JP6779082B2 - コネクタユニット - Google Patents

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Description

本発明は、弾性的に嵌合する電気的接点を有するコネクタユニットに関するものである。
従来、電気的接点にフレキシブル基板を用いて構成されたコネクタユニットが知られている(特許文献1参照)。この種のコネクタユニットは、メス型及びオス型のそれぞれのハウジング同士を弾性変形可能なフレキシブル基板によって形成された電極を介して電気的接続を行うものである。
特開平8−31527号公報
特許文献1に開示されているような従来のコネクタユニットにあっては、一方のハウジングに形成されている接続凹部に適合するように、他方のハウジングに形成されている接続凸部を形成している。この接続凸部を接続凹部に嵌合させる際には、接続凹部を押し広げるようにして接続凸部を押圧挿入させるため、頻繁な挿抜操作や経年変化に伴う劣化等によって、双方の接合部分に隙間が生じるなどの電気的又は機械的な接続性が低下するといった問題があった。
特に、前記接続凹部と接続凸部とがフレキシブル基板の一部を弾性的に変形させた接点を介して電気的接続を図るような構成にあっては、嵌合後においても、前記接点部分が弾性的に僅かに揺動することとなる。このように、前記接続凹部と接続凸部の嵌合位置が確実に固定されていないと、振動や外部からの衝撃によって、前記接点部分が抜けやすくなったり、導電性が劣化したりするなどの問題が生ずるおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、弾性的に相互の電気的接続を図るコネクタユニットにおいて、前記電気的接続の弾性的な接続位置を規制することによって、ブレのない安定した電気的接続性を得ることのできるコネクタユニットを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のコネクタユニットは、接続凹部の内周面に沿って
当該接続凹部の底面及び内側面に弾性変形可能に形成される第1電極を有する第1コネクタ部材と、前記接続凹部に嵌合する接続凸部の外周面に沿って当該接続凸部の上面及び外側面に弾性変形可能に形成される第2電極を有する第2コネクタ部材と、前記接続凹部と接続凸部との嵌合位置を規制する位置決め部と、を備え、前記接続凹部と接続凸部との嵌合時には、前記接続凹部の底面に形成される第1電極と前記接続凸部の上面に形成される第2電極とが接続され前記接続凹部の内側面に形成される第1電極と前記接続凸部の外側面に形成される第2電極とが弾性的に接続される。
本発明に係るコネクタユニットによれば、第1電極及び第2電極を介して接続凹部と接続凸部とが弾性的に嵌合する位置を規制する位置決め部を設けたことによって、前記接続凹部と接続凸部との嵌合位置を適正位置で保持することができる。これによって、弾性的に嵌合している前記第1電極と第2電極との保持位置が安定すると共に、良好な電気的接続性を得ることができる。
本発明のコネクタユニットを構成する第1コネクタ部材及び第2コネクタ部材の斜視図である。 上記第1コネクタ部材のA−A断面図(a)及びB−B断面図(b)である。 上記第1コネクタ部材のC−C断面図(a)及びD−D断面図(b)である。 上記第1コネクタ部材のE−E断面図(a)及びF−F断面図(b)である。 上記コネクタユニットの嵌合後の斜視図である。 上記コネクタユニットのG−G断面図である。 上記コネクタユニットの嵌合前のH−H断面図(a)及びI−I断面図(b)である。 上記コネクタユニットの嵌合後のH−H断面図(a)及びI−I断面図(b)である。
以下、本発明に係るコネクタユニットの実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本発明のコネクタユニット10は、リセプタクルに相当する第1コネクタ部材11と、プラグに相当する第2コネクタ部材12との組み合わせによって構成されている。
図1,図2(a)及び図3に示したように、前記第1コネクタ部材11は、長手方向に沿った中央部に接続凹部15を有する直方体形状の第1ハウジング13と、この第1ハウジング13の外周面に沿って被覆されるフレキシブル基板19とを備える。前記接続凹部15は、対向する一対の縁部13dと、この一対の縁部13dから直交する方向に下降する一対の内側面15bと、この一対の内側面15bとの間に広がる底面15aとを有している。また、前記フレキシブル基板19は、前記接続凹部15の長手方向と直交する方向に延びる複数の第1電極17が形成されている。
