JP6778777B2 - 電解液および電池 - Google Patents

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Description

本願は、エネルギー貯蔵材料の分野に関し、具体的には、電解液および電池に関する。
リチウムイオン電池は、エネルギー密度が大きく、出力電力が高く、サイクル寿命が長く、環境汚染が小さい等の利点を有することから、電気自動車および家電製品に広く用いられている。現在のリチウムイオン電池に対する要求は、高電圧、高電力、長いサイクル寿命、長い貯蔵寿命、および優れた安全性能である。
リチウムイオン電池は、現在、六フッ化リン酸リチウムを導電性リチウム塩とし、環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸エステルを有機溶媒とする電解液系が広く用いられている。しかしながら、上記の電解液系は、多くの欠点を有しており、例えば高電圧および高温の場合、上記の電解液系のサイクル性能および貯蔵性能の向上が望まれている。
そこで、特に本願を提案している。
背景技術の問題点に鑑み、本願の目的は、電池のサイクル特性および貯蔵特性を向上させることができ、特に、高温高電圧におけるサイクル特性および貯蔵特性を向上させるとともに、電池の低温性能も両立させることができる電解液および電池を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本願の第1の態様では、本願が、電解質塩と、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルを含む有機溶媒とを含む電解液を提供する。前記電解液は、正極成膜用添加剤である添加剤Aと、負極成膜用添加剤であり、還元電位が環状炭酸エステルの還元電位よりも高い添加剤Bとをさらに含み、前記電解液の25℃における導電率が6mS/cm〜10mS/cmである。ここで、添加剤Aは、式I-1、式I-2、式I-3で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類である。式I-1、式I-2、式I-3において、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のC〜C12のアルキル基、置換または無置換のC〜C12のアルコキシ基、置換または無置換のC〜C12のアミン基、置換または無置換のC〜C12のアルケニル基、置換または無置換のC〜C12のアルキニル基、置換または無置換のC〜C26のアリール基、置換または無置換のC〜C12の複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、ニトリル基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜Cのアルコキシ基のうちから選ばれる1種類または複数種類であり、x、y、zは、それぞれ独立に、0〜8から選ばれる整数であり、m、n、kは、それぞれ独立に、0〜2から選ばれる整数である。
本願の第2の態様では、本願が、正極シートと、負極シートと、正極シートと負極シートとの間に配置されたセパレータと、本願の第1の態様に記載の電解液とを備える電池を提供する。
本願の技術案は少なくとも以下の有益な効果を有する。
本願の電解液には、正極成膜用添加剤としてポリニトリル基六員窒素複素環化合物を加えることにより、正極活性物質表面を効果的に不動態化し、正極活性物質表面の活性を抑制し、電解液に対する酸化作用を抑制することができ、副反応を減少させるとともに電池貯蔵ガスを減少させることができる。また、負極表面に均一かつ緻密なSEI膜を優先的に形成するのに適した負極成膜用添加剤を配合することによって、上記の正極成膜用添加剤と負極成膜用添加剤とが相乗的に作用し、電池の高温高圧下での電気化学的性能を大幅に向上させることができる。さらに、本願の電解液の有機溶媒は環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルを含み、且つ本願の電解液の25℃における導電率が6mS/cm〜10mS/cmを満たす場合には、上記の正極成膜用添加剤と負極成膜用添加剤の成膜効果は良好であり、電解液の低温性能と高温性能の両立が保証される。
A1化合物の核磁気共鳴炭素スペクトルである。 A2化合物の核磁気共鳴炭素スペクトルである。 A3化合物の核磁気共鳴炭素スペクトルである。
以下、本願に係る電解液および電池について詳細に説明する。
まず、本願の第1の態様に係る電解液について説明する。
本願の第1の態様に係る電解液は、電解質塩と、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルを含む有機溶媒とを含む。前記電解液は、正極成膜用添加剤である添加剤Aと、負極成膜用添加剤であり、還元電位が環状炭酸エステルの還元電位よりも高い添加剤Bとをさらに含み、前記電解液の25℃における導電率が6mS/cm〜10mS/cmである。
