以下に説明する実施形態は、本発明の種々の実施形態の一つに過ぎない。本発明の実施形態は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外も含み得る。また、下記の実施形態は、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。
(1)電気錠システムの概要
本実施形態に係る電気錠システム1は、図1及び図2に示すように、電気錠装置2と、鍵装置3と、を備えている。
電気錠装置2は、建物10の出入口11の施錠を行う装置である。本実施形態の電気錠装置2は、出入口11の施錠を行う錠装置を動作させることによって、出入口11の施錠を行う。ここでいう建物10の「出入口」とは、建物10の内(宅内12)と外(宅外13)とを隔てる扉又は窓であって、例えば、玄関扉、勝手口又は掃出窓などである。電気錠装置2は、出入口11に設置されている。ここで、電気錠装置2は、鍵装置3と通信可能に構成されており、鍵装置3との通信によって、出入口11を施錠する施錠状態と出入口11を解錠する解錠状態との切り替えを電気的に行う。
鍵装置3は、電気錠装置2との通信機能を有している。本実施形態では、鍵装置3と電気錠装置2との間の通信方式は、電波を媒体とする無線通信である。鍵装置3は、ユーザ40によって携帯可能となるように、電池駆動式で、かつ適度なサイズに構成されている。
本実施形態では、建物10が戸建住宅である場合を例として説明する。ユーザ40は、建物10(戸建住宅)の住人のうち、鍵装置3を所持(携帯)する人である。
ユーザ40が、出入口11の宅外13側に配置された操作釦231を押す特定行動(解錠操作)を行うと、電気錠装置2が鍵装置3と通信を行い、鍵装置3に予め記憶されている鍵ID(Identification)を鍵装置3が電気錠装置2に送信する。電気錠装置2は、鍵装置3の持つ鍵IDの認証が成功した場合は、出入口11を解錠する。つまり、電気錠装置2は、鍵装置3との通信によって、施錠状態から解錠状態へ切り替える解錠動作を行うので、ユーザ40は出入口11を開けて宅内12に入ることができる。一方、電気錠装置2は、鍵装置3の鍵IDの認証が失敗した場合は、出入口11を解錠しないので、正規の鍵装置3を持っていない人物が宅内12に入れないように電気錠システム1は構成されている。
上述したような電気錠装置2による解錠動作は、ユーザ40が宅外13に居るとき、つまりユーザ40の帰宅時と、ユーザ40が宅内12に居るとき、つまりユーザ40の外出時との少なくとも一方において行われる。
本実施形態では、ユーザ40の帰宅時と外出時との両方において、電気錠装置2による解錠動作が行われる。
ユーザ40の帰宅時には、宅外13に居るユーザ40が、出入口11に近付いて、出入口11の宅外13側に配置された操作釦231を操作する。この状態では、ユーザ40が所持する鍵装置3は、電気錠装置2からの通信用の電波が届く程度に出入口11に近付いているので、鍵装置3が電気錠装置2と通信を行うことで、出入口11が解錠可能となる。
宅内12に居るユーザの外出時には、宅内12に居るユーザが、出入口11に近付いて、出入口11の宅内12側に配置された操作釦232を操作する。この状態では、ユーザ40が所持する鍵装置3は、電気錠装置2からの通信用の電波が届く程度に出入口11に近付いているので、鍵装置3が電気錠装置2と通信を行うことで、出入口11が解錠可能となる。
また、本実施形態では詳しい説明は省略するが、電気錠装置2は、鍵装置3と通信を行うことによって、出入口11を解錠状態から施錠状態へ切り替える施錠動作も行うことができる。すなわち、出入口11が解錠されている状態において、操作釦231又は232を押す特定行動(施錠操作)が行われると、電気錠装置2は鍵装置3と通信を行い、鍵装置3との通信によって鍵IDの認証が成功すると、出入口11の施錠を行う。
(2)鍵装置の構成
本実施形態に係る鍵装置3は、図1に示すように、鍵側制御部31と、鍵側通信部32と、測定部33と、記憶部34と、通知部35とを備えている。鍵装置3は、鍵側制御部31、鍵側通信部32、測定部33、記憶部34、及び通知部35を収納する携帯可能なケース36を更に備えている。鍵装置3は、例えばケース36内に収納される二次電池から電力供給を受けて動作する。
鍵側通信部32は、電気錠装置2と通信可能に構成されている。鍵側通信部32と電気錠装置2(錠側通信部22)との間の通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの電波を媒体とした無線通信である。本実施形態では、鍵装置3は、電気錠装置2に信号を送信するだけでなく、例えば、応答信号(ACK:ACKnowledgement)などの信号を電気錠装置2(錠側通信部22)から受信する。そのため、鍵側通信部32は、信号の送信機能及び受信機能を有しており、錠側通信部22との間で双方向の通信を行う。
測定部33は、鍵側通信部32が錠側通信部22から受信する受信電波の電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)を測定する。
