JP2014050143A - Zソースインバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】
Zソースインバータをより安定に動作させることを目的とする。
【解決手段】
PWM制御された任意の振幅かつ任意の周波数の三相交流電圧を出力するインバータ回路(4)と、インバータ回路(4)の出力に接続された3相負荷(5)からなるZソースインバータにおいて、キャパシタ(33)あるいはキャパシタ(34)の電圧が一定となるように、前記Zソースインバータのキャリア周波数を連続で可変する可変キャリア発生器(7)を具備することを特徴とするZソースインバータ。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電圧を入力としてダイオードと、二つのインダクタと二つのキャパシタがX型に接続されたインピーダンスソースからなるZソース回路と、インバータ回路からなるZソースインバータと言われる電力変換器に関わるものである。
図2を用いて従来技術を説明する。非特許文献1によれば、従来技術は図2のような構成となっている。すなわち、直流電源1があり、該直流電源1の陽極にダイオード2のアノードが接続され、該ダイオード2のカソードにインダクタ31の一端が接続され、該インダクタ31のもう一端にキャパシタ33の一端が接続され、該キャパシタ33のもう一端がインダクタ32の一端と前記直流電源1の負極に接続され、前記ダイオードのカソードにキャパシタ34の一端が接続され、該キャパシタ34のもう一端にインダクタ32のもう一端が接続され、インダクタ31とキャパシタ33が接続された点をP点とし、インダクタ32とキャパシタ34が接続された点をN点とし、前記P点と、前記N点が入力となって6つの三相フルブリッジ回路を組む半導体スイッチ群からなり、前記P点と前記N点間の直流電圧をPWM制御された任意の振幅かつ任意の周波数の三相交流電圧を出力するインバータ回路4と、該インバータ回路4の出力に接続された三相負荷5と、三相負荷5に出力されるPWM制御された三相交流電圧を出力するための指令値を出力する三相交流電圧指令発生器11と、インバータ回路4の上下アームを短絡する時間を出力する短絡時間生成器12と、短絡時間生成器12の出力と三相交流電圧指令発生器11の出力と三角波あるいは鋸波を出力するキャリア発生器14の出力とを入力し、キャリア発生器14の出力と三相交流電圧指令発生器11の出力とを比較してPWM信号であり、同時に短絡時間生成器12の出力に応じてインバータ回路4の上下アームを短絡する信号でもあるゲート駆動信号を生成する比較器6とからなるZソースインバータと言われる半導体電力変換回路である。ここで、インバータ回路4は、三相フルブリッジ回路を組む半導体スイッチ群からなり、図4のような構成となっている。
上のような構成にすることで、インバータ回路4のスイッチング素子がそれぞれ指令値とキャリア(基準三角波)との比較によるPWM制御でオン、オフするインバータ動作からインバータ回路4の出力三相のうちの何れかの相の上下アームが共にオンする短絡動作になると、キャパシタ33、34がそれぞれ放電され、インダクタ31、32それぞれにエネルギーが蓄積される。次に、短絡していた相のどちらか一方のスイッチング素子がオフしてインバータ動作に戻ると、インダクタ31、32それぞれに蓄積されていたエネルギーが放出され、キャパシタ33、34がそれぞれ充電される。よって、直流電源1の電圧が昇圧され、インバータ回路4に出力される。上述の短絡動作は、例えばインバータ回路4の各スイッチング素子がオンからオフ、またはオフからオンにスイッチングするときに行っている。詳しくは非特許文献1参照のこと。
特許文献1では、キャパシタ33、34のいずれかの電圧を検出して、指令値との差分をとり、PI制御器に入力して短絡時間生成器12を決定する手法が用いられている。これは、キャパシタ電圧が一定になるように短絡時間生成器12を制御していることに等しく、Zソースインバータを安定動作させている。
また、特許文献1では、Zソースインバータのキャリア周波数が変更された場合においてインバータ回路4のスイッチング損失を減らすために、キャリア周期が長くなると1キャリア周期当たりにインバータ回路4を短絡する回数が増えるように、又は、キャリア周期が長くなっても1キャリア周期当たりの前記短絡回数を増やさずにキャリア周期が最も長くなるときの前記短絡回数が、キャリア周期が最も短くなるときの該短絡回数よりも多くなるように、1キャリア周期当たりの該短絡回数を設定し、その1キャリア周期当たりの短絡回数になるようにインバータ回路4のスイッチング素子のオン、オフを制御することについて言及されている。これは、キャリア周期を変更したときに付随して変更される前記短絡時間あるいは前記短絡回数に応じて生じるインバータ回路4のスイッチング損失を制御することが主目的であるが、同時にインダクタ31、32に流れる電流が不連続になることによって生じるZソースインバータの不安定動作を回避することも目的としてあげられている。
