本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと少なくとも1つのモータジェネレータとの動力を、動力伝達機構を介して駆動軸に出力するハイブリッド車両の制御装置において、エンジンの運転状態と停止状態とを切り替える場合、車速が大きいほどエンジンの回転速度変化率を制限するよう回転速度変化率の制限値を算出し、該回転速度変化率の制限値を越えないようにエンジンの目標回転速度を算出する制御部を有する。これにより、本実施の形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジンを停止または始動させる場合においてバッテリの充放電電力が充放電制限を超過することを好適に防止することができる。
(第1実施例)
図1から図17を用いて、本発明の第1実施例に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。
図1に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両1は、内燃機関型のエンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5と、駆動輪6と、駆動輪6に動力を伝達可能に連結された駆動軸7と、第1遊星歯車機構8と、第2遊星歯車機構9と、第3遊星歯車機構10と、第1インバータ19と、第2インバータ20と、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)52と、エンジンECU(Electronic Control Unit)53と、モータECU(Electronic Control Unit)54と、バッテリECU(Electronic Control Unit)55とを含んで構成される。本実施例に係るハイブリッド車両1は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の少なくとも1つのモータジェネレータとの動力を、後述する動力伝達機構11を介して駆動軸7に出力するようになっている。
(エンジン)
エンジン2は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う4サイクルのエンジンによって構成されている。エンジン2の出力軸3は、第1遊星歯車機構8と第2遊星歯車機構9とに連結されている。
(第1モータジェネレータ)
第1モータジェネレータ4は、ロータ軸13と、ロータ14と、ステータ15とを有している。ロータ14には、複数の永久磁石が埋め込まれている。ステータ15は、ステータコア及びステータコアに巻き掛けられた三相コイルを有している。ステータ15の三相コイルは、第1インバータ19に接続されている。
このように構成された第1モータジェネレータ4において、ステータ15の三相コイルに三相交流電力が供給されると、ステータ15によって回転磁界が形成される。この回転磁界にロータ14に埋め込まれた永久磁石が引かれることにより、ロータ14がロータ軸13周りに回転駆動される。すなわち、第1モータジェネレータ4は、電動機として機能し、ハイブリッド車両1を駆動する駆動力を生成することができる。
また、ロータ14がロータ軸13周りに回転すると、ロータ14に埋め込まれた永久磁石によって回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ15の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相の交流電力が発生する。すなわち、第1モータジェネレータ4は、発電機としても機能する。
(第1インバータ)
第1インバータ19は、モータECU54の制御により、バッテリ21などから供給された直流の電力を三相の交流電力に変換する。この三相の交流電力は、第1モータジェネレータ4のステータ15の三相コイルに供給される。
第1インバータ19は、モータECU54の制御により、第1モータジェネレータ4によって生成された三相の交流電力を直流の電力に変換する。この直流の電力は、例えば、バッテリ21を充電する。
(第2モータジェネレータ)
第2モータジェネレータ5は、ロータ軸16と、ロータ17と、ステータ18とを有している。ロータ17には、複数の永久磁石が埋め込まれている。ステータ18は、ステータコア及びステータコアに巻き掛けられた三相コイルを有している。ステータ18の三相コイルは、第2インバータ20に接続されている。
このように構成された第2モータジェネレータ5において、ステータ18の三相コイルに三相交流電力が供給されると、ステータ18によって回転磁界が形成される。この回転磁界にロータ17に埋め込まれた永久磁石が引かれることにより、ロータ17がロータ軸16周りに回転駆動される。すなわち、第2モータジェネレータ5は、電動機として機能し、ハイブリッド車両1を駆動する駆動力を生成することができる。
また、ロータ17がロータ軸16周りに回転すると、ロータ17に埋め込まれた永久磁石によって回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ18の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相の交流電力が発生する。すなわち、第2モータジェネレータ5は、発電機としても機能する。
(第2インバータ)
第2インバータ20は、モータECU54の制御により、バッテリ21などから供給された直流の電力を三相の交流電力に変換する。この三相の交流電力は、第2モータジェネレータ5のステータ18の三相コイルに供給される。
第2インバータ20は、モータECU54の制御により、第2モータジェネレータ5によって生成された三相の交流電力を直流の電力に変換する。この直流の電力は、例えば、バッテリ21を充電する。
(第1遊星歯車機構)
第1遊星歯車機構8は、サンギア22と、サンギア22の外歯に噛み合う複数のプラネタリギア23と、複数のプラネタリギア23に内歯が噛み合うリングギア25と、プラネタリギア23を自転可能に支持するプラネタリキャリア24とを備えている。
(第2遊星歯車機構)
第2遊星歯車機構9は、サンギア26と、サンギア26の外歯に噛み合う複数のプラネタリギア27と、複数のプラネタリギア27に内歯が噛み合うリングギア29と、プラネタリギア27を自転可能に支持するプラネタリキャリア28とを備えている。
(第3遊星歯車機構)
第3遊星歯車機構10は、サンギア30と、サンギア30の外歯に噛み合う複数のプラネタリギア31と、複数のプラネタリギア31に内歯が噛み合うリングギア32と、プラネタリギア31を自転可能に支持するプラネタリキャリア33とを備えている。
第1遊星歯車機構8のサンギア22は、第1モータジェネレータ4のロータ14と一体に回転するように、中空のロータ軸13に連結されている。第1遊星歯車機構8のプラネタリキャリア24と、第2遊星歯車機構9のサンギア26とは、エンジン2の出力軸3と一体に回転するように連結されている。
第1遊星歯車機構8のリングギア25には、第2遊星歯車機構9のプラネタリギア27がロータ軸13周りに公転するようにプラネタリキャリア28を介して連結されている。また、第1遊星歯車機構8のリングギア25は、デファレンシャルギア及びその他のギアを含むギア機構35を介して駆動軸7を回転させるように設けられている。
第2遊星歯車機構9のリングギア29には、第3遊星歯車機構10のプラネタリギア31がロータ軸16周りに公転するようにプラネタリキャリア33を介して連結されている。
第3遊星歯車機構10のリングギア32は、ケース34に固定されている。第3遊星歯車機構10のサンギア30は、第2モータジェネレータ5のロータ17と一体に回転するようにロータ軸16に連結されている。
第1遊星歯車機構8、第2遊星歯車機構9及び第3遊星歯車機構10は、動力伝達機構11を構成する。動力伝達機構11は、エンジン2の出力軸3と、第1モータジェネレータ4の出力軸としてのロータ軸13と、第2モータジェネレータ5の出力軸としてのロータ軸16と、ギア機構35を介して駆動軸7とが連結された遊星歯車機構を構成する。