前記第1電極17は、前記第1ハウジング13の外周面に密着して設けられる弾性を有したフレキシブル基板19の導電パターンからなる。具体的には一枚のフレキシブル基板19を第1ハウジング13の外周面に密着するように回し込んで、第1ハウジング13の上面13a、下面13b、外側面13c及び接続凹部15の底面15aに粘着シート23を介して固定している。前記フレキシブル基板19は、第1ハウジング13の外側面13cには密着する一方、接続凹部15の内側面15bから浮き上がって内方に突出しており、前記内側面15bとの間に中空部21を有する膨らみのある第1弾性変形部22を形成している。この第1弾性変形部22は、前記接続凹部15の入口側、すなわち内側面15bの上部で最大の膨らみ部22aを有し、この膨らみ部22aから接続凹部15の奥側、すなわち内側面15bの下部に向かって緩く傾斜する緩斜面22bを有する略半卵形の橋面状突起体である。この第1弾性変形部22は、押圧力が加わることで弾性的な変形が可能であり、また、押圧力を取り除くことで、元の形状に復帰する。
前記フレキシブル基板19は、弾性的に撓み変形可能なシート状の絶縁基材(ベースフィルム)19aの上に接着層を介して前記第1電極17がパターン形成されている。この第1電極17は、細長い短冊形状の導体箔をベースフィルム19aの上に一定のピッチで接着したもので、本実施形態では左右対称に接続凹部15の底面15aから内側面15bに沿って延び、さらには第1ハウジング13の上面13a、外側面13cを回り込んで下面13bまで延びている。前述したように、接続凹部15の内側面15bでは、フレキシブル基板19のベースフィルム19aと一体となって、内方に突出する第1弾性変形部22を形成している。前記第1電極17の本数は特に限定されず、適宜変更が可能であり、その際は導体箔の幅を変えることで容易に対応できる。また、第1電極17が導体箔によって形成されているので、一般的な金属接点とは異なって狭ピッチで配列することが可能となる。
また、前記フレキシブル基板19は、長手方向に面した一端及び他端が前記第1ハウジング13の下面13bの長手方向に沿った中央部を挟むようにして対向配置される。前記第1ハウジング13の下面13bに対向する部分に形成されている第1電極17は、基板やケーブル等に形成されている外部の電極端子との電気的接続を図るためのリード部25となっている。
図1,図2(a)及び図3(b)に示したように、前記第1ハウジング13には、前記接続凹部15の長手方向の両端部に第1位置決め部41が対向して設けられている。この一対の第1位置決め部41は、図1及び図2(b)に示したように、第2ハウジング14に設けられる一対の第2位置決め部42と係合することによって、前記接続凹部15と接続凸部16との嵌合位置を適正に規制するものである。
前記第1位置決め部41には、前記第1ハウジング13の接続凹部15と連続する位置決め凹部43が設けられている。この位置決め凹部43は、図3(b)に示したように、前記接続凹部15の幅と略同一寸法の幅d1を有した内壁43aを有し、この内壁43aの一部に係合突起43bが設けられている。前記係合突起43bは、前記位置決め凹部43と、第2ハウジング14に設けられている位置決め凸部44とを密接に係合させるものであり、前記位置決め凸部44が圧入によって挿入された際に弾性的に僅かに凹むことによって密接する。また、前記位置決め凹部43の一端には、前記位置決め凸部44が係合された状態を保持するための係合受部47が設けられている。
次に、上記第1コネクタ部材11に相互接続する第2コネクタ部材12を図1,図2(b)及び図4に基づいて説明する。この第2コネクタ部材12は、前記第1ハウジング13の接続凹部15に嵌合する接続凸部16が長手方向に沿って中央部に形成された第2ハウジング14と、この第2ハウジング14の接続凸部16の外周面に設けられる第2電極18とを備えている。第2電極18は、前記第1電極17と同様、前記第2ハウジング14の外周面に密着して設けられる柔軟性のあるフレキシブル基板20の導電パターンからなる。
