JP6795739B2 - ネイルアートの施術方法 - Google Patents

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Description

この発明は、彩色の明瞭性に優れたネイルアートを形成するためのネイルアート施術方法に関する。
インクジェットプリント装置を用いてネイルアートを爪にプリントする技術は、従来から知られている。このネイルアートを直接爪にプリントするには、爪表面の凹凸や着色インクとの密着性などの物理的、化学的な多くの問題があり、そのために予め爪表面に適当な皮膜層を形成しておくことが行なわれている(例えば特許文献1、段落0049、0050)。このような被膜層は人体に有害であってはならないことは勿論であるが、耐候性と共に速乾性が要求される。そこで例えば特許文献2には、光硬化型樹脂、中でも紫外線硬化型樹脂を用いることが開示されている(段落0032〜0037)。
ところで、通常のインクジェットプリント装置は、特殊なものでない限り、水溶性インクが用いられており、この水溶性インクを用いてネイルアートを通常の紫外線硬化型樹脂層の上に直接プリントすると、水溶性インク本来の特性から、爪の小面積にプリントされたネイルアートの細かい模様に、にじみや色流れが生じ易く、輪郭がぼやけたり鮮明な彩色模様が現出しない問題がある。
さらに、プリントされたネイルアートを保護するためにオーバコート層を設けることも開示されているが(特許文献1、段落0051及び特許文献2、段落0040、0052、0060)爪から蒸発した湿気(汗)がプリントされたネイルアートに侵入してネイルアートをぼやけさせる現像が生じている。
また一方、インクジェットプリント装置を用いた場合、プリントヘッドと各爪との間の距離を一定に保持しながらプリントしなければ、模様がぼやけたり色流れが生じる問題があり、またプリントの範囲も画定しなければならない。これらを光学的に検出してコンピュータにより制御する方法が特許文献1に開示されている。しかしながら、このような方法では、正確な検出が非常に困難で誤差が大きく、精密なプリントを行なうには実用的でない。そこで、特許文献3に示すように、爪を定位置に保持する方策が望まれる。
特表2003−534083号公報 特開2012−179320号公報 特願2015−28602号明細書
この発明の課題は、インクジェットプリント装置を用いて爪にプリントしたネイルアートがぼやけたりにじんだりせず鮮明に表現され耐久性を有するようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、リムーバ溶液に対して溶解性を有し疎水性光硬化型樹脂に対して密着性の良い樹脂から成る第1のベース層を爪表面に形成する第1の工程と、疎水性光硬化型樹脂から成る第2のベース層を前記第1のベース層の表面に塗布し、光照射によって硬化させる第2の工程と、光硬化型樹脂と水溶性インクとの双方に対して密着性の良好な樹脂、または樹脂とバインダとの混合物を含む接合層を第2のベース層の表面に塗布し硬化させる第3の工程と、この接合層の表面に、インクジェットプリント装置を用いて水溶性インクでアートデザイン層を形成する第4の工程と、このアートデザイン層の表面に疎水性樹脂から成るオーバコート層を形成する第5の工程とによってネイルアートの施術方法を構成したのである。
前記第1のベース層は爪の端面を含む爪表面全面に形成し、第2のベース層は爪の根元及び両側縁をわずかに残しかつ爪の端面を含む領域に形成するのがよい。また、前記アートデザイン層は、爪の端面を除く領域に形成する。さらに、前記アートデザイン層をインクジェットプリント装置によってプリントする際に、プリントの範囲を制限するテープを指先に装着するのがよく、さらにまた、前記アートデザイン層をインクジェットプリント装置によってプリントする際に、爪の高さを一定に保持する指先保持器をそれぞれの指先に装着するのがよい。
