JP6782021B2 - 防虫効果持続性に優れたシート - Google Patents

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本発明は、ユスリカ、ヌカカ、ヒトスジシマカ、アカイエカなどのカ、ブユ、アシナガバエ、ミギワバエ、ガガンボ、キノコバエ、クロバネキノコバエ、タマバエ、ハモグリバエ、オドリバエ、チョウバエ、ニセケバエ、ノミバエ、ショウジョウバエ、フンコバエ(ハヤトビバエ)、ハマベバエ、トゲネバエ、クロコバエ、イエバエ、ヒエイバエ、クロバエ、ニクバエなどのハエ、寄生蜂(コバチなど)、アリ(有翅)、アブラムシ、アザミウマ、ウンカ・ヨコバイ、カメムシ、ガ、トビケラ、カワゲラ、カゲロウ、チャタテムシ(有翅)、微少コウチュウなどの飛翔性昆虫やノミ、ダニ、ゴキブリなどの節足害虫の忌避効果を有する防虫シートに関する。詳しくは、シートシャッター、店舗の日除けテント、庇、建築養生シート、建築防音シート、建築養生メッシュ、電照式フレキシブル看板、空間間仕切り用シート、シートカバーなど屋外で使用する建築用資材やビニールハウスなどの農業用資材や畜舎などの畜産業用資材やレジャーシートなどのレクリエーション用資材であって、長期間使用しても忌避効果が継続的に発現する防虫シートに関する。
飛翔性害虫の忌避効果を有し、夏季の遮熱効果に優れ、その遮熱効果によりメッシュシート本体の過度の昇温を抑制することで飛翔性害虫に忌避効果のある薬効成分の揮発ロスを抑止し、それによって飛翔性害虫の忌避効果を長期間安定持続可能とするメッシュシートとして、本出願人は遮熱性樹脂層にピレスロイド系化合物を担持した包接用化合物(シクロデキストリン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、層状ケイ酸塩、シリカ)を含むことで、徐放性をコントルールしたメッシュシート(特許文献1)を提案した。しかし、包接用化合物からのピレスロイド系化合物の徐放効果が使用開始と1年後とで大きく異なり、ピレスロイド系化合物が低濃度になるほど包接用化合物に強く担持され続けて、その徐放効果が不十分となる問題があった。すなわち担持効果によってメッシュシート本体に残りのピレスロイド系化合物が残留し続けるにも係わらず、防虫効果が不十分となる問題が発生することがあった。そのため、シートシャッター、店舗の日除けテント、庇、建築養生シート、建築防音シート、建築養生メッシュ、電照式フレキシブル看板、空間間仕切り用シート、シートカバーなど屋外で使用する建築用資材やビニールハウスなどの農業用資材や畜舎などの畜産業用資材やレジャーシートなどのレクリエーション用資材であって、長期間使用しても忌避効果が継続的に安定して発現する防虫シートが望まれていた。
特開2015−63494号公報
本発明は、シートシャッター、店舗等の日除けテント、庇、建築養生シート、建築防音シート、建築養生メッシュ、電照式フレキシブル看板、空間間仕切り用シート、シートカバーなど屋外で使用する建築用資材やビニールハウスなどの農業用資材や畜舎などの畜産業用資材やレジャーシートなどのレクリエーション用資材などで、飛翔性昆虫や節足害虫に対する忌避効果が長期間使用しても継続的に安定発現する防虫効果持続性に優れたシートの提供をしようとするものである。
上記課題を解決するために、メッシュ状基布の片面若しくは全面にピレスロイド系化合物と酸化チタンを分散して含む軟質塩化ビニル系樹脂層を付与することで、屋外で長期間使用しても、飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果が継続的に安定発現する防虫シートが得られることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、メッシュ状基布の両面もしくは全面に、ピレスロイド系化合物と酸化チタンを分散して含む軟質塩化ビニル系樹脂層がフィルム状または皮膜状に付与されていて、前記軟質塩化ビニル系樹脂層が、内層及び外層の二層構造を成し、前記内層及び外層の少なくとも一方の層が、独立気泡痕及び/または連続気泡痕を含有する発泡層で、前記酸化チタンが前記軟質塩化ビニル系樹脂層に対し3〜25質量%含まれることが好ましく、酸化チタンによるピレスロイド系化合物の保持・保護効果によって、屋外で長期間使用しても、飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果を継続的に発現する産業資材用シートを得ることを可能とする。
本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、前記軟質塩化ビニル系樹脂層が、内層及び外層の二層構造を成し、前記ピレスロイド系化合物の含有質量%が外層よりも内層の方が高く、前記酸化チタンの含有質量%が内層よりも外層の方が高いことが好ましく、このようなピレスロイド系化合物と、酸化チタンの含有質量%が各々内層と外層とで異なる二層構造の特徴によって、特に外層では酸化チタンによるピレスロイド系化合物の保護効果を発現し、特に内層では酸化チタンによるピレスロイド系化合物の保持効果を発現することで、屋外でさらに長期間効果的に飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果を継続的に発現する防虫シートを得ることを可能とする。
