以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るラベル付物品10の斜視図であり、図1(b)は、他の実施形態に係るラベル付物品110の斜視図である。図1(a)に示すように、ラベル付物品10は、容器1と、容器1に装着されたラベル2とを備える。容器1は、本体15と、蓋16とを含み、本体15は、底部31、胴部32、肩部33、首部34及び口部35を有する。底部31は、容器1の載置面からなる。また、胴部32は、本体15において、Z方向(ラベル付物品10の高さ方向)上方に行くにしたがって、底部31の周縁から拡径する側面部分で構成される。肩部33は、本体15において、Z方向上方に行くにしたがって胴部32のZ方向の上端の周縁から縮径する側面部分で構成される。首部34は、本体15において、肩部33のZ方向上端からZ方向上方に延在する部分からなり、口部35は蓋16に外側から覆われることによって、本体15の内部室に充填される内容物を密閉するための部分である。蓋16は、ヒンジ付きキャップで構成される。蓋16の上面の周縁の1箇所には、外側に突出する突起36が設けられる。また、蓋16の上面の周縁において突起36が設けられる箇所に蓋16の中心を介して対向する箇所の周辺には、蓋16と本体15とを接続するヒンジ(図示せず)が設けられる。ユーザが突起36を掴んで蓋16のヒンジ周辺の部分を起点として突起36を起立させると、口部35が外部に露出する。なお、蓋16は、ヒンジ付きキャップ以外の構成を有してもよい。例えば、本体部の口部の外周面に、雄ねじを設け、この雄ねじを、蓋の内周面に設けた雌ねじに螺合させる構成(例えば、スクリューキャップ等)でもよい。なお、図1(a)及び図1(b)の実施形態では、容器1と、容器1の内部室に密閉された内容物とが、物品を構成する。但し、内容物が充填される前の容器単独(又は容器の本体単独)で、物品としてもよく、ラベル付物品が、内容物が充填される前の容器(又は容器の本体)と、当該容器(又は当該容器の本体)に装着されたラベルとで構成されてもよい。
本体15は、例えば、ペットボトルやガラス瓶や金属缶等で構成されるが、それ以外の如何なる容器で構成されてもよい。図1(a)の例では、胴部32と肩部33とが、その表面に凸部や凹部(リブやパネル等)が形成されておらず平滑であり、本体15における曲面部を構成する。ラベル2は、ラベル2の略全体に着色されたメタリックの領域が存在する。図1(a)では、ラベル2の着色されたメタリックの領域が、前記曲面部(胴部32及び肩部33の凹凸のない平滑な表面)に対応するように、ラベル2が熱収縮されて容器1に装着される。ここで、ラベル2の着色されたメタリックの領域は、後で、図2を持用いて説明する着色印刷層及びアルミ印刷層が積層された領域である。ラベル2の着色されたメタリック領域については、後で図2を用いてより詳しく説明する。このように装着されることによって、ラベル付物品10の曲面部に対応する領域が、美観に優れたものとなる。
本体15の内部室に充填される内容物は、特に限定されないが、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、洗剤、粉石けん等の生活用各種ケア製品、調味料、スポーツドリンク、お茶、乳飲料、ゼリー、流動食等の飲食品、医薬品、医薬部外品等で構成される。内容部は、液体に限らず、粘性物や粉状物であってもよい。
ラベル2は、本体15において胴部32の下端から肩部33の上端までの高さに存在する箇所の少なくとも一部を覆うことが好ましい。図1(a)に示す例では、ラベル2は底部31の周縁、胴部32の全体、肩部33の全体を覆っている。ラベル2は、熱収縮性を有するフィルムを含み、最も収縮する主収縮方向(横方向)が筒の周方向となるように筒状に形成される。熱が加えられていない収縮前の筒状のラベル2を、本体15の被覆箇所に隙間がある状態で配置し、その後、熱を加えることによって、容器の本体15の表面に追従させて装着する。図1(a)に示す例では、収縮後のラベル2は、本体15の表面(胴部32及び肩部33の表面)に対して隙間無く配設されている。ラベル2の材質や層構成については、図2以下で詳細に説明する。
ラベル2は、例えば、熱収縮前の帯状のラベルの横方向の一端部と他端部とを重ねるように配置した上、当該一端部と他端部とが、接着剤による接着や有機溶剤による溶着等で接合されることによって、熱収縮前の筒状のラベル2が構成される。接合された一端部及び他端部は、重なり部18を構成する。熱収縮前の筒状のラベル2に物品が内挿され、その後、ラベル2及び物品に熱が加えられることによって、ラベル2が物品に装着される。接着剤としては、例えば、ウレタン系、エポキシ系などの二液硬化型接着剤、酢酸ビニルなどのビニル系、ニトリルゴムなどの合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系などの溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤又は感熱接着剤などを好適に採用できる。また、有機溶剤は、テトラヒドロフタン、シクロヘキサンなどを好適に採用できる。
