JP6781587B2 - 包装体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザーによって切断加工の施された筒状ラベルなどのラベルが容器などの被着体に装着されている包装体の製造方法に関する。
従来、被着体とラベルとを有し、前記ラベルが被着体に装着された包装体が広く流通している。このような包装体としては、例えば、飲料などが充填されたボトル型容器に、筒状ラベルが装着されたものなどが挙げられる。筒状ラベルとしては、熱収縮によって容器に装着される熱収縮性筒状ラベル(シュリンクラベル又はシュリンクチューブなどとも呼ばれる)や、自己伸縮によって容器装着される自己伸縮性筒状ラベル(ストレッチラベルなどとも呼ばれる)などが挙げられる。
かかる容器の中で、その外面が内側に凹んだ凹み部が形成されている容器も知られている。このような凹み部は、例えば、容器を手で持つ際の取っ手として利用できる。
しかしながら、前記容器の凹み部を含んで筒状ラベルを装着すると、筒状ラベルが凹み部を完全に覆うように凹み部に被さるので、その凹み部に指を入れて持つことが困難となる。
この点、特許文献1には、熱収縮性筒状ラベルによって凹み部が覆われないように、熱収縮性筒状ラベルのうち前記凹み部に対応する部分に開口部が形成された包装体が開示されている。
1つの方法では、前記包装体は、予め熱収縮性筒状ラベルの一部分を切り欠いておき、その熱収縮性筒状ラベルの切り欠きを凹み部に合致させながら、熱収縮性筒状ラベルを容器に外装し、熱収縮させることによって得られる(同文献の[0018])。
別の方法では、前記包装体は、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に装着した後、容器上で熱収縮性筒状ラベルのうち、凹み部に対応する部分を切欠くことによって得られる。熱収縮性筒状ラベルの切り欠き方法としては、ダイカット、レーザー切断などが用いられる(同文献の[0017])。
前記予め熱収縮性筒状ラベルの一部分を切り欠いておく方法にあっては、その切り欠きを容器の凹み部に位置合わせしつつ熱収縮性筒状ラベルを容器に外装することが困難である。さらに、この方法では、容器に外装した熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させることによってその切り欠きが拡がって開口部が生じるが、開口部の大きさが凹み部の周縁よりも大きくなったり、或いは、その開口部を形成するラベル縁部が外側に反り出ることが多い。このような包装体は、外観が悪く、商品として流通させることはできない。
また、前記容器に装着後の熱収縮性筒状ラベルの一部分を切り欠く方法のうち、ダイカットは、形成しようとする開口部の形状ごとにダイ(刃型)を作製しなければならない上、容器の形状によってはそれに装着された熱収縮性筒状ラベルをダイカットで切断できない場合もある。この点、レーザー切断は、ダイの作製が不要である上、所望の箇所を簡単に切断できる。
しかしながら、レーザーを用いた切断にあっては、そのレーザーによって容器などの被着体の外面が損傷を受けることがある。
特表2003−509298号公報
本発明の目的は、ラベルの装着された被着体の損傷を抑制しつつ、前記ラベルをレーザーを用いて切断加工して包装体を製造する方法を提供することである。
本発明の包装体の製造方法は、被着体の外側にラベルが外装された包装体の製造方法であって、被着体の外側に、ラベルを装着する装着工程、前記装着後のラベルの内面と被着体の外面の間に水膜を介在させ、当該水膜がラベルの内面及び被着体の外面の少なくとも一方の面に付着している状態である水膜介在領域内のラベルを、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する切断工程、を有する。
本発明の好ましい包装体の製造方法は、前記切断工程の前に、前記ラベルの外面に付着している水分の一部又は全部を除去し、その水分除去後の外面側からレーザーを用いて切断する。
本発明の好ましい包装体の製造方法は、前記ラベルが、熱収縮性筒状ラベルであり、前記装着工程において、前記熱収縮性筒状ラベルを前記被着体に外装し、スチームを当てることによって、熱収縮性筒状ラベルの内面と被着体の外面の間にスチームを入り込ませつつ熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて被着体に装着する。
本発明の好ましい包装体の製造方法は、前記水膜介在領域は、前記水膜が前記装着後のラベルの内面及び被着体の外面にそれぞれ付着している部分を有し、前記切断工程において、前記水膜介在領域の、前記水膜がラベルの内面及び被着体の外面にそれぞれ付着している部分を、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する。
本発明の好ましい包装体の製造方法は、前記水膜介在領域は、前記水膜が前記装着後のラベルの内面に付着され且つ前記被着体の外面に非接触とされている部分を有し、前記切断工程において、前記水膜介在領域の、前記水膜が被着体の外面に非接触である部分を、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する。
本発明の好ましい包装体の製造方法は、前記被着体が、外面の一部分が内側に凹んだ凹み部を有する容器であり、前記装着工程において、前記ラベルを前記凹み部を覆って前記容器に装着し、前記切断工程において、前記凹み部に通じる開口部を前記ラベルの面内に形成するように、当該凹み部の周縁とその内外近傍部の水膜介在領域内のラベルを、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する。
本発明の製造方法によれば、装着されたラベルをレーザーで切断する際に被着体の損傷を抑制でき、ラベルをレーザーを用いて所望の形状に切断して包装体を製造できる。
容器の正面図。 同容器の背面図。 同容器の右側面図。 図1のIV−IV線で切断した拡大横断面図。 筒状に開いた筒状ラベルの斜視図。 装着工程において、熱収縮性筒状ラベルを容器に外装した状態を示す正面図。 図6のVII−VII線で切断した拡大断面図。 装着工程において、変形例に係る熱収縮性筒状ラベルを容器に外装する途中を示す拡大断面図。 装着工程において、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に装着した第1例のラベル装着済み容器の正面図。 図9のX−X線で切断した拡大横断面図。 図9のXI−XI線で切断した拡大縦断面図。 装着工程において、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に装着した第2例のラベル装着済み容器の正面図。 図12のXIII−XIII線で切断した拡大横断面図。 装着工程において、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて容器に装着した第3例のラベル装着済み容器の正面図。 図14のXV−XV線で切断した拡大横断面図。 切断工程の第1例であって、装着した熱収縮性筒状ラベルをレーザーによって切断した状態を示す正面図。 第1例において、切断によって生じた切断線で囲われた領域を除去した後の状態を示す正面図(第1例の包装体の正面図)。 図17のXVIII−XVIII線で切断した拡大横断面図。 切断工程の第2例であって、装着した熱収縮性筒状ラベルをレーザーによって切断し、切断線で囲われた領域を除去した後の状態を示す正面図(第2例の包装体の正面図)。 同背面図。 切断工程の第3例であって、装着した熱収縮性筒状ラベルをレーザーによって切断し、切断線で囲われた領域を除去した後の状態を示す正面図(第3例の包装体の正面図)。 他の容器に熱収縮性筒状ラベルを装着した、変形例に係るラベル装着済み容器の正面図。 図22のXXIII−XXIII線で切断した拡大横断面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
なお、本明細書において、包装体及び被着体の「正面」は、水平面上に自立させた被着体を、被着体の軸方向に対して直交する方向のうち任意の1つの方向から見たときに視認できる側をいい、包装体及び被着体の「背面」は、その反対側をいう。「正面視形状」は、前記任意の1つの方向から見たときに視認される形状をいう。例えば、図1は、1つの凹み部の周面全体を視認できる側から見た、容器の正面である。
「〜」で表される数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。
