JPWO2013161820A1 - ビフィズス菌の増殖促進用組成物 - Google Patents

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憲二 山本
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Abstract

本発明は、ヒト等哺乳動物の腸内に生息するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖を良好に促進し得る増殖促進用組成物を提供する。本発明によれば、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有させることにより、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物を提供することができる。前記増殖促進用組成物は、特にヒト成人に対し、経口投与により腸内の前記微生物の増殖を促進させるのに適する。

Description

本発明は、オリゴ糖を有効成分として含有する、腸内ビフィズス菌の増殖促進用組成物に関する。
ビフィズス菌は整腸作用や抗アレルギー作用、免疫賦活作用などを宿主にもたらす有益な腸内細菌として知られている。一方、人工乳で育てられた乳幼児に比べて、母乳で育てられた乳幼児の方が、腸管内のビフィズス菌の占める菌叢割合が圧倒的に多いことから、その増殖因子が長年探索されてきた。
ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)が、ラクト−N−テトラオース(以下、LNTという)を加水分解し、ラクト−N−ビオース(Lacto-N-biose)を生成する活性を有するラクト−N−ビオシダーゼ(Lacto-N-Biosidase;以下、LNBという)を生産する能力を有すること、およびLNBにビフィズス菌の増殖促進効果があることは知られている(非特許文献1および2)。また、ラクト−N−ネオテトラオース(以下、LNnTという)に、乳幼児の腸内にみられるビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)の代謝促進作用があることも知られている(特許文献1)。しかしながら、LNTおよびLNnTがビフィズス菌、特にヒト成人腸内に生息するビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)の増殖を促進させることは知られていない。
国際公開第98/43495号パンフレット
Appl. Environ. Microbiol., 74, 3996-4004, 2008 Biosci. Biotechnol. Biochem., 73, 1175-1179, 2009
そこで、本発明においては、腸内細菌の中でも、免疫賦活作用などの有益な作用を有し、善玉菌の代表として知られているビフィズス菌、特にヒト成人腸内に生息するビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)およびビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)に対し、良好な増殖促進効果を示す増殖促進用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明者らは、ラクト−N−テトラオース(LNT)、ラクト−N−ネオテトラオース(LNnT)といったオリゴ糖が、特にヒト成人腸内に生息するビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)といったビフィズス菌に対し、良好な増殖促進効果を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(13)に関する。
(1)ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物。
(2)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物が、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に属する微生物およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する微生物からなる群より選ばれる1種または2種以上である、上記(1)に記載の組成物。
(3)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物のヒト成人の腸内における増殖を促進する、上記(1)または(2)に記載の組成物。
(4)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5)飲食品である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(6)飲食品が保健機能食品または健康補助食品である、上記(5)に記載の組成物。
(7)食品添加物である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(8)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物の製造のための、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の使用。
(9)ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する組成物を、必要な対象者に経口摂取させることによる、当該対象者におけるビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進方法。
(10)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物が、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に属する微生物およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する微生物からなる群より選ばれる1種または2種以上である、上記(9)に記載の方法。
(11)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物のヒト成人の腸内における増殖を促進する、上記(9)または(10)に記載の方法。