図1(b)は、別の例におけるラベル付物品110の斜視図である。なお、図1(b)で示す例でも、例えば、熱収縮前の帯状のラベルの横方向の一端部と他端部とを重ねるように配置した上、当該一端部と他端部とが、接着剤による接着や有機溶剤による溶着等で接合されることによって、熱収縮前の筒状のラベル102が構成される。図1(b)で示す例では、接合された一端部及び他端部で構成される重なり部は、視認できない裏側に配置されている。ラベル付物品110は、容器101と、容器101に装着されたラベル102とを備える。容器101は、本体115と、蓋116とを含み、本体115は、底部131、胴部132、肩部133、首部134及び口部135を有する。底部131は、容器101の載置面からなる。また、胴部132は、本体115において、底部131の周縁からZ方向(ラベル付物品110の高さ方向)上方に行くにしたがって径が変わらない円筒状の側面部分で構成される。
肩部133は、本体115において、Z方向上方に行くにしたがって胴部132のZ方向の上端の周縁から縮径する側面部分で構成される。肩部133は、互いに異なる複数の平面120で構成され、各平面120の周縁は、3以上の直線140で画定される略多角形の形状を有する。各2つの隣接する平面120において、一方の平面120の周縁の一部を構成する1つの直線140は、他方の平面120の周縁の一部も構成する。肩部133は、複数の直線140が1つに交差する頂部160を有する。複数の平面120において、隣接する平面120の法線方向は、互いに異なる。
首部134は、本体115において、肩部133よりもZ方向上側に位置し、口部135は、首部134よりもZ方向上側に位置する。Z方向上方に延在する口部135が蓋116によって外側から覆われることによって、本体115の内部室に充填される内容物が密閉される。蓋116は、回転楕円体状の装飾部118と、装飾部118の下部からZ方向下方に延在する略円柱形状の軸部(図示せず)を有する。この軸部が口部135の円筒内周面に挿入されることによって、当該内部室が外部から密閉される。図1(b)に示す容器101は、図1(a)に示す容器1との比較において、肩部133が複数の略多角形の形状を有する平面120で構成される点が大きく異なる。
図1(a)に示す場合と同様、図1(b)に示す場合でも、ラベル102は、胴部132及び肩部133の表面に追従するように装着される。ラベル102の一部には、着色されたメタリックの領域が存在する。上述のように、肩部133は、複数の略多角形状の平面120で構成される。隣接配置された2つの平面120の夫々で、一方の平面120の周縁の一部を構成する1の直線140は、他方の平面120の周縁の一部も構成する。肩部133に、ラベル102における着色されたメタリックの領域が対応するように、ラベル102が熱収縮されて容器101に装着される。このように装着される場合、ラベル付物品110の肩部133に対応する部分が、美観に優れたものとなる。なお、図1では、物品が、内容物が充填された容器1,101である場合について説明したが、物品は、それ以外の内容物充填容器、花、箱詰め菓子(缶詰)、おもちゃ等であってもよく、それら以外の如何なる品物であってもよい。また、上述のように、物品は内容物が充填される前の容器(又は容器の本体)であってもよい。
図2は、ラベル2の厚さ方向を含む模式断面図であり、ラベル2の層構成を表す模式断面図である。なお、図2において、矢印Aは、フィルム21における厚さ方向の一方側を指し、ラベル2において物品側に位置するラベル2の裏側を指す。ラベル2は、熱収縮性を有する無色透明のフィルム21と、着色印刷層22と、蒸着アルミニウム顔料を含むアルミ印刷層23と、を有する。着色印刷層22は、フィルム21の厚さ方向の一方側(ラベル2の裏側)にある一方側面50に設けられると共に、互いに間隔をおいて一方側面50の面上に広がった複数の着色されたドット部80で構成される。アルミ印刷層23は、着色印刷層22が形成されている着色印刷形成部51と、一方側面50における複数の着色されたドット部80の間の部分であって、ドット部80が形成されない非ドット部81とで構成される着色部60に、着色印刷形成部51と非ドット部81とに跨って設けられる。ラベル2において着色されたメタリックの領域は、着色印刷形成部51と、非ドット部81とで構成される着色部60上にアルミ印刷層23が積層されている領域である。
熱収縮性を有する透明のフィルム21は、印刷層の担体(支持体)となり、ラベルの強度、剛性や収縮特性を担う役割を担う。フィルム21を形成する樹脂の種類は、要求物性、用途、コストなどに応じて、適宜選択することが可能であり、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。さらに、同種又は異種の樹脂を積層して積層フィルムとして用いてもよい。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂が好ましい。即ち、上記シュリンクフィルムは、ポリエステル系樹脂を主成分とするポリエステル系フィルム、ポリスチレン系樹脂を主成分とするポリスチレン系フィルム、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系樹脂を主成分とする層を外層とし、ポリオレフィン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を主成分とする層を内層とした異種積層フィルムが好ましい。