各図に示される部分及び部材の寸法、縮尺及び形状は、実際のものとは異なっている場合があることに留意されたい。
本発明の包装体の製造方法は、主として、被着体の外側にラベルを装着する工程(装着工程)、及び、前記装着後のラベルを、レーザーを用いて切断する工程(切断工程)、を有する。本発明の製造方法は、これらの工程以外の他の工程を有していてもよい。
これら各工程を1つの製造ラインで一連に行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を、1つのラインで行い、且つ残る工程を他の1つ又は2つ以上のラインで行ってもよい。また、前記各工程の全てを一の実施者が行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を一の実施者が行い、且つ残る工程を他の実施者が行ってもよい。
[準備工程]
製造対象である包装体は、被着体と、被着体に装着されたラベルと、から構成される。包装体は、被着体とラベルを有していることを条件として、他の部材を具備していてもよい。かかる包装体の製造に当たって、前記被着体とラベルを準備する。
(被着体)
ラベルの装着対象である被着体は、特に限定されず、取引の目的物である物品(内容物)が充填された容器でもよく、物品そのものでもよい。代表的には、被着体は、容器である。容器としては、特に限定されず、ボトル型容器、カップ容器、紙箱などが挙げられる。
例えば、容器1は、図1乃至図4に示すように、内容物を収納する収納空間を有する本体11と、前記本体11の端部に形成された注出口12と、を有し、前記本体11には、前記注出口12を塞ぐ蓋部13が取り付けられている。前記蓋部13として、本体11にネジ作用で着脱自在に取り付けられたキャップを図示している。もっとも、蓋部13は、ネジ作用で取り付けられるキャップに限られず、例えば、本体11に嵌合されるキャップ、任意の方式で本体11に取り付けられ且つヒンジを介して注出口を開閉するキャップ、噴霧にて内容物を注出できるトリガーなどでもよい。
本体11は、容器1を自立可能とするための底部14を有し、容器1は、図示のように、前記底部14を下にして自立可能である。
本体11の外形は、特に限定されず、略円柱状、略楕円柱状、略四角柱状や略三角柱状などの略多角柱状、略円錐状や略三角錐状などの略錐状、略円錐台状や略四角錐台状などの略錐台状、略瓢箪形状、略だるま形状、及びこれらの形状が組み合わされた立体形状などでもよい。本明細書において、形状の「略」は、本発明の属する技術分野において許容される形状を意味する。例えば、四角などの多角に付加された「略」は、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。また、円や楕円に付加された略は、円弧の一部が膨らむ又は窪んでいる形状、円弧の一部が直線又は斜線とされた形状などが含まれる。
また、本体11の外形は、直胴状でもよく、直胴状でなくてもよい。直胴状は、軸方向において周長が変わらない形状をいう。図示例の本体11の外形は、凹み部2を除いて略楕円錐台状である。かかる本体11の上方部は、上方に向かうに従いその周長が小さくなっている上方縮径部111となっており、本体11の下方部は、下方に向かうに従い周長が小さくなっている下方縮径部112となっている。
前記本体11の外面の一部分には、凹み部2が形成されている。凹み部2は、容器1の外形の一部分であって、周囲よりも内側に凹んでいる部分をいう。容器に関して、内側は、容器の収納空間に近づく側をいい、外側は、その反対側をいう。
後述するように、装着されたラベルは、本体11の凹み部2を除く外面に略密着する。つまり、凹み部2は、本体11の外面のうち、ラベルが接しない部分である。以下、本体11のうち凹み部以外の部分を、凹み部と相対的な関係で「外出部」という場合がある。
詳しくは、本体11の外面の一部分は、内側へ向きを変える変曲点を複数有し、その変曲点の集合によって囲われた範囲が、内側に凹んだ凹み部2となっている。この無数の変曲点の集合が、凹み部2と外出部の境界であり、凹み部2の周縁2aを構成している。凹み部を火山のカルデラに例えると、前記複数の変曲点の集合は、カルデラの外輪山に相当する。
凹み部2の周縁2a(無数の変曲点の集合)は、正面視で無端の環状線を成している。
凹み部2は、前記周縁2aにおいて外出部に連続し且つ内側へと入り込む周面2bを有する。前記周面2bは、凹み部2の外面でもある。前記周面2bは、例えば、外側に膨らむ若しくは内側に膨らむ曲面を成した傾斜面状又は平面を成した傾斜面状とされている。
図示例では、凹み部2の周面2bは、全体として外側に膨らむ曲面を成した傾斜状に形成されている。
前記凹み部2の正面視形状は、特に限定されず、略円形状、略楕円形状、略四角形状や略三角形状などの略多角形状、略だるま形状、及びこれらの形状が組み合わされた形状などが挙げられる。なお、凹み部2の正面視形状は、正面から見たときの凹み部2の周縁2aの形状である。図示例では、凹み部2の正面視形状(周縁2aの正面視形状)は、略楕円形状とされている。
凹み部2の形成位置は、特に限定されず、凹み部2は、正面から見て、本体11の中央部、上方部又は下方部などの適宜な位置に形成されていてもよい。図示例では、凹み部2は、正面から見て、右側上方部に形成されている。
凹み部2は、本体11に1箇所又は2箇所以上形成される。
凹み部2が形成されている容器1にあっては、装着工程において、前記凹み部2を含んでラベルを容器1に装着することが好ましいが、複数の凹み部2を有する容器1を用いる場合には、少なくとも1つの凹み部2を含んでラベルを装着する。従って、装着工程において、複数の凹み部2のうち1つ又は2つの凹み部2を含んでラベルを装着してもよく、或いは、全部の凹み部2を含んでラベルを装着してもよい。
図示例では、凹み部2は、2箇所形成されている。以下、一方の凹み部2を「第1凹み部21」、他方の凹み部2を「第2凹み部22」という場合がある。
第1凹み部21は、本体11の正面側に形成されており、第2凹み部2は、本体11の背面側に形成されている。
第1凹み部21と第2凹み部22は、例えば、容器1の正背面において同じ位置に形成されており、従って、正面から見て、第1凹み部21の背面側に第2凹み部22が位置している。また、第1凹み部21と第2凹み部22は、例えば、同形同大に形成されている。
第1凹み部21及び第2凹み部22が形成されていることによって、本体11の側部(正面から見て右側上方部)は、手で握りやすくなっている。この側部が取っ手として利用できる取っ手部15とされている。この取っ手部15は、第1凹み部21及び第2凹み部22に隣接して形成されている。
第1凹み部21と第2凹み部22は、それぞれ、周面2bに連続した底面を有していてもよい。凹み部2の底面は、凹み部2のうち最も内側に位置する凹み部2の外面の一部をいう。
図示例では、第1凹み部21と第2凹み部22は、底面を有さず、互いに連通されている。従って、第1凹み部21の周面2bと第2凹み部22の周面2bは、互いに連続しており、これらの周面2bで囲われた範囲が、孔部16となっている。この孔部16は、手先を入れることができる大きさに形成されている。かかる孔部16が形成されることによって、手で包み込むように握持可能な取っ手部15が形成される。
なお、前記取っ手部15は、本体11の一部を成しており、その取っ手部15の内部は、中空状である。従って、取っ手部15の内部は、本体11の収納空間の一部を成している。もっとも、取っ手部15は、中実状であってもよい。また、取っ手部15は、本体11と一体的に形成されている場合に限られず、別体の取っ手部を本体に取り付けることによって、取っ手部及び孔部が形成されていてもよい(図示せず)。
容器1に充填される内容物は、特に限定されず、ジュースなどの飲料、食用油や醤油などの調味料、液体洗剤や詰替え用シャンプーなどのサニタリー品、消毒用アルコールなどの医薬品、化粧品などが挙げられる。また、内容物は、収納空間から取り出すことができるものであれば、その性状は特に限定されず、液状(ある程度の粘性を有する液状を含む)でもよく、或いは、粒状でもよい。
容器1の本体11の材質は、特に限定されず、合成樹脂、ガラス、陶器、金属などが挙げられる。合成樹脂製の容器1は、レーザーなどによって損傷し易いが、本発明の製造方法によれば、本体11を損傷させる蓋然性が極めて低いので、合成樹脂製の本体11を有する容器1に本発明を適用することによって、本発明の効果がより顕在化する。
