JP5916044B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理基板にプラズマ処理を施す技術に係り、特に誘導結合型のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
半導体デバイスやFPD(Flat Panel Display)の製造プロセスにおけるエッチング、堆積、酸化、スパッタリング等の処理では、処理ガスに比較的低温で良好な反応を行わせるためにプラズマがよく利用されている。従来より、この種のプラズマ処理には、MHz領域の高周波放電によるプラズマが多く用いられている。高周波放電によるプラズマは、より具体的(装置的)なプラズマ生成法として、容量結合型プラズマと誘導結合型プラズマとに大別される。
一般に、誘導結合型のプラズマ処理装置は、処理容器の壁部の少なくとも一部(たとえば天井)を誘電体の窓で構成し、その誘電体窓の外に設けたコイル状のRFアンテナに高周波電力を供給する。処理容器は減圧可能な真空チャンバとして構成されており、チャンバ内の中央部に被処理基板(たとえば半導体ウエハ、ガラス基板等)が配置され、誘電体窓と基板との間に設定される処理空間に処理ガスが導入される。RFアンテナに流れるRF電流によって、磁力線が誘電体窓を貫通してチャンバ内の処理空間を通過するようなRF磁界がRFアンテナの周りに発生し、このRF磁界の時間的な変化によって処理空間内で方位角方向に誘導電界が発生する。そして、この誘導電界によって方位角方向に加速された電子が処理ガスの分子や原子と電離衝突を起こし、ドーナツ状のプラズマが生成される。
チャンバ内に大きな処理空間が設けられることによって、上記ドーナツ状のプラズマは効率よく四方(特に半径方向)に拡散し、基板上ではプラズマの密度がかなり均される。しかしながら、通常のRFアンテナを用いるだけでは、基板上に得られるプラズマ密度の均一性は大抵のプラズマプロセスにおいて不十分である。誘導結合型のプラズマ処理装置においても、基板上のプラズマ密度の均一性を向上させることは、プラズマプロセスの均一性・再現性ひいては製造歩留まりを左右することから、最重要課題の一つとなっており、これまでにもこの関係の技術が幾つか提案されている。
誘導結合型のプラズマ処理装置において、被処理基板上のプラズマ密度分布を径方向で制御する(特に均一化する)ための代表的な技術として、RFアンテナを複数のコイル状アンテナセグメントに分割し、各々のアンテナセグメントのインピーダンスをインピーダンス調整回路により可変して、1つの高周波電源から全部のアンテナセグメントにそれぞれ分配されるRF電力の分割比を制御する方式が知られている(たとえば特許文献1,2,3)。
この種のインピーダンス調整回路は、概して可変コンデンサからなり、複数のアンテナセグメントの各々に1個ずつ直列に接続する形態で、整合器の出力端子とグランド電位端子との間に複数並列に接続される。
誘導結合型プラズマ処理装置に用いられる整合器は、一般的には、高周波電源からみた負荷側のインピーダンスをプラズマ負荷の変動に追従して可変制御する自動整合装置として構成されている。この種の自動整合装置は、プラズマ処理中に圧力変動などによってプラズマ負荷のインピーダンスが変わると、整合回路に含まれる可変リアクタンス素子(一般に可変コンデンサ)のリアクタンスを可変して自動的に負荷側インピーダンスを調整して整合ポイント(通常50Ω)に合わせるようになっている。このオートマッチング機能のために、自動整合装置は、反射波のパワーを測定する回路や、負荷側インピーダンスの測定値を整合ポイント(50Ω)に一致させるようにステッピングモータを通じて各可変リアクタンス素子のリアクタンスを可変制御するコントローラ等を備えている。
米国特許第6164241号 米国特許第6288493号 米国特許第7096819号
しかしながら、上記のような従来技術におけるRFアンテナ分割方式は、RF電流が複数のアンテナセグメントに分かれて流れるために、高周波給電部には各アンテナセグメントを流れる電流よりも格段に大きな分割前のRF電流が流れる。これによって、高周波給電部(特に整合器)内で大きなRFパワー損失が生じ、そのぶんプラズマ負荷に供給されるRFパワーが減って、プラズマ生成効率が下がるという問題点があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するものであり、被処理基板上のプラズマ密度分布を自在に制御可能にするとともに、高周波給電部(特に整合器)内のRFパワー損失を少なくして、プラズマ生成効率を向上させる誘導結合型のプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供する。
さらに、本発明は、上記のようにプラズマ生成効率の向上を図るのと同時に、整合器の簡略化を実現する誘導結合型のプラズマ処理装置を提供する。
本発明のプラズマ処理装置は、誘電体を有する処理容器と、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記被処理基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために前記誘電体窓の外に設けられる複数のアンテナと、前記処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記複数のアンテナに供給する高周波電源および整合器を有する高周波給電部と、前記高周波給電部の終端に設けられる一次コイルと、各々が個別に前記一次コイルと電磁誘導により一定の相互インダクタンスで結合可能であり、各々が対応する前記アンテナに電気的に接続され独立した閉ループの二次回路を形成する複数の二次コイルと、全ての前記二次回路に設けられ、当該二次回路内で直列共振を起こす静電容量よりも小さな領域と大きな領域とを可変範囲にもつ可変の静電容量を有する可変コンデンサと、各々の前記可変コンデンサの静電容量を可変し、前記二次回路を流れる電流の向きを制御する容量可変部とを有する。
本発明のプラズマ処理方法は、誘電体窓を有する処理容器と、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記被処理基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために前記誘電体窓の外に設けられる複数のアンテナと、前記処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記複数のアンテナに供給する高周波電源および整合器を有する高周波給電部とを有するプラズマ処理装置において前記基板に所望のプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、前記高周波給電部の終端に一次コイルを設けるとともに、各々が個別に前記一次コイルと電磁誘導により一定の相互インダクタンスで結合可能であり、各々が対応する前記アンテナに電気的に接続され独立した閉ループの二次回路を形成する複数の二次コイルを設け、さらには全ての前記二次回路に当該二次回路内で直列共振を起こす静電容量よりも小さな領域と大きな領域とを可変範囲にもつ可変の静電容量を有する可変コンデンサを設けるとともに、各々の前記可変コンデンサの静電容量を可変し、当該二次回路を流れる電流の向きを制御する容量可変部を備え、前記容量可変部により前記可変コンデンサの静電容量を選定または可変制御して、前記基板上のプラズマ密度分布を制御する。