鍵側制御部31は、本実施形態ではCPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するマイクロコンピュータにて実現されている。言い換えれば、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することによって、コンピュータが鍵側制御部31として機能する。本実施形態では鍵側制御部31は判定部311の機能を備えている。プログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、インターネットなどの電気通信回線を通じて、又はメモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
判定部311は、測定部33の測定値R1が所定のしきい値Rth以上であるか否かを判定する。所定のしきい値Rthは、宅内12又は宅外13において電気錠装置2から所定の操作可能距離(例えば数m程度)だけ離れた場所に鍵装置3が存在する状態で、鍵装置3が電気錠装置2から受信する受信電波の電波強度に相当する値に設定されている。ここにおいて、宅内12及び宅外13の各々において、出入口11に設けられた電気錠装置2からの距離が操作可能距離以下である領域が、鍵装置3を用いて解錠操作及び施錠操作が可能な操作エリア14(図2参照)となる。
記憶部34は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを含む。記憶部34には、鍵装置3に固有の鍵IDなどが記憶されている。
通知部35は、LED等の表示デバイス、音を出力するスピーカ、又は振動を発生する振動モータである。通知部35は、光、音又は振動でユーザ40に対する通知を行う。
本実施形態の鍵装置3は、例えば、スマートフォンなどの汎用の情報端末にて構成されている。鍵装置3がスマートフォンなどの汎用の情報端末からなる場合、情報端末が専用のアプリケーションソフトをインストールし、このアプリケーションソフトを起動することにより、情報端末のCPUを鍵側制御部31及び判定部311として機能させる。言い換えれば、アプリケーションソフトは、コンピュータ(情報端末)を上記鍵装置3における鍵側制御部31及び判定部311として機能させるためのプログラムである。この構成によれば、専用の鍵装置3を用いなくてもよい、という利点がある。プログラムは、インターネットなどの電気通信回線を通じて、又はメモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよいし、コンピュータ(情報端末)のメモリに予め記録されていてもよい。
(3)電気錠装置の構成
本実施形態に係る電気錠装置2は、図1に示すように、錠側制御部21と、錠側通信部22と、操作部23と、錠駆動部24と、記憶部25とを備えている。
電気錠装置2は、例えば出入口11(図2参照)となる扉(例えば玄関扉)に内蔵されている。電気錠装置2は、商用電源などの外部電源から電力供給を受けて動作してもよいし、電池駆動式であってもよい。
錠側通信部22は、鍵装置3の鍵側通信部32と同じ通信方式で通信を行う通信モジュールを備え、鍵側通信部32と通信可能に構成されている。上述したように、錠側通信部22と鍵装置3(鍵側通信部32)とは双方向に通信を行うので、錠側通信部22は、信号の送信機能及び受信機能を有している。
操作部23は、例えば、出入口11の宅外13側に設けられた操作釦231と、出入口11の宅内12側に設けられた操作釦232と、を備える。操作部23は、出入口11を施錠又は解錠するためにユーザが行う操作を受け付ける機能を有する。本実施形態では、出入口11を施錠又は解錠するためにユーザが操作部23を用いて行う操作が、出入口11を施錠又は解錠するためにユーザが電気錠装置2に対して行う行動であり、この行動を特定行動という。操作部23(操作釦231又は操作釦232)がユーザ40の操作を受け付けると、操作部23から錠側制御部21に操作信号が出力される。
錠側制御部21は、本実施形態ではCPU及びメモリを有するマイクロコンピュータにて実現されている。CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することによって、コンピュータが錠側制御部21として機能する。本実施形態では錠側制御部21は、認証部211、検知部212などの機能を備えている。プログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、インターネットなどの電気通信回線を通じて、又はメモリカードなどの記録媒体に記録されて提供されてもよい。
検知部212は、操作部23から入力される操作信号に基づいて、ユーザが出入口11の施錠又は解錠を行おうとする特定行動を検知する。つまり、検知部212は、操作部23から操作信号が入力されると、ユーザが特定行動を行ったと検知する。
