JP6782074B2 - ルミカン産生促進剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法。 - Google Patents

ルミカン産生促進剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法。 Download PDF

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Description

本発明は、ルミカン産生促進剤およびそれを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法に関するものである。
鶏卵をはじめとする鳥卵は、動物性蛋白質からなる栄養食品として、古くから人類に貢献している。しかし、鳥卵のうち、可食されるのは卵白部、卵黄部に限られており、卵殻やその内側の卵殻膜は一般に廃棄されているため、これらを有効利用する方法について、様々な研究が進んでいる。
なかでも、卵殻膜は、以前より、皮膚の傷に対する治癒効果や保湿効果が知られており、化粧品や医薬品への応用が期待されているが、卵殻膜自体は水にも溶剤にも不溶性であることから、これを、まずアルカリや酵素によって加水分解し、可溶化して化粧品等に含有させる技術がいくつか提案されている(特許文献1、2等を参照)。
しかしながら、従来知られている可溶化した加水分解卵殻膜は、その多くが分子量13×10〜14×10という、比較的大きな分子量のものであるため、皮膚への浸透性が充分ではなく、皮膚に対し期待される程の優れた効果を発現するには至っていないのが実情である。
これに対し、最近、ゲルろ過法による測定で分子量6000〜8000の範囲の加水分解卵殻膜を提供する技術が提案されており(特許文献3を参照)、このような比較的分子量の小さな加水分解卵殻膜が、皮膚のハリや弾力に寄与するコラーゲンの産生促進に関与するのではないか、と期待されている。また、優れた肌荒れ補修効果を奏する皮膚外用剤として、このような加水分解卵殻膜とコラーゲン等とを組み合わせたものが提案されている(特許文献4等を参照)。
特開平4−148649号公報 特開2008−7419号公報 特許第2807105号公報 特開2002−212069号公報
ところで、本出願人らの研究によれば、皮膚を、ハリや弾力、保湿力等に優れた健全な状態に維持するには、皮膚の真皮中で、コラーゲンがつぎつぎと産生され、その産生されたコラーゲンが規則的に並んでコラーゲン線維束として形成されることによって皮膚の状態が整えられ、その後、つぎつぎとコラーゲン線維が分解されてその断片的なコラーゲンが細胞中に取り込まれる、という一連のコラーゲン線維のターンオーバー(周期的な分解と再生)が円滑に繰り返されることが重要であることがわかってきた。
そして、例えば何らかの原因で上記コラーゲン線維のターンオーバーの円滑な進行が妨げられ、皮膚が荒れた状態になった場合、これを補修して健全な状態に再生することを効率よく進行させるには、産生もしくは吸収されたコラーゲンを、列状に整然と並んだコラーゲン線維束に形成することが重要であることが判明した。
ここで、コラーゲンを整列させてコラーゲン線維束を形成させる作用を果たす体内物質としてルミカン(Lumican)が知られているが、コラーゲン線維のターンオーバーサイクルを円滑に循環させ、皮膚の再生をより効率的に行うためには、ルミカンの産生を促進させる、あるいはルミカン様作用を示す物質を摂取することが重要であるものの、このような目的を果たすための物質については、充分に知られていないのが実情である。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、真皮中においてコラーゲン線維束の形成に寄与するルミカンの産生を促進する性能を備えた特殊な加水分解卵殻膜を用いたルミカン産生促進剤と、それを用いた皮膚外用剤、飲食品、並びに美容方法の提供を、その目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にある加水分解卵殻膜を含有するルミカン産生促進剤を第1の要旨とする。
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記加水分解卵殻膜が、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量が10000以上の分画に1〜30%含まれるものであるルミカン産生促進剤を第2の要旨とし、それらのなかでも、特に、上記加水分解卵殻膜の、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量100〜5500の分画に含まれるもののうち、その70〜100%が分子量3000以下の分画に含まれるものであるルミカン産生促進剤を第3の要旨とする。
