JP6782360B2 - 高周波電源装置及びそれを用いたプラズマ処理装置 - Google Patents

高周波電源装置及びそれを用いたプラズマ処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマ処理装置に用いられる高周波電源装置に係り、特に、装置を小型化すると共に、安定した整合動作を行って電力効率を向上させることができる高周波電源装置及びそれを用いたプラズマ処理装置に関する。
[先行技術の説明:図8]
プラズマ処理装置やレーザ処理装置は、高周波電源からの電力供給を受けてプラズマやレーザを発生し、発生したプラズマやレーザ等を利用して表面処理や加工を行う産業用機器として利用されている。
従来のプラズマ処理装置について図8を用いて説明する。図8は、従来のプラズマ処理装置の構成を示す概略構成図である。
図8に示すように、プラズマ処理装置は、プラズマ反応炉90と、従来の高周波電源装置として、高周波電源91,94と、整合器92,95と、アンテナ93,96と、ヒータ97とを備えている。
高周波電源91,94と、整合器92,95は、制御線を介して上位装置98に接続されている。また、図示は省略するが、ヒータ97も上位装置98に接続されている。
尚、図8において、太い実線は、高周波電力の供給線を示しており、細い実線は、制御線を示している。
プラズマ反応炉90は、供給されるガスに高周波電圧を印加して、発生したプラズマによりウェハの処理を行う。
高周波電源91,94は、発振回路で発生した高周波を増幅して高周波電力を出力する高周波電源ソースである。従来の高周波電源91,94では、発振回路の周波数は予め設定された固定値であり、動作中に変更されることはない。
アンテナ93,96は、負荷装置であるプラズマ反応炉90に高周波電力を供給する。
図8に示すプラズマ処理装置は、プラズマ反応炉90が、高周波電源91、整合器92、アンテナ93を備えた第1の系統と、高周波電源94、整合器95、アンテナ96を備えた第2の系統から高周波電力の供給を受けるようになっている。
整合器92は、高周波電源91の出力インピーダンスと、負荷側(アンテナ93及びプラズマ反応炉90)の入力インピーダンスとを合わせるインピーダンス整合回路である。
同様に、整合器95は、高周波電源94の出力インピーダンスと、負荷側(アンテナ96及びプラズマ反応炉90)の入力インピーダンスとを合わせるインピーダンス整合回路である。
整合回路を備えない場合、負荷装置からの反射波が発生し、出力した電力の一部しか負荷装置に供給することができず、電力効率が低下する。反射波を抑えるためには、高周波電源ソースと負荷装置との間に整合回路が必要となる。
整合器92,95は、可変容量コンデンサとコイルで構成される整合回路を備え、可変容量コンデンサの容量を調整することでインピーダンス整合を行う。
特に、従来の高周波電源装置の整合器92,95では、可変容量コンデンサとして、直列接続の複数の可変容量コンデンサと、並列接続の複数の可変容量コンデンサとを備え、両方を用いてインピーダンス調整を行っていた。
可変容量コンデンサは素子の外形形状が大きいため、可変容量コンデンサの数が多くなると、整合器全体の構成も大きくなってしまい、装置コストが増大する。
ここで、プラズマ反応炉90への電力供給について説明する。ここでは、第1の系統である高周波電源91からの電力供給について説明するが、第2の系統についても同様である。
高周波電源91から出力される高周波電力は、高周波同軸ケーブルを介して整合器92に入力され、整合器92内の整合回路によってインピーダンス調整されて、アンテナ93を介してプラズマ反応炉90に出力される。
プラズマ反応炉90は、上位装置98からヒータ97を制御することにより温度管理され、また、ガス流量や圧力が制御されている。
プラズマ反応炉90内で生成するプラズマの分布は、アンテナの数や形状、配置によって制御することができ、ウェアへのダメージを抑えてプラズマ分布の均一性を確保するために、複数のアンテナを配置することが有効な手段となっている。
尚、ここでは、1つの整合器92,95に対して1つのアンテナ93,96のみが設けられているが、1つの整合器から複数のアンテナに高周波電力を分配して、プラズマ反応炉90に出力する構成もある。
高周波電源91,94は、上位装置98からの制御で動作し、互いに独立して動作可能である。
上位装置98は、高周波電源91,94に対して、出力のオン/オフの指示や、高周波出力電力の設定、周波数設定を行い、整合器92,95の可変容量コンデンサの容量値設定等のプリセット(初期値設定)等を行う。
[従来の高周波電源装置における自動整合機能]
従来の高周波電源装置では、電力効率の低下を防ぐため、上位装置98からの制御により、反射波を抑える自動整合機能を備えている。自動整合機能について簡単に説明する。
第1の系統において、高周波電源91は、上位装置98から出力ONの指示が入力されると、高周波電力の出力を開始すると共に、高周波出力電力の進行波と反射波とを検出する。
高周波電源91は、検出された進行波と反射波のレベルと位相などから反射係数を算出し、反射波のレベルが小さくなるように、整合器92の可変容量コンデンサの容量値を制御する。
第2の系統においても、高周波電源94は、検出された進行波と反射波のレベルと位相などから反射係数を算出し、反射波のレベルが小さくなるように、整合器95の可変容量コンデンサの容量値を制御する。
ここで、上位装置98は、第1の系統と第2の系統を、それぞれ独立に制御するようになっている。その理由は、第1の系統と第2の系統のインピーダンスは、系を構成する構成物に含まれる誤差やバラつきなどにより、必ずしも一致しないためであり、独立に制御することで反射の少ない整合状態をつくりあげることが可能となる。
このようにして、従来の高周波電源装置における自動整合機能が実現されるものである。
[関連技術]
尚、高周波電源装置の従来技術としては、特開2013−197080号公報「高周波電源装置」(株式会社日立国際電気、特許文献1)、特許第6055537号公報「プラズマ処理方法」(東京エレクトロン株式会社他、特許文献2)がある。
特許文献1には、進行波電力に反射波電力分の電力を加算することで負荷の実効電力を目標値に制御することが記載されている。
特許文献2には、高周波のパワーをパルスに変調するパワー変調方式において、負荷インピーダンスを安定して測定し、安定した整合動作を行うことが記載されている。
特開2013−197080号公報 特許第6055537号公報
しかしながら、従来の高周波電源装置では、インピーダンス調整を行う整合器における可変容量コンデンサの数が多く、装置全体の構成が大きくなり、装置コストが増大してしまうという問題点があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、可変容量コンデンサの数を削減し、装置を小型化してコストを低減すると共に、安定した整合動作を行って電力効率を向上させることができる高周波電源装置を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部とを有し、整合演算部は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、バンド幅が特定の周波数差の2倍であるバンドパスフィルタを備え、バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数を、設定された発振周波数とする高周波電源装置としている。
