JP6786033B2 - 汚染土壌の処理方法 - Google Patents

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本発明は、汚染土壌の処理方法に関する。
従来、汚染土壌に含まれる重金属等の有害物質は、体内へ直接摂取あるいは地下水を汚染することにより生活用水を経て体内へ摂取されることで人体に重大な健康被害を及ぼすため、これを効率的に無害化する処理方法が求められている。汚染土壌の処理方法としては、例えば、汚染土壌を高温で溶融させる方法や、植物を利用したファイトレメディエーション等が検討されているが、低コスト及び低エネルギーの観点から、キレート剤を用いた湿式洗浄により重金属等をキレート化合物として水溶液中に溶解させ、汚染土壌から除去する方法が好ましい。
しかしながら、キレート剤を用いた湿式洗浄を行うと、汚染土壌から目的の重金属等を一部除去することができるものの、洗浄後の汚染土壌(固相)は、当該目的の重金属等を介して土壌成分に結合していた他の物質が溶出しやすい状態となってしまうという問題がある。また、湿式洗浄により、重金属等をキレート化合物として溶解した水溶液(液相)が生じるため、これを処理する必要がある。
上記問題に対しては、例えば、固相に多価金属塩やセメント系化合物を添加することで、固相から溶出する他の物質を土壌成分に再付着させて溶出を抑制すること、及び、液相を陽イオン交換樹脂に接触させて当該液相から重金属等を回収することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−159583号公報
しかしながら、上記した従来の技術によれば、液相を陽イオン交換樹脂に接触させて有害物質を回収するため、液相中で陽イオンとして存在する鉛、カドミウム及び水銀等の重金属を回収することはできるが、陰イオンとして存在するヒ素、フッ素、ホウ素及びセレン等の有害物質を回収することはできない。
そこで、本発明は、汚染土壌を湿式洗浄した後に生じる液相から、陰イオンとして存在する有害物質を除去する汚染土壌の処理方法を提供することを目的としている。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
有害物質で汚染された汚染土壌を処理する汚染土壌の処理方法であって、
前記有害物質が、水溶液中で陰イオンとして存在する有害物質を含有し、
前記汚染土壌にキレート剤を添加して湿式洗浄する洗浄工程と、
湿式洗浄後の前記汚染土壌を固液分離する分離工程と、
固液分離された固相に固化材を添加して改質する固相処理工程と、
固液分離された液相に固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加し、前記有害物質を沈殿させて前記液相から除去する液相処理工程と、を有し、
前記鉄(III)を含有する添加剤として、塩化鉄(FeCl)を含有し、
前記液相処理工程において、前記固液分離された液相に対して前記固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加することにより、前記固化材由来の水酸化物イオンと、前記添加剤由来の鉄(III)イオンとが反応して水酸化鉄が沈殿し、前記固化材由来のカルシウムイオンが、前記液相中に残存するキレート剤とキレート錯体を形成することで、前記水酸化鉄の形成を促進し、前記水酸化鉄が、前記有害物質を吸着した状態で沈殿することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の汚染土壌の処理方法において、
前記液相処理工程において、前記鉄(III)を含有する添加剤を、前記液相中で鉄(III)が0.5〜600質量ppmの範囲内となるように添加することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の汚染土壌の処理方法において、
前記固相処理工程において、前記固相に鉄(III)を含有する添加剤を更に添加することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の汚染土壌の処理方法において、
前記液相処理工程において、前記液相に凝集剤を更に添加することを特徴とする。
本発明によれば、汚染土壌を湿式洗浄した後に生じる液相から、陰イオンとして存在する有害物質を除去する汚染土壌の処理方法を提供することができる。
実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
《本発明の汚染土壌の処理方法の概要》
本発明の汚染土壌の処理方法は、有害物質で汚染された汚染土壌を処理する汚染土壌の処理方法であって、汚染土壌にキレート剤を添加して湿式洗浄する洗浄工程と、湿式洗浄後の汚染土壌を固液分離する分離工程と、固液分離された固相に固化材を添加して改質する固相処理工程と、固液分離された液相に固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加し、有害物質を沈殿させて液相から除去する液相処理工程と、を有する。