具体的には一枚のフレキシブル基板20を第2ハウジング14の外周面に密着するように回し込んで、第2ハウジング14の上面14a、下面14b、外側面14c及び接続凸部16の上面16aに粘着シート33を介して固定している。このフレキシブル基板20は、第2ハウジング14の外側面14cには密着する一方、接続凸部16の外側面16bから浮き上がって外方に突出しており、前記外側面16bとの間に中空部31を有する膨らみのある第2弾性変形部32を形成している。この第2弾性変形部32は、前記接続凸部16の外側面16bの上部で最大の膨らみ部32aを有し、この膨らみ部32aから接続凸部16の外側面16bの下部に向かって緩く傾斜する緩斜面32bを有する略半卵形の橋面状突起体である。この第2弾性変形部32は、前記第1電極17を構成するフレキシブル基板19に形成された第1弾性変形部22と略同一形状であり、押圧力が加わることで弾性的な変形が可能であり、また、押圧力を取り除くことで、元の形状に復帰する。
前記フレキシブル基板20は、前記の第1電極17を構成するフレキシブル基板19と同様、絶縁性のベースフィルム20aの上に接着層を介して前記第2電極18となる導電パターンを形成した構造である。この第2電極18は、前記第1電極17と同様、細長い短冊形状の導体箔をベースフィルム20aの上に第1電極17と同じ一定のピッチで接着したものである。そして、左右対称に接続凸部16の上面16aから外側面16bに沿って延び、さらには第2ハウジング14の上面14a、外側面14cを回り込んで下面14bまで延びている。前述したように、接続凸部16の外側面16bでは、フレキシブル基板20のベースフィルム20aと一体となって、外方に突出する第2弾性変形部32を形成している。第2電極18の本数及びピッチは第1電極17に対応しており、また、第1電極17と同様、一般的な金属接点とは異なって狭ピッチでの配列が可能である。
また、前記フレキシブル基板20は、長手方向に面した一端及び他端が前記第2ハウジング14の下面14bの長手方向に沿った中央部を挟むようにして対向配置される。前記第2ハウジング14の下面14bに対向する部分に形成されている第2電極18は、基板やケーブル等に形成されている外部の電極端子との電気的接続を図るためのリード部35となっている。
図1,図2(b)及び図4(b)に示したように、前記第2ハウジング14には、前記接続凸部16の長手方向の両端部に第2位置決め部42が対向して設けられている。この一対の第2位置決め部42は、前述したように、第1位置決め部41に係合されることによって、第1ハウジング13の接続凹部15と、第2ハウジング14の接続凸部16とを適正位置で嵌合させることができる。
前記第2位置決め部42には、前記第2ハウジング14の接続凸部16と連続する位置決め凸部44が設けられている。この位置決め凸部44は、図4(b)に示したように、前記接続凹部15の幅と略同一寸法の幅d2に広がる上面44a及び一対の側壁44bによって形成されており、前記一対の側壁44bが前記位置決め凹部43に設けられている係合突起43cに押圧接触することによって嵌合する。
前記位置決め凸部44には、切込部45が設けられ、この切込部45を介した先端部に係合爪部48が形成されている。この係合爪部48は、前記切込部45によって弾性的に撓み変形可能となっており、図5及び図6に示すように、第1コネクタ部材11と第2コネクタ部材12とを嵌合する際に、前記位置決め凹部43に嵌り込み、この位置決め凹部43と位置決め凸部44とが完全に係合した際には、前記係合受部47に係止され、係合状態を保持することができる。このような係合状態は、前記係合爪部48を内側に撓ませることで容易に解除することができる。
次に、上記第1コネクタ部材11と、第2コネクタ部材12とが嵌合する状態を図1,図7及び図8に基づいて説明する。
図1に示したように、前記第1コネクタ部材11は接続凹部15を上向きに、第2コネクタ部材12は接続凸部16を前記接続凹部15と対面するように下向きにして嵌め入れる(図5)。このとき、図7(b)に示すように、第1位置決め部41の位置決め凹部43に第2位置決め部材42の位置決め凸部44が圧入され、図7(a)に示すように、弾性変形部22,32を介して挿入される接続凹部15と接続凸部16の中心位置O−Oが略一致した状態となる。
このようにして、第2コネクタ部材12を多少押し込むことで、図7(a)に示したように、接続凹部15の内側面15bから内方に突出する第1電極17の第1弾性変形部22を接続凸部16の外側面16bから外方に突出する第2電極18の第2弾性変形部32が押圧する。第1弾性変形部22は、第2弾性変形部32との接触により押圧力を受け弾性的に押圧変形しながら押し込まれていく。第2弾性変形部32も同様に、第1弾性変形部22との接触により押圧力を受けて弾性的に押圧変形する。
