以下、本発明に関し詳細に説明する。
前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物において、R1及びR2は、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、若しくは炭素数3〜20のヘテロ芳香族基[これらの基は、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピリジル基、シアノ基、及び重水素原子からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、若しくは環状のアルキル基、シアノ基、重水素原子、又は水素原子を表す。
R1及びR2における炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、連結又は縮環していてもよい炭素数6〜20の芳香族炭化水素基と言い代えることができ、当該置換基としては、特に限定するものでは無いが、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、フェナントリル基、フルオランテニル基、アントリル基、またはピレニル基等が挙げられる。
R1及びR2における炭素数3〜20のヘテロ芳香族基は、連結又は縮環していてもよい炭素数3〜20のヘテロ芳香族基と言い代えることができ、当該置換基としては、特に限定するものではないが、例えば、少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含有する炭素数3〜20のヘテロ芳香族基を挙げることができ、より好ましくは、酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群より選ばれる原子を少なくとも一つ芳香環上に含有する炭素数3〜20のヘテロ芳香族基を挙げることができ、これらの基としては、特に限定するものではないが、例えば、ピロリル基、チエニル基、フリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、1,3,5−トリアジル基、インドリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、2,1,3−ベンゾオキサジアゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、キナゾリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、フェノキサジニル基、フェノチアジニル基、フェナジン基、又はチアントレニル基等が挙げられる。
R1及びR2における炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、シクロプロピル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
R1及びR2の具体例としては、フェニル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−ネオペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−トリチルフェニル基、3−トリチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、4−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−ビフェニル基、3−ビフェニル基、2−ビフェニル基、2−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、3−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、3’−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、4’−メチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,6−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2,4’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、3,2’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,4’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,5’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、2’,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル−4−イル基、4−フェニルビフェニル基、2−フェニルビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルナフタレン−1−イル基、4−メチルナフタレン−1−イル基、6−メチルナフタレン−2−イル基、4−(1−ナフチル)フェニル基、4−(2−ナフチル)フェニル基、3−(1−ナフチル)フェニル基、3−(2−ナフチル)フェニル基、3−メチル−4−(1−ナフチル)フェニル基、3−メチル−4−(2−ナフチル)フェニル基、4−(2−メチルナフタレン−1−イル)フェニル基、3−(2−メチルナフタレン−1−イル)フェニル基、4−フェニルナフタレン−1−イル基、4−(2−メチルフェニル)ナフタレン−1−イル基、4−(3−メチルフェニル)ナフタレン−1−イル基、4−(4−メチルフェニル)ナフタレン−1−イル基、6−フェニルナフタレン−2−イル基、4−(2−メチルフェニル)ナフタレン−2−イル基、4−(3−メチルフェニル)ナフタレン−2−イル基、4−(4−メチルフェニル)ナフタレン−2−イル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジエチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−オクチル−2−フルオレニル基、9,9−ジフェニル−2−フルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、9−フェナントリル基、2−フェナントリル基、4−(9−フェナントリル)フェニル基、3−(9−フェナントリル)フェニル基、11,11’−ジメチルベンゾ[a]フルオレン−9−イル基、11,11’−ジメチルベンゾ[a]フルオレン−3−イル基、11,11’−ジメチルベンゾ[b]フルオレン−9−イル基、11,11’−ジメチルベンゾ[b]フルオレン−3−イル基、11,11’−ジメチルベンゾ[c]フルオレン−9−イル基、11,11’−ジメチルベンゾ[c]フルオレン−2−イル基、3−フルオランテニル基、8−フルオランテニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、4−(9−アントリル)フェニル基、4−(10−フェニルアントラセン−9−イル)フェニル基、1−イミダゾリル基、2−フェニル−1−イミダゾリル基、2−フェニル−3,4−ジメチル−1−イミダゾリル基、2,3,4−トリフェニル−1−イミダゾリル基、2−(2−ナフチル)−3,4−ジメチル−1−イミダゾリル基、2−(2−ナフチル)−3,4−ジフェニル−1−イミダゾリル基、1−メチル−2−イミダゾリル基、1−エチル−2−イミダゾリル基、1−フェニル−2−イミダゾリル基、1−メチル−4−フェニル−2−イミダゾリル基、1−メチル−4,5−ジメチル−2−イミダゾリル基、1−メチル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリル基、1−フェニル−4,5−ジメチル−2−イミダゾリル基、1−フェニル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリル基、1−フェニル−4,5−ジビフェニリル−2−イミダゾリル基、1−メチル−3−ピラゾリル基、1−フェニル−3−ピラゾリル基、1−メチル−4−ピラゾリル基、1−フェニル−4−ピラゾリル基、1−メチル−5−ピラゾリル基、1−フェニル−5−ピラゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