(1)概要
以下、実施形態1の電気錠装置1及び電気錠システム100について説明するに当たり、まず、本実施形態の電気錠システム100の概要について説明する。本実施形態の電気錠システム100は、図1に示すように、電気錠装置1と、鍵装置2とを備えている。
電気錠装置1は、図2に示すように、建物3の出入口4の施錠を行う装置である。出入口4は、建物3の内(宅内31)と外(宅外32)とを隔てる扉又は窓であって、たとえば、玄関扉や勝手口、又は掃き出し窓などである。電気錠装置1は、出入口4に設置されている。電気錠装置1は、鍵装置2と通信可能に構成されている。そして、電気錠装置1は、鍵装置2との通信によって、出入口4を施錠する施錠状態と、出入口4を解錠する解錠状態との切り替えを電気的に行うように構成されている。
鍵装置2は、電気錠装置1との通信機能を有している。本実施形態では、電気錠装置1と鍵装置2との間の通信方式は、電波を媒体とする無線通信である。また、本実施形態では、電気錠装置1及び鍵装置2は、いずれも電池駆動式である。もちろん、電気錠装置1は、商用電源などの外部電源から電力を供給されることで駆動する構成であってもよい。また、本実施形態では、鍵装置2は、ユーザ5が所持するスマートフォンやPDA(Personal Digital Assistant)等の汎用の情報端末である。本実施形態では、建物3が戸建住宅である場合を例として説明する。したがって、ユーザ5は、建物3の住人のうち、鍵装置2を所有する人である。
電気錠システム100では、鍵装置2に予め記憶されている端末ID(Identification)を、鍵装置2が電気錠装置1に向けて送信することにより、電気錠装置1での出入口4の施錠又は解錠を可能にする。つまり、電気錠装置1と鍵装置2とが接続を確立した状態で通信を行い、鍵装置2の持つ端末IDの認証に成功した場合、電気錠装置1は、出入口4の施錠又は解錠が可能な状態となる。本実施形態では、電気錠装置1は、ユーザ5による電気錠装置1での操作入力、又はユーザ5による鍵装置2での操作入力の後、認証を行う。そして、電気錠装置1は、認証に成功すると、出入口4の施錠(又は解錠)を行う。つまり、電気錠装置1は、鍵装置2との通信によって、施錠状態から解錠状態へ切り替える解錠操作、又は解錠状態から施錠状態へ切り替える施錠操作を行う。
(2)構成
以下、本実施形態の電気錠システム100における、電気錠装置1及び鍵装置2の構成について図1、図2を用いて詳細に説明する。
電気錠装置1は、図1に示すように、錠側通信部11と、錠側操作部12と、錠駆動部13と、錠側制御部14とを有している。電気錠装置1は、たとえば出入口4となる扉(たとえば、玄関扉)に内蔵されている。
錠側通信部11は、鍵装置2(後述する鍵側通信部21)と通信可能に構成されている。錠側通信部11と鍵側通信部21との間の通信方式は、たとえばBluetooth(登録商標)などの電波を媒体とした無線通信である。本実施形態では、電気錠装置1は、鍵装置2に信号を送信するだけではなく、たとえば応答信号(ACK:ACKnowledgement)などの信号を鍵装置2から受信する。このため、錠側通信部11は、信号の送信機能及び受信機能を有しており、鍵側通信部21との間で双方向の通信を行うように構成されている。
錠側操作部12は、ユーザ5(つまり、人)による操作入力を受け付ける機能を有している。錠側操作部12は、たとえば出入口4の宅内31側及び宅外32側の各々に設けられた押釦スイッチからなる。その他、錠側操作部12は、たとえば出入口4の扉に備わっているドアハンドル(取っ手)であってもよいし、ユーザ5がドアハンドルに触れる操作を検知するタッチセンサ等であってもよい。錠側操作部12が操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号が錠側制御部14に送信される。
錠駆動部13は、建物3の出入口4に設けられた錠(デッドボルト)を電動で施錠又は解錠するように構成されている。具体的には、錠駆動部13は、錠側制御部14により制御される駆動モータを有している。錠駆動部13は、駆動モータの駆動力をデッドボルトに伝達することにより、デッドボルトを移動させるように構成されている。デッドボルトの少なくとも一部が扉から突出する位置にあるとき、施錠状態となる。また、デッドボルトの全体が扉内に収められるとき、解錠状態となる。
錠側制御部14は、本実施形態では、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されている。言い換えれば、錠側制御部14は、CPU及びメモリを有するコンピュータにて実現されており、CPUがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータが錠側制御部14として機能する。プログラムは、ここではマイクロコンピュータのメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