添加剤Aは、式I-1、式I-2、式I-3で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類である。式I-1、式I-2、式I-3において、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のC〜C12のアルキル基、置換または無置換のC〜C12のアルコキシ基、置換または無置換のC〜C12のアミン基、置換または無置換のC〜C12のアルケニル基、置換または無置換のC〜C12のアルキニル基、置換または無置換のC〜C26のアリール基、置換または無置換のC-C12の複素環基のうちから選ばれ、置換基(「置換または無置換」において、置換が発生された場合を示す)は、ハロゲン原子、ニトリル基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜Cのアルコキシ基のうちから選ばれる1種類または複数種類であり、x、y、zは、それぞれ独立に、0〜8から選ばれる整数であり、m、n、kは、それぞれ独立に、0〜2から選ばれる整数である。R、R、R、Rにおいて、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、鎖状構造であってもよく、環状構造であってもよく、鎖状構造は、直鎖型構造と分岐型構造とに分けられる。ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよく、好ましくは、ハロゲン原子は、フッ素原子である。
本願の第1の態様に係る電解液において、添加剤Aは、ポリニトリル基六員窒素複素環化合物であり、ニトリル基中の窒素原子に含まれる孤立電子対と遷移金属の3次元空軌道は強い錯体作用を有するため、電解液に適用した後、正極活性物質表面に吸着してポーラスな多孔性保護膜を生成することができ、正極活性物質表面を効果的に不動態化でき、正極活性物質表面と電解液が直接接触することを遮断するとともにイオンの正常な輸送に影響せず、正極活性物質表面の活性を低下させるとともに、電解液に対する酸化作用を抑制し、正極活性物質表面での多量の副反応を回避し、副反応生成物を低減し、ガス発生を低減する作用を達成する。また、ポリニトリル基六員窒素複素環化合物は、ニトリル基とニトリル基との間隔が正極活性物質表面の遷移金属と遷移金属との間隔により近くなるような特殊な六員窒素複素環構造を有しているため、ニトリル基の錯体作用を最大限に発揮することができるとともに、より多くのニトリル基に錯化作用を発揮させ、正極活性物質表面の不動態化効果を強化させるとともに、この特殊な六員窒素複素環構造は、ニトリル基の成膜電位および正極活性物質表面への成膜効果などにも影響し、貯蔵ガスの低減、高温高圧サイクル性能の向上など、電池システム全体の電気化学的性能をさらに向上させることができる。同時に、ポリニトリル基六員窒素複素環化合物は、電解液の導電率をある程度向上させ、電池の動力学性能を改善することができるため、リチウムイオン電池の低温性能にも一定の改善効果を有する。
本願の第1の態様の電解液では、添加剤Bは、負極成膜用添加剤であり、添加剤Bの還元電位が環状炭酸エステルの還元電位よりも高く、電池充電/放電の過程において、有機溶媒(特に、環状炭酸エステル)よりも先に負極で還元反応が起こり、添加剤Aを配合して用いると、負極表面に均一で緻密なSEI膜を形成することができ、電解液中の他の成分が負極電子に接触することを効果的に遮断し、負極の副反応の発生を抑制し、電池の高温高圧サイクル性能をさらに向上させ、同時に、添加剤Aにより正極を保護してガス発生を低減する作用が依然として存在するため、電池の貯蔵性能に大きな影響はない。
本願の第1の態様による電解液では、前記電解液の25℃における導電率が6mS/Cm〜10mS/Cmである。電解液の導電率が小さすぎると、電解液の動力学的特性が悪く、電池の低温特性が悪く、電解液の粘度が大きく、正極表面への添加剤Aの吸着成膜効果にも影響を与え、添加剤Bによる負極表面へのSEI膜の成膜効果にも影響する。電解液の導電率が大きすぎると、電解液の熱安定性が悪く、電池の高温特性が悪くなる。
本願の第1の態様による電解液では、添加剤Aの含有量が低すぎると、電解液に対する改善効果が顕著でなく、添加剤Aの含有量が高すぎると、正極活性物質表面に吸着して形成される錯体層の厚みが厚すぎて、正極インピーダンスが大幅に高くなり、電池系の性能が悪化する。好ましくは、添加剤Aの含有量は、電解液の全質量を基準として、0.1質量%〜3.5質量%であり得る。
本願の第1の態様による電解液では、式I-1、式I-2、式I-3で示される化合物において、C〜C12のアルキル基は、鎖状アルキル基であってもよく、環状アルキル基であってもよく、鎖状アルキル基は、直鎖アルキル基または分岐アルキル基であってもよく、環状アルキル基の環に位置する水素はさらにアルキル基で置換されてもよい。C〜C12のアルキル基における炭素数の好ましい下限値は1、2、3、4、5であり、好ましい上限値は3、4、5、6、8、10、12である。好ましくは、C〜C10のアルキル基を選択する。さらに好ましくは、C〜Cの鎖状アルキル基、C〜Cの環状アルキル基を選択する。より好ましくは、C〜Cの鎖状アルキル基、C〜Cの環状アルキル基を選択する。C〜C12のアルキル基の例としては、具体的には、メチル基、エチル基、N-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、N-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2-メチル基-ペンチル基、3-メチル基-ペンチル基、1,1,2-トリメチル基-プロピル基、3,3-ジメチル基-ブチル基、ヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、2-メチル基ヘキシル基、3-メチル基ヘキシル基、イソヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。