特開2011−160617号公報
Fang Zhen Peng et.al.,"Z-source Inverter",IEEE Transactions onIndustry Applications, vol. 39, No. 2, March/April 2003,p 504-510
しかしながら、特許文献1には以下のような課題があった。キャパシタ33、34のいずれかの電圧を検出して、指令値との差分をとり、PI制御器に入力して短絡時間指令値14を決定する手法が用いられている。これは、キャパシタ電圧が一定になるように短絡時間指令値14を制御するだけでは、上述したようにインダクタ31、32に流れる電流が不連続になる事を回避するには不十分である場合があった。また、特許文献1記載のキャリアが変更した場合に短絡回数をn倍にすることでスイッチング損を減らすという手法は、同時にZソースインバータの制御性の悪化を防ぐという狙いもあったが、どのようにしてキャリアを変えるのかについて詳細な言及はなされていなかった。
Zソースインバータにおいて、キャパシタ33または34のどちらかいずれの両端の電圧を検出する電圧検出器36と、キャパシタ33または34の両端の電圧の指令値を出力するキャパシタ電圧指令値発生器10と、キャパシタ電圧指令値発生器10と電圧検出器36の出力との差を出力する減算器9と、減算器9の出力を増幅するアンプ8と、アンプ8の出力が入力されキャリアを出力するキャリア発生器であってアンプ8の出力が正ならばキャリア周波数が高くなり負ならばキャリア周波数が低くなってキャパシタ33または34の両端の電圧がキャパシタ電圧指令値発生器10の出力と一致するようにキャリア周波数を変化させ出力するキャリア発生器14と、三相負荷5に出力されるPWM制御された三相交流電圧を出力するための指令値を出力する三相交流電圧指令値発生器11と、インバータ回路4の上下アームを短絡する時間を出力する短絡時間生成器12と、短絡時間生成器12とキャリア発生器14と三相交流電圧指令値発生器11との出力を入力しインバータ回路4のスイッチング周期内に短絡時間生成器12の出力時間分インバータ回路4の上下アームを短絡してさらにキャリア発生器14と三相交流電圧指令値発生器11の比較結果からPWM制御された任意の周波数と任意の振幅の三相交流電圧を出力するためのスイッチング信号を出力しインバータ回路4に入力する比較器6を具備することを特徴とする電力変換装置Zソースインバータを用いる。
上記のZソースインバータを用いる事で、以下のような利点がある。特許文献1では言及されなかったキャリア周波数を、本発明ではキャパシタ電圧指令値発生器10の出力によって可変制御させるようにする。この時、1キャリア周期における前記短絡時間は、キャリア周波数に比例して増減するものとする。これにより、キャリア周波数が増加した場合はキャパシタ33、34の両端の電圧が増加し、キャリア周波数が減少した場合はキャパシタ33、34の両端の電圧が減少することになり、キャパシタ電圧33、34を一定に制御することができる。これは同時に直流電源1の昇圧電圧を制御することに等しく、また、特許文献1記載のキャパシタ33、34のいずれかの電圧を検出して、指令値との差分をとり、PI制御器に入力して可変短絡時間生成器13を決定する手法と併用することが可能であるため、よりZソースインバータが安定に動作するものである。この際、特許文献1と比較して追加部品はほとんどなく、安価な改良で本発明の本懐を成すことが可能である。
本発明の構成の説明図である。(実施例1) 非特許文献1記載の従来技術を説明した図である。 特許文献1記載の従来技術を説明した図である。 インバータの主回路を説明するための図である。
以下、実施例にて発明の構成の詳細な説明をする。
本発明の回路構成が従来の非特許文献1や特許文献1記載の回路と同じ部分の説明は省略する。Zソースインバータにおいて、キャパシタ33または34のどちらかいずれの両端の電圧を検出する電圧検出器36があり、キャパシタ33または34の両端の電圧の指令値を出力するキャパシタ電圧指令値発生器10と、キャパシタ電圧指令値発生器10と電圧検出器36の出力との差を出力する減算器9と、減算器9の出力を増幅するアンプ8
