JP6793783B1 - 電力変換回路の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換回路の異状時に、スイッチング素子のデューティ比が大きく変化することを抑制しつつ、回路正常時の制御性の悪化を抑制できる電力変換回路の制御装置を提供する。【解決手段】制限前のデューティ比Dtbf又は制限後のデューティ比Dtlmに対して平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値Dtfltを算出し、デューティ比の平滑値Dtfltを基準に、制限前のデューティ比の制限範囲を設定し、制限範囲により制限前のデューティ比Dtbfを制限し、制限後のデューティ比Dtlmに基づいて、スイッチング素子をオンオフする電力変換回路の制御装置30。【選択図】図2

Description

本願は、電力変換回路の制御装置に関する。
電力変換回路において、電圧又は電流等が既定の範囲を外れた場合、電力変換回路及び電力変換回路に接続された負荷が故障する可能性がある。そのため、既定の範囲を外れたか否かを判断することにより、電力変換回路を保護している(例えば、特許文献1、図3)。
特開2017−123745号公報 特許第6230665号
特許文献1では、入力電圧および出力電圧の検出値を用いて既定の範囲を外れたか否かを判断するため、回路異状時に入力電圧及び出力電圧の検出値が既定の範囲を外れるまで増加することが許容されている。そのため、特許文献1の技術では、回路異状時に、電力変換装置内の電圧及び電流が、正常時よりも大きく変動し、回路が故障する可能性が懸念される。例えば、入力端子に接続された電源の接続が外れると、電力変換回路が有する平滑コンデンサ及びリアクトルにより共振回路が形成され、電力変換回路の電圧、電流、及びスイッチング素子のデューティ比が振動し、回路の耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、回路正常時の制御性を向上させるために、制御ゲインを増加させる必要があるが、入力端子の接続外れが生じた場合に、発振し易くなるため、制御ゲインを増加させることができない。よって、回路異状時を考慮すると、回路正常時の制御性が悪化する問題があった。
そこで、電力変換回路の異状時に、スイッチング素子のデューティ比が大きく変化することを抑制しつつ、回路正常時の制御性の悪化を抑制できる電力変換回路の制御装置が望まれる。
本願に係る電力変換回路の制御装置は、
スイッチング素子を備え、第1端子と第2端子との間で電力変換を行う電力変換回路を制御する電力変換回路の制御装置であって、
前記電力変換回路に係る電気的情報の指令値及び検出値に基づいて、前記スイッチング素子の制限前のデューティ比を算出するデューティ比制御部と、
前記制限前のデューティ比の範囲を制限して、制限後のデューティ比を算出するデューティ比制限部と、
前記制限後のデューティ比に基づいて、前記スイッチング素子をオンオフするスイッチング制御部と、を備え、
前記デューティ比制限部は、前記制限前のデューティ比又は前記制限後のデューティ比に対して平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、或いは、前記指令値及び前記検出値の1つ以上に基づいてデューティ比相当値を算出すると共に平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、前記デューティ比の平滑値を基準に、前記制限前のデューティ比の制限範囲を設定し、
前記平滑化処理の遮断周波数は、前記電力変換回路の異常時に生じる前記制限前のデューティ比の振動周波数以下に設定されているものである。

本願の電力変換回路の制御装置によれば、電力変換回路の異常により制限前のデューティ比が大きく変化したとしても、デューティ比の平滑値の変化は小さくなる。そして、変化の小さいデューティ比の平滑値を基準に、制限前のデューティ比の制限範囲が設定されるので、制限範囲の変化も小さくなる。そして、変化の小さい制限前のデューティ比の制限範囲により、制限前のデューティ比が制限され、制限後のデューティ比が算出されるので、制限後のデューティ比の変化が小さくなる。よって、回路異状により大きく変化する制限前のデューティ比に対して、制限後のデューティ比の変化が小さくなるので、回路異常時に最終的なデューティ比の変化、振動を抑制することができ、回路の故障を抑制することができる。
一方、電力変換回路の正常時は、異常時に比べ、制限前のデューティ比の変化が小さいことが多い。そのため、更に変化の小さいデューティ比の平滑値を基準に、制限前のデューティ比の制限範囲を設定しても、制限前のデューティ比の変化は、概ね制限範囲内に収まり、制限前のデューティ比が概ねそのまま制限後のデューティ比に設定される。よって、デューティ比制限部を設けても、電力変換回路の正常時に、制御系の応答性が悪化することを抑制できる。従って、デューティ比制限部により、電力変換回路の異常時に、デューティ比が大きく変化することを抑制できると共に、電力変換回路の正常時の制御性が悪化することを抑制できる。