本発明のプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法においては、プロセス中に高周波給電部より高周波電力がアンテナに向けて供給される。ここで、高周波給電部の一次コイルに高周波の一次電流が流れ、この一次電流によって一次コイルの周りに発生する磁力線(磁束)が各二次コイルと鎖交し、その磁束の時間的変化に応じて各二次コイルに電磁誘導に基づく誘導起電力が発生し、各二次回路内で高周波の二次電流(誘導電流)が流れる。
このように各二次回路内で各アンテナを二次電流が流れることにより、各アンテナから誘電体窓を介して処理容器内の処理ガスに放射される電磁エネルギーによって各アンテナと対応するプラズマ生成空間領域で誘導結合のプラズマが生成される。こうして処理容器内のプラズマ生成空間で生成されたプラズマが四方に拡散することによって、基板保持部の近傍つまり基板ではプラズマの密度がかなり均される。ここで、各二次回路内で直列共振を起こす静電容量よりも小さな領域と大きな領域とを可変範囲にもつ可変の静電容量を有する各可変コンデンサの静電容量を容量可変部により適度な値に選定し、または可変制御することにより、複数のアンテナをそれぞれ流れる二次電流のバランス(大きさと向き)を調節することが可能であり、これによって基板上のプラズマ密度分布を自在に制御することができる。
この場合、一次コイルと各二次コイルとの間の相互インダクタンスが一定なので、高周波給電部より一次コイルに一次電流が流れたときに二次コイル内にそれぞれ発生する誘導起電力は一義的に決まる。また、両二次回路内の自己インダクタンスおよび抵抗も一定とみなせる。したがって、各可変コンデンサの静電容量を可変することにより、各アンテナを流れる二次電流の電流値を各々独立かつ任意に制御することができる。高周波給電部においては、二次コイルとの間の相互インダクタンスよりも一次コイルの自己インダクタンスの方が格段に大きいので、一次側から見た負荷リアクタンスの変化は小さく、二次電流の影響をそれほど受けない。このため、整合器の出力端子から見ると、負荷インピーダンスは基本的には一次コイルのインピーダンスとしてしか見えない。
こうして、高周波給電部においては、複数のアンテナが個別の二次コイルおよび一定の相互インダクタンスを有するトランスを介して一次コイルに電気的に結合されることにより、見かけ上の一次コイルの負荷抵抗が大きくなって、一次電流が小さくなり、高周波給電部(特に整合器)においてRFパワー損失が低減する。そのぶんプラズマ負荷に供給されるRFパワーが増大し、プラズマ生成効率が向上する。
本発明のプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法によれば、上記のような構成および作用により、被処理基板上のプラズマ密度分布を自在に制御できるとともに、高周波給電部(特に整合器)内のパワー損失を少なくしてプラズマ生成効率を向上させることが可能であり、さらには整合器の簡略化も実現できる。
本発明の一実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置の構成を示す縦断面図である。 上記プラズマ処理装置における同軸アンテナ群、可変コンデンサおよびトランス部のメカニカルなレイアウトおよび接続構成を示す図である。 上記同軸アンテナ群、可変コンデンサおよびトランス部の電気的な接続構成を示す図である。 円環状アンテナに流れる電流とそのアンテナ直下の電子密度との間の関係を示す実験結果の図である。 アンテナの巻線構造に関する一構成例を示す図である。 アンテナとトランス部間のループ構造に関する一構成例を示す図である。 トランス部における二次コイルの巻数に関する一構成例を示す図である。 トランス部における一次コイルの分割構成および配置に関する一構成例を示す図である。 トランス部における一次コイルおよび二次コイルの配置構造に関する一構成例を示す図である。 二次回路に固定コンデンサを設ける一構成例を示す図である。 二次回路に固定コンデンサを設ける別の構成例を示す図である。 トランス部において一次コイルと二次コイルとの間の距離間隔を可変調整する構成例を示す図である。 トランス部に棒状のコアを設ける一構成例を示す図である。 トランス部において棒状コアを軸方向に移動または変位させる構成例を示す図である。 トランス部にリング(無端)状のコアを設ける一構成例を示す図である。 同軸アンテナ群において内側アンテナと外側アンテナとの間に中間アンテナを設ける構成例を示す図である。 同軸アンテナ群において外側アンテナを複数のアンテナセグメントに分割する構成例を示す図である。 2つのアンテナセグメントおよび2つの二次コイルの間で1つの閉ループの二次回路が形成される構成例を示す図である。 2つのアンテナセグメントおよび2つの二次コイルの間で独立した2つの閉ループの二次回路が形成される構成例を示す図である。 上記誘導結合型プラズマ処理装置に通常のオートマッチング機構を搭載する構成例を示す図である。 本発明の一実施例によるオートマッチング機構を示す。 別の実施例によるオートマッチング機構を示す。 別の実施例によるオートマッチング機構を示す。
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。

[装置全体の構成及び作用]
図1に、第1の実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置の構成を示す。この誘導結合型プラズマ処理装置は、平面コイル形のRFアンテナを用いるプラズマエッチング装置として構成されており、たとえばアルミニウムまたはステンレス鋼等の金属製の円筒型真空チャンバ(処理容器)10を有している。チャンバ10は、保安接地されている。
先ず、この誘導結合型プラズマエッチング装置においてプラズマ生成に関係しない各部の構成を説明する。
チャンバ10内の下部中央には、被処理基板としてたとえば半導体ウエハWを載置する円板状のサセプタ12が高周波電極を兼ねる基板保持台として水平に配置されている。このサセプタ12は、たとえばアルミニウムからなり、チャンバ10の底から垂直上方に延びる絶縁性の筒状支持部14に支持されている。
絶縁性筒状支持部14の外周に沿ってチャンバ10の底から垂直上方に延びる導電性の筒状支持部16とチャンバ10の内壁との間に環状の排気路18が形成され、この排気路18の上部または入口に環状のバッフル板20が取り付けられるとともに、底部に排気ポート22が設けられている。チャンバ10内のガスの流れをサセプタ12上の半導体ウエハWに対して軸対象に均一にするためには、排気ポート22を円周方向に等間隔で複数設ける構成が好ましい。
各排気ポート22には排気管24を介して排気装置26が接続されている。排気装置26は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、チャンバ10内のプラズマ処理空間を所望の真空度まで減圧することができる。チャンバ10の側壁の外には、半導体ウエハWの搬入出口27を開閉するゲートバルブ28が取り付けられている。
サセプタ12には、RFバイアス用の高周波電源30が整合器32および給電棒34を介して電気的に接続されている。この高周波電源30は、半導体ウエハWに引き込むイオンのエネルギーを制御するのに適した一定周波数(13.56MHz以下)の高周波RFLを可変のパワーで出力できるようになっている。整合器32は、高周波電源30側のインピーダンスと負荷(主にサセプタ、プラズマ、チャンバ)側のインピーダンスとの間で整合をとるためのリアクタンス可変の整合回路を収容している。その整合回路の中に自己バイアス生成用のブロッキングコンデンサが含まれている。
