JP2014166972A - 腸炎抑制剤及び飲食品 - Google Patents

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Tomohisa Takagi
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惇子 岸
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Abstract

【課題】β-カロテンとの併用効果を発揮し得る特定の乳酸菌を有効成分とする、優れた腸炎抑制剤、および前記腸炎抑制剤を含有する食品を提供すること。
【解決手段】ラクトバチルス ブレビス KB290株(受託番号 NITE P−1537)の菌体又はその発酵物を有効成分とすることを特徴とする、腸炎抑制剤。前記ラクトバチルス ブレビス KB290株は1×10個/g以上含有することが好ましい。さらに、前記腸炎抑制剤は、β−カロテンを有効成分として含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳酸菌を有効成分とする腸炎抑制剤、及びこれを含む飲食品に関する。
近年、腸炎に起因する疾患が急激な増加を示している。クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患は重篤な慢性腸炎を呈する疾患であり、腹痛、下痢、血便や体重減少を主な症状とし、寛解と再発を繰り返すことが特徴である。公益財団法人難病医学研究財団/難病情報センターによると日本には約14万人の患者がおり、年間約1万人のペースで増加している。一方で、軽度の慢性炎症は、過敏性腸症候群の一因とされる。過敏性腸症候群は、腹部不快感を伴う下痢や便秘を繰り返す症候群である。日本の大学生を対象とした調査では、10.7%が過敏性腸症候群と診断されたという報告もあり(非特許文献1)、推定では日本人の10〜20%が罹患しているともされる、国民的に問題となっている症候群である。これら疾患、症候群の原因と考えられている腸炎の抑制には、一般的にステロイド、抗生物質、免疫調節剤、生物学的製剤などが用いられる。しかし、こうした医薬品は深刻な副作用を起こす可能性がある。例えば、易感染性、倦怠感、吐き気、腹痛、下痢、消化管潰瘍・出血、肝毒性、膵炎などが報告されている(非特許文献2〜3)。また、慢性疾患の患者にとっては、定期的に医療機関で受診すること、医薬品を購入、服用することは、経済的、心理的にも負担である。そのため、機能性食品を利用した補完代替医療が着目されている。
乳酸菌は、古くからヨーグルトやチーズ、ワインなどの発酵食品の製造に利用されてきた微生物である。日本の伝統的な発酵食品である漬物の製造にも乳酸菌は欠かせない存在であり、日本人は昔から乳酸菌を摂取していたと考えられる。乳酸菌の中には、十分な量を摂取したときに有用な効果をもたらす生きた微生物、いわゆるプロバイオティクスとしての機能を有する菌株が存在する。抗炎症作用を有する菌株もいくつか報告されており、腸炎の予防・治療剤や、予防・治療を目的とした飲食品等にも用いられている。例えば、特許文献1には、ラクトコッカス属乳酸菌及び/又はその処理物を有効成分とする免疫調節性機能誘導剤が記載されている。また、特許文献2には、ラクトバチルス・ガセリ菌を用いた炎症性腸疾患及び/又は過敏性腸症候群の予防・治療剤が記載されている。この他にも、腸炎モデル動物に対する腸炎抑制効果を示す乳酸菌は多数報告されており、腸炎抑制効果のある食品成分として注目されている。
一方、乳酸菌と同様に、腸炎抑制効果のある食品成分としてβ-カロテンが挙げられる。β−カロテンは、高い抗酸化作用を有し、また、細胞組織の修復作用や、免疫力の向上、細菌等からの防御機能を有すると考えられている。炎症性腸疾患の患者では、血中のβ-カロテン濃度が健常人と比較して低値であることが良く知られており(非特許文献4)、β-カロテンの腸炎抑制効果が研究されてきた。実際に、β-カロテンは腸炎モデル動物に対して明らかな症状改善効果を示すことが知られている(非特許文献5)。
上述したように、乳酸菌、β-カロテンは腸炎モデル動物に対して明らかな有効性を示すが、一方で、臨床試験においては必ずしも有効ではない。一般に、これらの成分の効果を高めるには、これらを併用すれば良いと考えられる。例えば、特許文献3では、腸炎抑制効果を有する乳酸菌とβ-カロテンを併用することで、併用効果が期待できるだろうと提案されている。しかし、非特許文献6では、乳酸菌の菌体成分(非特許文献6中では合成品のPam3Cys)とβ-カロテン(非特許文献6中ではβ-カロテンの代謝体であるレチノイン酸)の併用が炎症反応を促進する可能性も実験的に示唆されている。すなわち、乳酸菌とβ-カロテンの併用は効果を高める可能性も、症状を悪化させる可能性もあり、実際に併用効果を発揮し得るか否かは不明であった。また、上述のように単独で腸炎抑制効果を有する乳酸菌は多数報告されているにも関わらず、β-カロテンとの併用効果を発揮し得る特定の菌株は報告されていない。