本発明において汚染土壌とは、水溶液中で陰イオンとして存在する、ヒ素、フッ素、ホウ素又はセレン等を有害物質として含む土壌であり、鉛、カドミウム又は水銀等の重金属を更に含むものであっても良いし、鉄(III)やマンガン等を更に含むものであっても良い。
《洗浄工程》
洗浄工程では、汚染土壌にキレート剤を添加して当該汚染土壌を湿式洗浄する。
洗浄工程において用いるキレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸及びこれらの塩等が挙げられる。また、環境への付加が小さいことから生分解性キレート剤を用いることが好ましく、当該生分解性キレート剤としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,2′−イミノ二コハク酸(HIDS)、エチレンジアミン二コハク酸、L−グルタミン酸−N,N−二酢酸、メチルグリシン二酢酸及びこれらの塩等が挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記キレート剤は、水溶液の状態で汚染土壌に添加しても良いし、汚染土壌に十分に水が含まれている場合には単独で添加しても良い。
汚染土壌に対するキレート剤の添加量としては、例えば、汚染土壌に対して1〜20mmol%/Lとなるようにキレート剤が添加されることが好ましい。1mol%以上であると、汚染土壌から有害物質を十分に抽出することができ、20mol%以下であると、洗浄後の汚染土壌(後述する固相)からの有害物質の溶出量を低く抑えることができる。
汚染土壌に上記キレート剤を添加した後、例えば、5分間以上撹拌することで洗浄を行うことが好ましい。
上記洗浄工程により、キレート剤が、汚染土壌表面に存在する鉄やマンガン等の各種金属とキレート錯体を形成し、当該各種金属が土壌粒子から離脱することで当該各種金属とともに土壌粒子表面に存在するヒ素、フッ素、ホウ素及びセレン等の有害物質が汚染土壌から抽出される。ここで、抽出される有害物質がヒ素である場合、例えば、ヒ酸イオン又は亜ヒ酸等の形態で抽出される。抽出された有害物質は、主に後述する液相中に含有され、洗浄後の汚染土壌(後述する固相)に含有される有害物質の量が低減される。
《分離工程》
分離工程では、湿式洗浄後の汚染土壌を固液分離する。
固液分離の方法としては、洗浄後の汚染土壌を固相と液相とに分離することができればいずれの方法であっても良く、例えば、遠心分離、濾過等を挙げることができる。
《固相処理工程》
固相処理工程では、固液分離された固相(湿式洗浄後の汚染土壌)に固化材を添加して、当該固相を改質する。
固相処理工程において用いる固化材としては、例えば、セメント、セメント系固化材、石灰系固化材又はこれらを混合したもの等を用いることができる。固化材の添加量としては、例えば、固相に対して1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。固化材はpH調整剤としても機能し、固化材が添加されることにより、固相のpH(25℃)は9〜11の範囲内となる。なお、固化材とは別にpH調整剤を添加して固相のpHを上記範囲内となるように調整しても良い。
また、汚染土壌中の鉄(III)の含有量が少ない場合には、固相処理工程において、固化材とともに鉄(III)を含有する添加剤を添加することが好ましい。鉄(III)を含有する添加剤としては、固相に添加されることで固化材由来の水酸化物イオンと反応して水酸化鉄を形成することができるものであればいずれであっても良く、例えば、鉄粉や、塩化鉄(III)六水和物等の鉄(III)の金属塩等が挙げられる。当該添加剤は、水溶液又は懸濁液の状態で添加しても良いし、単独で添加しても良い。添加剤の添加量としては、汚染土壌中の鉄(III)の含有量にもよるが、例えば、固相に対して0.010〜5.0質量%の範囲内であることが好ましい。
固相に対して固化材及び必要に応じて添加剤が添加されることにより、固化材由来の水酸化物イオンと、固相又は添加剤由来の鉄(III)イオンとが反応し、水酸化鉄が形成される。水酸化鉄は、ヒ素、フッ素、ホウ素及びセレン等を吸着する性質を有するため、これらの有害物質を吸着して固相中に保持することができる。また、固化材由来のカルシウムイオンが、固相中に残存するキレート剤とキレート錯体を形成することで、固相中に残存するキレート剤の鉄とのキレート能を弱め、上記水酸化鉄の形成を促進する。したがって、固相処理工程後の固相は、ヒ素、フッ素、ホウ素及びセレン等の有害物質を吸着した水酸化鉄とともに固化材により固化されるため、当該有害物質の溶出が抑制される。これにより、固相を無害化することができる。
《液相処理工程》
液相処理工程では、固液分離された液相に固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加し、有害物質を沈殿させて液相から除去する。