上記の中でも、透明性の観点から、少なくともポリエステル系樹脂を主成分とする表面層(表面層のみのフィルムを含む)を有するフィルムが好ましく、特にポリエステル系フィルムが好ましい。上記のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂としては、例えば、特開2008−170822号公報、特開2008−170697号公報、特開2008−163215号公報、特開2008−163231号公報に記載のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などを用いることができる。フィルム21は、無色透明であると好ましいが、有色透明であってもよい。
フィルム21は、少なくとも一方向に熱収縮性を有し、横方向に主に熱収縮性を有するものが好ましい。フィルム21は、シュリンク特性を発揮する観点から、1軸、2軸または多軸に配向したフィルムであることが好ましい。フィルム21が積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましい。全てのフィルム層が無配向の場合には、十分なシュリンク特性を発揮できない場合がある。フィルム21としては、特に1軸または2軸配向フィルムが用いられることが多く、中でも、1軸方向に強く配向しているフィルム(実質的に1軸延伸されたフィルム)が一般的に用いられる。フィルム21は、横方向に1軸延伸されていると好ましいが、縦方向に1軸延伸されていてもよい。フィルム21は、溶融製膜または溶液製膜などの慣用の方法によって作製することができる。
フィルム21の横方向の収縮率は、90℃の熱水に10秒浸漬する条件において、例えば30〜90%が好ましく、より好ましくは40〜85%、特に好ましくは45〜80%である。フィルム21の縦方向(フィルム21の横方向と直交する方向)の収縮率(90℃の熱水に10秒浸漬)は、特に限定されないが、−3〜15%が好ましく、−1〜10%がより好ましい。ここで、フィルムの収縮率(又は、ラベルの収縮率)は、((フィルム又はラベルの収縮前の長さ−フィルム又はラベルの収縮後の長さ)/フィルム又はラベルの収縮前の長さ)×100で算出される値である。
また、フィルム21は、透明性に優れたものが好ましく、フィルム21のヘイズ値[JIS K 7136準拠、厚み40μm換算、単位:%]は、10%未満が好ましく、より好ましくは5%未満である。フィルム21は、無色であることが好ましいが、透明性を損なわない範囲で着色されていてもよい。なお、フィルム21の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10μm〜100μm、より好ましくは15μm〜80μm、特に好ましくは20μm〜60μmである。
フィルム21は、市販品を用いることも可能である。例えば、東洋紡績(株)製「SV−808」、三菱樹脂(株)製「LX−10S」、「LX−18S」、「LX−61S」(以上、ポリエステル系フィルム);シーアイ化成(株)製「ボンセット」、グンゼ(株)製「GMLS」(以上、ポリスチレン系フィルム);グンゼ(株)製「FL」(ポリオレフィン系フィルム);三菱樹脂(株)製「エコロージュ」(ポリ乳酸系フィルム);三菱樹脂(株)製「DL」、グンゼ(株)製「HGS」(以上、表層がポリエステル系樹脂、中心層がポリスチレン系樹脂の積層フィルム)等が挙げられる。
着色印刷層22は、フィルム21の一方側面50(図2参照)にグラビア印刷、フレキソ印刷等の周知乃至慣用の印刷法によって設けられる。着色印刷層22は、特に、グラビア印刷法で形成されることが好ましい。グラビア印刷で使用されるシリンダは、例えば、所定の厚さの銅めっきが施され、その表面にたくさんのセル(小さな凹型のくぼみ)を設ける加工が施される。グラビア印刷では、写真製版法における腐食や、彫刻法(電子彫刻法)における先端にダイヤモンドを付けた機械での切削や、レーザー法におけるレーザー光を用いた感光等が前記加工に使用される。グラビア印刷のシリンダの上に形成されたイメージは、たくさんのセルから構成される。セルに印刷インキが入り、紙、フィルムなどの素材に転写される。グラビア印刷には、インキを保持するセルの深さで印刷濃度を再現するコンベンショナル法、このセルの深さと大小とを併用して印刷濃度(階調)を再現する網グラビア法及び電子彫刻法がある。フィルム21の裏面に転写するインクの量が、セルの深さや大きさによって、コントロールされ、色の明るさの濃淡(階調)が、セルの深さによって所望の濃淡に調整される。
着色印刷層22は、着色剤が混合されたインキ組成物からなる印刷インキを、フィルム21の一方側面50に塗布した後、溶剤、希釈剤等の揮発成分を乾燥除去して、固化することによって形成される。着色剤としては、例えば、アゾレーキ系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、ベンズイミダゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、キノフタロン系、アニリンブラック系、ジケトピロロピロール系、ニグロシン系等の顔料や染料を挙げることができる。