国際公開第2009/066537号 特許第4853986号公報 特表2009−531448号公報
Shiotani A. et al.Journal of Gastroenterology.Vol.41、No.6、p562−568(2006) Stallmach A. et al. Best Practice & Research Clinical Gastroenterology. Vol.24、No.2、p.167−182(2010) Rogler G. et al. Best Practice & Research Clinical Gastroenterology. Vol.24、No.2、p.157−165(2010) Geerling BJ. et al. The American Journal of Clinical Nutrition. Vol.67,No.5,p.919−926(1998) Lavy A. et al. Inflammatory Bowel Diseases. Vol.9、No.6、p.372−379(2003) Saurer L. et al. The Journal of Immunology. Vol.179、No.6、p.3504−3514(2007)
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、単独で優れた腸炎症状抑制作用を有し、かつβ-カロテンとの併用効果を発揮し得る特定の乳酸菌を有効成分とする、優れた腸炎抑制剤、および前記腸炎抑制剤を含有する食品を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、ラクトバチルス ブレビス KB290株(NITE P−1537)が単独で優れた腸炎症状抑制作用を有し、かつβ-カロテンとの併用効果をも発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明はラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体又はその発酵物を有効成分とすることを特徴とする、腸炎抑制剤である。
本発明に係る腸炎抑制剤は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体を1×10個/g以上含有していることが好ましい。
また、本発明に係る腸炎抑制剤は、さらに、β−カロテンを有効成分として含有することが好ましく、β−カロテンを0.0005質量%以上含有することがより好ましい。
また、本発明に係る腸炎抑制剤は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体100質量部に対して、β−カロテンを0.1〜10質量部含有していることが好ましい。
さらに、本発明は、上記の腸炎抑制剤を含有する飲食品を提供する。
本発明に係る腸炎抑制剤は、単独で優れた腸炎症状抑制作用を有し、かつβ-カロテンとの併用効果を発揮し得る特定の乳酸菌を有効成分とし、優れた抗炎症作用を有する。また、本発明に係る腸炎抑制剤は、従来から飲食品に適用されているラクトバチルス ブレビス KB290株を有効成分とするため、安全に経口摂取することが可能である。つまり、本発明に係る腸炎抑制剤、およびこれを含有する飲食品を経口摂取することにより、大腸等の消化管における炎症を効果的に抑制することができる。
比較例1〜3、実施例1〜2の大腸の肉眼的所見を示す図である。 比較例1〜3、実施例1〜2の体重変化率を示す図である。 比較例1〜3、実施例1〜2の粘膜傷害スコアを示す図である。 比較例1〜2、実施例3〜6の粘膜傷害スコアを示す図である。 比較例1〜2、参考例1〜3の粘膜傷害スコアを示す図である。
≪腸炎抑制剤≫
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明に係る腸炎抑制剤は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体又はその発酵物を有効成分とする。ラクトバチルス ブレビス KB290株は独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託した(寄託日:2013年2月13日)。
受託番号は、NITE P−1537である。