このように、動力伝達機構11は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5と、駆動軸7との間で駆動力を授受させるようになっている。例えば、動力伝達機構11は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5とによって生成された動力を駆動軸7に伝達するようになっている。
図2に示すように、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度と、第3遊星歯車機構10のリングギア32の回転速度との関係は、共線図で表すことができる。図2に示す共線図において、各縦軸は、図中、左から第3遊星歯車機構10のリングギア32の回転速度(図中、R3)、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度(図中、R2)、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度(図中、MG2)をそれぞれ表している。
第3遊星歯車機構10のリングギア32は、固定されているため、第3遊星歯車機構10は、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の駆動力を減速して第2遊星歯車機構9のリングギア29に伝達するリダクションギアを構成する。
第3遊星歯車機構10のリングギア32の歯数をZR3とし、第3遊星歯車機構10のサンギア30の歯数をZS3とすると、第3遊星歯車機構10のレバー比、すなわち、リダクションギア比Krは、ZR3/ZS3となる。
以上より、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度Nmg2_rgと、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度(以下、「MG2回転速度」という)Nmg2との関係は、以下の式(1)で表すことができる。
Nmg2_rg=Nmg2/(1+Kr)・・・(1)
図3に示すように、第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度と、エンジン2の出力軸3の回転速度と、ギア機構35を介して駆動輪6に動力を伝達する第1遊星歯車機構8のリングギア25の回転速度と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度との関係は、共線図で表すことができる。
図3に示す共線図において、各縦軸は、図中、左から第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度(図中、MG1)と、エンジン2の出力軸3の回転速度(図中、ENG)と、第1遊星歯車機構8のリングギア25の回転速度(図中、OUT)と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度(図中、R2)をそれぞれ表している。
第1遊星歯車機構8のサンギア22の歯数をZS1とし、第1遊星歯車機構8のリングギア25の歯数をZR1とすると、第1遊星歯車機構8のレバー比K1は、ZR1/ZS1となる。
第2遊星歯車機構9のサンギア26の歯数をZS2とし、第2遊星歯車機構9のリングギア29の歯数をZR2とすると、第2遊星歯車機構9のレバー比K2は、ZS2/ZR2となる。
以上より、駆動軸7の回転速度に比例する第1遊星歯車機構8のリングギア25の回転速度(以下、駆動回転速度Noutという。)と、第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度(以下、「MG1回転速度」という)Nmg1と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度Nmg2_rgとの関係は、以下の式(2)で表すことができる。
Nout=(K2×Nmg1+(1+K1)×Nmg2_rg)/(1+K1+K2)・・・(2)
また、エンジン2の出力軸3の回転速度Negoutと、MG1回転速度Nmg1と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度Nmg2_rgとの関係は、以下の式(3)で表すことができる。
Negout=((1+K2)×Nmg1+K1×Nmg2_rg)/(1+K1+K2)・・・(3)
ハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによってそれぞれ構成されている。
これらのコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55としてそれぞれ機能させるためのプログラムが格納されている。
すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、これらのコンピュータユニットは、本実施の形態におけるハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55としてそれぞれ機能する。
ハイブリッド車両1には、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内LAN(Local Area Network)を形成するためのCAN通信線39が設けられている。ハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55は、CAN通信線39を介して制御信号等の信号の送受信を相互に行う。
ハイブリッドECU52は、主として、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55などの各種ECUを統括的に制御する。エンジンECU53は、主として、エンジン2を制御する。
また、ハイブリッドECU52は、後述する方法で算出した駆動回転速度から車速を算出する。なお、本実施例におけるハイブリッドECU52は、本発明における制御部に相当する。
また、ハイブリッドECU52は、バッテリECU55から後述するバッテリ21の充放電制限値に関する情報を取得する。
モータECU54は、主として、第1インバータ19及び第2インバータ20を介して第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5をそれぞれ制御する。バッテリECU55は、主として、バッテリ21の状態を管理する。
また、モータECU54は、第1インバータ19及び第2インバータ20を介して実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2を算出する。
ハイブリッドECU52は、モータECU54によって算出された実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2から式(1)及び(2)を用いて実際の駆動回転速度(以下、「実駆動回転速度」という)Noutを算出する。
ハイブリッドECU52は、モータECU54によって算出された実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2から式(1)及び式(3)を用いて実際のエンジン回転速度Negoutを算出する。
バッテリECU55の入力ポートには、バッテリ状態検出センサ60が接続されている。バッテリ状態検出センサ60は、バッテリ21の充放電電流、電圧及びバッテリ温度を検出する。バッテリECU55は、バッテリ状態検出センサ60から入力される充放電電流の値、電圧の値及びバッテリ温度の値に基づき、バッテリ21の残容量(以下、「SOC」という)などを算出する。
また、バッテリECU55は、バッテリ21のSOCやバッテリ温度等に基づいてバッテリ21の充放電制限値を算出する。ここで、充放電制限値とは、バッテリ21の放電制限値(以下、「A1」という。)とバッテリ21の充電制限値(以下、「A2」という。)を示すが、バッテリ21の放電制限値A1を正の値、バッテリ21の充電制限値A2を負の値として定義する。ここで、充放電制限値は、放電制限値A1の値が小さいほどバッテリ21の放電が制限され、充電制限値A2の値が大きいほどバッテリ21の充電が制限されるよう算出されるものである。