錠側制御部14のメモリには、少なくとも1つの登録IDが登録(記憶)されている。登録IDは、鍵装置2の端末IDに対応している。たとえば、建物3の住人が複数であって、それぞれ個別の鍵装置2を所持する場合(つまり、電気錠システム100が複数台の鍵装置2を含む場合)、錠側制御部14のメモリには、これら複数台の鍵装置2の端末IDに対応する複数の登録IDが登録される。
錠側制御部14は、錠側通信部11、錠駆動部13を制御する。本実施形態では、錠側制御部14は、錠側通信部11を制御することで、第1モードと、第2モードとを実行するように構成されている。第1モードは、錠側操作部12での操作入力を受け付けるまで実行されるモードである。つまり、第1モードは、電気錠装置1の動作中において、第2モードを実行する期間を除いて、常時実行される。第2モードは、錠側操作部12が操作入力を受け付けると、この操作入力をトリガとして実行されるモードである。つまり、第2モードは、電気錠装置1がユーザ5による操作入力を受け付けたときに限り実行される処理である。
錠側制御部14は、第1モードにおいて、鍵装置2に送信したいデータがあるか否かを問い合わせる質問信号を一定の周期で錠側通信部11から送信させる処理を実行する。本実施形態では、錠側制御部14は、第1モードにおいて、数秒(たとえば、1秒)ごとに質問信号を錠側通信部11から送信させる。また、錠側制御部14は、第1モードにおいて、錠側通信部11を信号を待ち受ける受信状態に制御する処理を実行する。つまり、錠側通信部11は、第1モードにおいて、常時、受信状態にある。もちろん、錠側通信部11は、第1モードにおいて、間欠的に受信状態となるように錠側制御部14に制御されてもよい。言い換えれば、錠側制御部14は、第1モードにおいて、質問信号を送信してから一定時間信号を待ち受ける処理を周期的に繰り返してもよい。
錠側制御部14は、第2モードにおいて、質問信号の送信周期に依らず、鍵装置2との接続を要求する接続要求信号を錠側通信部11から送信させる処理を実行する。本実施形態では、錠側制御部14は、鍵装置2からの応答信号を受信するまで、数十ms(たとえば、20ms)ごとに接続要求信号を錠側通信部11から送信させる。また、錠側制御部14は、第2モードにおいて、常時、受信状態となるように錠側通信部11を制御する。もちろん、錠側通信部11は、第2モードにおいて、間欠的に受信状態となるように錠側制御部14に制御されてもよい。言い換えれば、錠側制御部14は、第2モードにおいて、接続要求信号を送信してから一定時間信号を待ち受ける処理を周期的に繰り返してもよい。
また、錠側制御部14は、第1モード及び第2モードとは別に、起動信号Sig1を錠側通信部11から繰り返し送信させる起動モードを実行するように構成されている。起動信号Sig1は、鍵装置2の省電力状態(後述する)を解除するための信号である。起動信号Sig1は、電気錠装置1の動作中において、第1モード及び第2モードを問わず、錠側通信部11から送信される。本実施形態では、起動信号Sig1は、一定の周期(たとえば、100ms)で錠側通信部11から送信される。
更に、錠側制御部14は、起動モードにおいて、複数種類の起動信号Sig1を切り替えながら錠側通信部11から送信させる機能を有している。具体的には、錠側制御部14は、複数種類の起動信号Sig1(ここでは、後述の第1起動信号Sig11及び第2起動信号Sig12)から1種類の起動信号Sig1を選択し、選択した起動信号Sig1を錠側通信部11から送信させる。そして、錠側制御部14は、時間経過に応じて、複数種類の起動信号Sig1から他の種類の起動信号Sig1を選択することを繰り返す。
複数種類の起動信号Sig1は、互いにデータの一部が異なっている。本実施形態では、複数種類の起動信号Sig1は、鍵装置2が信号を受信したときに信号の送信元を識別するための識別子が互いに異なっている。また、本実施形態では、錠側制御部14は、起動信号Sig1として、第1起動信号Sig11と第2起動信号Sig12とを交互に繰り返し錠側通信部11から送信させている(図3参照)。
錠側通信部11が受信状態において鍵装置2からの応答信号を受信し、電気錠装置1と鍵装置2との接続が確立すると、錠側制御部14は、認証モードを実行する。認証モードでは、錠側制御部14は、鍵装置2に端末IDを要求する認証要求信号を錠側通信部11から送信させる。次に、錠側制御部14は、鍵装置2からの端末IDを含む応答信号を錠側通信部11に受信させる。そして、錠側制御部14は、受信した信号に含まれる端末IDと、予め記憶している登録IDとの照合を行う。
