JP6785703B2 - スクイズフォーマー容器 - Google Patents

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Description

本発明は、スクイズフォーマー容器、及び、スクイズフォーマー容器詰め品に関する。
スクイズフォーマー容器とは、液体を貯留する容器本体が圧搾されることにより、液体と気体とを混合して泡を生成し、該泡を吐出口から吐出するように構成された容器である。
より詳細には、スクイズフォーマー容器は、開口を有する容器本体と、開口を塞ぐ状態で容器本体に装着されるキャップ部と、キャップ部に設けられたディップチューブと、を備えている。キャップ部は、気液混合部と、気液混合部に液体を供給する液体供給路と、気液混合部に気体を供給する気体供給路と、吐出口と、を備えている。そして、容器本体が圧搾されることによりディップチューブ及び液体供給路を介して気液混合部に液体が供給されるとともに、気体供給路を介して気液混合部に気体が供給され、気液混合部にて生成された泡が吐出口を介して吐出されるように、スクイズフォーマー容器は構成されている(例えば特許文献1、2)。
特開2011−251691号公報 特開平7−215352号公報
ところで、本願発明者等は、スクイズフォーマー容器からの泡の吐出と、スクイズフォーマー容器からの液体の吐出との切り替えができれば、スクイズフォーマー容器の使い勝手が更に良好になると考えた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、泡の吐出と液体の吐出との切り替えが可能な構造のスクイズフォーマー容器に関する。
本発明は、開口を有する容器本体と、前記開口を塞ぐ状態で前記容器本体に装着されるキャップ部と、前記キャップ部に設けられたディップチューブと、を備え、前記キャップ部は、気液混合部と、前記気液混合部に液体を供給する液体供給路と、前記気液混合部に気体を供給する気体供給路と、吐出口と、を備え、前記容器本体が圧搾されることにより前記ディップチューブ及び前記液体供給路を介して前記気液混合部に液体が供給されるとともに前記気体供給路を介して前記気液混合部に気体が供給され、前記気液混合部にて生成された泡が前記吐出口を介して吐出されるように構成されたスクイズフォーマー容器であって、
前記容器本体は、前記気体供給路と連通していて前記気体を貯留する第1室と、前記液体を貯留する第2室と、を備えていて、前記第1室と前記第2室とをそれぞれ圧搾可能であり、
前記ディップチューブは、前記第1室と前記第2室とに亘って挿通され、
前記ディップチューブの外周面と前記容器本体の内周面との間の間隙を介して、前記第1室から前記第2室に前記気体が流通可能であり、
前記第2室から前記第1室への流体の流入を規制する逆止弁を備えるスクイズフォーマー容器を提供する。
また、本発明は、本発明のスクイズフォーマー容器と、
前記第2室に充填されていて前記液体の少なくとも一部分を構成する液剤と、
を備えるスクイズフォーマー容器詰め品を提供する。
本発明によれば、スクイズフォーマー容器からの泡の吐出と、スクイズフォーマー容器からの液体の吐出との切り替えが可能となる。
第1実施形態に係るスクイズフォーマー容器の正面図である。 第1実施形態に係るスクイズフォーマー容器の正面断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
本実施形態において、スクイズフォーマー容器100の各構成要素の位置関係(上下関係等)の説明は、特に断りのない場合は、図2に示すように容器本体10の底部12が下、口頸部13が上となるようにスクイズフォーマー容器100を配置した状態での位置関係を説明したものである。底部12が水平な載置面上に載置した際には、スクイズフォーマー容器100は、図1及び図2の姿勢で自立する。
ただし、スクイズフォーマー容器100の製造時及び使用時におけるスクイズフォーマー容器100の各構成要素の位置関係は、必ずしもこの説明における位置関係とは一致しない。
図1ないしは図2に示すように、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100は、開口13aを有する容器本体10と、開口13aを塞ぐ状態で容器本体10に装着されるキャップ部20と、キャップ部20に設けられたディップチューブ80と、を備えている。
キャップ部20は、気液混合部73と、気液混合部73に液体90を供給する液体供給路72と、気液混合部73に気体を供給する気体供給路71と、吐出口34aと、を備えている。