この発明によれば、上述のように、水溶性インクを用いてアートデザイン層を形成する際に、爪の湿気を遮断する疎水性樹脂層とアートデザイン層の双方との密着性を良好にする接合層を用いたので、アートデザインのにじみや流れが無く明瞭な輪郭、彩色を現出することができる。また、爪に疎水性樹脂層を形成する際に、リムーバ溶液に溶解し易いベース層を先に爪に形成したので、リムーバ溶液によってネイルアートを容易にかつ完全に剥離することができる。
爪に第1のベース層を形成する状態を示す(A)は指先の側面図、(B)は指先の平面図、 爪に第2のベース層を形成する状態を示す(A)は指先の側面図、(B)は指先の平面図、 爪に接合層を形成する状態を示す(A)は指先の側面図、(B)は指先の平面図、 爪にアートデザイン層を形成する状態を示す(A)は指先の側面図、(B)は指先の平面図、 爪にオーバコート層を形成する状態を示す(A)は指先の側面図、(B)は指先の平面図、 爪に第1のベース層からオーバコート層を形成する範囲を示す指先の側面図、 (A)は指先に巻くテープの平面図、(B)は指先にテープを巻いた状態を示す斜視図、 指先保持器を示す斜視図、 指先保持器の縦断面図、 指先保持器の縦断面図、 指先保持器の支持板を示す平面図、 インクジェットプリント装置を示す斜視図である。
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。この発明の施術方法は、主要な5工程とこれらの主要工程の前後に行なう準備工程及び仕上工程に分けられる。
最初の準備工程として種々の下処理がある。まず、ネイルアートを施す手指を消毒し、次は爪の整形作業を行なう。例えばやすりや鋏等を用いて爪を適当に切削し、爪の長さや爪先の形状等を整え、さらに、市販のセラミックプッシャ等を用いて爪の根元や両側の甘皮を押し上げ、削る作業も行なう。このとき、後述するプリント装置のプリント範囲との関係を考慮して、予め好適な全体形状(爪の長さ・幅を含む)を想定して整形するのが好ましい。整形作業の後、後工程で用いる樹脂の付着を良好にするため、爪の表面を均一に粗面化する。例えば発泡樹脂の表面にセラミック粒や砥粒を付着させた用具で爪の表面を摩擦することによって、非常に細かい凹凸を爪の表面に形成することができる。粗面化の後、発生した塵埃などをアルコール溶液等で除去し、爪の表面を清浄にする。これらの準備工程は、必ずしも全てを行なう必要はなく、取捨選択して必要な作業のみ、適当な手順で行なえばよい。
次に主要な塗工工程に入る。準備工程によって、整形され粗面化された爪Nの表面に、図1に示すように、第1のベース層1を形成する。このベース層1は、後述する第2のベース層2の爪Nに対する密着性を良好にすると共に、ネイルアートを爪Nから除去する際に、第2のベース層2を含む上層を容易に除去できるようにする緩衝層となるものであって、第2のベース層2に対する密着性と剥離性とのバランスを考慮して選択される材料から成り、光硬化型樹脂、特に紫外線硬化型樹脂を主成分とするジェルが用いられる。紫外線硬化型樹脂としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド等の単官能モノマー;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のモノマー;ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーが例示される。これらの紫外線硬化型樹脂は、単独または2種以上併用して用いることができ、これらに、光重合開始剤のほか、白色等の染料や顔料その他の添加物を融合してジェルの形態で用いられる。ここで、第1のベース層1から上層を例えばやすり等で除去する際の作業性を考えると、この層1はある程度の柔軟性を持ちかつ市販のリムーバ(アセトンを含む溶液)によって容易に溶解できることが好ましい。その見地からすると、紫外線硬化型樹脂は、例えばウレタンアクリレートのオリゴマー、イソボルニルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのモノマーの組合せが選択される。第1のベース層1は図示のように、爪Nの表面全面及び爪先の端面(エッジ部)Eにも塗布される。即ち指Fの皮膚から露出している部分は全て被覆される。通常、この塗布作業は、筆や刷毛を用いて人手により行なわれ、塗布量は通常塗布する程度で特に厚くする必要はない。その後、紫外線UVを照射して硬化させる。
