JP2014040402A - ヒアルロン酸産生促進剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全に用いることができる新規なヒアルロン酸産生促進剤を提供すること。
【解決手段】卵殻膜を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
【選択図】なし
【解決手段】卵殻膜を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヒアルロン酸産生促進剤に関するものである。
ヒアルロン酸は、皮膚、軟骨、関節液、臍帯、眼硝子体、その他の結合組織に存在するムコ多糖の一種である。ヒアルロン酸は、細胞間の間隙に充填されることにより細胞を保持する機能を有し、さらに細胞間隙への水分の保持、組織への潤滑性や柔軟性の付与、機械的障害等の外力に対する抵抗等、数多くの機能を有している。
関節液に含まれるヒアルロン酸は、関節軟骨の表面を覆い、ヒアルロン酸が有する潤滑機能、軟骨に対する被覆・保護機能等により、関節の円滑な作動に役立っている。一方、慢性関節リウマチ等の関節炎において、関節液におけるヒアルロン酸の濃度が低下していることが知られており、慢性関節リウマチ患者や他の関節炎患者に対するヒアルロン酸の関節注入により改善が認められることが報告されている。しかし、ヒアルロン酸を外から与えても根本的機能改善にはならない。このため、単にヒアルロン酸そのものを外から補給するのではなく、本来備え持っている生体の自己回復力を利用してヒアルロン酸産生能を促進させる物質の開発が期待されている。
卵殻膜は鶏卵等の殻の内側にある薄膜であり、化粧品原料、食品原料、線維原料、医薬品原料等に利用されている。例えば、非特許文献1,2には、卵殻膜の経口投与が関節疾患患者の痛みを軽減することが報告されている。しかし、卵殻膜が細胞のヒアルロン酸産生を促進することは報告されていない。
Clinical Rheumatology (2009) 28, 907-914
Clinical Interventions in Aging (2009) 4, 235-240
本発明は、安全に用いることができる新規なヒアルロン酸産生促進剤を提供することを課題とする。
本発明は上記の課題を解決するために以下の各発明を包含する。
[1]卵殻膜を有効成分として含有するヒアルロン酸産生促進剤。
[2]卵殻膜が卵殻膜粉末または加水分解卵殻膜である前記[1]に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
[3]経口投与用である前記[1]または[2]に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
[4]ヒアルロン酸産生促進剤を製造するための卵殻膜の使用。
[1]卵殻膜を有効成分として含有するヒアルロン酸産生促進剤。
[2]卵殻膜が卵殻膜粉末または加水分解卵殻膜である前記[1]に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
[3]経口投与用である前記[1]または[2]に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
[4]ヒアルロン酸産生促進剤を製造するための卵殻膜の使用。
本発明により、新規なヒアルロン酸産生促進剤を提供することができる。有効成分である卵殻膜は、天然物由来の安全なものであるので、日常的に摂取可能な飲食品、医薬、飼料等として広く使用が可能である。
本発明は、卵殻膜を有効成分として含有することを特徴とするヒアルロン酸産生促進剤を提供する。本発明者らは、軟骨前駆細胞株であるATDC5の培地に卵殻膜粉末または加水分解卵殻膜を添加するとヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS2)のmRNA量が増加し、培地中のヒアルロン酸濃度が上昇することを見出した。
卵殻膜は鳥類の卵の外殻の内側に存在する薄膜であり、エラスチン様タンパク質とコラーゲンを含む繊維状の不溶性タンパク質を主成分とする。本発明に用いる卵殻膜は特に限定されず、鶏、あひる、がちょう、うずら等のいずれの卵殻膜も好適に用いることができるが、入手の容易な鶏卵の卵殻膜を用いることが好ましい。
