JP5988189B2 - 電気錠システム - Google Patents
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特許文献1に記載されている技術は、扉を挟んで部屋の内側および外側それぞれにカードリーダを設置し、ICカードから送信された識別子を2台のカードリーダで受信する。そして、識別子を受信した順序を検出することにより、ICカードを携行しているユーザが入室したのか、退室したのかを検出する。
現在既に利用されている電気錠システムの中には、ユーザは、部屋の内側からは手動解錠し、部屋の外側からのみ、カードリーダにICカードをかざすことにより電気錠を自動解錠する電気錠システムがある。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、部屋の内側にはICカードと通信するためのカードリーダが設置されていないタイプの電気錠システムにおいても、ユーザの退室を管理することができる電気錠システムを提供することを目的とする。
<概要>
図1は、電気錠システム1のシステム構成図である。電気錠システム1は、扉200、非接触ICカード10、制御装置20、カードリーダ30、電気錠40、電気錠50およびホームセキュリティシステム60から構成される。
制御装置20は、扉200の屋内側の面に設置されている。カードリーダ30は、扉200の屋外側の面に設置されている。電気錠40および電気錠50は、一部が扉200の内部に設置されており、ユーザが操作する操作部であるハンドルは、扉200の屋内側の面に設置されている。
<構成>
図2は、各装置の内部構成を示すブロック図である。
(1)非接触ICカード10
非接触ICカード10は、カードリーダ30から送信されるHF帯(13.56MHz)の信号を受信し、受信したHF帯の電磁波をエネルギーとして動作するカードである。
HF帯送受信回路12は、カードリーダ30から送信された応答信号をHFアンテナ11を介して受信し、受信した信号を復調し、復調したデータを制御部13に出力する。また、HF帯送受信回路12は、制御部13から送られてきた質問信号を変調し、HFアンテナ11からHF帯にて送信する。
制御部13は、HF帯送受信回路12からカードIDを問い合わせる質問信号を受け付けると、メモリ14から自機のカードIDを読み出して、読み出したカードIDを含む応答信号を生成する。制御部13は、生成した応答信号を、HF帯送受信回路12へ送る。
(2)制御装置20
制御装置20は、制御部21、認証用リスト記憶部22、電気錠駆動回路23、電気錠駆動回路24、在宅情報記憶部25およびネットワーク接続部26から構成される。
認証用リスト記憶部22は、通行権限のある非接触ICカードのカードIDを予め登録した認証用リストを記憶している。
(認証処理)
制御部21は、非接触ICカード10の認証処理を行うために、カードリーダ30へ非接触ICカード10を起動するための質問信号を、周期的(例えば50ms毎)に送信する。
応答信号に含まれるカードIDが認証用リストに登録されている場合(認証処理に成功した場合)、制御部21は、電気錠駆動回路23および電気錠駆動回路24に対して、電気錠40および電気錠50の施錠または解錠を指示する。
(在宅情報管理処理)
制御部21は、時間を計測するタイマを備えている。また、制御部21は、在宅情報管理処理で用いる基準時間を予め内部に保持している。ここでは、基準時間の一例として、「30秒」を用いる。
制御部21は、ハンドル44およびハンドル54が操作されたことによる解錠の通知を受け付けると、タイマをリセットした後、時間の計測を開始する。
計測時間が30秒以内の場合、制御部21は、非接触ICカード10を携行するユーザが扉200を通過して屋内から屋外へ移動したものと判断し、在宅情報記憶部25にユーザAが退出したこと(不在であること)を記録する。
(施錠/解錠処理)
制御部21は、ハンドル44およびハンドル54が操作されたことによる解錠の通知を受け付けると、タイマをリセットした後、時間の計測を開始する。
計測時間が30秒以内の場合、制御部21は、電気錠駆動回路23および電気錠駆動回路24に対し、電気錠40および電気錠50の施錠を指示する。
計測時間が30秒を超過している場合、制御部21は、電気錠駆動回路23および電気錠駆動回路24に対し、電気錠40および電気錠50の解錠を指示する。
(ホームセキュリティシステム起動処理)
在宅情報記憶部25は、不揮発性メモリで構成される。
在宅情報記憶部25は、電気錠システム1の初期状態では、図3(a)に示す在宅情報301を記憶している。在宅情報301は、ユーザA〜Eの全員が在宅していることを示している。