サセプタ12の上面には、半導体ウエハWを静電吸着力で保持するための静電チャック36が設けられ、静電チャック36の半径方向外側に半導体ウエハWの周囲を環状に囲むフォーカスリング38が設けられる。静電チャック36は導電膜からなる電極36aを一対の絶縁膜36b,36cの間に挟み込んだものであり、電極36aには高圧の直流電源40がスイッチ42および被覆線43を介して電気的に接続されている。直流電源40より印加される高圧の直流電圧により、静電力で半導体ウエハWを静電チャック36上に吸着保持することができる。
サセプタ12の内部には、たとえば円周方向に延びる環状の冷媒室または冷媒流路44が設けられている。この冷媒流路44には、チラーユニット(図示せず)より配管46,48を介して所定温度の冷媒たとえば冷却水cwが循環供給される。冷媒の温度によって静電チャック36上の半導体ウエハWの処理中の温度を制御できる。これと関連して、伝熱ガス供給部(図示せず)からの伝熱ガスたとえばHeガスが、ガス供給管50を介して静電チャック36の上面と半導体ウエハWの裏面との間に供給される。また、半導体ウエハWのローディング/アンローディングのためにサセプタ12を垂直方向に貫通して上下移動可能なリフトピンおよびその昇降機構(図示せず)等も設けられている。
次に、この誘導結合型プラズマエッチング装置においてプラズマ生成に関係する各部の構成を説明する。
チャンバ10の天井または天板はサセプタ12から比較的大きな距離間隔を隔てて設けられており、この天板としてたとえば石英板からなる円形の誘電体窓52が気密に取り付けられている。この誘電体窓52の上には、チャンバ10内に誘導結合のプラズマを生成するための複数または一群のアンテナ54を外部から電磁的に遮蔽して収容するアンテナ室56がチャンバ10と一体に設けられている。
この実施形態におけるアンテナ群54は、誘電体窓52と平行で、径方向に間隔を空けてそれぞれ内側および外側に配置される平面型の内側アンテナ58および外側アンテナ60からなっている。この実施形態における内側アンテナ58および外側アンテナ60は、円環状のコイル形体を有し、互いに同軸に配置されるとともに、チャンバ10またはサセプタ12に対しても同軸に配置されている。
なお、本発明において「同軸」とは、軸対称の形状を有する複数の物体間でそれぞれの中心軸線が互いに重なっている位置関係であり、複数の平面型アンテナの間ではそれぞれのアンテナ面が軸方向で互いにオフセットしている場合だけでなく同一面上で一致している場合(同心状の位置関係)も含む。
内側アンテナ58および外側アンテナコイル60は、電気的には、プラズマ生成用の高周波給電部62に対して可変コンデンサ64,66およびトランス部68を介して並列に接続されている。可変コンデンサ64,66の静電容量は、好ましくは、主制御部84の制御の下で容量可変部70,72により一定範囲内で任意に可変されるようになっている。トランス部68の構成および作用は、後に詳しく説明する。
プラズマ生成用の高周波給電部62は、高周波電源74および整合器76を有している。高周波電源74は、高周波放電によるプラズマの生成に適した一定周波数(13.56MHz以上)の高周波RFHを可変のパワーで出力する。整合器76は、オートマッチング機能を備えた自動整合装置として構成されており、高周波電源74側のインピーダンスと負荷(主にRFアンテナ群、プラズマ)側のインピーダンスとの間で整合をとるためのリアクタンス可変の整合回路を収容している。
チャンバ10内の処理空間に処理ガスを供給するための処理ガス供給部は、誘電体窓52より幾らか低い位置でチャンバ10の側壁の中(または外)に設けられる環状のマニホールドまたはバッファ部77と、円周方向に等間隔でバッファ部77からプラズマ生成空間に臨む多数の側壁ガス吐出孔78と、処理ガス供給源80からバッファ部77まで延びるガス供給管82とを有している。処理ガス供給源80は、流量制御器および開閉弁(図示せず)を含んでいる。
主制御部84は、たとえばマイクロコンピュータを含み、このプラズマエッチング装置内の各部たとえば排気装置26、高周波電源30,74、整合器32,76、静電チャック用のスイッチ42、容量可変部70,72、処理ガス供給源80、チラーユニット(図示せず)、伝熱ガス供給部(図示せず)等の個々の動作および装置全体の動作(シーケンス)を制御する。
この誘導結合型プラズマエッチング装置において、エッチングを行なうには、先ずゲートバルブ28を開状態にして加工対象の半導体ウエハWをチャンバ10内に搬入して、静電チャック36の上に載置する。そして、ゲートバルブ28を閉めてから、処理ガス供給源80よりガス供給管82、バッファ部77および側壁ガス吐出孔78を介してエッチングガス(一般に混合ガス)を所定の流量および流量比でチャンバ10内に導入し、排気装置26によりチャンバ10内の圧力を設定値にする。さらに、高周波電源74をオンにして、プラズマ生成用の高周波RFHを所定のパワーで出力させ、そのRFパワーを整合器76およびトランス部68を介して同軸アンテナ群54(内側アンテナ58/外側アンテナ60)に供給する。ここで、同軸アンテナ群54の内側アンテナ58および外側アンテナ60には、可変コンデンサ64,66を通じて個別に制御される二次電流I2A,I2Bがそれぞれ流れる。
一方で、高周波電源30をオンにしてイオン引き込み制御用の高周波RFLを所定のRFパワーで出力させ、この高周波RFLを整合器32および下部給電棒34を介してサセプタ12に印加する。また、伝熱ガス供給部より静電チャック36と半導体ウエハWとの間の接触界面に伝熱ガス(Heガス)を供給するとともに、スイッチ42をオンにして静電チャック36の静電吸着力により伝熱ガスを上記接触界面に閉じ込める。
側壁ガス吐出孔78より吐出されたエッチングガスは、誘電体窓52の下の処理空間に均一に拡散する。同軸アンテナ群54(内側アンテナ58/外側アンテナ60)を流れる高周波の二次電流I2A,I2Bによって、磁力線が誘電体窓52を貫通してチャンバ内のプラズマ生成空間を通過するような高周波の磁界が各アンテナ58,60の周りに発生し、この高周波磁界の時間的な変化によって処理空間の方位角方向に高周波の誘導電界が発生する。そして、この誘導電界によって方位角方向に加速された電子がエッチングガスの分子や原子と電離衝突を起こし、ドーナツ状のプラズマが生成される。
このドーナツ状プラズマのラジカルやイオンは広い処理空間で四方に拡散し、ラジカルは等方的に降り注ぐようにして、イオンは直流バイアスに引っぱられるようにして、半導体ウエハWの上面(被処理面)に供給される。こうして半導体ウエハWの被処理面にプラズマの活性種が化学反応と物理反応をもたらし、被加工膜が所望のパターンにエッチングされる。
ここで「ドーナツ状のプラズマ」とは、チャンバ10の径方向内側(中心部)にプラズマが立たず径方向外側にのみプラズマが立つような厳密にリング状のプラズマに限定されず、むしろチャンバ10の径方向内側より径方向外側のプラズマの体積または密度が大きいことを意味する。また、処理ガスに用いるガスの種類やチャンバ10内の圧力の値等の条件によっては、ここで云う「ドーナツ状のプラズマ」にならない場合もある。
