JP5851242B2 - チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌ならびにチオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品および医薬品 - Google Patents

チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌ならびにチオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品および医薬品 Download PDF

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Description

本発明は、チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌およびその利用方法に関し、また当該乳酸菌を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品および医薬品に関する。
最近、生活習慣病や老化など、生体傷害の原因の一つとして、酸化ストレスについての重要性が注目を集めており、様々な検討がなされている。特に、酸化ストレスによって生じる生体傷害を防ぐことが生活習慣病の予防につながる可能性が見いだされ始めた。そのため、酸化ストレスに対して有効とされる様々な抗酸化物質の研究開発が進められており、それを含有する抗酸化食品、すなわち酸化ストレス予防食品により、老化やがんに至る種々の疾病を予防することができる可能性のもとに研究が進んでいる。例えば、ゴマリグナン類、ウコンに特異的なクルクミンやアントシアニン類のような化合物に着目して酸化ストレスを予防するための研究が進められているが、未だ不十分であった。
その中で、近年注目されている生体内物質として、チオレドキシンがある。チオレドキシンは、活性部位に二つのシスチン残基を有し、酵素のジスルフィド結合の酸化還元を通して、その活性を調節することが可能なタンパク質として知られている。特にその酸化還元反応により種々の酸化ストレスを除去し、それによる生体傷害を防ぐことが可能であることが判明している(例えば非特許文献1、2および3)。
したがって、生体内においてチオレドキシンを発現させ、有効に利用することができれば、酸化ストレスを防御し、また予防することが可能となり、よって種々の生体傷害をも防ぐことが可能となると考えられている。
これまでチオレドキシンの発現を誘導する物質については、あまり検討が進んでおらず、いくつかの化合物が知られているのみである。そのような物質として、例えば、α,β−不飽和結合を有するアルデヒド化合物を含有するチオレドキシン誘導剤(特許文献1)、アブラナ科植物由来のスルフォラファン(特許文献2)、ヨモギ、ヨモギ抽出物、青ジソおよび青ジソ抽出物(特許文献3)、イソプレノイド系化合物、ゲラニルゲラニルアセトン(GGA)(特許文献4)等が挙げられる。
特開2009−108009号公報 特開2006−109754号公報 WO2006/033351パンフレット 特開2001−322929号公報
Holmgren A.等,Methods Enzymol,1995年,252,199〜208頁 H ナカムラ等,Immunol.Lett.,1994年,42,75〜80頁 M マツダ等,J.Immunol.,1991年,147,3837〜3841頁
このように種々の化合物がチオレドキシン誘導物質として探索されているが、チオレドキシン誘導活性を有する微生物はこれまでに見出されていなかった。本発明は、チオレドキシン誘導活性を有する微生物の提供を課題とする。
上記従来の問題点に鑑み、本発明者等は鋭意研究を進めたところ、チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、飲食品や医薬品に適した、チオレドキシンを誘導し、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善することが可能な乳酸菌に関する。またさらに、本発明は、上記乳酸菌を用いた生体傷害を予防および/または改善する飲食品や医薬品に関する。
即ち、本発明の一態様は、チオレドキシン誘導活性を有するラクトバシルス(Lactobacillus属の乳酸菌である。
上記乳酸菌としては好ましくはラクトバシルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)属菌であり、さらに好ましくはラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株である。
また、本発明の別の態様は、上記本発明の乳酸菌、またはその乳酸菌含有物および/もしくは乳酸菌処理物を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品である。
また、本発明のさらに別の態様は、上記本発明の乳酸菌、またはその乳酸菌含有物および/もしくは乳酸菌処理物を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品組成物である。
また、本発明のさらに別の態様は、上記本発明の乳酸菌、またはその乳酸菌含有物および/もしくは乳酸菌処理物を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の医薬品である。
本明細書は本願の優先権の主張の基礎となる日本国特願2009-199157の内容を包含する。
本発明によるチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌の投与により、生体内でチオレドキシンを誘導することができる。本発明の一態様では、好適には、本発明によるチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌を経口摂取することにより、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善することができる。また本発明のさらなる態様として、本発明による乳酸菌は、菌含有物、菌処理物などの種々の形態にて提供することが可能なため、これを含有することで簡便に酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善する飲食品、飲食品組成物および医薬品として提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下に述べる個々の形態には限定されない。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌としては、ラクトバシルス(Lactobacillus)属に属する菌類が例示でき、例えばラクトバシルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)株、ラクトバシルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)株等を具体的に挙げることができる。しかし、本発明はこれらの種に限定されるものではなく、またこれらの菌株については、単独あるいは2以上を組み合わせて使用することができる。