なお、気体とは、例えば空気である。
スクイズフォーマー容器100は、容器本体10が圧搾されることによりディップチューブ80及び液体供給路72を介して気液混合部73に液体90が供給されるとともに気体供給路71を介して気液混合部73に気体が供給され、気液混合部73にて生成された泡が吐出口34aを介して吐出されるように構成されている。
容器本体10は、気体供給路71と連通していて気体を貯留する第1室14と、液体90を貯留する第2室15と、を備えていて、第1室14と第2室15とをそれぞれ圧搾可能となっている。
すなわち、第1室14と第2室15とに対して個別に圧搾操作が可能となっている。
ディップチューブ80は、第1室14と第2室15とに亘って挿通されている。
ディップチューブ80の外周面と容器本体10の内周面との間の間隙(例えば、ディップチューブ80の外周面と括れ部16の内周面との間の間隙19)を介して、第1室14から第2室15に気体が流通可能である。
スクイズフォーマー容器100は、第2室15から第1室14への流体の流入を規制する逆止弁120を備えている。
ここで、逆止弁120は、第2室15から第1室14への液体90の流入と、第2室15から第1室14への泡の流入と、第2室15から第1室14への気体の流入と、を規制する。
スクイズフォーマー容器100は、第2室15から第1室14への流体の流入を規制する逆止弁120を備えているとともに、第1室14と第2室15とをそれぞれ圧搾可能となっているため、スクイズフォーマー容器100からの泡の吐出と、スクイズフォーマー容器100からの液体の吐出との切り替えが可能である。
すなわち、第1室14が圧搾された際には、第1室14の内部が加圧されるため気体供給路71を介して気液混合部73に気体が供給されるとともに、第1室14から第2室15への気体の流入は可能であるため第2室15内も実質的に第1室14内と同圧になるので液体供給路72を介して気液混合部73に液体90が供給される。よって、気液混合部73にて泡が生成され、該泡が吐出口34aから吐出される。
一方、第2室15が圧搾された際には、第2室15の内部が加圧されるため液体供給路72を介して気液混合部73に液体90が供給されるが、第2室15から第1室14への流体の流入が逆止弁120によって規制されるため、気体は実質的に気液混合部73に供給されない。よって、液体90は気液混合部73を液状のまま通過して吐出口34aから吐出される。
このように、第1室14の圧搾と第2室15の圧搾とを使い分けることにより、泡の吐出と液体90の吐出との切り替えができるため、スクイズフォーマー容器100の使い勝手が向上する。
ここで、容器本体10に貯留される液体90(つまり吐出口34aから泡として又は液状のまま吐出される液体90)の種類は特に限定されない。この液体90としては、衣料用洗剤、その他の洗剤、染毛剤などの毛髪化粧料、ヘアスタイリング剤、ヘアケア剤、洗顔料、シェービング剤、頭髪洗浄剤、ボディソープ等が挙げられる。
容器本体10は、上から順に、口頸部13、第1室14、括れ部16及び第2室15を備えている。
より詳細には、口頸部13の下側に第1室14が連接されており、第1室14の下側に括れ部16が連接されており、括れ部16の下側に第2室15が連接されている。そして、第2室15の下端が底部12によって閉塞されている。
第2室15には液体90が貯留される。
口頸部13は、円筒状に形成されている。口頸部13の外周面にねじ山が形成されており、口頸部13は雄ねじ形状となっている。
口頸部13には、キャップ部20が装着される。
第1室14の形状は特に限定されないが、例えば、以下のような形状とすることができる。
すなわち、例えば、第1室14の内腔の平断面積は、当該第1室14の上端から当該第1室14の高さ方向中央部に向けて徐々に拡大し、当該第1室14の高さ方向中央部から当該第1室14の下端に向けて徐々に縮小している。このような形状になっていることにより、ディップチューブ80が装着されたキャップ部20を容器本体10に装着する際に、ディップチューブ80の先端が第1室14の内周面に沿って移動して、当該ディップチューブ80の先端が括れ部16の中央の孔を通過するように導かれる。なお、第1室14の上端の内腔の平断面積は、例えば、第1室14の下端の内腔の平断面積よりも大きい。
第1室14は、例えば、正面形状が略円形となっている。
第2室15の形状は特に限定されないが、例えば、以下のような形状とすることができる。
