JP6795008B2 - 鋼矢板の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
この鋼矢板には、図14(a)に示すU形鋼矢板101、図14(b)に示すハット形鋼矢板201、及び図14(c)に示す直線形鋼矢板301等がある。ここで、U形鋼矢板101は、図14(a)に示すように、長手方向(図14(a)において紙面に対して直交する方向)に直交する断面がU形形状の鋼矢板であり、長手方向かつ長手方向に直交する水平の左右方向に延びるウェブ102と、ウェブ102の左右方向の両端に接続された一対のフランジ103と、各フランジ103の先端に接続された一対の継手部104とを備えている。各フランジ103は、ウェブ102の左右方向端部からウェブ102の下方に向けて外方に傾斜するように形成されている。また、ハット形鋼矢板201は、図14(b)に示すように、長手方向に直交する断面がハット形形状の鋼矢板であり、長手方向かつ左右方向に延びるウェブ202と、ウェブ202の左右方向の両端に接続された一対のフランジ203と、各フランジ203の先端に接続された一対の腕部204と、各腕部204の先端に接続された左右点対称形状の一対の継手部205とを備えている。各フランジ203は、ウェブ202の左右方向端部から下方に向けて外方に傾斜するように形成され、各腕部204は、ウェブ202と平行に延びている。また、直線形鋼矢板301は、図14(c)に示すように、長手方向に直交する断面が直線状の鋼矢板であり、長手方向かつ左右方向に直線状に延びるウェブ302と、ウェブ302の左右方向の両端に接続された一対の継手部303とを備えている。
このため、従来にあっては、鋼矢板の曲がりを抑制するための技術が提案されている。特許文献1は、ロール対に刻設された一連の孔型を用いて被圧延材を圧延及び曲げ加工することにより、両側の腕部に非対称断面形状の継手対を有する非対称ハット型断面材(ハット形鋼矢板)を製造する方法であり、一連の孔型のうち非対称ハット型断面材を最終的に成型する仕上孔型を除く一部または全部の孔型を、その腕圧下部が仕上孔型の腕圧下部とは異なる方向に傾斜された腕傾斜孔型とし、この腕傾斜孔型によって被圧延材を圧延して中間断面材を成型した後、仕上孔型によって中間断面材の継手対を曲げ加工して非対称ハット型断面材を成型するものである。
即ち、特許文献1に示す非対称ハット型断面材の製造方法の場合、仕上孔型を除く孔型の形状を工夫することによって粗圧延及び中間圧延における非対称ハット型断面材の曲がりを抑制し、結果として仕上圧延後の非対称ハット型断面材の曲がりを抑制しているが、圧延機の幅方向左右のハウジングに異なる力が加わったことによる非対称ハット型断面材の曲がりの対策がなされていない。つまり、仕上孔型を除く孔型の形状を工夫するのみでは、圧延機の幅方向左右のハウジングに異なる力が加わったことによる非対称ハット型断面材の曲がりを適切に抑制することができない。このため、仕上圧延後の非対称ハット型断面材の曲がりを適切に抑制することができない。
従って、本発明はこの従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、仕上圧延後の鋼矢板の曲がりを適切に抑制することができる鋼矢板の製造装置及び製造方法を提供することにある。
図1には、本発明の第1実施形態に係る鋼矢板の製造装置である鋼矢板の熱間圧延設備の概略構成が示されており、熱間圧延設備1は、鋼矢板としての図14(b)に示すハット形鋼矢板201を熱間圧延して製造するものである。この熱間圧延設備1は、上流側から下流側に向けて順に、加熱炉2、粗圧延機3、中間圧延機4、仕上圧延機5及びホットソー6を備えている。中間圧延機4は、2台の圧延機をタンデムに配置して構成されている。
ここで、粗圧延機3は、図1に示すように、粗圧延機3におけるレベリング量を調整する圧下装置DP3を備え、中間圧延機4は、中間圧延機4におけるレベリング量を調整する圧下装置DP4を備え、仕上圧延機5は、仕上圧延機5におけるレベリング量を調整する圧下装置DP5を備えている。