実施の形態1に係る電力変換回路及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る制御装置のブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係るデューティ比に基づくスイッチング素子のオンオフ制御を説明するためのタイムチャートである。 比較例に係る回路異常時の制御系の振動を説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係るデューティ比の制限処理を説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る制限幅の設定を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1に係る回路正常時の制御挙動を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1に係る回路異状時の制御挙動を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態2に係る電力変換回路及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態2に係る制御装置のブロック図である。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る電力変換回路10及び電力変換回路の制御装置30(以下、単に制御装置30と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る電力変換回路10及び制御装置30の概略構成図である。
1−1.電力変換回路10
電力変換回路10は、スイッチング素子を備え、第1端子11と第2端子12との間で電力変換を行う。第1端子11には、電源又は負荷が接続され、第2端子12には、電源又は負荷が接続される。本実施の形態では、第1端子11に、電源21が接続され、第2端子12に負荷22が接続される。電源21は、直流電源とされ、各種の蓄電装置等が用いられる。負荷22は、インバータ及びモータとされている。
本実施の形態では、電力変換回路10は、直流電力を変換するDC−DCコンバータとされている。電力変換回路10は、第1端子11から第2端子12に直流電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路と、第2端子12から第1端子11に直流電圧を降圧する降圧チョッパ回路とが組み合わされた双方向チョッパ回路とされている。
電力変換回路10は、直流電源21の直流電力を昇圧して、インバータ及びモータに供給する昇圧機能と、モータが発電した交流電力をインバータにより直流電力に変換し、インバータの直流電力を降圧して直流電源21に供給する降圧機能と、を有する。
第2端子12の正極側と負極側との間には、2つのスイッチング素子13a、13bが直列接続されている。スイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、又は逆並列接続されたダイオードの機能を有するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等が用いられる。或いは、スイッチング素子には、SiC(Silicon Carbide)−MOSFET、GaN(Gallium Nitride)−FET、GaN−HEMT(High Electron Mobility Transistor)等の各種のスイッチング素子が用いられてもよい。
各スイッチング素子13a、13bのゲート端子には、それぞれ、制御装置30から出力されたゲート駆動信号Gt1、Gt2が入力され、各ゲート駆動信号Gt1、Gt2に従って、各スイッチング素子13a、13bがオンオフされる。
第1端子11の正極側は、リアクトル15を介して、2つのスイッチング素子13a、13bの接続点に接続されている。第1端子11の負極側は、第2端子12の負極側に接続されている。
第2端子12に並列接続された第2端子側の平滑コンデンサ16が備えられている。第2端子側の平滑コンデンサ16は、2つのスイッチング素子13a、13bよりも第2端子12側に設けられている。第1端子11に並列接続された第1端子側の平滑コンデンサ17が備えられている。第1端子側の平滑コンデンサ17は、リアクトル15よりも第1端子11側に設けられている。
第2端子12の電圧を検出するための電圧検出回路18が備えられている。電圧検出回路18は、第2端子側の平滑コンデンサ16の両端電圧を検出する。電圧検出回路18の出力信号は、制御装置30に入力される。
1−2.制御装置30
制御装置30は、電力変換回路10を制御する。図2に示すように、制御装置30は、後述するデューティ比制御部31、デューティ比制限部32、及びスイッチング制御部33等を備えている。制御装置30の各機能は、制御装置30が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置30は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、電圧検出回路18等の各種のセンサ、スイッチが接続され、これらセンサ、スイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、スイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置30が備える各制御部31〜33等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置30の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部31〜33等が用いる遮断周波数、制限幅等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。以下、制御装置30の各機能について詳細に説明する。
1−2−1.デューティ比制御部31
