JP6794856B2 - 接地ショート箇所検出装置、接地ショート箇所検出方法及び接地ショート箇所検出プログラム - Google Patents

接地ショート箇所検出装置、接地ショート箇所検出方法及び接地ショート箇所検出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、接地ショート箇所検出装置、接地ショート箇所検出方法及び接地ショート箇所検出プログラムに関する。
今日において、マスタデバイスに対して複数のスレーブデバイスを接続したマルチスレーブ構成のバス通信システムが知られている。このようなマルチスレーブ構成のバス通信システムにおいて、信号線の電圧レベルがグランドレベルとなる、いわゆる接地ショートの故障が発生することがある。この接地ショートの故障は、オープン故障に比べて故障箇所の特定が困難となる。
特許文献1(特開2007−235870号公報)に、接地ショートの故障個所を特定可能としたバス通信システムが開示されている。このバス通信システムの場合、デイジーチェーン接続したマスタデバイスと各スレーブデバイスとの間に、それぞれ遮断スイッチを設ける。そして、マスタデバイスと全てのスレーブデバイスとの間を、遮断スイッチで遮断した状態としたうえで、マスタデバイス及び各スレーブデバイスを順に接続して正常な通信の可否を確認することで、接地ショートの発生箇所を特定する。
しかし、特許文献1に開示されているバス通信システムの場合、マスタデバイスからの制御信号で各遮断スイッチをオンオフ制御する必要がある。これを実現するには、マスタデバイスに、各スレーブデバイス用のCPU(Central Processing Unit)を設ける。そして、各CPUで、各遮断スイッチをオンオフ制御して、各スレーブデバイスとの間の正常な通信の可否を確認する。この場合、スレーブデバイス毎にCPUが必要となる問題がある。
また、一つのCPUで各遮断スイッチをオンオフ制御する場合、各遮断スイッチに制御信号を供給するための、多くのピンを制御基板等に設ける必要がある。この場合、例えば回路設計、設置面積及び設置場所等のCPUの周囲の構成に多くの制約を与える問題がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、マルチスレーブ構成のバス通信システムの接地ショートの発生箇所を、簡単な構成で検出可能とした接地ショート箇所検出装置、接地ショート箇所検出方法及び接地ショート箇所検出プログラムの提供を目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、マスタデバイスと複数段分のスレーブデバイスとを接続したバス通信システムの接地ショート箇所検出装置であって、マスタデバイスと各段のスレーブデバイスとの間にそれぞれ設けられた、マスタデバイスと各スレーブデバイスとの間の通信をオンオフ制御するための複数のスイッチ部と、各スイッチ部と各スレーブデバイスとの間にそれぞれ設けられた、各スイッチ部と各スレーブデバイスとの間の各通信線の信号レベルを所定レベルに維持する複数のレベル維持部と、各段にそれぞれ設けられた、各段のスイッチ部をオンオフ制御するためのスイッチ制御信号を生成する複数の生成部と、を有し、1段目のスイッチ部は、マスタデバイスから出力するスイッチ制御信号でオンオフ制御し、2段目のスイッチ部は、1段目のレベル維持部からの信号のレベル、及び、マスタデバイスからのスイッチ制御信号のレベルに基づいて2段目の生成部で生成されたスイッチ制御信号でオンオフ制御し、3段目以降のスイッチ部は、前段の生成部により、前段のレベル維持部からの信号のレベル、及び、前々段の生成部で生成されたスイッチ制御信号のレベルに基づいて生成されたスイッチ制御信号でオンオフ制御し、マスタデバイスは、少なくとも各スイッチ部のオンオフ状態に応じて変化する各スレーブデバイスとの間の通信状態に基づいて、接地ショートの発生箇所を特定することを特徴とする。
本発明によれば、マルチスレーブ構成のバス通信システムの接地ショートの発生箇所を、簡単な構成で検出できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態のバス通信システムのブロック図である。 図2は、参考例となるバス通信システムのブロック図である。 図3は、実施の形態のバス通信システムにおける、接地ショート箇所の検出動作を説明するための図である。 図4は、実施の形態のバス通信システムにおける、他の接地ショート箇所の検出動作を説明するための図である。 図5は、実施の形態のバス通信システムにおける、接地ショート箇所の判別動作を説明するための図である。 図6は、実施の形態のバス通信システムのCPUが接地ショート箇所検出プログラムを実行することで実現される各機能の機能ブロック図である。 図7は、実施の形態のバス通信システムにおける、接地ショート箇所の判別動作の流れを示すフローチャートである。