本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、前記内層及び外層の構成質量比が、2:1〜1:2であることが好ましく、このような内層と外層との構成質量比のバランスによって、屋外で長期間効果的に飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果を継続的に発現する防虫シートを得ることを可能とする。
本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、前記内層及び外層の少なくとも一方の層が、独立気泡痕及び/または連続気泡痕を含有する発泡層であることが好ましく、このような独立気泡痕及び/または連続気泡痕を有することで、内層及び/または外層の表面積が増大し、それによって、飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果をより効果的とし、さらに内層及び/または外層に独立気泡痕及び/または連続気泡痕を有することでピレスロイド系化合物の保持効果をより長く維持することで、屋外でさらに長期間効果的に飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果を継続的に発現する防虫シートを得ることを可能とする。
本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、前記ピレストロイド系化合物が、ペルメトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、d−フェノトリン、レスメトリン、フラメトリン、d−レスメトリン、テフルトリン、エンペントリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、エスビオトリン、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、デルタメトリン、シラフルオフェン、シフルトリン、ビフェントリン、ブラトリン、アレスリン、d−アレスリン、ピレトリン、d−テトラメスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、ジメフルトリン、プロフルトリン、シネリン、ジャスモリンから選ばれた1種以上であることが好ましい。これらの使用、組み合わせ使用によって、種々の飛翔性昆虫や節足害虫に対する高い忌避効果を得ることを可能とする。
屋外で長期間使用しても忌避効果が継続的に発現する防虫シートはなかったが、本発明の防虫シートでは飛翔性昆虫や節足害虫に対する忌避効果が長期間使用しても継続的に発現するので、シートシャッター、店舗の日除けテント、庇、建築養生シート、建築防音シート、建築養生メッシュ、電照式フレキシブル看板、空間間仕切りシート、シートカバーなど屋外で使用する建築用資材やビニールハウスなどの農業用資材や畜舎などの畜産業用資材やレジャーシートなどのレクリエーション用資材など幅広い分野のシートに使用することができる。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、メッシュ状基布の両面若しくは全面にピレスロイド系化合物と酸化チタンが分散された軟質塩化ビニル系樹脂層をフィルム状または皮膜状に付与されたものである。
本発明においてメッシュ状基布の両面にピレスロイド系化合物と酸化チタンが分散された軟質塩化ビニル樹脂層をフィルム状に付与する場合には、軟質塩化ビニル樹脂組成物をカレンダー成型、Tダイス押出成型、ブロー成型などの方法で、厚さ0.03〜0.5mmに(延伸)フィルム化、または肉厚フィルム化し、メッシュ状基布に貼り合せる方法で形成させターポリンシートを得る。軟質塩化ビニル樹脂層の形成はメッシュ状基布の両面が好ましいが、片面のみの形成でも本発明の産業資材用シートとして使用可能である。また全面にピレスロイド系化合物と酸化チタンが分散された軟質塩化ビニル系樹脂層を皮膜状に付与する場合には、軟質塩化ビニル樹脂系のペーストゾルにメッシュ状基布をディッピングやコーティグ法などの含浸被覆によって軟質塩化ビニル樹脂系のペーストゾルを付着させたものを加熱ゲル化させてメッシュ状基布の全面に形成させメッシュシートを得る。
特に上述の軟質塩化ビニル系樹脂層は、内層及び外層の二層構造を成し、ピレスロイド系化合物の含有質量%が外層よりも内層の方が高く、酸化チタンの含有質量%が内層よりも外層の方が高いことが好ましく、さらに内層及び外層の構成質量比が、2:1〜1:2、特に3:2〜2:3であることが好ましい。ピレスロイド系化合物は軟質塩化ビニル系樹脂層に対し3〜25質量%含まれることが好ましく、また酸化チタンは軟質塩化ビニル系樹脂層に対し5〜25質量%含まれることが好ましい。例えば、1)ピレスロイド系化合物の含有量が内層20質量%:外層15質量%で、酸化チタンの含有量が内層質量15%:外層20質量%の二層構造、2)ピレスロイド系化合物の含有量が内層20質量%:外層5質量%で、酸化チタンの含有量が内層質量5%:外層20質量%の二層構造、3)ピレスロイド系化合物の含有量が内層5質量%:外層3質量%で、酸化チタンの含有量が内層質量5%:外層10質量%の二層構造が例示できる。このような二層構造は、内層及び外層の各々の軟質塩化ビニル系樹脂層を形成するフィルムまたは皮膜を積層することで得られる。このような二層構造、及び二層構造バランスによって、特に外層では酸化チタンによるピレスロイド系化合物の保護効果を発現し、特に内層では酸化チタンによるピレスロイド系化合物の保持効果を発現することで、屋外でさらに長期間効果的に飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果を継続的に安定発現することができる。