−ピリジル基、3−メチル−2−ピリジル基、4−メチル−2−ピリジル基、5−メチル−2−ピリジル基、6−メチル−2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−メチル−3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピリミジル基、2,2’−ビピリジン−3−イル基、2,2’−ビピリジン−4−イル基、2,2’−ビピリジン−5−イル基、2,3’−ビピリジン−3−イル基、2,3’−ビピリジン−4−イル基、2,3’−ビピリジン−5−イル基、5−ピリミジル基、ピラジル基、1,3,5−トリアジル基、4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル基、1−ベンゾイミダゾリル基、2−メチル−1−ベンゾイミダゾリル基、2−フェニル−1−ベンゾイミダゾリル基、1−メチル−2−ベンゾイミダゾリル基、1−フェニル−2−ベンゾイミダゾリル基、1−メチル−5−ベンゾイミダゾリル基、1,2−ジメチル−5−ベンゾイミダゾリル基、1−メチル−2−フェニル−5−ベンゾイミダゾリル基、1−フェニル−5−ベンゾイミダゾリル基、1,2−ジフェニル−5−ベンゾイミダゾリル基、1−メチル−6−ベンゾイミダゾリル基、1,2−ジメチル−6−ベンゾイミダゾリル基、1−メチル−2−フェニル−6−ベンゾイミダゾリル基、1−フェニル−6−ベンゾイミダゾリル基、1,2−ジフェニル−6−ベンゾイミダゾリル基、1−メチル−3−インダゾリル基、1−フェニル−3−インダゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、4−ベンゾチアゾリル基、5−ベンゾチアゾリル基、6−ベンゾチアゾリル基、7−ベンゾチアゾリル基、3−ベンゾイソチアゾリル基、4−ベンゾイソチアゾリル基、5−ベンゾイソチアゾリル基、6−ベンゾイソチアゾリル基、7−ベンゾイソチアゾリル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−イル基、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−5−イル基、2−ベンゾオキサゾリル基、4−ベンゾオキサゾリル基、5−ベンゾオキサゾリル基、6−ベンゾオキサゾリル基、7−ベンゾオキサゾリル基、3−ベンゾイソオキサゾリル基、4−ベンゾイソオキサゾリル基、5−ベンゾイソオキサゾリル基、6−ベンゾイソオキサゾリル基、7−ベンゾイソオキサゾリル基、2,1,3−ベンゾオキサジアゾリル−4−イル基、2,1,3−ベンゾオキサジアゾリル−5−イル基、2−キノリル基、3−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、1−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、2−キノキサリル基、3−フェニル−2−キノキサリル基、6−キノキサリル基、2,3−ジメチル−6−キノキサリル基、2,3−ジフェニル−6−キノキサリル基、2−キナゾリル基、4−キナゾリル基、2−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、3−ベンゾチエニル基、2−ジベンゾチエニル基、4−ジベンゾチエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、9−メチルカルバゾール−2−イル基、9−メチルカルバゾール−3−イル基、9−メチルカルバゾール−4−イル基、9−フェニルカルバゾール−2−イル基、9−フェニルカルバゾール−3−イル基、9−フェニルカルバゾール−4−イル基、9−ビフェニルカルバゾール−2−イル基、9−ビフェニルカルバゾール−3−イル基、9−ビフェニルカルバゾール−4−イル基、2−チアントリル基、10−フェニルフェノチアジン−3−イル基、10−フェニルフェノチアジン−2−イル基、10−フェニルフェノキサジン−3−イル基、10−フェニルフェノキサジン−2−イル基、1−メチルインドール−2−イル基、1−フェニルインドール−2−イル基、9−フェニルカルバゾール−4−イル基、1−メチルインドール−2−イル基、1−フェニルインドール−2−イル基、4−(2−ピリジル)フェニル基、4−(3−ピリジル)フェニル基、4−(4−ピリジル)フェニル基、3−(2−ピリジル)フェニル基、3−(3−ピリジル)フェニル基、3−(4−ピリジル)フェニル基、4−(2−フェニルイミダゾール−1−イル)フェニル基、4−(1−フェニルイミダゾール−2−イル)フェニル基、4−(2,3,4−トリフェニルイミダゾール−1−イル)フェニル基、4−(1−メチル−4,5−ジフェニルイミダゾール−2−イル)フェニル基、4−(2−メチルベンゾイミダゾール−1−イル)フェニル基、4−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イル)フェニル基、4−(1−メチルベンゾイミダゾール−2−イル)フェニル基、4−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イル)フェニル基、3−(2−メチルベンゾイミダゾール−1−イル)フェニル基、3−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イル)フェニル基、3−(1−メチルベンゾイミダゾール−2−イル)フェニル基、3−(2−フェニルベンゾイミダゾール−1−イル)フェニル基、4−(3,5−ジフェニルトリアジン−1−イル)フェニル基、4−(2−チエニル)フェニル基、4−(2−フラニル)フェニル基、5−フェニルチオフェン−2−イル基、5−フェニルフラン−2−イル基、4−(5−フェニルチオフェン−2−イル)フェニル基、4−(5−フェニルフラン−2−イル)フェニル基、3−(5−フェニルチオフェン−2−イル)フェニル基、3−(5−フェニルフラン−2−イル)フェニル基、4−(2−ベンゾチエニル)フェニル基、4−(3−ベンゾチエニル)フェニル基、3−(2−ベンゾチエニル)フェニル基、3−(3−ベンゾチエニル)フェニル基、4−(2−ジベンゾチエニル)フェニル基、4−(4−ジベンゾチエニル)フェニル基、3−(2−ジベンゾチエニル)フェニル基、3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル基、4−(2−ジベンゾフラニル)フェニル基、4−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、3−(2−ジベンゾフラニル)フェニル基、3−(4−ジベンゾフラニル)フェニル基、5−フェニルピリジン−2−イル基、4−フェニルピリジン−2−イル基、5−フェニルピリジン−3−イル基、4−(9−カルバゾリル)フェニル基、3−(9−カルバゾリル)フェニル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シアノ基、重水素原子、又は水素原子等を例示することができるが、これらに限
定されるものではない。
R1及びR2については、有機EL素子を長寿命化させる効果が高い点で、各々独立して、炭素数6〜14の連結又は縮環していてもよい芳香族炭化水素基、若しくは少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子を含有する炭素数3〜12のヘテロ芳香族基[これらの基は、各々独立して、メチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、及びピリジル基からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]、メチル基、又は水素原子であることが好ましく、各々独立して、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、ナフチルフェニル基、フェナントリルフェニル基、ピリジル基、ピリジルフェニル基、又は水素原子であることがより好ましく、各々独立して、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、又は水素原子であることがより好ましい。