卵殻膜は、割卵後の卵殻から剥がすことで得られる。得られた卵殻膜をさらに洗浄し、卵白、卵黄等の栄養物を除去することが好ましい。卵殻膜は、割卵後の卵殻から剥がした生卵殻膜(水分含量約75%)をそのまま用いてもよいし、生卵殻膜を乾燥した乾燥卵殻膜を用いてもよい。微生物が繁殖しにくいことから、水分が少ない乾燥卵殻膜を用いることが好ましい。乾燥卵殻膜は、生卵殻膜を乾燥することにより製造することができる。生卵殻膜の乾燥は公知の方法により行うことができる。公知の乾燥方法としては、例えば天日乾燥法、加熱乾燥法、低温乾燥法、真空乾燥法、減圧乾燥法、凍結乾燥法、ドラム乾燥法、流動床乾燥法、噴霧乾燥法等が挙げられる。乾燥卵殻膜の水分含有量は特に限定されないが、約20%以下が好ましく、約10%以下がより好ましく、約5%以下がさらに好ましい。水分含有量が少ないほど、乾燥卵殻膜上での微生物の繁殖を防止することができる。
本発明に用いる卵殻膜は、卵殻膜粉末であることが好ましい。卵殻膜粉末は、例えば乾燥卵殻膜を物理的に粉砕することにより製造することができる。卵殻膜の粉砕方法は特に限定されず、遊星ボールミル、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の公知の粉砕装置を用いることができるが、卵殻膜への微生物の混入を防ぐため、遊星ボールミル等の密閉式の粉砕方法を用いることが好ましい。
卵殻膜の粉砕は、乾燥状態で粉砕する乾式粉砕、液体を加えた湿潤状態で粉砕する湿式粉砕のいずれでも行うことができる。卵殻膜を湿式粉砕する場合、粉砕により卵殻膜粉末懸濁液が得られ、これを乾燥させることにより、乾燥卵殻膜粉末を得ることができる。
卵殻膜の粉砕は、乾燥状態で粉砕する乾式粉砕、液体を加えた湿潤状態で粉砕する湿式粉砕のいずれでも行うことができる。卵殻膜を湿式粉砕する場合、粉砕により卵殻膜粉末懸濁液が得られ、これを乾燥させることにより、乾燥卵殻膜粉末を得ることができる。
卵殻膜粉末は、レーザー回折式粒度分布測定により測定した平均粒子径が約1000μm以下であることが好ましく、約500μm以下であることがより好ましく、約100μm以下であることがさらに好ましい。下限は特に限定されないが、通常約0.5μm以上である。なお、卵殻膜粉末の粒子は、卵殻膜の微細粉末が静電気やファンデルワールス力、分子間力等により凝集した集合体からなるものであり、平均粒子径は当該集合体の粒子径を意味する。
本発明に用いる卵殻膜は、加水分解卵殻膜であることが好ましい。加水分解卵殻膜は、卵殻膜を加水分解処理することにより製造することができる。加水分解処理方法としてはアルカリ加水分解法、酸加水分解法、酵素加水分解法があり、単独の方法で加水分解してもよいし、複数の方法を組み合わせて加水分解してもよい。加水分解に用いるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。加水分解に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等が挙げられる。酵素としては、例えば、微生物、植物または動物由来のタンパク質分解酵素(例えば、パパイン、パンクレアチン等)が挙げられる。また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤を溶解した水溶液と、メタノール、エタノール、アセトン、n−プロパノール、イソプロパノール等の水溶性有機溶媒を混合したアルカリ性含水有機溶媒中で行うこともできる。
例えば、酸加水分解法の場合は、卵殻膜の乾物換算1部に対し、5〜40部の0.5〜6mol/Lの塩酸、または0.25〜7.5mol/Lの硫酸を添加し、例えば常圧下では50〜100℃で30分〜24時間程度加水分解処理し、中和後、濾過、必要に応じてさらに脱塩することにより卵殻膜加水分解物水溶液を得ることができる。
例えば、アルカリ加水分解法の場合は、卵殻膜の乾物換算1部に対し、5〜40部の0.5〜3mol/Lの水酸化ナトリウム、または30〜70容量%のエタノールを含んだ0.5〜3mol/Lの水酸化ナトリウムを添加し、例えば常圧下では40〜100℃で30分〜8時間程度加水分解処理し、中和後、濾過、必要に応じてさらに脱塩することにより卵殻膜加水分解物水溶液を得ることができる。
例えば、アルカリ加水分解法の場合は、卵殻膜の乾物換算1部に対し、5〜40部の0.5〜3mol/Lの水酸化ナトリウム、または30〜70容量%のエタノールを含んだ0.5〜3mol/Lの水酸化ナトリウムを添加し、例えば常圧下では40〜100℃で30分〜8時間程度加水分解処理し、中和後、濾過、必要に応じてさらに脱塩することにより卵殻膜加水分解物水溶液を得ることができる。
例えば、酵素加水分解法の場合は、卵殻膜の乾物換算1部に対し、10〜40部の精製水を加え、タンパク質分解酵素(例えばパパイン、パンクレアチン等)を卵殻膜の乾物に対し0.5〜20%となるように添加し、酵素の至適pHおよび温度で5〜40時間程度加水分解処理し、加熱により酵素を失活後、濾過することにより卵殻膜加水分解物水溶液を得ることができる。