本発明に用いるピレスロイド系化合物としては、ペルメトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、d−フェノトリン、レスメトリン、フラメトリン、d−レスメトリン、テフルトリン、エンペントリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、エスビオトリン、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、デルタメトリン、シラフルオフェン、シフルトリン、ビフェントリン、ブラトリン、アレスリン、d−アレスリン、ピレトリン、d−テトラメスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、ジメフルトリン、プロフルトリン、シネリン、ジャスモリンから選ばれた1種以上が例示でき、種々これらの組み合わせによってユスリカ、ヌカカ、ヒトスジシマカ、アカイエカなどのカ、ブユ、アシナガバエ、ミギワバエ、ガガンボ、キノコバエ、クロバネキノコバエ、タマバエ、ハモグリバエ、オドリバエ、チョウバエ、ニセケバエ、ノミバエ、ショウジョウバエ、フンコバエ(ハヤトビバエ)、ハマベバエ、トゲネバエ、クロコバエ、イエバエ、ヒエイバエ、クロバエ、ニクバエなどのハエ、寄生蜂(コバチなど)、アリ(有翅)、アブラムシ、アザミウマ、ウンカ・ヨコバイ、カメムシ、ガ、トビケラ、カワゲラ、カゲロウ、チャタテムシ(有翅)、微少コウチュウなどの飛翔性昆虫やノミ、ダニ、ゴキブリなどの節足害虫に対する高い忌避効果を得ることを可能とする。
本発明に用いる酸化チタンとしては、0.2〜1.0μmの平均粒子径を有する二酸化チタン粒子(ルチル型、アナターゼ型の何れであってもよいがルチル型が隠蔽性に優れ好ましい)が好ましく、特に平均粒子径0.2〜0.4μmの可視光線散乱効果の高いものが好ましい。これらの二酸化チタン粒子は粒子表面が、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、水酸化アルミニウムなどで被覆され光触媒効果が不活性化されたものが好ましい。酸化チタンを着色剤として用いる場合、例えば軟質塩化ビニル樹脂層に対し0.25〜2.5質量%程度用いることが一般的で、特に特許文献1の防虫シート(実施例1)では粒子径1.1μmの粗粒子酸化チタンを3.58質量%配合しているが、粗粒子酸化チタンでは光学的に隠蔽性に劣り、しかも低含有量のため隠蔽性に劣り、また紫外線カット効果に乏しいため長期間ピレスロイド系化合物を保護する効果が十分に得られず、そのため害虫の忌避効果を継続的に発現させることができない問題がある。従って忌避効果を継続的に発現させるためは、平均粒子径0.2〜0.4μmの可視光線散乱効果の高い酸化チタン(表面被覆不活性化)が軟質塩化ビニル系樹脂層に対し5〜25質量%、特に9質量%以上含むことが必要である。
またさらに上記二層構造において、内層及び外層の少なくとも一方の層が、独立気泡痕及び/または連続気泡痕を含有する発泡層であることが好ましい。このような発泡層はフィルムまたは皮膜の化学発泡(化学物質の熱分解によるガス化揮発による気泡痕形成)、またはペーストゾルの機械発泡(攪拌による強制的な空気の巻込ゾルをゲル化させての気泡痕形成)が例示できる。化学発泡に用いる化合物は、有機系のアゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジン化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩などが好ましく用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが塩化ビニル樹脂100質量部当たり0.5〜5質量部で用いられる。このような二層構造において、内層及び外層の厚さの比は、5:1〜1:5で、具体的に内層(発泡):外層(非発泡)の場合5:1〜1:5、好ましくは2:1〜1:2、内層(非発泡):外層(発泡)の場合5:1〜1:5、好ましくは2:1〜1:2である。二層構造がこのような独立気泡痕及び/または連続気泡痕を有することで、内層及び/または外層の表面積が増大し、それによって、飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果をより効果的とし、さらに内層及び/または外層に独立気泡痕及び/または連続気泡痕を有することでピレスロイド系化合物の保持効果をより長く維持することで、屋外でさらに長期間効果的に飛翔性昆虫や節足害虫の忌避効果を継続的に発現することができる。