また、本発明は、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部とを有し、整合演算部は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、カットオフ周波数より低い帯域を通過させるローパスフィルタを備え、カットオフ周波数を、設定された発振周波数に特定の周波数差を加えた周波数とする高周波電源装置としている。
また、本発明は、上記高周波電源装置において、整合演算部は、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、発振周波数の演算を繰り返し、当該演算を特定回数行ったら、強制的に特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して発振回路に設定する高周波電源装置としている。
また、本発明は、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部と、複数の高周波電源に接続する上位装置とを有し、上位装置は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、バンド幅が特定の周波数差の2倍であるバンドパスフィルタを備え、バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数を、設定された発振周波数とする高周波電源装置としている。
また、本発明は、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と前記発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部と、複数の高周波電源に接続する上位装置とを有し、上位装置は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、カットオフ周波数より低い帯域を通過させるローパスフィルタを備え、カットオフ周波数を、設定された発振周波数に特定の周波数差を加えた周波数とする高周波電源装置としている。
また、本発明は、上記高周波電源装置において、上位装置は、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、整合演算部での発振周波数の演算を繰り返し行わせ、当該演算が特定回数行われたら、強制的に特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して発振回路に設定する高周波電源装置としている。
また、本発明は、上記高周波電源装置において、整合器に、複数のアンテナが接続されている。
また、本発明は、プラズマ処理装置において、上記いずれかの高周波電源装置を用いている。
発明によれば、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部とを有し、整合演算部は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、バンド幅が前記特定の周波数差の2倍であるバンドパスフィルタを備え、バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数を、設定された発振周波数とする高周波電源装置としているので、整合器における可変容量コンデンサの数を低減しても、発振周波数の調整により十分なインピーダンス整合を行うことができ、装置を小型化してコストの低減を図ると共に、他の高周波電源からの高周波電力に起因する干渉波成分を、バンドパスフィルタの通過帯域外として除去することができ、正確な進行波レベル及び反射波レベルを求めて精度の高い整合演算を行って、整合動作を安定させ、電力効率を一層向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部とを有し、整合演算部は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、カットオフ周波数より低い帯域を通過させるローパスフィルタを備え、カットオフ周波数を、設定された発振周波数に特定の周波数差を加えた周波数とする高周波電源装置としているので、整合器における可変容量コンデンサの数を低減しても、発振周波数の調整により十分なインピーダンス整合を行うことができ、装置を小型化してコストの低減を図ると共に、他の高周波電源からの高周波電力に起因する干渉波成分を、ローパスフィルタの通過帯域外として除去することができ、正確な進行波レベル及び反射波レベルを求めて精度の高い整合演算を行って、整合動作を安定させ、電力効率を一層向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、整合演算部は、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、発振周波数の演算を繰り返し、当該演算を特定回数行ったら、強制的に特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して発振回路に設定する。上記高周波電源装置としているので、確実に干渉波成分を除去できる発振周波数を設定することができる効果がある。
また、本発明によれば、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部と、複数の高周波電源に接続する上位装置とを有し、上位装置は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、バンド幅が特定の周波数差の2倍であるバンドパスフィルタを備え、バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数を、設定された発振周波数とする高周波電源装置としているので、整合器における可変容量コンデンサの数を低減しても、発振周波数の調整により十分なインピーダンス整合を行うことができ、装置を小型化してコストの低減を図ると共に、他の高周波電源からの高周波電力に起因する干渉波成分を、バンドパスフィルタの通過帯域外として除去することができ、正確な進行波レベル及び反射波レベルを求めて精度の高い整合演算を行って、整合動作を安定させ、電力効率を一層向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、高周波を供給する高周波電源装置であって、周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、アンテナに接続し、高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、反射係数に基づいて、反射波レベルが小さくなるよう整合器での制御値と前記発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部と、複数の高周波電源に接続する上位装置とを有し、上位装置は、発振周波数の候補値に基づいて、発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、演算回路は、カットオフ周波数より低い帯域を通過させるローパスフィルタを備え、カットオフ周波数を、設定された発振周波数に特定の周波数差を加えた周波数とする高周波電源装置としているので、整合器における可変容量コンデンサの数を低減しても、発振周波数の調整により十分なインピーダンス整合を行うことができ、装置を小型化してコストの低減を図ると共に、他の高周波電源からの高周波電力に起因する干渉波成分を、ローパスフィルタの通過帯域外として除去することができ、正確な進行波レベル及び反射波レベルを求めて精度の高い整合演算を行って、整合動作を安定させ、電力効率を一層向上させることができる効果がある。