デューティ比制御部31は、電力変換回路10に係る電気的情報の指令値及び検出値に基づいて、スイッチング素子の制限前のデューティ比Dtbfを算出する。本実施の形態では、電力変換回路10に係る電気的情報は、第2端子12の電圧(以下、第2端子電圧V2と称す)とされている。デューティ比制御部31は、電圧検出回路18の出力信号に基づいて、第2端子電圧を検出する(以下、第2端子電圧の検出値V2senと称す)。デューティ比制御部31は、第2端子電圧の指令値V2ref及び第2端子電圧の検出値V2senに基づいて、制限前のデューティ比Dtbfを算出する。第2端子電圧の指令値V2refは、制御装置30内で演算されてもよいし、制御装置30の外部から伝達されてもよい。
本実施の形態では、デューティ比制御部31は、フィードバック制御部31aとデューティ比換算部31bとを備えている。フィードバック制御部31aは、第2端子電圧の検出値V2senが第2端子電圧の指令値V2refに近づくように、PI制御等により、中間制御値Uinを変化させる。PI制御の代わりに、P制御、PID制御等の各種のフィードバック制御が用いられてもよい。デューティ比換算部31bは、中間制御値Uinを、予め設定された換算式を用い、制限前のデューティ比Dtbfに換算する。なお、フィードバック制御部31aは、中間制御値Uinを算出せず、直接、制限前のデューティ比Dtbfを算出してもよい。また、フィードバック制御部31aとデューティ比換算部31bとの間で、ダンピング制御、電流制御等の各種の制御が行われてもよい。ダンピング制御は、特許文献2に記載の方式のように、PI制御の演算結果から、電流検出値に基づく演算結果を減算することで、電流変動によるデューティ比の変動を抑制する制御である。
第2端子電圧V2の指令値及び検出値に基づいて制限前のデューティ比Dtbfを算出するフィードバック制御系の開ループ伝達関数のゲイン交差周波数は、後述する電力変換回路10の異常時の振動周波数よりも高く設定されている。後述するデューティ比制限部32により、回路異状時の制御系の安定性が確保されているので、フィードバック制御系のゲイン交差周波数を、回路異常時の振動周波数よりも高く設定して、フィードバック制御系の応答性を高めることができる。なお、必要がない場合は、フィードバック制御系のゲイン交差周波数は、回路異常時の振動周波数よりも低く設定されてもよい。
1−2−2.スイッチング制御部33
スイッチング制御部33は、後述するデューティ比制限部32により算出された制限後のデューティ比Dtlmに基づいて、スイッチング素子をオンオフする。スイッチング制御部33は、制限後のデューティ比Dtlmに基づいて、PWM(Pulse Width Modulation)制御により、各スイッチング素子のゲート駆動信号Gt1、Gt2を生成する。本実施の形態では、制限後のデューティ比Dtlmは、負極側のスイッチング素子13bのオンデューティ比となり、正極側のスイッチング素子13aのオフデューティ比となる。負極側のスイッチング素子13bのオンである場合は、正極側のスイッチング素子13aがオフになる。2つのスイッチング素子13a、13bが同時にオンし、正極側と負極側とが短絡しないように、正極側のスイッチング素子13aのオン期間と負極側のスイッチング素子13bのオン期間との間には、双方ともオフになるデッドタイムが設けられている。
例えば、図4に示すように、スイッチング制御部33は、制限後のデューティ比Dtlmとキャリア波Vcrとを比較し、各スイッチング素子のゲート駆動信号Gt1、Gt2を生成する。キャリア波Vcrは、キャリア周波数で0から1の間を振動する三角波とされている。スイッチング制御部33は、制限後のデューティ比Dtlmがキャリア波Vcrよりも大きい場合は、負極側のゲート駆動信号Gt2をHighにし、制限後のデューティ比Dtlmがキャリア波Vcrよりも小さい場合は、負極側のゲート駆動信号Gt2をLowにする。また、スイッチング制御部33は、制限後のデューティ比Dtlmにデッドタイムに対応する値ΔDtを加算したデューティ比Dtlm+ΔDtがキャリア波Vcrよりも大きい場合は、正極側のゲート駆動信号Gt1をLowにし、加算後のデューティ比Dtlm+ΔDtがキャリア波Vcrよりも小さい場合は、正極側のゲート駆動信号Gt1をHighにする。キャリア波Vcrには、のこぎり波、又は逆のこぎり波が用いられてもよい。
1−2−3.デューティ比制限部32
<比較例に係る回路異常によるデューティ比の振動>
本実施の形態と異なり、デューティ比制限部32を設けない場合は、電力変換回路10に異常が発生すると、制限前のデューティ比Dtbfが振動する可能性がある。電力変換回路10の異常として、例えば、第1端子11に接続された電源21の接続が外れた場合がある。電源21の接続が外れると、第1端子側の平滑コンデンサ17とリアクトル15とにより共振回路が形成され、共振回路の共振により、制限前のデューティ比Dtbfが振動する。
デューティ比制限部32が設けられていない比較例について、図5に電源21の接続が外れた場合の制御挙動を示す。図5の上段のグラフに、第2端子電圧の検出値V2sen、第2端子電圧の指令値V2ref、第1端子電圧V1を示す。中段のグラフに、リアクトル15を流れるリアクトル電流ILを示す。下段のグラフに、制限前のデューティ比Dtbfを示す。なお、制限前のデューティ比Dtbfは、制限されずに、そのままスイッチング制御部33に伝達される。
時刻T01で、第1端子11から電源21の接続が外れている。時刻T01までは、第2端子電圧の検出値V2senは、第2端子電圧の指令値V2refに一致しており、制限前のデューティ比Dtbf及びリアクトル電流ILは定常状態である。なお、リアクトル電流ILには、PWM制御によるキャリア周波数の振動が生じている。
時刻T01で、電源21の接続が外れ、第1端子側の平滑コンデンサ17とリアクトル15とにより共振回路が形成され、共振回路の共振により、各電圧、電流の振動が開始し、制限前のデューティ比Dtbfが振動している。この時の振動周波数は、共振回路の伝達関数及びフィードバック制御器の伝達関数等によって定まる周波数になり、共振回路の共振周波数付近の周波数になる。