また、インキ組成物は、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、繊維素系樹脂等のバインダ樹脂(バインダ樹脂の1種ないし2種以上の混合物)を含む。インキ組成物としては、当該バインダ樹脂に充填剤、安定剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の光安定剤、分散剤、増粘剤、乾燥剤、滑剤、帯電防止剤、架橋剤等の添加剤を任意に添加し、溶剤、希釈剤等で充分に混練してなる各種の形態からなる組成物を好適に使用できる。着色印刷層22には、バインダ樹脂及び着色剤の成分を含み、必要に応じて添加剤の成分が含まれる。
アルミ印刷層23は、着色部60にグラビア印刷、フレキソ印刷等の周知乃至慣用の印刷法で印刷を実行することによって設けられる。アルミ印刷層23も、着色印刷層22と同様にグラビア印刷法で形成されることが好ましい。アルミ印刷層23は、具体的には、例えば、溶剤や希釈剤と、蒸着アルミニウム顔料、バインダ樹脂を含むインキを塗布した後、溶剤や希釈剤等の揮発成分を乾燥除去して、固化することによって形成される。アルミ印刷層23は、蒸着アルミニウム顔料を層全体に対して10〜30重量%含むことが好ましい。アルミ印刷層23は、例えば、ウレタン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1つの樹脂20〜70重量%、可塑剤20〜35重量%および蒸着法により製造された蒸着アルミニウム顔料10〜28重量%を含む。アルミ印刷層23は、例えば、ウレタン系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1つの樹脂(バインダ樹脂)、可塑剤および蒸着アルミニウム顔料を必須の成分として含有する。アルミ印刷層23は、バインダ樹脂、可塑剤及び蒸着アルミニウム顔料に加えて、セルロース系樹脂を含有してもよい。また、アルミ印刷層23は、蒸着アルミニウム顔料以外の顔料を含有してもよく、更に添加剤を含有してもよい。
蒸着アルミニウム顔料(蒸着法により製造されたアルミニウム顔料)は、蒸着法により製造されたアルミニウムフレークである。上記蒸着法とは、適宜な支持基材(フィルムなど)上に金属(本発明ではアルミニウム)を蒸着して蒸着金属(アルミニウム)膜を作製した後、これを剥離、粉砕、必要に応じて、分級してフレーク状とする蒸着金属膜細片(蒸着アルミニウムフレーク)の製造方法である(例えば、特開2002−20668号公報参照)。上記の蒸着法によれば、従来のボールミルによる粉砕(「ボールミル法」又は「湿式ボールミル法」と称する場合がある)などにより製造する場合と比べ、板状で厚みのより薄いアルミニウムフレークを得ることができる。このため、印刷層中において、顔料であるアルミニウムフレークがシュリンクラベルの表面と平行方向に配向しやすく配向性が向上し、入射光を正反射しやすくなる。このため、印刷層の鏡面光沢度及び透過濃度が向上し、優れたメタリックの光沢を示す。
図3は、フィルムの一方側面50(図2参照)に、着色印刷層22と、アルミ印刷層23とが形成されたラベル2を、フィルム21の厚さ方向の他方側から拡大して見たときの模式図である。ラベル2では、複数の着色されたドット部80が、フィルム21の一方側面50の面上に互いに間隔をおいて規則正しくマトリクス状に配設される。着色印刷層22は、これらの複数の着色されたドット部80で構成される。非ドット部81は、フィルム21の一方側面50において、複数のドット部80の間の部分であって、ドット部80が形成されない部分で構成される。
再度図2を参照して、ドット部80(着色印刷形成部51)では、フィルム21と、アルミ印刷層23とは、着色印刷層22を介して積層され、非ドット部81では、フィルム21とアルミ印刷層23とが直接積層される。このように、非ドット部81において、フィルム21とアルミ印刷層23とが着色印刷層22を介さずに直接積層されることによって、熱収縮後において着色されたメタリックの輝度がより高く、より優れたラベル付物品10,110(図1参照)が得られる。着色印刷層22及びアルミ印刷層23は、フィルム21の一方側面50の全体に設けられてもよく、部分的に設けられてもよい。
以下、本発明に係る実施例について図4及び図5を用いて詳細に説明する。図4は、ラベルを、彫刻版を用いたグラビア印刷で作製した場合における、ドット部の測長結果、着色印刷部の面積割合、外観目視試験の結果を表す図であり、図5は、ラベルを、レーザー腐食版を用いたグラビア印刷で作製した場合における、ドット部の測長結果、着色印刷部の面積割合、外観目視試験の結果を表す図である。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。
<ラベル及び評価用ラベルの作成>
(第1実施例)