放電制限値A1は、バッテリ21のSOCが小さいほど小さくなるよう算出される。また、充電制限値A2は、バッテリ21のSOCが大きいほど大きくなるよう算出される。さらに、充放電制限値は、バッテリ21の温度が正常な範囲から遠ざかるほど、バッテリ21の充放電が制限されるよう算出される。すなわち、バッテリ21の温度が所定範囲の上限値よりも大きい場合においてはバッテリ21の温度が大きくなるほど、またはバッテリ21の温度が所定範囲の下限値よりも小さい場合においてはバッテリ21の温度が小さくなるほど、放電制限値A1は小さくなるよう算出される。また、バッテリ21の温度が所定範囲の上限値よりも大きい場合においてはバッテリ21の温度が大きくなるほど、またはバッテリ21の温度が所定範囲の下限値よりも小さい場合においてはバッテリ21の温度が小さくなるほど、充電制限値A2は大きくなるよう算出される。
バッテリ状態検出センサ60は、例えば、バッテリ21の充放電電流を検出する電流センサと、バッテリ21の電圧を検出する電圧センサと、バッテリ温度を検出する温度センサとを含んで構成される。なお、電流センサと電圧センサと温度センサとは、個別に設けてもよい。
ハイブリッドECU52の入力ポートには、アクセルペダル61の操作量(以下、単に「アクセル開度」という)を検出するアクセル開度センサ62が接続されている。
次に、図4から図8を用いて、エンジン2、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の出力制御について説明する。
ハイブリッドECU52は、算出した実駆動回転速度Noutとタイヤ外径とギア機構35のギア比とを乗算することにより車速を算出する。ハイブリッドECU52は、アクセル開度センサ62によって検出されたアクセル開度と、上述の通り算出した車速と、バッテリ21のSOCとに基づいて、エンジン動作点の目標値(以下、「エンジン目標動作点」という)である目標エンジン回転速度Negと目標エンジントルクTegとを算出する。
なお、本実施例において、パワーとは、トルクに回転速度を乗算した値に比例し、エンジン2、第1モータジェネレータ4、第2モータジェネレータ5及び駆動軸7の各回転体におけるトルク及び回転速度の組み合わせによって一意に決まる。
ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図6に示すような目標駆動トルク検索マップが格納されている。目標駆動トルク検索マップでは、アクセル開度と車速とに対して車両1の目標駆動トルクが対応付けられている。
ハイブリッドECU52は、アクセル開度センサ62によって検出されたアクセル開度と、算出された車速とに対して、この目標駆動トルク検索マップによって対応付けられた目標駆動トルクTaを特定する(目標駆動トルク算出部101)。ハイブリッドECU52は、特定した目標駆動トルクTaと車速とギア機構35のギア比を乗算することにより、目標駆動パワーPreqを算出する(目標駆動パワー算出部102)。ギア機構35のギア比は、ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリに格納されている。
また、ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図7に示すような目標充放電パワー検索マップが格納されている。目標充放電パワー検索マップでは、バッテリ21のSOCに対して、目標充放電パワーが対応付けられている。ハイブリッドECU52は、バッテリECU55から送信されたバッテリ21のSOCに対して、目標充放電パワー検索マップによって対応付けられた目標充放電パワーPcrgを特定する(目標充放電パワー算出部103)。なお、目標充放電パワーPcrgは、放電側が正の値であり、充電側が負の値となるよう設定される。
ハイブリッドECU52は、目標駆動パワーPreqから目標充放電パワーPcrgを減算し、フィードバックパワーPfbとインバータロスパワーPinvlossとを加算した値を目標エンジンパワーPegとして算出する(目標エンジンパワー算出部104)。このとき、算出された目標エンジンパワーPegが、ハイブリッド車両1の運転状態に応じたエンジンパワーの最大値より大きい値である場合は、ハイブリッド車両1の運転状態に応じたエンジンパワーの最大値を目標エンジンパワーPegとする。ここで、フィードバックパワーPfbとは、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するよう第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5がフィードバックトルクを出力するために消費される電力を示す。また、インバータロスパワーPinvlossとは、第1インバータ19及び第2インバータ20で消費される損失電力を示す。
ハイブリッドECU52は、算出された車速と目標エンジンパワーPegに基づいて図8に示すような目標動作点検索マップを参照してエンジン目標動作点を算出する(目標エンジン動作点算出部105)。ここでいう動作点とは、エンジン2の回転速度とエンジントルクの組み合わせを表すものである。具体的には、等パワーラインと車速に応じた動作点ラインとの交点をエンジン目標動作点とし、制限前目標エンジン回転速度Negdefと目標エンジントルクTegとを算出する。なお、上述したエンジン目標動作点の算出方法は、エンジン2を駆動して走行するHEV走行モードにおけるものである。エンジン2を停止して走行するEV走行モードにおいては、ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefと目標エンジントルクTegのいずれも零(0)として算出する。
ハイブリッドECU52は、算出された車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて図12(a)の下降率制限マップを参照して目標エンジン回転速度の変化率の下限値ΔNeglmt_lowを算出する(目標エンジン回転速度変化率制限値算出部106)。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefと下限値ΔNeglmt_lowとに基づいて目標エンジン回転速度Negを算出する(目標エンジン回転速度算出部107)。なお、目標エンジン回転速度の変化率とは、単位時間当たりの目標エンジン回転速度の変位を表すものである。また、下限値ΔNeglmt_lowについては後述する。なお、下限値ΔNeglmt_lowは、本発明における制限値に相当する。
上述したように、ハイブリッドECU52は、目標駆動トルク算出部101、目標駆動パワー算出部102、目標充放電パワー算出部103、目標エンジンパワー算出部104、目標エンジン動作点算出部105、目標エンジン回転速度変化率制限値算出部106及び目標エンジン回転速度算出部107としての機能を有する。
また、ハイブリッドECU52は、実際のMG1回転速度Nmg1と、実際のMG2回転速度Nmg2と、目標電力Pmgと、目標エンジントルクTegとに基づいて、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5のトルク指令値を算出する。
ハイブリッドECU52は、モータECU54によって算出された実際のMG1回転速度Nmg1、MG2回転速度Nmg2と、目標電力Pmg及び目標エンジントルクTegとに基づいて、第1モータジェネレータ4の基本トルクTmg1i、第2モータジェネレータ5の基本トルクTmg2iを算出する(Tmg1i算出部111、Tmg2i算出部112)。具体的な算出方法については以下に示す。
ハイブリッドECU52は、目標エンジンパワーPegと、目標駆動パワーPreqとの偏差を目標電力Pmgとして算出する。なお、算出された目標エンジンパワーPegが、車両の運転状態に応じたエンジンパワーの最大値以下である場合、目標電力Pmgは目標充放電パワーPcrgと同値になる。目標電力Pmgは、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の出力により充電または消費される電力を表すものであり、以下の電力バランス式として式(4)で表すことができる。