前記の炭素数6〜14の連結又は縮環していてもよい芳香族炭化水素基としては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、又はアントリル基等が挙げられる。
前記の少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含有する炭素数3〜12のヘテロ芳香族基としては、特に限定するものではないが、ピリジル基、フェニルピリジル基、ピリジルフェニル基、ジベンゾフラニル基、又はジベンゾチエニル基等が挙げられる。
R3〜R5は、各々独立して、水素原子、メチル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。これらのうち、有機EL素子を長寿命化させる効果が高い点で、各々独立して、水素原子、メチル基、又はフェニル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物において、Zは下記一般式(2)〜(21)の何れかで表される。
前記一般式(2)〜(21)において、R6、R7、R9、R10、R12〜R38、R40〜R43、R45〜R48、R50〜R53、及びR55〜R66は、各々独立して、水素原子、メチル基、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基を表す。
R6、R7、R9、R10、R12〜R38、R40〜R43、R45〜R48、R50〜R53、及びR55〜R66は、有機EL素子の長寿命化効果に優れる点で、各々独立して、水素原子、メチル基、又はフェニル基であることが好ましい。
前記一般式(2)〜(21)において、R8、R11、R39、R44、R49、及びR54は、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜20のヘテロ芳香族基[これらの基は、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルピリミジル基、ジフェニルトリアジル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、シアノ基、及び重水素原子からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]を表す。
R8、R11、R39、R44、R49、及びR54において、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
R8、R11、R39、R44、R49、及びR54において、炭素数3〜20のヘテロ芳香族基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
R8、R11、R39、R44、R49、及びR54において、炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
R8、R11、R39、R44、R49、及びR54は、有機EL素子を長寿命化させる効果に優れる点で、炭素数6〜14の連結又は縮環していてもよい芳香族炭化水素基、又は少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、若しくは硫黄原子を含有する炭素数3〜12のヘテロ芳香族基[これらの基は、各々独立して、メチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルピリミジル基、ジフェニルトリアジル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、シアノ基、及び重水素原子からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]であることが好ましく、各々独立して、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ピリジル基、ピリミジル基、トリアジル基、キノリル基、キナゾリル基、ジベンゾフラニル基、又はジベンゾチエニル基[これらの基は、各々独立して、メチル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルピリミジル基、ジフェニルトリアジル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、シアノ基、及び重水素原子からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]が好ましく、各々独立して、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジメチルフルオレニル基、フェナントリル基、ナフチルフェニル基、フェナントリルフェニル基、ピリジル基、ジフェニルピリジル基、ジフェニルピリミジル基、ジフェニルトリアジル基、キノリル基、キナゾリル基、フェニルキナゾリル基、ビフェニルキナゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ピリジルフェニル基、ジフェニルピリミジルフェニル基、ジフェニルトリアジルフェニル基、ジベンゾフラニルフェニル基、又はジベンゾチエニルフェニル基であることがより好ましい。
前記の炭素数6〜14の連結又は縮環していてもよい芳香族炭化水素基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
前記の少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含有する炭素数3〜12のヘテロ芳香族基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
前記一般式(2)〜(21)において、Ar1〜Ar6は、各々独立して、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、又は炭素数3〜20のヘテロ芳香族基[これらの基は、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、フェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、9−カルバゾリル基、シアノ基、及び重水素原子からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]を表す。
Ar1〜Ar6において、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
Ar1〜Ar6において、炭素数3〜20のヘテロ芳香族基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
Ar1〜Ar6において、炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
Ar1〜Ar6は、有機EL素子の長寿命化効果に優れる点で、炭素数6〜14の連結又は縮環していてもよい芳香族炭化水素基、若しくは少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含有する炭素数3〜12のヘテロ芳香族基[これらの基は、各々独立して、メチル基、エチル基、炭素数3〜18の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、フェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、9−カルバゾリル基、シアノ基、及び重水素原子からなる群より選ばれる置換基を1種以上有していてもよい]であることが好ましく、各々独立して、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、ナフチルフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニルフェニル基、又はジベンゾチエニルフェニル基[これらの基は、各々独立して、メチル基又はエチル基を有していてもよい]であることがより好ましく、各々独立して、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、ナフチルフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニルフェニル基、又はジベンゾチエニルフェニル基であることがより好ましく、各々独立して、フェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基であることがより好ましい。