容器1の本体11が合成樹脂製である場合、その合成樹脂としては特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリスチレンなどのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。前記合成樹脂製の本体11は、非発泡体でもよく、或いは、発泡体でもよい。
これらの中では、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂は、比較的親水性が高いので、このような親水性の高い材料を用いることにより、親水性の高い外面を有する容器1を構成できる。中でも、容器1のうち少なくとも本体11は、前記ポリエステル系樹脂で形成されていることが好ましい。
本体11の肉厚は、特に限定されず、例えば、本体11が合成樹脂製である場合には、その肉厚は、0.2mm〜3mmである。
(ラベル)
ラベルは、被着体の外面に対して非接着な領域を有しつつ被着体に装着できるものであれば特に限定されない。本明細書において、「接着」は、2つのものが直接的に又は接着剤などの材料を介して接着強度を有して付着している状態をいい、「非接着」は、2つのものが前記接着状態にないことをいう。なお、非接着においては、2つのものが接している場合もあれば、2つのものが離れている場合もある。
前記ラベルとしては、周縁部の一部分などに粘着剤が設けられたタックラベル、筒状に形成された筒状ラベルなどが挙げられる。
前記タックラベルは、粘着剤が設けられた領域と、粘着剤が設けられていない領域と、を有し、かかるタックラベルは、粘着剤が設けられた領域において被着体に取り付けられ、粘着剤が設けられていない領域において被着体の外面に非接着となる。
また、前記筒状ラベルは、ラベル基材を筒状に形成した筒状体からなる。筒状ラベルは、フィルムの性状又は容器などの被着体に対する装着方法に従って、次の3つの種類に大別できる。
第1の筒状ラベルは、熱収縮性フィルムを有するラベル基材の第1側端部に第2他側端部を重ね合わせて接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第1の筒状ラベルは、筒状シュリンク、シュリンクラベル又は熱収縮性筒状ラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「熱収縮性筒状ラベル」という。熱収縮性筒状ラベルは、容器などの被着体に外装した後、熱収縮温度(例えば、60℃〜120℃)以上に加熱することによって縮径し、被着体に装着され得る筒状ラベルである。前記熱収縮性筒状ラベルは、熱収縮性及び自己伸縮性の双方の性質を有する筒状ラベル(ストレッチシュリンクラベルなどとも呼ばれる)でもよい。
第2の筒状ラベルは、自己伸縮性フィルムを有するラベル基材の第1側端部に第2他側端部を重ね合わせて接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第2の筒状ラベルは、ストレッチラベル又は自己伸縮性筒状ラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「自己伸縮性筒状ラベル」という。自己伸縮性筒状ラベルは、拡張力を加えることによって拡径し、拡径させた状態で容器などの被着体に外装し、その後、拡張力を解除することによって復元し、被着体に装着され得る筒状ラベルである。
第3の筒状ラベルは、フィルムを有するラベル基材の第1側端部を被着体に部分的に接着し、このラベル基材を被着体の周囲に巻き付け、前記第1側端部にラベル基材の第2側端部を接着することにより、筒状に成形された筒状ラベルである。この第3の筒状ラベルは、巻付け筒状ラベル又は巻付けラベルなどとも呼ばれる。以下、本明細書において、この種の筒状ラベルを「巻付け筒状ラベル」という。巻付け筒状ラベルを構成するラベル基材のフィルムは、熱収縮性及び自己伸縮性を有さないフィルムが用いられる。なお、本明細書において、熱収縮性フィルムを有するラベル基材を用いた巻付け筒状ラベルは、熱収縮性筒状ラベルの範疇に含まれる。
本発明において、筒状ラベルとしては、前記熱収縮性筒状ラベル、自己伸縮性筒状ラベル又は巻付け筒状ラベルの何れでもよい。被着体の径差の大きい部分にも容易に密着させて装着できるなどの利点を有することから、熱収縮性筒状ラベルを用いることが好ましい。
以下、ラベルとして熱収縮性筒状ラベルを用いた場合を中心に説明する。
熱収縮させる前の熱収縮性筒状ラベル3は、図5に示すように、ラベル基材31を有し、そのラベル基材31の第1側端部31aと第2側端部31bを接着することによって筒状に形成された筒状体である。かかる熱収縮性筒状ラベル3は、容器1などの被着体に外装し、加熱することによって容器1などの被着体に熱収縮装着される。なお、熱収縮させる前の熱収縮性筒状ラベルに符号「3」を付し、包装体に具備された熱収縮性筒状ラベル(熱収縮させた後の熱収縮性筒状ラベル)に符号「4」を付すこととする。
熱収縮性筒状ラベル3は、被着体に外装する前から筒状に形成されているものでもよく、或いは、被着体に外装すると同時に筒状に形成されるものでもよい。
被着体に外装すると同時に筒状に形成される熱収縮性筒状ラベル3は、熱収縮性フィルムを有するラベル基材を用いた巻付け筒状ラベルである。すなわち、被着体に外装すると同時に筒状に形成される熱収縮性筒状ラベル3は、ラベル基材31の第1側端部31aの内面を被着体に部分接着し、この基材を被着体の周囲に巻き付け、前記第1側端部31aの外面に基材の第2側端部31bの内面を接着することにより、筒状に成形される。
以下、被着体に外装する前から筒状に形成されている熱収縮性筒状ラベル3を中心にして説明する。
容器装着前の熱収縮性筒状ラベル3は、図5に示すように、容器1などの被着体に装着する際には筒状に開かれる。もっとも、熱収縮性筒状ラベル3の製造時には、扁平状に折り畳まれている(図示せず)。
なお、現実的な製造工程では、一般に、熱収縮性筒状ラベル3は、その複数が連続的に繋がった連続体であって扁平状に折り畳まれた連続体の形態で提供され、この連続体を適宜切断して個々の熱収縮性筒状ラベル3が得られ、容器1などの被着体に外装する直前に筒状に開かれる。
前記ラベル基材31は、主として熱収縮性フィルムから構成されている。ラベル基材31は、必要に応じて、前記熱収縮性フィルムに、デザイン印刷層、保護層、滑り層などの任意の適切な印刷層が設けられているものでもよい。前記様々な印刷層は、それぞれ独立して、熱収縮性フィルムの内面側に設けられていてもよく、或いは、熱収縮性フィルムの外面側に設けられていてもよい。例えば、ラベル基材31としては、(a)熱収縮性フィルムの外面に保護層が設けられ、一方、熱収縮性フィルムの内面にデザイン印刷層が設けられ、さらに、前記デザイン印刷層の内面に滑り層が設けられているもの、(b)熱収縮性フィルムの内面にデザイン印刷層が設けられ、さらに、前記デザイン印刷層の内面に滑り層が設けられているもの、(c)熱収縮性フィルムの外面にデザイン印刷層が設けられ、さらに、前記デザイン印刷層の外面に保護層が設けられ、一方、熱収縮性フィルムの内面の内面に滑り層が設けられているもの、(d)熱収縮性フィルムの外面にデザイン印刷層が設けられ、前記デザイン印刷層の外面に保護層が設けられているもの、などが挙げられる。
前記デザイン印刷層、保護層及び滑り層などの印刷層は、公知のインキを熱収縮性フィルムに印刷することによって形成できる。
前記各印刷層は、それぞれ独立して、熱収縮性フィルムの内面又は/及び外面に積層される。印刷層がラベル基材31の最内面を構成する場合、その印刷層は、比較的親水性が高い樹脂を主成分として含んでいるものが好ましい。親水性の高い樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、セルロース系、ポリエステル系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系などが挙げられる。主成分樹脂は、層に含まれる樹脂成分の中で最も多い成分(重量比)をいう。例えば、前記滑り層は、通常、熱収縮性フィルムの最内面に設けられるが(つまり、滑り層は、通常、ラベル基材の最内面を構成する)、かかる滑り層は、親水性の高い樹脂を主成分樹脂として含む層であることが好ましい。特に、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂を主成分樹脂として含む滑り層が好ましい。なお、滑り層は、樹脂成分以外に、滑剤を含んでおり、滑り層は、滑剤を滑り層全体に対して、例えば1重量%〜30重量%、好ましくは2重量%〜25重量%含む。