(12)ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進において使用するための、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する組成物。
(13)ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用途への使用に関する説明を記載した記載物を含む商業的パッケージ。
本発明に係る増殖促進用組成物を経口摂取させることにより、哺乳動物、特にヒト成人腸内のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物、特にビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に属する微生物またはビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する微生物を効率よく増殖させることができる。その結果、腸内細菌叢を良好な状態に改善し、またその状態を維持することができ、腸内細菌叢の変化に起因する腸疾患や諸症状を予防または改善することができる。
図1は、LNTまたはLNnT存在下で、ビフィドバクテリウム(Bificobacterium)属に属する各種微生物を一定時間培養したときの波長600nmにおける濁度(OD600)の測定値を示す図である。図中、オープン(白抜き)バーはオリゴ糖無添加区(コントロール区)、クローズド(黒塗り)バーは0.5(w/v)%のLNT添加試験区、斜線入りバーは0.5(w/v)%のLNnT添加試験区を示す。 図2は、LNTおよびLNnTのプレバイオティック効果を示す図であり、各々の微生物について、図1に示すオリゴ糖添加試験区のOD600/コントロール区のOD600の値を示す。図中、オープン(白抜き)バーは0.5(w/v)%LNT添加試験区、クローズド(黒塗り)バーは0.5(w/v)%LNnT添加試験区の結果を示す。
1.本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物
本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、ラクト−N−テトラオース(LNT)、ラクト−N−ネオテトラオース(LNnT)およびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する。
ラクト−N−テトラオース(LNT;4−O−[3−[2−(アセチルアミノ)−2−デオキシ−3−O−(β−D−ガラクトピラノシル)−β−D−グルコピラノシル]−β−D−ガラクトピラノシル]−D−グルコース、Galβ1,3GlcNAcβ1,3Galβ1,4Glc)、およびラクト−N−ネオテトラオース(LNnT;4−O−[3−O−(4−O−β−D−ガラクトピラノシル−2−アセチルアミノ−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシル)−β−D−ガラクトピラノシル]−α−D−グルコピラノース、Galβ1,4GlcNAcβ1,3Galβ1,4Glc)は、ヒト等の母乳中に含まれる中性の四糖類である。本発明において用いるLNT、LNnTおよびそれらの誘導体は、Carbohydrates in Chemistry and Biology (B. Ernst et al. ed., Willey-VCH, 2000)などに記載された方法に従って化学的に合成されたものであってもよいし、国際公開第98/12343号パンフレットなどに記載された方法に従って製造されたものであってもよい。また、市販されているLNTおよびLNnTを使用することもできる。
LNTおよびLNnTの誘導体としては、それらの1個以上の水酸基がメチル、エチル、ヒドロキシプロピル、カルボキシメチル等の置換基を有していてもよいアルキル基によりアルキル化された誘導体;1個以上の水酸基が硫酸化された硫酸化誘導体;1個以上の水酸基がリン酸化されたリン酸化誘導体;1個以上の水酸基にフコースが結合したフコシル化誘導体;1個以上の水酸基にシアル酸が結合したシアル化誘導体;1個以上の水酸基が、アルキル基、ピリジル基等により置換されていてもよいアミノ基により置換されたアミノ化誘導体;1個以上の水酸基がカルボキシル基により置換されたカルボキシル化誘導体;アセチルアミノ基の脱アセチル化誘導体;などが挙げられる。これらは、自体公知の方法に従って製造することができる。
LNT、LNnTおよびそれらの誘導体は、従来より使用されているフラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等のビフィズス菌増殖因子とは異なり、宿主や他の腸内細菌により消化されないため、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の生息する小腸下部から大腸に確実に到達し、前記微生物の増殖を効率よく促進させることができる。
また、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体は、生体内に存在する物質であり、または生体内に存在する物質に由来するものであるため、生体に対する親和性が高く、安全性上の問題も少ない。
本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物においては、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上をそのまま用いてもよいが、必要に応じて薬理学的に許容される1種または2種以上の担体に含有させて提供することもできる。
上記担体としては、水の他、エタノール等のアルコール類、油脂類、ゲル、ミセル、エマルション、粉体、カプセル、リポソーム等、種々の担体を制限なく用いることができる。かかる担体に対するLNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の添加量としては、用いる担体の種類、摂取させる対象の状況等により異なり、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物に対し、十分な増殖促進効果が得られる量であれば特に制限されないが、通常は0.001重量%〜100重量%程度であり、好ましくは0.01重量%〜100重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜100重量%である。