前記C〜C12のアルキル基に酸素原子が含まれる場合、C〜C12のアルコキシ基であってもよい。好ましくは、C〜C10のアルコキシ基を選択する。さらに好ましくは、C〜Cのアルコキシ基を選択する。より好ましくは、C〜Cのアルコキシ基を選択する。C〜C12のアルコキシ基の例としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、N-プロポキシ基、イソプロポキシ基、N-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、N-ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
〜C12のアルケニル基は、環状アルケニル基であってもよく、鎖状アルケニル基であってもよく、鎖状アルケニル基は、直鎖アルケニル基または分岐アルケニル基であってもよい。また、C〜C12のアルケニル基中の二重結合の個数は、1個であることが好ましい。C〜C12のアルケニル基における炭素数の好ましい下限値は2、3、4、5であり、好ましい上限値は3、4、5、6、8、10、12である。好ましくは、C〜C10のアルケニル基を選択する。さらに好ましくは、C〜Cのアルケニル基を選択する。より好ましくは、C〜Cのアルケニル基を選択する。C〜C12のアルケニル基の例としては、具体的には、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基が挙げられる。
〜C12のアルキニル基は、環状アルキニル基であってもよく、鎖状アルキニル基であってもよく、鎖状アルキニル基は、直鎖アルキニル基または分岐アルキニル基であってもよい。また、C〜C12のアルキニル基における三重結合の個数は、1個であることが好ましい。C〜C12のアルキニル基における炭素数の好ましい下限値は2、3、4、5であり、好ましい上限値は3、4、5、6、8、10、12である。好ましくは、C〜C10のアルキニル基を選択する。さらに好ましくは、C〜Cのアルキニル基を選択する。より好ましくは、C〜Cのアルキニル基を選択する。C〜C12のアルキニル基の例としては、具体的には、エチニル基、プロパルギル基、イソプロピニル基、ペンチニル基、シクロヘキシニル基、シクロヘプチニル基、シクロオクチニル基が挙げられる。
〜C26のアリール基は、フェニル基、フェニルアルキル基、ビフェニル基、多環芳香族炭化水素基(例えば、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基)であってもよく、ビフェニル基および多環芳香族炭化水素基は、さらにアルキル基またはアルケニル基で置換されてもよい。好ましくは、C〜C16のアリール基を選択する。さらに好ましくは、C〜C14のアリール基を選択する。より好ましくは、C〜Cのアリール基を選択する。C〜C26のアリール基の例としては、具体的には、フェニル基、ベンジル基、ビフェニル基、P-トリル基、O-トリル基、M-トリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基が挙げられる。
〜C12の複素環基中のヘテロ原子は、酸素、窒素、硫黄、リン、ホウ素から選ばれる1種類または複数種類であってもよく、複素環は、脂肪族複素環または芳香族複素環であってもよい。好ましくは、C〜C10の複素環基を選択する。さらに好ましくは、C〜Cの複素環基を選択する。より好ましくは、5員芳香族複素環、6員芳香族複素環、およびベンゾ複素環を選択する。C〜C12の複素環基の例としては、具体的には、オキシラニル基、オキセタニル基、シクロチオエタン基、アザシクロプロパン基、β−プロピオラクトン基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、キノリル基が挙げられる。
(1)具体的には、式I-1で示される化合物は、ポリニトリル基ピリミジン系化合物である。
式I-1において、好ましくは、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cの環状アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基、置換または無置換のC〜Cのアミン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基、置換または無置換のC〜Cのアルキニル基、置換または無置換のC〜C12のアリール基、置換または無置換のC〜C12の複素環基のうちから選ばれる1種類または複数種類であり、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。さらに好ましくは、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cの環状アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基、置換または無置換のC〜Cのアミン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基、置換または無置換のC〜Cのアルキニル基、置換または無置換のC〜Cのアリール基、置換または無置換のC〜Cの複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
式I-1において、xは、好ましくは、0〜6から選ばれる整数であり、さらに好ましくは、0〜4から選ばれる整数であり、より好ましくは、1または2から選ばれる。
式I-1において、yは、好ましくは0〜6から選ばれる整数であり、さらに好ましくは、0〜4から選ばれる整数であり、より好ましくは、1または2から選ばれる。
式I-1において、R、Rは、好ましくは、同一の基である。さらに好ましくは、R、R、Rは全て同じ基である。
