[第1実施例]
図1はこの発明の第1実施例の画像形成装置の外観構成を示す図解図である。この図1を参照して、この発明の理解に必要な範囲で画像形成装置についての概略を説明する。図1は、画像形成装置の一例として、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)100を図示する。ただし、この発明は、画像読取装置10(スキャナ機能)または少なくとも画像読取装置10を備える任意の画像形成装置に適用できることを予め指摘しておく。
図1に示すように、複合機100は、画像読取装置10を含み、この画像読取装置10は複合機本体12の上方に配置される。画像読取装置10は、透明材によって形成される原稿載置台(原稿台ガラス)14aおよびSPFガラス14bを備える。原稿載置台14aおよびSPFガラス14bの上方には、ヒンジ16(図6参照)等を介して原稿押さえカバー18が開閉自在に取り付けられる。ヒンジ16は、図1において、画像読取装置10の奥側の端部において、この画像読取装置10に原稿押さえカバー18を開閉可能に連結する。この原稿押さえカバー18には、原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22(SPFガラス14bが設けられる位置)に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF(自動原稿送り装置)24が設けられる。ただし、ADF24は設けられなくてもよい。
原稿載置台14aの前面側(図1では手前側)には、ユーザによる入力操作を受け付けるタッチパネルおよび操作ボタン等の操作部162(図1では省略)が設けられる。原稿載置台14aよりも背面寄りであり、画像読取装置10を正面から見た場合に、左側のヒンジ16の左側には、原稿押さえカバー18の開閉を検出するための開閉センサ164が設けられる(図5および図6も参照)。
また、画像読取装置10には、画像読取部26が設けられ、この画像読取部26は、光源260、複数のミラー262、リフレクタ264、結像レンズ266およびラインセンサ268等を備える。ただし、光源260、複数のミラー262およびリフレクタ264によって走査ユニット270が構成される。
光源260は、LEDまたはハロゲンランプ或いはキセノンランプなどであり、ラインセンサ268の配列方向(主走査方向)に長い棒状に形成され、原稿を照明する。
複数のミラー262は、それぞれ、光源260によって照明される原稿からの反射光像を所定の方向に反射させる。また、リフレクタ264は、光源260から出力(露光)される光を原稿に集光する。
原稿載置台14aに置かれた原稿を読み取る場合には、走査ユニット270は、スキャンモータによって所定の速度で副走査方向に移動される。また、ADF24によって原稿載置トレイ20に載置された原稿を読み取る場合には、走査ユニット270は、SPFガラス14bの下方で停止される。
画像読取部26は、原稿表面を光源260によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラー262によって結像レンズ266に導く。そして、結像レンズ266によって反射光をラインセンサ268の受光素子に結像させる。ラインセンサ268では、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサ268としては、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等の撮像装置が用いられる。ただし、ラインセンサ268は、R用ラインセンサ、G用ラインセンサおよびB用ラインセンサを含む。
複合機本体12の内部には、制御部28および画像形成部30が設けられる。制御部28は、CPU150およびメモリ(154、156、158)等を備え(図2参照)、タッチパネル等の操作部162への入力操作などに応じて、複合機100の各部に制御信号を送信し、複合機100に種々の動作を実行させる。
画像形成部30は、露光ユニット32、現像ローラ34、感光体ドラム36、クリーナユニット38、帯電器40、中間転写ベルトユニット42、転写ローラ(2次転写ローラ)44および定着ユニット46等を備え、給紙カセット48または手差し給紙カセット50から搬送される用紙(記録紙)上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ52に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部26で読み取った画像データや外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
なお、複合機100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、現像ローラ34、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。また、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40は、ユニット化されており、これらによってプロセスユニットが構成される。つまり、画像形成部30には、各々が感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40等を備える4つのプロセスユニット35が設けられている。プロセスユニット35のそれぞれは、複合機100の前面側から個別に着脱できる。