レベリング量とは、各粗圧延機3、中間圧延機4、仕上圧延機5における圧下位置の開度差である。すなわち、図3に示すように、上圧延ロールA及び下圧延ロールBの軸方向右側をOP(作業)側、軸方向左側をDR(駆動)側とすると、OP側圧下位置GOPは、下圧延ロールBの上面と上圧延ロールAの下面を基準面としたときのOP側のチョック位置の開度である。また、DR側圧下位置GDRは、下圧延ロールBの上面と上圧延ロールAの下面を基準面としたときのDR側のチョック位置での開度である。そして、レベリング量Lνとは、OP側圧下位置GOPとDR側圧下位置GDRとの差であり、本実施形態の場合、OP側が大きい場合をプラス、DR側を大きい場合をマイナスとしている。
中間圧延制御部8は、上位コンピュータ100から圧延する鋼材の鋼種、粗圧延後の鋼材の寸法、粗圧延後の鋼材の板幅方向の温度、中間圧延機4のOP側及びDR側のミル剛性等の情報を取得し、それら取得した情報から中間圧延機4の出側で被圧延材の曲がりが生じないような中間圧延機4におけるレベリング量Lνを算出し、算出したレベリング量Lνに基づいた圧下量で中間圧延機4における圧延が行われるように中間圧延機4の圧下装置DP4を制御する。
また、仕上圧延機5の出側には、仕上圧延後の鋼矢板(被圧延材)の長手方向に沿った左右方向の曲がりを確実に抑制するために、レベリング量設定部91で設定されたレベリング量に基づいた圧下量で仕上圧延機5で圧延された鋼矢板(被圧延)材の長手方向に沿った曲がりの曲率を測定する曲がり測定装置10が設置されている。
即ち、曲がり測定装置10は、撮像装置11と、画像処理装置12とを備えている。
撮像装置11は、仕上圧延機5から出て複数の搬送ローラ20によって搬送されてくるハット形鋼矢板201を上方から撮像するものであり、パスラインの上方であって搬送ローラ20の胴長方向中央部(左右方向中央部)直上で、パスラインからの高さhが5mの位置に、パスライン方向に数十m視野の胴長方向にハット形鋼矢板201の全幅が入る視野が確保できるように、配置されている。撮像装置11は、例えば、圧延機のハウジング上部や製造ラインを幅方向に横切るための上方通路などに固定されている。そして、撮像装置11は、撮像した画像(ハット形鋼矢板201を上方から見た画像)を画像処理装置12に対して出力する。
撮像装置11としては、CCDあるいはCMOS等のエリアセンサカメラを用いることができる。撮像装置11は、長手方向の視野Lが20m、長手方向に直交する水平の左右方向の視野Wが10mとなるようにカメラ及びレンズの選定、機器配置が行われる。
また、画像処理装置12は、撮像装置11によって撮像されたハット形鋼矢板201の画像(ハット形鋼矢板201を上方から見た画像)を画像処理し、その画像に基づいてハット形鋼矢板201の長手方向に沿った曲がりプロフィール及び曲率を算出するものである。
次いで、幅方向輝度分布算出手段13は、斜影変換処理を行った画像からハット形鋼矢板201の長手方向の一定間隔の複数断面における幅方向輝度分布を算出する。
ここで、レベリング量設定部91は、上位コンピュータ100から圧延する鋼材の鋼種、中間圧延後の鋼材の寸法、中間圧延後の鋼材の板幅方向の温度、仕上圧延機5のOP側及びDR側のミル剛性等の情報を取得し、それら取得した情報から仕上圧延機5の出側でハット形鋼矢板(被圧延材)201の曲がりが生じないような仕上圧延機5におけるレベリング量Lν1を算出する。ここで、下付き文字1は、仕上圧延機5における1本目の鋼矢板の圧延のレベリング量ということで、レベリング量Lν1とする。また、レベリング量設定部91には、仕上圧延機5における2本目以降の鋼矢板の圧延のレベリング量Lνi(i=2〜n)として、後述する1本前の圧延におけるレベリング量Lνi−1(i=2〜n)を補正したレベリング量補正値Lνi(i=2〜n)が入力される。そして、レベリング量設定部91は、レベリング量Lνi(i=1〜n)(i本目の鋼矢板の圧延のレベリング量)をレベリング量補正部92に対し出力する。
このレベリング量補正部92によるレベリング量Lνi(i=1〜n)の補正について具体的に説明すると、曲率κの変化とレベリング量Lνの変化量との関係は、例えば以下の(1)式で表される。
ΔLν=αΔκ ……(1)
仕上圧延機5の出側で鋼矢板の曲率がκであるならば、仕上圧延機5でκをゼロとするようレベリング操作量ΔLνを設定すればよく、そのレベリング操作量ΔLνは次の(2)式で表せる。
ΔLν=ακ ……(2)
Lνi+1(i=1〜n)=Lνi(i=1〜n)+ΔLν=Lνi(i=1〜n)+ακ ……(3)