さらに、本発明は、上記第1〜第3のいずれかの要旨であるルミカン産生促進剤を含有する皮膚外用剤を第4の要旨とし、同じく上記ルミカン産生促進剤を含有する飲食品を第5の要旨とする。
そして、本発明は、上記第5の要旨である飲食品を経口摂取させる美容方法を第6の要旨とする。
すなわち、本発明のルミカン産生促進剤は、加水分解卵殻膜のなかでも、特に、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量の最大ピーク値が150〜5500という、従来知られているものに比べて大幅に小さい分子量特性を有していることが大きな特徴である。
上記ルミカン産生促進剤によれば、上記特殊な加水分解卵殻膜が、真皮中においてコラーゲン線維束の形成や整列に寄与するルミカンの産生を促進する作用を有するため、例えば何らかの原因でコラーゲン線維のターンオーバーの円滑な進行が妨げられ、皮膚が荒れた状態になっていても、上記ルミカンの産生促進によって、真皮中で産生された、あるいは外部から吸収されたコラーゲンを、効率よく、列状に整然と並んだコラーゲン線維束に形成することができる。コラーゲン線維束の形成は、コラーゲンのターンオーバーを構成する現象のひとつであるが、コラーゲン線維束の形成がスムーズに進むことにより、コラーゲンのターンオーバーが円滑に進行し、ハリ、弾力のある健全な皮膚状態を取り戻すことができる。
なお、加水分解卵殻膜が、真皮中において、コラーゲン線維のターンオーバーの円滑な進行を促進する作用のメカニズムについては、本発明者らが初めて突き止めたものであり、本発明のように、特定の加水分解卵殻膜が、コラーゲン線維束の形成と整列に関与する物質であるルミカンの産生促進作用を有すること以外に、加水分解卵殻膜の種類によっては、コラーゲンの産生に関与するI型コラーゲンの産生促進作用を有することや、コラーゲン線維の分解に関与する物質であるMMP−1の産生促進作用を有すること、分解された断片化コラーゲンの細胞内への取り込みに関与する物質であるEndo180の産生促進作用を有すること等が確認されている。したがって、本発明のルミカン産生促進剤も、用いる加水分解卵殻膜の種類によっては、I型コラーゲンの産生促進作用、MMP−1の産生促進作用、Endo180の産生促進作用のいずれかとの相乗効果を奏しうるのであり、その場合は、より一層、皮膚に対し優れた補修、再生効果を期待することができると考えられる。
そして、本発明のなかでも、特に、上記加水分解卵殻膜が、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量が10000以上の分画に1〜30%含まれるものであると、とりわけ優れたルミカン産生促進効果を奏し、好適である。
また、本発明のなかでも、特に、上記加水分解卵殻膜の、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量100〜5500の分画に含まれるもののうち、その70〜100%が分子量3000以下の分画に含まれるものであると、より一層優れたルミカン産生促進効果を奏し、好適である。
さらに、本発明の皮膚外用剤によれば、皮膚からルミカン産生促進剤を効果的に摂取することができ、好適である。
また、本発明の飲食品によれば、経口でルミカン産生促進剤を効果的に摂取することができ、好適である。
そして、本発明の美容方法によれば、ルミカン産生促進剤を含有する本発明の飲食品を経口摂取するだけで、優れた美容効果を得ることができ、好適である。
つぎに、本発明の実施の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定するものではない。
本発明のルミカン産生促進剤は、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にある加水分解卵殻膜を含有するものである。
上記加水分解卵殻膜とは、鳥類の卵の、卵殻の内側にある卵殻膜(外卵殻膜および/または内卵殻膜)を加水分解して、水等の液体への溶解性または乳化性を向上させたものであり、その加水分解の方法としては、アルカリ加水分解法、酸加水分解法、酵素加水分解法がある。