ラクトバチルス ブレビス KB290株は、前培養してから用いることが好ましい。前培養は公知の方法で行えばよく、例えば、市販の乳酸菌用培地を、所定の濃度となるように蒸留水に溶解させ、オートクレーブ滅菌した後、ラクトバチルス ブレビス KB290株を植菌して、所定時間前培養する方法が挙げられる。
本発明において、ラクトバチルス ブレビス KB290株は、菌体を用いてもよく、その発酵物を用いてもよい。また、生菌を用いてもよく、死菌を用いてもよい。
ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体を用いる場合、菌体を乾燥させた粉末を有効成分としてもよい。菌体の乾燥は、菌体を変質させにくいことから、凍結乾燥、スプレードライ等で行なうことが好ましい。例えば、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体を液体培地等に懸濁させ、遠心分離等で濃縮したのち、凍結乾燥等により菌体粉末を得、これを有効成分とすることができる。
ラクトバチルス ブレビス KB290株の発酵物を用いる場合、ラクトバチルス ブレビス KB290株を用いた培地の発酵は、従来公知の方法に従って行えばよく、例えば、培地に前記前培養物を植菌し、ラクトバチルス ブレビス KB290株を培養すればよい。この時の植菌量は0.1〜10容量%であることが好ましく、培養時の温度は20〜40℃であることが好ましく、時間は12〜72時間であることが好ましい。
さらに本発明においては、発酵終了後の発酵物のpHを、酸を用いて調整してもよい。発酵物のpHを調整することで、培地の発酵を停止させ、保存中における発酵物の変質を抑制することができる。
この時用いる酸としては、食品用として一般的に用いられているものであれば特に限定されず、例えば、乳酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸等の酸性の有機化合物、リン酸等の酸性の無機化合物を挙げることができ、これらから選択される一種以上を用いることができる。また、用いる酸が結晶である場合には、水溶液として発酵物に添加することが好ましい。
本発明に係る腸炎抑制剤は、ラクトバチルス ブレビス KB290株を1×10個/g以上含有していることが好ましく、1×1010個/g以上含有していることがより好ましく、1×1012個/g以上含有していることが特に好ましい。実施例に記載した通り、充分量の菌体を含有することにより、充分な抗炎症作用を発揮し得る。
本発明に係る腸炎抑制剤は、さらに、β−カロテンを有効成分とすることが好ましい。β−カロテン自身も抗炎症作用を有するが、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体又はその発酵物とβ−カロテンを併用することにより、より高い抗炎症効果を得ることができる。
本発明において、β−カロテンは特に限定されず、天然の成分であっても、合成されたものであってもよい。また、β−カロテンが体内で吸収・分解された際に生じるレチノール、レチナール、レチノイン酸の形態で用いてもよい。
本発明に係る腸炎抑制剤は、β−カロテンを0.0005質量%以上含有していることが好ましく、0.001質量%以上含有していることがより好ましく、0.002質量%以上含有していることが特に好ましい。実施例に記載した通り、充分量のβ−カロテンを含有することにより、充分な抗炎症作用を発揮し得る。
β−カロテンの含有量は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜8質量部であることがより好ましく、0.3〜6質量部であることが特に好ましい。ラクトバチルス ブレビス KB290株に対して充分量のβ−カロテンを含有させることにより、併用による顕著な抗炎症効果が充分に発揮される。
本発明に係る腸炎抑制剤が、上記のラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体又はその発酵物とβ−カロテン併用して含む場合には、両者を混合することにより調製する。混合方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
本発明に係る腸炎抑制剤の投与形態としては、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液、シロップ剤、乳液等による経口投与を挙げることができる。これらの各種製剤は、常法に従って主薬であるラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体又はその発酵物やβ−カロテンに加えて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬等の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