(実施の形態のバス通信システムの構成)
図1に、実施の形態のバス通信システムのブロック図を示す。この図1に示すようにバス通信システムは、マスタデバイスの一例となるCPU1と、CPU1に並列接続された複数のスレーブデバイス2〜5とを有している。なお、この図1は、一例として第1〜第4の計4つのスレーブデバイス2〜5をCPU1に接続した例である。CPU1に接続するストレージサービスの数は、任意の数でよい。また、CPU1に対して各スレーブデバイス2〜5を直列接続してもよい。
また、実施の形態のバス通信システムは、CPU1と各スレーブデバイス2〜5との間に挿入接続された第1〜第4の遮断スイッチ(第1〜第4の遮断SW:スイッチ部の一例)6〜9を有している。また、実施の形態のバス通信システムは、第1の遮断SW6に供給されたスイッチ制御信号(SW制御信号)を、後段の第2〜第4の遮断SW7〜9に転送するためのANDゲート10〜12(生成部の一例)を有している。また、実施の形態のバス通信システムは、各ANDゲート10〜12の出力制御を行うためのプルアップ抵抗13〜16(レベル維持部の一例)を有している。
また、実施の形態のバス通信システムは、メモリ17及びRAM18を有している。メモリ17には、接地ショート箇所を検出するための故障検出プログラム(接地ショート箇所検出プログラムの一例)が記憶されている。後述するように、CPU1は、故障検出プログラムの各機能をRAM18に展開して実行することで、接地ショート箇所の検出を行う。
(各部の詳細な接続関係)
このような各部の接続関係を詳細に説明する。SW制御信号が出力されるCPU1の第1の出力端子1aは、第1の遮断SW6の第1の入力端子6a、及び、第1のANDゲート10の一方の入力端子10aに接続されている。また、通信信号が出力されるCPU1の第2の出力端子1bは、第1の通信線31を介して第1〜第4の遮断SW6〜9の第2の入力端子6b,7b,8b,9bにそれぞれ接続されている。また、第1の通信線31は、CPU1の入力端子1cに接続されている。CPU1は、第1の通信線31を介して出力した通信信号を、入力端子1cを介して取得することで、現在、出力している通信信号の状態等を監視する。
第1の遮断SW6の出力端子6cは、第2の通信線32を介して第1のスレーブデバイスに接続されている。第2の通信線32には、定電圧源Vccに一端が接続された上述のプルアップ抵抗13の他端が接続されている。また、プルアップ抵抗13の他端と第2の通信線32との接続点19は、第1のANDゲート10の他方の入力端子10bに接続されている。
第1のANDゲート10の出力端子10cは、第2の遮断SW7の第1の入力端子7a及び第2のANDゲート11aの一方の入力端子11aに接続されている。第2の遮断SW7は、第3の通信線33を介して第2のスレーブデバイス3と接続されている。第3の通信線33には、定電圧源Vccに一端が接続された上述のプルアップ抵抗14の他端が接続されている。また、プルアップ抵抗14の他端と第3の通信線33との接続点20は、第2のANDゲート11の他方の入力端子11bに接続されている。
第2のANDゲート11の出力端子11cは、第3の遮断SW8の第1の入力端子8a及び第3のANDゲート12aの一方の入力端子12aに接続されている。第3の遮断SW8は、第4の通信線34を介して第3のスレーブデバイス4と接続されている。第4の通信線34には、定電圧源Vccに一端が接続された上述のプルアップ抵抗15の他端が接続されている。また、プルアップ抵抗15の他端と第4の通信線34との接続点21は、第3のANDゲート12の他方の入力端子12bに接続されている。
第3のANDゲート12の出力端子12cは、第4の遮断SW9の第1の入力端子9aに接続されている。第4の遮断SW9は、第5の通信線35を介して第4のスレーブデバイス5と接続されている。第5の通信線35には、定電圧源Vccに一端が接続された上述のプルアップ抵抗16の他端が接続されている。
(参考例のバス通信システム)
ここで、マルチスレーブ構成において、複数のデバイスで共有している信号線にオープン故障が発生した場合、正常に通信できるデバイスと正常に通信できないデバイスを明らかにすることで、容易に故障箇所を特定できる。しかし、複数のデバイスで共有している信号線にショート故障が発生した場合、故障箇所に関わらず全デバイスとの間の正常な通信を行うことが困難となるため、故障箇所を特定することは困難となる。
図2に、信号線のショート故障を検出可能な参考例となるバス通信システムを示す。この参考例となるバス通信システムは、CPU201と第1のスレーブデバイス202〜第4のスレーブデバイス205を並列接続して構成されている。また、参考例となるバス通信システムは、CPU201と第1のスレーブデバイス202〜第4のスレーブデバイス205との間に、第1の遮断SW206〜第4の遮断SW209を、それぞれ挿入接続して構成されている。