認証部211には、少なくとも1つの登録IDが登録(記憶)されている。登録IDは、鍵装置3の鍵IDに対応している。例えば、建物10の住人がそれぞれ個別の鍵装置3を所持するような場合、つまり電気錠システム1が複数台の鍵装置3を含む場合には、認証部211には、これら複数台の鍵装置3の鍵IDに対応する複数の登録IDが登録されている。
認証部211は、鍵装置3(鍵側通信部32)からの鍵IDを含む信号(ID信号)を錠側通信部22に受信させる。認証部211は、錠側通信部22にてID信号を受信すると、ID信号に含まれる鍵IDと認証部211に登録されている登録IDとの照合を行うことで、鍵IDの認証処理を実行する。
本実施形態では、認証部211が鍵IDの認証に成功すると、錠側制御部21は錠駆動部24を制御して出入口11の解錠又は施錠を行う。
錠駆動部24は、錠側制御部21から入力される制御信号に応じて、出入口11に設置された錠装置を動作させることで、出入口11の施錠状態と解錠状態との切り替えを行う。本実施形態では、電気錠装置2と錠装置とが別体に構成されているが、電気錠装置2が錠装置を備えていてもよい。
(4)動作
次に、本実施形態に係る電気錠システム1において、宅外13に居るユーザ40が帰宅する場合の動作を図3及び図4に基づいて説明する。
まず、ユーザ40の帰宅時に、電気錠装置2と鍵装置3との間の受信電波の電波強度がフェージングなどで低下していない場合の電気錠システム1の動作について図3を参照しながら説明する。
電気錠装置2の検知部212は、操作部23からの操作信号の有無(つまり、ユーザ40の特定行動の有無)を常時監視する(S1)。
鍵装置3を所持するユーザ40が、宅外13において出入口11に近付き、操作釦231を操作すると、操作部23から錠側制御部21に操作信号が入力される。錠側制御部21の検知部212が、操作部23から入力される操作信号に基づいて、操作部23を用いて操作が行われたと判断すると(S1のYes)、錠側制御部21は錠側通信部22からアドバタイジングパケットを送信させる(S2)。
錠側通信部22から送信されたアドバタイジングパケットは、ユーザ40が所持する鍵装置3の鍵側通信部32によって受信される。鍵側通信部32がアドバタイジングパケットを受信すると、測定部33が、鍵側通信部32が受信した受信信号(アドバタイジングパケット)の電波強度を測定する(S3)。つまり、電気錠装置2の検知部212が特定行動を検知したときに、錠側通信部22から送信されるアドバタイジングパケットを鍵側通信部32が受信し、この受信電波の電波強度を鍵装置3の測定部33が測定する。
そして、判定部311は、測定部33の測定値R1と所定のしきい値Rthとの高低を比較する。フェージングなどによる受信電波の電波強度の落ち込みが無い場合、鍵装置3は操作エリア14内に存在するので、測定部33の測定値R1がしきい値Rth以上であると判定部311が判定する(S4)。ここにおいて、鍵装置3の判定部311が受信電波の電波強度(測定値R1)としきい値Rthとの高低を比較しているので、鍵装置3側で鍵側通信部32の特性などに応じたしきい値Rthを設定して判定することが可能になる。
測定部33の測定値R1がしきい値Rth以上であると判定部311が判定した場合、鍵側制御部31は鍵側通信部32から電気錠装置2へ接続要求信号を送信する(S5)。
電気錠装置2の錠側通信部22が鍵装置3から接続要求信号を受信すると、錠側制御部21は、鍵装置3の認証を行うための認証通信を開始する(S6)。錠側制御部21は、認証通信を開始すると、鍵装置3の鍵IDを要求する要求信号を錠側通信部22から鍵装置3に送信する。鍵側制御部31は、鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵IDを記憶部34から読み出し、鍵IDを含むID信号を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。錠側制御部21の認証部211は、錠側通信部22がID信号を受信すると、ID信号に含まれる鍵IDと認証部211に登録されている登録IDとの照合を行うことで、鍵IDの認証処理を実行する。認証部211による鍵IDの認証が成功すると、錠側制御部21は、錠駆動部24に制御信号を出力し、錠駆動部24に錠装置を駆動させることで出入口11を解錠状態とする(S7)。
このように、電気錠装置2は、鍵装置3との通信によって、出入口11を施錠状態から解錠状態へ切り替える解錠動作を行うので、ユーザ40は出入口11を開けて宅内12に入ることができる。
次に、電気錠装置2と鍵装置3との間の受信電波の電波強度がフェージングなどで一時的に低下した場合の電気錠システム1の動作について、図4を参照しながら説明する。ここでは、鍵装置3が操作可能エリア内に存在する状態で、鍵装置3が受信する受信電波の電波強度がしきい値Rthよりも低下しているが、電気錠装置2と鍵装置3との間で無線通信が可能な場合を想定する。
電気錠装置2の検知部212は、操作部23からの操作信号の有無(つまり、ユーザ40の特定行動の有無)を常時監視する(S11)。