また、本発明によれば、上位装置は、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、整合演算部での発振周波数の演算を繰り返し行わせ、当該演算が特定回数行われたら、強制的に特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して発振回路に設定する上記高周波電源装置としているので、確実に干渉波成分を除去できる発振周波数を設定することができる効果がある。
また、本発明によれば、整合器に、複数のアンテナが接続された上記高周波電源装置としているので、プラズマ分布の特性を調整できる効果がある。
また、本発明によれば、上記いずれかの高周波電源装置を用いたプラズマ処理装置としているので、装置全体の小型化及び低コスト化を図ると共に、安定した整合動作を行って、電力効率を向上させ、良好なプラズマ処理を行うことができる効果がある。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成図である。 第1の高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。 反射波の検出回路において干渉波が観測された場合の例を示す説明図である。 第2のプラズマ処理装置の概略構成図である。 第2の高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。 演算回路16の概略構成図である。 高周波電源10の整合演算部17における処理を示すフローチャートである。 従来のプラズマ処理装置の構成を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の第1の実施の形態に係る高周波電源装置(第1の高周波電源装置)は、複数の高周波電源と整合器とを備え、整合器の可変容量コンデンサを並列接続のみとして、可変容量コンデンサの素子数を削減すると共に、高周波電源における発振回路の発振周波数を可変として、整合器だけでなく発振周波数の調整によってもインピーダンス調整を行うようにしており、整合器を大幅に小型化し、コストを低減すると共に、安定した整合動作により電力効率を向上させることができるものである。
本発明の第2の実施の形態に係る高周波電源装置(第2の高周波電源装置)は、複数の高周波電源と整合器とを備え、高周波電源において、発振回路が、設定された発振周波数の高周波を発生し、演算回路が、特定の帯域幅を通過させるバンドパスフィルタもしくはローパスフィルタを通過した進行波と反射波の検出信号から反射波レベルと反射係数とを算出し、整合演算回路が、反射波レベルが小さくなるよう、整合器での容量値と発振周波数の候補値を算出すると共に、当該候補値に基づいて、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保するよう発振周波数を決定するものであり、複数の高周波電源における発振周波数がバンドパスフィルタの通過帯域幅の1/2の周波数差以上離れるように制御することにより、反射波に混在する干渉波成分をバンドパスフィルタで除去して、正確な反射波レベルを算出でき、精度の高い整合を実現して、電力効率を向上させることができるものである。
また、本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置は、本高周波電源装置を備えており、装置全体を小型化できると共に、出力整合が安定化してプラズマ分布等の特性が良好となり、安定したプラズマ処理を行うことができるものである。
[第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成:図1]
本発明の実施の形態に係るプラズマ処理装置(第1のプラズマ処理装置)の構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の概略構成図である。
図1に示すように、第1のプラズマ処理装置は、プラズマ反応炉60と、第1の高周波電源装置とを備えており、第1の高周波電源装置は、高周波電源61,64と、整合器62,65と、アンテナ63,66と、ヒータ67とを備えている。プラズマ反応炉60、アンテナ63,66、ヒータ67は従来と同様の構成及び動作となっている。
高周波電源61,64と、整合器62,65は、制御線を介して上位装置68に接続されている。また、従来と同様に、ヒータ67も上位装置68に接続されている。
そして、第1の高周波電源装置では、整合器62,65と、高周波電源61,64の構成及び動作が従来とは異なっている。
整合器62,65は、可変容量コンデンサの数を削減して、直列接続のものをなくし、並列接続のもののみを備えている。
また、高周波電源61,64は、後述するように発振回路における発振周波数を可変としている。
つまり、第1の高周波電源装置は、整合器62,65における可変容量コンデンサの数を削減して、装置の小型化及び低コスト化を図ると共に、高周波電源61,64において発振周波数を調整して、十分なインピーダンス整合を行うことができるようにしている。
更に、図1に示すように、第1の高周波電源装置では、高周波電源61と整合器62、高周波電源64と整合器65とが制御線で接続されており、動作制御、異常監視などの機能を有する。
尚、第1の高周波電源装置では、高周波電源61と整合器62を備える第1の系統と、高周波電源64と整合器65を備える第2の系統がそれぞれ独立して自動整合の処理を行う。
[第1の実施の形態に係る高周波電源装置:図2]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る高周波電源装置(第1の高周波電源装置)について図2を用いて説明する。図2は、第1の高周波電源装置の高周波電源と整合器の構成を示す構成ブロック図である。
ここでは、第1の系統の高周波電源61と整合器62について説明するが、第2の系統の高周波電源64と整合器65も同じ構成及び動作である。
図2に示すように、高周波電源61は、発振回路71と、励振増幅回路72と、主増幅回路73と、検出回路74と、A/D変換回路75と、演算回路76と、整合演算部77と、周波数設定回路78とを備えている。
また、整合器62は、整合回路81と、容量設定回路82とを備えている。
高周波電源61の各部について説明する。
発振回路71は、DDS(Direct Digital Synthesizer)等で構成され、設定された周波数の高周波信号を生成する。
励振増幅回路72及び主増幅器73は、発振回路71からの高周波信号を所定の出力レベルに増幅する。図2の例では、励振増幅器72及び主増幅器73はそれぞれ1つずつ設けられているが、複数備えてもよく、途中で分配器や合成器を用いることも可能である。