第1実施例に係る評価用ラベルを、次の方法により作製した。先ず、熱収縮性を有する透明のフィルムとして、長尺状で熱収縮性を有するフィルム(LX18S;三菱樹脂製、厚さ30μm)を採用した。そして、この長尺状で熱収縮性を有するフィルムの厚さ方向の一方側面に、線数70線、角度0、階調20%の彫刻版を用いてグラビア印刷により着色インキを塗布し、乾燥させて着色印刷層を形成した。着色インキとしては、ファインラップVA紅(DICグラフィックス社製)を使用した。続けて、着色印刷層が設けられた熱収縮を有するフィルムの厚さ方向の一方側に着色印刷層が形成された領域と重なるように、線数70線、角度2、階調100%の彫刻版を用いてグラビア印刷により蒸着アルミニウム顔料を含むインキを塗布、乾燥させてアルミ印刷層を形成した。蒸着アルミニウム顔料を含むインキとしては、ファインラップDH17シルバー(DICグラフィックス社製)を使用した。その後、所定領域をカットしてラベルを得た。前記ラベルを、90℃程度の温水を使用して収縮させ又は収縮させず、評価用ラベルを得た。評価用ラベルは、収縮させないものと、30%収縮させたものと、50%収縮させたものを作製した。図4及び図5において、収縮率0%とは、ラベルを熱で収縮させていない状態を示す。
着色印刷層が上述の印刷版を用いてグラビア印刷で設けられるので、ラベルでは、複数の着色されたドット部が、フィルムの一方側面の面上に広がる(図3参照)。また、アルミ印刷層は上述の印刷版を用いてグラビア印刷で設けられるので、複数の着色されたドット部と、その間の非ドット部とに跨って着色部全体に形成される。それぞれの評価用ラベルにおいて、ドット部の大きさ及びドット部の間隔の測長し、その結果を図4及び図5に記載(第1実施例の評価用ラベルの測長結果(収縮率0%、30%、50%)は図4に記載)する。図4及び図5において、測長結果のA平均とは、複数のドット部における1つのドット部の縦長さ(縦方向の長さ)を複数測定した結果の算術平均を示し、複数のドット部において図3にAで示す距離を測定した後に算術平均した値である。また、測長結果のB平均とは、複数のドット部における1つのドット部の横長さ(横方向の長さ)を複数測定した結果の算術平均を示し、複数のドット部において図3にBで示す距離を測長した後に算術平均した値である。ここで、横方向は、熱収縮性を有するラベルにおいて、熱で最も収縮する主収縮方向に一致する。また、上記縦方向は、ラベルにおいて当該横方向に直交する方向に一致する。また、図4及び図5において、測長結果のC平均とは、複数のドット部に存在する全ての横方向に隣り合う2つのドット部の組に関して測長された値であり、横方向に隣り合う2つのドット部の横方向の間隔を複数測定した結果の算術平均を示す。測長結果のC平均は、図3にCで示す隣り合う2つのドット部の横方向の間隔を複数測定した結果の算術平均を示す。また、測長結果のD平均とは、複数のドット部に存在する全ての縦方向に隣り合う2つのドット部の組に関して測長された値であり、縦方向に隣り合う2つのドット部の縦方向の間隔を複数測定した結果の算術平均を示す。測長結果のD平均は、図3にDで示す隣り合う2つのドット部の縦方向の間隔を複数測定した結果の算術平均を示す。
A平均、B平均、C平均及びD平均の測長は、評価用ラベルを、レーザー顕微鏡で400倍に拡大した上で、評価用ラベルを他方側から観察することによって実行される。測長は、任意の10点を測定してその平均値を算出することによって行った。以下、係る観察の概要を第2実施例(後で記載)の場合を例に説明する。図6は、第2実施例の評価用ラベル(階調40%で収縮率0%のラベル;図4参照)を、レーザー顕微鏡で400倍に拡大したときの写真画像を表す図である。また、図7は、第2実施例の評価用ラベル(階調40%で収縮率50%のラベル;図4参照)を、レーザー顕微鏡で400倍に拡大したときの写真画像を表す図である。図6及び図7に示すように、収縮率0%及び50%の評価用ラベルの両方で、複数のドット部80が、互いに離間された状態でマトリクス状に均等に配列されているのがわかる。図6の収縮率0%の評価ラベルのドット部80が、円形に近い形状になっているのに対し、図7の収縮率50%の評価ラベルのドット部80は、楕円に近い形状になっている。この略楕円形状のドット部80の短軸に対応するのが、横方向(フィルムが最も収縮する方向)であり、図6及び図7にXで示す方向である。また、当該略楕円形状のドット部の長軸に対応するのが、縦方向であり、横方向に直交する方向である。縦方向は、図6及び図7にYで示す方向に対応する。A平均、B平均、C平均及びD平均は、評価用ラベルを、レーザー顕微鏡で400倍に拡大することで測長できる。
また、図4及び図5において、着色印刷形成部の面積割合(%)は、次に示す割合である。すなわち、複数のドット部で構成される着色印刷層の厚さ方向の一方側に位置する部分を、着色印刷形成部(図2の参照番号51の部位)とする。また、フィルムの厚さ方向の一方側の一方側面における複数のドッド部の間の部分であって、ドット部が形成されない部分を、非ドット部(図2及び図3の参照番号81の部位)とする。そして、着色印刷形成部と、非ドット部とは、着色部(図2の参照番号60の部位)を構成するものとする。このとき、着色印刷形成部の面積割合(%)は、着色部の面積に対する着色印刷形成部の面積の割合を表し、着色印刷形成部の面積と非ドット部の面積とを合算した面積に対する着色印刷形成部の面積の割合を示す。着色印刷形成部の面積割合(%)も、上述のように、評価ラベルをレーザー顕微鏡で400倍に拡大したときの画像に基づいて算出される。第1実施例では、それぞれの評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)ごとに、A平均、B平均、C平均及びD平均が、図4に示すように測長され、着色印刷形成部の面積割合(%)は、図4に示すように求められた。
