム強度が低下する傾向であった。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、表に示すとおり、熱安定剤マスターバッチを添加しないため、バギング作業性には優れるが、オートクレーブ試験後は、剥離作業に支障はないものの、やや裂けやすい傾向があった。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、表に示すとおり、オートクレーブ試験後も良好な特性を保持するが、粒子マスターバッチを添加しないため静摩擦係数が高く、口開き性に劣り、更にヤング率が高く、柔軟性に劣るため、バギング作業性に劣るフィルムであった。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、表に示すとおり、破断伸度が高く、ヤング率は低いため、バギング作業性には優れるが、粒子マスターバッチを添加しないため摩擦係数が高く、口開き性に劣り、強度が低いことに起因し、真空引きおよびその後のオートクレーブ中での加圧により、フィルムが急激に部分延伸しH形鋼に密着する際、部分的に薄膜化し、ピンホールが発生した。
表に示す原料配合により、実施例1と同様にして厚さ50μmのフィルムを得た。得られたフィルムは、表に示すとおり、破断伸度が高く、ヤング率は低いため、バギング作業性に優れると同時にオートクレーブ試験後も良好な特性を保持するが、静摩擦係数が高く、口開き性に劣るフィルムであった。
Claims (7)
- ポリアミド樹脂および熱可塑性エラストマを主成分とした、無機粒子を含有する樹脂組成物からなり、チューブ状インフレーションフィルムであって、チューブ状フィルムの内面同士の静摩擦係数が1.4以下であり、熱可塑性エラストマが、熱可塑性ポリエステルエラストマおよび/または熱可塑性ポリアミドエラストマであるバギング用フィルム。
- 無機粒子が金属酸化物を主成分とする粒子であって、平均粒子径が0.5から10μmの範囲である請求項1に記載のバギング用フィルム。
- 樹脂組成物における無機粒子の含有量が0.01から5重量%の範囲である請求項1または2に記載のバギング用フィルム。
- 無機粒子が、シリカ粒子を主成分とする無機粒子である請求項1から3のいずれかに記載のバギング用フィルム。
- ポリアミド樹脂が、ナイロン6、ナイロン6を主たる成分とする共重合体、ナイロン66、およびナイロン66を主たる成分とする共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載のバギング用フィルム。
- 樹脂組成物のポリアミド樹脂の含有量が50〜80重量%、熱可塑性エラストマの含有量が20〜50重量%である請求項1から5のいずれかに記載のバギング用フィルム。
- 樹脂組成物に酸化防止剤として、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン類から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1から6のいずれかに記載のバギング用フィルム。
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