この誘導結合型プラズマエッチング装置は、以下に詳述する構成により、高周波給電部62(特に整合器76)で生じるRFパワー損失を低減しつつ、同軸アンテナ群54の内側アンテナ58および外側コイル60でそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bを各々任意かつ独立に制御して、半導体ウエハW上のプラズマ密度分布を径方向で自在に制御できるようにしている。したがって、プラズマプロセス特性つまりエッチング特性(エッチングレート、選択比、エッチング形状等)を径方向で均一化することも容易に行える。

[アンテナおよびトランス部の基本構成]
この実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置の主たる特徴は、同軸アンテナ群54とトランス部68との間で複数の独立した閉ループの二次回路を形成している構成にある。
図2に、このプラズマ処理装置における同軸アンテナ群54(内側アンテナ58/外側アンテナ60)、可変コンデンサ64,66およびトランス部68のメカニカルな配置および接続構成を示す。
図示のように、アンテナ室56内で誘電体窓52の上方に設置されたトランス部68には、1つの一次コイル86と、2つの二次コイル88,90が鉛直方向で重なり合うように同軸に水平姿勢で配置されている。
最も高い位置に配置される一次コイル86は、たとえば円環状の単巻きコイルからなり、その一方の端(RF入口端)86mは高周波給電部62のRF伝送線85を介して整合器76の出力端子に電気的に接続され、他方の端(RF出口端)86nはRF帰線またはアース線87を介してチャンバ10または他の接地電位部材(図示せず)に電気的に接続されている。
一方の二次コイル88は、一次コイル86と略同じ口径の円環状単巻きコイルとして構成されており、一次コイル86に近接してその下隣りの高さ位置に配置される。この二次コイル88の一対の開放端88m,88nは、鉛直方向に延びる一対の接続導体92m,92nを介して内側アンテナ58の一対の開放端58m,58nにそれぞれ接続されている。
他方の二次コイル90は、一次コイル86と略同じ口径の円環状単巻きコイルとして構成されており、上記一方の二次コイル88を挟んで一次コイル86と近接する高さ位置に配置される。この二次コイル90の一対の開放端90m,90nは、鉛直方向に延びる一対の接続導体94m,94nを介して外側アンテナ60の一対の開放端60m,60nにそれぞれ接続されている。
可変コンデンサ64,66は、図2の構成例では、二次コイル88,90のループ内に配置されている。しかし、接続導体(92m,92n),(94m,94n)の途中に、あるいはアンテナ58,60のループ内に、可変コンデンサ64,66を配置する構成も可能である。
図3に、同軸アンテナ群54(内側アンテナ58/外側アンテナ60)、可変コンデンサ64,66およびトランス部68の電気的な接続構成を示す。図示のように、内側アンテナ58、接続導体92m,92nおよび二次コイル88によって独立した閉ループの二次回路96が形成され、この二次回路96内に可変コンデンサ64が設けられる。一方、外側アンテナ60、接続導体94m,94nおよび二次コイル90によって別の独立した閉ループの二次回路98が形成され、この二次回路98に可変コンデンサ66が設けられる。
この誘導結合型プラズマ処理装置において、プロセス中に高周波電源74よりプラズマ生成用の高周波RFHが出力されると、整合器76の出力端子からRF伝送線85、トランス部68の一次コイル86およびアース線87を通って高周波の一次電流I1が流れる。このように一次コイル86を流れる高周波の一次電流I1によって一次コイル86の周りに発生する磁力線(磁束)が両二次コイル88,90と鎖交し、その磁束の時間的変化に応じて両二次コイル88,90に電磁誘導に基づく誘導起電力E2A,E2Bがそれぞれ発生して、両二次回路96,98内で高周波の二次電流(誘導電流)I2A,I2Bがそれぞれ流れる。ここで、両二次回路96,98内の合成インピーダンスをそれぞれZA,ZBとすると、二次電流I2A,I2Bは次の式(1)、(2)でそれぞれ表わされる。
2A=E2A/ZA ・・・・(1)
2B=E2B/ZB ・・・・(2)
こうして二次電流I2A,I2Bが内側アンテナ58および外側アンテナ60をそれぞれ流れることにより、内側アンテナ58および外側アンテナ60の周りにはループ状に分布する高周波の交流磁界が発生し、誘電体窓52の下には比較的内奥(下方)の領域でも処理空間を半径方向に横断する磁力線が形成される。
ここで、処理空間における磁束密度の半径方向(水平)成分は、チャンバ10の中心と周辺部では二次電流の大きさに関係なく常に零であり、その中間の何処かで極大になる。高周波の交流磁界によって生成される方位角方向の誘導電界の強度分布も、径方向において磁束密度と同様の分布を示す。つまり、径方向において、ドーナツ状プラズマ内の電子密度分布は、マクロ的には同軸アンテナ群54内の電流分布にほぼ対応する。そして、図4に示すように、この種の円環状アンテナに流れる電流とそのアンテナ直下の電子密度との間にはおおよそ線形的な関係があることが実験で確認できている。
この実施形態における同軸アンテナ群54は、その中心または内周端から外周端まで旋回する通常の渦巻コイルとは異なり、チャンバ10の中心寄りに局在する円環状の内側アンテナ58とチャンバ10の側壁寄りに局在する円環状の外側アンテナ60とからなり、径方向における同軸アンテナ群54内の電流分布は両アンテナ58,60が位置する付近に2極化する。
したがって、チャンバ10の誘電体窓52の下(内側)に生成されるドーナツ状プラズマにおいては、内側アンテナ58および外側アンテナ60のそれぞれの直下位置付近で電流密度(つまりプラズマ密度)が突出して高くなる(極大になる)。このように、ドーナツ状プラズマ内の電流密度分布は径方向で均一ではなく凹凸のプロファイルとなる。しかし、チャンバ10内の処理空間でプラズマが四方に拡散することによって、サセプタ12の近傍つまり半導体ウエハW上ではプラズマの密度がかなり均される。
この実施形態においては、内側アンテナ58および外側アンテナ60をそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bのバランスを調節することにより、サセプタ12の近傍つまり半導体ウエハW上のプラズマ密度分布を自在に制御することが可能であり、プラズマプロセス特性の均一化も容易に達成できる。ここで、二次電流I2A,I2Bのバランス調整は、以下のように、可変コンデンサ64,66の静電容量を可変することによって行われる。
可変コンデンサ64,66の静電容量をC64,C66とし、両二次回路96,98内の自己インダクタンスおよび抵抗(プラズマに吸収されるパワーに起因する抵抗成分も含む)をそれぞれ(L96,R96)、(L98,R98)とすると、両二次回路96,98内の合成インピーダンスZA,ZB はそれぞれ下記の式(3)、(4)で表わされる。
A=R96+i(ωL96−1/ωC64 ・・・・(3)
B=R98+i(ωL98−1/ωC66 ・・・・(4)
ただし、ωは角周波数であり、プラズマ生成用の高周波RFHの周波数をfとすると、ω=2πfである。
したがって、上式(1)、(2)は下記の式(5)、(6)とそれぞれ等価である。
2A=E2A/{R96+i(ωL96−1/ωC64)} ・・・・(5)
2B=E2B/{R98+i(ωL98−1/ωC66)} ・・・・(6)