その後、制御部21は、ユーザB〜Eのそれぞれが携行する非接触ICカードが屋内から屋外へ移動したと判断すると、在宅情報302を、図6(c)に示す在宅情報303に更新する。在宅情報303は、ユーザA〜Eの全員が外出しているため不在であることを示している。
ネットワーク接続部26は、一例として無線LAN(Local Area Network)接続ユニットである。ネットワーク接続部26は、無線LANなどのネットワークを介して、制御装置20と家庭内のネットワーク機器とを接続する機能を有する。ネットワーク機器の一例が、ホームセキュリティシステム60である。
(3)カードリーダ30
カードリーダ30は、HF帯送受信回路31、HFアンテナ32、表示部33、および操作部34から構成される。
(4)電気錠40および電気錠50
電気錠40は、錠41、モータ42、施錠/解錠センサ43、およびハンドル44から構成される。
施錠/解錠センサ43は、錠41の施解錠状態を検出する機能を有する。特に、施錠/解錠センサ43は、ハンドル44が操作されたことによる解錠を検出すると、その旨を制御部21に通知する。一方、施錠/解錠センサ43は、モータ41による自動解錠を検出すると、一定時間(例えば10〜20秒程度)経過後に、モータ42を回転させて錠51を施錠する。
(5)ホームセキュリティシステム60
ホームセキュリティシステム60は、起動状態において、人を検知する人感センサ61、窓の開状態を検知する窓センサ62、各センサが異常を検知すると警備会社へ異常を通報する通信部63、および、各センサが異常を検知すると音声を出力するスピーカ64等を含む。さらに、ホームセキュリティシステム60は、ユーザ操作を受け付ける操作部65を含む。
家族が全員揃ってで外出する場合、各人が非接触ICカードを携行して外出するとは限らない。例えば、家族のうちの一人のみが非接触ICカードを携行し、他の家族は非接触ICカードを携行しないで外出する場合も想定される。
また、ホームセキュリティシステム60の監視機能を停止させるためには、暗証番号による認証や生体認証などを利用したユーザ操作が必要である。
<動作>
ここでは、図4のフローチャートを用いて、電気錠システム1の動作について説明する。ここに記載されている処理は、扉200に設置された電気錠40および電気錠50が施錠されている状態から開始される。また、制御部21のタイマの初期値T0は、T0>30秒であるとする。
ユーザにより電気錠40および電気錠50のハンドルが解錠操作された場合(ステップS1でYES)、電気錠40および電気錠50が解錠する(ステップS2)。
電気錠40の施錠/解錠センサ43および電気錠50の施錠/解錠センサ53が、ハンドル操作による解錠を制御部21に通知すると、制御部21は、タイマを「0」にリセットした後、時間の計測を開始する(ステップS3)。
カードリーダ30により非接触ICカードが認証された場合(ステップS4でYES)、制御部21は、タイマが計測している時間が、30秒以内であるか否か判断する。
タイマが計測している時間が30秒以内である場合(ステップS5でYES)、ユーザが扉200を通過して屋内から屋外へ移動したものと判断し、制御部21は、電気錠40および電気錠50を施錠する(ステップS6)。そして、制御部21は、在宅情報記憶部25に記憶されている在宅情報を更新して、ステップS4で認証された非接触ICカードに対応するユーザが不在であることを記録する(ステップS7)。
在宅している家族がいる場合(ステップS8でNO)、ステップS1に戻り処理を続ける。家族の全員が不在である場合(ステップS8でYES),制御部21は、ホームセキュリティシステム60の監視機能を起動させる(ステップS9)。
<変形例>
以上、本発明に係る電気錠システムの実施形態を説明したが、例示した電気錠システム1を以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示したとおりの電気錠システム1に限られないことは勿論である。
(1)上記の実施形態では、本発明に係るタグの具体例として非接触ICカードを用いて説明した。しかし、本発明に係るタグは、非接触ICカードに限定されない。その形状はカード型でなくてもよく、例えば携帯電話機などに内蔵された非接触型のICタグでもよい。また、本発明に係るタグは内部に電池を内蔵したアクティブタグでもよい。
(2)上記の実施形態では、カードリーダ30は、扉200の屋外側の面に設置されている場合を説明した。しかし、この構成は必須ではない。例えば、扉200が設置されている屋外側の壁にカードリーダ30が設置されている場合も本発明に含まれる。