すなわち、例えば、第2室15の上部の内腔の平断面積は、下方に向けて徐々に拡大している。第2室15における上部を除く部分の内腔の平断面積は、第2室15の上部における下端の内腔の平断面積と同等であり、高さ位置にかかわらずほぼ一定となっている。
このように、容器本体10は、底部12を有しているとともに、底部12が水平な載置面に載置された状態で自立可能であり、容器本体10の上端(口頸部13)にキャップ部20が装着され、第1室14が第2室15の上側に配置されている。
括れ部16の内腔の平断面積は、第1室14の内腔の平断面積及び第2室15の内腔の平断面積よりも小さい。
すなわち、容器本体10における第1室14と第2室15との間の部分は、第1室14及び第2室15よりも内腔断面積が小さい括れ部16となっている。
より詳細には、括れ部16の内腔の平断面積は、第1室14の下端の内腔の平断面積、及び、第2室15の上端の内腔の平断面積と同等に設定されている。
なお、括れ部16を介して、第1室14から第2室15に液体(例えば、後述する第2液)が流通可能となっている。
容器本体10は、例えば、括れ部16の両脇に、それぞれ平板状に形成された一対のリブ17を備えている。一対のリブ17の各々の板面は、前後方向(図1の紙面に対する手前側及び奥側)を向いており、一対のリブ17は互いに同一平面上に配置されている(図3参照)。
容器本体10が括れ部16の脇にリブ17を備えていることにより、容器本体10における括れ部16の近傍の部分の構造的強度を十分に確保でき、容器本体10が括れ部16において折れ曲がってしまうことを抑制できる。
容器本体10は、合成樹脂により構成されている。
容器本体10の作製の仕方は、特に限定されないが、例えば、ブロー成形により容器本体10の全体が一体成形されている。
図2に示すように、キャップ部20は、キャップ本体30と、キャップ本体30によって保持されている外側筒部40及び内側筒部50と、を備えている。
キャップ本体30は、口頸部13に対して着脱可能に装着される円筒状の装着部31と、装着部31の上側に連接されている流路構成部32と、筒状壁部33と、流路構成部32から側方に向けて突出しているノズル部34と、を備えている。
装着部31の内周面には、ねじ山が形成されており、装着部31は、口頸部13と螺合する雌ねじ形状となっている。
ノズル部34の先端には吐出口34aが形成されている。
流路構成部32の内部には泡流路32aが形成されている。泡流路32aは、ノズル部34の内部空間を介して吐出口34aと連通している。
筒状壁部33は、円筒状に形成されていて、流路構成部32から装着部31の内部空間に垂下している。
外側筒部40は、それぞれ円筒状に形成されていて相互に連通している上部41、下部42及びチューブ保持部43を備えている。
内側筒部50は、それぞれ円筒状に形成されていて相互に連通している上部51及び下部52を備えている。
内側筒部50は、上部51がキャップ本体30の筒状壁部33に嵌入されることで、キャップ本体30によって保持されている。
外側筒部40は、上部41がキャップ本体30の筒状壁部33に外嵌されることで、キャップ本体30によって保持されている。
内側筒部50の下部52は、外側筒部40の下部42内に挿入されている。
外側筒部40は、例えば、容器本体10の口頸部13内に配置されているか、又は、容器本体10の口頸部13内と第1室14内とに亘って配置されている。
内側筒部50は、例えば、容器本体10の口頸部13内に配置されているか、又は、容器本体10の口頸部13内と第1室14内とに亘って配置されている。
外側筒部40のチューブ保持部43には、ディップチューブ80の上端部が設けられており、ディップチューブ80と外側筒部40の下部42の内部とが相互に連通している。
ディップチューブ80は、第1室14内から括れ部16内を介して第2室15内に亘って挿通されている。ディップチューブ80の下端は開口しており、第1室14の圧搾時には第2室15内の液体90がディップチューブ80の下端の開口からディップチューブ80を通して気液混合部73に供給される。
なお、ディップチューブ80の外周面と括れ部16の内周面との間の間隙19を介して、第1室14から第2室15に気体が流通可能となっている。
外側筒部40の下部42の内周面と、内側筒部50の下部52の外周面との間には、複数の液体供給路72が形成されている。
また、外側筒部40の上部41の内周面と、筒状壁部33の外周面との間には、複数の気体供給路71が形成されている。例えば、気体供給路71の各々の上端には、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aが形成されている。