鍵装置3を所持するユーザ40が、宅外13において出入口11に近付き、操作釦231を操作すると、操作部23から錠側制御部21に操作信号が入力される。錠側制御部21の検知部212が、操作部23から入力される操作信号に基づいて、操作部23を用いて操作が行われたと判断すると(S11のYes)、錠側制御部21は錠側通信部22からアドバタイジングパケットを送信させる(S12)。
錠側通信部22から送信されたアドバタイジングパケットは、ユーザ40が所持する鍵装置3の鍵側通信部32によって受信される。鍵側通信部32がアドバタイジングパケットを受信すると、測定部33が、鍵側通信部32が受信した受信信号(アドバタイジングパケット)の電波強度を測定する(S13)。つまり、電気錠装置2の検知部212が特定行動を検知したときに、錠側通信部22から送信されるアドバタイジングパケットを鍵側通信部32が受信し、この受信電波の電波強度を鍵装置3の測定部33が測定する。
そして、判定部311は、測定部33の測定値R1と所定のしきい値Rthとの高低を比較する。ここで、フェージングなどで受信電波の電波強度の一時的な落ち込みが発生し、測定部33の測定値がしきい値Rth未満に低下した場合を想定する。このとき、測定部33の測定値がしきい値Rth未満であると判定部311が判定し(S14)、鍵側制御部31は通知部35に通知動作を行わせる(S15)。通知部35は、例えばLED等の表示デバイスの表示状態を変化させたり、スピーカから通知音(例えばビープ音など)を出力させたり、振動モータによって鍵装置3のケース36を振動させたりするような通知動作を行う。通知部35は、このような通知動作を行うことによって、鍵装置3を所持するユーザ40に受信強度がしきい値Rth未満であることを通知する。
ユーザ40は、通知部35の通知動作を受けて、受信信号の受信強度(つまり、測定部33の測定値R1)がしきい値Rth未満であると判断すると、鍵装置3を例えば鞄から取り出したり、鍵装置3の向きを変えるなどして、鍵装置3の受信環境を変化させる。
電気錠装置2の錠側制御部21は、錠側通信部22が鍵装置3からの応答信号を受信できない場合、所定の待機時間が経過した後に錠側通信部22からアドバタイジングパケットを再び送信させる(S16)。
錠側通信部22から送信されたアドバタイジングパケットは、鍵装置3の鍵側通信部32によって受信され、測定部33が、鍵側通信部32が受信した受信信号(アドバタイジングパケット)の電波強度を測定する(S17)。
ユーザ40が鍵装置3の位置、向きなどを変えたり、ユーザ40が電気錠装置2(出入口11)に近付いたりすると、電気錠装置2と鍵装置3との間の通信環境が改善される可能性が高い。このとき、鍵装置3は操作エリア14内に存在するので、測定部33の測定値がしきい値Rth以上になると想定される。
ここで、測定部33の測定値R1がしきい値Rth以上であると判定部311が判定すると(S18)、鍵側制御部31は鍵側通信部32から電気錠装置2へ接続要求信号を送信する(S19)。
電気錠装置2の錠側通信部22が鍵装置3から接続要求信号を受信すると、錠側制御部21は、鍵装置3の認証を行うための認証通信を開始する(S20)。錠側制御部21は、認証通信を開始すると、鍵装置3の鍵IDを要求する要求信号を錠側通信部22から鍵装置3に送信する。鍵側制御部31は、鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵IDを記憶部34から読み出し、鍵IDを含むID信号を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。錠側制御部21の認証部211は、錠側通信部22がID信号を受信すると、ID信号に含まれる鍵IDと認証部211に登録されている登録IDとの照合を行うことで、鍵IDの認証処理を実行する。認証部211による鍵IDの認証が成功すると、錠側制御部21は、錠駆動部24に制御信号を出力し、錠駆動部24に錠装置を駆動させることで出入口11を解錠状態とする(S21)。
このように、フェージングなどによって鍵装置3での受信電波の電波強度(測定部33の測定値R1)がしきい値Rth未満となる場合、鍵装置3の通知部35が通知動作を行っている。ユーザ40は、通知部35による通知動作に基づいて、鍵装置3での受信電波の電波強度(測定部33の測定値R1)がしきい値Rth未満であることを把握できる。よって、ユーザ40が、鍵装置3の位置、向きなどを変えたり、電気錠装置2に近付いたりすることで、電気錠装置2と鍵装置3との間の通信環境を改善させることができるので、その後の電気錠装置2と鍵装置3との間の通信エラーが起こりにくくなる。これにより、鍵装置3を用いた出入口11の解錠操作及び施錠操作が成功する確率が高くなり、電気錠システム1の使い勝手を向上させることができる。
(5)変形例
以下に、上記実施形態の変形例に係る電気錠システムを列記する。なお、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
(5.1)変形例1