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体であり、帯電器40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位(たとえば、−600V)に帯電させる部材である。たとえば、ローラ型の帯電器(帯電ローラ)40が用いられる。また、露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。現像ローラ34は、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーによって顕像化するものである。また、クリーナユニット38は、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーをクリーニングブレードで除去し、除去したトナーを廃トナーボックスに搬送する。
帯電器40は、感光体ドラム36と同程度の軸方向長さを有し、帯電器40と感光体ドラム36とは、その外周面同士が接触するように互いの軸が平行に配置されて、同じ周速度で回転する。また、クリーニングローラ72は、感光体ドラム36と反対側の位置において、帯電器40の外周面と接触するように配置される。クリーニングローラ72は、円柱状の金属シャフトとその外周面上を覆う弾性発泡体(スポンジ層)とを備え、帯電器40の外周面に付着したトナー等の異物を除去する。
中間転写ベルトユニット42は、中間転写ベルト54、駆動ローラ56、従動ローラ58および4つの中間転写ローラ60等を備え、感光体ドラム36の上方に配置される。中間転写ベルト54は、各感光体ドラム36に接触するように設けられており、中間転写ローラ60を用いて、各感光体ドラム36に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト54に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト54上に多色のトナー像が形成される。また、駆動ローラ56の近傍には、転写ローラ44が配置されており、中間転写ベルト54と転写ローラ44との間のニップ域を用紙が通過することによって、中間転写ベルト54に形成されたトナー像が用紙に転写される。
定着ユニット46は、ヒートローラ62および加圧ローラ64を備え、転写ローラ44の上方に配置される。ヒートローラ62は、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラ62と加圧ローラ64との間のニップ域を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
このような複合機本体12内には、給紙カセット48または手差し給紙カセット50に載置された用紙をレジストローラ68、転写ローラ44および定着ユニット46を経由させて排紙トレイ52に送るための第1用紙搬送路R1が形成される。また、用紙に対して両面印刷を行う際に、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した後の用紙を、転写ローラ44の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路R1に戻すための第2用紙搬送路R2が形成される。この第1用紙搬送路R1および第2用紙搬送路R2には、用紙を搬送する複数の搬送ローラ66が適宜設けられる。
複合機本体12において片面印刷を行う際には、給紙カセット48または手差し給紙カセット50に載置された用紙がピックアップローラ70によって1枚ずつ第1用紙搬送路R1に導かれ、搬送ローラ66によってレジストローラ68まで搬送される。そして、レジストローラ68によって、用紙の先端と中間転写ベルト54上の画像情報の先端とが整合するタイミングで転写ローラ44に搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット46を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着され、搬送ローラ(排紙ローラ)66を経て排紙トレイ52上に用紙が排出される。
一方、両面印刷を行う際には、片面印刷が終了して定着ユニット46を通過した用紙の後端部が排紙トレイ52近傍の排紙ローラ66まで到達したとき、この排紙ローラ66を逆回転させることによって、用紙が逆走して第2用紙搬送路R2に導かれる。第2用紙搬送路R2に導かれた用紙は、搬送ローラ66によって第2用紙搬送路R2を搬送されて、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路R1に導かれる。この時点で用紙の表裏は反転されるので、その後、転写ローラ44および定着ユニット46を用紙が通過することによって、用紙の裏面に印刷が行われる。
図2は、図1に示した複合機100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、複合機100は、CPU150を含み、CPU150は、内部バス152を介して、ROM154、RAM156、HDD158および画像信号処理回路160に接続される。また、制御部28の内部バス152には、画像読取装置10、画像形成部30および操作部162が接続される。
CPU150は、複合機100の全体的な制御を司る。ROM154は、複合機100の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値を記憶する。RAM156は、CPU150のワーキング領域およびバッファ領域として用いられる。HDD158は、複合機100の主記憶装置であり、画像読取部26で読み取った画像データおよび外部コンピュータから送信された画像データ等を保存する。ただし、画像読取部26で読み取られた画像データ(ラインセンサ268の出力に基づく画像データ)は、画像信号処理回路160において所定の処理が施される。
画像信号処理回路160は、ラインセンサ268から出力されるRGBの各色の画像信号を増幅してからA/D(アナログ/デジタル)変換し、アナログ信号からデジタル信号に変換した画像データに対してシェーディング補正を行う。つまり、黒補正用データを用いた黒シェーディング補正が実行されるとともに、白補正用データを用いた白シェーディング補正が実行される。