上記のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌の中でも特に好ましくはラクトバシルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)株である。更に好ましくはラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株である。
本発明で用いるラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株は下記の条件で寄託申請され、ブダペスト条約に基づいて寄託されている。
(1) 受領機関名(国際寄託機関の名称):独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(2) 連絡先(国際寄託機関の住所):〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8
(3) 受託番号:NITE BP−778
(4) 識別の表示:Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus OLL1224
(5) 受領日(受託日): 2009年 7月 2日
本発明のラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株は、以下の菌学的性質を有するものである。
ラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株は、植物由来のグラム陽性偏性嫌気性長桿菌である。Lactobacilli MRS Broth(BD)に本菌を接種し、AnaeroPack・ケンキ(三菱ガス化学製)使用による嫌気状態にて37℃18時間培養すると、円形、白色、小〜中型、Rough型(一部はSmooth型)、扁平状(一部は円錐状)コロニーが観察される。
なお本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌は、当該乳酸菌の含有物またはその処理物として調製してもよい。本発明の含有物またはその処理物としては、以下には限定されないが、具体的には、チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌の培養物、濃縮物、ペースト化物、噴霧乾燥物、凍結乾燥物、真空乾燥物、ドラム乾燥物、液状物、希釈物、破砕物などが挙げられる。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌は、チオレドキシン遺伝子を始めとするチオレドキシン関連遺伝子の発現を誘導または増加させることができる。この本発明の乳酸菌は、チオレドキシンの発現を誘導または増加させることにより、生体障害、好ましくは、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を阻止又は軽減することができる。
本発明は、本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌の含有物もしくは処理物、またはそれらを含む医薬組成物(医薬品)を動物(ヒトを含んでも含まなくてもよい)に投与することにより、生体傷害、好ましくは、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を、予防および/または改善することができる。本発明は、このような生体傷害の予防および/または改善方法にも関する。本発明はまた、生体傷害の予防および/または改善に使用するための、本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌の含有物もしくは処理物、またはそれらを含む医薬組成物(医薬品)にも関する。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌の摂取量あるいは投与量は、投与経路、ヒトを含む投与対象動物の年齢、体重、症状など、種々の要因を考慮して、適宜設定することができる。本発明はこれに限定されないが、成人一日あたり、当該乳酸菌を好ましくは1×10〜1×1010cfu/g、より好ましくは1×10〜1×10cfu/gの用量を摂取あるいは投与する。しかしながら、長期間に亘って予防および/または治療の目的で摂取する場合には、上記範囲よりも少量であってもよいし、また本有効成分は、安全性について問題がないので、上記範囲よりも多量に使用してもさしつかえない。
また本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌は、経口投与が好ましい。本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌は、その乳酸菌の含有物もしくは処理物、またはそれらを含む医薬組成物(医薬品)の形態で投与(好ましくは経口投与)することもできる。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌含有物および処理物は、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善する医薬品もしくは医薬組成物として、またはその製造に、用いることができる。医薬品の投与形態としては、例えば錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液、シロップ剤、乳液等による経口投与をあげることができる。これらの各種製剤は、常法に従って本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、該乳酸菌含有物および/またはその処理物に、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌含有物および処理物は、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善する飲食品、またはその製造に用いることができる。