外側筒部40における上部41と下部42との境界部の内周面と、内側筒部50における上部51と下部52との境界部の外周面との間には、気液混合部73が形成されている。
ディップチューブ80の内部空間は、液体供給路72を介して気液混合部73と連通している。
口頸部13の内部空間は、気体供給路71を介して気液混合部73と連通している。
また、内側筒部50には、気液混合部73と、上部51の内部空間である泡合流部74と、を相互に連通させる複数の連通孔が形成されている。
内側筒部50の上部51の上端には第1メッシュ61が設けられている。
また、流路構成部32の泡流路32aとノズル部34の内部空間との境界部には、第2メッシュ62が設けられている。
キャップ本体30は、更に、流路構成部32に設けられているボール弁ハウジング35と、ボール弁ハウジング35内において移動可能に保持されているボール弁36と、を備えている。
ボール弁ハウジング35には、吸気口35aが形成されている。
なお、ここで説明したキャップ部20の構造は一例であり、その他の広く知られている構造のものを本実施形態に適用しても何ら差し支えが無い。
逆止弁120は、例えば、第2室15内において、ディップチューブ80の外周面に設けられている。
逆止弁120の形状は特に限定されないが、逆止弁120は、例えば、ディップチューブ80の外周面に固定される円筒状の固定部121と、固定部121の上側に連接されていて上方に向けて拡径している錐状(例えば円錐状)の弁体122と、を備えて構成されている。
逆止弁120において、少なくとも弁体122は、弾性変形容易な可撓性の材料(例えばゴム又はエラストマー)により構成されている。例えば、逆止弁120の全体がゴム又はエラストマーなどの材料により一体成形されている。
第2室15が圧搾された際には、弁体122が容器本体10の内周面(第2室15の内周面)に対して周回状に気密に密着することにより、第2室15から第1室14への流体の流入が規制されるようになっている。
より詳細には、逆止弁120は、括れ部16の近傍に配置されている。よって、コンパクトな逆止弁120により、第2室15と第1室14との遮断を容易に行うことができる。
ここで、図3は図1のA−A線に沿った断面図である。すなわち、図3は、括れ部16の位置におけるスクイズフォーマー容器100の平断面図である。
図3には、弁体122の外形線122aを二点鎖線で示している。
図3に示すように、平面視において、括れ部16の内腔領域の全体が、逆止弁120の弁体122の外形線122aの内側に収まっていることが好ましい。
なお、キャップ部20を口頸部13に装着する際にディップチューブ80の先端側(下端側)を第2室15に挿入するときには、逆止弁120の弁体122が括れ部16の内面に沿って変形(縮径)した状態で括れ部16を通過し、括れ部16を通過した後で弁体122が元の形(図2の形状)に開く。
ここで、逆止弁120の機能は、少なくとも、第2室15が圧搾されたときに発揮される。
本実施形態の場合、第2室15が圧搾されていない通常時には、逆止弁120の弁体122が容器本体10の内周面(第2室15の内周面)から離間している。一方、第2室15の圧搾時には、弁体122が気体の圧力により変形することで容器本体10の内周面(第2室15の内周面)に対して周回状に密着して第1室14と第2室15とを相互に遮断することによって、第2室15から第1室14への流体の流入を規制する。すなわち、逆止弁120の機能は、第2室15が圧搾されたときに発揮され、それ以外の時には発揮されない。これにより、第1室14側から第2室15側への気体の流通をスムーズに行うことができるようになっている。
ただし、第2室15が圧搾されていない通常時においても、逆止弁120の弁体122が容器本体10の内周面(第2室15の内周面)に対して周回状に密着していて、逆止弁120の機能が発揮されるようになっていてもよい。この場合、第1室14が圧搾されたときには、気体の圧力により弁体122が変形して容器本体10の内周面から離間し、気体が第1室14から第2室15へ流通可能となる。
図3に示すように、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面(本実施形態の場合、平断面)において、括れ部16の内腔断面形状が非円形となっている。
これにより、後述するように容器本体10に液剤を導入した際に、第1室14と第2室15との間で空気置換がスムーズに行われるため、液剤がスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下することができるようになっている。