上記実施形態の電気錠システム1では、鍵装置3が測定部33及び判定部311を備えていたが、変形例1の電気錠システムでは、電気錠装置2が測定部及び判定部を備えている。変形例1の電気錠システムは、電気錠装置2が測定部及び判定部を備える点で上記実施形態と相違しており、上記実施形態と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この場合、電気錠装置2の測定部が、錠側通信部22が受信した受信電波の電波強度を測定する。電気錠装置2の判定部は、測定部の測定値が所定のしきい値以上であるか否かを判定する。そして、電気錠装置2の錠側制御部21は、測定部の測定値がしきい値未満であれば、鍵装置3の通知部35に通知動作を行わせるための制御信号を含む無線信号を、錠側通信部22から鍵装置3に送信し、鍵装置3の通知部35に通知動作を行わせる。
変形例1に係る電気錠システム1において、宅外13に居るユーザ40が帰宅する場合の動作を図5及び図6に基づいて説明する。
まず、ユーザ40の帰宅時に、電気錠装置2と鍵装置3との間の受信電波の電波強度がフェージングなどで低下していない場合の電気錠システムの動作について図5を参照しながら説明する。
電気錠装置2の検知部212は、操作部23からの操作信号の有無(つまり、ユーザ40の特定行動の有無)を常時監視する(S31)。
鍵装置3を所持するユーザ40が、宅外13において出入口11に近付き、操作釦231を操作すると、操作部23から錠側制御部21に操作信号が入力される。錠側制御部21の検知部212が、操作部23から入力される操作信号に基づいて、操作部23を用いて操作が行われたと判断すると(S31のYes)、錠側制御部21は錠側通信部22からアドバタイジングパケットを送信させる(S32)。
錠側通信部22から送信されたアドバタイジングパケットは、ユーザ40が所持する鍵装置3の鍵側通信部32によって受信される。鍵側通信部32がアドバタイジングパケットを受信すると、鍵側制御部31は鍵側通信部32から電気錠装置2へ接続要求信号を送信する(S33)。
電気錠装置2の錠側通信部22が鍵装置3から接続要求信号を受信すると、錠側制御部21は、鍵装置3の認証を行うための認証通信を開始する(S34)。錠側制御部21は、認証通信を開始すると、鍵装置3の鍵IDを要求する要求信号を錠側通信部22から鍵装置3に送信する。鍵側制御部31は、鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵IDを記憶部34から読み出し、鍵IDを含むID信号を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。
錠側通信部22が鍵側通信部32から送信されたID信号を受信すると、電気錠装置2の測定部は錠側通信部22が受信した受信信号の受信強度を測定する(S35)。つまり、電気錠装置2の検知部212が特定行動を検知したときに、電気錠装置2の測定部が、鍵装置3からの受信電波の電波強度を測定する。
また、錠側制御部21の認証部211は、錠側通信部22がID信号を受信すると、ID信号に含まれる鍵IDと認証部211に登録されている登録IDとの照合を行うことで、鍵IDの認証処理を実行する。認証部211による鍵IDの認証が成功すると、電気錠装置2の判定部が、測定部の測定値R1と所定のしきい値Rthとの高低を比較する。フェージングなどによる受信電波の電波強度の落ち込みが無い場合、鍵装置3は操作エリア14内に存在するので、測定部の測定値R1はしきい値Rth以上になると想定される。電気錠装置2の錠側制御部21は、測定部の測定値R1がしきい値Rth以上になる場合に(S36)、鍵IDの認証が成功すると、錠駆動部24に制御信号を出力し、錠駆動部24に錠装置を駆動させることで出入口11を解錠状態とする(S37)。
このように、電気錠装置2は、鍵装置3との通信によって、出入口11を施錠状態から解錠状態へ切り替える解錠動作を行うので、ユーザ40は出入口11を開けて宅内12に入ることができる。
次に、電気錠装置2と鍵装置3との間の受信電波の電波強度がフェージングなどで一時的に低下した場合の電気錠システムの動作について、図6を参照しながら説明する。ここでは、鍵装置3が操作可能エリア内に存在する状態で、電気錠装置2が受信する受信電波の電波強度がしきい値Rthよりも低下しているが、電気錠装置2と鍵装置3との間で無線通信が可能な場合を想定する。
電気錠装置2の検知部212は、操作部23からの操作信号の有無(つまり、ユーザ40の特定行動の有無)を常時監視する(S41)。
鍵装置3を所持するユーザ40が、宅外13において出入口11に近付き、操作釦231を操作すると、操作部23から錠側制御部21に操作信号が入力される。錠側制御部21の検知部212が、操作部23から入力される操作信号に基づいて、操作部23を用いて操作が行われたと判断すると(S41のYes)、錠側制御部21は錠側通信部22からアドバタイジングパケットを送信させる(S42)。
錠側通信部22から送信されたアドバタイジングパケットは、ユーザ40が所持する鍵装置3の鍵側通信部32によって受信される。鍵側通信部32がアドバタイジングパケットを受信すると、鍵側制御部31は鍵側通信部32から電気錠装置2へ接続要求信号を送信する(S43)。