本発明のメッシュ状基布は織布、編布、不織布の何れであってもよく、質量は10〜300g/mが好ましい。織布であれば隣接する経糸群並びに緯糸群から形成されるメッシュの形態が安定する、からみ織、模紗織、平織などの織り組織が好ましく用いられる。編布であれば、経方向と緯方向の糸を両方向の糸より細い糸で編み機で両方向の糸を固定化するラッセルメッシュが好ましく用いられる。不織布であれば、上下の経糸で緯糸をはさみ、または、経糸で上下交互に緯糸をはさんで交点を接着する二軸積層型ネットなどが好ましく用いられる。
本発明においてメッシュ状基布の経糸と緯糸の糸の太さ並びに糸の密度は、メッシュ状基布の両面にピレスロイド系化合物と酸化チタンが分散された軟質塩化ビニル樹脂層を付与する場合においては、貼り合せるフィルムを補強する観点で、使用する用途に応じ適宜選択すればよい。また、メッシュ状基布の全面にピレスロイド系化合物と酸化チタンが分散された軟質塩化ビニル系樹脂層を付与する場合にも、使用する用途に応じ適宜選択すればよく、高い忌避効果を求めるのであれば軟質塩化ビニル樹脂層が最大となる表面積となるようにメッシュ状基布の経糸と緯糸の糸の太さ並びに糸の密度を決めればよく、高い通気性を求めるのであれば軟質塩化ビニル系樹脂層が最小となる表面積になるように、メッシュ状基布の経糸と緯糸の糸の太さ並びに糸の密度を決めればよい。
本発明においてメッシュ状基布の経糸と緯糸の糸は、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、アクリル、ポリプロピレン、アラミドなどの合成繊維、綿、ケナフ、絹などの天然繊維、ガラスやカーボンなどの無機繊維が用いられる。
軟質塩化ビニル系樹脂層は塩化ビニル系樹脂、可塑剤、安定剤、難燃剤などが含まれており、その他の配合剤は、例えば、軟質塩化ビニル系樹脂層を着色する必要性があれば着色剤を、軟質塩化ビニル系樹脂層に防黴性能を付与させたければ防黴剤を、軟質塩化ビニル系樹脂層を発泡させ表面積を増大させる必要があれば発泡剤を、軟質塩化ビニル系樹脂層を安価に増量させたい場合は充てん剤を、また、軟質塩化ビニル系樹脂のペーストゾルの粘度を低減させる必要があれば、低沸点の脂肪族系、芳香族系の炭化水素や非芳香族系などの希釈剤が、適宜使用用途によって選択される。
主成分の塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル重合体、並びに塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体、及び塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体などが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。
可塑剤について特に制限は無いが、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジウンデシルなどのフタル酸エステル系可塑剤、 1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステルなどの非フタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジn-アルキル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ビス(2-ブトキシエチル)などのアジピン酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリス(2-エチルヘキシル)などのトリメリット酸系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル系可塑剤、オレイン酸ブチルなどの脂肪酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィンなどの含塩素系可塑剤、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸などの二塩基酸と、1、2−プロピレングリコールなどのグルコールとのエステル化により合成されるポリエステル系可塑剤、また、可塑化作用を有する重合体のエチレン−酢酸ビニル共重合体、及び/またはエチレン−アクリル酸エステル共重合体に一酸化炭素を導入した重合体などが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。
塩化ビニル系樹脂に対する可塑剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して30〜160重量部であることが好ましく、35〜120重量部であることがより好ましい。可塑剤の添加量が30重量部を下回ると、得られる軟質塩化ビニル系樹脂層が過度に硬くなり、屈曲等の動きに追従できなくなり、亀裂が発生しやすくなることがある。また、可塑剤の添加量が160重量部を超えると、得られる軟質塩化ビニル系樹脂層の樹脂強度の低下や、可塑剤が軟質塩化ビニル系樹脂層の表面に移行して、表面に汚れが付着しやすくなるなどの問題を発生することがある。