CPU201は、CPU201と各スレーブデバイス202〜205とを接続する通信線がショート故障していることを検知した場合、各遮断SW206〜209を、一つずつ順にオフ制御(オフ制御する遮断SW以外はオン制御)し、その都度ショート故障が解消されたか否かを確認する。
CPU201は、例えば第2の遮断SW207をオフ制御(第1の遮断SW206、第3の遮断SW208、第4の遮断SW209はオン制御)した際に、ショート故障が解消された場合、第2の遮断SW207と第2のスレーブデバイス203とを接続する通信線、又は、第2のスレーブデバイス203を、ショート故障箇所として特定する。また、CPU201は、第1の遮断SW206〜第4の遮断SW209を全てオフ制御してもショート故障が解消されない場合、CPU201と第1の遮断SW206とを接続する通信線を、ショート故障箇所として特定する。
しかし、このような参考例のショート故障箇所検出手法の場合、スレーブデバイスの数(=遮断スイッチの数)だけスイッチ制御信号が必要となる。これにより、CPU201が設けられるマスタデバイスとして、ポート数の多いマスタデバイス又は複数のマスタデバイスが必要となり、システムの構築コストが高くなる。また、ポート数の多いマスタデバイスを必要とするため、余剰ポートが少ないマスタデバイスでは、遮断SWを追加してシステムを構築することが困難となる。
(実施の形態のショート故障箇所検出動作)
次に、実施の形態のバス通信システムにおけるショート故障箇所検出動作を説明する。
(通常通信時の動作)
まず、バス通信システムにショート故障が発生していない場合における、通常通信時のシステム動作を説明する。通常通信を行う場合、CPU1は、図1に示すようにローレベル(L)のSW制御信号を出力する。このローレベルのSW制御信号は、第1の遮断SW6及び第1のANDゲート10に供給される。
ANDゲートは、論理上、いずれかの入力がローレベルの場合、出力はローレベルとなる。このため、第1のANDゲート10からのローレベルの出力が、第2の遮断SW7及び第2のANDゲート11に供給される。また、第1のANDゲート10から第2のANDゲート11にローレベルの出力が供給されることで、第2のANDゲート11の出力もローレベルとなる。また、第2のANDゲート11からのローレベルの出力は、第3の遮断SW8及び第3のANDゲート12に供給される。これにより、第3のANDゲート12の出力もローレベルとなる。第3のANDゲート12からのローレベルの出力は、第4の遮断SW9に供給される。
このように、通常通信時においては、CPU1は、第1の遮断SW6にローレベルのSW制御信号を供給しただけで、各ANDゲート10〜12の出力が全てローレベルとなり、第2〜第4の遮断SW7〜9にそれぞれ供給される。すなわち、CPU1からSW制御信号を出力する信号線は1本であるにも関わらず、CPU1に接続されている全ての遮断SW6〜9に、ローレベルの信号を供給することができる。
各遮断SW6〜9は、全てPMOS(Positive Channel Metal Oxide Semiconductor)と同じ論理となっている。このため、ローレベルが供給された各遮断SW6〜9は、全てオン状態となり、通常の通信を行うことができる。
(2段目に発生しているショート故障の検出動作)
次に、図3は、2段目に相当する第2のスレーブデバイス3と第2の遮断SW7とを接続する第3の通信線33に発生したショート故障の検出例を示している。CPU1は、通信異常を検知し、さらに通信線監視信号に基づいて接地ショートの発生を検知した場合、1段目となる第1の遮断SW6に対してハイレベルのSW制御信号を供給する。ハイレベルのSW制御信号が供給された場合、第1の遮断SW6はオフ状態となり、CPU1と第1のスレーブデバイス2との間の通信が遮断される。
ここで、CPU1と第1のスレーブデバイス2との間の通信が遮断された場合でも、プルアップ抵抗13が機能することで、第1のANDゲート10の他方の入力端子10bの論理レベルをハイレベルに維持する。このため、2つのハイレベルの入力により、第1のANDゲート10は、ハイレベルの出力となる。このハイレベルの出力は、2段目に相当する第2の遮断SW7及び第2のANDゲート11に供給される。
第2の遮断SW7は、ハイレベルの出力が供給されるとオフ状態となる。第2の遮断SW7がオフ状態となることで、上述のようにプルアップ抵抗14が機能し、第2のANDゲート11の他方の入力端子11bの論理レベルをハイレベルに維持するはずである。