端末IDが登録IDと一致して認証に成功すると、錠側制御部14は、錠側操作部12での操作入力又は鍵装置2からの指令に応じた処理を実行する。ここでいう指令とは、ユーザ5による鍵装置2での操作入力に応じた処理を電気錠装置1に実行させるためのコマンドである。本実施形態では、錠側制御部14は、錠側操作部12での操作入力又は鍵装置2からの指令に応じて錠駆動部13を制御することで、出入口4の施錠又は解錠を行う。
鍵装置2は、図1に示すように、鍵側通信部21と、鍵側制御部22と、鍵側操作部23と、通知部24とを有している。本実施形態では、鍵装置2は、ユーザ5が携帯するスマートフォンである。もちろん、鍵装置2は、スマートフォン以外の情報端末であってもよい。
鍵側通信部21は、電気錠装置1と通信可能に構成されている。上述のように、錠側通信部11と、鍵側通信部21とは双方向に通信を行うので、鍵側通信部21は、信号の送信機能及び受信機能を有している。
鍵側通信部21は、鍵装置2が通信エリア6(図2参照)内に存在する場合(つまり、鍵装置2を携帯するユーザ5が通信エリア6内に存在する場合)、電気錠装置1の錠側通信部11との間で通信可能な状態となる。ここでいう通信エリア6は、電気錠装置1を基準として、電気錠装置1と鍵装置2との通信が可能になる範囲、つまり、電気錠装置1と鍵装置2との間の通信用の電波が届く範囲に設定される。
鍵側制御部22は、たとえばマイクロコンピュータにて構成されており、鍵側通信部21を制御する。鍵側制御部22のメモリには、鍵装置2に固有の端末IDが記憶されている。鍵側制御部22は、鍵側操作部23が操作入力を受け付けた状態で、電気錠装置1からの質問信号を鍵側通信部21が受信すると、質問信号に対する応答信号を鍵側通信部21から送信させる。一方、鍵側操作部23が操作入力を受け付けていない状態で、電気錠装置1からの質問信号を鍵側通信部21が受信した場合、鍵側制御部22は、応答信号を鍵側通信部21から送信させない。
また、鍵側制御部22は、電気錠装置1からの接続要求信号を鍵側通信部21が受信すると、接続要求信号に対する応答信号を鍵側通信部21から送信させる。また、鍵側制御部22は、電気錠装置1からの認証要求信号を鍵側通信部21が受信すると、認証要求信号に対する応答信号として、メモリに記憶している端末IDを含む信号を鍵側通信部21から送信させる。
更に、鍵側制御部22は、アクティブ状態と、省電力状態(サスペンド状態)とを切り替えるように構成されている。アクティブ状態は、各部(鍵側通信部21や鍵側操作部23、及び通知部24など)の機能にとくに制限を設けていない状態である。省電力状態は、各部の機能の少なくとも一部に制限を設けている状態である。たとえば省電力状態では、鍵装置2の備えるディスプレイ(表示部)のバックライトが消灯される。また、たとえば省電力状態では、鍵側通信部21は、特定信号(たとえば、起動信号Sig1)だけを受信可能な状態となり、その他の信号を無視する。省電力状態では、アクティブ状態から省電力状態に移行する直前の作業状態が鍵側制御部22のメモリに保存される。したがって、鍵側制御部22は、省電力状態が解除されてアクティブ状態に復帰すると、元の作業状態に戻る。
鍵側制御部22は、アクティブ状態において、鍵側操作部23が操作入力を最後に受け付けてから一定時間が経過すると、又は鍵側通信部21が信号を最後に受信してから一定時間が経過すると、アクティブ状態から省電力状態へ移行する。また、鍵側制御部22は、省電力状態において、鍵側操作部23が操作入力を受け付けると、又は鍵側通信部21が特定信号を受信すると、省電力状態からアクティブ状態へ復帰する。その他、鍵側制御部22は、鍵側操作部23が特定の操作(たとえば、押釦スイッチの押下)を受け付けると、アクティブ状態から省電力状態へ移行したり、省電力状態からアクティブ状態へ復帰したりするように構成されていてもよい。
鍵側操作部23は、ユーザ5による操作入力を受け付ける機能を有している。本実施形態では、鍵装置2はスマートフォンであるため、鍵側操作部23は、タッチパネルを含んで構成されている。もちろん、鍵側操作部23は、たとえば押釦スイッチやレバーなどの他の構成を含んでいてもよい。鍵側操作部23が操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号が鍵側制御部22に送信される。
通知部24は、ユーザ5に対して通知を行うように構成されている。本実施形態では、通知部24は、後述するように、通信エリア6内に鍵装置2が放置されている旨をユーザ5に対して通知するように構成されている。本実施形態では、通知部24は、鍵装置2に備え付けのブザーやスピーカからなり、警告音や警告メッセージを再生するように構成される。