前記の炭素数6〜14の連結又は縮環していてもよい芳香族炭化水素基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
前記の少なくとも一つの酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含有する炭素数3〜12のヘテロ芳香族基は、R1及びR2で示したものと同じ定義であり、好ましい範囲についてもR1及びR2で示したものと同様である。
前記一般式(2)〜(21)において、Xは、単結合、酸素原子又は硫黄原子を表す。
以下に本発明の好ましい化合物を例示するが、これらの化合物に限定されるものではない。
前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物は、例えば、下記のルートにより合成することができる。ハロゲン化されたオルトフェニレンジアミン類(19)と1,2−ジケトン類(20)の縮合反応により、ハロゲン化されたキノキサリン化合物(21)を得る。続いて、ハロゲン化されたキノキサリン化合物(21)と一般式(22)で表される2級アミン化合物とを、塩基の存在下、銅触媒又はパラジウム触媒を用いて反応させ一般式(1)で表されるキノキサリン化合物を得ることができる。
[式中、R1〜R5及びZは前記一般式(1)と同じ定義を表わす。Aはハロゲン原子(ヨウ素、臭素、塩素、又はフッ素)を表す。]
一般式(19)、(20)及び(22)で表される化合物は、市販されている化合物を用いることもできるし、一般公知の方法に基づいて合成することもできる。
本発明の前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物は、有機EL素子用の発光ホスト材料、発光ドーパント材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料として好ましく使用することができる。本発明の前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物は、バイポーラー性を有し、正孔と電子を安定に輸送することが可能であること、さらに、発光特性にも優れることから、発光層として使用した際に、有機EL素子の高効率化と長寿命化を実現することができる。
本発明の前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物を有機EL素子の発光層として使用する場合には、キノキサリン化合物を単独で使用、公知の発光ホスト材料にドープして使用、又は公知の発光ドーパントをドープして使用することができる。
前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物を有機EL素子の正孔輸送層又は電子輸送層として使用する際の発光層には、従来から使用されている公知の蛍光若しくは燐光発光材料を使用することができる。発光層は1種類の発光材料のみで形成されていても、ホスト材料中に1種類以上の発光材料がドープされていてもよい。
前記一般式(1)で表されるキノキサリン化合物を含有する発光層、正孔輸送層又は電子輸送層を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法等の公知の方法を適用することができる。
本発明の効果が得られる有機EL素子の基本的な構造としては、基板、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び陰極を含むものが好ましく、一部の層が省略されていても、また逆に追加されていてもよい。
有機EL素子の陽極及び陰極は、電気的な導体を介して電源に接続されている。陽極と陰極との間に電位を加えることにより、有機EL素子は作動する。
正孔は陽極から有機EL素子内に注入され、電子は陰極で有機EL素子内に注入される。
有機EL素子は典型的には基板に被せられ、陽極又は陰極は基板と接触することができる。基板と接触する電極は便宜上、下側電極と呼ばれる。一般的には、下側電極は陽極であるが、本発明の有機EL素子においては、そのような形態に限定されるものではない。
基板は、意図される発光方向に応じて、光透過性又は不透明であってもよい。光透過特性は、基板を通してエレクトロルミネッセンス発光により確認できる。一般的には、透明ガラス又はプラスチックがこのような場合に基板として採用される。基板は、多重の材料層を含む複合構造であってもよい。
エレクトロルミネッセンス発光を、陽極を通して確認する場合、陽極は当該発光を通すか又は実質的に通すもので形成される。
本発明において使用される一般的な透明アノード(陽極)材料は、特に限定するものではないが、インジウム−錫酸化物(ITO)、インジウム−亜鉛酸化物(IZO)、又は酸化錫等が挙げられる。その他の金属酸化物、例えばアルミニウム又はインジウム・ドープ型酸化錫、マグネシウム−インジウム酸化物、又はニッケル−タングステン酸化物も使用可能である。これらの酸化物に加えて、金属窒化物である、例えば窒化ガリウム、金属セレン化物である、例えばセレン化亜鉛、又は金属硫化物である、例えば硫化亜鉛を陽極として使用することができる。
陽極は、プラズマ蒸着されたフルオロカーボンで改質することができる。陰極を通してだけエレクトロルミネッセンス発光が確認される場合、陽極の透過特性は重要ではなく、透明、不透明又は反射性の任意の導電性材料を使用することができる。この用途のための導体の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
陽極と発光層の間には、正孔注入層や正孔輸送層といった正孔輸送性の層を複数層設けることができる。正孔注入層や正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有し、これらの層を陽極と発光層の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔を発光層に注入することができる。
本発明の有機EL素子において、正孔輸送層及び/又は正孔注入層としては、公知の正孔注入材料、正孔輸送材料を用いることができる。例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、又、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられる。正孔注入材料、正孔輸送材料としては、上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
上記芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール、4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などがあげられる。
又、p型−Si、p型−SiCなどの無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。正孔注入層、正孔輸送層は、上記材料の一種又は二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成又は異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
本発明の有機EL素子において、発光層は、本発明のキノキサリン化合物を含むものである。発光層には、本発明のキノキサリン化合物と共に、公知の発光材料(発光ホスト材料、蛍光ドーパント、燐光ドーパント)を選択して組み合わせて用いることができる。