また、後述するスクイズフォーマー容器詰め品の製造の際にスクイズフォーマー容器100内に液剤を入れるときにも、液剤をスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下させることができるため、製造効率の向上が期待できる。
なお、括れ部16の内腔領域は、上下に直線状に延在していることが好ましく、これにより、括れ部16内をよりスムーズに液剤が流下することができる。
より詳細には、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面(本実施形態の場合、平断面)において、括れ部16の内腔断面形状のアスペクト比が1.5以上であることが好ましく、当該アスペクト比が2以上であることも好ましい。
ここでいうアスペクト比は、括れ部16の内腔断面形状の長径を短径で除した値である。
本実施形態の場合、上記断面における括れ部16の内腔断面形状は、図3に示すように、略長方形状ないしは略六角形状となっている。そして、括れ部16の内腔断面形状の長径は、互いに対向する2つの辺16aどうしの距離(図3の長さL1)とする。また、括れ部16の内腔断面形状の短径は、これら辺16aに対して平行な方向において、括れ部16の内腔領域の寸法が最大の部分の長さ寸法(図3の長さL2)とする。つまり、本実施形態の場合、括れ部16の内腔断面形状のアスペクト比は、L1/L2である。
上記断面における括れ部16の内腔断面形状の他の例としては、十字形、長方形や六角形以外の多角形状、菱形、楕円形状、長円形状などが挙げられる。
また、上記断面における括れ部16の内腔断面形状は、180度回転対称形であることが好ましい。
そして、上記断面における括れ部16の内腔断面形状が多角形状の場合、例えば、互いに対向する2つの辺どうしの距離のうち最大の距離が長径となる。
上記断面における括れ部16の内腔断面形状が菱形の場合、互いに対向する2つの頂点が2組存在し、互いに対向する2つの頂点間の距離のうち、長い方が長径、短い方が短径となる。
なお、上記断面における括れ部16の内腔断面形状が十字形の場合、当該内腔断面形状のアスペクト比が1.5未満であったり、1であったりしても、液剤がスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下することができる。
次に、動作を説明する。
ここでは、スクイズフォーマー容器100の使用の直前に容器本体10内で複数種類(例えば2種類)の液剤(それぞれ第1液、第2液と称する)を混合する場合を例に説明する。
まず、スクイズフォーマー容器100の容器本体10の第2室15内には、例えば、予め、上記2種類の液剤のうち、第2液が貯留されている。
ここで、容器本体10の流通時には、例えば、口頸部13には、上述のキャップ部20ではなく、口頸部13の開口13aを閉塞して内部の液体90の漏れを規制するための閉止キャップ(不図示)が装着されている。この閉止キャップは、例えば、一端が閉塞した筒状に形成された、一般的なスクリューキャップである。
また、第1液を貯留した別容器を準備する。
次に、スクイズフォーマー容器100の容器本体10から閉止キャップを取り外した状態で、別容器の第1液を、容器本体10の開口13aから容器本体10内に注ぎ入れる。
このとき、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面において、括れ部16の内腔断面形状が非円形となっていることにより、第1液がスムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下して第2液と合流する。
特に、第1室14から第2室15に向かう方向に対して直交する断面において、括れ部16の内腔断面形状のアスペクト比が1.5以上であることにより、第1液が一層スムーズに第1室14から括れ部16を介して第2室15に流下するようにできる。
次に、口頸部13に、上記閉止キャップ又はキャップ部20を装着する。
次に、例えば、スクイズフォーマー容器100を上下逆にして元に戻す動作を、液体90が泡立たないように静かに繰り返し行うか、あるいは、第1室14を手で持って、第2室15を左右に振るようにして、第1液と第2液とを均一に混合する。
閉止キャップを装着して第1液と第2液とを混合した場合は、その後、口頸部13から閉止キャップを取り外して、該口頸部13にキャップ部20を装着する。