(第2実施例、第3実施例)
図4に示すように、第2実施例は、第1実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版の階調を20%から40%に変更(第1実施例の彫刻版に替えて、線数70線、角度0、階調40%の彫刻版を使用)した点以外は第1実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。また、第3実施例は、第1実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版の階調を20%から50%に変更した点以外は第1実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。第2および第3実施例では、それぞれの評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)ごとに、A平均、B平均、C平均及びD平均が、図4に示すように測長され、着色印刷形成部の面積割合(%)が、図4に示すように求められた。
(第1比較例、第2比較例)
図4に示すように、第1比較例は、第1実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版の階調を20%から10%に変更(第1実施例の彫刻版に替えて、線数70線、角度0、階調10%の彫刻版を使用)した点以外は第1実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。また、第2比較例は、第1実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版の階調を20%から60%に変更した点以外は第1実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。第1および第2比較例では、それぞれの評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)ごとに、A平均、B平均、C平均及びD平均が、図4に示すように測長され、着色印刷形成部の面積割合(%)が、図4に示すように求められた。
(第4実施例)
第4実施例に係る評価用ラベルは、次の方法により作製した。先ず、熱収縮性を有する透明のフィルムとして、長尺状で熱収縮性を有するフィルム(LX18S;三菱樹脂製、厚さ30μm)を採用した。そして、この長尺状で熱収縮性を有するフィルムの厚さ方向の一方側面に、グラビア印刷により着色インキを塗布し、乾燥させて着色印刷層を形成した。グラビア印刷の印刷版としては、第1実施例とは異なり、レーザー腐食版を使用した。当該レーザー腐食版は、セル(辺の長さ)を35μmとし、ドテ(セル間の間隔)を45μmとし、深度(セルの深さ)を28μmとした。着色インキとしては、ファインラップVA紅(DICグラフィックス社製)を使用した。続けて、着色印刷層が設けられた熱収縮を有するフィルムの厚さ方向の一方側に着色印刷層が形成された領域と重なるように、線数70線、角度2、階調100%の彫刻版を用いてグラビア印刷により蒸着アルミニウム顔料を含むインキを塗布、乾燥させてアルミ印刷層を形成した。蒸着アルミニウム顔料を含むインキとしては、ファインラップDH17シルバー(DICグラフィックス社製)を使用した。その後、所定領域をカットしてラベルを得た。前記ラベルを、90℃程度の温水を使用して収縮させ又は収縮させず、評価用ラベルを得た。評価用ラベルは、収縮させないものと、30%収縮させたものと、50%収縮させたものを作製した。第4実施例でも、レーザー顕微鏡を用いた第1実施例と同一の方法で、上述のA平均、B平均、C平均及びD平均を測長し、着色印刷形成部の面積割合(%)を求めた。第4実施例では、A平均、B平均、C平均及びD平均が、図5に示すように測長され、着色印刷形成部の面積割合(%)が、図5に示すように求められた。
(第5実施例)
図5に示すように、第5実施例は、第4実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版を、セル100μm、ドテ140μm、深度28μmのレーザー腐食版に変更した点以外は第4実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。第4実施例では、それぞれの評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)ごとに、A平均、B平均、C平均及びD平均が、図5に示すように測長され、着色印刷形成部の面積割合(%)が、図5に示すように求められた。
(第3比較例、第4比較例)