トランス部68において、一次コイル86と各二次コイル88,90との間の相互インダクタンスが一定であれば、高周波給電部62よりトランス部68の一次コイル86に一次電流I1が流れたときに二次コイル88,90内にそれぞれ発生する誘導起電力E2A,E2Bは一義的に決まる。また、両二次回路96,98内の自己インダクタンスL96,L98および抵抗R96,R98も一定とみなせる。したがって、可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66を可変することにより、内側および外側アンテナ58,60をそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bの電流値を各々独立かつ任意に制御することができる。
一方、高周波給電部62においては、上記のような二次コイル88,90との間の相互インダクタンスよりも一次コイル86の自己インダクタンスの方が格段に大きいので、一次側から見た負荷リアクタンスの変化は小さく、二次電流I2A,I2Bの影響をそれほど受けない。このため、整合器76の出力端子から見ると、負荷インピーダンスは基本的には一次コイル86のインピーダンスとしてしか見えない。つまり、二次側の負荷回路で消費されるパワーはあたかも一次コイル86に見かけ上の抵抗が発生し、そこで消費されるパワーとして見える。したがって、この実施形態のように複数の二次コイル88,90が設けられる場合は、それぞれの二次回路96,98内で消費されるパワーに相当する一次コイル86の見かけ上の抵抗も大きくなる。つまり、二次回路96,98内で消費されるパワーにそれぞれ相当する抵抗が一次コイル86に直列に付いて、合成抵抗が2倍になる。
一般に、整合器は、負荷抵抗が大きいほど、負荷で消費されるRFパワーに比べて整合回路内の抵抗成分で消費されるパワーが小さくなり、RFパワー伝送効率がよくなる。この実施形態では、同軸アンテナ群54の各々のアンテナ58,60がそれぞれ個別の二次コイル88,90を介して一次コイル86に電気的に結合されるので、一次コイル86の負荷抵抗が大きくなり、高周波給電部62におけるRFパワー伝送効率が向上する。したがって、プラズマ負荷に供給されるRFパワーが増大し、プラズマ生成効率が向上する。
因みに、トランス部68を省いて、同軸アンテナ群54の内側アンテナ58および外側アンテナ60を整合器76の出力端子に並列接続で直結した場合は、合成負荷抵抗が約半分になり、高周波給電部62で流れる電流が倍増する。これによって、高周波給電部62(特に整合器76)内で消費されるパワーが増加し、RFパワー伝送効率は下がる。
なお、可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66は、二次回路96,98内のリアクタンスが負の値になる領域、つまり二次回路96,98内で直列共振が起きるときの静電容量よりも小さな領域を可変範囲にもつように構成および選定されるのが望ましい。
このように直列共振が起きるときの静電容量よりも小さな領域でC64,C66を可変する場合は、C64,C66の値(容量ポジション)を最小値から上げることにより、二次電流I2A,I2Bの電流値を略ゼロから徐々に増大させることが可能であり、しかもトランス部68において二次コイル88,90をそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bの向きが一次コイル86を流れる一次電流I1の向きと周回方向で同じになり、それによってトランス部68のRF伝送効率を向上させることができる。
この点、トランス部68において二次コイル88,90をそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bの向きが一次コイル86を流れる一次電流I1の向きと周回方向で逆である場合は、互いに磁界を打ち消し合って、トランス部68のRF伝送効率が悪くなる。
ただし、こういった利点は無くなるものの、直列共振が起きる静電容量よりも大きな領域で可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66の値を選定することも可能である。どちらか一方が直列共振よりも大きな値である場合は、内側アンテナ58および外側アンテナ60に逆方向の電流が流れ、プラズマの分布を大きく変化させることができる。一方、全てが直列共振よりも大きな容量であれば内側アンテナ58、外側アンテナ60の双方には同じ向きの電流が流れて、比較的均一性が良くて、効率もよいプラズマを生成することができる。

[アンテナおよびトランス部に関する実施例]
次に、この実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置に適用可能なアンテナおよびトランス部の好適な実施例を説明する。
図5に、同軸アンテナ群54において、内側アンテナ58および/または外側アンテナ60を渦巻き状コイル(スパイラルコイル)によって構成する例を示す。図示省略するが、内側アンテナ58および/または外側アンテナ60を複数ターンの円環状コイル(各一周で半径一定の同心円コイル)によって構成することも可能である。
このように、同軸アンテナ群54の各アンテナ(58,60)のターン数を多くするほど、同一の電流が流れるときの起磁力を増大させることができる。一方で、各アンテナ(58,60)を流れる二次電流(I2A,I2B)の電流値は、可変コンデンサ64,66を通じて独立に可変制御することができる。
図6に、二次回路96,98の閉ループ結線をそれぞれ逆にする構成例を示す。たとえば、図2に示す接続導体(92m,92n),(94m,94n)の上端と二次コイル(88,98)の開放端との対の接続関係もしくは接続導体(92m,92n),(94m,94n)の下端とアンテナ(58,60)の開放端との対の接続関係を相互に取り換えると、図6の電気的構成が得られる。
たとえば、後述するようなトランス部68の二次コイル88,98の間で螺旋の向きが逆である場合は、二次回路96,98のいずれか一方でこのような閉ループの逆結線構造を採ることによって、内側および外側アンテナ58,60をそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bの向きを周回方向で揃えることができる。
図7に、二次コイル88,98の少なくとも1つ(図示の例は二次コイル88)を複数巻きのコイルとする構成例を示す。
図8に、一次コイル86を複数(図示の例は2つ)のコイルセグメントに分割する構成例を示す。図示の構成例では、一次コイル86が、電気的に直列に接続され、空間的にはコイル軸方向に間隔を空けて配置された第1および第2の一次コイルセグメント86a,86bに分割されている。両二次コイル88,90は、それら2つの一次コイルセグメント86a,86bの間に配置される。かかるトランス構造によれば、一次コイル86を流れる一次電流I1によって生成される磁束が、より効率的かつより均等に、両二次コイル88,90と鎖交するようになる。
図9は、コイル軸方向において一次コイル86を挟んでその両側に二次コイル88,90を配置する構成例を示す。この構成においても、一次コイル86と両二次コイル88,90との間の電磁誘導結合の効率および均一性を向上させることができる。