図2に示すように、上記第1のベース層1の表面に、第2のベース層2が形成される。この第2のベース層2は、疎水性、耐水性を有するものが選択される。後述する水溶性インクを用いたアートデザイン層4を、爪Nが蒸散する湿気から保護し、アートデザイン層4のにじみや流れを防止するためである。そこで、ベース層2として、光硬化型樹脂、特に紫外線硬化型樹脂が用いられる。例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド等の単官能モノマー;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のモノマー;ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーが挙げられる。これらの紫外線硬化型樹脂は、単独または2種以上併用して用いることができ、これらに適切な光重合開始剤のほか、染料、顔料、その他の添加物を混合してジェルの形態で用いられる。ここで、ベース層2の疎水性、耐水性性能を考えると、紫外線硬化型樹脂は、例えばウレタンアクリレートのオリゴマー、イソボルニルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのモノマーの組合せが選択される。この第2のベース層2の塗布範囲は、図示のように第1のベース層1の爪根元端縁1a、両側縁1b、1bを、1mm以下、例えば0.5mm程度の幅で残して(塗布せずに)、爪先端面(エッジ部)Eは被覆する。塗布方法は、前記第1のベース層1と同様に筆や刷毛を用いて塗布する。ここで、第1のベース層1の端縁1a及び両側縁1b、1b部分には第2のベース層2を塗布しない理由は、後述するアートデザイン層4を形成した際にこのベース層2に添加した染料または顔料の色彩がアートデザイン層4の枠として現出しないようにするためである。そのほか、ネイルアート全体を爪から除去する際に、爪の隅角部に付着した硬質で強固な硬化層はやすり等で削除し難いため、予め塗布しないようにしておくのがよい。このように紫外線硬化型樹脂を塗布後、紫外線UV(図2(A))を照射して短時間で重合硬化させる。
第2のベース層2を重合硬化させた後、図3に示すように接合層3をその表面に形成する。この接合層3は、後述するアートデザイン層4とベース層2の間に介在して、疎水性(非親水性)の光硬化型樹脂から成る層2に対して、水溶性インクから成るデザイン層4の密着性を良好にし、にじみや流れを防止して彩色を明瞭にし、かつ耐久性を高めるために設ける。従って、接合層3の成分は、疎水性の光硬化型樹脂と水溶性インクの双方に接着性を有するものが求められる。また速乾性の観点から、このような接合層3としては、光硬化型樹脂、特に紫外線硬化型樹脂を主成分とするのが好ましい。例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、無水マレイン酸、フマル酸を反応縮合させて得られる不飽和ポリエステルに、適当な光重合開始剤や他の添加物を配合してジェルの形態にしたものが挙げられる。その他、ベース層2に対して接着性の良い樹脂、例えば(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートのモノマーの重合体もしくはその誘導体等のアクリル系樹脂に、水、ゼラチン、ポリビニルアルコール、デキストリン、ポリアクリル酸、アルギン酸等の親水性バインダを混合し、水溶性インクに対しても接着性を良好にしたジェルを用いることができる。これら以外に、接合層3として、カップリング剤によって架橋した架橋ポリエステル樹脂や架橋ポリエステルウレタン系樹脂を用いることができる。カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアルロイルチタネート、イソプロピルトリスチタネート等のチタネート系カップリング剤が好ましい。接合層3の塗布は、通常、筆や刷毛による手作業で行なわれる。塗布範囲は、図3に示すように、爪Nの端面(エッジ部)Eを除き、他は第2のベース層2と同じくこの層2にほぼ重なり合った範囲であり、通常の厚みで均一に塗布する。そして、紫外線硬化型樹脂の場合は、紫外線UVを照射し、硬化させる。