電力変換回路10に異常な振動が生じ、電流、電圧が過大になると、回路が故障する可能性がある。よって、電力変換回路10の異常による、制限前のデューティ比Dtbfの過大な変化を防止する必要がある。
<デューティ比制限部32による回路異常時の振動抑制>
デューティ比制限部32は、制限部32a、制限値演算部32b、及び平滑化処理部32cを備えている。平滑化処理部32cは、制限前のデューティ比Dtbf又は制限後のデューティ比Dtlm(本例では、制限後のデューティ比Dtlm)に対して平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値Dtfltを算出する。そして、制限値演算部32bは、デューティ比の平滑値Dtfltを基準に、制限前のデューティ比の制限範囲を設定する。そして、制限部32aは、設定された制限前のデューティ比の制限範囲により、制限前のデューティ比Dtbfの範囲を制限して、制限後のデューティ比Dtlmを算出する。そして、上述したように、スイッチング制御部33は、制限後のデューティ比Dtlmに基づいて、スイッチング素子をオンオフする。
この構成によれば、電力変換回路10の異常により制限前のデューティ比Dtbfが大きく変化したとしても、デューティ比の平滑値Dtfltの変化は小さくなる。そして、変化の小さいデューティ比の平滑値Dtfltを基準に、制限前のデューティ比の制限範囲が設定されるので、制限範囲の変化も小さくなる。そして、変化の小さい制限前のデューティ比の制限範囲により、制限前のデューティ比Dtbfが制限され、制限後のデューティ比Dtlmが算出されるので、制限後のデューティ比Dtlmの変化が小さくなる。よって、回路異状により大きく変化する制限前のデューティ比Dtbfに対して、制限後のデューティ比Dtlmの変化が小さくなるので、回路異常時の制限前のデューティ比Dtbfの変化、振動を抑制することができ、回路の故障を抑制することができる。
一方、電力変換回路10の正常時は、異常時に比べ、制限前のデューティ比Dtbfの変化が小さいことが多いので、更に変化の小さいデューティ比の平滑値Dtfltを基準に、制限前のデューティ比の制限範囲を設定しても、制限前のデューティ比Dtbfの変化は、概ね制限範囲内に収まり、制限前のデューティ比Dtbfが概ねそのまま制限後のデューティ比Dtlmに設定される。よって、電力変換回路10の正常時は、デューティ比制限部32により、フィードバック制御系の応答性が悪化することを抑制できる。従って、デューティ比制限部32により、電力変換回路10の異常時のフィードバック系の変化、振動を抑制することができると共に、電力変換回路10の正常時のフィードバック系の応答性が悪化することを抑制できる。
なお、制限値演算部32bは、次式に示すように、デューティ比の平滑値Dtfltに対して、制限幅ΔLmtの加算及び減算の一方又は双方を行って、制限前のデューティ比の上限制限値LmtH及び下限制限値LmtLの一方又は双方を設定する。制限部32aは、上限制限値LmtHによる上限制限及び下限制限値LmtLによる下限制限の一方又は双方を実行する。
LmtH=Dtflt+ΔLmt
LmtL=Dtflt−ΔLmt ・・・(1)
そして、次式に示すように、制限部32aは、上限制限値LmtHによる上限制限する場合は、制限前のデューティ比Dtbfが上限制限値LmtHよりも大きい場合は、制限後のデューティ比Dtlmに上限制限値LmtHを設定する。制限部32aは、下限制限値LmtLによる下限制限する場合は、制限前のデューティ比Dtbfが下限制限値LmtLよりも小さい場合は、制限後のデューティ比Dtlmに下限制限値LmtLを設定する。一方、制限部32aは、上限制限及び下限制限されない場合は、制限後のデューティ比Dtlmに制限前のデューティ比Dtbfをそのまま設定する。
1)Dtbf>LmtHの場合
Dtlm=LmtH
2)Dtbf<LmtLの場合 ・・・(2)
Dtlm=LmtL
3)上限制限及び下限制限されない場合
Dtlm=Dtbf
以下で説明する実施の形態では、次式に示すように、下限制限値LmtLが設定され、下限制限されるが、上限制限値LmtHは設定されず、上限制限されない場合を説明する。
LmtL=Dtflt−ΔLmt
1)Dtbf<LmtLの場合
Dtlm=LmtL ・・・(3)
2)Dtbf≧LmtLの場合
Dtlm=Dtbf
また、本実施の形態では、制限部32aは、更に、制限前のデューティ比Dtbfを最小デューティ比Dtminで下限制限するように構成されている。
本実施の形態に係る制限部32aの制限処理を図6のフローチャートに示す。ステップS01で、制限部32aは、制限前のデューティ比Dtbfが、下限制限値LmtLよりも大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合は、ステップS02に進み、大きくないと判定した場合は、ステップS03に進む。ステップS02で、制限部32aは、制限後のデューティ比Dtlmに制限前のデューティ比Dtbfを設定する。
ステップS03で、制限部32aは、下限制限値LmtLが、最小デューティ比Dtminよりも大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合は、ステップS04に進み、大きくないと判定した場合は、ステップS05に進む。ステップS04で、制限部32aは、制限後のデューティ比Dtlmに下限制限値LmtLを設定する。ステップS05で、制限部32aは、制限後のデューティ比Dtlmに最小デューティ比Dtminを設定する。
<平滑化処理の遮断周波数の設定>