Pmg=Nmg1×Tmg1i+Nmg2×Tmg2i・・・(4)
また、図2の共線図を参照したときの、駆動軸を基準とするトルクバランス式として、エンジン2、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5のトルクと回転速度の関係を以下の式(5)で表すことができる。
Teg+Tmg1i×(1+K1)=Tmg2i×(1+Kr)×K2・・・(5)
ハイブリッドECU52は、式(4)、(5)を用いて第1モータジェネレータ4の基本トルクTmg1i、第2モータジェネレータ5の基本トルクTmg2iを算出する。
ハイブリッドECU52は、目標エンジン回転速度Negと実際のエンジン回転速度Negoutとに基づいて、第1モータジェネレータ4のフィードバックトルクTmg1fb及び第2モータジェネレータ5のフィードバックトルクTmg2fbを算出する(Tmg1fb算出部113、Tmg2fb算出部114)。フィードバックトルクとは、実際のエンジン回転速度Negoutを目標エンジン回転速度Negに追従させるためにモータジェネレータが出力するトルクである。
ハイブリッドECU52は、基本トルクTmg1iと基本トルクTmg2iにフィードバックトルクTmg1fb、フィードバックトルクTmg2fbをそれぞれ加算した値を第1モータジェネレータ4のトルク指令値Tmg1、第2モータジェネレータ5のトルク指令値Tmg2として算出する(Tmg1算出部115、Tmg2算出部116)。
上述したように、ハイブリッドECU52は、Tmg1i算出部111、Tmg2i算出部112、Tmg1fb算出部113、Tmg2fb算出部114、Tmg1算出部115及びTmg2算出部116としての機能を更に有する。
本実施例において、高車速時に各モータジェネレータを動作させるためのバッテリ21の消費電力は、図9に示すように複数の電力成分によって構成される。エンジン2を駆動して走行するHEV走行モード、すなわちエンジン運転中の場合において、バッテリ21の消費電力は、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するようフィードバックトルクを出力するために消費される電力成分Cによって表される。
エンジン2を停止して走行するEV走行モードに移行した後、すなわちエンジン停止後の場合において、バッテリ21の消費電力は、目標駆動パワーを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bによって表される。
走行モードがHEV走行モードからEV走行モードに切り替わり、エンジン2を停止させる場合において、バッテリ21の消費電力は、目標駆動パワーを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bと、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するようフィードバックトルクを出力するために消費される電力成分Cと、エンジン2を停止させるために消費される電力成分Dとの和で表される。なお、本実施例においてバッテリ21の消費電力が正である場合、バッテリ21から電力が放電されるものと定義する。
高車速時において、エンジン2を運転状態から停止状態に切り替えると、すなわちエンジン2を停止させると、エンジン運転中やエンジン停止後と比較して電力成分Dが増加するため、バッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過してしまう可能性がある。
各モータジェネレータを駆動するときに消費されるバッテリ電力は、モータジェネレータの回転速度とトルクとの積である。すなわち、モータジェネレータの回転方向とトルクの向きの正負が一致する場合、バッテリ21は電力を放電し、モータジェネレータの回転方向とトルクの向きの正負が異なる場合、バッテリ21は電力を充電することとなる。
図10の共線図に示すように、本実施例におけるエンジン停止前とエンジン停止後の各軸の回転速度の関係は、車速によって異なる推移をとる。低車速時においてエンジン2を停止すると、第1モータジェネレータ4は正の回転方向において回転速度を低下させるよう負のトルクを出力するため、回生動作をすることとなる。これに対し、高車速時においてエンジン2を停止すると、第1モータジェネレータ4は負の回転方向において回転速度を低下、すなわち回転速度の絶対値を増大させるよう負のトルクを出力するため、力行動作することとなる。なお、本実施例におけるトルクの正負とは、正の回転方向に付与されるトルクのことを正のトルクといい、負の回転方向に付与されるトルクのことを負のトルクという。
したがって、本実施例において高車速時にエンジン2を停止する場合、第1モータジェネレータ4の回転方向と、出力されるトルクの向きの正負が一致するため、バッテリ21は電力を消費する。
本実施例に係るハイブリッド車両1においては、車速が大きいほど第1モータジェネレータ4の回転速度は低下する。すなわち、本実施例においては、図11に示すように、車速が大きくなるほどエンジン2を停止させるために必要なバッテリ21の消費電力である電力成分Dは増大する。
電力成分Dが増大すると、図9に示すように、電力成分Bと電力成分Cと電力成分Dとの和であるバッテリ21の消費電力が増大する。この結果、バッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過してしまうおそれがあった。
また、本実施例において、目標駆動パワーPreqが増大すると、目標駆動パワーPreqを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bが増大する。
電力成分Bが増大すると、電力成分Bと電力成分Cと電力成分Dとの和であるエンジン2を停止させる場合のバッテリ21の消費電力が増大する。この結果、バッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過してしまうおそれがあった。
そこで、本実施例のハイブリッド車両の制御装置は、以下に示すように目標エンジン回転速度Negを算出することにより、上述したバッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過することを防止するようにした。
ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図12(a)に示すような下降率制限マップが格納されている。このマップは、車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて、エンジン2を停止させる際の回転速度変化率を制限する下限値ΔNeglmt_lowを算出するためのものである。このマップにおいて、下限値ΔNeglmt_lowは、負の値であり、車速が大きくなるほど大きくなり、目標駆動パワーPreqが大きくなるほど大きくなるよう設定されている。
具体的には、図12(a)の下降率制限マップには、(1)から(4)の順に高くなる車速に応じて複数の下限値ΔNeglmt_lowが設定されている。例えば、車速(1)における下限値ΔNeglmt_lowは、目標駆動パワーPreqの大きさにかかわらず一定である。車速(2)から車速(4)における下限値ΔNeglmt_lowは、目標駆動パワーPreqが所定値を超えるまでは一定であり、目標駆動パワーPreqが所定値を超えると目標駆動パワーPreqが大きくなるほど大きくなる。また、この下降率制限マップにおいて、下限値ΔNeglmt_lowは、車速が高いほど大きくなるよう設定されている。
ここで、上述の所定値は、実験や適合試験により好適に設定される正の値である。目標駆動パワーPreqがこの所定値を越えると、電力成分Bが所定値を越える。このため、エンジン回転速度の変化率をより厳しく制限してイナーシャトルクを減少させることで電力成分Dを減少させ、一方で目標駆動パワーPreqがこの所定値以下であれば電力成分Dを厳しく制限せずエンジン回転速度を素早く変動させることが可能となるよう、所定値が設定される。