また、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物には、さらに必要に応じて、前記微生物に対して増殖促進効果を有する他の成分を含有させてもよい。かかる他の成分としては、ラフィノース等の二糖類、スタチオース等の三糖類、ラクトオリゴ糖等のオリゴ糖混合物などが挙げられる。
本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を、必要に応じ上記担体と混合し、可溶化、分散、乳化、混練等、医薬品、飲食品等の技術分野においてよく知られている方法により製造される。
また、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、医薬品、飲食品等の技術分野で一般的に用いられている方法によって成形・造粒することにより、製造することもできる。
かかる成形・造粒方法としては、流動層造粒、攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、気流造粒、圧縮成形造粒、解砕造粒、噴霧造粒、噴射造粒等の造粒方法;パンコーティング、流動層コーティング、ドライコーティング等のコーティング方法;パフドライ製法、過剰水蒸気法、フォームマット方法、マイクロ波加熱方法等の膨化方法;押出造粒機やエクストルーダー等を用いた押出方法などが挙げられる。
2.ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤
本発明に係るビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、具体的には、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、浸剤、カプセル剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、エキス剤、流エキス剤、ゼリー剤等の剤形の前記微生物の増殖促進剤(増殖促進用医薬)として提供することができる。なお、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の腸内における増殖を促進するためには、前記増殖促進剤は経口投与されることが好ましく、経口投与に適する剤形で提供されることが好ましい。
経口投与に適する剤形としては、たとえば液剤、シロップ剤、懸濁剤のような液状製剤が挙げられる。これらにおいては、水;ショ糖、ソルビトール、果糖等の糖類;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油脂類;パラオキシ安息香酸メチル等パラオキシ安息香酸エステル類などの防腐剤;安息香酸ナトリウム等の保存剤;ストロベリーフレーバー、ペパーミントフレーバー等のフレーバー類などの担体または医薬品添加物を用いることができる。
また、経口投与に適する他の剤形として、たとえば錠剤、散剤、顆粒剤などの固形製剤が挙げられる。これらにおいては、乳糖、白糖、ブドウ糖、ショ糖等の糖類;マンニトール、ソルビトール等の糖アルコール類;バレイショデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン等の澱粉類;炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機塩類;カンゾウ末、ゲンチアナ末等の植物末;結晶セルロース、デキストリン等の賦形剤;寒天、ゼラチン末、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油等の滑沢剤;ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルメロース、ゼラチン、澱粉のり液等の結合剤;ソルビタン脂肪酸エステルなどの界面活性剤;グリセリン等の可塑剤などを用いることができる。
上記のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤は、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を、必要に応じ上記担体や医薬品添加物と混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている方法、たとえば、日本薬局方製剤総則や医薬品製造指針に記載された方法等により製造することができる。すなわち液剤であれば、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を、水やエタノール等の溶剤に添加して混合、溶解して製造することができる。また、懸濁剤であれば、前記有効成分を懸濁化剤および他の添加剤とともに水に加え、懸濁して製造される。乳剤であれば、油性成分、水および乳化剤と混合して乳化して製造される。散剤であれば、前記有効成分を結晶、粉末化し、あるいは賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤とともに混合して粉末状または微粒状として製造される。顆粒剤であれば、前記有効成分を結晶、粉末化し、あるいは賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤とともに混合して均質化したものを粒状とし、整粒して製造される。硬カプセル剤であれば、硬カプセルに前記有効成分を結晶、粉末化し、あるいは賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤とともに混合して粒状もしくは成形物としたものを充填して製造する。軟カプセル剤であれば、前記有効成分を結晶、粉末化し、あるいは賦形剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤とともに混合して均質化したものを、ゼラチン等のカプセル基剤にグリセリンまたはソルビトール等を加えて可塑性を増したもので被包成形して製造する。錠剤であれば、顆粒状の本発明の増殖促進剤を圧縮成形したり、溶媒で湿潤させた後、型に流し込んで成形することにより製造される。
上記の顆粒剤やカプセル剤は、徐放性または腸溶性被膜により処理したり、徐放性または腸溶性の剤皮で処理したりして、徐放性または腸溶性製剤とすることができる。また、錠剤の場合も、糖衣錠やフィルムコーティング錠、徐放錠もしくは腸溶錠とすることができる。