例えば、酸加水分解法と酵素加水分解法を併用した場合は、卵殻膜の乾物換算1部に対し、5〜40部の0.5〜6mol/Lの塩酸、または0.25〜7.5mol/Lの硫酸を添加し、例えば常圧下では50〜100℃で30分〜24時間程度加水分解処理し、次に、タンパク質分解酵素の至適pHに調整後、タンパク質分解酵素(例えばパパイン、パンクレアチン等)を卵殻膜の乾物に対し0.1〜20%となるように添加し、酵素の至適温度にて5〜40時間程度加水分解処理し、加熱により酵素を失活後、濾過することにより卵殻膜加水分解物水溶液を得ることができる。
例えば、酸加水分解法と酵素加水分解法を併用した場合は、卵殻膜の乾物換算1部に対し、5〜40部の0.5〜6mol/Lの塩酸、または0.25〜7.5mol/Lの硫酸を添加し、例えば常圧下では50〜100℃で30分〜24時間程度加水分解処理し、次に、タンパク質分解酵素の至適pHに調整後、タンパク質分解酵素(例えばパパイン、パンクレアチン等)を卵殻膜の乾物に対し0.1〜20%となるように添加し、酵素の至適温度にて5〜40時間程度加水分解処理し、加熱により酵素を失活後、濾過することにより卵殻膜加水分解物水溶液を得ることができる。
得られた卵殻膜加水分解物は、ゲルろ過クロマトグラフィーによる分子量分布分析において、タンパク質・ペプチド・アミノ酸の合計の面積比に対して、分子量100以上50,000以下の部分の面積比が60%以上を占めることが好ましく、前記面積比が80%以上を占めることがより好ましく、前記面積比が90%以上を占めることがさらに好ましい。
得られた卵殻膜加水分解物の水溶液は、必要に応じて凍結乾燥(フリーズドライ)または噴霧乾燥(スプレードライ)等の乾燥法で粉末状の卵殻膜加水分解物としてもよい。
得られた卵殻膜加水分解物の水溶液は、必要に応じて凍結乾燥(フリーズドライ)または噴霧乾燥(スプレードライ)等の乾燥法で粉末状の卵殻膜加水分解物としてもよい。
卵殻膜は、殺菌処理が行われていることが好ましい。殺菌処理としてはアルコール殺菌、加熱殺菌等が挙げられ、いずれを用いてもよい。アルコール殺菌には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等を好適に用いることができ、これらのアルコールを約10%(v/v)以上含有する水溶液が好ましい。卵殻膜をアルコールまたはアルコール水溶液に浸漬し、例えば約25〜約40℃で6〜48時間程度処理し、必要に応じて乾燥すればよい。加熱殺菌は、例えば約70〜約121℃で0.1〜12時間程度処理すればよい。殺菌処理はどの時点で行ってもよく、例えば、生卵殻膜を得た時点、乾燥卵殻膜を得た時点、使用形態の卵殻膜(例えば、卵殻膜粉末または加水分解卵殻膜)を得た時点等で行うことができる。
上記方法により製造された各種形態の卵殻膜はヒアルロン酸産生促進作用を有しているので、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、化膿性関節炎、痛風性関節炎、外傷性関節炎、骨関節炎等の関節疾患の予防または改善剤の有効成分として好適に用いることができる。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤において、卵殻膜の含有量は特に限定されるものではないが、例えば乾燥卵殻膜粉末の1日当たりの投与量が約0.05〜約2000mgであることが好ましく、約0.1〜約1000mgであることがより好ましい。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤において、卵殻膜の含有量は特に限定されるものではないが、例えば乾燥卵殻膜粉末の1日当たりの投与量が約0.05〜約2000mgであることが好ましく、約0.1〜約1000mgであることがより好ましい。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、医薬の形態で実施することができる。医薬の形態で実施する場合、経口または非経口のいずれかの経路で哺乳動物に投与することができるが、経口投与が好ましい。経口剤としては、顆粒剤、散剤、錠剤(糖衣錠を含む)、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。非経口剤としては、注射剤(例えば、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、外用剤(例えば、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例えば、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げられる。これらの製剤は、当該分野で通常行われている手法により、薬学上許容される担体を用いて製剤化することができる。薬学上許容される担体としては、賦形剤、結合剤、希釈剤、添加剤、香料、緩衝剤、増粘剤、着色剤、安定剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、防腐剤等が挙げられ、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、カカオバター等を担体として使用できる。