そして、図8(b)に示すように、位置決め凹部43に位置決め凸部44が完全に係合された状態になると同時に、図8(a)に示すように、第1コネクタ部材11の接続凹部15と第2コネクタ部材12の接続凸部16とが完全に嵌合した状態となり、双方の弾性変形部22,32が相互の押圧力を受けることで大きく弾性変形して、第1電極17と第2電極18が広い範囲で面接触する。また、接続凹部15の底面15aと接続凸部16の上面16aとの間、及び第1ハウジング13の上面13aと第2ハウジング14の上面14aとの間においても、第1電極17と第2電極18が接触するので、複数の箇所で接点同士の導通が得られることになり、第1コネクタ部材11と第2コネクタ部材12との確実な相互接続によってコネクタの信頼性が高くなる。
前記第1電極17に設けられた第1弾性変形部22は、接続凹部15の入口側が狭くて奥側が広くなるような曲面突起形状をしており、一方、第2電極18に設けられた第2弾性変形部32は、前記第1弾性変形部22とは逆向きの傾斜面をなしているので、図8(a)に示したように、互いに嵌合した状態では接続凹部15の入口側が狭くて接続凸部16を引き抜きにくい構造となるため、コネクタ部材11,12同士の接続強度が高まることになる。
このように、本発明のコネクタユニット10にあっては、接続凹部15及び接続凸部16の双方に設けられている弾性変形部22,32を介して電気的接続を図る際に、位置決め凹部43及び位置決め凸部44を有する第1位置決め部41及び第2位置決め部42によって、前記接続凹部15及び接続凸部16の嵌合をガイドしつつ、所定位置で固定させることができる。これによって、第1コネクタ部材11と第2コネクタ部材12とが嵌合後においても、その嵌合位置がぶれることがないので、安定した電気的接続性を維持することができる。
10 コネクタユニット
11 第1コネクタ部材
12 第2コネクタ部材
13 第1ハウジング
13a 上面
13b 下面
13c 外側面
13d 縁部
14 第2ハウジング
14a 上面
14b 下面
14c 外側面
15 接続凹部
15a 底面
15b 内側面
16 接続凸部
16a 上面
16b 外側面
17 第1電極
18 第2電極
19 フレキシブル基板
19a ベースフィルム
20 フレキシブル基板
20a ベースフィルム
21 中空部
22 第1弾性変形部
22a 膨らみ部
22b 緩斜面
23 粘着シート
25 リード部
31 中空部
32 第2弾性変形部
32a 膨らみ部
32b 緩斜面
33 粘着シート
35 リード部
41 第1位置決め部
42 第2位置決め部
43 位置決め凹部
43a 内壁
43b 係合突起
44 位置決め凸部
44a 上面
44b 側壁
45 切込部
47 係合受部
48 係合爪部

Claims (7)

  1. 接続凹部の内周面に沿って、当該接続凹部の底面及び内側面に弾性変形可能に形成される第1電極を有する第1コネクタ部材と、
    前記接続凹部に嵌合する接続凸部の外周面に沿って、当該接続凸部の上面及び外側面に弾性変形可能に形成される第2電極を有する第2コネクタ部材と、
    前記接続凹部と接続凸部との嵌合位置を規制する位置決め部と、を備え、
    前記接続凹部と接続凸部との嵌合時には、前記接続凹部の底面に形成される第1電極と前記接続凸部の上面に形成される第2電極とが接続され、前記接続凹部の内側面に形成される第1電極と前記接続凸部の外側面に形成される第2電極とが弾性的に接続されるコネクタユニット。
  2. 前記第1電極は、前記接続凹部の底面及び内側面に設けられるフレキシブル基板の導電パターンからなる請求項1に記載のコネクタユニット。
  3. 前記フレキシブル基板は、前記接続凹部の内側面との間に中空部を有する膨らみのある第1弾性変形部を形成している請求項2に記載のコネクタユニット。
  4. 前記第1弾性変形部は、前記内側面の上部から下部に向かって緩く傾斜する緩斜面を有し、押圧力が加わることで弾性的に変形可能である請求項3に記載のコネクタユニット。
  5. 前記第2電極は、前記接続凸部の上面及び外側面に設けられるフレキシブル基板の導電パターンからなる請求項1に記載のコネクタユニット。
  6. 前記フレキシブル基板は、前記接続凸部の外側面との間に中空部を有する膨らみのある第2弾性変形部を形成している請求項5に記載のコネクタユニット。
  7. 前記第2弾性変形部は、前記外側面の上部から下部に向かって緩く傾斜する緩斜面を有し、押圧力が加わることで弾性的に変形可能である請求項6に記載のコネクタユニット。
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