なお、このマップの特性は、例えば目標駆動パワーPreqが全ての範囲において、目標駆動パワーPreqの上昇に伴い下限値ΔNeglmt_lowが大きくなるような特性であってもよい。
また、図12(a)に示す下降率制限マップにおいては、4種類の車速に応じた下限値ΔNeglmt_lowが設定されているが、車速が大きいほど下限値ΔNeglmt_lowが大きくなるようなマップであればこれに限定されることはない。例えば、下降率制限マップは、より多くの種類の車速に応じた下限値ΔNeglmt_lowを設定するマップであったり、車速に応じて無段階に下限値ΔNeglmt_lowが設定されるようなマップであったりしてもよい。また、下降率制限マップは、車速に応じて複数種類用意されていてもよい。
ハイブリッドECU52は、図12(a)に示すようなマップを参照して算出した下限値ΔNeglmt_lowを用いて、制限前目標エンジン回転速度Negdefを制限した値である目標エンジン回転速度Negを算出する。
具体的には、ハイブリッドECU52は、車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて図12(a)に示すマップを参照することにより、下限値ΔNeglmt_lowを算出する。このように、ハイブリッドECU52は、車速が大きいほどエンジン2の回転速度変化率を制限するよう下限値ΔNeglmt_lowを算出する。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefと、前回の制御周期で算出された目標エンジン回転速度Neg(以下、Neg前回値という)に下限値ΔNeglmt_lowと制御周期tとを乗算した値を加算した値(以下、「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」で示す)とを用いて目標エンジン回転速度Negを算出する。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」以下である場合には、「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」を目標エンジン回転速度Negとして算出する。これにより、目標エンジン回転速度Negが下限値ΔNeglmt_lowで制限される。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」以下でない場合には、制限前目標エンジン回転速度Negdefを目標エンジン回転速度Negとして算出する。
このように、ハイブリッドECU52は、下限値ΔNeglmt_lowを越えないように目標エンジン回転速度Negを算出する。
次に、図13を参照して、以上のように構成された本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置における、走行モードがHEV走行モードからEV走行モードに移行してエンジン2を停止させる際の目標エンジン回転速度Negの算出処理について説明する。なお、以下に説明する目標エンジン回転速度Negの算出処理は、ハイブリッドECU52及びモータECU54が作動している間、所定の制御周期t[sec]毎に繰り返し実行される。
図13に示すように、まず、ハイブリッドECU52は、実際のエンジン回転速度Negout,実駆動回転速度Nout、アクセル開度、バッテリ21のSOCの各種情報を、モータECU54、アクセル開度センサ62、バッテリECU55から取得する(ステップS1)。
ステップS1の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefを零(0)として算出する(ステップS2)。
ステップS2の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、実駆動回転速度Noutに基づいて算出した車速と、目標駆動トルクTaと車速とギア機構35のギア比を乗算することにより算出した目標駆動パワーPreqとに基づいて図12(a)のマップを参照して下限値ΔNeglmt_lowを算出する(ステップS3)。
ステップS3の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、今回の制御周期における制限前目標エンジン回転速度Negdefが、「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」以下であるか否かを判別する(ステップS4)。このとき、Neg前回値を有していない初回の算出時においては、ハイブリッドECU52は、Neg前回値を実際のエンジン回転速度Negoutに置き換えて判別する。
ステップS4で制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」以下であると判別した場合、ハイブリッドECU52は、「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」を今回の制御周期で算出された目標エンジン回転速度Negとして算出し、本算出処理を終了する(ステップS5)。
ステップS4で制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_low×t」より大きいと判別した場合、ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefを今回の制御周期における目標エンジン回転速度Negとして算出し、本算出処理を終了する(ステップS6)。
このように、本実施例では、ハイブリッドECU52が車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて算出される下限値ΔNeglmt_lowを用いて目標エンジン回転速度Negを算出する。
このため、図14に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、高車速であるほど、また、目標駆動パワーPreqが大きいほど、従来例と比較してエンジン回転速度を緩やかに下降させることができる。
また、図15、図16に示すように、本実施例では、高車速でありかつ目標駆動パワーが大きい場合には、従来例と比較して第1モータジェネレータ4の回転速度(図中、MG1回転速度と記す)が緩やかに下降し、第1モータジェネレータ4の出力するトルク(図中、MG1トルクと記す)の絶対値が小さくなる。
図17に示すように、本実施例によれば、MG1回転速度が緩やかに下降するため、高車速でありかつ目標駆動パワーPreqが大きい場合には、従来例と比較して第1モータジェネレータ4の駆動パワー(図中、MG1パワーと記す)の急激な上昇が抑制される。
これにより、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジン2を停止させる場合において、バッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過することを好適に防止することができる。
(第2実施例)
次に、図9、図12(b)及び図18を用いて、本発明の第2実施例に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。本実施例は、本発明の第1実施例における図1から図3、図5から図11、図13から図17の部分に共通しており、ハイブリッド車両の構成、モータジェネレータの制御処理は同一のものである。
本実施例において、高車速時に各モータジェネレータを動作させるためのバッテリ21の消費電力は、図9に示すように複数の電力成分によって構成される。走行モードがHEV走行モードからEV走行モードに切り替わり、エンジン2を停止させる場合において、バッテリ21の消費電力は、目標駆動パワーを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bと、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するようフィードバックトルクを出力するために消費される電力成分Cと、エンジン2を停止させるために消費される電力成分Dとの和で表される。なお、本実施例においてバッテリ21の消費電力が正である場合、バッテリ21から電力が放電されるものと定義する。