経口用の固形剤(錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等)は、有効成分を賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合し、常法に従って製剤化することができる。必要に応じて、コーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。
経口用の液剤(水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等)は、有効成分を一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化して製剤化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
注射剤は、溶液、懸濁液、乳濁液、および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、有効成分を溶剤に溶解、懸濁または乳化して製剤化される。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、飲食品の形態で実施することができる。飲食品には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等が含まれる。好適な飲食品の形態は特に限定されない。具体例には、例えば、いわゆる栄養補助食品(サプリメント)としての錠剤、顆粒剤、散剤、ドリンク剤等を挙げることができる。これ以外には、例えば茶飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、乳酸飲料等の飲料、そば、うどん、中華麺、即席麺等の麺類、飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子、パン等の菓子およびパン類、かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品、加工乳、発酵乳等の乳製品、サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品、ソース、たれ等の調味料、カレー、シチュー、丼、お粥、雑炊等のレトルトパウチ食品、アイスクリーム、シャーベット、かき氷等の冷菓などを挙げることができる。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤は、飼料の形態で実施することができる。飼料としては、例えば、ウシ、ウマ、ブタ等の家畜用飼料、ニワトリ等の家禽用飼料、イヌ、ネコ等のペット用飼料などが挙げられる。本発明の飼料は、飼料中に本発明のヒアルロン酸産生促進剤を添加する以外、一般的な飼料の製造方法を用いて加工製造することができる。
本発明のヒアルロン酸産生促進剤の有効成分である卵殻膜は、食経験の長い鶏卵の一部であるため安全性が高く、作用がマイルドであり長期間の摂取または使用が可能である。また、有効成分の卵殻膜は、複数の作用を兼ね備えた多機能成分であり、他のヒアルロン酸産生促進剤、または関節痛治療や軟骨疾患治療ために使用される他の有効成分と組み合わせて使用することにより、相加的または相乗的な効果の向上が期待できる。このような他の有効成分としては、例えば、プロテオグリカン、EGF、グルコサミン、コンドロイチン、コラーゲンI型、コラーゲンII型、N−アセチルグルコサミン等が挙げられる。
本発明には、ヒアルロン酸産生促進剤を製造するための卵殻膜の使用が含まれる。また、本発明には、卵殻膜の有効量を膝関節のヒアルロン酸の産生促進が必要なヒトに投与するヒアルロン酸の酸性促進方法、卵殻膜の有効量を膝関節のヒアルロン酸の産生促進が必要なヒトに投与する非治療的なヒアルロン酸の産生促進方法も含まれる。なお、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体または動物の体への処置行為を含まない概念である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:卵殻膜の製造〕