式I-1において、R、Rは、いずれも水素原子であることが好ましい。さらに好ましくは、R、R、Rは、いずれも水素原子であり、より好ましくは、R、R、R、Rは、いずれも水素原子であり、または、R、R、Rは、いずれも水素原子であり、Rは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類であり、好ましくは、置換基は、フッ素原子である。
好ましくは、式I-1で示される化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
(2)具体的には、式I-2で示される化合物は、ポリニトリル基ピペラジン系化合物である。
式I-2において、好ましくは、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cの環状アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基、置換または無置換のC〜Cのアミン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基、置換または無置換のC〜Cのアルキニル基、置換または無置換のC〜C12のアリール基、置換または無置換のC〜C12の複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類である。さらに好ましくは、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cの環状アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基、置換または無置換のC〜Cのアミン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基、置換または無置換のC〜Cのアルキニル基、置換または無置換のC〜Cのアリール基、置換または無置換のC〜Cの複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類である。
式I-2において、xは、好ましくは、0〜6から選ばれる整数であり、さらに好ましくは、0〜4から選ばれる整数であり、より好ましくは、1または2から選ばれる。
式I-2において、yは、好ましくは、0〜6から選ばれる整数であり、さらに好ましくは、0〜4から選ばれる整数であり、より好ましくは、1または2から選ばれる。
式I-2において、R、R、R、Rのうち少なくとも2つが同一の基であることが好ましく、R、R、R、Rのうち少なくとも3つが同一の基であることがさらに好ましい。
式I-2において、R、R、R、Rのうち少なくとも2つが水素原子であることが好ましく、R、R、R、Rのうち少なくとも3つが水素原子であることがさらに好ましく、R、R、R、Rがいずれも水素原子であることがより好ましく、または、R、R、R、Rのうち3つが水素原子であり、残りの1つがフッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖または分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類であり、好ましくは、置換基は、フッ素原子である。
好ましくは、式I-2で示される化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
(3)具体的には、式I-3で示される化合物は、ポリニトリル基ホモトリアジン系化合物である。
式I-3において、好ましくは、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cの環状アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基、置換または無置換のC〜Cのアミン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基、置換または無置換のC〜Cのアルキニル基、置換または無置換のC〜C12のアリール基、置換または無置換のC〜C12の複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類である。さらに好ましくは、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cの環状アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基、置換または無置換のC〜Cのアミン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基、置換または無置換のC〜Cのアルキニル基、置換または無置換のC〜Cのアリール基、置換または無置換のC〜Cの複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類である。
式I-3において、xは、好ましくは、0〜6から選ばれる整数であり、さらに好ましくは、0〜4から選ばれる整数であり、より好ましくは、1または2から選ばれる。
式I-3において、yは、好ましくは、0〜6から選ばれる整数であり、さらに好ましくは、0〜4から選ばれる整数であり、より好ましくは、1または2から選ばれる。
式I3において、R、R、Rのうち少なくとも2つは同一の基であることが好ましい。
式I-3において、R、R、Rのうち少なくとも2つが水素原子であることが好ましく、R、R、Rがいずれも水素原子であることがさらに好ましく、または、R、R、Rのうち2つが水素原子であり、残りの1つがフッ素原子、塩素原子、臭素原子、置換または無置換のC〜Cの直鎖もしくは分岐アルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルコキシ基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子から選ばれる1種類または複数種類であり、好ましくは、置換基は、フッ素原子から選ばれる。