発光ホスト材料としては、例えば、ビフェニル基、フルオレニル基、トリフェニルシリル基、カルバゾール基、ピレニル基、又はアントラニル基を有する化合物が挙げられる。例えば、DPVBi(4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)−1,1’−ビフェニル)、BCzVBi(4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)1,1’−ビフェニル)、TBADN(2−ターシャルブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、ADN(9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン)、CBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル)、CDBP(4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル)、又は9,10−ビス(ビフェニル)アントラセン等が挙げられる。
蛍光ドーパントの一例としては、アントラセン、テトラセン、キサンテン、ペリレン、ルブレン、クマリン、ローダミン、キナクリドン、ジシアノメチレンピラン化合物、チオピラン化合物、ポリメチン化合物、ピリリウム又はチアピリリウム化合物、フルオレン誘導体、ペリフランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、ビス(アジニル)アミンホウ素化合物、ビス(アジニル)メタン化合物、カルボスチリル化合物等が挙げられる。
燐光ドーパントの一例としては、イリジウム、白金、パラジウム、オスミウム等の遷移金属の有機金属錯体が挙げられる。
ドーパントの一例として、Alq3(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム))、DPAVBi(4,4’−ビス[4−(ジ−パラ−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル)、ペリレン、Ir(PPy)3(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)、又はFlrPic(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)等が挙げられる。
電子輸送性材料としては、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、土類金属錯体等が挙げられる。アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属錯体、又は土類金属錯体としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム(Liq)、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−1−ナフトラートアルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)−2−ナフトラートガリウム等が挙げられる。
発光層と電子輸送層との間に、キャリアバランスを改善させる目的で、正孔阻止層を設けてもよい。正孔素子層として望ましい化合物は、BCP(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、Bphen(4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)、BAlq(ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム)、又はビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム)等が挙げられる。
本発明の有機EL素子においては、電子注入性を向上させ、素子特性(例えば、発光効率、定電圧駆動、又は高耐久性)を向上させる目的で、電子注入層を設けてもよい。
電子注入層として望ましい化合物としては、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等が挙げられる。また、上記に記した金属錯体やアルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物、希土類酸化物、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類ハロゲン化物、希土類ハロゲン化物、SiO2、AlO、SiN、SiON、AlON、GeO、LiO、LiON、TiO、TiON、TaO、TaON、TaN、Cなどの各種酸化物、窒化物、及び酸化窒化物のような無機化合物等も使用できる。
発光が陽極を通してのみ確認される場合、本発明において使用される陰極は、任意の導電性材料から形成することができる。望ましい陰極材料としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
1H−NMR及び13C−NMR測定は、バリアン社製 Gemini200を用いて行った。
FDMS測定は、日立製作所製 M−80Bを用いて行った。
合成例1 (2−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾールの合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、2−クロロカルバゾール 0.6g(3.0mmol)、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 1.0g(3.0mmol)、炭酸カリウム 0.6g(4.5mmol)、o−キシレン 10mL、酢酸パラジウム 6mg(0.03mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 20mg(0.1mmol)を添加して130℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、2−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾールの黄色粉末を1.2g(2.5mmol)単離した(収率85%)。
化合物の同定は、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.36−8.39(m,2H),8.02−8.11(m,2H),7.94(d,1H),7.27−7.55(m,15H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.81,154.32,142.20,141.30,141.10,140.53,139.08,139.02,138.64,132.36,131.45,130.17,129.45,129.38,129.00,128.67,126.83,126.21,123.53,122.70,121.59,121.44,121.38,120.72,110.27
合成例2 (4−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾールの合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、4−クロロカルバゾール 0.6g(3.0mmol)、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 1.0g(3.0mmol)、炭酸カリウム 0.6g(4.5mmol)、o−キシレン 10mL、酢酸パラジウム 6mg(0.03mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 20mg(0.1mmol)を添加して130℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、4−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾールの黄色粉末を1.1g(2.4mmol)単離した(収率81%)。
化合物の同定は、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.70(d,1H),8.35−8.38(m,2H),7.92(d,1H),7.28−7.56(m,16H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.77,154.35,142.15,141.95,140.96,140.59,139.08,139.02,138.72,131.36,130.17,129.46,129.40,129.33,129.28,128.68,127.07,126.70,123.62,123.03,121.74,121.35,121.27,109.89,108.46