さらに、画像信号処理回路160は、シェーディング補正した画像データを、RGBからYMCKのデータに色変換し、色諧調を調整するなどの処理(後処理)を施して、CPU150に出力する。CPU150は、画像信号処理回路160から出力された画像データを、HDD158に記憶したり、画像形成部30を制御して、対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷したりする。
画像読取装置10は、開閉センサ164、モータ駆動回路204、点灯制御回路208、第1副走査センサ230、第2副走査センサ232およびラインセンサ268を含む。モータ駆動回路204、点灯制御回路208、第1副走査センサ230、第2副走査センサ232およびラインセンサ268は、内部バス152を介してCPU150に接続される。また、画像読取装置10は、スキャナモータ206および光源260を含み、スキャナモータ206はモータ駆動回路204に接続され、光源260は点灯制御回路208に接続される。
ただし、上記のCPU150は、RAM156をバッファ領域およびワーク領域として使用して、複合機100の全体を制御するため、制御部28のうち、少なくともCPU150およびRAM156は画像読取装置10にも含まれる。
モータ駆動回路204は、CPU150の指示の下、画像読取部26に含まれる走査ユニット270を副走査方向(図1における左右の方向)に移動させるためのスキャナモータ206を駆動する。点灯制御回路208は、CPU150の指示の下、光源260の点灯および消灯を制御する。
第1副走査センサ230は、副走査方向における原稿サイズを検出するためのセンサであり、発光部と受光部とからなる反射型のフォトセンサである。第2副走査センサ232もまた、副走査方向における原稿サイズを検出するためのセンサであり、発光部と受光部とからなる反射型のフォトセンサである。この第1実施例では、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232は、AB系サイズおよびインチ系サイズの原稿サイズを検出する場合に使用される。
図3は画像読取装置10を真上方向から見た概略上面図である。画像読取装置10は、原稿載置台14aに載置された原稿の主走査方向(図3:用紙搬送方向に直交する方向)のサイズをラインセンサ268から出力された画像データによって検出し、原稿の副走査方向(図3:用紙搬送方向に平行な方向)のサイズを第1副走査センサ230または第2副走査センサ232の出力に基づいて検出する。
図3に示すように、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232は、画像読取装置10の画像読取部26を内包する筐体10aの内部底面(原稿載置台14aと対向する面)に設けられる。
なお、原稿サイズを検出する方法については、後で詳細に説明することにする。
ラインセンサ268は、CPU150の指示の下、受光素子に結像された反射光の輝度や色度を検出し、原稿表面の画像に基づく画像データを生成して、画像信号処理回路160に出力する。
画像形成部30は、CPU150からの指示に従って、上記のように、画像データに対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷する。操作部162は、タッチパネルおよび操作ボタン等で構成され、ユーザの操作に従う操作信号(操作データ)をCPU150に与える。
開閉センサ164は、上述したように、原稿押さえカバー18の開閉状態を検出するためのセンサであり、アクチュエータ164aと光学センサ164bによって構成される。ただし、この第1実施例では、開閉センサ164の出力に基づいて、原稿押さえカバー18の閉じ始め(閉じる方向への移動)も検出される。
図4(A)、図4(B)および図4(C)は開閉センサ164の構成を示す概略図である。図4(A)および図4(B)に示すように、アクチュエータ164aは、原稿押さえカバー18の開閉に応じて、上下に移動される。また、図4(C)に示すように、光学センサ164bは、上面視で(アクチュエータ164aの移動方向の上方から見て)Uの字を時計回りに90度回転させた形状に形成され、対向する二つの辺のうち、一方の辺側に発光部1640が設けられ、他方の辺側に受光部1642が設けられる。
原稿押さえカバー18が開かれた状態(開状態)では、図4(A)に示すように、アクチュエータ164aは上方に移動され、したがって、光学センサ164bの発光部1640から出力される光は受光部1642で受光される。この第1実施例では、原稿押さえカバー18が閉じ始めたかどうかを判断するため、開状態における受光部1642の受光量が予め測定されている。
一方、原稿押さえカバー18が閉じられた状態(閉状態)では、図4(B)に示すように、アクチュエータ164aが当該原稿押さえカバー18によって下方に押下げられ、したがって、光学センサ164bの発光部1640から出力される光はアクチュエータ164aで遮られ、受光部1642で受光されない、または、受光量が低減する。
ただし、アクチュエータ164aが移動されることにより、発光部1640から出力される光が受光部1642で受光される受光量が変化する。このため、原稿押さえカバー18が開状態にされた後に、受光量が減少し始めると、原稿押さえカバー18が閉じ始められたことを検出することができる。そして、受光量が所定量以下になると、原稿押さえカバー18が閉状態にされたことが検出される。
図5は原稿押さえカバー18が閉状態における画像読取装置10の概略構成を示す図解図であり。図6は原稿押さえカバー18が開状態における画像読取装置10の概略構成を示す図解図である。