本発明に係る腸炎抑制剤の有効成分であるラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体又はその発酵物の投与量は、投与する対象が人である場合、患者の性別、症状、年齢、投与方法によって異なるが、通常、成人(体重60kg)1日あたりの投与量が全量で、1×10個〜1×1014個であり、好ましくは、成人1日あたりの投与量が全量で、1×1010個〜1×1012個である。上記1日あたりの量を一度にもしくは数回に分けて投与することができ、投与時は、食前、食後、食間を問わない。また投与期間は特に限定されない。
また、本発明に係る腸炎抑制剤は、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群など腸炎に起因する疾患の予防及び/又は治療に有用である。炎症性腸疾患としては、例えば、クローン病や潰瘍性・肉芽腫性・虚血性・放射性・感染性結腸炎等の大腸炎が挙げられる。
本発明に係る腸炎抑制剤は、ヒトをはじめウシ、ウマ、イヌ、マウス、ラット等の哺乳動物、およびニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ウズラ、ヤマウズラ、ホロホロチョウ、ダチョウ、エミュー等の鳥類に好適に投与される。本発明に係る腸炎抑制剤は、炎症を有する個体や炎症を有する可能性のある個体に投与されることが好ましい。また、本発明に係る腸炎抑制剤は、非常に安全性が高いため、炎症に対する予防剤として、健常な個体に継続的に摂取されてもよい。
≪飲食品≫
本発明は、上記の腸炎抑制剤を含有する食品を提供することができる。本発明に係る腸炎抑制剤は、発酵製品に使用されている乳酸菌であるため、各種飲食品に安全に含有させることができる。
本発明に係る飲食品としては、特に限定されないが、例えば、各種飲料、ヨーグルト、チーズ、バター、乳酸菌発酵品等の各種乳製品、流動食、ゼリー、キャンディ、レトルト食品、錠菓、クッキー、カステラ、パン、ビスケット、などが挙げられる。
飲食品には、可食性の、炭水化物、蛋白質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、糖質(ブドウ糖、等)、天然又は人工甘味剤、クエン酸、炭酸水、果汁、安定剤、保存剤、結合剤、増粘剤、乳化剤などを適宜配合することができる。
本発明に係る腸炎症抑制剤および腸炎症抑制剤を含む食品を、大腸粘膜に炎症を有する動物が摂取すると、その炎症が改善される。また、これにより、体重減少も抑制できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜2、比較例1〜3]
市販の乳酸菌用培地(de Man、Rogosa、Sharpe培地、Oxoid社製)を、濃度が52g/Lとなるように蒸留水に溶解させ、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。続いて、該滅菌済み培地にラクトバチルス ブレビス KB290株を植菌し、30℃で24時間前培養した。
前記培養液を遠心分離(8000×G,10分)した後、生理食塩水によって洗浄した菌体を滅菌蒸留水中に懸濁し、加熱殺菌(100℃、30分)した後、凍結乾燥し、粉末菌体を得た。
TNBS誘発大腸炎モデルマウスに対する効果
7週齢のC57BL/6系マウス(10匹)に、前記で得られたラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体等を10日間自由摂取させた。摂取7日目にトリニトロベンゼンスルホン酸(以下、TNBSという)を注腸投与し、大腸炎を誘発させた。10日後にマウスを安楽死させ、開腹下に大腸を摘出した。その後、大腸の肉眼的所見、試験開始時からの体重減少、腸管組織の粘膜傷害スコアを評価した。
[大腸の肉眼的所見]
摘出した大腸の肉眼的所見を図1に示す。図1中、比較例1は、TNBSにより大腸炎を誘発させていない無処理のマウスに、通常餌を摂取させた結果である。比較例2は、TNBS誘発大腸炎モデルマウスに通常餌を摂取させた結果である。比較例3は、TNBS誘発大腸炎モデルマウスにβ−カロテンを摂取させた結果である。実施例1は、TNBS誘発大腸炎モデルマウスにラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体を摂取させた結果である。実施例2は、TNBS誘発大腸炎モデルマウスにラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体とβ−カロテンを摂取させた結果である。