前記接合層3が硬化乾燥した後、図4に示すように、アートデザイン層4を形成する。この層4は、インクジェットプリント装置を用いて水溶性インクにより形成される。水溶性インクは、水、染料または顔料、界面活性剤、エタノールやイソプロパノール等の水溶性有機溶剤、ジエチレングリコール等の乾燥防止剤などから成る通常のインクジェットプリント用インクが用いられる。プリントの範囲は、図4に示すように、接合層3とほぼ同じである。このプリント後に、特に第2のベース層2の先端面(端面E)にはみだしたインクと共に接合層3をやすり等を用いて除去しておく。爪端面からの水分の浸透を防止するためである。なお、インクジェットプリント装置を用いたアートデザイン層4の形成方法については、後に詳述する。
前記アートデザイン層4の形成後、図5に示すように、オーバコート層5を形成する。この層5はアートデザイン層4を保護するものであるから、疎水性、耐水性を有する樹脂、例えばポリアクリロニトリル、ポリメタクリルロニトリル、変性ポリビニルアルコール特にシラノール変性ポリビニルアルコール等の樹脂に溶媒のほか、光沢剤等の各種添加物を配合したものが用いられる。塗布は、筆や刷毛を用いた手作業で行なわれ、塗布範囲は、図5に示すように、爪Nの端面(エッジ部)Eを含む全表面、即ち第1のベース層1と同じ領域である。また、特に強靭性を要求される場合には、光硬化型樹脂例えば先に第2のベース層2で用いた紫外線硬化型樹脂を用いるのがよく、塗布量は比較的厚めに塗布するのが良い。このように、オーバコート層5を第1のベース層1と同じ領域に形成すると、図4、5から明らかなように、アートデザイン層4はその表面は勿論、その全周縁がオーバコート層5と第1及び第2のベース層1、2との間に完全に閉鎖されて露出しないから、アートデザイン層4に湿気が浸入するのを防止することができる。
基本的には、以上でネイルアートの施術工程は終了するが、仕上工程として、さらに耐水性、疎水性を向上させ、ネイルアートに光沢を与えるため、耐水性を有する樹脂例えばオーバコート層5と同様の光硬化型樹脂に光沢剤等の添加物を配合したトップコート層(図示せず)をオーバコート層5に重ねて塗布することができる。塗布範囲はオーバコート層5と同じである。そのほか、爪Nの周辺や指先に付着したインクや樹脂、塵埃などを除去やポリッシュ等の仕上工程が必要である。
図6は、前記第1のベース層1からオーバコート層5までの層形成範囲を示している。図中、Aは、爪Nの端面(エッジ部)Eを含む全表面を示し、Aは、爪Nの端面E及び根元の一端縁1aと両側縁1b、1bを除いた範囲を示している(図2、図3参照)。
次は、図3に示す接合層3を塗布し乾燥させた後、インクジェットプリント装置を用いてアートデザイン層4を形成する手順を説明する。まず、図7に示すように、水溶性インクが指Fの先端部に付着するのを防止し、アートデザイン層4のプリント範囲を画定するために、柔軟性のあるマスキングテープTを指に貼り付ける。マスキングテープTは、テープ層、粘着剤層、離型紙の3層構造で、ほぼU字形の窪み部Tと、この窪み部Tの両側に形成された脚部T、Tより成り、テープ層を離型紙から剥離して用いられる。図7(B)に示すように、テープTの本体部を爪Nの根元から第1関節(遠位指節間関節)付近まで巻き付け、次いでU字形窪み部Tの内周縁ができるだけ接合層3の外周縁に沿うように脚部T、Tを指先で交叉させて貼り付ける。このとき、テープTが弛みなく緊張した状態で指に密着するように、柔軟性のあるテープTを引き伸ばしながら貼り付けるのがよい。