検出回路74は、方向性結合器等で構成され、進行波と反射波を検出して、それぞれのモニタ信号を出力する。
A/D変換回路75は、アナログ信号であるモニタ信号をデジタル信号に変換する。
演算回路76は、入力された信号から進行波のレベルと反射波のレベルを算出する演算を行い、進行波と反射波のレベルと位相から反射係数を求める。
整合演算部77は、反射係数に基づいて、反射レベルが小さくなるよう、整合回路81の可変容量コンデンサの容量値を決定すると共に、第1の高周波電源装置の特徴として、反射レベルが小さくなるよう、発振回路71の周波数値を決定する。
周波数設定回路78は、整合演算部77から入力された周波数値を発振周波数として発振回路71に設定する(図ではDDS設定値等と記載)。
整合器62の整合回路81は、可変容量コンデンサと、コイルとを備えており、入力された高周波信号のインピーダンス調整を行ってアンテナ63に出力する。尚、可変容量コンデンサとしては、並列接続の可変容量コンデンサのみを設け、直列接続の可変容量コンデンサを設けないようにして、従来に比べて素子数を削減している。
容量設定回路82は、高周波電源61の整合演算部77から、決定した容量値が入力されると、整合回路81の可変容量コンデンサに容量値を設定する。
尚、図2の構成では、検出回路74から整合演算部77までのフィードバック系が高周波電源61のみに設けられて、整合演算部77において発振周波数と可変容量コンデンサの容量値の両方を算出する構成としているが、同様の回路構成が整合器62のみに設けられてもよいし、高周波電源61と整合器62の両方に設けられ、高周波電源61では周波数の算出を行い、整合器62では容量値の算出のみを行う構成としても構わない。
また、ここでは、整合器62,65にアンテナが1つずつ設けられた構成を示したが、複数のアンテナを備えるようにしても構わない。
[第1の高周波電源装置の動作:図2]
次に、第1の高周波電源装置の動作について図2を用いて説明する。
高周波電源61において、発振回路71で生成された高周波信号は、励振増幅回路72及び主増幅回路73で所定のレベルまで増幅されて、検出回路74を介して整合器62に出力される。
整合器62に入力された高周波信号は、整合回路81でインピーダンス調整が為されて、アンテナ63を介してプラズマ反応炉60に出力される。
一方、高周波電源61の検出回路74では、進行波と反射波が検出され、そのモニタ信号がA/D変換回路75に入力されてデジタル信号に変換され、演算回路76において進行波と反射波のレベル及び反射係数が算出され、整合演算部77に出力される。
そして、整合演算部77において、反射レベルが小さくなるよう、発振回路71の周波数値と、整合回路81の可変容量コンデンサの容量値とが決定され、それぞれ周波数設定回路78と、容量設定回路82に出力される。
尚、周波数値及び容量値は、予め実験的に求められており、入力される反射レベル及び反射係数に対応して、整合演算部77に記憶されている。
周波数設定回路78に入力された周波数値は、発振回路71に設定されて、発振回路71における発振周波数が調整される。
また、容量設定回路82に入力された容量値は、整合回路81の可変容量コンデンサに設定される。
このように、第1の高周波電源装置では、高周波電源61の発振周波数と、整合器62の容量値とを両方調整することにより、整合器62の可変容量コンデンサの数を減らしても、反射波レベルが小さくなるよう十分なインピーダンス調整を行うことができるものである。
第2の系統の高周波電源64と整合器65も同様の動作を行う。
そして、上述したように、第1の系統と第2の系統では、それぞれ独立して、反射電力が小さくなるように、整合回路63,65の可変容量コンデンサの容量値と、高周波電源61,64の出力周波数を調整する。
[第1の実施の形態の効果]
第1の高周波電源装置によれば、整合器62,65において、可変容量コンデンサの素子数を削減し、高周波電源61,64が、検出回路で検出された進行波と反射波に基づいて、反射波のレベルが小さくなるよう、整合器62,65の可変容量コンデンサの容量値を決定すると共に、発振回路における発振周波数を決定するようにしているので、装置を小型化し、低コスト化を図ることができ、可変容量コンデンサの調整分を発振周波数の調整で補って、十分なインピーダンス調整を行い、安定した整合動作により電力効率を向上させることができる効果がある。
また、第1のプラズマ処理装置によれば、整合器62,65における可変容量コンデンサの数を削減して、高周波電源10,20の発振周波数を可変とする第1の高周波電源装置を備えているので、装置全体の小型化を図ることができ、コストを低減することができると共に、プラズマ分布等の特性を良好にして、安定したプラズマ処理を行うことができる効果がある。
[干渉波・相互変調波:図3]
図1に示したように、高周波電源61と高周波電源64が共に高周波電力を出力している場合、プラズマ反応炉60内には2つの高周波電源をソースとした電力が加えられる。そのため、干渉波や相互変調波が発生する。
つまり、図1の例では、高周波電源61には、もう一方の高周波電源64を源としてアンテナ66から出力された高周波電力が、プラズマ反応炉60及びアンテナ63を介して到達するため、高周波電源61が観測している進行波及び反射波には、干渉波や相互変調波が含まれることになる。
進行波の検出回路に干渉波や相互変調波が観測される場合、その干渉波や相互変調波のレベルが小さく進行波の検出レベルに影響がなければ問題ないが、干渉波や相互変調波のレベルが無視できない場合は、進行波の検出レベルが実際よりも高めに検出される。
そのため、高周波電源61は、進行波の検出レベルを設定値に収束させようとして高周波電源61の出力を低下させる制御を行う。
これにより、プラズマ反応炉60に印加される電力が低下し、プラズマの着火の安定度が低下したり、着火したとしてもプラズマ反応炉60内のプラズマ密度が低下したり、また、これらの影響によりプラズマ処理のレートが低下する等の影響を及ぼす恐れがある。
ここで、反射波の検出回路において干渉波が観測された例を図3に示す。図3は、反射波の検出回路において干渉波が観測された場合の例を示す説明図である。
図3に示すように、画面中央の反射波に対して、無視できないレベルの干渉波が観測されている。
このように、干渉波や相互変調波のレベルが無視できない場合には、反射波の検出レベルが実際よりも高めに検出される。
そのため、高周波電源61は、反射波の検出レベルをゼロに収束させようとして、設定周波数および容量値を変更するなどの自動整合の制御を行う。
しかしながら、高周波電源64に由来する干渉波が反射波として検出され続けるため、自動整合が完了せず、整合動作のリトライを継続しつづける動作となりうる。
これにより、プラズマ反応炉60内のプラズマ密度が変動したり、また、プラズマ処理のレートが変動し不安定な動作となるといった影響を及ぼす恐れがある。
[干渉対策]
進行波や反射波を検出する際に、別の高周波電源に起因する干渉波や相互変調波が入り込む問題の対策として、検出回路にアイソレータを入れる方法がある。
しかし、アイソレータを入れた場合、進行波の検出には効果があるが、反射波はアイソレータの影響で除去されてしまい、検出が不可能となる。また、コストも高く現実的ではない。