(3)上記の実施形態では、ユーザが屋内から屋外へ出てから電気錠を施錠するには、非接触ICカード10をカードリーダ30にかざして認証を受ける必要があった。このように、上記の実施形態では、電気錠の施錠のために非接触ICカード10をカードリーダ30にかざすことをユーザに促す構成とすることで、ユーザが外出したことを検出しやすくしている。しかし、本発明においてこの構成は必須ではない。
(4)上記の実施形態では、制御装置20は、在宅情報を利用してホームセキュリティシステム60の起動を制御したが、本発明はこれに限定されない。
近年、家庭内の電子機器や家電製品を無線LANなどのネットワークで接続し、相互に情報を送受信したり、連携して動作したりするホームネットワークシステムが開発されつつある。
例えば、図5に示すように、制御装置20は、図示していないネットワークを介して、ホームセキュリティシステム60、証明機器70、およびエアコン80と接続されている。
(5)上記の実施形態および上記の変形例を適宜組み合わせてもよい。
<補足>
以下、更に本発明の一実施形態としての電気錠システムの構成およびその変形例と効果について説明する。
(a)本発明に係る電気錠システムは、電気錠と、扉の外側に設置され、タグからの信号を受信するタグリーダと、扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記タグを携行したユーザが退出したことを記録する制御装置とから構成されることを特徴とする。
(b)前記電気錠システムにおいて、前記制御装置は、さらに、扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を施錠することを特徴とする。
そこで、上記の構成では、ユーザが屋内から屋外へ出てから電気錠を施錠するには、タグがタグリーダによる認証を受けることを要求している。このように、タグリーダによる認証と電気錠の施錠とを関連付けることにより、ユーザがタグを携帯せずに外出することを抑制することができる。
(c)前記電気錠システムにおいて、前記制御装置は、前記電気錠が施錠された状態で、前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を解錠し、前記ユーザが入室したことを記録することを特徴とする。
(d)前記電気錠システムにおいて、前記タグは、非接触ICタグであることを特徴とする。
(e)前記電気錠システムにおいて、前記制御装置は、ネットワーク通信部を備え、ユーザの入退出状況に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御することを特徴とする。
例えば、ユーザが外出した場合に、照明機器やエアコンなどの電化製品を自動で停止させたり、ユーザが帰宅した場合に、照明機器やエアコンなどを自動で起動させたりすることができる。また、ユーザが外出した場合に、ホームセキュリティシステムを自動で起動させることができる。
10 非接触ICカード
20 制御装置
30 カードリーダ
40 電気錠
50 電気錠
60 ホームセキュリティシステム
Claims (5)
- 電気錠と、
扉の外側に設置され、タグからの信号を受信するタグリーダと、
扉の内側の操作部を用いた解錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記タグを携行したユーザが退出したことを記録し、その後、前記電気錠が施錠された状態で前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記ユーザが入室したことを記録する制御装置と
を備えることを特徴とする電気錠システム。 - 前記制御装置は、さらに、
扉の内側の操作部を用いた開錠を検出した後、一定時間内に前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を施錠する
前記タグは、非接触ICタグである
ことを特徴とする請求項1に記載の電気錠システム。 - 前記制御装置は、
前記電気錠が施錠された状態で、前記タグリーダが前記タグを検出すると、前記電気錠を開錠する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気錠システム。 - 前記タグは、非接触ICタグである
ことを特徴とする請求項3に記載の電気錠システム。 - 前記制御装置は、ネットワーク通信部を備え、
ユーザの入退出状況に応じて、前記ネットワーク通信部を介して室内の装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気錠システム。
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