しかし、図3の例の場合、第2のスレーブデバイス3と第2の遮断SW7とを接続する第3の通信線33に接地ショートの故障が発生している。このため、第2のANDゲート11の他方の入力端子11bの論理レベルは、プルアップ抵抗14が設けられていてもハイレベルには維持されずローレベルとなる(定電圧源Vccが接地されてローレベルとなる)。そして、第2のANDゲート11にローレベルの信号が供給されると、第3の遮断SW8及び第4の遮断SW9にも、それぞれローレベルの信号が供給されてオフ状態となる。
すなわち、CPU1からハイレベルのSW制御信号を出力すると、ショート故障が発生していない段の遮断SWはオフ状態となり、ANDゲートはハイレベルの信号を出力する。しかし、ショート故障が発生していない段を境にして、遮断SWはオン状態となり、ANDゲートはローレベルの信号を出力するようになる。このため、CPU1は、ハイレベルのSW制御信号を出力した後に、全てのスレーブデバイス2〜5と通信を行い、応答が無いスレーブデバイスを判別する。そして、CPU1は、応答が無いスレーブデバイスを備える段のうち、最後段をショート故障の発生箇所として検出する。
すなわち、図3の例の場合、CPU1が通信を行うと、第1及び第2のスレーブデバイス2,3からは応答無し、第3及び第4のスレーブデバイス4.5からは応答ありとなる。このため、CPU1は、応答無しの第1及び第2のスレーブデバイス2,3のうち、最後段(電気的に後から信号が供給される方)となる第2のスレーブデバイス3に対応する第3の通信線33又は第2のスレーブデバイス3を、接地ショートの故障箇所として検出する。
(4段目(最後段)に発生しているショート故障の検出動作)
次に、図4は、最後段となる4段目に相当する第4のスレーブデバイス5と第4の遮断SW9とを接続する第5の通信線35に発生したショート故障の検出例を示している。CPU1は、通信異常を検知し、さらに通信線監視信号に基づいて接地ショートの発生を検知した場合、上述と同様に1段目となる第1の遮断SW6に対してハイレベルのSW制御信号を供給する。この図4に示す例の場合、4段目の第5の通信線35に接地ショートの故障が発生している。このため、SW制御信号をハイレベルとすると、第1〜第3のANDゲート10〜13の出力が全てハイレベルとなり、第1〜第4の遮断SW6〜9も全てオフ状態となる。
ここで、最後段に相当する4段目の第5の通信線35に接地ショートの故障が発生した場合を例に説明を進めているが、第2の通信線32〜第5の通信線35は全て正常な場合において、CPU1と第1の遮断SW6を接続する第1の通信線31に接地ショートの故障が発生した場合も、全ての遮断SW6〜9にハイレベルの信号が供給されるため、全ての遮断SW6〜9が全てオフ状態となる。
すなわち、「第1の通信線31に接地ショートの故障が発生した場合」、及び、「第5の通信線35に接地ショートの故障が発生した場合」の、いずれの場合も、全ての遮断SW6〜9がオフ状態となる。このため、いずれの場合も、CPU1が各スレーブデバイス2〜5と通信を行っても、各スレーブデバイス2〜5からは応答無しとなる。
第5の通信線35に接地ショートの故障が発生している場合、第4の遮断スイッチ9がオフ状態となると、故障箇所が電気的に切り離されるため、接地ショートが解消される。これに対して、第1の通信線31に接地ショートの故障が発生している場合、全ての遮断スイッチ6〜9がオフ状態となっても、電気回路のループ内に、依然、接地ショートの故障箇所が残っているため、接地ショートの故障は解消されないままとなる。
このため、CPU1は、ハイレベルのSW制御信号を出力した後に、各スレーブデバイス2〜5と通信を行うことで、全てのスレーブデバイス2〜5から応答無しであった場合、通信線監視信号に基づいて、第1の通信線31に接地ショートの故障が発生しているか否かを、再度、確認する(再度の故障確認(再チェック))。
通信線監視信号により、第1の通信線31に接地ショートの故障が検出された場合、CPU1は、第1の通信線31を、接地ショートの故障箇所として特定する。これに対して、通信線監視信号により、第1の通信線31に接地ショートの故障が検出されないということは、接地ショートの故障は、第5の通信線35側に発生していることを意味する。このため、CPU1は、ハイレベルのSW制御信号を出力した後に、各スレーブデバイス2〜5と通信を行うことで、全てのスレーブデバイス2〜5から応答無しであった場合において、上述の再度の故障確認(再チェック)により、第1の通信線31に接地ショートの故障が発生していないと判別した場合、この例において最後段となる第5の通信線35を、接地ショートの故障箇所として検出する(消去法的に故障箇所を特定する)。
(変形例)