比較例2のマウスでは、大腸に広く炎症がみられ、大腸の萎縮が起きていた。これに対して比較例3及び実施例1、2のマウスでは、炎症部位が顕著に少なくなっていた。特に、実施例2では、炎症は非常に少なく、大腸の萎縮も抑制されていた
[試験開始時からの体重減少評価]
試験開始時からの体重減少の結果を図2に示す。図2中、比較例1〜3、実施例1,2は前記同様である。
図2中、「*」はp<0.01vs.比較例1、「#」はp<0.01vs.比較例2を、「§」はp<0.05vs.比較例3を示す。
比較例2に比べて、実施例1は比較例3と同程度にまで体重変化率は低くなっていた。また、実施例2は比較例3よりも顕著に体重減少を抑制できていた。
[腸管組織の粘膜傷害スコアの評価]
大腸炎疾患の程度を示す指標として、マウスの粘膜損傷や周囲臓器との癒着、下痢の程
度などを、以下の表1に示す分類基準に従って各スコアに分類した。
図3に、腸管組織の粘膜傷害スコアを示す。図3中、比較例1〜3、実施例1,2は前記同様である。
図3中、「*」はp<0.01vs.比較例1、「#」はp<0.01vs.比較例2を、「§」はp<0.05vs.比較例3を示す。
比較例2に比べて、実施例1は比較例3と同程度にまで腸管組織の粘膜傷害スコアは低くなっていた。また、実施例2の腸管組織の粘膜傷害スコアは比較例3よりも顕著に低かった。
実施例1〜2、比較例1〜3の結果より、ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体を単独で経口摂取することにより大腸炎抑制効果が得られることがわかり、さらにラクトバチルス ブレビス KB290株とβ−カロテンを併用することにより、大腸炎抑制に対してより優れた効果を発揮することがわかった。
[実施例3〜6、参考例1〜3]
ラクトバチルス ブレビス KB290株の用量を変化させ、上記と同様の方法により、TNBS誘発大腸炎モデルマウスに対する腸管組織の粘膜傷害スコアを評価した。
評価結果を図4に示す。図4中、比較例1、2は前記同様である。図4中、実施例3は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体を0.01%(w/w)混合させた通常餌を、実施例4はラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体を0.05%(w/w)混合させた通常餌を、実施例5は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体を0.1%(w/w)混合させた通常餌を、実施例6は、ラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体を0.5%(w/w)混合させた通常餌を、10日間自由摂取させた結果である。図4中、「*」はp<0.01vs.比較例1、「#」はp<0.01vs.比較例2を示す。
図4中、「*」はp<0.01vs.比較例1、「#」はp<0.01vs.比較例2を示す。
図5に、β−カロテンの用量を変化させ、上記と同様の方法により、TNBS誘発大腸炎モデルマウスに対する腸管組織の粘膜傷害スコアを評価した結果を示す。図5中、比較例1、2は前記同様である。図5中、参考例1は、β−カロテンを0.0005%(w/w)混合させた通常餌を、参考例2は、β−カロテンを0.001%(w/w)混合させた通常餌を、参考例3は、β−カロテンを0.002%(w/w)混合させた通常餌を、10日間自由摂取させた結果である。図5中、「*」はp<0.01vs.比較例1、「#」はp<0.01vs.比較例2を示す。
ラクトバチルス ブレビス KB290株の粉末菌体又はβ−カロテンの単独での腸炎抑制効果を検証した結果、用量依存的に粘膜傷害スコアが減少し、腸炎抑制効果が確認された。
NITE P−1537

Claims (6)

  1. ラクトバチルス ブレビス KB290株(受託番号 NITE P−1537)の菌体又はその発酵物を有効成分とすることを特徴とする、腸炎抑制剤。
  2. ラクトバチルス ブレビス KB290株を1×10個/g以上含有する、請求項1に記載の腸炎抑制剤。
  3. さらに、β−カロテンを有効成分として含有する、請求項1又は2に記載の腸炎抑制剤。
  4. β−カロテンを0.0005質量%以上含有する、請求項3に記載の腸炎抑制剤。
  5. ラクトバチルス ブレビス KB290株の菌体100質量部に対して、β−カロテンを0.1〜10質量部含有する、請求項3又は4に記載の腸炎抑制剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の腸炎抑制剤を含有する、飲食品。
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