本発明の飲食品は、カテゴリーや種類に制限はなく、機能性食品、特定保健用食品、健康食品、介護用食品でもよく、また、菓子、乳酸菌飲料、チーズやヨーグルト等の乳製品、調味料等であってもよい。飲食品の形状についても制限はなく、固形、液状、流動食状、ゼリー状、タブレット状、顆粒状、カプセル状など、通常流通し得るあらゆる飲食品形状をとることができる。上記飲食品の製造は、当業者の常法によって行うことができるが、乳酸菌の生育を妨げない限り、糖質、タンパク質、脂質、食物繊維、ビタミン類、生体必須微量金属(硫酸マンガン、硫酸亜鉛、塩化マグネシウム、炭酸カリウム等)、香料やその他の配合物を添加することもできる。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌含有物および処理物は、上記の通り乳製品・発酵乳を含む一般飲食品に加工できる他、ヨーグルトやチーズ等の乳製品・発酵乳の製造用スターターとして利用することも可能である。スターターとする場合は、本発明のラクトバシルス(Lactobacillus)属乳酸菌の生息・増殖に支障がない限り、また、乳製品製造に支障がない限り、他の微生物を混合してもよい。例えば、ヨーグルト用乳酸菌として主要な菌種であるストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)株、ラクトバシルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)株等と混合してもよく、その他、一般にヨーグルト用やチーズ用として用いられる菌種と混合してスターターとすることができる。上記スターターによる乳製品、発酵乳の製造は、常法に従って行うことができる。例えば、加温・混合・均質化・殺菌処理後に冷却した乳または乳製品に、上記スターターを混合し、発酵・冷却することにより、プレーンヨーグルトを製造することができる。
また本発明の飲食品は、具体的には、各種飲食品、飲食品組成物(例えば、牛乳、清涼飲料、発酵乳、ヨーグルト、チーズ、パン、ビスケット、クラッカー、ピッツァクラスト、調製粉乳、流動食、病者用食品、幼児用粉乳等食品、授乳婦用粉乳等食品、栄養食品等)に本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、ならびにその乳酸菌含有物および/または乳酸菌処理物を添加し、これを摂取してもよい。また、その性状についても、通常用いられる飲食品の状態、例えば、固体状(粉末、顆粒状その他)、ペースト状、ゲル状、液状ないし懸濁状のいずれでもよい。
その他の成分についても特に限定されないが、本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌含有物および/または乳酸菌処理物を飲食品または飲食品組成物に含ませて用いる場合には、水、タンパク質、糖質、脂質、ビタミン類、ミネラル類、有機酸、有機塩基、果汁、フレーバー類等を主成分として使用することができる。タンパク質としては、例えば全脂粉乳、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、カゼイン、ホエイ粉、ホエイタンパク質、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、ラクトフェリン、大豆タンパク質、鶏卵タンパク質、肉タンパク質等の動植物性タンパク質、これら加水分解物、バター、乳清ミネラル、クリーム、ホエイ、非タンパク態窒素、シアル酸、リン脂質、乳糖等の各種乳由来成分などが挙げられる。糖質としては一般の糖類、加工澱粉(デキストリンのほか、可溶性澱粉、ブリティッシュスターチ、酸化澱粉、澱粉エステル、澱粉エーテル等)、食物繊維などが挙げられる。脂質としては、例えば、ラード、魚油等、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の動物性油脂;パーム油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、ヤシ油、これらの分別油、水素添加油、エステル交換油等の植物性油脂などが挙げられる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、カロチン類、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK群、ビタミンP、ビタミンQ、ナイアシン、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、イノシトール、コリン、葉酸などが挙げられ、ミネラル類としては、例えば、カルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、銅、鉄、マンガン、亜鉛、セレン、乳清ミネラルなどが挙げられる。有機酸としては、例えば、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酒石酸などが挙げられる。これらの成分は、単独でも2種以上を組み合わせても使用することができ、合成品および/またはこれらを多く含む食品を用いてもよい。
本発明のチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌、その乳酸菌含有物および/または処理物は、その目的、用途に応じて含有量を任意に定めることができ。本発明はこれに限定されないがその含量としては、1×10〜1×1010cfu/gが好ましく、より好ましくは1×10〜1×10cfu/gである。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
以下、本発明を実験例、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、本明細書において%表示は明示しない場合には重量%を示す。
[実施例1]
<乳酸菌培養液のメタノール抽出物の調製法>