実施例1 (化合物(D5)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、合成例1で得た2−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾール 1.0g(2.0mmol)、N,N−ビス(4−ビフェニル)アミン 0.64g(2.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.27g(2.8mmol)、o−キシレン 10mL、酢酸パラジウム 4mg(0.02mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 14mg(0.07mmol)を添加して140℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mlを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(D5)の黄色粉末を1.4g(1.8mmol)単離した(収率91%)。
化合物の同定は、FDMS、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 766(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.24−8.33(m,2H),8.02−8.06(m,2H),7.90(d,1H),7.13−7.54(m,33H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.63,154.07,147.54,146.67,142.25,141.84,141.33,140.85,140.43,139.15,139.06,135.44,131.25,130.14,129.31,129.26,129.14,129.06,128.61,128.08,127.11,126.91,126.08,125.97,124.20,124.11,121.58,121.22,120.38,120.28,119.55,110.01,106.74
実施例2 (化合物(F5)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、合成例2で得た4−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾール 1.0g(2.0mmol)、N,N−ビス(4−ビフェニル)アミン 0.64g(2.0mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.27g(2.8mmol)、o−キシレン 10mL、酢酸パラジウム 4mg(0.02mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 14mg(0.07mmol)を添加して140℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mlを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(F5)の黄色粉末を1.3g(1.7mmol)単離した(収率88%)。
化合物の同定は、FDMS、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 766(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.39−8.47(m,2H),8.04(d,1H),7.92(d,1H),7.22−7.56(m,32H),7.06−7.16(m,2H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.72,154.23,146.96,142.64,142.25,141.49,140.97,140.79,140.52,139.12,139.08,134.90,131.23,130.16,129.52,129.42,129.35,128.99,128.67,128.13,127.53,126.97,126.88,126.58,126.44,123.59,122.33,121.49,121.22,109.61,107.88
実施例3 (化合物(B4)の合成)
窒素気流下、50mLの三口フラスコに6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 2.8g(7.8mmol)、9−ビフェニルカルバゾール−2−ボロン酸 3.0g(8.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.27g(0.24mmol)、テトラヒドロフラン 10mL、及び20wt%の炭酸ナトリウム水溶液 10g(炭酸ナトリウムとして19.6mmol)を加え、7時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水層と有機層を分液し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製することにより、化合物(B4)の薄黄色固体を4.2g(7.0mmol)単離した(収率89%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 599(M+)
実施例4 (化合物(C18)の合成)
窒素気流下、50mLの三口フラスコに6−ブロモ−2,3−ジビフェニルキノキサリン 5.1g(10.0mmol)、9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸 3.0g(10.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 0.35g(0.30mmol)、テトラヒドロフラン 13mL、及び20wt%の炭酸ナトリウム水溶液 13.3g(炭酸ナトリウムとして25.2mmol)を加え、6時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水層と有機層を分液し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製することにより、化合物(C18)の薄黄色固体を6.2g(9.1mmol)単離した(収率91%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 675(M+)
実施例5 (化合物(D16)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、合成例1で得た2−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾール 2.5g(5.1mmol)、フェノキサジン 0.95g(5.1mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 0.75g(7.7mmol)、o−キシレン 12mL、酢酸パラジウム 10mg(0.05mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 30mg(0.16mmol)を添加して140℃で5時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(D16)の黄色固体を2.8g(4.4mmol)単離した(収率86%)。
FDMS(m/z); 628(M+)
実施例6 (化合物(E13)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 2.3g(6.3mmol)、3,9−ビカルバゾール 2.1g(6.3mmol)、炭酸カリウム 1.3g(9.5mmol)、o−キシレン 11mL、酢酸パラジウム 14mg(0.06mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 38mg(0.19mmol)を添加して140℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(E13)の黄色固体を3.5g(5.7mmol)単離した(収率90%)。