前記印刷層の厚みは、特に限定されないが、それぞれ独立して、0.5μm〜5μmである。
前記熱収縮性フィルムは、柔軟なフィルムであって、熱収縮温度に加熱されると、熱収縮方向に収縮するフィルムである。前記熱収縮温度は、例えば、60℃〜120℃が例示される。
前記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20μm〜100μm、更に、20μm〜80μm程度のものを用いることができる。
前記熱収縮性フィルムとしては、熱収縮性を有する合成樹脂フィルム、熱収縮性を有する不織布及び熱収縮性を有する発泡樹脂フィルム並びにこれらの積層フィルムなどが挙げられる。なお、前記積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、熱収縮性を有さない層と熱収縮性を有する層の積層物であってもよい。好ましくは、熱収縮性フィルムとして、合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムが用いられる。また、熱収縮性フィルムには、必要に応じて、金属蒸着層などのガス又は/及び光バリア層が積層されていてもよい。
前記熱収縮性フィルムの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。前記熱収縮性を有する合成樹脂フィルム(積層フィルム)は、1つのフィルム層で構成されていてもよく、又、異種若しくは同種の異なる複数のフィルム層から構成されていてもよい。ポリエチレンテレフタレート系樹脂などのポリエステル系樹脂は、比較的親水性が高いので、このような親水性の高い材料を用いることにより、親水性の高い内面を有する熱収縮性フィルムを構成できる。また、被着体の形状に対する追従性に優れ、被着体の外面との間に良好な水膜形成のための隙間を形成できることから、熱収縮性フィルムはポリエステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂のフィルムであることが好ましい。特に、熱収縮性フィルムの内面がラベル基材31の最内面を構成する場合には、熱収縮性フィルムがポリエステル系樹脂のフィルムで構成されていることが好ましい。
前記熱収縮性フィルムは、熱的性質の観点では、少なくとも第1方向に主として熱収縮するフィルムが用いられ、第2方向に若干熱収縮又は熱伸長するフィルムを用いてもよい。前記第1方向は、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、前記面内において前記第1方向と直交する方向である。ラベル基材31を筒状にした際(つまり、ラベル基材31を用いて熱収縮性筒状ラベル3を形成した際)、前記熱収縮性フィルムの第1方向は、熱収縮性筒状ラベル3の周方向となる。かかる熱収縮性フィルムとしては、第1方向に主として延伸された1軸延伸又は2軸延伸フィルムを用いることができる。
前記熱収縮性フィルムの第1方向(熱収縮方向)における熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは40%以上であり、より好ましくは50%以上であり、さらに好ましくは60%以上である。なお、前記第1方向における熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記第1方向における熱収縮率は、理論上、100%未満であるが、通常、90%以下である。前記熱収縮性フィルムが第2方向に熱変化するフィルムである場合、その第2方向における熱収縮率は、例えば、−3〜25%であり、好ましくは1〜20%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
ただし、前記熱収縮率は、加熱前のフィルムの長さ(元の長さ)と、90℃の温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)の割合であり、下記式に代入して求められる。
前記熱収縮率(%)=[{(第1方向又は第2方向の元の長さ)−(第1方向又は第2方向の浸漬後の長さ)}/(第1方向又は第2方向の元の長さ)]×100。
前記ラベル基材31の第1方向(熱収縮方向)が周方向となるように、そのラベル基材31を筒状に丸め、第1側端部31aを第2側端部31bに重ね合わせて接着してシール部31cを形成することにより、熱収縮性筒状ラベル3が構成されている。このシール部31cは、熱収縮性筒状ラベル3の軸方向に帯状に延びている。
前記第1側端部31aと第2側端部31bの接着方法は、特に限定されず、溶剤を用いた溶着、接着剤を用いた接着などが挙げられる。
熱収縮性筒状ラベル3の周長は、例えば、容器1などの被着体の被装着部位の最大周長×1倍を超え同×1.5倍以下であり、好ましくは同×1.01倍〜同×1.3倍であり、より好ましくは同×1.02倍〜同×1.15倍である。容器などの被着体の被装着部位は、被着体の、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮装着される部位をいう。
なお、熱収縮性筒状ラベル3には、必要に応じて、分断用のミシン目線(図示せず)などの公知の構造が付加されていてもよい。
[装着工程]
装着工程は、被着体の外側に、ラベルを装着する工程である。
ラベルがタックラベルである場合には、それを被着体の外面の所望の位置に貼り付けることによってラベルを被着体に装着できる。
ラベルが巻付けラベルである場合には、ラベル基材の第1側端部の内面を被着体の外面に部分的に接着し、このラベル基材を容器の周囲に巻き付け、前記第1側端部の外面にラベル基材の第2側端部の内面を接着することにより、被着体に装着できる。
ラベルが自己伸縮性筒状ラベルである場合には、拡張させた自己伸縮性筒状ラベルを被着体の外側に外装した後、そのラベルの拡張を解除することによって、自己伸縮性筒状ラベルをほぼ元の状態に復元させて被着体に装着できる。
ラベルが熱収縮性筒状ラベルである場合には、被着体の外側に熱収縮性筒状ラベルを外装し、加熱することによって、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて被着体に装着できる。
熱収縮性筒状ラベル3について、具体的には、図6及び図7に示すように、予め筒状に形成された熱収縮性筒状ラベル3を容器1の被装着部位の外側に被せる。好ましくは、少なくとも1つの凹み部2を覆うように熱収縮性筒状ラベル3を外装する。
容器1の被装着部位としては、例えば、図示したように、第1凹み部21及び第2凹み部22を含み、さらに、上方縮径部111及び下方縮径部112を含む本体11の大部分などが挙げられる。
容器1の被装着部位の最大径よりも大きい熱収縮性筒状ラベル3は、容器1に外装した時点では、容器1に装着されていない。つまり、外装した時点では、熱収縮性筒状ラベル3は、容器1に対して位置ずれし得る。
なお、容器1に外装すると同時に筒状に形成される熱収縮性筒状ラベルを用いる場合には、図8に示すように、容器1の外面に、ラベル基材31の第1側端部31aの内面を接着剤などを用いて接着し、ラベル基材31を容器1の周方向に巻き付け、その第1側端部31aの外面に第2側端部31bの内面を接着剤などを用いて接着することによって、熱収縮性筒状ラベルを容器1に外装できる。
熱収縮性筒状ラベルの内面と容器の外面との間に水膜が生じるようにしつつ、熱収縮性筒状ラベル3を加熱し、熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させる。前記水膜が生じるようにしつつ熱収縮性筒状ラベル3を加熱する場合としては、例えば、(i)熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させる前に水膜を形成し、熱収縮性筒状ラベル3を加熱する、(ii)熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させると同時に水膜を形成する、(iii)熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させた後に水膜を形成する、場合が挙げられる。
熱収縮によって熱収縮性筒状ラベル3が縮径し、容器1の本体11に略密着し、ラベル装着済み容器9が得られる(図9乃至図15参照)。図示例では、熱収縮性筒状ラベル4は、第1凹み部21及び第2凹み部22の各外面を除き、容器1の上方縮径部111及び下方縮径部112並びに取っ手部15を含む本体11の外出部の一部又は全体に略密着する。ただし、後述するように、前記略密着する部分において、水膜8が形成されている領域における熱収縮性筒状ラベル4は、水膜8を介して容器1に略密着している。