上記のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤は、ヒトをはじめ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ等の家畜、イヌ、ネコ、サル、モルモット等の愛玩動物などの哺乳動物に用いることができるが、特にヒト成人の腸内細菌叢の改善に好ましく用いられる。その投与量および投与回数は、投与形態、投与対象動物の種、年齢、性別、体重、腸内細菌叢の状態等により異なるが、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の総量として、経口投与の場合、ヒト成人(体重60kg)1人当り通常は1回1mg〜50g、好ましくは1回5mg〜20g、1日1回ないし数回とする。前記1回あたりの投与量が1mg未満である場合には、十分な前記微生物の増殖促進効果が得られないことがある。一方、前記1回あたりの投与量が50gを越えると、前記微生物の増殖促進効果がさほど増強されないばかりか、製剤化が困難となることがある。
3.ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用飲食品
本発明に係るビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、前記微生物の増殖促進用飲食品として提供することもできる。前記飲食品においては、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上が、飲食品中に通常含まれる量より多く含有されることが好ましい。
上記飲食品としては、たとえばジュース類、清涼飲料水、スープ類、茶類、乳酸菌飲料、発酵乳等の飲料類;バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂粉乳等の乳製品;ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉加工製品;チクワ、カマボコ等の魚肉練り製品;だし巻き、卵豆腐等の卵加工製品;冷菓、クッキー、ゼリー、スナック菓子、チューイングガム等の菓子類;パン類;麺類;漬け物類;薫製品;干物;佃煮;調味料などが挙げられる。
上記飲食品の形態としては特に制限されないが、たとえば粉末状、顆粒状、シート状、カプセル状、タブレット状等の固形状;溶液状、懸濁液状、乳液状等の液状;ゼリー状等の流動体状といった形態とすることができ、瓶、缶、レトルトパウチ等に充填し密封した状態、あるいは箱や袋に収容し、もしくはこれらにより包装された状態で提供され得る。
上記飲食品は、好ましくは、特定保健用食品、栄養機能食品といった保健機能食品、その他の健康補助食品として、腸内に生息するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖を促進させるために使用される。
上記飲食品の摂取量は特に制限されないが、ヒト成人(体重60kg)に対し1日あたり、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の総量として、通常は0.1g〜50g、好ましくは0.5g〜20gである。この摂取量を1日につき1回で摂取させてもよく、数回に分けて摂取させてもよい。また、本発明に係る飲食品は1日間のみ摂取させてもよいが、腸内のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖を促進させ、腸内細菌叢を良好な状態に保つには、連続して摂取させることが好ましく、2日間〜5年間、好ましくは2週間〜1年間連続して摂取させる。ただし、この摂取量はあくまでも目安であり、摂取者の腸内細菌叢の状態、年齢、性別、体重等に応じて、適宜好適な範囲に調整することができる。
ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用飲食品においては、上記した1回あたりの摂取量のLNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含む飲食品を、1食摂取量単位の包装形態として提供することができる。「1食摂取量単位の包装形態」とは、1食あたりに摂取する飲食品の量があらかじめ定められた形態であり、たとえば、飲料、ガム、ゼリー、ヨーグルト、クッキー等の場合には、パック、袋、瓶、箱等の容器により1回の摂取量を包装する形態が挙げられ、顆粒、粉末、スラリー状等の食品の場合には、パックや袋等により1回の摂取量を個別包装する形態が挙げられる。特に、飲食品が特定保健用食品、栄養機能食品等の保健機能食品、その他の栄養補助食品などである場合には、1回あたりの摂取量のLNT等を含む飲食品が、1食あたりの摂取単位量の形態で包装された形態や、1回あたりの摂取量のLNT等が懸濁あるいは溶解した飲料が、1食あたりの飲み切りの形態で瓶等に充填された形態などが挙げられる。
上記飲食品には、各種の担体を添加してもよく、また必要に応じて一般に飲食品に用いられる添加物、たとえば食品添加物表示ハンドブック(日本食品添加物協会、平成9年1月6日発行)に記載されている甘味料、苦味料、酸味料、調味料、着色料、発色料、漂白料、保存料、防かび剤、酸化防止剤、増粘安定剤、ガムベース、酵素、光沢剤、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料・香辛料などの添加物を添加してもよい。
かかる添加物としては、以下のようなものが挙げられる。
甘味料としてはアスパルテーム、カンゾウ、ステビア、キシロース、ラカンカなどが挙げられる。苦味料としては、イソアルファー苦味酸、オリーブ茶、カフェイン、カワラタケ抽出物、キナ抽出物、キハダ抽出物、ゲンチアナ抽出物、香辛料抽出物、酵素処理ナリンジン、ジャマイカカッシア抽出物、ダイダイ抽出物、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、ヒキオコシ抽出物、ヒメマツタケ抽出物、ホップ抽出物、ボラペット、メチルチオアデノシン、ヨモギ抽出物、レイシ抽出物などが挙げられる。酸味料としてはアジピン酸、イタコン酸、クエン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、酢酸ナトリウム、酒石酸およびその塩、二酸化炭素、乳酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸などが挙げられる。調味料としてはアスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アラニン、イソロイシン、グリシン、セリン、シスチン、チロシン、ロイシン、プロリン等のアミノ酸類;5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−ウリジル酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−シチジル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム等の核酸類;塩化カリウム、塩水湖水低塩ナトリウム液、粗製海水塩化カリウム、ホエイソルト、リン酸三カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム等の無機塩類;クロレラ抽出物などが挙げられる。