電気錠装置2の錠側通信部22が鍵装置3から接続要求信号を受信すると、錠側制御部21は、鍵装置3の認証を行うための認証通信を開始する(S44)。錠側制御部21は、認証通信を開始すると、鍵装置3の鍵IDを要求する要求信号を錠側通信部22から鍵装置3に送信する。鍵側制御部31は、鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵IDを記憶部34から読み出し、鍵IDを含むID信号を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。
錠側通信部22が鍵側通信部32から送信されたID信号を受信すると、電気錠装置2の測定部は錠側通信部22が受信した受信信号の受信強度を測定する(S45)。つまり、電気錠装置2の検知部212が特定行動を検知したときに、電気錠装置2の測定部が、鍵装置3からの受信電波の電波強度を測定する。
また、錠側制御部21の認証部211は、錠側通信部22がID信号を受信すると、ID信号に含まれる鍵IDと認証部211に登録されている登録IDとの照合を行うことで、鍵IDの認証処理を実行する。認証部211による鍵IDの認証が成功すると、電気錠装置2の判定部が、測定部の測定値R1と所定のしきい値Rthとの高低を比較する。ここで、フェージングなどで受信電波の電波強度の一時的な落ち込みが発生し、測定部の測定値R1がしきい値Rth未満に低下した場合を想定する。測定部の測定値R1がしきい値Rth未満であると電気錠装置2の判定部が判定すると(S46)、鍵側制御部31は、通知部35に通知動作を行わせる通知命令を作成し(S47)、この通知命令を錠側通信部22から鍵装置3に送信させる(S48)。
鍵装置3の鍵側通信部32が電気錠装置2から送信された通知命令を受信すると、鍵側制御部31は通知部35に通知動作を行わせる(S49)。
ユーザ40は、通知部35の通知動作に基づいて、鍵装置3の位置、向きなどを変えたり、電気錠装置2に近付いたりすることで、電気錠装置2と鍵装置3との間の通信環境を変化させる。ユーザ40が鍵装置3の位置、向きなどを変えたり、電気錠装置2に近付いたりすると、電気錠装置2と鍵装置3との間の通信環境が改善される可能性が高く、鍵装置3は操作エリア14内に存在するので、電気錠装置2の測定部の測定値がしきい値Rth以上になると想定される。
電気錠装置2の錠側制御部21は、測定部の測定値がしきい値Rth未満であると判定部が判定した場合、所定の待機時間が経過した後に、鍵装置3の認証を行うための認証通信を開始する(S50)。錠側制御部21は、認証通信を開始すると、鍵装置3の鍵IDを要求する要求信号を錠側通信部22から鍵装置3に送信する。鍵側制御部31は、鍵側通信部32が要求信号を受信すると、鍵IDを記憶部34から読み出し、鍵IDを含むID信号を鍵側通信部32から電気錠装置2に送信する。
錠側通信部22が鍵側通信部32から送信されたID信号を受信すると、電気錠装置2の測定部は錠側通信部22が受信した受信信号の受信強度を測定する(S51)。また、錠側制御部21の認証部211は、錠側通信部22がID信号を受信すると、ID信号に含まれる鍵IDと認証部211に登録されている登録IDとの照合を行うことで、鍵IDの認証処理を実行する。認証部211による鍵IDの認証が成功すると、電気錠装置2の判定部が、測定部の測定値R1と所定のしきい値Rthとの高低を比較する。ここで、測定部の測定値R1がしきい値Rth以上であると電気錠装置2の判定部が判定すると(S52)、錠側制御部21が錠駆動部24に制御信号を出力し、錠駆動部24に錠装置を駆動させることで出入口11を解錠状態とする(S53)。
このように、電気錠装置2は、鍵装置3との通信によって、出入口11を施錠状態から解錠状態へ切り替える解錠動作を行うので、ユーザ40は出入口11を開けて宅内12に入ることができる。
このように、フェージングなどによって電気錠装置2での受信電波の電波強度がしきい値Rth未満となる場合、電気錠装置2の錠側制御部21は、錠側通信部22から鍵装置3に通知命令を送信し、鍵装置3の通知部35に通知動作を行わせている。ユーザ40は、通知部35による通知動作に基づいて、電気錠装置2での受信電波の電波強度がしきい値Rth未満であることを把握できる。よって、ユーザ40が、鍵装置3の位置、向きなどを変えたり、電気錠装置2に近付いたりすることによって、電気錠装置2と鍵装置3との間の通信環境を改善させることができるので、その後の電気錠装置2と鍵装置3との間の通信エラーが起こりにくくなる。これにより、鍵装置3を用いた出入口11の解錠操作及び施錠操作が成功する確率が高くなり、電気錠システム1の使い勝手を向上させることができる。
(5.2)その他の変形例
上記の実施形態及び変形例1において、鍵装置3は、スマートフォンなどの汎用の情報端末にて構成されているが、鍵装置3は、ユーザ40が携帯可能な大きさに形成されたタグ状の装置でもよく、例えばユーザ40が所持する鞄などに取り付けられて使用される。また、鍵装置3は、タグ状の装置に限定されず、例えば、ICカードなどであってもよい。