ニワトリの卵の卵殻から剥皮し洗浄した卵殻膜200gを、1000mlの70%エタノールに24時間浸漬して殺菌した。殺菌済み卵殻膜を45℃で24時間乾燥し、乾燥卵殻膜20gを得た。
(1)加水分解卵殻膜の調製
乾燥卵殻膜10gに100mlの6N塩酸溶液を加え、90℃で8時間処理した。次に、4N水酸化ナトリウム水溶液で中和後、濾過、脱塩し、得られた溶液を凍結乾燥して粉末状の加水分解卵殻膜(可溶性卵殻膜)を得た。
(2)卵殻膜粉末の調製
乾燥卵殻膜10gを、遊星ボールミル(フリッチェ製)を用いて180rpmで6時間粉砕し、卵殻膜粉末を得た。
ニワトリの卵の卵殻から剥皮し洗浄した卵殻膜200gを、1000mlの70%エタノールに24時間浸漬して殺菌した。殺菌済み卵殻膜を45℃で24時間乾燥し、乾燥卵殻膜20gを得た。
(1)加水分解卵殻膜の調製
乾燥卵殻膜10gに100mlの6N塩酸溶液を加え、90℃で8時間処理した。次に、4N水酸化ナトリウム水溶液で中和後、濾過、脱塩し、得られた溶液を凍結乾燥して粉末状の加水分解卵殻膜(可溶性卵殻膜)を得た。
(2)卵殻膜粉末の調製
乾燥卵殻膜10gを、遊星ボールミル(フリッチェ製)を用いて180rpmで6時間粉砕し、卵殻膜粉末を得た。
〔実施例2:卵殻膜によるヒアルロン酸産生促進作用の検討(1)〕
マウス胚細胞由来の軟骨前駆細胞株であるATDC5(RIKEN BRCから入手)細胞を24ウェルプレートに2×104cells/cm2の細胞密度で播種し、5%FCS、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有DMEM/F−12(1:1)培地を用いて、5%CO2、37℃条件下で24時間培養した。血清不含DMEM/F−12(1:1)培地で1回洗浄後、加水分解卵殻膜または卵殻膜粉末を0.1mg/mlまたは0.5mg/ml含むDMEM/F−12(1:1)(培地血清不含、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有)を各ウェルに添加し、5%CO2、37℃で培養した。48時間培養後の培養上清を回収し、QnE Hyaluronic Acid ELISA Assay(Biotech Trading Partners)を用いてヒアルロン酸濃度を測定した。
マウス胚細胞由来の軟骨前駆細胞株であるATDC5(RIKEN BRCから入手)細胞を24ウェルプレートに2×104cells/cm2の細胞密度で播種し、5%FCS、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有DMEM/F−12(1:1)培地を用いて、5%CO2、37℃条件下で24時間培養した。血清不含DMEM/F−12(1:1)培地で1回洗浄後、加水分解卵殻膜または卵殻膜粉末を0.1mg/mlまたは0.5mg/ml含むDMEM/F−12(1:1)(培地血清不含、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有)を各ウェルに添加し、5%CO2、37℃で培養した。48時間培養後の培養上清を回収し、QnE Hyaluronic Acid ELISA Assay(Biotech Trading Partners)を用いてヒアルロン酸濃度を測定した。
加水分解卵殻膜の結果を表1に、卵殻膜粉末の結果を表2にそれぞれ示した。表1および表2から明らかなように、加水分解卵殻膜および卵殻膜粉末ともに、濃度依存的にヒアルロン酸濃度を上昇させた。この結果から、卵殻膜はヒアルロン酸産生促進活性を有することが明らかとなった。
〔実施例3:卵殻膜によるヒアルロン酸産生促進作用の検討(2)〕
ATDC5細胞を24ウェルプレートに2×104cells/cm2の細胞密度で播種し、5%FCS、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有DMEM/F−12(1:1)培地を用いて、5%CO2、37℃条件下で24時間培養した。血清不含DMEM/F−12(1:1)培地で1回洗浄後、加水分解卵殻膜または卵殻膜粉末を0.1mg/mlまたは0.5mg/ml含むDMEM/F−12(1:1)(培地血清不含、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有)を各ウェルに添加し、5%CO2、37℃で培養した。48時間培養後、細胞からRNAを回収しcDNAを合成した。HAS2遺伝子(ヒアルロン酸合成酵素遺伝子)特異的プライマーを用いて、real−time RT−PCRによりHAS2遺伝子発現量を測定した。