着色料としては、カロテノイド、ウコン色素、フラボノイド、カラメル色素、シコン色素、スピルリナ色素、葉緑素、ムラサキイモ色素、ムラサキヤマイモ色素、シソ色素、ブルーベリー色素などが挙げられる。発色料としては亜硝酸ナトリウムなどが挙げられる。漂白料としては亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
保存料としては、亜硫酸ナトリウム、安息香酸およびその塩、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、ソルビン酸およびその塩、プロピオン酸およびその塩などが挙げられる。防かび剤としてはオルトフェニルフェノールなどが挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、その塩および誘導体、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸カルシウム、エリソルビン酸、オリザノール、カテキン、クローブ抽出物、ケルセチン、酵素処理ルチン、酵素分解リンゴ抽出物、コショウ抽出物、ゴマ油不けん化物、ジブチルヒドロキシトルエン、精油除去ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、トコフェロールおよびそのエステル、ナタネ油抽出物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種子抽出物、フェルラ酸、ブチルヒドロキシアニソール、ブルーベリー葉抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ヘスペレチン、ホウセンカ抽出物、没食子酸、ヤマモモ抽出物、ユーカリ抽出物、ローズマリー抽出物などが挙げられる。
増粘安定剤としては、アラビアガム、キサンタンガム、アルギン酸およびその塩、キチン、キトサン、グァーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、コーンスターチ、カルボキシメチルセルロースおよびその塩、寒天、デキストリン、メチルセルロース、微小繊維状セルロース、微結晶セルロース、海藻セルロース、カラギーナン、マンナン等の多糖類およびそれらの誘導体;カゼインナトリウム、ゼラチン等のタンパク質;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等の高分子化合物;キダチアロエ抽出物、酵母細胞壁、コンニャクイモ抽出物、ナタデココ等の天然高分子などが挙げられる。
ガムベースとしては、アセチルリシノール酸メチル、ウルシロウ、エステルガム、エレミ樹脂、オウリキュウリロウ、オゾケライト、オポパナックス樹脂、カウリガム、カルナウバロウ、グアヤク樹脂、グッタカチュウ、グッタハンカン、グッタペルカ、ゲイロウ、コパイババルサム、コーパル樹脂、ゴム、コメヌカロウ、サトウキビロウ、シェラック、ジェルトン、ソルバ、タルク、炭酸カルシウム、ダンマル樹脂、チクル、チルテ、ツヌー、低分子ゴム、パラフィンワックス、ファーバルサム、プロピレングリコール脂肪酸エステル、粉末パルプ、粉末モミガラ、ホホバロウ、ポリイソブチレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、マスチック、マッサランドバチョコレート、ミツロウなどが挙げられる。
酵素としてはアミラーゼ、トリプシン、レンネットなどが挙げられる。
光沢剤としてはウルシロウ、モクロウなどが挙げられる。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、酵素処理レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ダイズサポニン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート類、卵黄レシチンなどが挙げられる。
強化剤としては亜鉛塩、各種アミノ酸、5−アデニル酸、塩化鉄、酵素処理ヘスペリジン、各種焼成カルシウム、各種未焼成カルシウム、ジベンゾイルチアミン、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、チアミン塩酸塩、デュナリエラカロテン、ニコチン酸、ニンジンカロテン、パーム油カロテン、パントテン酸カルシウム、ビタミンA、ヒドロキシプロリン、ピロリン酸二水素カルシウム、ピロリン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄、フェリチン、ヘム鉄、メナキノン、葉酸、リボフラビンなどが挙げられる。
製造用剤としてはアセトン、イオン交換樹脂などの加工助剤、イチジク葉抽出物、イナワラ灰抽出物、エタノール、カオリン、グリセリン脂肪酸エステル、クワ抽出物、骨灰、シソ抽出物、ショウガ抽出物、各種タンニン、パフィア抽出物、ブドウ種子抽出物、リン酸カルシウムなどが挙げられる。
香料・香辛料としては、ケイヒ酸、シトラール、シトロネラール、バニラエッセンス、d−ボルネオール、l−メントールなどが挙げられる。
4.ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用食品添加物
さらに、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、前記微生物の増殖促進用食品添加物として提供することができる。前記食品添加物は、通常の食品添加物の製造方法により製造することができる。なお、前記食品添加物には、上記1.で記載した担体や、上記3.に記載した一般的な飲食品用の添加物を添加することもできる。
上記食品添加物には、LNT、LNnTおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上は、本食品添加物を飲食品に添加したとき、飲食品中の前記LNT等の最終含有量が、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用飲食品における上記の好ましい摂取量を摂取できる量となるように加えることが好ましい。従って、上記食品添加物におけるLNT等の含有量は、LNT等の総量で0.001重量%〜100重量%とすることが好ましい。