平滑化処理の遮断周波数は、デューティ比制限部32が備えられていない場合に電力変換回路10の異常時に生じる制限前のデューティ比Dtbfの振動周波数以下に設定されている。この構成によれば、回路異常時による制限前のデューティ比Dtbfの変化を平滑化でき、回路異常時の振動を効果的に抑制できる。回路異常時に生じる振動周波数は、図5を用いて説明したように、共振回路の伝達関数及びフィードバック制御器の伝達関数等によって定まる。なお、複数種類の回路異常が想定される場合は、平滑化処理の遮断周波数は、複数の回路異状の振動周波数の最小値以下に設定される。
本実施の形態では、平滑化処理はローパスフィルタ(本例では、一次遅れフィルタ)により構成されており、ローパスフィルタの遮断周波数(本例では、時定数の逆数)が、回路異常時に生じる制限前のデューティ比Dtbfの振動周波数以下に設定されている。
<制限範囲の設定>
制限幅ΔLmtの大小により、回路異常時の制限後のデューティ比Dtlmの変動抑制効果と、回路正常時のフィードバック性能の悪化とが、トレードオフする。そこで、回路正常時のフィードバック性能が悪化しない程度に、制限幅ΔLmtを設定すればよい。
そこで、制限値演算部32bは、電力変換回路10の正常時の制限前のデューティ比Dtbfの変化が、制限前のデューティ比の制限範囲内に収まるように、デューティ比の平滑値Dtfltを基準にした制限前のデューティ比の制限範囲を設定する。この構成によれば、回路正常時の制限前のデューティ比Dtbfが、制限範囲に制限されることを抑制でき、フィードバック性能の悪化を抑制できる。
図7に示すように、電力変換回路10の正常時の制限前のデューティ比Dtbfの変化速度Sdtを想定できる場合は、デューティ比の平滑値Dtfltの挙動も想定できる。制限前のデューティ比Dtbfとデューティ比の平滑値Dtfltとの間には、定常偏差が生じ、定常偏差は、平滑化処理の遅れ時間Tdlyと制限前のデューティ比の変化速度Sdtとの乗算値になる。よって、デューティ比の平滑値Dtfltに加算又は減算される制限幅ΔLmtを、定常偏差以上に設定すれば、制限前のデューティ比Dtbfが、下限制限値LmtLにより下限制限されず、フィードバック性能に影響を与えない。
そこで、制限値演算部32bは、次式に示すように、デューティ比の平滑値Dtfltを基準にした制限前のデューティ比の制限幅ΔLmtを、電力変換回路10の正常時の制限前のデューティ比Dtbfの変化速度Sdtと平滑化処理の遅れ時間Tdlyとの乗算値以上の値に設定する。
ΔLmt≧Sdt×Tdly ・・・(4)
本実施の形態では、平滑化処理が一次遅れフィルタとされているので、平滑化処理の遅れ時間Tdlyは一次遅れフィルタの時定数Tdly_1stとなる。平滑化処理の遅れ時間Tdlyには、演算周期による演算遅れ時間τも加算される。
<第1端子電圧V1の変化に対する制限幅ΔLmtの設定>
例えば、電源21の特性等により第1端子電圧V1の最大変化速度がわかっている場合は、回路正常時の制限前のデューティ比の変化速度Sdtは、第1端子電圧V1の最大変化速度Sv1に対応する制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v1に設定される。第2端子電圧の検出値V2senが第2端子電圧の指令値V2refに応答性良く追従していると仮定すると、本実施の形態では、次式に示すように、制限前のデューティ比Dtbfは、第1端子電圧V1と第2端子電圧の指令値V2refとの比を用いて表され、制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v1は、第1端子電圧V1の最大変化速度Sv1を用いて表される。
Dtbf=1−V1/V2ref
Sdt_v1=|−Sv1/V2ref| ・・・(5)
そして、制限幅ΔLmtは、次式に示すように、制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v1(|−Sv1/V2ref|)に、平滑化処理の遅れ時間Tdly(Tdly_1st+τ)を乗算した値以上に設定される。
ΔLmt≧|−Sv1/V2ref|×(Tdly_1st+τ) ・・・(6)
第1端子電圧V1の最大変化速度Sv1、一次遅れフィルタの時定数Tdly_1st、及び演算遅れ時間τが固定値であり、第2端子電圧の指令値V2refが可変値であるとすると、制限幅ΔLmtは、第2端子電圧の指令値V2refに応じて変化されてもよいし、第2端子電圧の指令値V2refの変化範囲において式(6)が満たされるような固定値に設定されてもよい。
<第2端子電圧の指令値V2refの変化に対する制限幅ΔLmtの設定>
例えば、第2端子電圧の指令値V2refの変化速度が制限されている等、第2端子電圧の指令値V2refの最大変化速度Sv2がわかっている場合は、回路正常時の制限前のデューティ比の変化速度Sdtは、第2端子電圧の指令値V2refの最大変化速度Sv2に対応する制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v2に設定される。本実施の形態では、次式に示すように、制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v2は、第2端子電圧の指令値の最大変化速度Sv2を用いて表される。
Dtbf=1−V1/V2ref
Sdt_v2=|V1/V2ref×Sv2| ・・・(7)
そして、制限幅ΔLmtは、次式に示すように、制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v2(|V1/V2ref×Sv2|)に、平滑化処理の遅れ時間Tdly(Tdly_1st+τ)を乗算した値以上に設定される。
ΔLmt≧|V1/V2ref×Sv2|×(Tdly_1st+τ)
・・・(8)