また、検出回路に固定のフィルタ回路を追加する方法も考えられる。これは、発振回路が固定周波数の場合は効果が期待できる方法である。
ただし、干渉波の周波数が検出したい反射波の近傍の周波数となり、固定フィルタで除去が困難な場合も想定され、更に、図2のように発振回路の周波数を変更できるような構成においては、干渉波の周波数も変動するため、干渉波を除去することは困難である。
[第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置]
上述したように、第1の高周波電源装置では、複数の電源ソースを備えている場合、別の電源ソースからの高周波電力に起因する干渉波や相互変調波によって、進行波や反射波のレベルを正確に検出できず、安定した整合動作ができずに、電力効率が低下してしまう恐れがある。
そこで、本発明の第2の実施の形態に係る高周波電源装置(第2の高周波電源装置)及びプラズマ処理装置(第2のプラズマ処理装置)では、干渉波や相互変調波を除去して、更に安定した整合動作を行って、電力効率を一層向上させることができる高周波電力装置及び安定したプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することを目的としている。
[第2のプラズマ処理装置の構成:図4]
第2のプラズマ処理装置の構成について図4を用いて説明する。図4は、第2のプラズマ処理装置の概略構成図である。尚、上述した第1のプラズマ処理装置と同様の部分については同一の符号を付している。
図4に示すように、第2のプラズマ処理装置は、プラズマ反応炉60と、第2の高周波電源装置とを備えている。第2の高周波電源装置は、高周波電源10と整合器61とアンテナ63とを備える第1の系統と、高周波電源20と整合器65とアンテナ66とを備える第2の系統とを有している。
第2の高周波電源装置では、高周波電源10,20の構成及び動作が第1の高周波電源装置とは異なっており、発振回路における発振周波数を、2台の高周波電源10,20が連動して決定するようにしている。
そのため、図4では、2つ高周波電源10,20が互いに制御線で接続されている。
[第2の高周波電源装置の構成:図5]
第2の高周波電源装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第2の高周波電源装置の構成を示す構成ブロック図である。
図5に示すように、高周波電源10と高周波電源20とは、基本的な構成は同等であるが、便宜的に、高周波電源を親機、高周波電源20を子機とし、第2の高周波電源装置の特徴部分である、互いの高周波電力の出力周波数を連動して制御する周波数連動処理を、親機である高周波電源10で行うものとする。
また、整合器62及び整合器65の構成及び動作は、第1の高周波電源装置と同様であり、可変容量コンデンサの素子数は従来に比べて少なく、入力された高周波電力のインピーダンス整合を行って、アンテナ63,66を介してプラズマ反応炉60に出力する。
[高周波電源10の構成:図5]
高周波電源10の構成について図5を用いて説明する。
図5に示す高周波電源10において、発振回路11と、励振増幅回路12と、主増幅回路13と、検出回路14と、A/D変換回路15と、周波数設定回路18は、図2に示した第1の高周波電源装置と同様の部分であり、第2の高周波電源装置の特徴として、周波数管理部19を備え、また、演算回路16と整合演算部17の構成及び動作が第1の高周波電源装置とは異なっている。
第1の高周波電源装置と同様の部分については、構成及び動作が従来と同じであるため、詳細な説明は省略する。
高周波電源10の特徴部分について説明する。
[演算回路16:図6]
演算回路16は、検出回路14で検出され、A/D変換回路15でデジタル信号に変換された進行波と反射波の検出信号(モニタ信号)を入力して、それぞれの信号レベルを検出するものである。
演算回路16の構成について図6を用いて説明する。図6は、演算回路16の概略構成図である。
図6に示すように、演算回路16は、進行波について処理を行うNCO(Numerical Controlled Oscillator;数値制御型発振器)部50、デジタルフィルタ51、レベル演算回路52と、反射波について処理を行うNCO部53、デジタルフィルタ54、レベル演算回路55とを備えている。
NCO部50は、sin波とcos波を生成するNCO及び乗算器を備え、入力された進行波信号にsin波とcos波をそれぞれ乗算して、進行波の同相(I)成分と直交(Q)成分とを出力する。
高周波の周波数に連動してNCO周波数を設定するので、希望波(入力された進行波信号)は、NCO出力との演算によりベースバンド信号となる。
NCO部50には、後述する周波数管理部19から、高周波電源10の出力周波数(発振回路11の発振周波数)に合わせたNCO周波数が設定される。
すなわち、第2の高周波電源装置では、発振回路11に設定する周波数に連動して、NCO周波数が変更されるものである。
デジタルフィルタ51は、高周波電力の出力周波数を中心として、特定の帯域幅を通過させる帯域通過フィルタ(バンドパスフィルタ)であり、動作サンプリング周波数で入力される進行波の同相成分及び直交成分から干渉波や相互変調波(以下、干渉波成分とする)を除去するものである。
具体的には、デジタルフィルタ51は中心周波数から特定の周波数幅(例えば±10kHzとする)の帯域を通過させ、それ以外の帯域は減衰させることで、高周波電源20に起因する干渉波成分を除去する。
つまり、デジタルフィルタ51の通過帯域は、特定の帯域幅(ここでは10kHz)の2倍となっている。
ここで、デジタルフィルタ51は、NCO部50のNCOに設定される周波数が発振回路11の周波数と等しくなるように設定されることにより、当該周波数が通過帯域の中心周波数となる。
これにより、発振回路11の周波数が変動した場合でも、デジタルフィルタ51は、高周波電力の周波数を中心として±10kHzの帯域のみを通過させ、それ以上離れた干渉波成分を確実に除去することができるものである。
レベル演算回路52は、干渉波成分が除去された進行波の同相成分及び直交成分を入力して、進行波の電力レベル(進行波レベル、PF)を算出する。
これにより、干渉波の影響を含まない正確な進行波レベルが算出され、整合演算部17に出力される。
NCO部53、デジタルフィルタ54、レベル演算回路55は、それぞれ、NCO部50、デジタルフィルタ51、レベル演算回路52と同様の処理を反射波について行うものである。
具体的には、NCO部53はNCOと乗算器とを備え、入力された反射波にsin波とcos波を乗算して、反射波の同相成分と直交成分を出力する。
デジタルフィルタ54は、入力された反射波の同相成分と直交成分を帯域制限して、高周波電力の周波数を中心周波数として特定の帯域(ここでは±10kHz)のみを通過させ、干渉波成分を除去する。
レベル演算回路55は、干渉波の影響を含まない正確な反射波の電力レベル(反射波レベル、PR)を算出して、整合演算部17に出力する。
尚、ここでは図示は省略するが、演算回路16では、従来と同様に反射係数を算出して、整合演算部17に出力している。
[整合演算部17:図5]
図5に戻って、整合演算部17は、入力された進行波レベル、反射波レベル、反射係数に基づいて、第1の高周波電源装置と同様に、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定したい発振周波数及び整合器62の可変容量コンデンサの容量値を算出し、第1の高周波電源装置と同様に、整合器62に算出した容量値を出力する整合演算処理を行う。