熱収縮装着された熱収縮性筒状ラベル4は、容器1に対して不用意に位置ずれしないようになる。以下、装着された熱収縮性筒状ラベル4のうち、容器1(図示例の場合には、本体11)の外面に略密着した領域を、「密着領域」という。
ただし、主として周方向に大きく収縮するという熱収縮性筒状ラベル3の性質上、熱収縮性筒状ラベル4は、凹み部2の周縁2aに略密着するが、凹み部2(周縁2aから内側に凹んでいる凹み部2)の外面には密着していない。従って、装着された熱収縮性筒状ラベル4のうち、凹み部2に対応する領域は、凹み部2の外面(すなわち、容器1の周面2b)から離れている。以下、装着された熱収縮性筒状ラベル4が容器1から離れている領域を「離反領域」という。
装着工程において、前記熱収縮性筒状ラベル3に対する加熱温度は所定の温度で設定でき、熱収縮性筒状ラベル3の外面を基準にして、例えば、60℃〜120℃であり、好ましくは80℃〜110℃である。加熱手段も特に限定されず、例えば、80℃〜100℃のスチーム、100℃を超え150℃以下のドライスチーム、100℃〜250℃程度の温風などが挙げられる。その他の加熱手段として、放射線、紫外線、赤外線などの活性エネルギー線照射を用いた加熱でもよい。
ラベル装着済み容器9において、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間には、その全体又は一部分に、水膜8が介在されている。熱収縮性筒状ラベル4のうち水膜が介在されている領域を「水膜介在領域」という。
水膜8は、水を含んだ層状の部分であり、水以外の成分が含まれていてもよい。例えば、水膜8は、膜全体を100重量%として、水を20重量%〜100重量%含み、好ましくは、水を60重量%〜100重量%含み、より好ましくは、水を80重量%〜100重量%含み、さらに好ましくは、水を90重量%〜100重量%含み、特に好ましくは、水を98重量%〜100重量%含む。なお、前記水膜8に含まれる水は、純水のほか、水道水のような一般的に水と認識されているものを意味する。
水膜8が水以外の成分を含む場合、その成分としては、特に限定されない。水以外の成分としては、界面活性剤、消泡剤、吸水性樹脂などが挙げられる。界面活性剤を配合することにより、熱収縮性筒状ラベル4の内面又は容器1の外面において、比較的均等な厚みの水膜8を広範囲に形成できる。消泡剤を配合することにより、気泡の発生を抑えることができ、良好な水膜を形成できる。以下、水膜を構成する、水以外の成分を「他成分」と記す。
前記水膜8は、熱収縮性筒状ラベル4の内面及び容器1の外面の少なくとも何れか一方の面に付着されている。
図示例のように、装着された熱収縮性筒状ラベル4のうち、容器1に略密着した密着領域であって、その間に水膜8が介在されている水膜介在領域にあっては、その水膜8は、熱収縮性筒状ラベル4の内面及び容器1の外面の両方に付着されている。
図示例のように、装着された熱収縮性筒状ラベル4のうち、容器1の外面から離れている離反領域であって、その間に水膜8が介在されている水膜介在領域にあっては、その水膜8は、熱収縮性筒状ラベル4の内面に付着され且つ容器1の外面に非接触とされている。もっとも、前記離反領域のうち水膜介在領域において、水膜8が、容器1の外面に付着していてもよく、或いは、熱収縮性筒状ラベル4の内面及び容器1の外面の両方にそれぞれ付着していてもよい(図示せず)。
本実施形態において、水膜8は、熱収縮性筒状ラベルの内面又は/及び容器の外面に、水がベタ状に付着することによって形成されている。ベタ状とは、水が面方向に延在して1つの連続した層を成していることをいう。
図9乃至図11は、容器1に熱収縮性筒状ラベル4が熱収縮装着されたラベル装着済み容器の第1例を示し、図12及び図13は、第2例を示し、図14及び図15は、第3例を示している。これら第1例乃至第3例のラベル装着済み容器9は、水膜介在領域が相違している。なお、図9、図12及び図14の各正面図において、熱収縮性筒状ラベルのうち水膜介在領域を判り易く図示するため、その領域に無数のドットを付加している。
図9乃至図11に示す第1例では、水膜8は、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間の略全体に亘って介在されている。従って、この例では、熱収縮性筒状ラベル4の周方向略全体が水膜介在領域となっている。
具体的には、水膜8が、熱収縮性筒状ラベル4の密着領域の略全体において、熱収縮性筒状ラベル4及び容器1の両方に付着して両者の間に介在されており、さらに、水膜8が、熱収縮性筒状ラベル4の離反領域の略全体において、熱収縮性筒状ラベル4の内面に付着し且つ容器1の外面に非接触とされて熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に介在されている。
図12及び図13に示す第2例では、水膜8が、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間の一部分に介在されている。従って、この例では、熱収縮性筒状ラベル4の周方向の一部分が水膜介在領域となっており、熱収縮性筒状ラベル4の一部分が水膜が介在しない非介在領域となっている。
具体的には、水膜8が、熱収縮性筒状ラベル4の周方向約半分(図12において右半分)において、熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に介在されており、熱収縮性筒状ラベル4の周方向約半分(図12において左半分)は、水膜を有しない非介在領域となっている。
図14及び図15に示す第3例は、第2例と同様に、水膜8が、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間の一部分に介在されている。第2例では、離反領域の略全体が水膜介在領域となっているが、第3例では、離反領域の一部分が水膜介在領域となり、且つ、離反領域の一部分が非介在領域となっている。
具体的には、水膜8が、熱収縮性筒状ラベル4の密着領域のうち、容器1の凹み部2の周縁2a及び周縁2aの外側近傍部において、熱収縮性筒状ラベル4及び容器1の両方に付着して両者の間に介在されており、さらに、水膜8が、容器1の凹み部2の周縁2aの内側近傍部において、熱収縮性筒状ラベル4の内面に付着し且つ容器1の外面に非接触とされて熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に介在されている。従って、第3例では、中央部を除いた離反領域及び離反領域よりも外側の外周部が水膜介在領域となっている。
なお、容器1の周縁2aの近傍部は、周縁2aを基準にして、2つ観念されるが、容器1の周縁2aの内側近傍部は、周面2bに対応する部分であり、容器1の周縁2aの外側近傍部は、その反対側の近傍部である。
なお、各断面図では、水膜8が1つの層を成して均質な層として表されているが、実際には、その水膜の面内の所々において水を有さない部分(気泡)が存在することが多いことに留意されたい。つまり、水膜介在領域は、水膜が隙間無く存在しているという厳格な意味ではなく、巨視的に見ると概ね水膜が存在しているという意味である。
水膜8の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1μm〜100μmであり、好ましくは、0.1μm〜20μmである。
なお、各断面図では、水膜8を判り易くするため、容器の肉厚や熱収縮性筒状ラベルの肉厚との対比において、水膜の厚みを実際の比率よりも大きく表している。
装着されたラベルと容器1の間に水膜8を形成する方法としては、様々な方法を適用できる。
ラベルが熱収縮性筒状ラベルである場合には、例えば、次の(A)乃至(D)のような方法が挙げられる。
(A)熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装した後、加熱手段として、スチーム又は熱水を用いる。以下、A法という。
(B)熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装する前に、又は、外装すると同時に、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に、水を接触させた後、熱収縮性筒状ラベル3を加熱して容器1に装着する。以下、B法という。