スクイズフォーマー容器100から泡を吐出させる場合には、第1室14が第2室15の上側に位置する状態で第1室14を圧搾する。これにより、液体90が気液混合部73にて気体(空気)と混合することにより泡が生成される。更に、この泡が第1メッシュ61及び第2メッシュ62をこの順に通過することによって、よりきめ細かく均一な泡となり、該均一な泡が吐出口34aから吐出される。
より詳細には、例えばユーザーの手指により第1室14が圧搾されることによって、容器本体10の内部が加圧されるので、第1室14内の空気が入口71aから気体供給路71に導入され該気体供給路71を介して気液混合部73に供給されるとともに、第2室15内の液体90がディップチューブ80を通して押し上げられ液体供給路72を介して気液混合部73に供給される。
そして、気液混合部73にて液体90と空気とが混合されることにより泡が生成され、この泡は、内側筒部50の複数の連通孔を通して泡合流部74に導入されて合流し、泡流路32a及びノズル部34の内部空間を介して吐出口34aから吐出される。
なお、第1室14の圧搾時には、空気圧によりボール弁36が上に移動して、該ボール弁36がボール弁ハウジング35の内周面に対して気密に密着し、吸気口35aを介した空気の漏洩が抑制される。
一方、第1室14に対する圧搾操作が解除されると、第1室14が元の形状に復元する。この際に、容器本体10の内部が陰圧になるため、ボール弁36が下に移動して、ボール弁36とボール弁ハウジング35の内周面との間に間隙が生じ、吸気口35aとこの間隙とを介して外気が第1室14に導入される。これにより、容器本体10の内部が大気圧に復帰する。
一方、スクイズフォーマー容器100から液体90を液状のまま吐出させる場合には、第1室14が第2室15の上側に位置する状態で第2室15を圧搾する。これにより、第2室15の内部が加圧されるので、第2室15内の液体90がディップチューブ80を介して気液混合部73に供給される。ただし、第2室15が圧搾されたときには、逆止弁120によって第2室15から第1室14への流体の流入が遮断(規制)される。よって、気液混合部73には実質的に気体が供給されない。
よって、第2室15から気液混合部73に供給された液体90は、液状のままで気液混合部73、内側筒部50の連通孔、泡合流部74、泡流路32a及びノズル部34の内部空間を通過し、吐出口34aから吐出される。
第2室15に対する圧搾操作が解除されると、第2室15が元の形状に復元する。この際に、容器本体10の内部が陰圧になるため、ボール弁36が下に移動して、ボール弁36とボール弁ハウジング35の内周面との間に間隙が生じ、吸気口35aとこの間隙とを介して外気が第1室14に導入され、第1室14内の空気の一部が第2室15内に導入される。これにより、容器本体10の内部が大気圧に復帰する。
一例として、液体90が衣料用洗剤である場合に、襟や袖などのポイント洗いのために液体90を泡にしてスクイズフォーマー容器100から吐出する一方で、洗濯機で衣料を選択する場合には液体90を液状のままスクイズフォーマー容器100から吐出することが挙げられる。
あるいは液体90がハンドソープやボディソープの場合、手軽に手や体を洗いたいときは泡にして吐出する一方で、汚れがひどい場合などは液状のままで吐出させて、液の粘性を利用するなどして手ごたえを感じながらしっかりと洗うことができる。
また、スクイズフォーマー容器100を複数のユーザーで共用する場合、個々のユーザーの好みに応じて泡と液を選択することもできるので、泡と液の両方の洗浄料を用意する必要がない。
ここで、ユーザーが誤ってスクイズフォーマー容器100を激しく振ったり、長い時間振るなどにより、液体90が容器本体10内で泡立った状態で、第1室14の圧搾操作が行われることも想定される。
ただし、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100によれば、第2室15内で生じた泡が第1室14へ流入することが、逆止弁120によって規制される。よって、第1室14に対して圧搾操作が行われた際に、容器本体10内から気体供給路71への気体の入口71aを泡が塞いでしまうことが抑制される。よって、気液混合部73に十分な量の気体を供給できるため、より確実に液体90を泡化して吐出することが可能である。