尚、整合演算部17から整合器62に容量値を設定するのは、第1の高周波電源装置と同様の動作であるため、図5では省略している。
また、請求項においては、整合演算部17と周波数設定回路18とを含む構成を整合演算部と称している。
そして、第2の高周波電源装置の特徴として、高周波電源10の整合演算部17は、整合演算処理で算出された発振周波数の値を直ちに周波数設定回路18に出力するのではなく、算出された発振周波数(候補周波数)の値と、もう一つの電源ソースである高周波電源20の発振周波数とを比較して、干渉波成分を除去可能であるかどうかをチェックし、適切な周波数値を周波数設定回路18に出力する周波数連動処理を行う。
具体的には、高周波電源10では、高周波電源20からの高周波電力に基づく干渉波成分がデジタルフィルタ51,54で確実に除去できるよう、発振回路11の周波数を高周波電源20の発振周波数から特定周波数(ここでは10kHz)以上離して設定する。
周波数連動処理については後述するが、これにより、高周波電源10と高周波電源20では、互いに演算回路16,26のデジタルフィルタにおいて、他方の電源ソースに起因する干渉波成分は中心周波数から10kHz以上離れるために十分に減衰され、確実に除去することができるものである。
[周波数管理部19:図5]
周波数管理部19は、第2の高周波電源装置の特徴部分であり、整合演算部17から入力された発振回路11に設定する発振周波数(第1の発振周波数)の値を保持すると共に、それに合わせて演算回路16にNCOの周波数を設定する。
また、周波数管理部19は、高周波電源20の周波数管理部29から出力される発振周波数(第2の発振周波数)の値を受信して、内部に保持しておき、整合演算部17からの要求に応じて、第2の発振周波数の値を整合演算部17に出力するようになっている。
[高周波電源20:図5]
高周波電源20は、高周波電源10と同様の構成であるが、ここでは子機として動作するため、周波数連動処理を行わず、算出した候補周波数をそのまま発振周波数として設定するものである。
高周波電源20において、発振回路21、励振増幅回路22、主増幅回路23、検出回路24、A/D変換回路25は、第1の高周波電源装置と従来と同様であり、演算回路26、周波数設定回路28は、上述した高周波電源10と同一の構成及び動作となっている。
また、高周波電源10と同様に、整合演算部27と整合器65とは制御線により接続されているが、図5では省略している。
子機として動作する高周波電源20の整合演算部27は、演算回路26から入力された進行波レベルと反射波レベルと反射係数とを用いて、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路21の周波数(第2の発振周波数)を決定すると共に、整合器32の可変容量コンデンサの容量値を決定する整合演算処理を行う。
そして、決定した周波数を、周波数設定回路28と周波数管理部29に出力し、容量値を整合器32に出力する。
周波数管理部29は、第2の発振周波数の値を内部に保持すると共に、高周波電源10の周波数管理部19に出力するものである。
また、周波数管理部29は、第2の発振周波数の値に合わせて、演算回路26に、NCOの周波数を設定する。
[第2の高周波電源装置の動作:図5,図6]
第2の高周波電源装置の動作について図5,図6を用いて説明する。基本的には第1の系統を中心として説明し、第2の系統については、第1の系統と異なる部分のみ説明する。
図5に示すように、高周波電源10において、発振回路11は設定された第1の発振周波数を発振して高周波電力が出力され、高周波電力は、励振増幅回路12及び主増幅回路13で所定のレベルまで増幅され、検出回路14を介して整合器62に出力される。
整合器62において、高周波電力はインピーダンス整合が為され、アンテナ63を介してプラズマ反応炉60に出力される。
検出回路14では、進行波と反射波が検出されてモニタ信号としてA/D変換回路15に入力され、デジタル信号に変換される。
そして、演算回路16では、進行波と反射波のそれぞれが直交検波されて同相成分と直交成分が取り出され、それぞれデジタルフィルタ51,54で帯域制限されて干渉波成分が除去され、レベル演算回路52,55で進行波レベルと反射波レベルと反射係数が算出される。
そして、整合演算部17では、入力された反射波レベル等を用いて、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定したい候補周波数値が算出されると共に、整合器62の可変容量コンデンサに設定する容量値が算出され、容量値を整合器62に出力される。
また、整合演算部17では、周波数連動処理として、周波数管理部19から第2の高周波電源20の発振周波数(第2の発振周波数)を取得し、算出した候補周波数と第2の発振周波数とを比較して、候補周波数と第2の発振周波数とが特定の周波数差以上となるよう周波数連動処理が行われ、特定の周波数差以上となった場合に当該候補周波数を発振回路11の発振周波数(第1の発振周波数)として決定する。
第1の発振周波数は、周波数設定回路28を介して発振回路11に設定される。
また、高周波電源20では、整合演算部27で容量値と第2の発振周波数が算出され、容量値は整合器65に設定され、第2の発振周波数は周波数設定回路28を介して発振回路21に設定される。
また、第2の発振周波数は、周波数管理部29に出力され、周波数管理部29に保持されると共に、第1の高周波電源10の周波数管理部19に出力され、整合演算部17での周波数連動処理に用いられる。
このようにして本高周波電源装置の動作が行われるものである。
[整合演算部17の処理:図7]
次に、整合演算部17における処理について図7を用いて説明する。図7は、高周波電源10の整合演算部17における処理を示すフローチャートである。
図7に示すように、整合演算部17は、反射波レベル及び反射係数が入力される(S1)と、それらに基づいて整合演算を行って、反射波レベルが小さくなるよう、発振回路11に設定する候補周波数(Freq_1)を算出する(S2)。
尚、処理S2では、整合器62の可変容量コンデンサの容量値も算出して、整合器62に出力するが、ここでは図示は省略している。
処理S2は、第1の高周波電源装置と同様の整合演算処理である。
また、周波数管理部19では、周波数管理機能により、高周波電源20の周波数管理部29から高周波電源20の発振周波数(第2の発振周波数、Freq_2)を取得して、保持している(S11)。
そして、整合演算部17は、周波数管理部19から第2の発振周波数(Freq_2)を取得し、処理S2で算出した候補周波数Freq_1と、取得した第2の発振周波数Freq_2との差(|Freq_1-Freq_2|)を求める(S3)。
そして、整合演算部17は、処理S3で算出した差|Freq_1-Freq_2|が10kHz以上であるかどうかを判断する(S4)。
ここでは、演算回路16、26のデジタルフィルタを中心周波数(発振周波数)±10kHzの範囲を通過させる特性としているため、候補周波数と第2の発振周波数との差が10kHz以上となっているかどうかを確認する。