なお、本発明に係るビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、家畜や愛玩動物用の飼料または飼料用添加物として提供することもできる。
本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物を摂取させることにより、哺乳動物、特にヒトの腸内において、前記微生物の増殖の促進が可能となる。
特に、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物は、ヒト成人用として適する。前記微生物の増殖促進用組成物を成人用として調製し、成人に摂取させることにより、成人の腸内に生息し、加齢とともに減少傾向にあるビフィズス菌、特にB. bifidumに属する微生物およびB. longumに属する微生物からなる群より選ばれる1種または2種以上の増殖を促進させることができる。
すなわち、本発明の上記微生物の増殖促進用組成物を摂取させる対象としては、好ましくは20才以上のヒトであり、より好ましくは25才以上、さらには30才以上、さらにより好ましくは50才以上の、加齢により、腸内に常在するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の減少傾向の見られるヒトが挙げられる。また、特に好ましい対象として、20才以上で、腸内細菌群に占めるビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物、特にB. bifidumに属する微生物またはB. longumに属する微生物の生息割合が平均に比べて低下しているヒトを挙げることができる。腸内細菌群に占める前記微生物の生息割合が低下する状態は、種々の要因に起因する便秘や下痢のほか、抗菌物質の使用による菌交代現象等により生じ得る。
従って、本発明に係るビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物を摂取させることにより、腸内細菌叢の異常により生じる諸症状を予防し、または改善することができる。腸内細菌叢の異常により生じる諸症状としては、便秘や下痢といった便通障害、腸内異常発酵による腹部膨満、抗菌物質起因性大腸炎などが挙げられる。
さらに本発明においては、本発明に係るビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物と、当該組成物を、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進のために使用し得るか、または使用すべきであることを記載した書類とを含む、商業的パッケージを提供することができる。
本発明に係る商業的パッケージとしては、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤と、前記書類とを含む医薬品パッケージ、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用飲食品と前記書類とを含む飲食品パッケージなどが挙げられる。
前記書類には、本発明のビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物が、特に成人の腸内に常在するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖を促進し、腸内細菌叢の異常により生じる諸症状の予防または改善に有効であることをはじめ、適応となる腸内細菌叢の異常により生じる症状の具体的な症例、投与または摂取の対象者、1回あたりの服用または摂取量、1日あたりの服用または摂取回数、服用または摂取の方法などの説明が記載される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]LNTまたはLNnTを含有するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤の製造(1)
下記組成に基づき、各成分を混合し、均一化することにより上記増殖促進剤を製造する。
<組成>
LNTまたはLNnT(国際公開第98/12343号パンフレットに記載の方法
により製造したもの) 49g
パインデックス#3(賦形剤;松谷化学工業株式会社製) 49g
ピロリン酸第二鉄(鉄源;米山化学工業株式会社製) 0.1g
ホスカルEFC(カルシウム源;日興ファインプロダクツ株式会社製)
1g
ビタミンミックス(メルク株式会社製) 1g
[実施例2]LNTまたはLNnTを含有するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤の製造(2)
LNTまたはLNnT(国際公開第98/12343号パンフレットに記載の方法により製造したもの)20gを水180mLに分散させ、上記増殖促進剤を製造する。
[実施例3]LNTおよびLNnTを含有するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用飲料の製造
LNT(国際公開第98/12343号パンフレットに記載の方法により製造したもの)0.64kg、LNnT(国際公開第98/12343号パンフレットに記載の方法により製造したもの)0.64kg、エリスリトール(三菱化学フーズ株式会社製)3kg、クエン酸(磐田化学工業株式会社製)0.05kg、人工甘味料(スクラロース;三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)3g、香料(レモンエッセンス;日本フレーバー工業株式会社製)0.06kgを液温70℃の水50Lに攪拌溶解し、クエン酸(磐田化学工業株式会社製)でpHを3.3に調整した後、プレート殺菌を用いて滅菌する。次いで瓶に充填した後、パストライザー殺菌し、上記飲料を製造する。
[試験例]LNTおよびLNnTのビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進効果
1.ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)に属する各種微生物の入手
表1に、本試験例で用いたビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物を示す。これらの微生物は、独立行政法人 理化学研究所筑波研究所 バイオリソースセンター(〒305−0074 茨城県つくば市高野台3丁目1番地の1)から分譲を受けた。なお、Bifidobacterium longum subsp. longum NCC2705としては、GenBank accession number NC004307として保存されている株を用いた。