仕上圧延制御部9のレベリング量設定部91は、以下で示すステップS1からステップS4までを実行する。また、曲がり測定装置10は、曲がり測定ステップであるステップS5を実行する。更に、レベリング量補正部92は、レベリング量補正ステップであるステップS6(レベリング操作量算出ステップ)及びステップS7(レベリング量補正値算出ステップ)を実行する。また、圧下制御部93は、圧下制御ステップであるステップS8及びステップS9を実行する。
そして、ステップS1では、スイッチSWが「1」であるか否かを判定し、スイッチSWが「0」である場合には、ステップS2に移行し、スイッチSWが「1」である場合には、ステップS4に移行する。
ステップS2では、初回のレベリング設定処理を行う。このレベリング設定処理は、上位コンピュータ100から圧延する鋼材の鋼種、中間圧延後の鋼材の寸法、中間圧延後の鋼材の板幅方向の温度、仕上圧延機5のOP側及びDR側のミル剛性等の情報を取得し、それら取得した情報から仕上圧延機5の出側で鋼矢板(被圧延材)201の曲がりが生じないような仕上圧延機5における1回目の圧延のレベリング量Lν1を算出する。
一方、ステップS1でSWが「1」である場合に移行したステップS4では、後述のステップS7で求められる、1本前の圧延におけるレベリング量Lνi−1(i=2〜n)を補正したレベリング量補正値Lνi(i=2〜n)をレベリング量Lνi(i=2〜n)に設定し、ステップS5に移行する。
次に、ステップS5では、曲がり測定装置10が、ステップS2あるいはステップS4で設定されたレベリング量Lν1、Lνi(i=2〜n)、即ち、レベリング量Lνi(i=1〜n)基づいた圧下量で仕上圧延機5で圧延された鋼矢板201の長手方向に沿った曲がりの曲率を測定する(曲がり測定ステップ)。
続いて、ステップS54において、画像処理装置12の幅方向輝度分布算出手段13は、撮像装置11によって撮像された画像からハット形鋼矢板201の長手方向の一定間隔の複数断面における幅方向輝度分布を算出する(幅方向輝度分布算出ステップ)。
次いで、ステップS542において、幅方向輝度分布算出手段13は、取りこんだ画像を斜影変換処理する。この斜影変換処理は、前述したように、予め登録しておいたカメラ視野内の画素位置と実距離の座標とを用いて、取りこんだ斜め上からの撮像画像を真上からの真上画像に変換するものである。
そして、ステップS6では、レベリング量補正部92は、曲がり測定装置10によって測定された鋼矢板201の曲率κがゼロとなるような仕上圧延機5におけるレベリング操作量ΔLν=ακを算出し(レベリング操作量算出ステップ)、ステップS7に移行する。
ステップS8では、圧下制御部93が、ステップS7で算出したレベリング量補正値Lνi+1(i=1〜n)に基づいた圧下量で仕上圧延機5における圧延(具体的には、孔型K1による水平圧延)が行われるような圧下駆動信号を生成する。
そして、ステップS9では、圧下制御部93が、生成した圧下駆動信号を圧下装置DP5に対し出力する。
その後、中間圧延された被圧延材を仕上圧延機5により製品形状のハット形鋼矢板201に仕上圧延する(仕上圧延工程)。この仕上圧延工程においては、1本目の圧延では、レベリング量設定部91で設定されたレベリング量Lν1に基づいた圧下量で仕上圧延機5による圧延を行う。2本目以降の圧延については、次のように行われる。
次いで、曲がり測定ステップによって測定された曲率κに基づいて、レベリング量設定部91で設定されたレベリング量Lνi(i=1〜n)を補正して曲率κがゼロとなるようなレベリング量補正値Lνi+1(i=1〜n)を算出する(レベリング量補正ステップ、ステップS6、ステップS7)。
そして、仕上圧延工程の後、ホットソー6によりハット形鋼矢板201を所定長さに切断する。所定長さに切断されたハット形鋼矢板201は、その後の矯正工程等に供される。
また、曲がり測定装置10は、ハット形鋼矢板201(被圧延材)を上方から撮像する撮像装置11と、撮像装置11によって撮像された画像からハット形鋼矢板201の長手方向の一定間隔の複数断面における幅方向輝度分布を算出する幅方向輝度分布算出手段13と、幅方向輝度分布算出手段13で算出した幅方向輝度分布から屈曲部位mを検出する屈曲部位検出手段14と、屈曲部位検出手段14で検出した屈曲部位mの幅方向位置を長手方向に繋ぎ合せることでハット形鋼矢板201の長手方向に沿った曲がりプロフィールを算出するとともに、曲がりプロフィールに基づいて曲率κを算出する曲がりプロフィール及び曲率算出手段15とを備えている。