図7(B)のようにテープTを巻き付けた指先に、図8及び図9に示す保持器Rを装着する。この指先保持器Rは、平面略長方形の箱形ケーシング10と、この箱形ケーシング10の上面開口13から嵌合される指先押圧部材20と、前記ケーシング10に固定されケーシング10の上面から突出する逆U字形の指先拘束部材30と、ノック機構部40より成る。
前記ケーシング10の底板11はその底面全体が水平面になっており、一部に窪み14が設けられて、保持器Rを所定位置に停止する手段として磁石15がこの窪み14に挿入され固定される。この磁石15は、外面15aが平坦に仕上げられ、固定した状態で外面15aが底板11の外面とほぼ面一になっている。また、ケーシング10の内部には、図の中央よりやや左寄りにガイドポール16が直立して設けられている。ケーシング10の開口13を形成する周壁12の上部縁には、図9、10の右端部において、切欠き13aが設けられている。
前記指先押圧部材20は、平面略長方形の頂板21とその周縁から垂下するスカート部22を有し、このスカート部22は、前記ケーシング10の周壁12内面に丁度嵌り込むように相似形になっており、頂板21内面から中空円筒形プランジャ23が垂直に延びている。このプランジャ23の先端には6箇の均等な山形カム歯23aが周方向に連続して形成されている。また、頂板21の上面には、指先の腹(下面)に対応するような浅い溝21aが形成されている。この溝21aは、断面が略アーチ形で、指先が戴置される先端部から後端部にかけて徐々に深さが大きくなるように長さ方向に傾斜しており、指先の第1関節(遠位指節間関節)にほぼ対応する位置に突起21bが設けられている。さらに、スカート部22の両側に一対のガイド溝21c、21cが設けられている。これらのガイド溝21c、21cには、後述の指先拘束部材30の両側脚部32が嵌り合うようになっている。
逆U字形板状体の指先拘束部材30は、アーチ形部31と、その両側から下方に一体に延びる脚部32から成り、脚部32は、前記ケーシング10に固定されている。なお、アーチ形部31は、指先の上面(爪のある面)の弯曲に略合致する弯曲面を形成している。
前記ノック機構部40は、両端が開放した中空円筒状シリンダ41と、このシリンダ41内でガイドポール16に嵌め合わされた回転ピース42と、圧縮コイルスプリング43を備え、前記回転ピース42は、前記コイルスプリング43によって上方にバイアスされている。そして、前記回転ピース42は、中空円筒体の外周に、前記プランジャ23の第1のカム歯23aと同形で互いにかみ合う第2のカム歯42aを備え、前記シンリンダ41の内周面には、プランジャ23の上下動、即ち指先押圧部材20の上下動に従って、回転ピース42が一定範囲内で回転するのを許容し、または回転しないように拘束するカム面41aが設けられ、このカム面41aにかみ合う楔形カム突起42bが回転ピース42の外面に設けられている。
いま、図9の状態から指先押圧部材20を押し下げると、その内面のプランジャ23が回転ピース42を押し下げ、スプリング43を圧縮するが、回転ピース42は、そのカム突起42bが前記シリンダ41内周面のカム面41aに拘束されて回転しない状態でほぼ図10の位置まで下降する。そこでカム突起42bは、前記カム面41aのうちの回転ピース42の回転を許容する部分に設けられた楔形係止部41bに嵌り込み、下降位置(スプリング43の最大圧縮位置)を保持して停止する。この位置で、指先拘束部材30の内側と指先押圧部材20の頂板21との間には、図示のように、指Fを挿入するのに充分な間隙がある。そこで、指先の爪N(このとき、前述のようにテープTが巻かれている)の前後方向位置を調整し、指先で押圧部材20の頂板21をわずかに押し下げると、回転ピース42のカム突起42bがカム面41aの楔形係止部41bから脱出して回転ピース42が回転可能かつ上昇可能な状態になり、スプリング43によって、回転ピース42及びプランジャ23を介して押圧部材20を押し上げ、拘束部材30のアーチ形部31と頂板21との間に指先を保持する。