本実施例において、バッテリ21の放電制限値A1が低下すると、高車速時に各モータジェネレータを動作させるためのバッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過してしまうおそれがあった。
そこで、本実施例のハイブリッド車両の制御装置は、以下に示すように目標エンジン回転速度Negを算出することにより、上述したバッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過することを防止するようにした。
ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図12(b)に示すような下降率制限マップが格納されている。このマップは、車速と放電制限値A1とに基づいて、エンジン2を停止させる際の回転速度変化率を制限する下限値ΔNeglmt_lowを算出するためのものである。このマップにおいて、下限値ΔNeglmt_lowは負の値であり、車速が大きくなるほど大きくなり、放電制限値A1が小さくなるほど大きくなるよう設定されている。
具体的には、図12(b)の下降率制限マップには、(1)から(4)の順に高くなる車速に応じて複数の下限値ΔNeglmt_lowが設定されている。例えば、車速(1)における下限値ΔNeglmt_lowは、放電制限値A1の大きさにかかわらず一定である。車速(2)から車速(4)における下限値ΔNeglmt_lowは、放電制限値A1が所定値未満になるまでは一定であり、放電制限値A1が所定値未満になると放電制限値A1が小さくなるほど大きくなる。また、この下降率制限マップにおいて、下限値ΔNeglmt_lowは、車速が高いほど大きくなるよう設定されている。
ここで、上述の所定値は、実験や適合試験により好適に設定される正の値である。放電制限値A1がこの所定値未満となると、電力成分Bと電力成分Cと電力成分Dの和で表される、エンジンを停止させる場合のバッテリ21の消費電力が放電制限値A1を超過する。このため、エンジン回転速度の変化率をより厳しく制限してイナーシャトルクを減少させることで電力成分Dを減少させ、一方で放電制限値A1がこの所定値以上であれば電力成分Dを厳しく制限せずエンジン回転速度を素早く変動させることが可能となるよう、所定値が設定される。
なお、このマップの特性は、例えば放電制限値A1が全ての範囲において、放電制限値A1の下降に伴い下限値ΔNeglmt_lowが大きくなるような特性であってもよい。
また、図12(b)に示す下降率制限マップにおいては、4種類の車速に応じた下限値ΔNeglmt_lowが設定されているが、車速が大きいほど下限値ΔNeglmt_lowが大きくなるようなマップであればこれに限定されることはない。例えば、下降率制限マップは、より多くの種類の車速に応じた下限値ΔNeglmt_lowを設定するマップであったり、車速に応じて無段階に下限値ΔNeglmt_lowが設定されるようなマップであったりしてもよい。また、下降率制限マップは、車速に応じて複数種類用意されていてもよい。
本実施例において、ハイブリッドECU52は、図18に示すように目標エンジン回転速度及び目標エンジントルクを算出する。この算出処理は、第1実施例における目標エンジン回転速度変化率制限値算出部106による算出処理を除いて図4と共通するものである。すなわち、本実施例における目標駆動トルク算出部201、目標駆動パワー算出部202、目標充放電パワー算出部203、目標エンジンパワー算出部204、目標エンジン動作点算出部205及び目標エンジン回転速度算出部207による各処理は、第1実施例における目標駆動トルク算出部101、目標駆動パワー算出部102、目標充放電パワー算出部103、目標エンジンパワー算出部104、目標エンジン動作点算出部105及び目標エンジン回転速度算出部107の各処理と共通である。
本実施例において、ハイブリッドECU52は、算出された車速と、放電制限値A1及び充電制限値A2とに基づいて図12(b)の下降率制限マップを参照して目標エンジン回転速度の変化率の下限値ΔNeglmt_lowを算出する(目標エンジン回転速度変化率制限値算出部206)。
本実施例において、ハイブリッドECU52は、第1実施例同様に、図13に示す目標エンジン回転速度Negの算出処理を行うが、ステップS3において下限値ΔNeglmt_lowを算出するにあたり、図12(b)のマップを参照するものである。
(第3実施例)
次に、図19から図27を用いて、本発明の第3実施例に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。本実施例は、本発明の第1実施例における図1から図8の部分について共通しており、ハイブリッド車両の構成、エンジンの制御処理及びモータジェネレータの制御処理は同一のものである。
本実施例において、高車速時に各モータジェネレータを動作させるためのバッテリ21の消費電力は、図19に示すように複数の電力成分によって構成される。エンジン2を停止して走行するEV走行モード、すなわちエンジン停止中の場合において、バッテリ21の消費電力は、目標駆動パワーを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bによって表される。
走行モードがEV走行モードからエンジン2を駆動して走行するHEV走行モードに移行した後、すなわちエンジン始動後の場合において、バッテリ21の消費電力は、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するようフィードバックトルクを出力するために消費される電力成分Cによって表される。
走行モードがEV走行モードからHEV走行モードに切り替わり、エンジン2を始動させる場合において、バッテリ21の消費電力は、目標駆動パワーを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bと、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するようフィードバックトルクを出力するために消費される電力成分Cと、エンジン2を始動させるために消費される電力成分Dとの和で表される。なお、本実施例においてバッテリ21の消費電力が負である場合、バッテリ21に電力が充電されるもの、すなわち充電電力と定義する。
高車速時において、エンジン2を停止状態から運転状態に切り替えると、すなわちエンジン2を始動させると、エンジン停止中やエンジン始動後と比較して負の電力成分Dが増加するため、バッテリ21の充電電力が充電制限値A2を超過してしまう可能性がある。
各モータジェネレータを駆動するときに充電されるバッテリ電力は、モータジェネレータの回転速度とトルクとの積である。すなわち、モータジェネレータの回転方向とトルクの向きの正負が一致する場合、バッテリ21は電力を放電し、モータジェネレータの回転方向とトルクの向きの正負が異なる場合、バッテリ21は電力を充電することとなる。
図20の共線図に示すように、本実施例におけるエンジン始動前とエンジン始動後の各軸の回転速度の関係は、車速によって異なる推移をとる。低車速時においてエンジン2を始動すると、第1モータジェネレータ4は正の回転方向において回転速度を上昇させるよう正のトルクを出力するため、力行動作することとなる。これに対し、高車速時においてエンジン2を始動すると、第1モータジェネレータ4は負の回転方向において回転速度を上昇させるよう正のトルクを出力するため、回生動作することとなる。なお、本実施例におけるトルクの正負とは、正の回転方向に付与されるトルクのことを正のトルクといい、負の回転方向に付与されるトルクのことを負のトルクという。
したがって、本実施例において高車速時にエンジン2を始動する場合、第1モータジェネレータ4の回転方向と、出力されるトルクの向きの正負が異なるため、バッテリ21は電力を充電する。