次に、本発明の第2実施形態に係る鋼矢板の製造装置について、図12を参照して説明する。図12において、図1に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図12に示す本発明の第2実施形態に係る鋼矢板の製造装置である熱間圧延設備1は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る鋼矢板の製造装置である熱間圧延設備1と同様であるが、曲がり測定装置10を中間圧延機4の出側に設置し、その曲がり測定装置10で測定した被圧延材の曲がりの曲率κに基づいて中間圧延機4におけるレベリング量を補正するようにしている点で、曲がり測定装置10を仕上圧延機5の出側に設置し、その曲がり測定装置10で測定した被圧延材の曲がりの曲率κに基づいて仕上圧延機5におけるレベリング量を補正するようにしている図1に示す熱間圧延設備1と異なっている。
また、中間圧延機4の出側には、中間圧延後の被圧延材の長手方向に沿った左右方向の曲がりを確実に抑制するために、レベリング量設定部81で設定されたレベリング量に基づいた圧下量で中間圧延機4で圧延された被圧延材の長手方向に沿った曲がりの曲率を測定する曲がり測定装置10が設置されている。曲がり測定装置10の構成は図4に示す曲がり測定装置10の構成と同一である。
レベリング量補正部82による補正方法について具体的に述べると、レベリング量補正部82は、曲がり測定装置10によって測定された被圧延材の曲率κがゼロとなるような中間圧延機4におけるレベリング操作量ΔLν=ακを算出し、このレベリング操作量ΔLν=ακをレベリング量設定部81で設定されたレベリング量(i本目の鋼矢板の圧延のレベリング量)に加算してレベリング量補正値(i+1本目の鋼矢板の圧延のレベリング量)として算出する。これは、図1に示す第1実施形態におけるレベリング量補正部92と同様である。
なお、粗圧延制御部7は、上位コンピュータ100から圧延する鋼材の鋼種、粗圧延前の鋼材の寸法、粗圧延前の鋼材の板幅方向の温度、粗圧延機3のOP側及びDR側のミル剛性等の情報を取得し、それら取得した情報から粗圧延機3の出側で被圧延材の曲がりが生じないような粗圧延機3におけるレベリング量を算出し、算出したレベリング量に基づいた圧下量で粗圧延機3における圧延が行われるように粗圧延機3の圧下装置DP3を制御する。
これにより、中間圧延後の被圧延材の曲がりを適切に抑制することができ、結果として、仕上圧延後のハット形鋼矢板201の曲がりを適切に抑制することができる。特に、中間圧延において、中間圧延機4の幅方向左右のハウジングに異なる大きさの力が加わったことにより、被圧延材の幅方向左右の圧下量が異なり、中間圧延後の被圧延材に長手方向に沿った左右方向の曲がりが発生する場合に有効である。
次に、本発明の第3実施形態に係る鋼矢板の製造装置について、図13を参照して説明する。図13において、図1に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図13に示す本発明の第3実施形態に係る鋼矢板の製造装置である熱間圧延設備1は、基本構成は図1に示す第1実施形態に係る鋼矢板の製造装置である熱間圧延設備1と同様であるが、曲がり測定装置10を粗圧延機3の出側に設置し、その曲がり測定装置10で測定した被圧延材の曲がりの曲率κに基づいて粗圧延機3におけるレベリング量を補正するようにしている点で、曲がり測定装置10を仕上圧延機5の出側に設置し、その曲がり測定装置10で測定した被圧延材の曲がりの曲率κに基づいて仕上圧延機5におけるレベリング量を補正するようにしている図1に示す熱間圧延設備1と異なっている。
また、粗圧延機3の出側には、粗圧延後の被圧延材の長手方向に沿った左右方向の曲がりを確実に抑制するために、レベリング量設定部71で設定されたレベリング量に基づいた圧下量で粗圧延機3で圧延された被圧延材の長手方向に沿った曲がりの曲率を測定する曲がり測定装置10が設置されている。曲がり測定装置10の構成は図4に示す曲がり測定装置10の構成と同一である。