化合物の同定は、FDMS、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 612(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.51(s,1H),8.42(d,1H),8.33(s,1H),8.09−8.20(m,4H),7.80(d,1H),7.67(d,1H),7.49−7.60(m,6H),7.27−7.43(m,13H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.53,154.01,141.96,141.79,141.17,140.23,139.55,138.80,138.75,138.68,131.13,130.58,129.86,129.15,129.08,128.82,128.38,126.98,125.94,125.89,125.75,124.95,123.41,123.15,121.08,120.74,120.28,119.66,119.61,110.96,110.19,109.77
実施例7 (化合物(G1)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 3.1g(8.7mmol)、ベンゾ[a]カルバゾール 2.9g(8.7mmol)、炭酸カリウム 1.8g(13.1mmol)、o−キシレン 16mL、酢酸パラジウム 20mg(0.09mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 53mg(0.26mmol)を添加して140℃で8時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(G1)の黄色固体を3.8g(7.6mmol)単離した(収率87%)。
化合物の同定は、FDMS、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 497(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.49(s,1H),8.38(d,1H),8.21−8.28(m,2H),8.01(d,1H),7.77−7.81(m,2H),7.53−7.63(m,5H),7.33−7.45(m,10H),7.19(t,1H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.51,154.30,141.90,141.69,141.36,140.76,138.80,138.67,135.31,133.52,131.05,130.95,129.89,129.88,129.26,129.19,129.16,128.40,128.36,128.29,125.31,125.20,124.86,123.89,122.35,121.69,121.88,120.88,120.31,119.68,119.03,110.29
実施例8 (化合物(H1)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 2.6g(7.3mmol)、ベンゾ[b]カルバゾール 1.6g(7.3mmol)、炭酸カリウム 1.5g(10.9mmol)、o−キシレン 13mL、酢酸パラジウム 16mg(0.16mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 44mg(0.22mmol)を添加して140℃で10時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(H1)の黄色固体を3.2g(6.4mmol)単離した(収率88%)。
化合物の同定は、FDMS及び1H−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 497(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.64(s,1H),8.51(s,1H),8.44(d,1H),8.30(d,1H),8.10(t,2H),7.94(s,1H),7.87(d,1H),7.35−7.58(m,15H)
実施例9 (化合物(J5)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジ(1−ナフチル)キノキサリン 2.3g(5.1mmol)、ベンゾ[c]カルバゾール 1.1g(5.1mmol)、炭酸カリウム 1.0g(7.6mmol)、o−キシレン 11mL、酢酸パラジウム 11mg(0.05mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 31mg(0.15mmol)を添加して140℃で10時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(J5)の黄色固体を2.6g(4.3mmol)単離した(収率85%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 597(M+)
実施例10 (化合物(K1)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 1.3g(3.6mmol)、ジベンゾ[a,c]カルバゾール 0.99g(3.6mmol)、炭酸カリウム 0.77g(5.5mmol)、o−キシレン 7mL、酢酸パラジウム 8mg(0.04mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 22mg(0.11mmol)を添加して140℃で7時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(K1)の黄色固体を1.8g(3.3mmol)単離した(収率89%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 547(M+)
実施例11 (化合物(N6)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジ(2−ナフチル)キノキサリン 1.3g(3.6mmol)、ジベンゾ[a,g]カルバゾール 1.1g(4.3mmol)、炭酸カリウム 0.90g(6.5mmol)、o−キシレン 10mL、酢酸パラジウム 10mg(0.04mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 26mg(0.13mmol)を添加して140℃で9時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mLを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(N6)の黄色固体を2.4g(4.0mmol)単離した(収率92%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 597(M+)
実施例12 (化合物(P1)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに合成例1で得た2−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾール 3.4g(7.1mmol)、9−フェニルカルバゾール−2−ボロン酸 2.1g(7.5mmol)、酢酸パラジウム 32mg(0.14mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル 137mg、テトラヒドロフラン 12mL、及び20wt%の炭酸カリウム水溶液 12.3g(炭酸カリウムとして17.9mmol)を加え、10時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水層と有機層を分液し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製することにより、化合物(P1)の薄黄色固体を4.2g(6.1mmol)単離した(収率85%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 688(M+)