2.LNTおよびLNnTのビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進効果の評価
表1に示す各菌株のグリセロールストックを、GAMブイヨン(日水製薬株式会社製)寒天培地に塗布し、ガスパック(「アネロパック」、三菱ガス化学株式会社製)を用いて、嫌気条件下に37℃で2日間培養し、試験菌株を復元した。各菌株を5mLのGAMブイヨン液体培地に植菌し、上記同様、嫌気条件下で37℃、18時間前培養を行った。
前培養終了時の各培養液の波長600nmにおける濁度(OD600)を測定し、本培養開始時のOD600の値が0.010となるように、前培養液を1mLの本試験用液体培地に接種し、上記同様、嫌気条件下で37℃、24時間培養して、培養終了時の培養液のOD600を測定した。なお、本試験用液体培地は、GAMブイヨン液体培地に、LNTまたはLNnTを最終濃度が0.5(w/v)%となるように添加して調製した。また、LNT、LNnTのいずれのオリゴ糖をも添加しないGAMブイヨン液体培地を対照として用いた。培養終了時の培養液のOD600の測定結果を図1に示した。また、LNTおよびLNnTの増殖促進効果(プレバイオティック効果)を評価するため、オリゴ糖無添加区(対照)のOD600の測定値を1としたときの、オリゴ糖(LNTまたはLNnT)添加区の相対値を図2に示した。
図1および2から明らかなように、LNTは、Bifidobacterium longum subsp. Longum 1217株、Bifidobacterium bifidum 1254株、Bifidobacterium longumsubsp. Longum NCC2705株、Bifidobacterium longum subsp. Longum 7054株、およびBifidobacterium longum subsp. Infantis 1210株に対して強い増殖促進効果(プレバイオティック効果=2倍以上)を示し、LNnTは、Bifidobacterium bifidum 1254株、およびBifidobacterium longum subsp. Infantis 1210株に対して強い増殖促進効果(プレバイオティック効果=2倍以上)を示した。
以上詳述したように、本発明によれば、経口摂取という簡便な手段により、腸内に生息する善玉菌であるビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖を有効に促進させることができる。その結果、腸内細菌叢を良好な状態に改善し、またその状態を維持することができ、腸内細菌叢の変化に起因する腸疾患や諸症状を予防または改善することができる。
本出願は日本国で出願された特願2012−098224(出願日:2012年4月23日)を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims (13)

  1. ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物。
  2. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物が、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に属する微生物およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する微生物からなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物のヒト成人の腸内における増殖を促進する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 飲食品である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 保健機能食品または健康補助食品である、請求項5に記載の組成物。
  7. 食品添加物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  8. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物の製造のための、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上の使用。
  9. ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する組成物を、必要な対象者に経口摂取させることによる、当該対象者におけるビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進方法。
  10. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物が、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)に属する微生物およびビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)に属する微生物からなる群より選ばれる1種または2種以上である、請求項9に記載の方法。
  11. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物のヒト成人の腸内における増殖を促進する、請求項9または10に記載の方法。
  12. ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進において使用するための、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有する組成物。
  13. ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオースおよびそれらの誘導体からなる群より選ばれる1種または2種以上を含有するビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用組成物、およびビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する微生物の増殖促進用途への使用に関する説明を記載した記載物を含む商業的パッケージ。
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