図5に示すように、第3比較例は、第4実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版を、セル75μm、ドテ300μm、深度28μmのレーザ腐食版に変更した点以外は第4実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。また、第4比較例は、第4実施例との比較で、着色印刷層を形成するグラビア印刷版を、セル75μm、ドテ200μm、深度28μmのレーザー腐食版に変更した点以外は第4実施例と同じ条件でラベル及び評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)を作製した。第3及び第4比較例では、それぞれの評価用ラベル(収縮率0%、30%、50%)ごとに、A平均、B平均、C平均及びD平均が、図5に示すように測長され、着色印刷形成部の面積割合(%)が、図5に示すように求められた。
<ラベルの評価>
評価ラベルを厚さ方向の他方側から目視で観察して次の二点の項目について実施した。
(1)光沢性の評価
各評価ラベルにおいて着色されたメタリックの光沢感(輝度感)を目視により評価した。光沢に優れるものを○、光沢にやや劣るものの、使用可能なものを△、光沢が劣り、使用不可能なものを×として評価した。
(2)着色性の評価
各評価ラベルにおいて目視にて着色性に優れるものを○、やや着色されたものを△、着色されていないものを×とした。
<ラベル評価の結果>
第2、第4、第5実施例では、評価用ラベルはいずれも、光沢感及び着色性が良好になり、評価用ラベルの外観が特に優れたものになった。また、第1実施例では、評価用ラベルはいずれも、着色性がやや劣るものの、評価用ラベルの外観が優れていた。また、第3実施例では、評価用ラベルはいずれも、光沢感がやや劣るものの、評価用ラベルの外観が優れていた。
他方、第1、第3、第4比較例では、評価用ラベルはいずれも適切に着色されていなかった。また、第2比較例では、評価用ラベルの光沢感がいずれも劣り、評価用ラベルの外観が劣った。
以上の結果から次の事実が見出される。すなわち、第1〜第5実施例では、ラベルを収縮させた状態において、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最小は、第4実施例の59μmとなっており、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最大は、第5実施例の155μmとなった。よって、誤差も考慮すると、ラベルを収縮させた状態において、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)が、40μm以上で180μm以下である場合、ラベルは、着色されたメタリックの輝度が高くなり易い。また、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)が、50μm以上で170μm以下である場合、ラベルは、着色されたメタリックの輝度が更に高くなり易くて好ましい。
また、第1〜第5実施例では、ラベルを収縮させた状態において、着色印刷形成部の面積割合の最小は、第1実施例の28%となっており、着色印刷形成部の面積割合の最大は、第3実施例の58%となっている。よって、誤差も考慮すると、ラベルを収縮させた状態において、着色印刷形成部の面積割合が、20%以上で65%以下である場合、ラベルは、着色されたメタリックの輝度が高くなり易く、25%以上で60%以下である場合には、着色されたメタリックの輝度が更に高くなり易くて好ましい。
更には、特に優れる第2,4及び5実施例に限ると、ラベルを収縮させた状態において、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最小は、第4実施例の59μmとなっており、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最大は、第5実施例の155μmとなっている。また、ラベルを収縮させた状態において、着色印刷形成部の面積割合の最小は、第4実施例の31%となっており、着色印刷形成部の面積割合の最大は、第2実施例の47%となっている。よって、ラベルを収縮させた状態において、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)が、55μm以上で160μm以下の場合、着色されたメタリックの輝度を高くでき、更に好ましい。また、着色印刷形成部の面積割合が、30%以上で50%以下の場合、着色されたメタリックの輝度を高くでき、更に好ましい。
また、次の条件を満たせば、着色されたメタリックの美観を更に優れたものにできる。すなわち、第1〜第5実施例では、ラベル2を収縮させた状態において、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)の最小は、第4実施例の34μmとなっており、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)の最大は、第5実施例の108μmとなっている。よって、誤差も考慮すると、ラベル2を収縮させた状態において、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)が、30μm以上で180μm以下である場合、ラベルの着色されたメタリックの輝度が高くなり易く、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)が、30μm以上120μm以下である場合、着色されたメタリックの輝度が更に高くなり易い。