(C)熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装した後、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に、水を接触させた後、熱収縮性筒状ラベル3を容器1に装着する。以下、C法という。
(D)熱収縮性筒状ラベル3を容器1に装着してラベル装着済み容器9を得た後、ラベル装着済み容器9に水を接触させ、熱収縮性筒状ラベル4と容器1の隙間に水を進入させる。以下、D法という。
また、熱収縮性筒状ラベル以外のラベルを用いる場合には、例えば、次の(E)及び(F)のような方法が挙げられる。
(E)ラベル(ここでは熱収縮性筒状ラベル以外のラベル)を容器1に装着する前に、又は、装着すると同時に、前記ラベルの内面及び容器の外面の少なくとも一方に、水を接触させた後、ラベルを容器に装着する。以下、E法という。
(F)ラベル(ここでは熱収縮性筒状ラベル以外のラベル)を容器に装着してラベル装着済み容器を得た後、ラベル装着済み容器に水を接触させ、ラベルと容器の隙間に水を進入させる。以下、F法という。
(A法について)
上述のように、熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装した後(図6及び図7参照)、これにスチームを当てる。図6及び図7に示すように、熱収縮前の熱収縮性筒状ラベル3は容器1の被装着部位よりも大きく、従って、熱収縮性筒状ラベル3の内面と容器1の外面との間には、大きな間隙が存在している。スチームを当てると、前記間隙に入り込むと共に、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮する。間隙にスチームが入り込むことにより、熱収縮した熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に水膜8が形成される。
なお、前記スチームに代えて又はこれと併用して、熱収縮性筒状ラベル3を外装した容器1を、熱水に浸漬してもよい。前記スチーム及び熱水の温度としては、例えば、80℃〜100℃であり、好ましくは90℃〜100℃である。
A法によれば、熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に、水膜8を容易に形成できる。また、A法によれば、通常、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間の略全体に亘って介在するような水膜8が形成されるが、後述するように、熱収縮性筒状ラベル3及び/又は容器1の所望の部分に親水処理を施すことにより、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間に水膜8が生じ易くなる。
(B法について)
熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装する前に、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に、水を接触させる。或いは、熱収縮性筒状ラベル3を外装する行為を行う途中で、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に、水を接触させる。水の温度は、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮しない程度の温度であることが好ましく、例えば、0℃を超え60℃未満であり、好ましくは、10℃〜50℃であり、より好ましくは、15℃〜40℃である。
水の接触方法は、特に限定されず、水の吹き付け、水中への浸漬、水の塗布などが挙げられる。
前記水の吹き付けは、水を霧状にして吹き付けることが好ましいが、シャワーの如く水を比較的大きな粒の状態にして吹き付けてもよい。
水の接触対象は、熱収縮性筒状ラベル3のみでもよく、容器1のみでもよく、双方でもよいが、少なくとも容器1に水を接触させることが好ましい。
水の接触は、熱収縮性筒状ラベル3の内面全体でもよく、或いは、内面の一部分でもよい。熱収縮性筒状ラベル3の内面の一部分に水を接触させる際には、水膜8を形成したい範囲に水を接触させることが好ましい。なお、水は、熱収縮性筒状ラベル3の内面のみならず外面にも接触させてもよい。
同様に、水の接触は、容器1の外面全体でもよく、或いは、外面の一部分でもよい。容器1の外面の一部分に水を接触させる際には、水膜8を形成したい範囲に水を接触させることが好ましい。
B法によれば、熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装した時点で、熱収縮性筒状ラベル3と容器1の間に水が介在しており、その後、加熱して熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させることにより、前記水が拡がって水膜8が形成される。B法において、熱収縮性筒状ラベルの加熱手段は、上記のようなスチーム、温風、活性エネルギー線照射などから適宜選択できるが、A法と同様な理由からスチームを用いることが好ましい。
なお、B法では、容器1に外装する前又は外装時に、熱収縮性筒状ラベル3の内面側に水が存在しているので、熱収縮性筒状ラベル3が容器1に対して滑り難くなるおそれがある。このような点を考慮すると、最内面のぬれ張力が34mN/m以下である熱収縮性筒状ラベル3を用いることが好ましい。前記のようなぬれ張力を有する熱収縮性筒状ラベル3としては、例えば、熱収縮性フィルムの最内面に滑り層が設けられたラベル基材を筒状に形成したものが挙げられる。
(C法について)
熱収縮性筒状ラベル3を容器1に外装した後(図6及び図7参照)、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に、水を接触させる。
熱収縮前の熱収縮性筒状ラベル3の内面と容器1の外面との間には、大きな間隙が存在しており、この間隙を通じて、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に、水を接触させる。
水の温度は、熱収縮性筒状ラベル3が熱収縮しない程度の温度であることが好ましく、例えば、0℃を超え60℃未満であり、好ましくは、10℃〜50℃であり、より好ましくは、15℃〜40℃である。
水の接触方法は、B法に記載のような各方法が挙げられる。
C法もB法と同様に、熱収縮させる前の熱収縮性筒状ラベル3と容器1の間に水が介在しており、その後、加熱して熱収縮性筒状ラベル3を熱収縮させることにより、前記水が拡がって水膜8が形成される。C法においても加熱手段は、適宜選択できるが、スチームを用いることが好ましい。
C法によれば、熱収縮性筒状ラベル3を外装した後で水を吹き付けるので、熱収縮性筒状ラベルの装着位置がずれることはない。
(D法について)
熱収縮性筒状ラベルを容器1に外装し、それを熱収縮させると、容器1に略密着するが、熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間には、水が入り込む僅かな隙間が存在している。前記隙間は、熱収縮性筒状ラベル4の上縁及び下縁と容器1との間の進入口に連通している。
熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて得られたラベル装着済み容器9について、水を接触させると、その水の一部は、毛細管現象などにより、熱収縮性筒状ラベル4の上縁及び/又は下縁の進入口から熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に進入し、水膜8を形成するようになる。
水の接触方法は、B法に記載のような各方法が挙げられる。なお、D法では熱収縮性筒状ラベルが既に熱収縮しているので、水の温度は、特に限定されず、例えば、常温水、熱水などを用いてもよい。
特に、熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて得られたラベル装着済み容器9について、その熱収縮性筒状ラベル4の上縁に水を垂らすと、水の一部は、自重と毛細管現象により、上縁の進入口から熱収縮性筒状ラベル4と容器1の間に進入し、水膜8を形成するようになる。
水は、熱収縮性筒状ラベル4の上縁の全周に亘って垂らしてもよく、或いは、熱収縮性筒状ラベル4の上縁の一部分から垂らしてもよい。上縁の一部分から水を垂らす場合には、水膜8を形成したい範囲に対応する上縁から水を垂らすことが好ましい。
なお、条件によっては、熱収縮性筒状ラベル4の下縁部分を水に浸漬すると、下縁の進入口から隙間に水が進入し、同様に水膜を生じるようになる場合もある。