このような複合機100では、たとえば、ユーザは、閉状態から原稿押さえカバー18を開いて、原稿載置台14aに原稿を載置し、開状態から原稿押さえカバー18を閉じて、印刷指示を行う。複合機100では、原稿押さえカバー18が閉じられると、ラインセンサ268の出力値と、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力値とに基づいて、原稿サイズが自動的に検出される。
ただし、ラインセンサ268の出力値は、R用ラインセンサ、G用ラインセンサおよびB用ラインセンサの各々から出力されるR信号、G信号およびB信号である。
たとえば、従来の方法では、原稿押さえカバー18が閉じ始めると、光源260をオンし、閉じ始めてから閉状態になるまでのラインセンサ268の出力に基づいて原稿サイズを決定するが、原稿押さえカバー18が閉状態にならなければ、原稿サイズを決定することができない。したがって、書籍などの厚みのある原稿が原稿載置台14aに載置された場合には、原稿押さえカバー18が閉状態にならないため、エラーになってしまう。
したがって、この第1実施例では、原稿押さえカバー18の閉じ始めであっても、原稿サイズを決定できるようにしてある。
簡単に説明すると、原稿押さえカバー18が開くと、まず、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力に基づいて概略の原稿サイズを検出する。次に、原稿押さえカバー18を閉じ始めたことを検出すると、光源260をオンし、光源260の主走査方向の全走査領域において設定された複数の領域(部分領域ないし分割領域)のそれぞれの光量の変化および光量比率から原稿の有無(原稿領域内外)を判定する。そして、主走査による判定結果と、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の検出結果に基づいて、原稿サイズが決定(検出)される。
ただし、領域の光量は、領域に含まれるすべての画素の各々についての光量の合計値または平均値(または、最大値などの代表値)を意味する。
図7(A)は、AB系サイズの原稿サイズを検出する場合に、光源260の主走査方向の全走査領域において設定される複数の領域を示す図解図である。図7(A)に示すように、AB系サイズの原稿サイズを検出する場合には、6個の領域(領域1、領域2、領域3、領域4、領域5および領域6)が設定される。図7(A)に示すように、領域1〜領域6は、画像読取装置10(複合機100)の奥側から順に設定される。
ただし、図3に示したように、原稿載置台14aを上方から見た場合において、原稿載置台14aの左上の頂点を基準位置として、当該基準位置に原稿の角を合わせるように、原稿が載置されることを前提として、領域1〜領域6は設定される。
領域1は、A5R、B5RおよびA4の原稿サイズを検出するために設定される。領域2は、A5、A5RおよびA4Rの原稿サイズを検出するために設定される。領域3は、B5およびB4の原稿サイズを検出するために設けられる。領域4および領域5は、A4およびA3の原稿サイズを検出するために設けられる。領域6は、AB系サイズの範囲外の原稿サイズ(光量の変化)を検出するために設けられる。
なお、図7(A)に示す例では、第1領域は、主走査方向におけるA5Rの幅よりも短く設定されているが、主走査方向におけるA5Rの幅またはB5Rの幅に設定されてもよい。
また、図7(A)において括弧書きの数値は、各サイズにおける原稿の長さ(単位:mm)を示してある。
さらに、詳細な説明は省略するが、この実施例の画像読取装置10では、8K、16K(中国で採用される用紙サイズ)の用紙についても用紙サイズを判断することができるため、領域4および領域5を設けているが、AB系サイズを判断する場合には、領域4または領域5を省略してもよいし、領域4よび領域5を合わせた1つの領域にしてもよい。
図7(B)はAB系サイズを決定(判断)するための判断テーブルである。判断テーブルにおいて、各サイズに対応して主走査および副走査の欄に記載された数値は、それぞれの方向における用紙の長さ(mm)である。また、判断テーブルにおいて、記号の○は対応する領域に原稿が有ることを判断されたことを示し、記号の×は対応する領域に原稿が無いことを判断されたことを示す。さらに、判断テーブルにおいて、副走査1は第1副走査センサ230の出力(オンまたはオフ)を示し、副走査2は第2副走査センサ232の出力を示す。領域1〜領域6の各々の原稿の有無と、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力に基づいて、原稿サイズが決定される。つまり、領域1〜領域6の各々の原稿の有無に基づいて、主走査方向のサイズ(主走査方向サイズ)が決定され、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力に応じて副走査方向のサイズ(副走査方向サイズ)が決定され、主走査方向サイズと副走査サイズサイズが一致するサイズが原稿サイズに決定される。
たとえば、図7(B)に示す判断テーブルに従えば、領域1〜領域3に原稿が有り、領域4〜領域6に原稿が無く、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力が共にオンである場合には、原稿サイズがB4に決定される。
開閉センサ164の出力に基づいて原稿押さえカバー18を閉じ始めたことが検出されると、光源260を点灯し、所定時間毎に、ラインセンサ268から出力される領域1〜領域6のそれぞれの画像データを検出し、領域1〜領域6のそれぞれにおける色(RGB)毎の光量(輝度の平均値)を算出する。
たとえば、100ms毎に、5回、画像データが検出(サンプリング)される。したがって、領域1〜領域6の各々について、5回分の色毎の光量が取得される。
領域1〜領域6のそれぞれにおいて、色毎に5回分の光量から最大値と最小値を抽出する。そして、光量の最大値に対する最小値の比率(光量比率)を算出する。この第1実施例では、光量比率は色毎に数式1に従って算出される。