上記の実施形態及び変形例1では、検知部212は、ユーザによる操作部23(操作釦231,232)の操作に基づいて、ユーザが出入口11の施錠又は解錠を行う特定行動を検知しているが、他の方法で特定行動を検知してもよい。例えば、操作部23が、出入口11の扉が備えるドアハンドル(取っ手)であり、検知部212が、ドアハンドルにユーザが触れる操作を特定行動として検知してもよい。ドアハンドルにユーザが触れる操作を検知するセンサとしては、例えば静電容量式、圧電式のタッチセンサなどがある。また、鍵装置3がスマートフォンなどの情報端末であり、ユーザの操作に応じて施錠又は解錠を指示する制御信号が情報端末から電気錠装置2に送信される場合、検知部212は、この制御信号を受信することで特定行動を検知してもよい。
上記の実施形態及び変形例1において、電気錠システム1が複数の鍵装置3を備えている場合、複数の鍵装置3のそれぞれでしきい値Rthが設定されていてもよい。鍵装置3ごとに鍵側通信部32の送信出力や受信感度などが異なるので、各々の鍵装置3に適したしきい値Rthを設定できる。
上記の実施形態及び変形例1では、判定部(311)は、測定部(33)の測定値(R1)が所定のしきい値(Rth)以上であるか否かを判定するが、しきい値(Rth)の設定によっては測定部(33)の測定値(R1)が所定のしきい値(Rth)より大きいか否かを判定することになる。すなわち、測定値(R1)が所定のしきい値(Rth)以上であるか否かを判定部(311)が判定することと、測定値(R1)が所定のしきい値(Rth)よりも大きいか否かを判定部(311)が判定することとに、技術的な差異はない。
上記の実施形態及び変形例1において、通知部35は、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)未満であるときに、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさに応じて、通知の仕方を変化させてもよい。例えば、通知部35が通知音を発して通知を行う場合、通知部35は、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが大きいほど、通知音の音量を大きくしてもよい。また、通知部35は、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが大きいほど、通知音の周波数を高くしてもよい。また、通知部35は、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが大きいほど、通知音を発する間隔を短くしてもよい。また、通知部35がケース36を振動させて通知を行う場合、通知部35は、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが大きいほど、ケース36に与える振動の大きさを大きくすればよい。このように、通知部35が、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさに応じて、通知の仕方を変化させることによって、ユーザは、電気錠装置2と鍵装置3との間の無線通信の受信強度の低下具合を感覚的に把握できる。よって、ユーザが、鍵装置3をどの程度動かせばよいのか、又は、電気錠装置2にどの程度近付けばよいのかを感覚的に把握しやすくなる。
上記の実施形態及び変形例1において、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)未満であり、かつ、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが所定の上限値以上であるときは、通知部35が通知動作を行わないようにしてもよい。この上限値は、フェージングなどによって発生する受信電波の電波強度の減少分に、所定のマージンを加えた値に設定されればよい。したがって、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが上限値以上であるときは、フェージングなどによる受信強度の減少分を測定部(33)の測定値(R1)に加えても、しきい値(Rth)未満になると想定され、この鍵装置3は操作エリア14の外側に存在すると想定される。つまり、この鍵装置3は、電気錠装置2の施錠又は解錠をしようとしているユーザが所持している鍵装置3ではないと想定され、このような無関係の鍵装置3で通知動作が行われる可能性を低減できる。
上記の実施形態及び変形例1において、電気錠装置2と鍵装置3との間の通信方式は、Bluetooth(登録商標)に限らず、その他の電波を媒体とした無線通信でもよい。
上記の実施形態及び変形例1において、電気錠システム1が適用される建物10は、戸建住宅に限らず、例えば集合住宅の各住戸などの戸建住宅以外の住宅、又は事務所や店舗、介護施設などの非住宅であってもよい。
(6)まとめ