このため、互いに分離しやすい複数種類の液体を使用の直前にユーザーによる混合操作(スクイズフォーマー容器100を激しく振ったり、長い時間振るなどの操作)によって第2室15内で混合させるようにしてもよい。この場合も、混合操作により生じた泡が第2室15から第1室14へ流入することを抑制されるため、気液混合部73に十分な量の気体を供給することができ、確実に液体90を泡化して吐出することが可能である。
なお、第2室15の容積は、容器本体10の全体の容積よりも小さく、したがって、第2室15内において液体90が占める領域以外の領域(つまり第2室15内において空気が占める領域)の大きさを小さくすることができる。
よって、スクイズフォーマー容器100が振られた際に、第2室15内における液体90の泡立ちを抑制できるという効果も得られる。
このため、第2室15を圧搾してスクイズフォーマー容器100から液体90を液状のままで吐出したいときに、第2室15内の泡が吐出されてしまうことを抑制できる。
なお、スクイズフォーマー容器100は、例えば、店舗での販売時などの流通時には、第2室15に第2液が充填されたスクイズフォーマー容器詰め品の形態となっている。
スクイズフォーマー容器詰め品の形態では、容器本体10の口頸部13には上述の閉止キャップが装着されており、例えば、閉止キャップ付きの容器本体10と、上述のキャップ部20とがセットになっている。
本実施形態では、スクイズフォーマー容器詰め品の形態のスクイズフォーマー容器100の第2室15には、液体90の一部分である第2液が充填され、第1液は充填されていない例を説明したが、本発明は、この例に限らず、スクイズフォーマー容器詰め品の形態のスクイズフォーマー容器100の第2室15に液体90が充填されていてもよい。すなわち、スクイズフォーマー容器100は、使用の直前に複数種類の液剤を混合して得られた液体90を泡にして吐出したり又は液状のまま吐出したりするものでなくともよく、1種類の液剤である液体90を泡にして吐出したり又は液状のまま吐出したりするものであってもよい。
このように、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器詰め品は、本実施形態に係るスクイズフォーマー容器100と、第2室15に充填されていて液体90の少なくとも一部分を構成する液剤(第2液)と、を備える。
以上のような実施形態によれば、スクイズフォーマー容器100は、第2室15から第1室14への流体の流入を規制する逆止弁120を備えているとともに、第1室14と第2室15とをそれぞれ圧搾可能となっているため、スクイズフォーマー容器100からの泡の吐出と、スクイズフォーマー容器100からの液体の吐出との切り替えが可能である。よって、スクイズフォーマー容器100の使い勝手が向上する。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
例えば、上記においては、逆止弁120が第2室15内に配置されている例を説明したが、逆止弁120は括れ部16内に配置されていてもよいし、第2室15内と括れ部16内とに亘って配置されていてもよい。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>開口を有する容器本体と、前記開口を塞ぐ状態で前記容器本体に装着されるキャップ部と、前記キャップ部に設けられたディップチューブと、を備え、前記キャップ部は、気液混合部と、前記気液混合部に液体を供給する液体供給路と、前記気液混合部に気体を供給する気体供給路と、吐出口と、を備え、前記容器本体が圧搾されることにより前記ディップチューブ及び前記液体供給路を介して前記気液混合部に液体が供給されるとともに前記気体供給路を介して前記気液混合部に気体が供給され、前記気液混合部にて生成された泡が前記吐出口を介して吐出されるように構成されたスクイズフォーマー容器であって、
前記容器本体は、前記気体供給路と連通していて前記気体を貯留する第1室と、前記液体を貯留する第2室と、を備えていて、前記第1室と前記第2室とをそれぞれ圧搾可能であり、
前記ディップチューブは、前記第1室と前記第2室とに亘って挿通され、
前記ディップチューブの外周面と前記容器本体の内周面との間の間隙を介して、前記第1室から前記第2室に前記気体が流通可能であり、
前記第2室から前記第1室への流体の流入を規制する逆止弁を備えるスクイズフォーマー容器。
<2>前記逆止弁は、前記第2室内において、前記ディップチューブの外周面に設けられている<1>に記載のスクイズフォーマー容器。
<3>前記逆止弁は、前記第1室側に向けて拡径する錐状の弁体を有する<2>に記載のスクイズフォーマー容器。