(3)動作
以下、本実施形態の電気錠装置1及び電気錠システム100の動作について説明する。
まず、ユーザ5が電気錠装置1を操作することで出入口4の解錠を行う場合について図3を用いて説明する。図3に示す例では、鍵装置2での操作入力が行われていないと仮定する。また、図3に示す例では、電気錠装置1の電源の投入時において、鍵装置2が通信エリア6内に存在しておらず、かつ、省電力状態にあると仮定する。更に、図3に示す例では、質問信号の図示を省略している。
電気錠装置1の電源が投入されると、錠側制御部14は、第1モードと並行して、起動モードを開始する。つまり、錠側制御部14は、第1起動信号Sig11を送信する処理(ステップS11)と、第2起動信号Sig12を送信する処理(ステップS12)とを、一定周期T1で交互に繰り返す。起動モードは、電気錠装置1の動作中においては、常時実行される。ここでは、鍵装置2が通信エリア6に未だ到達していないため、鍵側通信部21は、起動信号Sig1を受信できない。したがって、ここでは、鍵装置2は省電力状態のままである。
鍵装置2が通信エリア6に到達すると(ステップS13)、鍵側通信部21は、起動信号Sig1を受信可能となる。したがって、鍵装置2が通信エリア6に到達してから次の起動信号Sig1を鍵側通信部21が受信することにより、鍵装置2は省電力状態からアクティブ状態に復帰する(ステップS14)。鍵装置2がアクティブ状態に復帰した後も、錠側制御部14は、起動モードを継続する。つまり、錠側制御部14は、電気錠装置1の動作中においては、第1モード及び第2モードを問わず、起動モードを継続する。
その後、任意のタイミングでユーザ5が電気錠装置1を操作する、つまり錠側操作部12が操作入力を受け付けると(ステップS15)、錠側制御部14は、第1モードを終了して第2モードを開始する。つまり、錠側制御部14は、接続要求信号を送信する処理(ステップS16)を一定の周期で繰り返す。
鍵装置2が既にアクティブ状態に復帰しているため、鍵側通信部21は、接続要求信号を受信することが可能である。そして、鍵側通信部21が接続要求信号を受信すると、鍵側制御部22は、接続要求信号に対する応答信号を鍵側通信部21から送信させる(ステップS17)。
錠側通信部11が応答信号を受信すると、錠側制御部14は、第2モードを終了して認証モードを実行する(ステップS18)。そして、認証に成功すると、錠側制御部14は、錠側操作部12での操作入力に応じた処理を実行する。ここでは、錠側制御部14は、錠駆動部13を制御することにより出入口4の解錠を行う(ステップS19)。その後、錠側制御部14は、第1モードを再開する。
次に、ユーザ5が鍵装置2を操作することで出入口4の解錠を行う場合について図4を用いて説明する。図4に示す例では、電気錠装置1での操作入力が行われていないと仮定する。また、図4に示す例では、鍵装置2は通信エリア6内に存在し、既にアクティブ状態にあると仮定する。更に、図4に示す例では、起動信号Sig1及び質問信号の図示を省略している。
電気錠装置1の電源が投入されると、錠側制御部14は、第1モード及び起動モードを開始する。つまり、錠側制御部14は、質問信号を送信する処理(ステップS21)を一定の周期で繰り返し、かつ、起動信号Sig1を送信する処理(図3のステップS11,S12)を一定周期T1で繰り返す。ユーザ5が鍵装置2を操作するまでは、鍵装置2が通信エリア6内に存在していても、鍵装置2は質問信号に対して反応しない。
任意のタイミングでユーザ5が鍵装置2を操作する、つまり鍵側操作部23が操作入力を受け付けると、鍵側制御部22は、操作入力を受け付けたというフラグを立てる(ステップS22)。このフラグが立った状態で、鍵側通信部21が質問信号を受信すると、鍵側制御部22は、質問信号に対する応答信号を鍵側通信部21から送信させる(ステップS23)。
錠側通信部11が応答信号を受信すると、錠側制御部14は、第1モードを終了して認証モードを開始する(ステップS24)。本実施形態では、鍵装置2からの指令は、認証モードにおいて、認証要求信号に対する応答信号に含めて送信される。そして、認証に成功すると、錠側制御部14は、鍵装置2からの指令に応じた処理を実行する。ここでは、錠側制御部14は、錠駆動部13を制御することにより出入口4の解錠を行う(ステップS25)。その後、錠側制御部14は、第1モードを再開する。
本実施形態では、鍵装置2の鍵側制御部22は、アクティブ状態において、起動信号Sig1の受信信号強度を規定値と比較する比較処理を実行している。受信信号強度は、たとえばRSSI(Received Signal Strength Indicator)で表される。以下、鍵装置2の比較処理について図5を用いて説明する。