処理S4において、周波数の差が10kHz以上であれば(Yesの場合)、整合演算部17は処理S4で算出した候補周波数を第1の発振周波数として決定して、周波数設定回路18に出力して発振回路11に設定すると共に、当該第1の発振周波数を周波数管理部19に出力する(S5)。
そして、処理S1に戻って処理を繰り返す。
また、処理S4において、周波数の差が10kHz未満であった場合(Noの場合)、整合演算部17は、周波数差を計算した回数(繰り返し回数)をカウント(インクリメント)し(S6)、回数が予め設定された閾値以上となったかどうかを判断する(S7)。
そして、処理S7で、繰り返し回数が閾値に達していない場合(Noの場合)には、整合演算部17は、処理S2に戻って、演算回路16から反射波レベル及び反射係数を入力して再び整合演算を行って候補周波数を算出する。
周波数差が10kHz未満の場合、このまま候補周波数Freq_1を発振回路11に設定すると、干渉波成分がデジタルフィルタの通過帯域内に発生してしまうため、干渉波を除去できず、現在の候補周波数Freq_1は適切な値ではない。そのため、整合演算部17は新たに反射波レベル等を取得して、演算をやり直すようにしている。
また、処理S7で、回数が閾値に達した場合(Yesの場合)には、整合演算部17は、候補周波数Freq_1として、第2の発振周波数に10kHzを加算した周波数(Freq_1=Freq_2+10kHz)又は第2の発振周波数から10kHzを減算した周波数(Freq_1=Freq_2−10kHz)を第1の周波数として決定し(S8)、処理S5に移行して周波数設定回路18を介して発振回路11に設定する(S5)。
つまり、所定の回数だけ整合演算を繰り返しても、候補周波数が第2の発振周波数と10kHz以上離れない場合には、整合演算部17は、第1の発振周波数を強制的に第2の発振周波数から10kHz以上離れた周波数に決定して、処理を収束させるものである。
処理S8において、第1の発振周波数として、第2の発振周波数Freq_2に対して高周波側の周波数を選択するか、低周波側を選択するかは、予め決めておいてもよいし、第2の発振周波数の値に応じて適宜決定してもよい。
処理S3〜S8が周波数連動処理となっている。このようにして、整合演算部17の処理が行われるものである。
これにより、本電源装置では、複数の高周波電源のそれぞれが、別の電源ソースからの高周波の影響による干渉波成分を、演算回路のデジタルフィルタで確実に減衰することができ、干渉波成分を含まない進行波及び反射波を検出して、進行波レベル及び反射波レベルを精度よく算出でき、更に安定した整合動作を行って電力効率を向上させることができるものとなる。
尚、ここでは、周波数連動処理を親機である高周波電源10において行うようにして、子機の高周波電源20では自己が設定した発振周波数を親機に通知するのみとしたが、逆にしてもよい。
すなわち、親機が子機に自己が設定した発振周波数を通知し、子機がその情報に基づいて周波数連動処理を行って発振周波数の差が10kHz以上となるように自己の発振周波数を設定するように構成してもよい。
更にまた、上位装置33において、2つの高周波電源10及び20の周波数管理部19,29から候補となる周波数を取得して、両者の差が10kHz以上となるように制御を行うようにしてもよい。
この場合、一方の高周波電源の発振周波数のみを調整してもよいし、両方の高周波電源の発振周波数を調整してもよい。
この場合、周波数管理部19,29は、上位装置68に候補となる周波数を送出し、上位装置68から指定された発振周波数を整合演算回路17,27及び周波数設定部18,28を介して発振回路11,21に設定する。
親機で制御する動作とするか、子機で制御する動作とするか、又は、上位装置33で制御する動作とするかは、予め動作モードとして設定され、各装置は、設定された動作モードに応じた処理を行うようになっている。
[デジタルフィルタの別の構成]
上述した例では、演算回路16のデジタルフィルタ51,54をバンドパスフィルタとして説明したが、ベースバンド信号に対して特定の周波数以下の帯域を通過させるローパスフィルタとして構成してもよい。
この場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高周波電源10の出力周波数から、特定の帯域幅(例えば10kHz)だけ高い周波数に設定しておく。これにより、高周波電源10の出力周波数+10kHzより低い周波数は通過し、高周波電力の出力周波数+10kHz以上の干渉波成分は除去されることになる。
ローパスフィルタを用いた場合の整合演算部17の動作について簡単に説明する。
整合演算部17においては、バンドパスフィルタを用いた場合と同様に、反射波レベルが小さくなるよう、発振周波数の候補となる候補周波数を算出する。そして、当該候補周波数に基づいて、自己の発振周波数が、他方の高周波電源20の発振周波数より特定周波数(例えば10kHz)以上低くなるように、発振周波数を決定する。
バンドパスフィルタの場合には、自己の発振周波数は、他方の高周波電源20の発振周波数と比較して、特定の周波数以上離れていれば高くても低くてもよかったが、ローパスフィルタの場合には、他方の高周波電源20の発振周波数より低い側に決定する。
つまり、ローパスフィルタのカットオフ周波数は自己の発振周波数+10kHzとなる。
これにより、高周波電源20に起因する干渉波成分は、ローパスフィルタのカットオフ周波数よりも高くなるため、デジタルフィルタ51,54で減衰され、進行波レベル、反射波レベルを正確に算出することができるものである。
バンドパスフィルタの場合と同様に、整合演算部17が発振周波数に応じたNCO周波数を設定することにより、発振周波数が変動しても、カットオフ周波数を常に発振周波数+特定周波数とすることができ、確実に干渉波成分を除去できる。
また、バンドパスフィルタの場合と同様に、整合演算を所定の回数行っても他の高周波電源装置の発振周波数から特定周波数以上離れた周波数を候補周波数として求められなかった場合には、強制的に特定周波数以上(ここでは10kHz以上)離れた周波数(低周波数側)を発振回路に設定する。
[第2の実施の形態の効果]
第2の高周波電源装置によれば、複数の高周波電源10,20と整合器62,65を備え、一方の高周波電源10が、演算回路16に、進行波及び反射波の周波数を中心周波数とし、中心周波数から特定周波数幅の通過帯域を備えたデジタルフィルタ51を備え、周波数管理部19が、他方の高周波電源20の発振周波数を記憶しておき、整合演算部17が、反射波レベルが小さくなるよう、発振周波数の候補となる候補周波数を算出し、当該候補周波数に基づいて、他方の高周波電源20の発振周波数と自己の発振周波数との周波数差が特定周波数以上となるように、発振周波数を決定する高周波電源装置としているので、複数の高周波電源10,20における周波数が常に特定の周波数差以上は離れるよう制御することができ、互いに反射波の検出信号に含まれる干渉波成分をデジタルフィルタ51,54で確実に除去して正確な反射波レベルを算出でき、精度の高い整合を実現して、電力効率を向上させることができる効果がある。
また、第2の高周波電源装置によれば、整合演算部17が、発振周波数に応じたNCOの周波数の情報を演算回路16に設定することで、デジタルフィルタ51の中心周波数を発振周波数に一致させることができ、発振周波数が変動しても、デジタルフィルタ51において確実に干渉波成分を除去することができる効果がある。