[数式1]
光量比率(%)=(最小値)/(最大値)×100
したがって、光量比率が100%に近い程、最大値と最小値の差が小さいこと、すなわち、光量の変化が少ないことを示す。一方、光量比率が0%に近い程、最大値と最大値の差が大きいこと、すなわち、光量の変化が大きいことを示す。なお、光量の変化(変動)率は、100−光量比率で表現することができる。
基本的には、原稿が有る領域(載置されている部分)であれば、光源260からの光が原稿で反射されるため、原稿押さえカバー18が開状態である場合と閉状態である場合とで、光量は変化しないまたはほとんど変化しない。一方、原稿が無い領域(載置されていない部分)であれば、原稿押さえカバー18が開状態から閉状態になるにつれて、光量が増加する方向に変化する。
このため、第1実施例では、このような経験則に基づいて、各領域1〜領域6について原稿が有るかどうかを判断するようにしてある。
上記のように、5回検出した場合に、光量が連続して3回以上増加している場合であり、かつ、光量比率が所定の閾値(たとえば、90%)未満である場合には、光量の変動が大きいため、当該領域には、原稿が無いと判断される。ただし、この実施例では、この判断は、各領域1〜領域6において、色毎に実行され、すべての色について条件を満たす場合に、該当する領域に原稿が無いことが判断される。
なお、光量比率が所定の閾値未満であることは、光量の変動率が所定の閾値(10%)以上であることに相当する。
また、この第1実施例では、光量が連続して3回以上増加していることも条件に含めてあるが、これは確実に原稿が無いことを判断するためであり、この条件は省略されてもよい。
さらに、上記のように、すべての色について条件を満たすようにしているのは、検出した光量にばらつきがあるためである。したがって、すべての色について条件を満たす場合のみならず、いずれか2つ以上の色が条件を満たす場合にも、該当する領域に原稿が無いことが判断されてもよい。つまり、多数決で判断されてもよい。
領域1〜領域6の各々について原稿の有無が判断され、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力(オンまたはオフ)が検出されると、図7(B)に示した判断テーブルに従って原稿サイズが決定(検出)される。
図8は普通紙の原稿の原稿サイズを検出する場合の領域1〜領域6のそれぞれの光量の比率を示すグラフである。図9は或る薄紙の原稿の原稿サイズを検出する場合の領域1〜領域6のそれぞれの光量比率を示すグラフである。図10は黒ベタ(黒く塗りつぶした)上に白抜き文字が印刷された原稿の原稿サイズを検出する場合の領域1〜領域6のそれぞれの光量比率を示すグラフである。
上述したように、基本的には、原稿が載置されている領域においては、光源260からの光が原稿で反射される。たとえば、普通紙に通常の文字または/および図形(写真)などが印刷されている原稿の場合には、図8に示すように、原稿が有る領域1〜領域3においては、光量比率は90%を超えている。したがって、上記のように、所定の第1閾値(初期値)が90%に設定される。
ただし、図9に示すように、薄紙の場合には、原稿が有る領域1であっても、光源260からの光の一部が透過してしまい、光量が連続して増加するとともに、光量の変動が大きくなってしまう。また、図10に示す場合にも、白抜きの部分において、光源260からの光の一部が反射してしまい、光量の増減がばらつくとともに、光量の変動が大きくなってしまう。つまり、図10に示すように、原稿が有る領域2では、光量比率が90%以下になってしまう。
したがって、この第1実施例では、すべての領域1〜領域6の光量比率が初期値の第1閾値以下である場合には、たとえば、薄紙の原稿または黒ベタ上に白抜き文字が印刷された原稿のように、普通紙以外の用紙の種類の原稿または印字の仕方が特殊である原稿の原稿サイズを決定するために、第1閾値を変更するようにしてある。
具体的には、色毎に光量比率の最大値と最小値を抽出し、抽出した光量比率の最大値と最小値とから数式2に従って色毎の第1閾値を算出し、変更した第1閾値を用いて、各領域1〜領域6に原稿が有るかどうかを判断する。
したがって、領域1〜領域6の各々について原稿の有無を正しく判断することができる。ただし、数式2において、[clr]は色を示し、[blk1]〜[blk6]は領域1〜領域6を示す。
[数式2]
第1閾値[clr]=Max(光量比率[blk1][clr],光量比率[blk2][clr],光量比率[blk3][clr],光量比率[blk4][clr] ,光量比率[blk5][clr],光量比率[blk6][clr])×0.7+Min(光量比率[blk1][clr],光量比率[blk2][clr],光量比率[blk3][clr],光量比率[blk4][clr],光量比率[blk5][clr] ,光量比率[blk6][clr])×0.3
なお、係数の0.7および0.3は一例であり、たとえば、使用する光源260に応じて変更されることがある。
ただし、すべての領域1〜領域6の光量比率が第1閾値よりも小さい第2閾値(たとえば、20(%))以下である場合には、原稿は載置されていないため、原稿を載置すべきことを報知するようにしてある。つまり、原稿の有無を判断して、原稿が無い場合には、原稿サイズは決定されない。
図11は図2に示したRAM156のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図11に示すように、RAM156は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。プログラム記憶領域302には、複合機100を制御するための制御プログラムが記憶され、制御プログラムは、操作検出プログラム302a、画像読取プログラム302b、画像形成プログラム302c、開閉検出プログラム302d、サイズ検出プログラム302eおよび閾値算出プログラム302fなどを含む。