液相処理工程において用いる固化材としては、上記固相処理工程において用いられる固化材と同様のものを用いることができる。固化材の添加量としては、例えば、液相中の土粒子重量比で5〜600%の範囲内であることが好ましい。固化材はpH調整剤としても機能し、固化材が添加されることにより、液相のpH(25℃)は9〜11の範囲内となる。なお、固化材とは別にpH調整剤を添加して液相のpHを上記範囲内となるように調整しても良い。
液相処理工程において用いる鉄(III)を含有する添加剤としては、上記固相処理工程において用いられる添加剤と同様のものを用いることができる。添加剤の添加量としては、例えば、液相中で鉄(III)が0.5〜600質量ppmの範囲内となるような量であることが好ましい。
液相に対して固化材及び添加剤が添加されることにより、固化材由来の水酸化物イオンと、添加剤由来の鉄(III)イオンとが反応して形成された水酸化鉄が沈殿する。また、固化材由来のカルシウムイオンが、液相中に残存するキレート剤とキレート錯体を形成することで、液相中に残存するキレート剤の鉄とのキレート能を弱め、上記水酸化鉄の形成を促進する。水酸化鉄は、ヒ素、フッ素、ホウ素及びセレン等を吸着する性質を有するため、これらの有害物質を吸着した状態で沈殿する。したがって、この沈殿物を遠心分離や濾過等により液相から除去することで、液相処理工程後の液相から有害物質を除去することができる。これにより、液相を無害化することができる。
液相処理工程においては、上記固化材及び添加剤とともに凝集剤を添加することが好ましい。これにより、液相中の土壌粒子の凝集性を向上させることができ、上記沈殿の形成を良好に行うことができる。凝集剤としては、例えば、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアミン系、ジシアンジアミド系、ポリアクリルアミド系、ビニルホルムアルデヒド系のポリマー等が挙げられる。これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
《本実施形態の汚染土壌の処理方法の効果》
以上、上記した実施形態によれば、有害物質で汚染された汚染土壌を処理する汚染土壌の処理方法であって、汚染土壌にキレート剤を添加して湿式洗浄する洗浄工程と、湿式洗浄後の汚染土壌を固液分離する分離工程と、固液分離された固相に固化材を添加して改質する固相処理工程と、固液分離された液相に固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加し、有害物質を沈殿させて液相から除去する液相処理工程と、を有するので、固相及び液相中でそれぞれ水酸化鉄が形成され、これに液相中で陰イオンとして存在するヒ素等の有害物質を吸着させることができる。これにより、液相から、陰イオンとして存在するヒ素等の有害物質を除去することができる。また、固相からヒ素等の有害物質が溶出することを抑制できる。
また、固相処理工程において、固相に鉄(III)を含有する添加剤を更に添加することで、汚染土壌中の鉄(III)の含有量が少ない場合であっても、固相中で水酸化鉄を形成させることができ、固相からヒ素等の有害物質が溶出することを抑制できる。
また、液相処理工程において、液相に凝集剤を更に添加することで、液相中の土壌粒子の凝集性を向上させることができ、上記沈殿の形成を良好に行うことができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
自然由来のヒ素が土壌環境基準を超過する土丹層の汚染土壌に対し、キレート剤として3−ヒドロキシ−2,2′−イミノ二コハク酸(HIDS)を1mMとなるように添加し、湿式洗浄を行った。洗浄後の汚染土壌を遠心分離機により固液分離し、汚染土壌から抽出されたヒ素と、粒径10μm以下の土壌粒子とを含む液相(含水率96.3質量%)を得た。
得られた液相10mL(乾燥土壌0.38g含有)に対して、ポリアクリル酸エステル系凝集剤(ダイヤキャッチ CHP408、三菱レイヨン(株)製)1.0mg、ポリアクリルアミド系凝集剤(ダイヤフロック APA410C、三菱レイヨン(株)製)1.0mgを水に溶解して添加した。
更に、各固化材を、液相中の乾燥土壌重量比50%添加し、添加剤としてFeCl水溶液をFeClが液相中100質量ppmとなるように添加した。これを撹拌した後、孔径0.45μmのメンブランフィルターで吸引濾過して沈殿生成物を除き、各サンプルを得た。
固化材としては、普通ポルトランドセメント、タフロック2000型(住友大阪セメント(株)製)、タフロック3E型(住友大阪セメント(株)製)、タフロック4型(住友大阪セメント(株)製)、タフロックスーパー(住友大阪セメント(株)製)、タフロックエース(住友大阪セメント(株)製)、ジオセット200(太平洋セメント(株)製)、ジオセット225(太平洋セメント(株)製)、ジオセット263(太平洋セメント(株)製)及びジオセット275(太平洋セメント(株)製)を用いた。
フレームレス原子吸光測定装置(Analyst600、Perkin Elmer社製)を用いて、上記調製した各サンプル中のヒ素濃度(mg/L)を測定した。測定結果を図1に示す。また、凝集剤、固化材及び添加剤をいずれも添加しなかった場合についても、同様にヒ素濃度を測定し、その測定結果を図1に併せて示す(図1中、「抽出後液相」と示す。)。