本実施例に係るハイブリッド車両1においては、車速が大きいほど第1モータジェネレータ4の回転速度は低下する。すなわち、本実施例においては、図21に示すように、車速が大きくなるほどエンジン2を始動させるために必要なバッテリ21の消費電力である電力成分Dは負の方向に増大する。
電力成分Dが負の方向に増大すると、図19に示すように、電力成分Bと電力成分Dとの和であるバッテリ21の消費電力が負の方向に増大する。すなわち、バッテリ21の充電電力が増大する。この結果、バッテリ21の充電電力が充電制限値A2を超過してしまうおそれがあった。
そこで、本実施例のハイブリッド車両の制御装置は、以下に示すように目標エンジン回転速度Negを算出することにより、上述したバッテリ21の充電電力が充電制限値A2を超過することを防止するようにした。
ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図22(a)に示すような上昇率制限マップが格納されている。このマップは、車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて、エンジン2を始動させる際の回転速度変化率を制限する上限値ΔNeglmt_highを算出するためのものである。このマップにおいて、上限値ΔNeglmt_highは正の値であり、車速が大きくなるほど小さくなり、目標駆動パワーPreqが小さくなるほど小さくなるよう設定されている。
具体的には、上昇率制限マップには、(1)から(4)の順に高い車速に応じて複数の上限値ΔNeglmt_highが設定されている。例えば、車速(1)における上限値ΔNeglmt_highは、目標駆動パワーPreqの大きさにかかわらず一定である。車速(2)から車速(4)における上限値ΔNeglmt_highは、目標駆動パワーPreqが所定値未満となるまでは一定であり、目標駆動パワーPreqが所定値以下になると目標駆動パワーPreqが小さくなるほど小さくなる。また、この上昇率制限マップにおいて、上限値ΔNeglmt_highは、車速が高いほど小さくなるよう設定されている。
ここで、上述の所定値は、実験や適合試験により好適に設定される負の値である。目標駆動パワーPreqがこの所定値未満となると電力成分Bが所定値未満となる。このため、エンジン回転速度の変化率をより厳しく制限してイナーシャトルクを減少させることで電力成分D(充電電力)を減少させ、一方で目標駆動パワーPreqがこの所定値以上であれば電力成分Dを厳しく制限せずエンジン回転速度を素早く変動させることが可能となるよう、所定値が設定される。
なお、このマップの特性は、例えば目標駆動パワーPreqが全ての範囲において、目標駆動パワーPreqの減少に伴い上限値ΔNeglmt_highが小さくなるような特性であってもよい。
また、図22(a)に示す上昇率制限マップにおいては、4種類の車速に応じた上限値ΔNeglmt_highが設定されているが、車速が大きいほど上限値ΔNeglmt_highが小さくなるようなマップであればこれに限定されることはない。例えば、上昇率制限マップは、より多くの種類の車速に応じた上限値ΔNeglmt_highを設定するマップであったり、車速に応じて無段階に上限値ΔNeglmt_highが設定されるようなマップであったりしてもよい。また、上昇率制限マップは、車速に応じて複数種類用意されていてもよい。なお、上限値ΔNeglmt_highは、本発明における制限値に相当する。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefを、図22(a)に示すようなマップを参照して算出した上限値ΔNeglmt_highを用いて、制限前目標エンジン回転速度Negdefを制限した値である目標エンジン回転速度Negを算出する。
具体的には、ハイブリッドECU52は、車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて図22(a)に示すマップを参照することにより、上限値ΔNeglmt_highを算出する(目標エンジン回転速度変化率制限値算出部106)。このように、ハイブリッドECU52は、車速が大きいほどエンジン2の回転速度変化率を制限するよう上限値ΔNeglmt_highを算出する。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefと、前回の制御周期で算出された目標エンジン回転速度Neg(以下、Neg前回値という)に上限値ΔNeglmt_highと制御周期tとを乗算した値を加算した値(以下、「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」で示す)とを用いて目標エンジン回転速度Negを算出する。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」以上である場合には、「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」を目標エンジン回転速度Negとして算出する。これにより、目標エンジン回転速度Negが上限値ΔNeglmt_highで制限される。
ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」以上でない場合には、制限前目標エンジン回転速度Negdefを目標エンジン回転速度Negとして算出する。
このように、ハイブリッドECU52は、上限値ΔNeglmt_highを越えないように目標エンジン回転速度Negを算出する(目標エンジン回転速度算出部107)。
次に、図23を参照して、以上のように構成された本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置における、走行モードがEV走行モードからHEV走行モードに移行してエンジン2を始動させる際の目標エンジン回転速度Negの算出処理について説明する。なお、以下に説明する目標エンジン回転速度Negの算出処理は、ハイブリッドECU52及びモータECU54が作動している間、所定の制御周期t[sec]毎に繰り返し実行される。
図23に示すように、まず、ハイブリッドECU52は、実際のエンジン回転速度Negout、実駆動回転速度Nout、アクセル開度、バッテリ21のSOCの各種情報をモータECU54、アクセル開度センサ62、バッテリECU55から取得する(ステップS11)。
ステップS11の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、実駆動回転速度Noutに基づいて算出した車速と、アクセル開度と、SOCとの情報に基づいて、制限前目標エンジン回転速度Negdefを算出する(ステップS12)。
ステップS12の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、実駆動回転速度Noutに基づいて算出した車速と、目標駆動トルクTaと車速とギア機構35のギア比を乗算することにより算出した目標駆動パワーPreqとに基づいて図22(a)のマップを参照して上限値ΔNeglmt_highを算出する(ステップS13)。
ステップS13の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、今回の制御周期における制限前目標エンジン回転速度Negdefが、「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」以上であるか否かを判別する(ステップS14)。このとき、Neg前回値を有していない初回の算出時においては、ハイブリッドECU52は、Neg前回値を実際のエンジン回転速度Negoutに置き換えて判別する。
ステップS14で制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」以上であると判別した場合、ハイブリッドECU52は、「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」を今回の制御周期における目標エンジン回転速度Negとして算出し、本算出処理を終了する(ステップS15)。