(E法について)
ラベル(熱収縮性筒状ラベル以外のラベル)を容器に装着する前又は装着すると同時に、ラベルの内面及び容器の外面の少なくとも一方に、水を接触させる。
水の温度は、特に限定されず、常温水、熱水などを用いることができる。
水の接触方法は、特に限定されず、水の吹き付け、水中への浸漬、水の塗布などが挙げられる。
水の接触対象は、ラベルのみでもよく、容器のみでもよく、双方でもよいが、少なくとも容器に水を接触させることが好ましい。
水の接触は、ラベルの内面全体でもよく、或いは、内面の一部分でもよい。ただし、タックラベルなどの接着部分を有するラベルについては、その接着部分を除いた内面の全体又は一部分に水を接触させる。一方、容器への水の接触は、容器の外面全体でもよく、或いは、外面の一部分でもよい。
(F法について)
ラベルを容器に装着した後、水を接触させる。
巻き付けラベルや自己伸縮性筒状ラベルなどのラベルを容器に装着すると、そのラベルの内面と容器の外面の間には、水が入り込む僅かな隙間が存在している。また、前記隙間は、ラベルの縁と容器との間の進入口に連通している。
D法と同様にして、このラベルの縁の進入口から隙間内に水を進入させることにより、ラベルの内面と容器の外面の間に水膜を形成できる。
[外面水除去工程]
熱収縮性筒状ラベル4の外面に水膜や水滴が付着している場合には、(以下、熱収縮性筒状ラベル4の外面に付着した水膜や水滴を、水分という)、必要に応じて、装着工程後、切断工程前に、その水分の一部又は全部を除去することが好ましく、水分の全部を除去することがより好ましい。熱収縮性筒状ラベル4の外面に付着した水分がレーザーのエネルギーを弱める又は消失させるおそれがあり、レーザーによる熱収縮性筒状ラベル4の切断が不十分になることを防止するためである。
水分の除去を行う場合、その除去は、レーザーによる切断箇所及びその周辺において少なくとも行われる。
前記外面に付着した水分の除去方法としては、布などの水吸収部材を用いて拭き取る、温風や冷風などを用いた風乾燥、室温下又は室温よりも高い温度下に放置する自然乾燥などが挙げられる。
なお、この外面の水除去工程は、熱収縮性筒状ラベル4と容器1との間に形成した水膜8が消失しない程度に行う必要がある。
[切断工程]
切断工程は、前記装着工程において容器1に装着した後の熱収縮性筒状ラベル4のうち水膜介在領域を、レーザーを用いて切断する工程である。
上述のように、装着後の熱収縮性筒状ラベル4の内面と容器1の外面の間には、水膜8が介在されている。このように水膜8を介在させた状態で、水膜介在領域の一部分を熱収縮性筒状ラベル4の外面側からレーザーを照射する。
前記水膜8は、水が蒸発或いは自重による水の流れ落ちによって経時的に消失する場合があるので、水膜を形成した後、水膜があまり消失しないうちに速やかにレーザーで切断することが好ましい。
レーザーの種類は、熱収縮性筒状ラベル4を切断できるものでれば特に限定されず、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、YVOレーザーなどが挙げられる。
特に、ポリエステル系樹脂やポリスチレン系樹脂などからなる熱収縮性フィルムに対する切断性に優れていることから、炭酸ガスレーザーを用いることが好ましい。炭酸ガスレーザーの波長は、特に限定されず、例えば、9.4μm又は10.6μmの波長のものが挙げられる。
レーザーを用いて切断する部分は、主として水膜介在領域内である。なお、前記主として水膜介在領域をレーザーを用いて切断するとは、水膜介在領域と非介在領域が存在している場合には、水膜介在領域内のみにレーザーを照射して切断する、或いは、水膜介在領域及び非介在領域にレーザーを照射して切断するという意味である。
レーザーの移動に従い、そのレーザーが照射された部分が切断され、熱収縮性筒状ラベル4に切断線が生じる。
切断線の形状は、特に限定されず、例えば、正面視で無端の環状、正面視で両端部を有する1本の線状、2本以上の線状若しくは環状が組み合わされ又は交差された形状、或いは、正面視で両端部を有する2本以上の線状が断続的に連続している形状などが挙げられる。前記両端部を有する2本以上の線状が断続的に連続している形状としては、ミシン目線形状などが該当する。前記切断線は、レーザーの切断によって生じる線であり、レーザーの移動軌跡とも言える。
なお、前記切断線が正面視で無端の環状に形成される場合には、その環状の切断線で囲われた部分は、熱収縮性筒状ラベル4から分離独立するので、その部分は除去される。
また、凹み部2を有する容器1にあっては、離反領域内の一部又は全部を含む範囲を刳り抜くように環状に切断することが好ましい。離反領域の一部又は全部を含んで無端の環状の切断線を形成することにより、凹み部2に通じる開口部を熱収縮性筒状ラベル4に形成できる。
切断線の形成(すなわち、レーザーを用いて切断する部分)は、(1)主として水膜介在領域内であって、離反領域の範囲内のみでもよく、(2)主として水膜介在領域であって、離反領域の一部分及び密着領域の一部分に連続していてもよく、(3)主として水膜介在領域内であって、密着領域の範囲内のみでもよい。水膜が経時的に消失し難いことから、好ましくは、前記(3)のように切断する。
例えば、図16は、図9乃至図11のラベル装着済み容器9に対して、熱収縮性筒状ラベル4のうち凹み部2の周縁2aの内側近傍部内を、周縁2aに沿ってレーザーを移動させ、切断線Zを形成した場合を示している。図16において、切断線Z(レーザーの軌跡)を二点鎖線で表し、水膜介在領域に無数のドットを付加している。また、図10において、切断線Zの形成箇所を矢印で示し且つ符号Zを付している。
周縁2aに沿って熱収縮性筒状ラベル4の面内を切断すると、無端の環状の切断線Zが形成される。また、この熱収縮性筒状ラベル4のうち凹み部2の周縁2aの内側近傍部は、水膜介在領域で且つ離反領域であるので、この切断線Zの形成は、上記(1)の場合である。
そして、前記切断線Zで囲われた領域を除去することにより、図17及び図18に示すような、凹み部2に通じる開口部6が熱収縮性筒状ラベル4に形成された包装体10を得ることができる。なお、開口部6は、レーザー切断痕であるフィルム縁で囲われた範囲内に生じた部分である。前記フィルム縁は容器1の周縁2aに沿っており、外観上好ましい。図17において、水膜介在領域に無数のドットを付加している(図19及び図20も同様)。
また、図19及び図20に示す例は、図9乃至図11のラベル装着済み容器9に対して、切断線を、第1凹み部21の左側周縁2a1の内側近傍部と、第2凹み部22の右側周縁2a2の内側近傍部と、第1凹み部21及び第2凹み部22の上下周縁2a3,2a4の内側近傍部とにかけて、無端の環状に形成する場合を例示している。なお、図19及び図20では、その切断線で囲われた領域を除去した後の状態を示している。この切断線の形成は、上記(2)の場合である。
この場合も、凹み部2に通じる開口部6が熱収縮性筒状ラベル4に形成された包装体10を得ることができる。特に、前記開口部6は、取っ手部15を含んで第1凹み部21及び第2凹み部22に対応して形成されるので、取っ手部15が露出した包装体10が得られる。
さらに、図21に示す例は、図9乃至図11のラベル装着済み容器9に対して、熱収縮性筒状ラベル4のうち凹み部2の周縁2aの外側近傍部内を、周縁2aに沿ってレーザーを移動させ、切断線を形成した場合を示している。なお、図21では、その切断線で囲われた領域を除去した後の状態を示している。この切断線の形成は、上記(3)の場合である。
この場合も、凹み部2に通じる開口部6が熱収縮性筒状ラベル4に形成された包装体10を得ることができるが、開口部6を形成するフィルム縁4aの正面視形状は、周縁2aの正面視形状よりも大きい。
本発明の製造方法によれば、ラベル装着後にレーザーを用いて切断するので、熱収縮性筒状ラベル4の所望の位置に、所望の開口部6などを容易に形成できる。
さらに、熱収縮性筒状ラベル4の水膜介在領域内を、その外面側からレーザーを用いて切断するので、レーザーによって容器1が損傷することを抑制できる。具体的には、水膜介在領域は、熱収縮性筒状ラベル4と容器1との間に水膜8が介在した領域である。水膜8は、レーザーを吸収し、レーザーのエネルギーを弱める又は消失させるので、熱収縮性筒状ラベル4を切断したレーザーが、容器1にまで作用し難くなる。このため、レーザーにて熱収縮性筒状ラベル4を所望に切断することを可能にしつつ、容器1の損傷を抑制できる。損傷のない容器1を含む包装体10は、耐久性に優れ、不用意に容器1が破断することもなく、また、容器1の外観が損なわれることもない。