本発明の乳酸菌(ラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株は表1に示すTPYG培地5mlに接種し、37℃、18時間、アネロパック(三菱ガス化学)にて嫌気培養した。培養終了時の660nmにおける培養液の吸光度は4.530であった(TPYG培地のみでは0.044)。培養終了後、培養液をステンレスバットに移して、凍結乾燥を行った。凍結乾燥物の重量は0.61gであった。凍結乾燥前の培養液と等量のメタノールを、凍結乾燥物に加え、よく攪拌した後、5℃にて40時間静置することで抽出した。その後、よく攪拌し、遠心分離(12000G,10分)して上清を回収し、これを試料とした。また、乳酸菌を接種しない培養液を対照(Control)とした。
TPYG培地の組成
Figure 0005851242
[実施例2]
<アレイサンプル>
マウス線維芽細胞3T3−L1細胞を9cmディッシュに播種した。十分な生育を確認した後、デキサメタゾン(1μM)、インシュリン(2μM)、3−イソブチル−1−メチルキサンテン(0.25mM)を含む培地に交換し、分化誘導した。さらに3、5、7日後に、インシュリン(2μM)を含む培地に交換し、分化促進をした。分化開始より9日後に培地を棄て、さらに本発明の乳酸菌(ラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカスOLL1224株(NITE BP−778)、以下「本発明の乳酸菌OLL1224株」と称する)の培養物1%を含む試料を添加した培地中(500μL)にて3時間培養した(実験群)。尚、乳酸菌培養の工程において、マウス線維芽細胞3T3−L1細胞のみの場合を無添加群、本発明の乳酸菌培養物は無く、表1の培地のみを添加した群をControl群とした。この培地を棄て滅菌したPBSで2回洗浄した後、TNF−α(10ng/mL)を含む培地にて20時間培養した。この上清を回収し、適宜PBSで希釈したのち、ELISAにてIL−6の量を測定した。細胞についてはPBSによる2回の洗浄後Trizolに溶解し、常法によりマイクロアレイサンプル用のRNAを回収した。
その後、酸化ストレス、炎症反応、抗酸化酵素、解毒酵素、または肥満に関与する遺伝子221種類を搭載した抗体チップ(ジェノパール、三菱レイヨン社製)を作成して用い、上記で回収したRNAを被験試料として、これらの遺伝子発現データを取得した。
無添加群での遺伝子発現を1とし、Control群、実験群の遺伝子発現の割合を算出した。表2は、アレイサンプルの1例を示す。この結果、チオレドキシン関連遺伝子である、Txndc2、Txnl1およびTxndc17の遺伝子発現において、Control群と比較して本発明の乳酸菌培養物を添加した群での発現が高まった。従って、本発明の乳酸菌にはチオレドキシンを誘導する活性を有していることが明らかとなった。
Figure 0005851242
なお、表2に記載されている遺伝子の名称は、表3の通りである。
Figure 0005851242
また、肥満の脂肪細胞ではTNF−α、IL−6といった炎症性サイトカインの産生が亢進することが知られている。そこで、ELISAにてIL−6の量を測定したところ、サンプル無添加群では、1439pg/mL、Control群では、1373pg/mL、本発明の乳酸菌(NITE BP−778)を含む群では876pg/mLであり、本発明の乳酸菌はIL−6の産生亢進を抑制することも確認された。
[実施例3]
上記実施例2にてチオレドキシン誘導活性を有することが確認された乳酸菌、ラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株から、常法により乳酸菌飲食品としてヨーグルトを製造したところ、本発明の乳酸菌を含有する所望のチオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用のヨーグルトを得ることができた。
[実施例4]
上記実施例2にてチオレドキシン誘導活性を有することが確認された乳酸菌、ラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株から、常法により乳酸菌濃縮物を作成し、これを用いて常法により適宜の医薬品用添加剤を併用してカプセル剤を製造することにより、本発明の乳酸菌を含有する所望のチオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用のカプセル剤を得ることができた。
本発明によるチオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌を経口摂取することにより、酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善することができる。また本発明による乳酸菌は種々の形態にて提供することが可能なため、簡便に酸化ストレスに起因する様々な生体傷害を予防および/または改善する飲食品または医薬品として提供することができる。乳酸菌を用いる技術は簡便であり、また人体に対する安全性についても問題がないために、その優れた効果を簡便かつ有効に活用することができ、その利用価値は高い。

Claims (4)

  1. ラクトバシルス・デルブリュッキ・サブスピーシーズ・ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)OLL1224株(受託番号NITE BP−778)である、チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌。
  2. 請求項1に記載の乳酸菌、またはその乳酸菌含有物および/もしくは乳酸菌処理物を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品。
  3. 請求項1に記載の乳酸菌、またはその乳酸菌含有物および/もしくは乳酸菌処理物を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品組成物。
  4. 請求項1に記載の乳酸菌、またはその乳酸菌含有物および/もしくは乳酸菌処理物を含む、チオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の医薬品。
JP2011528901A 2009-08-31 2010-08-31 チオレドキシン誘導活性を有する乳酸菌ならびにチオレドキシンを介する生体傷害の予防および/または改善用の飲食品および医薬品 Active JP5851242B2 (ja)

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