軟質塩化ビニル系樹脂層に含まれる安定剤としては、鉛系、バリウム・亜鉛系、カルシウム・亜鉛系、有機すず化合物などが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。また安定化助剤としてエポキシ化大豆油などのエポキシ系化合物、ホスファイト、β―ジケトン、ポリオール、含窒素化合物、含硫黄化合物、フェノール系抗酸化剤、光安定剤(紫外線吸収剤、消光剤、ヒンダードアミン系光安定剤)などが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。尚、前記安定化助剤は単独で使用することはほとんどなく、前記安定剤と併用されることが多い。
軟質塩化ビニル系樹脂層には難燃剤が含まれており、難燃剤の配合量は塩化ビニル系樹脂100重量部に対し0.5〜170重量部であることが好ましく、1〜130重量部であることが更に好ましい。難燃剤の配合量が0.5重量部未満の場合は、塩化ビニル樹脂被覆層の難燃性が不十分となり、また、170重量部を越える場合には、塩化ビニル樹脂被覆層の柔軟性及び樹脂強度が低下し、被膜の耐屈曲性の低下や、メッシュ状基布と軟質塩化ビニル樹脂層との間の剥離強度の低下がある。
軟質塩化ビニル系樹脂層に使用される難燃剤としてはアンチモン化合物、モリブデン化合物、ほう酸亜鉛、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ポリリン酸アンモン、赤リンなどが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。これらの中で特に、難燃剤として好ましいものは三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどのアンチモン化合物及びモリブデン化合物である。アンチモン化合物は、塩化ビニル系樹脂に高い難燃性を付与し、燃え広がりを防止する作用が強く、またモリブデン化合物は燃焼熱を低く抑え、発煙量を抑え有害燃焼ガスを低減する。モリブデン化合物としては、モリブデン酸カルシウム亜鉛、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸炭酸カルシウム、モリブデン酸アンモン等が挙げられる。また、難燃剤には、あらかじめシランカップリング処理を施し軟質塩化ビニル系樹脂層との密着性を高めておいても良い。また他の難燃剤、例えばブロム系防炎剤、リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステル、塩素化パラフィンなども適宜使用できる。ブロム系防炎剤としてはデカブロモジフェニルエーテル、ペンタブロモメチルベンゼン、ヘキサブロモベンゼンなどが使用できる。リン酸エステルとしてはトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等が使用できる。
軟質塩化ビニル系樹脂層を着色する必要性があれば、キナクリドン、ペリレンなどのレッド色、ジスアゾ、イソインドリノン、チタンイエローなどのイエロー色、弁柄などのブラウン色、シアニンブルー、群青などのブルー色、シアニングリーンなどのグリーン色、酸化チタンなどの白色、カーボンブラックなどの黒色などが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。
軟質塩化ビニル系樹脂層に防黴性能を付与させる必要があれば、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、N−ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、ピリジン系化合物、イソチアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、有機金属系化合物などが用いられ、これらを単独に、あるいは2種類以上を混合したものなどが用いられる。
以下、本発明の好適な実施例についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ポリエステルマルチフィラメント糸420dを経糸と緯糸に用い、経糸と緯糸の糸密度を16本/inchとし、からみ糸をポリエステルマルチフィラメント糸50dとしたラッセルメッシュのメッシュ状基布を得た。このメッシュ状基布の質量は68g/mであった。
前記ラッセルメッシュのメッシュ状基布の全面に軟質塩化ビニル系樹脂層を付与させるため下記の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合1〕のゾルを配合調整した。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合1〕
ポリ塩化ビニル樹脂 46.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 28.2 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.7 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
9.4 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 9.4 質量%
次に、前記メッシュ状基布を〔配合1〕のゾル浴中に浸漬後に、1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、〔配合1〕のゾルをゲル化して202g/mのメッシュシートを得た。得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約60分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約120分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであった。