以上説明したように、第1の態様の電気錠システム(1)は、電気錠装置(2)と、少なくとも1つの鍵装置(3)と、測定部(33)と、判定部(311)と、制御部(21)と、通知部(35)と、を備える。電気錠装置(2)は、無線通信を行う錠側通信部(22)を有し、建物(10)の出入口(11)の施錠又は解錠を行う。鍵装置(3)は、錠側通信部(22)と通信可能な鍵側通信部(32)を有する。測定部(33)は、錠側通信部(22)及び鍵側通信部(32)のうちの一方が錠側通信部(22)及び鍵側通信部(32)のうちの他方から受信した受信電波の電波強度を測定する。判定部(311)は、測定部(33)の測定値(R1)が所定のしきい値(Rth)以上であるか否かを判定する。制御部(21)は、電気錠装置(2)に設けられ、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)以上であると判定部(311)が判定したときは出入口(11)を解錠する制御を行う。通知部(35)は、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)未満であると判定部(311)が判定したときは鍵装置(3)を所持するユーザ(40)への通知を行う。
第1の態様によれば、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)未満であると判定部(311)が判定したときは通知部(35)が通知動作を行うので、鍵装置(3)を所持するユーザは、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)未満であることを把握できる。ユーザが、通知部(35)の通知を受けて鍵装置(3)の位置、向きなどを変えたり、電気錠装置(2)に近付いたりすると、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)以上になる可能性が高くなり、出入口(11)の解錠に失敗する可能性が低下するので、ユーザの利便性を向上できる。
第2の態様の電気錠システム(1)は、第1の態様において、ユーザが出入口(11)の施錠又は解錠を行う特定行動を検知する検知部(212)を、更に備えている。検知部(212)が特定行動を検知したときに、測定部(33)が受信電波の電波強度を測定するように構成される。
第2の態様によれば、検知部(212)が特定行動を検知したときに、測定部(33)が受信電波の電波強度を測定するので、検知部(212)が特定行動を検知していないときに、測定部(33)が受信電波の電波強度を測定して、出入口(11)が解錠される可能性を低減できる。
第3の態様の電気錠システム(1)では、第2の態様において、特定行動は、出入口(11)を解錠するためにユーザが電気錠装置(2)に対して行う操作である。
第3の態様によれば、出入口(11)を解錠するためにユーザが電気錠装置(2)に対して操作を行ったときに、測定部(33)が受信電波の電波強度を測定する。したがって、この操作を検知部(212)が検知していないときに、測定部(33)が受信電波の電波強度を測定して、出入口(11)が解錠される可能性を低減できる。
第4の態様の電気錠システム(1)では、第1〜第3のいずれかの態様において、測定部(33)の測定値(R1)がしきい値(Rth)未満であるときに、通知部(35)が、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさに応じて通知の仕方を変化させる。
第4の態様によれば、鍵装置(3)を所持するユーザは、通知部(35)の通知の仕方から、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさを把握できる。
第5の態様の電気錠システム(1)では、第1〜第4のいずれかの態様において、測定部(33)の測定値(R1)が前記しきい値(Rth)未満であり、かつ、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが所定の上限値以上であるときは、通知部(35)が通知を行わないように構成される。
第5の態様によれば、測定部(33)の測定値(R1)としきい値(Rth)との差分の大きさが所定の上限値以上であるときは、この鍵装置(3)が電気錠装置(2)を操作可能な操作エリアに存在しないと想定される。したがって、電気錠装置(2)を施錠又は解錠しようとしていない人が所持する鍵装置(3)で通知動作が行われにくくなり、利便性が向上する。
第6の態様の電気錠システム(1)では、第1〜第5のいずれかの態様において、鍵装置(3)は複数あり、複数の鍵装置(3)のそれぞれでしきい値(Rth)が設定される。
第6の態様によれば、鍵装置(3)ごとに鍵側通信部(32)の送信出力、受信感度などが異なる場合には、送信出力、受信感度などのばらつきを考慮して、鍵装置(3)のそれぞれでしきい値(Rth)を設定することができる。
第7の態様の電気錠装置(2)は、第1〜第6のいずれかの態様の電気錠システム(1)に用いられ、錠側通信部(22)と制御部(21)とを備える。
第7の態様によれば、ユーザの利便性を向上できる。