実施例13 (化合物(Q1)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに合成例1で得た2−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾール 4.1g(8.6mmol)、9−フェニルカルバゾール−3−ボロン酸 2.6g(9.0mmol)、酢酸パラジウム 39mg(0.17mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル 165mg、テトラヒドロフラン 15mL、及び20wt%の炭酸カリウム水溶液 14.9g(炭酸カリウムとして21.6mmol)を加え、9時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水層と有機層を分液し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製することにより、化合物(Q1)の薄黄色固体を5.3g(7.6mmol)単離した(収率89%)。
化合物の同定は、FDMS、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 688(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.48(s,1H),8.38−8.43(m,2H),8.16−8.28(m,3H),8.08(d,1H),7.85(s,1H),7.71(t,2H),7.55−7.61(m,9H),7.34−7.46(m,13H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);154.37,153.83,142.06,141.35,141.26,141.02,140.77,140.33,140.19,139.07,138.90,138.81,137.64,134.04,130.99,129.88,129.22,129.05,128.99,128.33,128.35,127.48,127.05,126.08,125.93,123.89,123.79,123.45122.51,120.75,120.44,120.00,119.21,109.99,109.87,109.81,108.34
実施例14 (化合物(R4)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに3−クロロ−9−(2,3−ジフェニルキノキサリン−6−イル)カルバゾール 2.3g(4.9mmol)、9−ビフェニルカルバゾール−2−ボロン酸 1.8g(5.1mmol)、酢酸パラジウム 22mg(0.10mmol)、2−ジシクロヘキシルフォスフィノ−2’4’6’−トリイソプロピルビフェニル 94mg、テトラヒドロフラン 10mL、及び20wt%の炭酸カリウム水溶液 8.4g(炭酸カリウムとして12.2mmol)を加え、12時間加熱還流した。室温まで冷却した後、水層と有機層を分液し、有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製することにより、化合物(R4)の薄黄色固体を3.3g(4.3mmol)単離した(収率88%)。
化合物の同定は、FDMS測定により行った。
FDMS(m/z); 764(M+)
実施例15 (化合物(S1)の合成)
窒素気流下、30mLの三口フラスコに、6−ブロモ−2,3−ジフェニルキノキサリン 2.8g(7.7mmol)、3−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)カルバゾール 3.1g(7.7mmol)、炭酸カリウム 1.6g(11.6mmol)、o−キシレン 15mL、酢酸パラジウム 17mg(0.08mmol)、及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン 47mg(0.23mmol)を添加して140℃で10時間攪拌した。室温まで冷却後、純水 10mL及びテトラヒドロフラン 10mlを加え、有機層を分離した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエンとヘキサンの混合溶媒)で精製し、化合物(S1)の黄色固体を4.8g(6.9mmol)単離した(収率90%)。
化合物の同定は、FDMS、1H−NMR測定、13C−NMR測定により行った。
FDMS(m/z); 688(M+)
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm);8.41−8.49(m,4H),8.27(t,2H),8.10(d,1H),7.81(t,2H),7.32−7.73(m,23H)
13C−NMR(CDCl3)δ(ppm);142.02,141.37,140.89,140.11,139.55,139.12,138.89,138.84,137.76,135.14,134.12,130.92,129.90,129.87,129.08,129.00,128.91,128.37,127.46,127.08,126.38,126.10,125.80,125.59,124.52,124.11,123.99,123.54,120.76,120.59,120.43,120.00,119.03,118.91,110.11,110.05,109.89
実施例16 (化合物(D5)の素子評価)
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を積層したガラス基板をアセトンおよび純水による超音波洗浄、イソプロピルアルコールによる沸騰洗浄を行った。さらに紫外線オゾン洗浄を行ない、真空蒸着装置へ設置後、1×10−4Paになるまで真空ポンプにて排気した。まず、ITO透明電極上に4,4’−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニル]ビフェニルを蒸着速度0.3nm/秒で蒸着し、65nmの正孔注入層とした。引続き、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル]ビフェニル(NPD)を蒸着速度0.3nm/秒で10nm蒸着し正孔輸送層とした。続いて、発光ドーパント材料としてビス−(1−フェニルイソキノリル)イリジウム(III)アセチルアセトナート((piq)2Ir(acac))、ホスト材料として化合物(D5)を重量比が8:92になるように蒸着速度0.25nm/秒で共蒸着し、40nmの発光層とした。次に、9,10−ジ(1−ナフチル)−2−(4−フェニル−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール)とリチウムキノリノールを重量比が50:50になるように蒸着速度0.15nm/秒で共蒸着し、30nmの電子輸送層とした。さらに銀とマグネシウムを重量比が1:10になるように蒸着速度0.5nm/秒で80nm共蒸着し、陰極を形成した。窒素雰囲気下、封止用のガラス板をUV硬化樹脂で接着し、評価用の有機EL素子とした。このように作製した素子に20mA/cm2の電流を印加し、駆動電圧、電流効率及び輝度半減時間を測定した。結果を表1に示す。
実施例17〜30 (素子評価)
化合物(D5)の代わりに化合物(F5)、(B4)、(C18)、(D16)、(E13)、(G1)、(H1)、(J5)、(K1)、(N6)、(P1)、(Q1)、(R4)又は(S1)に変更した以外は実施例16と同様な有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧および電流効率を表1に示す。
比較例1〜4
化合物(D5)を4,4’−ビス(カルバゾ−ル−9−イル)ビフェニル(CBP)、化合物(a)、化合物(b)又は化合物(c)に変更した以外は実施例16と同様な有機EL素子を作製した。20mA/cm2の電流を印加した際の駆動電圧および電流効率を表1に示す。