上記アルカリ加水分解法は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリを用いて卵殻膜の加水分解を行うものである。また、酸加水分解法は、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等の酸を用いて卵殻膜の加水分解を行うものである。酵素加水分解法は、蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)を用いて卵殻膜の加水分解を行うものであり、蛋白質分解酵素の由来は、植物、微生物、動物等のいずれでもよい。上記蛋白質分解酵素としては、パパイン、ブロメライン、パンクレアチン、レンニン、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、セリンプロテアーゼ、バシロライシン、ロイシルアミノペプチターゼ、ケラチナーゼ等があげられる。加水分解は、これらの方法のうち、単独の方法を用いても、2種以上の方法を組み合わせてもよいが、とりわけ、酵素加水分解法を用いて得られた加水分解卵殻膜が、効果の点で好適である。
なお、上記酵素加水分解法に用いられる酵素は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、植物由来蛋白質分解酵素と動物由来蛋白質分解酵素とを組み合わせてもよい。また、酵素を組み合わせて用いる場合、1種類の酵素で加水分解した後、別の酵素でさらに加水分解してもよいし、2種以上の酵素で同時に加水分解処理を行ってもよい。
卵殻膜の酵素加水分解法の一例を、以下に示す。すなわち、まず、卵殻膜1重量部に対し精製水1.5〜2重量部を加える。そして、蛋白質分解酵素を加え、pH6〜10の間で、30〜60℃、20〜30時間の反応を行った後、95℃で10分間加熱し、酵素を失活させる。そして、分解液をろ過し、ろ液1重量部に対しエタノール2重量部を添加する。静置後の上清を回収し、さらにろ過して得られるろ液を濃縮することにより、目的とする加水分解卵殻膜を得ることができる。
本発明で用いられる加水分解卵殻膜は、前述のとおり、ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にあるものである。すなわち、優れたルミカン産生促進作用を備えるためには、このような分子量特性を有することが重要であり、分子量の最大ピーク値が上記の範囲から外れるものは、効果的なルミカン産生促進作用を期待することが難しい。
このような分子量特性を得るには、卵殻膜の加水分解条件を調整してもよいし、分子量の最大ピーク値が他の範囲を有し、150〜5500の範囲にもピークを有するものにおいて、その他の、不要な範囲のものを分画・除去するようにしてもよい。
なお、本発明において、上記「ゲルろ過クロマトグラフィー」とは、HPLCによるものであり、より具体的な条件の一例を以下に示す。
<ゲルろ過クロマトグラフィーの測定条件>
検出器:紫外吸光光度計(214nm)
カラム:Superdex Peptide HR10/30(GEヘルスケア・ジャパン社製)
カラム温度:25℃
移動相:25mM トリス塩酸バッファー(pH7.5)、150mM NaCl
流量:0.5mL/min
流入量:50μL
分析周期:60min
スタンダード:Gel Filtration Calibration Kit LMW(低分子用、GEヘルスケア・ジャパン社製)、ヘキサグリシン(分子量360)、トリグリシン(分子量189)およびグリシン(分子量75)
また、本発明において、ルミカン産生促進作用の有無は、例えば、被験物質を含む培地で線維芽細胞を培養した後、培地中に含まれるルミカン量を、ELISA法等により定量することによって、確認することができる。
そして、上記加水分解卵殻膜のなかでも、特に、分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にあることに加えて、分子量が10000以上の分画に1〜30%、より好ましくは1〜25%、さらに好ましくは5〜20%含まれるものは、とりわけルミカン産生促進作用に優れており、好適である。
また、同様に、上記加水分解卵殻膜のなかでも、特に、分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にあることに加えて、その、分子量100〜5500の範囲内にあるもののうち、70〜100%、より好ましくは80〜100%、さらに好ましくは85〜100%が、分子量3000以下の分画に含まれるものである場合、とりわけルミカン産生促進作用に優れており、好適である。
そして、上記加水分解卵殻膜は、ルミカン産生促進剤全体に対し、0.00001〜5重量%、なかでも、0.0001〜2重量%含有させることが好適である。さらに好適には、0.001〜1重量%である。加水分解卵殻膜が上記の範囲よりも少ないと、充分な効果が得られないおそれがあり、逆に、上記の範囲を超えると、系の安定性が損なわれる等、製剤化において支障をきたす可能性がある。