この図4の例の場合、CPU1は、第1の通信線31から通信線監視信号を取得することとした。しかし、第5の通信線35から通信線監視信号をCPU1にフィードバックする構成としてもよい。この場合、ハイレベルのSW制御信号を出力した後に、各スレーブデバイス2〜5と通信を行うことで、全てのスレーブデバイス2〜5から応答無しであった場合において、第5の通信線35からの通信線監視信号に基づいて、第5の通信線35に接地ショートの故障が検出された場合、CPU1は、第5の通信線35を、接地ショートの故障箇所として特定する。これに対して、第5の通信線35からの通信線監視信号により、第5の通信線35に接地ショートの故障が検出されない場合、CPU1は、第5の通信線35を、接地ショートの故障箇所として特定する。
(接地ショートの故障箇所検出例)
図5は、CPU1における、接地ショートの故障箇所の検出例をまとめた図である。この図5に示すように、CPU1は、上述の第1の通信線31の再チェックを行うことで、第1の通信線31に接地ショートの故障を検出した場合、必然的に各スレーブデバイス2〜5とは通信を行うことが困難となる。このため、この場合、CPU1は、第1の通信線31を、接地ショートの故障箇所として検出する。
また、CPU1は、通信異常を検知し、さらに通信線監視信号に基づいて接地ショートの発生を検知し、1段目となる第1の遮断SW6に対してハイレベルのSW制御信号を供給することで、接地ショートが解消された場合、各スレーブデバイス2〜5とそれぞれ通信を行う。そして、CPU1は、第1のスレーブデバイス2から通信に対する応答が無く、第2〜第4のスレーブデバイス3〜5から応答があった場合、応答が無いスレーブデバイスが設けられている段のうち、最後段に相当する第2の通信線32又は第1のスレーブデバイス2を、接地ショートの故障箇所として検出する。
同様に、CPU1は、通信異常を検知し、さらに通信線監視信号に基づいて接地ショートの発生を検知し、1段目となる第1の遮断SW6に対してハイレベルのSW制御信号を供給することで、接地ショートが解消された場合、各スレーブデバイス2〜5とそれぞれ通信を行う。そして、CPU1は、第1及び第2のスレーブデバイス2,3から通信に対する応答が無く、第3及び第4のスレーブデバイス4,5から応答があった場合、応答が無いスレーブデバイスが設けられている段のうち、最後段に相当する第3の通信線33又は第2のスレーブデバイス3を、接地ショートの故障箇所として検出する。
同様に、CPU1は、通信異常を検知し、さらに通信線監視信号に基づいて接地ショートの発生を検知し、1段目となる第1の遮断SW6に対してハイレベルのSW制御信号を供給することで、接地ショートが解消された場合、各スレーブデバイス2〜5とそれぞれ通信を行う。そして、CPU1は、第1〜第3のスレーブデバイス2〜4から通信に対する応答が無く、第4のスレーブデバイス5から応答があった場合、応答が無いスレーブデバイスが設けられている段のうち、最後段に相当する第4の通信線34又は第3のスレーブデバイス4を、接地ショートの故障箇所として検出する。
また、CPU1は、通信異常を検知し、さらに通信線監視信号に基づいて接地ショートの発生を検知し、1段目となる第1の遮断SW6に対してハイレベルのSW制御信号を供給することで、接地ショートが解消された場合、各スレーブデバイス2〜5とそれぞれ通信を行う。そして、CPU1は、全てのスレーブデバイス2〜5から通信に対する応答が無い場合、応答が無いスレーブデバイスが設けられている段のうち、最後段に相当する第5の通信線35又は第4のスレーブデバイス5を、接地ショートの故障箇所として検出する。
(故障検出プログラムによる接地ショート箇所の検出動作)
CPU1は、図1に示すメモリ17に記憶されている故障検出プログラムに基づいて動作することで、このような接地ショート箇所の検出動作を行う。具体的には、CPU1は、故障検出プログラム読み込むことで、故障検出プログラムにプログラミングされている各機能をRAM18に展開する。そして、CPU1は、RAM18の各機能を実行することで、上述の接地ショート箇所の検出を行う。
図6に、CPU1が故障検出プログラムを実行することで実現される各機能の機能ブロック図を示す。この図6に示すように、CPU1は、故障検出プログラムを実行することで、SW制御部51、通信制御部52、異常検出部53及び判定部54として機能する。なお、SW制御部51〜判定部54は、故障検出プログラムにより、ソフトウェア的に実現されることとしたが、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
また、故障検出プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)などのコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、半導体メモリ等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、故障検出プログラムは、インターネット等のネットワーク経由でインストールするかたちで提供してもよい。また、故障検出プログラムは、機器内のROM等に予め組み込んで提供してもよい。