<4>前記容器本体における前記第1室と前記第2室との間の部分は、前記第1室及び前記第2室よりも内腔断面積が小さい括れ部となっている<1>から<3>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
<5>前記容器本体は、底部を有しているとともに、前記底部が水平な載置面に載置された状態で自立可能であり、
前記容器本体の上端に前記キャップ部が装着され、前記第1室が前記第2室の上側に配置されている<1>から<4>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
<6><1>から<5>のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器と、
前記第2室に充填されていて前記液体の少なくとも一部分を構成する液剤と、
を備えるスクイズフォーマー容器詰め品。
<7>前記第2室が圧搾された際に、前記逆止弁の弁体が前記容器本体の内周面に対して周回状に気密に密着することにより、前記第2室から前記第1室への流体の流入が規制される上記いずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
<8>平面視において、前記括れ部の内腔領域の全体が、前記逆止弁の弁体の外形線の内側に収まっている<5>に記載のスクイズフォーマー容器。
10 容器本体
11 胴部
12 底部
13 口頸部
13a 開口
14 第1室
15 第2室
16 括れ部
17 リブ
18 稜線
19 間隙
20 キャップ部
30 キャップ本体
31 装着部
32 流路構成部
32a 泡流路
33 筒状壁部
34 ノズル部
34a 吐出口
35 ボール弁ハウジング
35a 吸気口
36 ボール弁
40 外側筒部
41 上部
42 下部
43 チューブ保持部
50 内側筒部
51 上部
52 下部
61 第1メッシュ
62 第2メッシュ
71 気体供給路
71a 入口
72 液体供給路
73 気液混合部
74 泡合流部
80 ディップチューブ
90 液体
100 スクイズフォーマー容器
120 逆止弁
121 固定部
122 弁体
122a 外形線

Claims (6)

  1. 開口を有する容器本体と、前記開口を塞ぐ状態で前記容器本体に装着されるキャップ部と、前記キャップ部に設けられたディップチューブと、を備え、前記キャップ部は、気液混合部と、前記気液混合部に液体を供給する液体供給路と、前記気液混合部に気体を供給する気体供給路と、吐出口と、を備え、前記容器本体が圧搾されることにより前記ディップチューブ及び前記液体供給路を介して前記気液混合部に液体が供給されるとともに前記気体供給路を介して前記気液混合部に気体が供給され、前記気液混合部にて生成された泡が前記吐出口を介して吐出されるように構成されたスクイズフォーマー容器であって、
    前記容器本体は、前記気体供給路と連通していて前記気体を貯留する第1室と、前記液体を貯留する第2室と、を備えていて、前記第1室と前記第2室とをそれぞれ圧搾可能であり、
    前記ディップチューブは、前記第1室と前記第2室とに亘って挿通され、
    前記ディップチューブの外周面と前記容器本体の内周面との間の間隙を介して、前記第1室から前記第2室に前記気体が流通可能であり、
    前記第2室から前記第1室への流体の流入を規制する逆止弁を備えるスクイズフォーマー容器。
  2. 前記逆止弁は、前記第2室内において、前記ディップチューブの外周面に設けられている請求項1に記載のスクイズフォーマー容器。
  3. 前記逆止弁は、前記第1室側に向けて拡径する錐状の弁体を有する請求項2に記載のスクイズフォーマー容器。
  4. 前記容器本体における前記第1室と前記第2室との間の部分は、前記第1室及び前記第2室よりも内腔断面積が小さい括れ部となっている請求項1から3のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
  5. 前記容器本体は、底部を有しているとともに、前記底部が水平な載置面に載置された状態で自立可能であり、
    前記容器本体の上端に前記キャップ部が装着され、前記第1室が前記第2室の上側に配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のスクイズフォーマー容器と、
    前記第2室に充填されていて前記液体の少なくとも一部分を構成する液剤と、
    を備えるスクイズフォーマー容器詰め品。
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