また、本発明のルミカン産生促進剤には、必須成分である上記加水分解卵殻膜の他、必要に応じて各種の任意成分を配合することができる。例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーンオイル、ワックス、アルコール類、天然抽出物、蛋白質加水分解物(本発明の必須成分である加水分解卵殻膜を除く)、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、キレート剤、保湿剤、乳化剤、ビタミン剤、各種美白成分、顔料、染料、香料等があげられる。
本発明のルミカン産生促進剤は、これらの材料を用い、用途に応じて、各種の剤形に製剤することができる。例えば、精製水や純水の水溶液や、低級アルコール、多価アルコール等と水との混合溶液の形で用いることができる。また、油性成分と水性成分とを乳化したクリーム状の形にすることができる。さらに、ゼリー状にしたり、固形化して所定形状に賦形したり、顆粒状や粉末状にしたりすることもできる。
このようにして得られるルミカン産生促進剤は、従来知られていなかった、ルミカン産生促進作用を有する特定の加水分解卵殻膜を含有するものであるため、これを皮膚に付与したり経口摂取させたりすると、例えば何らかの原因でコラーゲン線維のターンオーバーの円滑な進行が妨げられ、皮膚が荒れた状態になっていても、ルミカンの産生が促進されることによって、真皮中で産生された、あるいは外部から吸収されたコラーゲンを、効率よく、列状に整然と並んだコラーゲン線維束に形成することができる。このことが、コラーゲン線維のターンオーバーの円滑な進行につながり、弾力のある健全な皮膚状態を取り戻すことができる。
また、ルミカン産生促進剤において用いられる加水分解卵殻膜の種類によっては、ルミカンの産生促進作用を有するだけでなく、前述のように、I型コラーゲンの産生促進作用、MMP−1の産生促進作用、Endo180の産生促進作用等との相乗効果が発揮されて、コラーゲンのターンオーバーがより効率的に進行することで、より一層、皮膚への優れた効果を得ることができる。
上記I型コラーゲンの産生促進作用とMMP−1の産生促進作用の有無については、例えば、前記ルミカン産生促進作用の有無の確認方法と同様の手法によって確認することができる。また、上記Endo180の産生促進作用の有無については、例えば、被験物質を含む培地で線維芽細胞を培養した後、培地を除いて回収された細胞懸濁液に含まれるEndo180量を、ELISA法等により定量することにより確認することができる。
なお、本発明のルミカン産生促進剤を皮膚外用剤の成分として含有させることによって、ルミカン産生促進効果に優れた皮膚外用剤(化粧料等を含む)を得ることができる。このような皮膚外用剤としては、溶液状、乳液状、クリーム状、ローション状、ペースト状、ムース状、ジェル状、エアゾール状、スプレー状等、どのような形態の外用剤であってもよい。あるいは、液状やクリーム状等のルミカン産生促進剤を、別に用意したシート基材に担持させたものであってもよい。また、ルミカン産生促進剤自体をシート状に成形したものであってもよい。さらに、ルミカン産生促進剤そのものの場合と同様、固形化して所定形状に賦形したり、顆粒状や粉末状にしたりして用いることもできる。
また、本発明のルミカン産生促進剤を飲食品の成分として含有させることによって、ルミカン産生促進効果に優れた飲食品を得ることができる。このような飲食品としては、パン、麺、食肉加工食品、水産加工食品、ドレッシング等の調味料、乳製品、菓子、スープ、ジュース等、どのような種類の飲料品、食料品であってもよい。また、一般的な飲食品だけでなく、サプリメントや栄養ドリンク剤、特定保健用食品(いわゆる「トクホ」品)等の健康食品や、経口摂取する医薬品・医薬部外品にも適用することができる。
なお、これらの皮膚外用剤や飲食品におけるルミカン産生促進剤の含有割合は、最終的な製品中においてルミカン産生促進作用が発現されるような加水分解卵殻膜の含有割合となるよう調整することが好適である。
そして、上記ルミカン産生促進剤が含有された飲食品を経口で摂取させることにより、優れた美容効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例について、比較例と併せて詳細に説明する。
〔実施例1〜3、比較例1〕
ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量特性が、後記の表1に示されるように異なる加水分解卵殻膜を準備し、それぞれを、精製水を用いて濃度10mg/mlの水溶液とした。これらのサンプルに対し、そのルミカン産生促進作用、MMP−1産生促進作用、I型コラーゲン産生促進作用、Endo180産生促進作用の有無を評価するために、以下の手順にしたがって各物質の産生量を測定した。そして、測定結果から、◎…顕著な作用を有する、〇…顕著とまではいかないが良好な作用を有する、△…作用がない、×…促進を阻害する、の4段階で評価を行い、それらの結果を、後記の表1に併せて示す。
<ルミカンの測定方法>
ヒト線維芽細胞NHDF(NB)(クラボウ社製)をセミコンフルエントまで培養し、継代操作にて12ウェルプレートに1.0×10cells/wellとなるように播種し、72時間培養した。そして、血清を含まないダルベッコ改変イーグル培地(DMEM培地)にて調製した試験培地へ交換し、3日間培養した後、その培地を回収し、回収した培地中に含まれるルミカン量を、Lumican ELISA Kit,Human(UCSN LifeScience社製)あるいはLumican ELISA Kit,Human(Cusabio社製)を用いたELISA法にて測定した。試験はn=3で実施した。
<MMP−1の測定方法>
ルミカン測定方法のELISA Kitを「Human Total MMP−1 DuoSet ELISA Kit(R&D Systems社製)」に代えて、同様の測定を行った。試験はn=3で実施した。
<I型コラーゲンの測定方法>
ルミカン測定方法のELISA Kitを「Pro−Collagen I alpha1 Duoset ELISA Kit(R&D Systems社製)」に代えて、同様の測定を行った。試験はn=3で実施した。
<Endo180の測定方法>
ヒト線維芽細胞NHDF(NB)(クラボウ社製)をセミコンフルエントまで培養し、継代操作にて12ウェルプレートに1.0×10cells/wellとなるように播種し、72時間培養した。そして、血清を含まないDMEM培地にて調製した試験培地へ交換し、3日間培養した後、培地を除き、リン酸緩衝食塩水(PBS)にて細胞を洗浄した。その後、M−PER(登録商標):Mammalian Protein Extraction Reagent(Thermo Fisher Scientific社製)に、終濃度1%(v/v)となるようにProtease inhibitor cocktail(Thermo Fisher Scientific社製)を配合し混合した液を200μl/well添加し、セルスクレーパー(ビーエム機器社製)等で細胞懸濁液を回収した。回収した細胞懸濁液に含まれるEndo180量を、C−type mannose receptor2 ELISA Kit(Cusabio社製)を用いたELISA法にて測定した。試験はn=3で実施した。
Figure 0006782074
上記の結果から、実施例1〜3品は、いずれも優れたルミカン産生促進作用を有し、しかも他のコラーゲン線維のターンオーバーの円滑化に作用する各物質の産生促進作用を兼ね備えていることがわかる。これに対し、比較例1品は、ルミカン産生促進作用が確認できなかった。
本発明は、荒れた皮膚の補修や再生のために用いられるルミカン産生促進剤、あるいはこれを含有する皮膚外用剤、飲食品、さらには、上記飲食品を経口摂取する美容方法として、広く利用することができる。

Claims (5)

  1. ゲルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量が10000以上の分画に1〜30%含まれ、かつ分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にある加水分解卵殻膜を含有することを特徴とするルミカン産生促進剤(但し、抗酸化作用又はDNA損傷抑制作用に基づく抗老化剤を除く)
  2. ルろ過クロマトグラフィーによって測定される分子量100〜5500の分画に含まれるもののうち、その70〜100%が分子量3000以下の分画に含まれ、かつ分子量の最大ピーク値が150〜5500の範囲にある加水分解卵殻膜を含有することを特徴とするルミカン産生促進剤(但し、抗酸化作用又はDNA損傷抑制作用に基づく抗老化剤を除く)
  3. 請求項1または2に記載のルミカン産生促進剤を含有することを特徴とするルミカン産生促進用皮膚外用剤。
  4. 請求項1または2に記載のルミカン産生促進剤を含有することを特徴とするルミカン産生促進用飲食品。
  5. 請求項4記載のルミカン産生促進用飲食品を経口摂取させ、ルミカンの産生を促進することを特徴とする美容方法。
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