JP3126791U - 害虫忌避シール - Google Patents
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Abstract
【課題】 本考案は、使用者の衣服や肌に貼付することができ、害虫忌避効果が長時間持続する害虫忌避シールを提供することを目的とする。
【解決手段】 害虫忌避物質を内包するマイクロカプセル2を含有する発泡体層1と、粘着剤層3と、からなることを特徴とする害虫忌避シール。
【選択図】 図2
【解決手段】 害虫忌避物質を内包するマイクロカプセル2を含有する発泡体層1と、粘着剤層3と、からなることを特徴とする害虫忌避シール。
【選択図】 図2
Description
本考案は、使用者の衣服や肌に貼付して害虫忌避効果を得られる害虫忌避シールに関する。
従来、蚊等の害虫を寄せ付けないようにするための害虫忌避剤として、皮膚に噴霧するスプレー式のものや、皮膚に塗布するクリーム剤等が用いられてきた。しかしこれらについては皮膚に直接噴霧又は塗布するため皮膚がべたつくという問題があった。また人によっては含有する成分の影響により皮膚に炎症を起こす場合がある点も問題であった。そこで、文献1および文献2において、吸液性を有する物質に液状の害虫忌避物質を含浸させたものを携帯あるいは衣服に貼付することで害虫を忌避する発明が提案されている。これらにおいては害虫忌避物質が直接皮膚に触れることがなく、上記の問題が発生しない。
特開2001−302409号公報
特開2004−210689号公報
しかしながら、これらの発明は、液状の害虫忌避物質をそのまま吸液性物質に含浸させたものであったので、害虫忌避物質の拡散の速度が速く、害虫忌避効果の持続時間が短いことが問題であった。
本考案は上記事情を鑑みたものであり、使用者の衣服や肌に貼付することができ、害虫忌避効果が長時間持続する害虫忌避シールを提供することを目的とする。
本考案のうち請求項1の考案は、害虫忌避物質を内包するマイクロカプセルを含有する発泡体層と、粘着剤層と、からなることを特徴とする。ここでマイクロカプセルとは、無機物質からなる多孔質の微粒子で、直径が0.5μmから50μm程度のものである。このマイクロカプセルに液体又は固体の物質を含ませると、その物質が徐々に外部へ放出される徐放性を示す。
また、請求項2の考案は、前記発泡体層が、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を発泡させたものからなることを特徴とする。エチレンと酢酸ビニルの共重合体であるEVAは、水素、炭素および酸素のみからなる物質であり、燃焼した際に有害物質を発生しない。また、軽く、柔軟性に優れる。
さらに、請求項3の考案は、前記害虫忌避物質が、レモンユーカリ精油からなることを特徴とする。レモンユーカリ精油はレモンユーカリの枝葉から抽出される精油で、防虫作用のあるシトロネラール、シトロネロールを主成分とするものである。
また、請求項4の考案は、前記発泡体層の表面に、前記マイクロカプセルを含有する塗料により文字又は図柄が印刷されていることを特徴とする。
本考案のうち請求項1の考案によれば、害虫忌避物質をマイクロカプセルに内包させることで、害虫忌避物質が徐々に外部へ放出され、害虫忌避効果が長時間持続する。また、マイクロカプセルが高い通気性を有する発泡体に練り込まれていることから、害虫忌避物質が効率的に外部へ放出される。さらに、粘着剤層を有することで使用者の衣服や皮膚等に自由に貼付することができる。
本考案のうち請求項2の考案によれば、発泡体の素材としてEVAを用いることで、本害虫忌避シールが軽く柔軟なものとなり、装着感を気にすることなく使用できる。また、水素、炭素および酸素のみからなるため廃棄に際して有害物質を発生しない。
本考案のうち請求項3の考案によれば、害虫忌避物質として天然由来成分であるレモンユーカリ精油を用いるため、人体にとって安全であり、小さい子供等でも使用することができる。
本考案のうち請求項4の考案によれば、発泡体層の表面にマイクロカプセルを含有する塗料により文字又は図柄を印刷することで、さらに害虫忌避効果を高めることができる。
本考案の害虫忌避シールの具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。
図1は本考案の害虫忌避シールの斜視図であり、図2は断面図である。本害虫忌避シールは薄いシート状で、発泡体層1、粘着剤層3および剥離紙5からなり、さらに発泡体層1の表面には塗料4により図柄が印刷されている。そして発泡体層1および塗料4には、害虫忌避物質を内包するマイクロカプセル2が含まれている。なお、ここに示した図は概念的なものであり、図中の各層の厚さや、マイクロカプセルの大きさおよび数は実物を反映するものではない。
発泡体層1の主原料としてはEVAを用い、その厚さは1.2〜1.5mm程度である。大きさは自由であるが、衣服や皮膚に貼付して使用することから、縦横それぞれ30〜60mm程度が好適である。また、マイクロカプセル2としては、シリカを原料とする多孔質微粒子を用いる。粒子の直径は0.5〜50μm程度である。このマイクロカプセル2に害虫忌避物質を内包させる。なお、EVAを発泡体として形成するためには各種添加剤が必要であり、以下の表1にその配合比率を示す。数字は重量の比率を表す。
害虫忌避物質としては、天然のレモンユーカリの枝葉から抽出されるレモンユーカリ精油を用いる。レモンユーカリは防虫作用のあるシトロネラール、シトロネロールを主成分とするものであるが、人体にとっては無害であり、小さい子供等でも安全に使用することができる。