また、第2の高周波電源装置によれば、複数の高周波電源における周波数を連動して制御する周波数連動処理を、親機、子機、上位装置のいずれで行うか任意に選択することができ、システム設計上の自由度を大きくすることができる効果がある。
また、実施の形態に係るプラズマ処理装置によれば、上述した本高周波電源装置から電力の供給を受けるようにしているので、高周波電力のインピーダンス整合を精度よく行うことができ、安定してプラズマを発生させ、分布の特性を良好にして、良好なプラズマ処理を行うことができる効果がある。
本発明は、干渉波や相互変調波を除去して安定した整合動作を行って、電力効率を向上させることができる高周波電力装置及び安定したプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置に適している。
10,20,61,64,91,94…高周波電源、 11,21,71…発振回路、 12,22,72…励振増幅回路、 13,23,73…主増幅回路、 14,24,74…検出回路、 15,25,75…A/D変換回路、 16,26,76…演算回路、 17,27,77…整合演算部、 18,28,78…周波数設定回路…、 19,29…周波数管理部、 62,65,92,95…整合器、 68,98…上位装置、 63,66,93,96…アンテナ、 50,53…NCO部、 51,54…デジタルフィルタ、 52,55…レベル演算回路、 81…整合回路、 82…容量設定回路、 60,90…プラズマ反応炉

Claims (8)

  1. 高周波を供給する高周波電源装置であって、
    周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、前記アンテナに接続し、前記高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、
    前記高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、前記反射係数に基づいて、前記反射波レベルが小さくなるよう前記整合器での制御値と前記発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部とを有し、
    前記整合演算部は、前記発振周波数の候補値に基づいて、前記発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して前記発振回路に設定し、
    前記演算回路は、バンド幅が前記特定の周波数差の2倍であるバンドパスフィルタを備え、前記バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数を、前記設定された発振周波数とする高周波電源装置。
  2. 高周波を供給する高周波電源装置であって、
    周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、前記アンテナに接続し、前記高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、
    前記高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、前記反射係数に基づいて、前記反射波レベルが小さくなるよう前記整合器での制御値と前記発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部とを有し、
    前記整合演算部は、発振周波数の候補値に基づいて、前記発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、
    前記演算回路は、カットオフ周波数より低い帯域を通過させるローパスフィルタを備え、前記カットオフ周波数を、前記設定された発振周波数に前記特定の周波数差を加えた周波数とする高周波電源装置。
  3. 整合演算部は、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、発振周波数の演算を繰り返し、当該演算を特定回数行ったら、強制的に前記特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して発振回路に設定する請求項1又は2記載の高周波電源装置。
  4. 高周波を供給する高周波電源装置であって、
    周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、前記アンテナに接続し、前記高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、
    前記高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、前記反射係数に基づいて、前記反射波レベルが小さくなるよう前記整合器での制御値と前記発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部と、
    複数の前記高周波電源に接続する上位装置とを有し
    前記上位装置は、発振周波数の候補値に基づいて、前記発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、
    前記演算回路は、バンド幅が前記特定の周波数差の2倍であるバンドパスフィルタを備え、前記バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数を、前記設定された発振周波数とする高周波電源装置。
  5. 高周波を供給する高周波電源装置であって、
    周波数の異なる高周波を発生する複数の高周波電源と、プラズマ反応炉内に設置される複数のアンテナと、前記アンテナに接続し、前記高周波電源の出力を整合する複数の整合器とを備え、
    前記高周波電源は、設定された発振周波数の高周波を発振する発振回路と、検出した進行波と反射波から反射波レベルと反射係数を算出する演算回路と、前記反射係数に基づいて、前記反射波レベルが小さくなるよう前記整合器での制御値と前記発振周波数の候補値とを算出する演算を行う整合演算部と、
    複数の前記高周波電源に接続する上位装置とを有し
    前記上位装置は、発振周波数の候補値に基づいて、前記発振周波数を、他の高周波電源での発振周波数とは特定の周波数差を確保する値に決定して発振回路に設定し、
    前記演算回路は、カットオフ周波数より低い帯域を通過させるローパスフィルタを備え、前記カットオフ周波数を、前記設定された発振周波数に前記特定の周波数差を加えた周波数とする高周波電源装置。
  6. 上位装置は、他の高周波電源での発振周波数と特定の周波数差を確保できない場合には、整合演算部での発振周波数の演算を繰り返し行わせ、当該演算が特定回数行われたら、強制的に前記特定の周波数差を確保する発振周波数に決定して発振回路に設定する請求項4又は5記載の高周波電源装置。
  7. 整合器に、複数のアンテナが接続されている請求項1乃至のいずれか記載の高周波電源装置。
  8. 請求項1乃至のいずれか記載の高周波電源装置を用いたプラズマ処理装置。
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