鍵側通信部21が起動信号Sig1を受信すると(ステップS31)、鍵側制御部22は、省電力状態からアクティブ状態に復帰し、比較処理を開始する(ステップS32)。まず、鍵側制御部22は、鍵側通信部21で起動信号Sig1を受信するごとに、受信した起動信号Sig1の受信信号強度を計測する(ステップS33)。
起動信号Sig1の受信信号強度が、鍵側制御部22のメモリに予め記憶されている規定値以上であれば(ステップS34:Yes)、鍵側制御部22は、鍵側通信部21に錠側通信部11との間で双方向の通信を行わせる(ステップS35)。つまり、この状態で鍵側通信部21が質問信号又は接続要求信号を受信した場合、鍵側制御部22は、鍵側通信部21から応答信号を送信させる。したがって、この状態では、電気錠装置1と鍵装置2との間で認証が行われる。
一方、起動信号Sig1の受信信号強度が規定値未満であれば(ステップS34:No)、鍵側制御部22は、鍵側通信部21に錠側通信部11との間で双方向の通信を行わせない。つまり、この状態では、鍵側通信部21が質問信号又は接続要求信号を受信しても、鍵側制御部22は、鍵側通信部21から応答信号を送信させない。したがって、この状態では、電気錠装置1と鍵装置2との間で認証は行われない。
その後、ユーザ5が電気錠装置1又は鍵装置2を操作することで出入口4の施錠又は解錠が行われると(ステップS36:Yes)、鍵側制御部22は、比較処理を継続する(ステップS33)。一方、出入口4の施錠又は解錠が行われずに(ステップS36:No)、起動信号Sig1の受信信号強度が規定値以上である状態が所定時間継続すると(ステップS37:Yes)、鍵側制御部22は、通知部24に通知を行わせる(ステップS38)。つまり、この場合、鍵装置2をユーザ5が携帯せずに、宅内31の通信エリア6内に鍵装置2が放置されていると想定される。そこで、鍵側制御部22は、通知部24を制御することにより、通信エリア6内に鍵装置2が放置されている旨をユーザ5に対して通知する。
具体的には、通知部24は、宅内3にいるユーザ5又は建物3の住人に聞こえるような音量で、警告音や、「鍵装置2が放置されています」などの警告メッセージを再生する。その後、鍵側制御部22は、比較処理を継続する(ステップS33)。
(4)効果
通常、電気錠システムにおいて、電気錠装置から同一の起動信号を繰り返し送信すれば、鍵装置が起動信号を受信し続けることにより、通信エリア内に存在する鍵装置がアクティブ状態から省電力状態に移行するのを防止することが可能である。しかしながら、鍵装置は、仕様によっては、同一の起動信号を繰り返し受信する場合に、一定時間が経過すると起動信号を無視する場合がある。この場合、鍵装置は、起動信号を受信しないことから、アクティブ状態から省電力状態に移行してしまい、電気錠装置と鍵装置との間で正常な通信ができなくなる可能性がある。つまり、鍵装置は、電気錠装置から送信される質問信号や接続要求信号を受信しない可能性があり、電気錠装置との接続を確立することが困難となる。その結果、電気錠装置と鍵装置との間で認証が行われない可能性がある。
上記のような事態は、たとえば、鍵装置を携帯したユーザが通信エリア内に一定時間以上滞在する場合に生じ得る。この場合、ユーザは通信エリアから一旦離れ、再度通信エリア内に立ち入らなければ電気錠を作動させることができないので、不便である。また、ユーザは、鍵装置を携帯しているにも関わらず電気錠を作動させることができなくなることから、鍵装置又は電気錠装置が故障したと勘違いする可能性がある。
そこで、本実施形態の電気錠装置1では、錠側制御部14は、互いにデータの一部が異なる複数種類(ここでは、2種類)の起動信号Sig1を切り替えながら錠側通信部11から送信させている。このため、本実施形態では、鍵装置2は、同一の起動信号Sig1(ここでは、第1起動信号Sig11)を一定時間繰り返し受信する前に、他の起動信号Sig1(ここでは、第2起動信号Sig12)を受信することが可能である。すると、鍵装置2は、他の起動信号Sig1を受信することで一定時間のカウントをリセットする。
その後、鍵装置2は、同一の起動信号Sig1(ここでは、第2起動信号Sig12)を一定時間繰り返し受信する前に、他の起動信号Sig1(ここでは、第1起動信号Sig11)を受信する。上記の動作を繰り返すことで、鍵装置2は、起動信号Sig1を無視することがなく、アクティブ状態を維持し続ける。
このように、本実施形態の電気錠装置1では、鍵装置2が起動信号Sig1を無視するという事態を回避し、鍵装置2がアクティブ状態から省電力状態に移行するのを防止し易い。したがって、本実施形態では、電気錠装置1と鍵装置2との間で正常な通信を継続し易く、電気錠装置1と鍵装置2との接続を確立し易い。その結果、本実施形態では、電気錠装置1と鍵装置2との間で認証が行われない可能性を低減することができる。