第1端子電圧V1、第2端子電圧の指令値の最大変化速度Sv2、一次遅れフィルタの時定数Tdly_1st、及び演算遅れ時間τが固定値であり、第2端子電圧の指令値V2refが可変値であるとすると、制限幅ΔLmtは、第2端子電圧の指令値V2refに応じて変化されてもよいし、第2端子電圧の指令値V2refの変化範囲において式(8)が満たされるような固定値に設定されてもよい。
回路正常時の制限前のデューティ比Dtbfの変化要因が複数存在し、各変化要因について、制限幅ΔLmtが設定される場合は、複数の制限幅ΔLmtの最大値が、最終的な制限幅ΔLmtに設定されてもよい。
<回路正常時の制御挙動>
図8に、回路正常時において、第1端子電圧V1が変化する場合の挙動を示す。時刻T11から時刻T12までの期間で、第1端子電圧V1が、最大変化速度Sv1で次第に増加している。第1端子電圧V1の増加により、第2端子電圧の検出値V2senが、第2端子電圧の指令値V2refよりも増加しようとするが、それを抑制するため、制限前のデューティ比Dtbfが次第に減少している。
デューティ比の平滑値Dtfltは、平滑化処理により制限前のデューティ比Dtbfよりも遅れて変化しており、下限制限値LmtLは、デューティ比の平滑値Dtfltから制限幅ΔLmtを減算した値に設定されている。上述したように、制限幅ΔLmtは、第1端子電圧V1の変化による制限前のデューティ比Dtbfの変化が、下限制限値LmtLにより制限されないように、第1端子電圧V1の変化による制限前のデューティ比の変化速度Sdt_v1と平滑化処理の遅れ時間Tdlyとの乗算値以上の値に設定されている。よって、制限前のデューティ比Dtbfは、下限制限値LmtLにより下限制限されておらず、そのまま、制限後のデューティ比Dtlmに設定されている。よって、デューティ比制限部32を設けても、回路正常時のフィードバック制御系の応答性が悪化していない。
<回路異常時の制御挙動>
図9に、電源21の接続が外れた場合の制御挙動を示す。時刻T21で、第1端子11から電源21の接続が外れている。その直後に、第1端子電圧V1が急速に増加し、第2端子電圧の検出値V2senが増加するため、制限前のデューティ比Dtbfが急速に減少している。しかし、デューティ比の平滑値Dtfltは、制限後のデューティ比Dtlmを平滑化した値であるため、ゆっくり減少しており、デューティ比の平滑値Dtfltから制限幅ΔLmtを減算した下限制限値LmtLもゆっくり減少している。
よって、急速に減少している制限前のデューティ比Dtbfが、下限制限値LmtLにより下限制限され、制限後のデューティ比Dtlmはゆっくり減少している。そのため、デューティ比制限部32を設けることにより、図5の比較例のように制限後のデューティ比Dtlmが振動することを抑制できている。時刻T22で、下限制限値LmtLが、最小デューティ比Dtminよりも小さくなったので、制限前のデューティ比Dtbfは、最小デューティ比Dtminにより下限制限され、制限後のデューティ比Dtlmに最小デューティ比Dtminを設定している。
2.実施の形態2
次に、実施の形態2に係る電力変換回路10及び制御装置30について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る電力変換回路10及び制御装置30の基本的な構成及び処理は実施の形態1と同様である。
図10は、本実施の形態に係る電力変換回路10及び制御装置30の概略構成図であり、図11は、本実施の形態に係る制御装置30のブロック図である。第1端子11の電圧を検出するための電圧検出回路19が備えられている。電圧検出回路19は、第1端子側の平滑コンデンサ17の両端電圧を検出する。電圧検出回路19の出力信号は、制御装置30に入力される。制御装置30は、電圧検出回路19の出力信号に基づいて、第1端子電圧を検出する(以下、第1端子電圧の検出値V1senと称す)。
本実施の形態では、平滑化処理部32c(デューティ比制限部32)は、指令値及び検出値の1つ以上に基づいてデューティ比相当値を算出すると共に平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値Dtfltを算出する。
平滑化処理部32cは、次式を用い、第1端子電圧の検出値V1sen及び第2端子電圧の検出値V2senに基づいてデューティ比相当値Dtcrを算出し、デューティ比相当値Dtcrに対してして平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値Dtfltを算出する。
Dtcr=1−V1sen/V2sen ・・・(9)
なお、平滑化処理部32cは、次式を用い、第1端子電圧の検出値V1sen及び第2端子電圧の指令値V2refに基づいてデューティ比相当値Dtcrを算出してもよい。
Dtcr=1−V1sen/V2ref ・・・(10)
また、第1端子電圧V1が変化しない場合は、式(9)及び式(10)において、第1端子電圧の検出値V1senの代わりに第1端子電圧V1の固定値が用いられてもよい。
平滑化処理部32cは、指令値及び検出値に対して先に平滑化処理を行い、指令値及び検出値の平滑値に基づいて、デューティ比の平滑値Dtfltを算出してもよい。
また、平滑化処理部32cは、第1端子電圧の検出値V1sen及び第2端子電圧の検出値V2senのそれぞれに対して、検出誤差、制御遅延を考慮した補正係数を乗算してもよい。
本実施の形態では、平滑化処理部32cは、平滑化処理として移動平均処理を用いる。移動平均処理では、直前の移動平均期間Taveの間にサンプリングした値の平均値が算出される。平滑化処理の遅れ時間Tdlyは移動平均期間Tave/2となる。平滑化処理の遅れ時間Tdlyには、演算周期による演算遅れ時間τも加算される。そして、制限幅ΔLmtは、平滑化処理の遅れ時間Tdly(Tave/2+τ)を用いて、実施の形態1と同様に算出される。