[実施例2]
実施例1で用いたメッシュ状基布の両面に軟質塩化ビニル系樹脂層を付与させるため前記〔配合1〕の軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンドを配合し、これを180℃の2本ロールで混練した後カレンダー圧延して厚さ0.07mmの延伸フィルムを成型した。 次に、ラミネーターを用いて180℃設定の熱ロール条件で、実施例1のメッシュ状基布の両面に、厚さ0.07mmのフィルムを熱圧着して一体化して245g/mのターポリンシートを得た。得られたターポリンシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約90分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約160分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであった。
[実施例3]
実施例1の軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造とした以外は実施例1と同様とした。
先ず、実施例1で用いたメッシュ状基布の全面に軟質塩化ビニル系樹脂層(内層/外層)を付与させるため下記の内層用の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合2〕、及び下記の外層用の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔配合3〕の各ゾルを配合調整した。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(内層)配合2〕
ポリ塩化ビニル樹脂 46.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 28.2 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.7 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
7.0 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 11.7 質量%
次に、実施例1のシート質量と同様の質量とするため、〔配合2〕のゾルを東燃ゼネラル石油(株)の商品名アイソパーGの希釈剤で希釈し、前記メッシュ状基布を前記希釈した〔配合2〕のゾル浴中に浸漬後に、1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、〔配合2〕のゾルをゲル化して125g/mのメッシュシート中間体を得た。次に、この中間体を下記〔配合3〕のゾル浴中に浸漬後に、1対のゴムロールで圧搾した後、180℃の熱風乾燥炉内で2分間熱処理を行い、〔配合3〕ゾルをゲル化して208g/mのメッシュシート(外層:内層の質量比3:2)を得た。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(外層)配合3〕
ポリ塩化ビニル樹脂 46.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 28.2 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.7 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
11.7 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 7.0 質量%
得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約70分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約110分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造としたことで耐候性に優れ、実施例1のメッシュシートよりも約10分のノックダウン効果に優れたものであった。
[実施例4]
実施例1で用いたメッシュ状基布の両面に軟質塩化ビニル系樹脂層(二層構造)を付与させるため前記〔配合2〕の内層用軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンド、及び前記〔配合3〕の外層用軟質塩化ビニル系樹脂コンパウンドを配合し、各々を180℃の2本ロールで混練した後カレンダー圧延して厚さ0.035mmの2種類の延伸フィルム(〔配合2〕と〔配合3〕)を成型した。
次に、ラミネーターを用いて180℃設定の熱ロール条件で、実施例1のメッシュ状基布の両面に、〔配合2〕のフィルムを熱圧着して一体化して158g/mのターポリンシート中間体を得た。次に、この中間体の両面に、〔配合3〕のフィルムを熱圧着して一体化して250g/mのターポリンシート(外層:内層の質量比1:1)を得た。
得られたターポリンシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約100分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約150分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造としたことで耐候性に優れ、実施例2のターポリンシートよりも約10分のノックダウン効果に優れたものであった。
[実施例5]
実施例3のメッシュシートの二層構造の軟質塩化ビニル系樹脂層の内層〔配合2〕を、下記の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(内層)配合4〕に変更した以外は実施例3と同様とし、126g/mのメッシュ中間シート、211g/mのメッシュシートを得た。
次にこのメッシュシートを200℃で1分間加熱し、〔配合4〕の4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を熱分解ガス化させることで軟質塩化ビニル系樹脂層(内層)を約2倍の厚さに発泡(主に連続気泡痕を含有)させて210g/mのメッシュシート(外層:内層の質量比3:2)を得た。
軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(内層)配合4〕
ポリ塩化ビニル樹脂 45.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 27.5 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.6 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
6.9 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 11.5 質量%
4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 2.3 質量%
得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約70分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約100分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造(内層を主に連続気泡痕を含有する層)としたことで耐候性に優れ、実施例3のメッシュシートよりも約10分、実施例1のメッシュシートよりも約20分のノックダウン効果に優れたものであった。
[実施例6]
実施例3のメッシュシートの二層構造の軟質塩化ビニル系樹脂層の外層〔配合3〕を、下記の軟質塩化ビニル系樹脂配合〔(外層)配合5〕に変更した以外は実施例3と同様とし、125g/mのメッシュ中間シート、211g/mのメッシュシートを得た。
次にこのメッシュシートを200℃で1分間加熱し、〔配合5〕の4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)を熱分解ガス化させることで軟質塩化ビニル系樹脂層(外層)を約2倍の厚さに発泡(主に連続気泡痕を含有)させて209g/mのメッシュシート(外層:内層の質量比3:2)を得た。
軟質塩化ビニル系樹脂ゾル〔(外層)配合5〕
ポリ塩化ビニル樹脂 45.9 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 27.5 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.8 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.1 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 4.6 質量%
酸化チタン(平均粒子径0.2〜0.4μm:ルチル型:水酸化アルミニウム表面被覆)
11.5 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 6.9 質量%
4,4,-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(発泡剤) 2.3 質量%
得られたメッシュシートはヒトスジシマカに対する有効なノックダウン効果(約60分)が発現され、624時間の促進耐候試験後は約100分にノックダウン時間が延び、防虫効果がやや低減したが、比較例1の300分よりも促進耐候試験後の防虫効果継続性に優れたものであり、特に軟質塩化ビニル系樹脂層を二層構造(外層を主に連続気泡痕を含有する層)としたことで耐候性に優れ、実施例3のメッシュシートよりも約10分、実施例1のメッシュシートよりも約20分のノックダウン効果に優れたものであった。
[比較例1]
下記配合の軟質塩化ビニル系樹脂ゾルを配合調整した以外は実施例1と同様にして196g/mのシートを得た。