レベリング量補正部72による補正方法について具体的に述べると、レベリング量補正部72は、曲がり測定装置10によって測定された被圧延材の曲率κがゼロとなるような粗圧延機3におけるレベリング操作量ΔLν=ακを算出し、このレベリング操作量ΔLν=ακをレベリング量設定部71で設定されたレベリング量(i本目の鋼矢板の圧延のレベリング量)に加算してレベリング量補正値(i+1本目の鋼矢板の圧延のレベリング量)として算出する。これは、図1に示す第1実施形態におけるレベリング量補正部92と同様である。
なお、中間圧延制御部8は、上位コンピュータ100から圧延する鋼材の鋼種、粗圧延後の鋼材の寸法、粗圧延後の鋼材の板幅方向の温度、中間圧延機4のOP側及びDR側のミル剛性等の情報を取得し、それら取得した情報から中間圧延機4の出側で被圧延材の曲がりが生じないような中間圧延機4におけるレベリング量Lνを算出し、算出したレベリング量に基づいた圧下量で中間圧延機4における圧延が行われるように中間圧延機4の圧下装置DP4を制御する。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
比較例の熱間圧延設備は、図1に示す熱間圧延設備1から曲がり測定装置10及びレベリング量補正部92を除いたものであり、1本目の圧延で、粗圧延機3で粗圧延し、中間圧延機4で中間圧延し、仕上圧延機5でレベリング量設定部91で設定したレベリング量(−1.1mm)に基づく圧下量で仕上圧延した。その結果、仕上圧延後のハット形鋼矢板の寸法は、高さ300mm、ウェブ厚13.2mm、幅900mmであった。そして、仕上圧延機5の出側での曲がりは、ハット形鋼矢板の先端から10mmで曲がり量(図16参照)がOP側に52mmであり、測定した曲率は1.039×10−6mm−1であった。
これにより、本発明例の熱間圧延設備1においては、仕上圧延後の曲がりの曲率に基づいて仕上圧延におけるレベリング量を補正することで、比較例の熱間圧延設備で圧延した場合よりも、仕上圧延後のハット形鋼矢板の曲がりが抑制できることを確認した。
2 加熱炉
3 粗圧延機
4 中間圧延機
5 仕上圧延機
5a 上圧延ロール
5b 下圧延ロール
6 ホットソー
7 粗圧延制御部
8 中間圧延制御部
9 仕上圧延制御部
10 曲がり測定装置
11 撮像装置
12 画像処理装置
13 幅方向輝度分布算出手段
14 屈曲部位検出手段
15 曲がりプロフィール及び曲率算出手段
17 先端検出用センサ
18 尾端検出用センサ
19 トリガ回路
20 搬送ローラ
71 レベリング量設定部
72 レベリング量補正部
73 圧下制御部
81 レベリング量設定部
82 レベリング量補正部
83 圧下制御部
91 レベリング量設定部
92 レベリング量補正部
93 圧下制御部
100 上位コンピュータ
101 U形鋼矢板
102 ウェブ
103 フランジ
104 継手部
201 ハット形鋼矢板
202 ウェブ
203 フランジ
204 腕部
205 継手部
205a 爪部
301 直線形鋼矢板
302 ウェブ
303 継手部
401 孔型ロール
402 上圧延ロール
403 下圧延ロール
404 孔型
501 鋼矢板
A 上圧延ロール
B 下圧延ロール
m 屈曲部位
Claims (6)
- 加熱炉で加熱された素材鋼片を断面形状が製品形状に類似した形状の被圧延材に粗造形する粗圧延機と、粗造形された被圧延材を中間圧延する中間圧延機と、中間圧延された被圧延材を製品形状に仕上圧延する仕上圧延機とを備えた鋼矢板の製造装置であって、
前記粗圧延機の出側、前記中間圧延機の出側及び前記仕上圧延機の出側の少なくとも1つに設置された曲がり測定装置であって、レベリング量設定部で設定されたレベリング量に基づいた圧下量で前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機で圧延された前記被圧延材の長手方向に沿った曲がりの曲率を測定する曲がり測定装置と、
該曲がり測定装置によって測定された曲率に基づいて、前記レベリング量設定部で設定されたレベリング量を補正して前記曲率が減少するようなレベリング量補正値を算出するレベリング量補正部と、