操作検出プログラム302aは、ユーザによって操作された操作部162からの操作入力を検出するためのプログラムである。たとえば、操作入力は、コピーボタンなどの各種の操作ボタン(ハードウェアのボタン)を操作したことに応じて入力される操作データおよびタッチパネルを操作(タッチ)したことに応じて入力されるタッチ座標データである。
画像読取プログラム302bは、画像読取部26を制御して、原稿台に載置された原稿またはADF24から給紙された原稿を読み取り、読み取った画像データにシェーディング補正などの様々な画像処理を施して、原稿表面の画像に基づく画像データを生成するためのプログラムである。画像形成プログラム302cは、画像形成部30の動作を制御して、画像データに対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷するためのプログラムである。
開閉検出プログラム302dは、原稿押さえカバー18の開閉状態を検出するためのプログラムである。具体的には、上述したように、開閉センサ164の出力を検出し、原稿押さえカバー18が開状態であるか、閉じ始めたか、または、閉状態であるかどうかを判断(検出)する。
サイズ検出プログラム302eは、原稿載置台14aに載置された原稿の原稿サイズを検出するためのプログラム。閾値算出プログラム302fは、色毎に光量比率の最大値および最小値を抽出し、各色についての第1閾値を算出するためのプログラムである。
図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、複合機100の機能を実行するための他のプログラムも記憶される。
データ記憶領域304には、操作データバッファ304aおよび画像データバッファ304bが設けられる。また、データ記憶領域304には、第1閾値データ304c、第2閾値データ304d、副走査データ304e、光量データ304f、光量比率データ304gおよびサイズデータ304hが記憶される。
操作データバッファ304aは、操作部162からの操作入力を一時記憶するためのバッファである。画像データバッファ304bは、画像読取部26で読み取った画像データおよび外部コンピュータから送信された画像データ等を一時記憶するためのバッファである。
第1閾値データ304cは、領域1〜領域6に原稿が有るかどうかを判断するための第1閾値についての数値データである。ただし、第1閾値は色毎に設けられ、複合機100の主電源がオンされると、初期値(たとえば、各色とも90%)の第1閾値が設定され、その後、閾値算出プログラム302fに従って再計算された場合に更新される。
第2閾値データ304dは、領域1〜領域6に原稿が無いことを判断するための第2閾値についての数値データである。ただし、第2閾値は、すべての色について同じであり、また、固定値である。
副走査データ304eは、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232のそれぞれの出力を検出した検出結果(オンまたはオフ)を示すデータである。
光量データ304fは、スキャンを実行した回数と領域1〜領域6について検出された色毎の光量についての数値データである。光量比率データ304gは、領域1〜領域6について色毎に算出された光量比率についての数値データである。サイズデータ304hは、検出(決定)された原稿サイズの情報を示すデータである。
図示は省略するが、データ記憶領域304には、制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)およびフラグが設けられたりする。
図12および図13は図2に示すCPU150のサイズ決定処理の一例を示すフロー図である。複合機100の主電源がオンされたり、スタンバイ状態(省電力モード)から復帰されたりすると、図12に示すように、CPU150は、サイズ決定処理を開始し、ステップS1で、原稿押さえカバー18は開状態であるかどうかを判断する。ここでは、CPU150は、開閉センサ164の出力を検出し、光学センサ164bの発光部1640から出力される光がアクチュエータ164aで遮られずに受光部1642で受光されているかどうかを判断する。
ステップS1で“NO”であれば、つまり原稿押さえカバー18が閉状態である場合には、ステップS1に戻る。一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり原稿押さえカバー18が開状態である場合には、ステップS3で、原稿サイズ検出用の領域および閾値を設定する。この第1実施例では、領域1〜領域6が設定されるとともに、閾値データに対応する閾値が設定される。
次のステップS5では、原稿押さえカバー18の閉じ始めであるかどうかを判断する。ここでは、CPU150は、開閉センサ164の出力を検出し、開状態における受光量から低減し始めているかどうかを判断する。
ステップS5で“NO”であれば、つまり、原稿押さえカバー18が開状態であれば、同じステップS5に戻る。一方、ステップS5で“YES”であれば、つまり、原稿押さえカバー18の閉じ始めであれば、ステップS7で、第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の検出結果(オンまたはオフ)を取得する。ここでは、CPU150は、検出結果を示す副走査データ304eをRAM156のデータ記憶領域304に記憶する。
次のステップS9では、光源260をオンし、ステップS11で、変数Mに初期値を設定する(M=1)。変数Mはスキャンを実行する回数をカウントするために設けられる。
続いて、ステップS13で、ラインセンサ268の出力を検出し、ステップS15で、M回目の各領域(第1実施例では、領域1〜領域6)の光量を色毎に記憶する。つまり、M回目についての光量データ304fがRAM156に記憶(追加)される。