図10Aは、二次回路98に可変コンデンサ66を設け、二次回路96には固定コンデンサ100を設ける構成例を示す。この場合は、内側アンテナ58を流れる二次電流I2Aの電流値を一定に保ったまま、外側アンテナ60を流れる二次電流I2Bの電流値を可変コンデンサ66の容量可変によって任意に制御し、内側アンテナ58と外側アンテナ60との間で起磁力のバランスを制御することができる。
図10Bに示すように、二次回路96に可変コンデンサ64を設け、二次回路98に固定コンデンサ102を設ける構成も可能である。この場合は、外側アンテナ60を流れる二次電流I2Bの電流値を一定に保ったまま、内側アンテナ58を流れる二次電流I2Aの電流値を可変コンデンサ64の容量可変によって任意に制御し、内側アンテナ58と外側アンテナ60との間で起磁力のバランスを制御することができる。
図11は、一次コイル86と二次コイル88,90の少なくとも1つとの距離間隔をコイル軸方向において可変調整可能とする構成例を示す。このようなコイル間隔の可変調整を行うための手段として、たとえばボールネジ機構あるいはラック&ピニオン機構(図示せず)等を用いることができる。
コアを使わないで一次コイル86と二次コイル88,90を並置する場合は、その距離間隔が一次コイル86と各二次コイル88,90との間の相互インダクタンスひいては各二次コイル88,90で発生する誘導起電力を大きく左右する。すなわち、距離間隔を小さくするほど相互インダクタンス(誘導起電力)は大きくなり、距離間隔を大きくするほど相互インダクタンス(誘導起電力)は小さくなる。
したがって、たとえば図10Aの構成例のように二次回路96に固定コンデンサ100を設ける場合は、トランス部68において一次コイル86と二次コイル88との間で距離間隔を可変することにより、二次コイル88で発生する誘導起電力E2Aを可変し、ひいては内側アンテナ58を流れる二次電流I2Aの電流値を可変することができる。
図12Aに、一次コイル86および二次コイル88,90の少なくとも1つと鎖交するたとえば棒状のコアを備える構成例を示す。図示の構成例では、一次コイル86および二次コイル88と鎖交する棒状のコア104と、一次コイル86および二次コイル90と鎖交する棒状のコア106とを突き合わせて一体化している。このように、トランス部68にコア(104,106)を備えることにより、トランス部68の磁気抵抗を少なくして、トランス68のRF伝送効率を高めることができる。
なお、トランス部68で使用されるコアは、一次コイルおよび二次コイル間の相互インダクタンスを増倍ないし増大させるために両コイルと鎖交する部材(鉄心)であり、好ましくは比透磁率が1よりも大きな材質(たとえばフェライト)からなる。
この場合、図12Bに示すように、コイル軸方向においてコア104,106を移動または変位可能に構成し、それらのコア104,106の間に形成されるギャップ108のサイズを可変することにより、トランス部68内の磁気抵抗ないし相互インダクタンスを調整することができる。
図13には、一次コイル86および二次コイル88,90の全部と鎖交するリング状または無端状のコア110を備える構成例を示す。
図14に、同軸アンテナ群54において内側アンテナ58と外側アンテナ60との間に中間アンテナ59を配置する構成例を示す。この場合、中間アンテナ59に電気的に接続されて閉ループの二次回路97を形成する二次コイル89は、トランス部68において他の二次コイル88,90と並んで一次コイル86に近接して配置される。二次回路97内にはコンデンサたとえば可変コンデンサ65が設けられる。
このように、内側アンテナ58と外側アンテナ60との間に中間アンテナ59を配置する場合は、中間アンテナ59に流れる二次電流I2Cを内側アンテナ58および外側アンテナ60をそれぞれ流れる二次電流I2A,I2Bの1/10以下に選定することにより、チャンバ10内の直下に生成されるドーナツ状プラズマ内のプラズマ密度を良好に均一化できることが実験で確かめられている。
これは、中間アンテナ59が無い場合でも、内側アンテナ58および外側アンテナ60のそれぞれの直下位置付近で生成されたプラズマが径方向において拡散するので、図3に示すように両アンテナ58,60の中間領域でも相当の密度でプラズマが存在するためである。そこで、両アンテナ58,60とは別に中間アンテナ59に少量(たとえば0.4〜1.5A程度)の二次電流I2Cを周回方向で他のアンテナ58,60を流れる二次電流I2A,I2Bと同じ向きに流すと、中間アンテナ59の直下位置付近で誘導結合プラズマの生成が程良く増強され、プラズマ密度が径方向で均一になる。
このように中間アンテナ59に流れる二次電流I2Cの電流値を相当小さな値に制御することは、二次回路97内のリアクタンスが負の大きな値をもつように、可変コンデンサ65の静電容量C65を二次回路97内で直列共振が起こるときの静電容量よりも小さな領域内の最小値付近で調節すればよい。
図15Aに、同軸アンテナ群54において外側アンテナ60を周回方向で複数(この例では2つ)のアンテナセグメント60L,60Rに分割し、トランス部68において外側アンテナ60に対応する複数(2つ)の二次コイル90L,90Rを設ける構成例を示す。図示のように、これらのアンテナセグメント60L,60Rは、それぞれ半円の円弧状に形成されていて、空間的には方位角方向で1つの円を形成するように直列に配置されている。
この場合は、図15Bに示すように、2つのアンテナセグメント60L,60Rおよび2つの二次コイル90L,90Rの間で1つの閉ループの二次回路112が形成されるように、アンテナセグメント60L,60Rと二次コイル90L,90Rとを襷掛けで電気的に接続する構成を採ることができる。この二次回路112には、その閉ループ内の任意の位置に1つまたは複数(図示の例は2つ)のコンデンサ66L,66Rが設けられ、少なくともその中の1つ(図示の例はコンデンサ66L)が可変コンデンサであるのが望ましい。
あるいは、図15Cに示すように、一方のアンテナセグメント60Lと一方の二次コイル90Lとの間で独立した閉ループの二次回路112Lが形成されるように両者を電気的に接続し、他方のアンテナセグメント60Rと他方の二次コイル90Rとの間で独立した閉ループの二次回路112Rが形成されるように両者を電気的に接続する構成を採ることもできる。
このように、全長の最も大きい外側アンテナ60を複数のアンテナセグメント60L,60Bに分割する構成においては、外側アンテナ60内の波長効果や電圧降下は個々のアンテナセグメント60L,60B毎にその長さに依存する。したがって、個々のアンテナセグメント60L,60B内で波長効果を起こさないように、そして電圧降下があまり大きくならないように、個々のアンテナセグメント60L,60Bの長さを選定することによって、外側アンテナ60内の波長効果や電圧降下の問題を解決することができる。なお、内側アンテナ58を複数のアンテナセグメントに分割する構成も可能である。

[オートマッチング機構に関する実施例]
次に、この実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置に適用可能なオートマッチング機構に関する実施例を説明する。
図16に、上記誘導結合型プラズマ処理装置(図1)に通常のオートマッチング機構を搭載する例を示す。この構成例において、整合器76内の整合回路には、可変リアクタンス素子として、高周波電源74に対して負荷と並列および直列にそれぞれ接続される2つの可変コンデンサ120,122が設けられる。ここで、負荷と並列に接続される可変コンデンサ120の静電容量C120は、負荷側インピーダンスの絶対値を可変調整するのに支配的に作用する。一方、負荷と直列に接続される可変コンデンサ122の静電容量C122は、負荷側インピーダンスの位相(RF電圧とRF電流の位相差)を可変調整するのに支配的に作用する。