また、本実施形態では、鍵側制御部22は、鍵側通信部21での起動信号Sig1の受信信号強度が規定値以上であれば、鍵側通信部21に錠側通信部11との間で双方向の通信を行わせるように構成されている。この構成は、たとえば鍵装置2を携帯するユーザ5が電気錠装置1から比較的離れた位置にいる場合に有用である。つまり、この構成では、電気錠装置1は、鍵装置2が電気錠装置1の近くに存在する場合にだけ、鍵装置2と接続を確立して認証を行う。したがって、この構成では、宅内31及び宅外32のいずれにおいても、鍵装置2が電気錠装置1から比較的離れた場所にあるときに認証が行われることで、たとえばユーザ5以外の他人が電気錠装置1を操作して建物3内に侵入するという事態を防止し易くなる。もちろん、上記構成を採用するか否かは任意である。
また、本実施形態では、鍵側制御部22は、起動信号Sig1の受信信号強度が規定値以上である状態が所定時間継続すると、通知部24に通知を行わせるように構成されている。この構成は、たとえば玄関に鍵装置2を放置している場合に有用である。つまり、この構成では、たとえば認証可能な位置に鍵装置2が放置されている旨をユーザ5に通知することができる。したがって、この構成では、認証可能な位置に鍵装置2が放置されている状況を解消し易く、たとえばユーザ5以外の他人が電気錠装置1を操作して建物3内に侵入するという事態を防止し易い。もちろん、上記構成を採用するか否かは任意である。
ここで、起動信号Sig1の受信信号強度と規定値との2値間の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、規定値の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
<変形例>
ところで、本実施形態の電気錠システム100には、他の電気錠システムと区別するために用いられる固有の識別情報(データ)が割り当てられていてもよい。そして、錠側制御部14のメモリ及び鍵側制御部22のメモリには、それぞれ本実施形態の電気錠システム100に対応する識別情報が登録(記憶)されていてもよい。また、錠側制御部14は、この識別情報を起動信号Sig1に含めて錠側通信部11から送信させてもよい。
つまり、起動信号Sig1は、鍵装置2が起動信号Sig1として認識するためのデータであって、錠側制御部14(電気錠装置1)に固有のデータを含んでいてもよい。この場合、他の電気錠システムから飛来する起動信号には、本実施形態の電気錠システム100に対応するデータが含まれていないので、鍵側制御部22は、このような起動信号を無視する。したがって、この構成では、鍵装置2が他の電気錠システムに属する電気錠装置から送信される起動信号を受信して省電力状態からアクティブ状態に復帰してしまうのを回避し易い。
また、起動信号Sig1の信号強度は、質問信号の信号強度よりも小さくてもよい。この場合、電気錠装置1を発信源とする起動信号Sig1の到達範囲が制限される。このため、たとえば質問信号は十分な信号強度で届くが起動信号Sig1は十分な信号強度では届かない範囲に鍵装置2を放置していても、鍵装置2が起動信号Sig1によりアクティブ状態を維持し続けるのを回避し易くなる。たとえば建物3の中に鍵装置2を置いている場合、起動信号Sig1の届く範囲外に鍵装置2を置けば、鍵装置2がアクティブ状態を維持し続けるのを防ぐことができ、鍵装置2の未使用時における電力消費を抑制することが可能である。遠隔操作により施錠又は解錠などを行う場合は、起動信号Sig1が届かずに質問信号が届く範囲に鍵装置2を置けばよい。
なお、鍵装置2が省電力状態であると困るのは、施錠又は解錠をすべく鍵装置2を携帯して電気錠装置1に近づいた場合であるので、電気錠装置1から比較的離れた位置まで起動信号Sig1が届くようにする必要はない。このため、起動信号Sig1の信号強度を多少絞っても問題ない。
また、錠側制御部14は、鍵装置2の仕様に応じて、少なくとも1種類の起動信号Sig1を錠側通信部11から送信させる機能を有していてもよい。つまり、錠側制御部14は、鍵装置2の仕様によっては、上述の起動モードとは異なる起動モードを実行する。この起動モードでは、錠側制御部14は、1種類の起動信号Sig1を錠側通信部11から繰り返し送信させる。
たとえば、鍵装置2は、仕様によっては、同一の起動信号Sig1を繰り返し受信し続けてもアクティブ状態を維持することができる。このような鍵装置2に対しては、錠側制御部14は、1種類の起動信号Sig1だけを錠側通信部11から繰り返し送信させることが可能である。したがって、この構成では、鍵装置2の仕様に応じて適切な起動信号Sig1を送信することができるので、鍵装置2にとって不要な起動信号Sig1を送信しなくて済む。