図7は、故障検出プログラムに基づく接地ショート箇所の検出動作の流れを示すフローチャートである。まず、ステップS1では、SW制御部51が、ローレベルのSW制御信号を出力する。そして、ステップS2において、通信制御部52が各スレーブデバイス2〜5との間で通信を行う。通信経路が正常であれば、ローレベルのSW制御信号により、各遮断SW6〜9がオン動作し、各スレーブデバイス2〜5との間で正常な通信が行えるはずである。異常検出部53は、ステップS3において、各スレーブデバイス2〜5との間で正常な通信が行えているか否かを判別する。
異常検出部53により、各スレーブデバイス2〜5との間の通信異常が検出された場合(ステップS3:Yes)、ステップS4において、通信制御部52が、第1の通信線31に対してハイレベルの信号を出力する。そして、ステップS5において、異常検出部53が、通信線監視信号として帰還される信号がハイレベルであるか否かを判別することで、第1の通信線31に異常が発生しているか否かを判別する。第1の通信線31に対して、正常にハイレベルの信号が流れているにも関わらず、通信異常が検出されている場合(ステップS5:Yes)、オープン故障の疑いがある。このため、異常検出部53は、例えばモニタ装置に別手法による故障箇所の検出を促すメッセージを表示する等の所定の報知動作を行い、図7のフローチャートの処理を終了する。
一方、通信異常が検出されているうえ、第1の通信線31にハイレベルの信号を流したにも関わらず、ローレベルの通信線監視信号が検出されることで、第1の通信線31の異常を検出した場合(ステップS5:No)、SW制御部51は、ステップS6において、ハイレベルのSW制御信号を出力する。そして、異常検出部53が、ステップS7において、通信線監視信号が正常(ハイレベル)であるか否かを判別する。異常検出部53により、ローレベルの通信線監視信号が検出された場合(ステップS7:No)、判定部54は、ステップS16において、接地ショート箇所の発生箇所は、第1の通信線31と判定し、図7のフローチャートの処理を終了する。
これに対して、通信線監視信号が正常(ハイレベル)であると判別された場合(ステップS7:Yes)、ステップS8において、通信制御部52が、第2のスレーブデバイス3に対して応答要求を行う。そして、ステップS9において、通信制御部52が、第2のスレーブデバイス3からの応答の有無を判別する。通信制御部52により、第2のスレーブデバイス3からの応答が検出されたということは(ステップS9:Yes)、1段目に異常が存在することを意味している。このため、判定部54は、ステップS17において、故障箇所は、1段目に相当する第2の通信線32又は第1のスレーブデバイス2であると判定し、図7のフローチャートの処理を終了する。
次に、第2のスレーブデバイス3に対して応答要求を行った結果、第2のスレーブデバイス3から応答が無かった場合(ステップS9:No)、ステップS10において、通信制御部52が、第3のスレーブデバイス4に対して応答要求を行う。そして、ステップS11において、通信制御部52が、第3のスレーブデバイス4からの応答の有無を判別する。通信制御部52により、第3のスレーブデバイス4からの応答が検出されたということは(ステップS11:Yes)、2段目に異常が存在することを意味している。このため、判定部54は、ステップS18において、故障箇所は、2段目に相当する第3の通信線33又は第2のスレーブデバイス3であると判定し、図7のフローチャートの処理を終了する。
次に、第3のスレーブデバイス4に対して応答要求を行った結果、第3のスレーブデバイス4から応答が無かった場合(ステップS11:No)、ステップS12において、通信制御部52が、第4のスレーブデバイス5に対して応答要求を行う。そして、ステップS13において、通信制御部52が、第4のスレーブデバイス5からの応答の有無を判別する。通信制御部52により、第4のスレーブデバイス5からの応答が検出されたということは(ステップS13:Yes)、3段目に異常が存在することを意味している。このため、判定部54は、ステップS19において、故障箇所は、3段目に相当する第4の通信線34又は第3のスレーブデバイス4であると判定し、図7のフローチャートの処理を終了する。
これに対して、通信制御部52により、第4のスレーブデバイス5からの応答が検出されない場合(ステップS13:No)、この例の最終段となる4段目に異常が存在することを意味している。このため、判定部54は、ステップS14において、故障箇所は、4段目に相当する第5の通信線35又は第4のスレーブデバイス5であると判定し、図7のフローチャートの処理を終了する。