ステップS14で制限前目標エンジン回転速度Negdefが「Neg前回値+ΔNeglmt_high×t」未満であると判別した場合、ハイブリッドECU52は、制限前目標エンジン回転速度Negdefを今回の制御周期における目標エンジン回転速度Negとして算出し、本算出処理を終了する(ステップS16)。
このように、本実施例では、ハイブリッドECU52が車速と目標駆動パワーPreqとに基づいて算出される上限値ΔNeglmt_highを用いて目標エンジン回転速度Negを算出する。
このため、図24に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、高車速であるほど、また、目標駆動パワーPreqが小さいほど、従来例と比較してエンジン回転速度を緩やかに上昇させることができる。
また、図25、図26に示すように、本実施例では、高車速でありかつ駆動パワーが小さい場合には、従来例と比較して第1モータジェネレータ4の回転速度(図中、MG1回転速度と記す)が緩やかに上昇し、第1モータジェネレータ4の出力するトルク(図中、MG1トルクと記す)の絶対値が小さくなる。
図27に示すように、本実施例によれば、MG1回転速度が緩やかに上昇するため、高車速でありかつ目標駆動パワーPreqが大きい場合には、従来例と比較して第1モータジェネレータ4の駆動パワー(図中、MG1パワーと記す)の急激な下降が抑制される。
このため、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジン2を始動させる場合において、バッテリ21の充電電力が充電制限値A2を超過することを好適に防止することができる。
なお、本実施例における制限前目標エンジン回転速度Negdefは、ハイブリッドECU52によってエンジン2を始動するための目標値として例えばアイドル回転数を設定するよう算出されてもよいし、制御周期毎に上述のように図8のマップを参照して算出されるものであってもよい。
(第4実施例)
次に、図19及び図22(b)を用いて、本発明の第4実施例に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。本実施例は、本発明の第1実施例における図1から図3、図5から図8の部分について共通しており、ハイブリッド車両の構成、モータジェネレータの制御処理は同一のものである。また、本実施例は、本発明の第2実施例における図18の部分に共通しており、エンジンの制御処理は同一のものであるが、目標エンジン回転速度変化率制限値算出部206によって参照されるマップが異なる。また、本実施例は、本発明の第3実施例における図19から図21、及び図23から図27の部分について共通しており、ハイブリッドECU52による目標エンジン回転速度Negの算出処理は同一のものである。
本実施例において、高車速時に各モータジェネレータを動作させるためのバッテリ21の消費電力は、図19に示すように複数の電力成分によって構成される。走行モードがEV走行モードからHEV走行モードに切り替わり、エンジン2を始動させる場合において、バッテリ21の消費電力は、目標駆動パワーを満たすようモータジェネレータトルクを出力するために消費される電力成分Bと、実際のエンジン回転速度Negoutが目標エンジン回転速度Negに追従するようフィードバックトルクを出力するために消費される電力成分Cと、エンジン2を停止させるために消費される電力成分Dとの和で表される。なお、本実施例においてバッテリ21の消費電力が負である場合、バッテリ21に電力が充電されるもの、すなわち充電電力と定義する。
本実施例において、バッテリ21の充電制限値A2が増大すると、高車速時に各モータジェネレータを動作させるためのバッテリ21の消費電力、すなわち充電電力が充電制限値A2を超過してしまうおそれがあった。
そこで、本実施例のハイブリッド車両の制御装置は、以下に示すように目標エンジン回転速度Negを算出することにより、上述したバッテリ21の充電電力が充電制限値A2を超過することを防止するようにした。
ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図22(b)に示すような上昇率制限マップが格納されている。このマップは、車速と充電制限値A2とに基づいて、エンジン2を始動させる際の回転速度変化率を制限する上限値ΔNeglmt_highを算出するためのものである。このマップにおいて、上限値ΔNeglmt_highは正の値であり、車速が大きくなるほど小さくなり、充電制限値A2が大きくなるほど小さくなるよう設定されている。
具体的には、図22(b)の上昇率制限マップには、(1)から(4)の順に高くなる車速に応じて複数の上限値ΔNeglmt_highが設定されている。例えば、車速(1)における上限値ΔNeglmt_highは、充電制限値A2の大きさにかかわらず一定である。車速(2)から車速(4)における上限値ΔNeglmt_highは、充電制限値A2が所定値より大きくなるまでは一定であり、充電制限値A2が所定値より大きくなると充電制限値A2が大きくなるほど小さくなる。また、この上昇率制限マップにおいて、上限値ΔNeglmt_highは、車速が高いほど小さくなるよう設定されている。
ここで、上述の所定値は、実験や適合試験により好適に設定される負の値である。充電制限値A2がこの所定値より大きくとなると、電力成分Bと電力成分Cと電力成分Dの和で表される、エンジンを始動させる場合のバッテリ21の充電電力が充電制限値A2を超過する。このため、エンジン回転速度の変化率をより厳しく制限してイナーシャトルクを減少させることで電力成分Dを減少させ、一方で充電制限値A2がこの所定値以下であれば電力成分Dを厳しく制限せずエンジン回転速度を素早く変動させることが可能となるよう、所定値が設定される。
なお、このマップの特性は、例えば充電制限値A2が全ての範囲において、充電制限値A2の上昇に伴い下限値ΔNeglmt_highが小さくなるような特性であってもよい。
また、図22(b)に示す上昇率制限マップにおいては、4種類の車速に応じた上限値ΔNeglmt_highが設定されているが、車速が大きいほど上限値ΔNeglmt_highが小さくなるようなマップであればこれに限定されることはない。例えば、上昇率制限マップは、より多くの種類の車速に応じた上限値ΔNeglmt_highを設定するマップであったり、車速に応じて無段階に上限値ΔNeglmt_highが設定されるようなマップであったりしてもよい。また、上昇率制限マップは、車速に応じて複数種類用意されていてもよい。
本実施例において、ハイブリッドECU52は、第3実施例同様に、図23に示す目標エンジン回転速度Negの算出処理を行うが、ステップS13において上限値ΔNeglmt_highを算出するにあたり、図22(b)のマップを参照するものである。
上述の第1実施例から第4実施例において、ハイブリッドECU52が実駆動回転速度Noutとタイヤ外径とギア機構35のギア比とを乗算して車速を算出したが、例えば図示しない車速センサから送信される情報を車速として使用してもよい。
さらに、上述の第1実施例から第4実施例において、図4、図5、図6、図18に記載されているように、車速を用いて目標駆動トルクTaを算出しているが、例えば図6のマップをアクセル開度と実駆動回転速度Noutとに基づいて目標駆動トルクTaを算出するものとして、図4、図5のブロック図における車速情報の代わりに実駆動回転速度Noutを用いるものであってもよい。
さらに、上述の第1実施例から第4実施例において、ハイブリッドECU52が本発明における制御部に相当するものであるが、制御部は、ハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54、バッテリECU55の全て、またはこれらECUの組み合わせによって構成されてもよい。
以上、本発明の実施例について開示したが、本発明の範囲を逸脱することなく本実施例に変更を加えられ得ることは明白である。本発明の実施例は、このような変更が加えられた等価物が特許請求の範囲に記載された発明に含まれることを前提として開示されている。