また、本実施形態では、錠側制御部14は、一定の周期(ここでは、100ms)で起動信号Sig1を錠側通信部11から送信させるように構成されているが、他の構成であってもよい。たとえば、起動信号Sig1の送信周期は、鍵装置2の仕様に応じて設定されていてもよい。
また、本実施形態では、錠側制御部14は、鍵装置2がアクティブ状態を維持できるように、複数種類の起動信号Sig1を切り替えながら錠側通信部11から送信させているが、他の構成であってもよい。たとえば、複数種類の起動信号Sig1を切り替えるタイミングを調整することで、鍵装置2を間欠的にアクティブ状態にすることも可能である。この場合、鍵装置2がアクティブ状態を維持し続ける場合と比較して、鍵装置2での電力消費を抑制することができる。
また、本実施形態では、錠側制御部14は、2種類の起動信号Sig1(第1起動信号Sig11及び第2起動信号Sig12)を交互に繰り返し錠側通信部11から送信させるように構成されているが、他の構成であってもよい。たとえば、錠側制御部14は、3種類以上の起動信号Sig1を交互に繰り返し錠側通信部11から送信させる構成であってもよい。また、複数種類の起動信号Sig1を送信する順番は、ランダムであってもよい。更に、複数種類の起動信号Sig1を切り替える間隔は、一定時間ごとでなくてもよい。たとえば、錠側制御部14は、第1起動信号Sig11を錠側通信部11から繰り返し送信させ、鍵装置2が省電力状態に移行すると想定される時間の直前だけ、第2起動信号Sig12を錠側通信部11から送信させる構成であってもよい。
また、本実施形態では、通知部24は、鍵装置2に備え付けのブザーやスピーカで構成されているが、他の構成であってもよい。たとえば、通知部24は、鍵装置2に備え付けのディスプレイからなり、メッセージを表示するように構成されていてもよい。その他、通知部24は、たとえば鍵装置2に備え付けのLED(Light Emitting Diode)などの発光素子からなり、発光素子を明滅するように構成されていてもよい。また、通知部24は、ブザーやスピーカ、ディスプレイ、発光素子などを適宜組み合わせて構成されていてもよい。
また、本実施形態では、錠側制御部14は、電気錠装置1での操作入力、及び鍵装置2からの指令のいずれによっても、施錠又は解錠を行っているが、他の構成であってもよい。たとえば、錠側制御部14は、鍵装置2からの指令に応じて、電気錠装置1の状態(施錠状態又は解錠状態)に関する情報を錠側通信部11から鍵装置2に向けて送信させてもよい。この構成では、ユーザ5は、鍵装置2のディスプレイを見ることで電気錠装置1の状態を確認することができる。また、錠側制御部14は、鍵装置2からの指令に応じて、電気錠装置1の施錠又は解錠の履歴に関する情報を錠側通信部11から鍵装置2に向けて送信させてもよい。この構成では、ユーザ5は、鍵装置2のディスプレイを見ることで電気錠装置1の施錠又は解錠の履歴を確認することができる。
また、本実施形態では、建物3は戸建住宅であるが、たとえば集合住宅の各住戸といった戸建住宅以外の住宅であってもよい。また、建物3は、事務所や店舗、介護施設などの非住宅であってもよい。
また、本実施形態では、電気錠装置1と鍵装置2との間の通信方式は、Bluetooth(登録商標)であるが、その他の電波を媒体とした無線通信や、赤外線などの光を媒体とする光通信などであってもよい。
また、本実施形態では、錠側制御部14は、認証モードにおいて、登録IDと端末IDとの照合を行っているが、更に鍵情報の照合を行ってもよい。鍵情報は、電気錠装置1の発行する電気錠装置1の固有の情報である。鍵情報は、電気錠装置1と、電気錠装置1に登録された鍵装置2との各々に予め記憶されている。この場合、錠側制御部14は、認証モードにおいて、端末IDの他に鍵情報を鍵装置2に対して要求する。そして、錠側制御部14は、登録IDと端末IDとの照合、及び予め記憶している鍵情報と鍵装置2から取得した鍵情報との照合を行い、全て一致した場合に、認証に成功したと判定する。
また、本実施形態では、端末IDの認証は電気錠装置1で行われているが、鍵装置2で行われてもよい。この場合、錠側制御部14は、認証モードにおいて、予め記憶している登録IDを錠側通信部11から鍵装置2に向けて送信させる。鍵側制御部22は、取得した登録IDと、予め記憶している端末IDとの照合(その他、鍵情報の照合)を行い、両者が一致した場合に、認証信号を鍵側通信部21から電気錠装置1に向けて送信させる。そして、錠側制御部14は、鍵装置2からの認証信号を錠側通信部11が受信すると、錠側操作部12での操作入力又は鍵装置2からの指令に応じた処理(たとえば、施錠又は解錠)を実行する。