実施の形態1と同様に、制限値演算部32bは、デューティ比の平滑値Dtfltを基準に、制限前のデューティ比の制限範囲を設定する。また、制限部32aは、制限前のデューティ比Dtbfの範囲を制限して、制限後のデューティ比Dtlmを算出する。
〔その他の実施の形態〕
最後に、本願のその他の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する各実施の形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施の形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の各実施の形態においては、電力変換回路10は、第1端子11から第2端子12に直流電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路と、第2端子12から第1端子11に直流電圧を降圧する降圧チョッパ回路とが組み合わされた双方向チョッパ回路とされている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、電力変換回路10は、スイッチング素子を備え、第1端子11と第2端子12との間で電力変換を行う回路であれば、各種の電力変換回路が用いられてもよい。例えば、電力変換回路10は、第1端子11から第2端子12に直流電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路であってもよく、第1端子11から第2端子12に直流電圧を降圧する降圧チョッパ回路であってもよい。或いは、電力変換回路10は、絶縁トランスを備えた、絶縁型の電力変換回路であってもよく、複数の電力変換回路の要素をインターリーブ配置又は並列配置した電力変換回路であってもよい。
また、平滑化処理が、第1端子又は第2端子に接続された電源又は負荷の接続が外れた場合に形成される共振回路による振動に対処するものである場合は、電力変換回路10は、各種の電力変換装置において、平滑コンデンサ及びリアクトルが備えられ、第1端子又は第2端子の接続が外れた場合に、平滑コンデンサ及びリアクトルにより共振回路が形成される。
(2)上記の各実施の形態においては、第1端子11に直流電源21が接続され、第2端子12にインバータ及びモータの負荷22が接続される場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、第1端子に電源又は負荷が接続されればよく、第2端子に電源又は負荷が接続されればよく、電源及び負荷には、各種の電源及び負荷が用いられてもよい。
(3)上記の各実施の形態においては、デューティ比制御部31は、第2端子電圧V2の指令値及び検出値に基づいて、スイッチング素子の制限前のデューティ比Dtbfを算出する場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、デューティ比制御部31は、電力変換回路10に係る電気的情報であれば、他の電気的情報の指令値及び検出値を用いてもよい。デューティ比制御部31は、例えば、第1端子又は第2端子に入力又は出力される電圧、電流、又は電力を、電力変換回路に係る電気的情報として用いてもよい。
(4)上記の各実施の形態においては、平滑化処理は、一次遅れフィルタ処理又は移動平均処理である場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、平滑化処理には、例えば、高次のローパスフィルタ処理、加重移動平均処理等の各種の処理が用いられてもよい。この場合でも、ランプ入力に対する平滑化処理後の値の定常偏差が、平滑化処理の遅れ時間Tdlyに設定され、上記の各実施の形態と同様に、制限幅ΔLmtが設定されればよい。
(5)上記の各実施の形態においては、平滑化処理の遮断周波数は、第1端子又は第2端子に接続された電源又は負荷の接続が外れた場合に、共振回路の共振により生じる振動周波数以下に設定される場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、平滑化処理の遮断周波数は、端子外れによる共振回路の形成以外の他の電力変換回路の異常時に生じる制限前のデューティ比の振動周波数以下に設定されてもよい。例えば、電力変換回路の短絡、地絡、素子故障等の回路異状時に生じる制限前のデューティ比の振動が考えられる。
(6)上記の各実施の形態においては、制限前のデューティ比の制限範囲として、下限制限値LmtLが設定される場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、実施の形態1で説明したように、上限制限値LmtH及び下限制限値LmtLの一方又は双方が設定され、上限制限及び下限制限の一方又は双方が行われてもよい。
(7)上記の各実施の形態においては、回路正常時の第1端子電圧V1の変化、第2端子電圧の指令値V2refの変化による、制限前のデューティ比Dtbfの変化を想定して、デューティ比の制限範囲が設定される場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、他の電力変換回路10に係る電気的情報の指令値及び検出値の変化による、制限前のデューティ比Dtbfの変化を想定して、デューティ比の制限範囲が設定されてもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