ATDC5細胞を24ウェルプレートに2×104cells/cm2の細胞密度で播種し、5%FCS、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有DMEM/F−12(1:1)培地を用いて、5%CO2、37℃条件下で24時間培養した。血清不含DMEM/F−12(1:1)培地で1回洗浄後、加水分解卵殻膜または卵殻膜粉末を0.1mg/mlまたは0.5mg/ml含むDMEM/F−12(1:1)(培地血清不含、10μg/ml transferin、3×10−8M sodium selenite含有)を各ウェルに添加し、5%CO2、37℃で培養した。48時間培養後、細胞からRNAを回収しcDNAを合成した。HAS2遺伝子(ヒアルロン酸合成酵素遺伝子)特異的プライマーを用いて、real−time RT−PCRによりHAS2遺伝子発現量を測定した。
加水分解卵殻膜の結果を表3に、卵殻膜粉末の結果を表4にそれぞれ示した。HAS2遺伝子のmRNA発現量は、卵殻膜無添加の培地で培養した細胞(コントロール)のmRNA発現量を100%としたときの相対発現量で示した。表3および表4から明らかなように、加水分解卵殻膜および卵殻膜粉末ともに、濃度依存的にHAS2遺伝子発現量を上昇させた。この結果から、卵殻膜はHAS2遺伝子発現量を上昇させてヒアルロン酸産生を促進することが明らかとなった。
〔実施例4:清涼飲料水〕
実施例1で製造した卵殻膜粉末を含有する清涼飲料水を調製した。すなわち、組成が混合異性化糖15.0%、果汁10%、卵殻膜粉末2.0%、香料0.1%、カルシウム0.1%、水72.8%である原料を混合し、プレート殺菌機を用いて90℃、15秒間殺菌し、清涼飲料水を製造した。
実施例1で製造した卵殻膜粉末を含有する清涼飲料水を調製した。すなわち、組成が混合異性化糖15.0%、果汁10%、卵殻膜粉末2.0%、香料0.1%、カルシウム0.1%、水72.8%である原料を混合し、プレート殺菌機を用いて90℃、15秒間殺菌し、清涼飲料水を製造した。
〔実施例5:ヨーグルト〕
実施例1で製造した卵殻膜粉末を含有するヨーグルトを調製した。すなわち、組成が卵殻膜粉末3.0%、蔗糖7%、香料0.1%、ヨーグルト89.9%である原料を混合し容器に充填して、ヨーグルトを製造した。
実施例1で製造した卵殻膜粉末を含有するヨーグルトを調製した。すなわち、組成が卵殻膜粉末3.0%、蔗糖7%、香料0.1%、ヨーグルト89.9%である原料を混合し容器に充填して、ヨーグルトを製造した。
〔実施例6:チーズ〕
実施例1で製造した卵黄タンパク質加水分解物を含有するプロセスチーズを調製した。すなわち、ゴーダチーズ35%、チェダーチーズ35%、パルメザンチーズ20%、卵殻膜粉末2.0%、リン酸カルシウム1.0%、水7.0%を含むように各原料を混合後、乳化温度85℃で乳化して、プロセスチーズを製造した。
実施例1で製造した卵黄タンパク質加水分解物を含有するプロセスチーズを調製した。すなわち、ゴーダチーズ35%、チェダーチーズ35%、パルメザンチーズ20%、卵殻膜粉末2.0%、リン酸カルシウム1.0%、水7.0%を含むように各原料を混合後、乳化温度85℃で乳化して、プロセスチーズを製造した。
〔実施例7:カプセル剤〕
実施例1で製造した卵殻膜粉末60%、コーンスターチ30%、乳糖10%を含むように各原料を配合して、ゼラチンカプセルに充填(カプセル1個当たり200mg)し、カプセル剤を製造した。
実施例1で製造した卵殻膜粉末60%、コーンスターチ30%、乳糖10%を含むように各原料を配合して、ゼラチンカプセルに充填(カプセル1個当たり200mg)し、カプセル剤を製造した。
〔実施例8:錠剤〕
実施例1で製造した卵殻膜粉末60%、還元麦芽糖18%、結晶セルロース18%、ショ糖エステル4%を含むように各原料を配合後打錠(1錠当たり300mg)して、錠剤を製造した。
実施例1で製造した卵殻膜粉末60%、還元麦芽糖18%、結晶セルロース18%、ショ糖エステル4%を含むように各原料を配合後打錠(1錠当たり300mg)して、錠剤を製造した。
なお本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
Claims (4)
- 卵殻膜を有効成分として含有するヒアルロン酸産生促進剤。
- 卵殻膜が卵殻膜粉末または加水分解卵殻膜である請求項1に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
- 経口投与用である請求項1または2に記載のヒアルロン酸産生促進剤。
- ヒアルロン酸産生促進剤を製造するための卵殻膜の使用。
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