また、本実施形態では、鍵装置2からの指令は、認証モードにおいて、認証要求信号に対する応答信号に含めて送信されているが、他の信号に含めて送信されてもよい。たとえば、鍵装置2からの指令は、質問信号に対する応答信号に含めて送信されてもよい。その他、鍵装置2からの指令は、認証モードの後に送信されてもよい。
以上述べたように、第1の態様の電気錠装置1は、錠側通信部11と、錠駆動部13と、錠側制御部14とを備える。錠側通信部11は、鍵装置2と通信可能に構成される。錠駆動部13は、建物3の出入口4に設けられた錠を電動で施錠又は解錠するように構成される。錠側制御部14は、錠側通信部11及び錠駆動部13を制御するように構成される。錠側制御部14は、鍵装置2との通信により認証を行い、認証に成功すると、錠駆動部13を作動させるように構成される。錠側制御部14は、鍵装置2の省電力状態を解除させるための起動信号Sig1を錠側通信部11から繰り返し送信させるように構成される。錠側制御部14は、起動信号Sig1として、互いにデータの一部が異なる複数種類の起動信号Sig1を切り替えながら錠側通信部11から送信させる機能を有する。
この構成によると、複数種類の起動信号Sig1を切り替えて送信することにより、鍵装置2が同一の起動信号Sig1を一定時間、繰り返し受信する事態を回避し、鍵装置2がアクティブ状態から省電力状態へ移行するのを防止し易い。したがって、この構成では、電気錠装置1と鍵装置2との接続を確立し易い。
また、第2の態様の電気錠装置1では、第1の態様において、起動信号Sig1は、鍵装置2が起動信号Sig1として認識するためのデータであって、錠側制御部14(つまり、電気錠装置1)に固有のデータを含んでいる。
この構成によると、鍵装置2が他の電気錠システムに属する電気錠装置から送信される起動信号を受信して省電力状態からアクティブ状態に復帰してしまうのを回避し易い。
また、第3の態様の電気錠装置1では、第1又は第2の態様において、錠側制御部14は、鍵装置2に送信したいデータがあるか否かを問い合わせる質問信号を一定の周期で錠側通信部11から送信させるように構成される。起動信号Sig1の信号強度は、質問信号の信号強度よりも小さい。
この構成によると、たとえば質問信号は十分な信号強度で届くが起動信号Sig1は十分な信号強度では届かない範囲に鍵装置2を放置していても、鍵装置2が起動信号Sig1によりアクティブ状態を維持し続けるのを回避し易くなる。
また、第4の態様の電気錠装置1では、第1〜第3のいずれかの態様において、錠側制御部14は、鍵装置2の仕様に応じて、少なくとも1種類の起動信号Sig1を錠側通信部11から送信させる機能を有する。
この構成によると、鍵装置2の仕様に応じて適切な起動信号Sig1を送信することができるので、鍵装置2にとって不要な起動信号Sig1を送信しなくて済む。
また、第5の態様の電気錠システム100では、第1〜第4のいずれかの態様の電気錠装置1と、鍵装置2とを備える。鍵装置2は、電気錠装置1と通信することにより、電気錠装置1との間で認証を行うように構成される。
この構成によると、電気錠装置1と鍵装置2との接続を確立し易い電気錠システム100を実現することができる。
また、第6の態様の電気錠システム100では、第5の態様において、鍵装置2は、鍵側通信部21と、鍵側制御部22とを備える。鍵側通信部21は、電気錠装置1と通信可能に構成される。鍵側制御部22は、鍵側通信部21を制御するように構成される。鍵側制御部22は、鍵側通信部21での起動信号Sig1の受信信号強度が規定値以上であれば、鍵側通信部21に錠側通信部11との間で双方向の通信を行わせるように構成される。
この構成によると、鍵装置2が電気錠装置1から比較的離れた場所にあるときに認証が行われることで、たとえばユーザ5以外の他人が電気錠装置1を操作して建物3内に侵入するという事態を防止し易い。
また、第7の態様の電気錠システム100では、第6の態様において、鍵装置2は、ユーザ5に対して通知を行う通知部24を更に備える。鍵側制御部22は、起動信号Sig1の受信信号強度が規定値以上である状態が所定時間継続すると、通知部24に通知を行わせるように構成される。
この構成によると、認証可能な位置に鍵装置2が放置されている状況を解消し易く、たとえばユーザ5以外の他人が電気錠装置1を操作して建物3内に侵入するという事態を防止し易い。
以上、実施形態に係る電気錠装置1及び電気錠システム100について説明した。ただし、以上に説明した実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。