高周波電源74と整合器76との間には、プラズマ負荷からの反射波のパワーを測定するための反射波センサ124が設けられている。この反射波センサ124の出力はオートマッチング用のコントローラ126に与えられる。コントローラ126は、可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66の調整により、あるいはプラズマ処理中の圧力変動などにより二次回路96,98内のインピーダンスが変わっても、常に反射波センサ124の出力(反射波パワー測定値)が最小になるように、すなわち整合がとれるように、両可変コンデンサ120,122の静電容量(容量ポジション)C120,C122をステッピングモータ(図示せず)等を介して可変するようになっている。
図17A,図17Bおよび図17Cに、本発明の実施例によるオートマッチング機構を示す。この実施例によるオートマッチング機構の特徴は、オートマッチング用のコントローラ126に、二次電流調整用の容量可変部70,72の機能を兼務または肩代わりさせる構成にある。別な見方をすれば、二次電流調整用の可変コンデンサ64,66に整合器76内のマッチング機能の一部または全部を兼務または肩代わりさせる構成にある。
上記のように、この実施形態の誘導結合型プラズマ処理装置(図1)では、誘導結合プラズマを生成するための複数のアンテナ58,60がそれぞれ個別の二次コイル88,90を介して高周波給電部62側の一次コイル86に電気的に結合されるので、それらのアンテナ58,60で生じる負荷抵抗が一次側からみるとそれぞれ個別に一次コイル86の負荷抵抗として加算される。したがって、プラズマ負荷抵抗を大きな値に見立てて、オートマッチングの調整を行うことが可能であり、整合器76内のリアクタンス可変能力または精度を軽減することができる。
このことから、この実施例においては、オートマッチング用のコントローラ126に上記容量可変部70,72(図1)の機能を兼務または肩代わりさせる。
具体的には、図17Aに示すように、主として負荷側インピーダンスの絶対値を可変調整するための可変コンデンサ120を固定コンデンサ128に置き換える。そして、二次回路96,98内の可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66および整合器76内の可変コンデンサ122の静電容量C122をコントローラ126により可変制御して、二次電流I2A,I2Bの調整とオートマッチングの調整とを同時に行う。
あるいは、図17Bに示すように、主として負荷側インピーダンスの位相を可変調整するための可変コンデンサ122を固定コンデンサ130に置き換える。そして、二次回路96,98内の可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66および整合器76内の可変コンデンサ120の静電容量C120をコントローラ126により可変制御して、二次電流I2A,I2Bの調整とオートマッチングの調整とを同時に行うようにすることもできる。
さらには、図17Cに示すように、整合器76内において両可変コンデンサ120,122をそれぞれ固定コンデンサ128,130に置き換える。そして、二次回路96,98内の可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66をコントローラ126により可変制御して、二次電流I2A,I2Bの調整とオートマッチングの調整とを同時に行うことも可能である。
なお、反射波センサ124の代わりにインピーダンス測定器を使用し、そのインピーダンス測定器によって測定される負荷側インピーダンスが整合点(50Ω)に一致または近似するように、コントローラ126により整合器76内の可変コンデンサ120,122の静電容量C120,C122および/または可変コンデンサ64,66の静電容量C64,C66を可変制御する形態を採ることも可能である。

[他の実施形態または変形例]
上述した実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置(図1、図2)は、トランス部68をアンテナ室56内に設けた。しかし、トランス部68をアンテナ室56の外に設けることも可能である。また、一次コイル86および/または二次コイル88,90を配置する姿勢または向きも任意に選べる。
上記実施形態における誘導結合型プラズマ処理装置は、同軸アンテナ群54とトランス部68との間に形成される全ての二次回路96,98にコンデンサ64(100),66(102)を設けた。しかし、たとえば、トランス部68の一次コイル86および二次コイル88,90をそれぞれ複数巻きにして、二次コイル88,90にタップ切換器を付ける構成(タップ切換で二次電流I2A,I2Bを調節する構成)により、二次回路96,98の少なくとも1つまたは全部でコンデンサを省く構成も可能である。
本発明におけるアンテナのループ形状は円形に限るものではなく、たとえば四角形、あるいは三角形などであってもよい。複数のアンテナが非同軸に配置されてもよい。アンテナまたはアンテナセグメントの断面形状は矩形、円形、楕円形など任意でよく、単線に限らず撚線であってもよい。
また、アンテナ全体の配置形態として、平面型以外のタイプたとえばドーム型等も可能であり、さらには誘電体からなる側壁を有するチャンバにおいてはその側壁の周囲に配置する構成も可能である。
処理ガス供給部においては、チャンバ10内に天井から処理ガスを導入する構成も可能である。また、サセプタ12に直流バイアス制御用の高周波RFLを印加しない形態も可能である。
さらに、本発明による誘導結合型のプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法は、プラズマエッチングの技術分野に限定されず、プラズマCVD、プラズマ酸化、プラズマ窒化、スパッタリングなどの他のプラズマプロセスにも適用可能である。また、本発明における被処理基板は半導体ウエハに限るものではなく、フラットパネルディスプレイ用の各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等も可能である。
10 チャンバ
12 サセプタ
24 排気装置
52 誘電体窓
54 同軸アンテナ群
58 内側アンテナ
59 中間アンテナ
60 外側アンテナ
60L,60R アンテナセグメント
62 高周波給電部
64,66 可変コンデンサ
68 トランス部
70,72 容量可変部
74 (プラズマ生成用)高周波電源
76 整合器
86 一次コイル
88,90 二次コイル
96,97,98 二次回路
100,102 固定コンデンサ
104,106,110 コア
120,122 可変コンデンサ
124 反射波センサ
126 コントローラ
128,130 固定コンデンサ

Claims (16)

  1. 誘電体窓を有する処理容器と、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記被処理基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために前記誘電体窓の外に設けられる複数のアンテナと、