更には、第1〜第5実施例では、ラベル2を収縮させた状態において、C平均の長さの最小は、第4実施例の26μmとなっており、C平均の長さの最大は、第5実施例の127μmとなっている。また、第1〜第5実施例では、ラベル2を収縮させた状態において、D平均の長さの最小は、第4実施例の39μmとなっており、D平均の長さの最大は、第5実施例の159μmとなっている。よって、ラベル2を収縮させた状態において、C平均の長さが、25μm以上で130μm以下である場合や、D平均の長さが、35μm以上で160μm以下である場合、ラベルの着色されたメタリックの輝度が更に高くなり易くてより好ましい。
他方、ラベルを収縮させる前の状態では、第1〜第5実施例では、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最小は、第4実施例の71μmとなっており、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最大は、第5実施例の169μmとなっている。よって、誤差も考慮すると、ラベル2を収縮させる前の状態において、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)が、40μm以上で180μm以下である場合、ラベルの着色されたメタリックの輝度が高くなり易く、50μm以上で170μm以下であると、ラベルの着色されたメタリックの輝度がより高くなり易くて、好ましい。
また、第1〜第5実施例では、ラベル2を収縮させる前の状態において、着色印刷形成部の面積割合の最小は、第1実施例の28%となっており、着色印刷形成部の面積割合の最大は、第3実施例の61%となっている。よって、誤差も考慮すると、ラベル2を収縮させる前の状態において、着色印刷形成部の面積割合が、10%以上で65%以下である場合、ラベルの着色されたメタリックの輝度が高くなり易く、25%以上で65%以下であると、ラベルの着色されたメタリックの輝度がより高くなり易くて、好ましい。また、第1〜第5実施例では、ラベル2を収縮させる前の状態において、第1〜第5実施例では、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)の最小は、第4実施例の61μmとなっており、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)の最大は、第5実施例の155μmとなっている。よって、誤差も考慮すると、ラベル2を収縮させる前の状態において、B平均の長さ(横方向の長さの平均の長さ)が、30μm以上で180μm以下である場合、ラベルの着色されたメタリックの輝度が高くなり易くて好ましい。
更には、特に優れる第2,4及び5実施例に限ると、ラベルを収縮させる前の状態において、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最小は、第4実施例の71μmとなっており、A平均の長さ(縦方向の長さの平均の長さ)の最大は、第2実施例の169μmとなっている。また、ラベルを収縮させる前の状態において、着色印刷形成部の面積割合の最小は、第5実施例の34%となっており、着色印刷形成部の面積割合の最大は、第4実施例の50%となっている。よって、ラベルを収縮させる前の状態において、着色印刷形成部の面積割合が、30%以上で50%以下であると、ラベルの着色されたメタリックの輝度が更に高くなり易くて、好ましい。また、収縮前におけるA平均の範囲を、60〜170μmとすると、ラベルの着色されたメタリックの輝度が更に高くなり易くて、好ましい。
更には、図4に示すように、着色印刷層についてグラビア印刷の印刷版として彫刻版を用いた場合、階調を20%以上50%以下とすると、ラベルの着色されたメタリックの輝度が高くなり易い。なお、ラベルの着色されたメタリックの輝度は、階調の値によらず製品として用いることができる輝度にすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、着色印刷層22が形成されない非ドット部81において、アルミ印刷層23の蒸着アルミニウム顔料が配列を乱されることがなく整然と並ぶことができるため、収縮後においても、ラベル2,102のメタリックの輝度を高くすることが可能になる。
また、蒸着アルミニウム顔料を含むインキに着色剤を添加する必要がないため、デザインが変わる度に蒸着アルミニウム顔料を含むインキを調色することがなく、生産上も好ましい。
また、蒸着アルミニウム顔料を含むと共に着色剤を含むインキを用いたラベルとは異なり、印刷時の色別れ現象が発生することもないため、常に安定した商品を製造することができる。
更には、アルミ印刷層23を物品側に配置した状態でラベル2,102を物品に熱収縮させて装着すれば、物品とラベル2,102を含むラベル付物品10,110において、熱収縮後においてもラベル2,102を着色されたメタリックの輝度が高いものにできる。この場合において、ラベル2,102は、物品の表面に密着しなくてもよいが、ラベル2,102が物品の表面に密着すると好ましい。