ポリ塩化ビニル樹脂 51.8 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 31.1 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.9 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.5 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.2 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 5.2 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
ピレスロイド系化合物(ペルメトリン)(防虫剤) 10.4 質量%
[比較例2]
下記配合の軟質塩化ビニル系樹脂ゾルを配合調整した以外は実施例1と同様にして200g/mのシートを得た
ポリ塩化ビニル樹脂 57.8 質量%
フタル酸ジイソノニル(可塑剤) 34.7 質量%
Ba−Zn系複合安定剤(安定剤) 1.0 質量%
Ca−Zn系複合安定剤(安定剤) 0.6 質量%
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 (安定化助剤) 0.2 質量%
三酸化アンチモン(難燃剤) 5.8 質量%
2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン(防黴剤) 0.01質量%
上記、実施例1〜6、及び比較例1、2で得られたシート材の結果を表1に示す。シート質量、ノックダウンする時間は以下の方法で測定を行った。
[シート質量]
JIS L 1096:2010に従いシート材の質量を測定した。
[ノックダウンする時間]
温度約25℃、湿度65%の環境下で、直径90×高さ20mmのプラスチックシャーレの蓋面に10×10mmの正方形の試験シートを置き、プラスチックシャーレの蓋面が底側になるようにプラスチックシャーレと試験シートを反転させる。この中の閉じられた空間に、蚊のヒトスジシマカの羽化後7日間以上経過した雌成虫10頭を放ち、試験シートに強制的に接触させ、10頭全てがノックダウン(生死に拘らず起き上がれなくなる)する時間を求めた。尚、常態のノックダウンする時間とは実施例1〜6、及び比較例1、2で得られたシート材を試験シートとし、促進耐候試験後のノックダウンする時間とは実施例1〜6、及び比較例1、2で得られたシート材を下記条件で促進耐候試験を実施したものを試験シートとした。
[促進耐候試験]
JIS A 1415:2013 6.1 キセノンアークランプによる曝露試験方法の表2のサイクルNo.1で624時間暴露した。
本発明の防虫効果持続性に優れたシートは、シートシャッター、店舗等の日除けテント、庇、建築養生シート、建築防音シート、建築養生メッシュ、電照式フレキシブル看板、空間間仕切り用シート、シートカバーなど屋外で使用する建築用資材やビニールハウスなどの農業用資材や畜舎などの畜産業用資材やレジャーシートなどのレクリエーション用資材などで、ユスリカ、ヌカカ、ヒトスジシマカ、アカイエカなどのカ、ブユ、アシナガバエ、ミギワバエ、ガガンボ、キノコバエ、クロバネキノコバエ、タマバエ、ハモグリバエ、オドリバエ、チョウバエ、ニセケバエ、ノミバエ、ショウジョウバエ、フンコバエ(ハヤトビバエ)、ハマベバエ、トゲネバエ、クロコバエ、イエバエ、ヒエイバエ、クロバエ、ニクバエなどのハエ、寄生蜂(コバチなど)、アリ(有翅)、アブラムシ、アザミウマ、ウンカ・ヨコバイ、カメムシ、ガ、トビケラ、カワゲラ、カゲロウ、チャタテムシ(有翅)、微少コウチュウなどの飛翔性昆虫やノミ、ダニ、ゴキブリなどの節足害虫の忌避効果が長期間使用しても継続的に発現する。

Claims (4)

  1. メッシュ状基布の両面もしくは全面に、ピレスロイド系化合物と酸化チタンを分散して含む軟質塩化ビニル系樹脂層がフィルム状または皮膜状に付与されていて、前記軟質塩化ビニル系樹脂層が、内層及び外層の二層構造を成し、前記内層及び外層の少なくとも一方の層が、独立気泡痕及び/または連続気泡痕を含有する発泡層であることを特徴とする防虫効果持続性に優れたシート。
  2. 記ピレスロイド系化合物の含有質量%が外層よりも内層の方が高く、前記酸化チタンの含有質量%が内層よりも外層の方が高い請求項1に記載の防虫効果持続性に優れたシート。
  3. 前記内層及び外層の構成質量比が、2:1〜1:2である請求項2に記載の防虫効果持続性に優れたシート。
  4. 前記ピレスロイド系化合物が、ペルメトリン、シペルメトリン、シフェノトリン、d−フェノトリン、レスメトリン、フラメトリン、d−レスメトリン、テフルトリン、エンペントリン、フェンバレレート、エスフェンバレレート、エスビオトリン、フェンプロパトリン、エトフェンプロックス、トラロメトリン、デルタメトリン、シラフルオフェン、シフルトリン、ビフェントリン、ブラトリン、アレスリン、d−アレスリン、ピレトリン、d−テトラメスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、ジメフルトリン、プロフルトリン、シネリン、ジャスモリンから選ばれた1種以上である請求項1〜の何れか1項に記載の防虫効果持続性に優れたシート。
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