    前記処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記複数のアンテナに供給する高周波電源および整合器を有する高周波給電部と、
    前記高周波給電部の終端に設けられる一次コイルと、
    各々が個別に前記一次コイルと電磁誘導により一定の相互インダクタンスで結合可能であり、各々が対応する前記アンテナに電気的に接続され独立した閉ループの二次回路を形成する複数の二次コイルと、
    全ての前記二次回路に設けられ、当該二次回路内で直列共振を起こす静電容量よりも小さな領域と大きな領域とを可変範囲にもつ可変の静電容量を有する可変コンデンサと、
    各々の前記可変コンデンサの静電容量を可変し、前記二次回路を流れる電流の向きを制御する容量可変部と
    を有するプラズマ処理装置。
  2. 前記複数のアンテナが、異なる径を有し、同軸に配置される、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記複数のアンテナが、同一の平面上に配置される、請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記複数のアンテナが、径方向に間隔を空けてそれぞれ内側および外側にそれぞれ配置される内側アンテナおよび外側アンテナを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記外側アンテナが、空間的には周回方向で1つの円を形成するように直列に配置され、電気的には個別の閉ループを形成するように複数の前記二次コイルにそれぞれ接続される複数のアンテナセグメントを有する、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記外側アンテナが、空間的には周回方向で1つの円を形成するように直列に配置され、電気的には共通の閉ループを形成するように複数の前記二次コイルにそれぞれ接続される複数のアンテナセグメントを有する、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記複数の二次コイルが、コイル軸方向において前記一次コイルの片側に並んで配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記複数の二次コイルが、コイル軸方向において前記一次コイルを挟んでその両側に配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記一次コイルが、電気的に直列に接続され、空間的にはコイル軸方向に間隔を空けて配置された第1および第2の一次コイルセグメントを有し、
    前記複数の二次コイルが、コイル軸方向において前記第1および第2の一次コイルセグメントの間に配置される、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  10. 比透磁率が1より大きな材質で形成され、前記一次コイルおよび少なくとも1つの前記二次コイルと鎖交するコアを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  11. 比透磁率が1より大きな材質で形成され、前記一次コイルおよび前記複数の二次コイルの全部と鎖交する無端状のコアを有する、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記複数の二次コイルをそれぞれ流れる電流および前記一次コイルを流れる電流の全てが周回方向で同じ向きである、請求項1〜11のいずれか一項記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記高周波給電部が、
    前記整合器内に設けられる少なくとも1つの可変コンデンサと、
    前記高周波電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとの間で整合がとれるように、前記整合器内の可変コンデンサの静電容量を可変する整合制御部と
    を有する、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記整合制御部が、前記高周波電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとの間で整合がとれるように、前記整合器内の可変コンデンサおよび前記二次回路内の可変コンデンサのそれぞれの静電容量を可変する、請求項13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 誘電体窓を有する処理容器と、
    前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、
    前記被処理基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、
    前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために前記誘電体窓の外に設けられる複数のアンテナと、
    前記処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記複数のアンテナに供給する高周波電源および整合器を有する高周波給電部と、
    前記高周波給電部の終端に設けられる一次コイルと、
    各々が個別に前記一次コイルと電磁誘導により一定の相互インダクタンスで結合可能であり、各々が対応する前記アンテナに電気的に接続され独立した閉ループの二次回路を形成する複数の二次コイルと、
    少なくとも1つの前記二次回路に設けられ、当該二次回路内で直列共振を起こす静電容量よりも小さな領域と大きな領域とを可変範囲にもつ可変の静電容量を有する可変コンデンサと、
    各々の前記可変コンデンサの静電容量を可変し、当該二次回路を流れる電流の向きを制御する容量可変部と
    を有するプラズマ処理装置。
  16. 誘電体窓を有する処理容器と、前記処理容器内で被処理基板を保持する基板保持部と、前記被処理基板に所望のプラズマ処理を施すために、前記処理容器内に所望の処理ガスを供給する処理ガス供給部と、前記処理容器内で誘導結合により処理ガスのプラズマを生成するために前記誘電体窓の外に設けられる複数のアンテナと、前記処理ガスの高周波放電に適した周波数の高周波電力を前記複数のアンテナに供給する高周波電源および整合器を有する高周波給電部とを有するプラズマ処理装置において前記基板に所望のプラズマ処理を施すプラズマ処理方法であって、
    前記高周波給電部の終端に一次コイルを設けるとともに、各々が個別に前記一次コイルと電磁誘導により一定の相互インダクタンスで結合可能であり、各々が対応する前記アンテナに電気的に接続され独立した閉ループの二次回路を形成する複数の二次コイルを設け、さらには全ての前記二次回路に当該二次回路内で直列共振を起こす静電容量よりも小さな領域と大きな領域とを可変範囲にもつ可変の静電容量を有する可変コンデンサを設けるとともに、各々の前記可変コンデンサの静電容量を可変し、当該二次回路を流れる電流の向きを制御する容量可変部を備え、
    前記容量可変部により前記可変コンデンサの静電容量を選定または可変制御して、前記基板上のプラズマ密度分布を制御するプラズマ処理方法。
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