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態のバス通信システムは、CPU1と各スレーブデバイス2〜5を接続する。また、各スレーブデバイス2〜5とCPU1との間に、遮断SW6〜9を挿入接続する。そして、前段のスレーブデバイス2〜5の接地ショートの発生の有無に基づいて決定した論理で、各遮断SW6〜9をオンオフ制御する。これにより、CPU1が、1段目の遮断SW6用のSW制御信号を出力するだけで、接地ショートの発生の有無に基づいて、後段の遮断SW7〜9がオンオフ制御される。各遮断SW6〜9のオンオフ状態、及び、正常に通信可能なスレーブデバイス2〜5は、接地ショートの発生箇所に応じて変わる。このため、各遮断SW6〜9のオンオフ状態、及び、正常に通信可能なスレーブデバイス2〜5を検出することで、接地ショートの発生箇所を特定することができる。
また、1つのCPU1、及び、1本のSW制御信号用の通信線で、全段の遮断SW6〜9をオンオフ制御して、接地ショートの発生箇所を特定することができる。このため、簡単な構成で実現できる。また、例えば回路設計、設置面積及び設置場所等のCPUの周囲の構成に制約を与える不都合を防止できる。
最後に、上述の実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。また、実施の形態及び実施の形態の変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 CPU
2 第1のスレーブデバイス
3 第2のスレーブデバイス
4 第3のスレーブデバイス
5 第4のスレーブデバイス
6 第1の遮断SW
7 第2の遮断SW
8 第3の遮断SW
9 第4の遮断SW
10 第1のANDゲート
11 第2のANDゲート
12 第3のANDゲート
13 プルアップ抵抗
14 プルアップ抵抗
15 プルアップ抵抗
16 プルアップ抵抗
17 メモリ
18 RAM
31 第1の通信線
32 第2の通信線
33 第3の通信線
34 第4の通信線
35 第5の通信線
51 SW制御部
52 通信制御部
53 異常検出部
54 判定部
特開2007−235870号公報

Claims (6)

  1. マスタデバイスと複数段分のスレーブデバイスとを接続したバス通信システムの接地ショート箇所検出装置であって、
    前記マスタデバイスと各段のスレーブデバイスとの間にそれぞれ設けられた、前記マスタデバイスと各スレーブデバイスとの間の通信をオンオフ制御するための複数のスイッチ部と、
    前記各スイッチ部と前記各スレーブデバイスとの間にそれぞれ設けられた、前記各スイッチ部と前記各スレーブデバイスとの間の各通信線の信号レベルを所定レベルに維持する複数のレベル維持部と、
    前記各段にそれぞれ設けられた、前記各段の前記スイッチ部をオンオフ制御するためのスイッチ制御信号を生成する複数の生成部と、を有し、
    1段目の前記スイッチ部は、前記マスタデバイスから出力するスイッチ制御信号でオンオフ制御し、2段目の前記スイッチ部は、1段目の前記レベル維持部からの信号のレベル、及び、前記マスタデバイスからのスイッチ制御信号のレベルに基づいて前記2段目の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号でオンオフ制御し、3段目以降の前記スイッチ部は、前段の前記生成部により、前段のレベル維持部からの信号のレベル、及び、前々段の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号のレベルに基づいて生成された前記スイッチ制御信号でオンオフ制御し、
    前記マスタデバイスは、少なくとも前記各スイッチ部のオンオフ状態に応じて変化する前記各スレーブデバイスとの間の通信状態に基づいて、接地ショートの発生箇所を特定すること
    を特徴とする接地ショート箇所検出装置。
  2. 前記マスタデバイスは、前記スレーブデバイスとの間の通信状態が応答無しとなっている前記段のうち、最後段を接地ショートの発生箇所として特定すること
    を特徴とする請求項1に記載の接地ショート箇所検出装置。
  3. 前記マスタデバイスは、全ての前記スレーブデバイスとの間の通信状態が応答無しである場合において、前記マスタデバイスと1段目の前記スイッチ部との間を接続する通信線の接地ショート検出を行い、前記通信線の接地ショートを検出した場合は、前記通信線を接地ショートの発生箇所として特定し、前記通信線から接地ショートを検出しない場合は、最後段を接地ショートの発生箇所として特定すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接地ショート箇所検出装置。