10 電力変換回路、11 第1端子、12 第2端子、13a、13b スイッチング素子、15 リアクトル、16 第2端子側の平滑コンデンサ、17 第1端子側の平滑コンデンサ、21 電源、22 負荷、30 電力変換回路の制御装置、31 デューティ比制御部、32 デューティ比制限部、33 スイッチング制御部、Dtbf 制限前のデューティ比、Dtcr デューティ比相当値、Dtflt デューティ比の平滑値、Dtlm 制限後のデューティ比、LmtH 上限制限値、LmtL 下限制限値、Sdt デューティ比の変化速度、Tdly 平滑化処理の遅れ時間、V1sen 第1端子電圧の検出値、V2ref 第2端子電圧の指令値、V2sen 第2端子電圧の検出値、ΔLmt 制限幅

Claims (7)

  1. スイッチング素子を備え、第1端子と第2端子との間で電力変換を行う電力変換回路を制御する電力変換回路の制御装置であって、
    前記電力変換回路に係る電気的情報の指令値及び検出値に基づいて、前記スイッチング素子の制限前のデューティ比を算出するデューティ比制御部と、
    前記制限前のデューティ比の範囲を制限して、制限後のデューティ比を算出するデューティ比制限部と、
    前記制限後のデューティ比に基づいて、前記スイッチング素子をオンオフするスイッチング制御部と、を備え、
    前記デューティ比制限部は、前記制限前のデューティ比又は前記制限後のデューティ比に対して平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、或いは、前記指令値及び前記検出値の1つ以上に基づいてデューティ比相当値を算出すると共に平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、前記デューティ比の平滑値を基準に、前記制限前のデューティ比の制限範囲を設定し、
    前記平滑化処理の遮断周波数は、前記電力変換回路の異常時に生じる前記制限前のデューティ比の振動周波数以下に設定されている電力変換回路の制御装置。
  2. 前記電力変換回路は、平滑コンデンサ及びリアクトルを有し、前記第1端子又は前記第2端子に接続された電源又は負荷の接続が外れた場合に、前記平滑コンデンサ及び前記リアクトルによる共振回路が形成され、
    前記電力変換回路の異常時の前記振動周波数は、前記第1端子又は前記第2端子に接続された電源又は負荷の接続が外れた場合に、前記共振回路の共振により生じる前記制限前のデューティ比の振動周波数である請求項に記載の電力変換回路の制御装置。
  3. 前記デューティ比制御部において、前記指令値及び前記検出値に基づいて前記制限前のデューティ比を算出する制御系の開ループ伝達関数のゲイン交差周波数は、前記電力変換回路の異常時の前記振動周波数よりも高い請求項又はに記載の電力変換回路の制御装置。
  4. スイッチング素子を備え、第1端子と第2端子との間で電力変換を行う電力変換回路を制御する電力変換回路の制御装置であって、
    前記電力変換回路に係る電気的情報の指令値及び検出値に基づいて、前記スイッチング素子の制限前のデューティ比を算出するデューティ比制御部と、
    前記制限前のデューティ比の範囲を制限して、制限後のデューティ比を算出するデューティ比制限部と、
    前記制限後のデューティ比に基づいて、前記スイッチング素子をオンオフするスイッチング制御部と、を備え、
    前記デューティ比制限部は、前記制限前のデューティ比又は前記制限後のデューティ比に対して平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、或いは、前記指令値及び前記検出値の1つ以上に基づいてデューティ比相当値を算出すると共に平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、前記デューティ比の平滑値を基準に、前記制限前のデューティ比の制限範囲を設定し、
    記デューティ比の平滑値を基準にした前記制限前のデューティ比の制限幅を、前記電力変換回路の正常時の前記制限前のデューティ比の変化速度と前記平滑化処理の遅れ時間との乗算値以上の値に設定する電力変換回路の制御装置。
  5. スイッチング素子を備え、第1端子と第2端子との間で電力変換を行う電力変換回路を制御する電力変換回路の制御装置であって、
    前記電力変換回路に係る電気的情報の指令値及び検出値に基づいて、前記スイッチング素子の制限前のデューティ比を算出するデューティ比制御部と、
    前記制限前のデューティ比の範囲を制限して、制限後のデューティ比を算出するデューティ比制限部と、
    前記制限後のデューティ比に基づいて、前記スイッチング素子をオンオフするスイッチング制御部と、を備え、
    前記デューティ比制限部は、前記制限前のデューティ比又は前記制限後のデューティ比に対して平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、或いは、前記指令値及び前記検出値の1つ以上に基づいてデューティ比相当値を算出すると共に平滑化処理を行ってデューティ比の平滑値を算出し、前記デューティ比の平滑値を基準に、前記制限前のデューティ比の制限範囲を設定し、
    記デューティ比の平滑値に対して、制限幅の加算及び減算の一方又は双方を行って、前記制限前のデューティ比の上限制限値及び下限制限値の一方又は双方を設定し、前記上限制限値による上限制限、及び前記下限制限値による下限制限の一方又は双方を実行する電力変換回路の制御装置。
  6. 前記平滑化処理は、ローパスフィルタ処理又は移動平均処理である請求項1からのいずれか一項に記載の電力変換回路の制御装置。
  7. 前記電気的情報は、前記第1端子又は前記第2端子に入力又は出力される電圧、電流、又は電力である請求項1からのいずれか一項に記載の電力変換回路の制御装置。
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