次のステップS17では、変数Mが1加算される(M=M+1)。そして、ステップS19で、変数Mが所定回数(第1実施例では、5回)を超えたかどうかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり、変数Mが所定回数以下であれば、ステップS13に戻る。一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり、変数Mが所定回数を超えていれば、図13に示すステップS21に進む。
なお、この第1実施例では、ステップS13〜S19のスキャンタイムが所定時間(500msec)に設定されている。
図13に示すように、ステップS21では、領域1〜領域6の各々において、色毎に光量比率を数式1に従って算出する。ここでは、各領域について算出した色毎の光量比率に対応する光量比率データ304gがRAM156のデータ記憶領域304に記憶される。
次のステップS23では、すべての領域1〜領域6の光量比率が第1閾値以下であるかどうかを判断する。ステップS23で“NO”であれば、つまり、領域1〜領域6のいずれか1つの領域でも光量比率が第1閾値データ304cに対応する第1閾値を超えている場合には、ステップS33に進む。
一方、ステップS23で“YES”であれば、つまり、すべての領域1〜領域6の光量比率が第1閾値以下であれば、ステップS25で、すべての領域1〜領域6の光量比率が第2閾値データ304dに対応する第2閾値以下であるかどうかを判断する。
ステップS25で“YES”であれば、つまり、すべての領域1〜領域6の光量比率が第2閾値以下であれば、原稿が原稿載置台14aに載置されていないと判断し、ステップS27で、原稿を載置するべきことを報知して、サイズ決定処理を終了する。たとえば、ステップS27では、原稿を載置するべきことのメッセージを表示したり、そのことを示す音を出力したり、その両方を実行したりする。
一方、ステップS25で“NO”であれば、つまり、領域1〜領域6のいずれか1つの領域でも光量比率が第2閾値を超えている場合には、ステップS29で、すべての領域1〜領域6において、色毎に光量比率の最大値と最小値を抽出する。そして、ステップS31で、数式2に従って、色毎に第1閾値を算出し、算出した第1閾値に対応する第1閾値データ304cをRAM156のデータ記憶領域304に記憶(変更)する。
続いて、ステップS33では、領域1〜領域6の各々について原稿の有無を判断する。上述したように、各色について、光量が3回以上連続して増加しているかどうかを判断するとともに、各色について、光量比率が第1閾値以下であるかどうかを判断する。これらの条件を満たす領域については、原稿が無いことが判断される。一方、これらの条件を満たさない領域については、原稿が有ることが判断される。
次のステップS35では、原稿サイズを決定して、サイズ決定処理を終了する。このステップS35では、副走査データ304eが示す第1副走査センサ230および第2副走査センサ232の出力と、領域1〜領域6のそれぞれにおける原稿の有無から、図7(B)に示した判断テーブルに従って該当する原稿サイズが決定される。原稿サイズが決定されると、決定された原稿サイズの情報についてのサイズデータ304hがデータ記憶領域304に記憶され、その後の印刷処理等で使用される。
第1実施例によれば、原稿押さえカバー18が閉じ始められると、光源260を点灯して、主走査方向において設定した各領域1〜領域6における光量の変化と、所定のサンプリング数における光量の最大値に対する最小値の比で表される光量比率とに基づいて各領域1〜領域6における原稿の有無を検出した結果と、2つの副走査センサ230、232の出力を検出した結果とに基づいて原稿サイズを検出するので、原稿押さえカバー18を閉状態にしなくても、原稿サイズを検出することができる。したがって、書籍などの比較的厚みのある原稿についても原稿サイズを検出することができる。
また、この第1実施例によれば、領域1〜領域6の光量(画像データ)のサンプリング数は少なく、サンプリングする時間間隔も短いので、ユーザが原稿押さえカバー18を速く閉じる場合であっても、原稿サイズを検出することができる。
[第2実施例]
第2実施例の画像読取装置10は、インチ系サイズの原稿サイズを決定する以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する、または、簡単に説明する。
図14(A)はインチ系サイズの原稿サイズを決定する場合に、主走査方向の全読取領域に対して設定される分割された領域を示す図解図である。図14(B)に示すように、インチ系サイズの原稿サイズを決定する場合には、主走査方向において、4つの領域1、領域2、領域3および領域4が設定される。AB系サイズの原稿サイズを決定する場合と同様に、インチ系サイズの原稿サイズを決定するための複数の領域(分割領域)が主走査方向の全走査領域に設定される。
なお、図14(A)において括弧書きの数値は、各サイズにおける原稿の長さ(単位:mm)を示してある。
図14(B)はインチ系サイズの原稿サイズを判断(決定)するための判断テーブルの一例を示す図解図である。この判断テーブルにおいても、第1実施例と同様に、記号の○は対応する領域に原稿が有ることを判断されたことを示し、記号の×は対応する領域に原稿が無いことを判断されたことを示す。また、判断テーブルにおいて、副走査1は第1副走査センサ230の出力(オンまたはオフ)を示し、副走査2は第2副走査センサ232の出力を示す。
第2実施例においても、主走査方向における全走査領域に設定される分割領域および判断テーブルが異なる以外は、図12および図13に示したフロー図に従って原稿サイズの決定処理が実行される。
第2実施例によれば、第1実施例と同様に、原稿押さえカバー18を閉状態にしなくても、原稿サイズを検出することができる。また、ユーザが原稿押さえカバー18を速く閉じる場合であっても、原稿サイズを検出することができる。