図1に示すように、本発明に係る処理後の液相のヒ素濃度は、凝集剤、固化材及び添加剤を添加しない場合と比較して大幅に低下しており、いずれの固化材を用いた場合でもヒ素濃度が0.01mg/L未満となっていることが分かる。したがって、本発明によれば、液相から、陰イオンとして存在する有害物質を除去することができる。
[実施例2]
自然由来のヒ素を含む泥水式シールド工事現場の余剰泥水(汚染土壌)に対し、キレート剤としてHIDSを0.5mM、1mM、10mMとなるように添加し、湿式洗浄を行った。洗浄後の汚染土壌を遠心分離機により固液分離し、回収した固相に対し、1.5質量%、3質量%、5質量%となるように固化材A(タフロック3E型、住友大阪セメント(株)製)又は固化材B(タフロック4型、住友大阪セメント(株)製)を添加し、混合し、試料を得た。
上記混合後の試料(単位g)と溶媒(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位mL)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500mL以上となるようにした。調製した試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうした。得られた試料液を10〜30分程度静置後、毎分約3000回転で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターで濾過して濾液を取り、定量に必要な量を正確に計り取って、これをサンプルとした。
上記作製した各サンプル中のヒ素濃度(mg/L)を、JIS K 0102の水素化物発生ICP発光分光分析法に準拠した方法で測定した。測定結果を図2(a)〜(c)に示す。図2(a)は、キレート剤を0.5mM添加した場合のヒ素濃度、図2(b)は、キレート剤を1mM添加した場合のヒ素濃度、図2(c)は、キレート剤を10mM添加した場合のヒ素濃度をそれぞれ示している。また、固化材A、Bをいずれも添加しなかった場合についても、同様にヒ素濃度を測定し、その測定結果を図2(a)〜(c)に併せて示す。
図2に示すように、本発明に係る処理後の固相のヒ素濃度は、固化材を添加しない場合と比較して大幅に低下していることが分かる。したがって、本発明によれば、固相から有害物質が溶出することを抑制できる。
また、キレート剤を1mM添加した場合には、固化材の添加量が少なくても固相のヒ素濃度を0.01mg/L未満とすることができることが分かる。一方、固化材を3質量%以上添加した場合には、キレート剤の添加量がいずれであっても固相のヒ素濃度を0.01mg/L未満とすることができることが分かる。

Claims (4)

  1. 有害物質で汚染された汚染土壌を処理する汚染土壌の処理方法であって、
    前記有害物質が、水溶液中で陰イオンとして存在する有害物質を含有し、
    前記汚染土壌にキレート剤を添加して湿式洗浄する洗浄工程と、
    湿式洗浄後の前記汚染土壌を固液分離する分離工程と、
    固液分離された固相に固化材を添加して改質する固相処理工程と、
    固液分離された液相に固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加し、前記有害物質を沈殿させて前記液相から除去する液相処理工程と、を有し、
    前記鉄(III)を含有する添加剤として、塩化鉄(FeCl)を含有し、
    前記液相処理工程において、前記固液分離された液相に対して前記固化材及び鉄(III)を含有する添加剤を添加することにより、前記固化材由来の水酸化物イオンと、前記添加剤由来の鉄(III)イオンとが反応して水酸化鉄が沈殿し、前記固化材由来のカルシウムイオンが、前記液相中に残存するキレート剤とキレート錯体を形成することで、前記水酸化鉄の形成を促進し、前記水酸化鉄が、前記有害物質を吸着した状態で沈殿することを特徴とする汚染土壌の処理方法。
  2. 前記液相処理工程において、前記鉄(III)を含有する添加剤を、前記液相中で鉄(III)が0.5〜600質量ppmの範囲内となるように添加することを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の処理方法。
  3. 前記固相処理工程において、前記固相に鉄(III)を含有する添加剤を更に添加することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の汚染土壌の処理方法。
  4. 前記液相処理工程において、前記液相に凝集剤を更に添加することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の汚染土壌の処理方法。
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