粘着剤層3の粘着剤としては、アクリル系粘着剤を用いる。本害虫忌避シールは衣服や皮膚に貼付して使用するので、粘着剤としては、繊維や皮膚に対して接着性があり、なおかつきれいに剥がすことができ、さらに透湿性が高く皮膚刺激の少ないものが望ましい。この点において、絆創膏や湿布の粘着剤としても用いられるアクリル系粘着剤は好適である。
剥離紙5としては、紙の表面にシリコーン加工を施した一般的なものを用いる。使用前に粘着剤層3を保護し、使用時に簡単に剥がすことができるものであれば、剥離フィルム等他の材料からなるものであっても構わない。
塗料4は一般的なインクであり、害虫忌避物質を内包するマイクロカプセル2が含まれている。印刷の内容は、装飾的な図柄や、ロゴマーク、商品名等、どのようなものであっても良い。
以下において、本考案の害虫忌避シールの具体的な製造工程を説明する。製造工程は、材料シーティング、成型、粘着加工、カッティング、プリンティング、包装の六工程に分けられる。
第一工程は、材料シーティングである。まずEVA、炭酸カルシウム、ステアリン酸および適当な色素を混合したものを、加圧ニーダにて混練する。この際の温度は110〜130℃、時間は15〜20分とすることが好ましい。次に、前記混練がほぼ終了した段階で、パーオキサイドおよびADCA系発泡剤を添加し、さらに2〜3分混練する。混練終了後、材料をオープンロールに巻きつけ、レモンユーカリ入りマイクロカプセルを添加し、手早く練りあげる。この際のロール温度は80〜90℃、時間は5〜10分とすることが好ましい。次に、練りあがった材料をカレンダーロールに掛け、冷却しながら薄いシート状にする。シートの大きさは約0.5×500×900mmとなる。
第二工程は、成型である。シーティングされた材料を計量し、加圧プレスに取り付けた金型(約13×680×1050mm)に投入する。これを加圧プレスにて加圧し、成型する。この際の温度は約170℃、時間は約13分、圧力は150kg/cm2とすることが好ましい。加圧終了後材料を金型から取り出し、冷却する。材料は発泡剤により膨らんでおり、大きさは約24×1300×1900mmとなる。これを厚さ1.2〜1.5mmにスライス加工する。
第三工程は、粘着加工である。スライスした発泡体の片面に粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層を剥離紙で保護する。
第四工程は、カッティングである。粘着加工を施し一枚の大きなシールとなったものを裁断して実際の製品の大きさにする。大きさは自由に選ぶことができるが、ここでは45×54mmに裁断したものと、80×120mmに裁断したものにハーフカット加工(発泡体層のみを切断して剥離紙を切断しない加工)を施して35×35mmのシール6枚を取れるようにしたものの二種類とした。
第五工程は、プリンティングである。発泡体層の表面に、マイクロカプセルを含有する塗料で文字や図柄を印刷する。なお、第五工程は、第四工程の前あるいは途中に行われるものであっても良い。
第六工程は、包装である。本害虫忌避シールは、外気に触れた状態では害虫忌避物質が放出されてしまうので、密閉して外気を遮断した状態で保存する。密閉できるものであれば袋状のものや箱状のもの等自由に選べるが、中でもアルミ製の袋が安価で保存性も良く望ましい。
なお、本害虫忌避シールの構成および製造工程は、上記の実施形態に限定されるものではない。
1 発泡体層
2 マイクロカプセル
3 粘着剤層
4 塗料
2 マイクロカプセル
3 粘着剤層
4 塗料
Claims (4)
- 害虫忌避物質を内包するマイクロカプセル(2)を含有する発泡体層(1)と、粘着剤層(3)と、からなることを特徴とする害虫忌避シール。
- 前記発泡体層(1)が、エチレン酢酸ビニル共重合体を発泡させたものからなることを特徴とする請求項1記載の害虫忌避シール。
- 前記害虫忌避物質が、レモンユーカリ精油からなることを特徴とする請求項1又は2記載の害虫忌避シール。
- 前記発泡体層(1)の表面に、前記マイクロカプセル(2)を含有する塗料(4)により文字又は図柄が印刷されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の害虫忌避シール。
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JP2006006942U JP3126791U (ja) | 2006-08-28 | 2006-08-28 | 害虫忌避シール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018186772A (ja) * | 2017-05-09 | 2018-11-29 | 日本ジッパーチュービング株式会社 | 防虫スポンジシート |
JP2019172623A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 平岡織染株式会社 | 防虫効果持続性に優れたシート |
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2006
- 2006-08-28 JP JP2006006942U patent/JP3126791U/ja not_active Expired - Fee Related
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