[第3実施例]
第3実施例の画像読取装置10は、原稿無しの検出処理を実行し、原稿無しが検出されなかった場合にのみ、閾値の算出処理および原稿サイズの決定処理等を実行するようにした以外は、第1実施例と同じであるため、重複した説明は省略する。
第3実施例では、第1実施例で説明したように、原稿押さえカバー18が閉じ始められると、画像データのスキャン(サンプリング)が開始される。所定回数スキャンが実行されると、まず、一部の色(第3実施例では、色G)についての領域1〜領域6のそれぞれについての光量比率および光量変動率が算出される。そして、この一部の色Gについての光量比率および光量変動率を用いて原稿が原稿載置台14aに載置されていないことを判断する。
原稿が原稿載置台14aに載置されていないことが判断されない場合には、他の色(色Rおよび色B)について、領域1〜領域6のそれぞれについて光量比率が数式1に従って算出され、第1実施例と同様に、原稿サイズが決定される。
一方、原稿が原稿載置台14aに載置されていないことが判断された場合には、他の色についての光量比率の算出(S21b)、第1閾値の算出(S29、S31)および原稿サイズの決定(S33、S35)は行われない。この場合、原稿が原稿載置台14aに載置されていないことが報知される。
ここで、この第3実施例において、原稿が原稿載置台14aに載置されていないことを判断する方法について説明する。
原稿載置台14aでは、上述したように、原稿載置台14aを上方から見た場合の左上の頂点を基準位置として、当該基準位置に原稿の角を合わせるように、原稿が載置される。このため、原稿が原稿載置台14aに載置された状態では、通常、領域1および領域2においては、光量比率は大きい。これに対して、領域6においては、光量比率は小さい。また、原稿押さえカバー18は、原稿載置台14aの奥側においてヒンジ等で連結され、開状態であっても、原稿載置台14aに対して60度程度しか開いていないため、原稿載置台14aの奥側については原稿押さえカバー18によって覆われている。したがって、原稿が原稿載置台14aに載置されていない場合には、領域1および領域2の光量比率は領域6の光量比率よりも小さいことがある。
したがって、原稿が原稿載置台14aに載置されていないことを判断する1つの条件として、領域1および領域2における光量比率が領域6の光量比率よりも小さいことが挙げられる。
また、原稿が原稿載置台14aに載置されていない場合には、光量比率が小さくなるため、別の条件として、領域1および領域2の光量比率が第3閾値以下であることが挙げられる。たとえば、実験等を行うことにより、第3閾値は20%に設定される。
条件1または条件2を満たす場合に、原稿が原稿載置台14aに載置されていないことが判断される。第1条件および第2条件を満たさない場合には、原稿が原稿載置台14aに載置されていることが判断され、第1実施例で説明した手法で、原稿サイズが決定される。
したがって、第3実施例では、第3閾値に対応する数値データがデータ記憶領域304にさらに記憶される。
以下、第3実施例におけるCPU150の原稿サイズの決定処理について説明するが、図12および図13に示した決定処理の一部が異なるだけであるため、異なる内容について説明する。
図12および図13に示した決定処理のうち、ステップS1〜S19およびS29〜S35は同じである。したがって、ステップS19で“YES”であれば、図15に示すように、ステップS21aで、領域1〜領域6のそれぞれについて、色Gの光量比率を数式1に従って算出する。
次のステップS51では、領域1および領域2の光量比率が領域6の光量比率よりも小さいかどうかを判断する。ステップS51で“YES”であれば、つまり、領域1および領域2の光量比率が領域6の光量比率よりも小さい場合には、原稿が原稿載置台14aに載置されていないと判断して、ステップS27に進む。
一方、ステップS51で“NO”であれば、つまり、領域1および領域2の光量比率が領域6の光量比率以上であれば、ステップS53で、領域1および領域2の光量比率が第3閾値以下であるかどうかを判断する。
ステップS53で“YES”であれば、つまり、領域1および領域2の光量比率が第3閾値以下である場合には、原稿が原稿載置台14aに載置されていないと判断して、ステップS27に進む。
一方、ステップS53で“NO”であれば、つまり、領域1および領域2の光量比率が第3閾値を超えている場合には、原稿が原稿載置台14aに載置されていると判断して、ステップS21bで、領域1〜領域6のそれぞれについて、他の色(色Rと色B)の光量比率を数式1に従って算出して、ステップS23に進む。
ステップS23では、各色について、すべての領域1〜領域6の各々の光量比率が第1閾値以下であるかどうかを判断する。ステップS23で“YES”であれば、ステップS29に進む。一方、ステップS23で“NO”であれば、ステップS33に進む。
第3実施例によれば、閾値の算出および原稿サイズの決定等を行う前に、原稿が原稿載置台14aに載置されていないかどうかを判断するため、原稿が載置されていない場合には、閾値の算出および原稿サイズの決定を行う必要がない。つまり、無駄な処理を減らすことができる。
なお、第3実施例の変形は第2実施例にも採用することができる。
また、第3実施例では、条件1または条件2を満たすかどうかを判断する場合には、色Gの光量比率(光量変動率)のみを用いるようにしたが、色Rまたは/および色Bの光量比率も用いるようにしてもよい。
さらに、上述の各実施例で挙げた画面および具体的な数値等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、同じ効果が得られる場合には、フロー図に示した各ステップの順番は適宜変更されてもよい。さらに、閾値を用いた比較処理においては、閾値を含まいで、大小関係を判断するようにしてもよい。