上記保持器Rは、種々のサイズを用意しておき、親指や小指、或は個体差に合わせて装着すればよい。いずれの保持器Rにおいても、ケーシング10の底面からアーチ形部31の内面までの高さH(図9)を同一にしておくと、後述するインクジェットプリント装置に指を装着したとき、各爪Nの高さ水準を同一に保持する、即ち各爪Nとインクジェットプリントヘッドとの距離をほぼ一定にすることができる。また保持器Rのケーシング10は、図8に示すように、基底部17の幅Wを全て一定にし、後述する支持板50にいずれのサイズの保持器Rでも装着できるようにしてある。
図11及び図12に示すように、インクジェットプリント装置Jには、保持器Rを装着した手指をセットする支持板50が設けられている。この支持板50は、磁石を吸着する磁性材料から成る表面が水平な基板51に、直線的な仕切板52を設け、5筋の直線的保持レーン52a〜52eを形成したものであって、これらのレーン52a〜52eの幅は、保持器Rのケーシング基底部17の幅Wよりわずかに広く、保持器Rの基底部17が嵌り込んでスライド可能になっている。図11に示すように、これらのレーンのうちレーン52b〜52eに、例えば右手の人差指、中指、薬指、小指にそれぞれ装着した保持器Rを嵌合してレーンに沿ってスライドさせ、指を伸ばした位置で停止させる。このとき、磁石15(図8、図10)によって保持器Rのケーシング10は磁性基板51に吸着され定位置に保持される。さらに、右手の親指は手掌の下面に折り曲げて隠れるようにし、左手の親指に装着した保持器Rをレーン52aに嵌め込む。このとき、左手の親指はできるだけ右手の人差指に沿わせるように配置する。なお、図12中、符号Mは、手首を載せるマットである。
上記の状態で、プリント装置Jを作動し、アートデザイン層4をプリントする。このプリントを行なうために、プリント装置Jの制御回路とパーソナルコンピュータPCとを接続しておき、コンピュータPCによってプリント装置Jの制御を行なう。まず、コンピュータPCには、予め多数のアートデザインが記憶されているので、プリント以前の段階で、コンピュータPCのディスプレイに表示されたものから一つ(一つの爪に対して)を選択し指定する。また、プリント装置に備えられたカメラからは、テープTが巻かれた爪の撮像データを制御回路を介してコンピュータPCに送信するので、コンピュータPCはソフトウェアによってプリントすべきそれぞれの爪の位置と領域等を画定する。そしてコンピュータPCは、プリントすべき爪の位置や領域のデータ、選択されたアートデザインのデータ等に基づいて、プリント装置Jの制御回路に指令を発し、プリント装置Jでは、その指令に従って制御回路がキャリッジやベルトを駆動してプリントヘッドを前後左右に動かし、所要のインクジェットノズルを駆動してアートデザインを爪Nにプリントする。これによって先に述べたアートデザイン層4が形成される。
以下この発明の実施例について述べる。
(実施例1)
デスクワークに従事している女性の左手人差指の爪先を爪整形用やすり(商品名 NFエメリーボード #180/240、ナチュラルフィールドサプライ社)で整形し、甘皮を削り取った後、スポンジの表面にセラミック粉を付着したやすり(商品名 NFスポンジファイル SB213、ナチュラルフィールドサプライ社)で爪の表面を粗面化し、粉塵をふき取って清浄にした。この爪の表面全面及び端面に、ポリウレタン系樹脂ジェル(商品名 エースジェル・ベースジェル2、ラシーヌ社)をネイルエナメル用筆を用い塗布し、第1のベース層を形成し、紫外線照射装置(商品名 SHINYGEL proffessional、ワールドビューティワークス社)で硬化させた後、第2のベース層として白色顔料を配合したポリウレタンアクリレートを含むジェル(商品名 ibd クリアージェル、シンワコーポレーション社)を筆で厚めに塗布した。このとき、爪の根元及び両側縁に約0.5mm程度の幅で塗布しない部分を残した。塗布後、前記紫外線照射装置を用いて硬化させた。この第2のベース層の表面にポリエステル樹脂を主体とするジェル(品番 PB−35、サクラクレパス社)を塗布した。塗布範囲は、第2のベース層の爪端面を除く範囲である。