該レベリング量補正部で算出した前記レベリング量補正値に基づいた圧下量で前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機における圧延が行われるように前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機の圧下装置を制御する圧下制御部とを備えていることを特徴とする鋼矢板の製造装置 - 前記レベリング量補正部は、前記曲率が減少するような前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機におけるレベリング操作量を算出し、該レベリング操作量を前記レベリング量設定部で設定されたレベリング量に加算して前記レベリング量補正値として算出することを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の製造装置。
- 前記曲がり測定装置は、
前記被圧延材を上方から撮像する撮像装置と、
該撮像装置によって撮像された画像から前記被圧延材の長手方向の一定間隔の複数断面における幅方向輝度分布を算出する幅方向輝度分布算出手段と、
該幅方向輝度分布算出手段で算出した幅方向輝度分布から屈曲部位を検出する屈曲部位検出手段と、
該屈曲部位検出手段で検出した屈曲部位の幅方向位置を長手方向に繋ぎ合せることで前記被圧延材の長手方向に沿った曲がりプロフィールを算出するとともに、該曲がりプロフィールに基づいて曲率を算出する曲がりプロフィール及び曲率算出手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼矢板の製造装置。 - 加熱炉で加熱された素材鋼片を粗圧延機により断面形状が製品形状に類似した形状の被圧延材に粗造形する粗圧延工程と、粗造形された被圧延材を中間圧延機により中間圧延する中間圧延工程と、中間圧延された被圧延材を仕上圧延機により製品形状に仕上圧延する仕上圧延工程とを含む鋼矢板の製造方法であって、
前記粗圧延工程、前記中間圧延工程、及び前記仕上圧延工程の少なくとも1つの工程の後、前記粗圧延機の出側、前記中間圧延機の出側及び前記仕上圧延機の出側の少なくとも1つに設置された曲がり測定装置によって、レベリング量設定部で設定されたレベリング量に基づいた圧下量で前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機で圧延された前記被圧延材の長手方向に沿った曲がりの曲率を測定する曲がり測定ステップと、
該曲がり測定ステップによって測定された曲率に基づいて、前記レベリング量設定部で設定されたレベリング量を補正して前記曲率が減少するようなレベリング量補正値を算出するレベリング量補正ステップと、
該レベリング量補正ステップで算出した前記レベリング量補正値に基づいた圧下量で前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機における圧延が行われるように前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機の圧下装置を制御する圧下制御ステップとを含むことを特徴とする鋼矢板の製造方法。 - 前記レベリング量補正ステップは、前記曲率が減少するような前記曲がり測定装置の入側直近の粗圧延機、中間圧延機あるいは仕上圧延機におけるレベリング操作量を算出するレベリング操作量算出ステップと、算出した前記レベリング操作量を前記レベリング量設定部で設定されたレベリング量に加算して前記レベリング量補正値として算出するレベリング量補正値算出ステップとを含むことを特徴とする請求項4に記載の鋼矢板の製造方法。
- 前記曲がり測定ステップは、
前記被圧延材を上方から撮像する撮像ステップと、
該撮像ステップによって撮像された画像から前記被圧延材の長手方向の一定間隔の複数断面における幅方向輝度分布を算出する幅方向輝度分布算出ステップと、
該幅方向輝度分布算出ステップで算出した幅方向輝度分布から屈曲部位を検出する屈曲部位検出ステップと、
該屈曲部位検出ステップで検出した屈曲部位の幅方向位置を長手方向に繋ぎ合せることで前記被圧延材の長手方向に沿った曲がりプロフィールを算出するとともに、該曲がりプロフィールに基づいて曲率を算出する曲がりプロフィール及び曲率算出ステップとを含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の鋼矢板の製造方法。
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