  4. 前記レベル維持部は、前記スイッチ部と前記スレーブデバイスとの間の各通信線の信号レベルをハイレベルに維持するためのプルアップ抵抗であり、
    前記生成部は、ANDゲートであり、1段目の前記レベル維持部からの信号のレベル、及び、前記マスタデバイスからのスイッチ制御信号のレベルのうち、少なくとも一方がローレベルであった場合、又は、前段のレベル維持部からの信号のレベル、及び、前々段の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号のレベルのうち、少なくとも一方がローレベルであった場合に、前記スイッチ部をオン制御するためのスイッチ制御信号を生成し、1段目の前記レベル維持部からの信号のレベル、及び、前記マスタデバイスからのスイッチ制御信号のレベルが共にハイレベルであった場合、又は、前段のレベル維持部からの信号のレベル、及び、前々段の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号のレベルが共にハイレベルであった場合に、前記スイッチ部をオフ制御するためのスイッチ制御信号を生成すること
    を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の接地ショート箇所検出装置。
  5. マスタデバイスと複数段分のスレーブデバイスとを接続したバス通信システムの接地ショート箇所検出方法であって、
    前記マスタデバイスと各段のスレーブデバイスとの間に、前記マスタデバイスと各スレーブデバイスとの間の通信をオンオフ制御するための複数のスイッチ部を設け、
    前記各スイッチ部と前記各スレーブデバイスとの間に、前記各スイッチ部と前記各スレーブデバイスとの間の各通信線の信号レベルを所定レベルに維持する複数のレベル維持部を設け、
    前記各段の前記スイッチ部をオンオフ制御するためのスイッチ制御信号を生成する複数の生成部を前記各段に設け、
    1段目の前記スイッチ部を、前記マスタデバイスから出力するスイッチ制御信号でオンオフ制御し、2段目の前記スイッチ部を、1段目の前記レベル維持部からの信号のレベル、及び、前記マスタデバイスからのスイッチ制御信号のレベルに基づいて前記2段目の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号でオンオフ制御し、3段目以降の前記スイッチ部を、前段の前記生成部により、前段のレベル維持部からの信号のレベル、及び、前々段の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号のレベルに基づいて生成された前記スイッチ制御信号でオンオフ制御し、
    前記マスタデバイスは、少なくとも前記各スイッチ部のオンオフ状態に応じて変化する前記各スレーブデバイスとの間の通信状態に基づいて、接地ショートの発生箇所を特定すること
    を特徴とする接地ショート箇所検出方法。
  6. マスタデバイスと複数段分のスレーブデバイスとが接続され、
    前記マスタデバイスと各段のスレーブデバイスとの間にそれぞれ設けられた、前記マスタデバイスと各スレーブデバイスとの間の通信をオンオフ制御するための複数のスイッチ部と、
    前記各スイッチ部と前記各スレーブデバイスとの間にそれぞれ設けられた、前記各スイッチ部と前記各スレーブデバイスとの間の各通信線の信号レベルを所定レベルに維持する複数のレベル維持部と、
    前記各段にそれぞれ設けられた、前記各段の前記スイッチ部をオンオフ制御するためのスイッチ制御信号を生成する複数の生成部と、を有するバス通信システムにおける接地ショート箇所検出プログラムであって、
    コンピュータを、
    1段目の前記スイッチ部は、前記マスタデバイスから出力するスイッチ制御信号でオンオフ制御し、2段目の前記スイッチ部は、1段目の前記レベル維持部からの信号のレベル、及び、前記マスタデバイスからのスイッチ制御信号のレベルに基づいて前記2段目の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号でオンオフ制御し、3段目以降の前記スイッチ部は、前段の前記生成部により、前段のレベル維持部からの信号のレベル、及び、前々段の前記生成部で生成された前記スイッチ制御信号のレベルに基づいて生成された前記スイッチ制御信号でオンオフ制御するスイッチ制御部と、
    少なくとも前記各スイッチ部のオンオフ状態に応じて変化する前記各スレーブデバイスとの間の通信状態に基づいて、接地ショートの発生箇所を特定する判定部として機能させること
    を特徴とする接地ショート箇所検出プログラム。
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