特に、熱収縮性筒状ラベル4の水膜介在領域のうち水膜8の内面が容器から離れている部分(つまり、離反領域で且つ水膜介在領域であって、前記水膜介在領域の水膜が容器の外面に非接触である部分)を、レーザーを用いて切断することにより、熱収縮性筒状ラベル4と容器1とが離れていること及び水膜の相乗効果によって、水膜8にて弱められたレーザーが容器1にほとんど作用しなくなり、容器1の損傷を効果的に抑制できる。
また、熱収縮性筒状ラベル4の外面側からレーザーを照射して熱収縮性筒状ラベル4を切断する上で、その熱収縮性筒状ラベル4の外面に水分が付着している部分を有すると、その水分付着部分をレーザーが通過した際に、レーザーが弱められ、熱収縮性筒状ラベル4に十分なエネルギーが作用しないおそれがある。この点、前記水分付着部分を除いてレーザーを照射してもよいが、そうすると、レーザーの照射範囲がある程度制限される。上記のように、レーザーを照射する箇所及びその周辺の外面水除去工程を行うことにより、前記水分付着部分に起因する照射範囲の制限が無くなるようになる。
[仕上げ工程]
上記のようにして得られた包装体10は、少なくとも熱収縮性筒状ラベル4と容器1との間に水膜8が残存している。また、外面水除去工程を行わなかった場合にも、熱収縮性筒状ラベル4の外面に水分が付着している場合がある。
このような水膜8や水分は、包装体10を保管・運搬している間に自然に蒸発して消失するが、必要に応じて、包装体10の水膜8や水分を除去してもよい。この除去方法としては、代表的には、温風や冷風などを用いた風乾燥が挙げられる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、第1凹み部21と第2凹み部22の間に孔部16が貫通されている容器1を図示したが、例えば、図22及び図23に示すように、底面2cを有する第1凹み部21及び第2凹み部22が形成されている容器1に熱収縮性筒状ラベルを装着することによって、ラベル装着済み容器9を構成してもよい。このように底面2cを有する第1凹み部21及び第2凹み部22においても、それに隣接して取っ手部15が形成されている。
また、本発明は、取っ手部15や凹み部2を有する容器1に限られず、特に図示しないが、例えば、取っ手部及び凹み部を有さない容器に、熱収縮性筒状ラベルを装着してラベル装着済み容器を構成してもよい。
これらの他の容器1に装着工程において熱収縮性筒状ラベル4を装着して得られるラベル装着済み容器9に対して、切断工程にて水膜介在領域をレーザーにて切断することにより、本発明の包装体10を製造できる。
[親水化処理、疎水化処理]
本発明においては装着後の筒状ラベルの内面と容器の外面の間に水膜を介在させた状態で、レーザーを用いて筒状ラベルを切断する。
上記[準備工程]で説明したような各種材料からなる熱収縮性筒状ラベルや容器は、水の濡れ性(親水性)について程度差はあるものの、通常、水膜を生じ得ないほどの撥水性を有するわけではなく、両者の間に水膜を形成できる。
ここで、熱収縮性筒状ラベルの内面の親水性は、ぬれ張力にて表すことができる。熱収縮性筒状ラベルの内面におけるぬれ張力は、例えば、30mN/m以上であり、好ましくは、32mN/m以上であり、より好ましくは、33mN/m以上である。
ただし、熱収縮性筒状ラベルのぬれ張力は、JIS K 6768(1999年)に準じて測定できる。
熱収縮性筒状ラベル3の内面や容器1の外面の親水性が低い場合には、例えば、前記ぬれ張力を満たさない場合には、必要に応じて、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び/又は容器1の外面に親水化処理を行ってもよい。親水化処理を行うことにより、その処理範囲の親水性が高まり、水が拡がって水膜8を容易に形成できる。また、親水化処理は、所望の範囲に行うことができるので、周方向全体のみならず、一部の所望の範囲に水膜8を容易に形成できる。
親水化処理は、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び容器1の外面の少なくとも一方に行えばよいが、水膜8は熱収縮性筒状ラベルに付着していることが好ましいこと、及び、容器は様々な形態があるため、その外面に親水化処理を行うことは難しいことから、熱収縮性筒状ラベルの内面の所望の範囲に親水化処理を行うことが好ましい。親水化処理としては、特に限定されず、プラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理などが挙げられる。
また、水膜8を形成し易くなることから、吸水性樹脂を用いてもよい。
例えば、熱収縮性筒状ラベル3の内面及び/又は容器1の外面の所望範囲に、吸水性樹脂を膜状に塗布しておいてもよい。このように吸水性樹脂を塗布しておくことにより、その樹脂に水が結合し易くなり、結果的に、前記吸水性樹脂の塗布領域において水膜が形成され易くなる。前記吸水性樹脂を用いる場合、吸水性樹脂は少なくとも水膜を形成したい領域に塗布することが好ましい。前記吸水性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、熱収縮性筒状ラベル3の外面に水分が付着し難くするため、熱収縮性筒状ラベル3の外面に疎水化処理を行ってもよい。疎水化処理は、熱収縮性筒状ラベル3の外面の一部又は全体に行えばよいが、好ましくは、外面の全体に行われる。
疎水化処理としては、例えば、熱収縮性筒状ラベル3の外面に、シラン系化合物を塗布する、シリコーン系樹脂を塗布する、フッ素系化合物を塗布する、などが挙げられる。
疎水化処理は、熱収縮性筒状ラベルの外面のぬれ張力が、例えば、28mN/m以下、好ましくは、26mN/m以下となるように行うことが好適である。
1 容器
15 取っ手部
2 凹み部
2a 凹み部の周縁
3 容器に装着前の筒状ラベル
4 容器に装着後の筒状ラベル
6 開口部
8 水膜
9 ラベル装着済み容器
10 包装体

Claims (6)

  1. 被着体の外側にラベルが外装された包装体の製造方法であって、
    被着体の外側に、ラベルを装着する装着工程、
    前記装着後のラベルの内面と被着体の外面の間に水膜を介在させ、当該水膜がラベルの内面及び被着体の外面の少なくとも一方の面に付着している状態である水膜介在領域内のラベルを、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する切断工程、
    を有する、包装体の製造方法。
  2. 前記切断工程の前に、前記ラベルの外面に付着している水分の一部又は全部を除去し、その水分除去後の外面側からレーザーを用いて切断する、請求項1に記載の包装体の製造方法。
  3. 前記ラベルが、熱収縮性筒状ラベルであり、
    前記装着工程において、前記熱収縮性筒状ラベルを前記被着体に外装し、スチームを当てることによって、熱収縮性筒状ラベルの内面と被着体の外面の間にスチームを入り込ませつつ熱収縮性筒状ラベルを熱収縮させて被着体に装着する、請求項1または2に記載の包装体の製造方法。
  4. 前記水膜介在領域は、前記水膜が前記装着後のラベルの内面及び被着体の外面にそれぞれ付着している部分を有し、
    前記切断工程において、前記水膜介在領域の、前記水膜がラベルの内面及び被着体の外面にそれぞれ付着している部分を、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装体の製造方法。
  5. 前記水膜介在領域は、前記水膜が前記装着後のラベルの内面に付着され且つ前記被着体の外面に非接触とされている部分を有し、
    前記切断工程において、前記水膜介在領域の、前記水膜が被着体の外面に非接触である部分を、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装体の製造方法。
  6. 前記被着体が、外面の一部分が内側に凹んだ凹み部を有する容器であり、
    前記装着工程において、前記ラベルを前記凹み部を覆って前記容器に装着し、
    前記切断工程において、前記凹み部に通じる開口部を前記ラベルの面内に形成するように、当該凹み部の周縁とその内外近傍部の水膜介在領域内のラベルを、ラベルの外面側からレーザーを用いて切断する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装体の製造方法。
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