が搭載されている。例えばアンプ8はPI制御器であってもよい。可変キャリア発生器7はアンプ8の出力が入力され、アンプ8の出力に応じてキャパシタ33または34の両端の電圧がキャパシタ電圧指令値発生器10の出力と同じになるようにキャリア周波数が増減する。この時、1キャリア周期における前記短絡回数は変わらない。キャパシタ33、34のいずれかの電圧を検出して、キャパシタ電圧指令値発生器10との差分をとり、PI制御器(アンプ8)に入力して、該アンプ8の出力を用いて前記短絡時間を決定してもよい。電圧検出器36によって検出されたキャパシタ33、34のいずれかの電圧はK倍して出力して、直流電圧1を昇圧する電圧の比率を変更してもよい。
図1において、インダクタ31とインダクタ32がコア材によって磁気的に結合されたものを用いてもよい。インダクタ31と32をコア材で磁気的に結合することによって、インダクタ31と32を小型化することができる。
本発明は、昇圧機能を備えたインバータであるZソースインバータに適用可能である。
1 直流電源
2 ダイオード
3 Zソース回路
31 インダクタ
32 インダクタ
33 キャパシタ
34 キャパシタ
36 電圧検出器
4 インバータ回路
41 インバータ回路主素子、例えばIGBT
5 三相交流負荷
6 比較器
7 可変キャリア発生器
8 アンプ
9 減算器
10 キャパシタ電圧指令発生器
11 三相交流電圧指令発生器
12 短絡時間生成器
13 可変短絡時間生成器
14 キャリア発生器

Claims (3)

  1. 直流電源(1)の陽極にダイオード(2)のアノードが接続され、該ダイオード(2)のカソードにインダクタ(31)の一端が接続され、該インダクタ(31)のもう一端にキャパシタ(33)の一端が接続され、キャパシタ(33)のもう一端がインダクタ(32)の一端と直流電源(1)の負極に接続され、ダイオード(2)のカソードにキャパシタ(34)の一端が接続され、キャパシタ(34)のもう一端に前記インダクタ(32)のもう一端が接続され、インダクタ(31)とキャパシタ(33)が接続された点をP点とし、インダクタ(32)とキャパシタ(34)が接続された点をN点とし、前記P点と、前記N点が入力となって三相フルブリッジ回路を組む半導体スイッチ群からなり、PWM制御された任意の振幅かつ任意の周波数の三相交流電圧を出力するインバータ回路(4)と、インバータ回路(4)の出力に接続された3相負荷(5)からなるZソースインバータにおいて、
    キャパシタ(33)あるいはキャパシタ(34)の電圧が一定となるように、前記Zソースインバータのキャリア周波数を連続で可変する可変キャリア発生器(7)を具備することを特徴とするZソースインバータ。
  2. 請求項1記載のZソースインバータにおいて、
    キャパシタ(33)またはキャパシタ(34)のどちらかいずれの両端の電圧を検出する電圧検出器(36)と、キャパシタ(33)またはキャパシタ(34)の両端の電圧の指令値を出力するキャパシタ電圧指令値発生器(10)と、キャパシタ電圧指令値発生器(10)と電圧検出器(36)の出力との差を出力する減算器(9)と、減算器(9)の出力を増幅するアンプ(8)と、アンプ(8)の出力が入力されキャリアを出力するキャリア発生器であってアンプ(8)の出力が正ならばキャリア周波数が高くなり負ならばキャリア周波数が低くなってキャパシタ(33)またはキャパシタ(34)の両端の電圧がキャパシタ電圧指令値発生器(10)の出力と一致するようにキャリア周波数を変化させ出力する可変キャリア発生器(7)と、三相負荷(5)に出力されるPWM制御された三相交流電圧を出力するための指令値を出力する三相交流電圧指令発生器(11)と、インバータ回路(4)の上下アームを短絡する時間を出力する短絡時間生成器(12)と、短絡時間生成器(12)と可変キャリア発生器(7)と三相交流電圧指令発生器(11)との出力を入力しインバータ回路(4)のスイッチング周期内に短絡時間生成器(12)の出力時間分インバータ回路(4)の上下アームを短絡してさらに可変キャリア発生器(7)と三相交流電圧指令発生器(11)の比較結果からPWM制御された任意の周波数と任意の振幅の三相交流電圧を出力するためのスイッチング信号を出力しインバータ回路(4)に入力する比較器(6)を具備することを特徴とするZソースインバータ。
  3. 請求項1記載のZソースインバータにおいて、
    インダクタ(31)とインダクタ(32)がコア材によって磁気的に結合されたものを用いることを特徴とするZソースインバータ。
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