これを同じ紫外線照射装置で硬化させ接合層を形成した後、指先に図7のようにテープを巻き付け、図8の保持器を装着し、図12のインクジェットプリント装置を用いて、薄紫色の格子模様をプリントし、アートデザイン層を形成した。その後、オーバコート層として第2のベース層と同様のジェルを筆で第1のベース層と同様の範囲に厚めに塗布し、同様の紫外線照射装置を用いて硬化させた。前記アートデザイン層を目視で観察したところ、色のにじみ、流れがなく美麗であった。この女性に日常生活を送ってもらい、5日後、同じアートデザイン層を観察したところ、色のにじみ、流れは無かった。そこで、第2のベース層までをやすり(商品名 ダイヤモンドゼブラ F105、ナチュラルフィールドサプライ社)で削り、アセトンを含むリムーバ(商品目 MANICURELIST、ナチュラルフィールドサプライ社)を、残った第1のベース層に浸潤させた後、ウッドスティックを用いてこすり取ったところ、きれいに剥離し、付着物の残滓が爪に残らなかった。
(実施例2)
アートデザイン層として、薄空色斜縞模様をプリントしたほかは実施例1と同様にしてネイルアートを形成した。結果は実施例1と同様であった。その後、4日間日常生活を送ってもらったが、アートデザイン層にほとんど変化が見られなかった。
爪の全表面
爪の一部を除く表面
E 爪の端面
F 指
H 高さ
J インクジェットプリント装置
M マット
N 爪
PC パーソナルコンピュータ
R 指先保持器
T テープ
窪み部
脚部
UV 紫外線
W 基底部の幅
1 第1のベース層
1a 端縁
1b 両側縁
2 第2のベース層
3 接合層
4 アートデザイン層
5 オーバコート層
10 ケーシング
11 底板
12 周壁
13 開口
13a 切欠き
14 窪み
15 磁石
15a 磁石の外面
16 ガイドポール
17 基底部
20 指先押圧部材
21 頂板
21a 溝
21b 突起
21c ガイド溝
22 スカート部
23 プランジャ
23a 山形カム歯
30 指先拘束部材
31 アーチ形部
32 脚部
40 ノック機構部
41 シリンダ
41a カム面
41b 楔形係止部
42 回転ピース
42a カム歯
42b カム突起
43 コイルスプリング
50 支持板
51 基板
52 仕切板
52a〜52e 保持レーン

Claims (5)

  1. リムーバ溶液に対して溶解性を有し疎水性光硬化型樹脂に対して密着性の良い樹脂から成るリムーバ溶液を用いた除去の容易な第1のベース層を爪表面に形成する第1の工程と、
    疎水性光硬化型樹脂から成る爪の湿気を遮断する第2のベース層を前記第1のベース層の表面に塗布し、光照射によって硬化させる第2の工程と、
    光硬化型樹脂と水溶性インクとの双方に対して密着性の良好な樹脂、または樹脂とバインダとの混合物を含む接合層を第2のベース層の表面に塗布し硬化させる第3の工程と、
    この接合層の表面に、インクジェットプリント装置を用いて水溶性インクでアートデザイン層を形成する第4の工程と、
    このアートデザイン層の表面に疎水性樹脂から成るオーバコート層を形成する第5の工程と、から成るネイルアートの施術方法。
  2. 前記第1のベース層は爪の端面を含む爪表面に形成され、第2のベース層は爪の根元及び両側縁をわずかに残しかつ爪の端面を含む領域に形成される請求項1に記載のネイルアートの施術方法。
  3. 前記アートデザイン層は、爪の端面を除く領域に形成される請求項1または2に記載のネイルアートの施術方法。
  4. 前記アートデザイン層をインクジェットプリント装置によってプリントする際に、プリントの範囲を制限するテープを指先に装着する請求項1〜3のいずれかに記載のネイルアートの施術方法。
  5. 前記アートデザイン層をインクジェットプリント装置によってプリントする際に、爪の高さを一定に保持する指先保持器をそれぞれの指先に装着する請求項1〜4のいずれかに記載のネイルアートの施術方法。
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