好ましくは、式I-3で示される化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
本願の第1の態様の電解液では、添加剤Bの還元電位が環状炭酸エステルの還元電位よりも高いため、添加剤Bを優先的に負極表面に成膜させることができる。
添加剤Bは、炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物、ハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物、硫酸エステル化合物、亜硫酸エステル化合物、スルホン酸ラクトン化合物、ジスルホン酸エステル化合物、ニトリル化合物、芳香族化合物、イソシアネート化合物、ホスファゼン化合物、酸無水物化合物、亜リン酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、ホウ酸エステル化合物から選ばれる1種類または複数種類である。
添加剤Bの電解液中における含有量は、電解液の全質量を基準として、0.1質量%〜10質量%である。
(a)炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物
炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物は、式II-0で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-0において、R20は、分岐鎖にアルケニル基またはアルキニル基で置換されたC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cの直鎖アルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
(b)ハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物
ハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物は、式II-1で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類である。式II-1において、R21は、ハロゲンで置換されたC〜Cのアルキレン基、ハロゲンで置換されたC〜Cのアルケニレン基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
具体的には、ハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物は、フルオロエチレンカーボネート(「FEC」と略称する)、フルオロプロピレンカーボネート(「FPC」と略称する)、トリフルオロプロピレンカーボネート(「TFPC」と略称する)、トランスまたはシス-4,5-ジフルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オン(以下、両者を総称して「DFEC」という)のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
(c)硫酸エステル化合物
硫酸エステル化合物は、好ましくは、環状硫酸エステル化合物であり、環状硫酸エステル化合物は、式II-2で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-2において、R22は、置換または無置換のC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、R22は、置換または無置換のC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基から選ばれる1種類または複数種類である。
さらに好ましくは、硫酸エステル化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれてもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
より好ましくは、硫酸エステル化合物は、硫酸ビニルエステル(1,3,2−dioxathiolane 2,2−dioxide,「DTD」と略称する)、硫酸プロピレンエステル(「TMS」と略称する)、硫酸プロピレン(propylene sulfate,「PLS」と略称する)のうちから選ばれる1種類または複数種類であり、具体的な構造は以下の通りである。
(d)スルホン酸ラクトン化合物
スルホン酸ラクトン化合物は、式II-3で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であり、式II-3において、R23は、置換または無置換のC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
好ましくは、R23は、置換または無置換のC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cアルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
さらに好ましくは、スルホン酸ラクトン化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
より好ましくは、スルホン酸ラクトン化合物は、1,3-プロパンスルトン(「PS」と略称する)、1,3-プロピレンスルトン(「PES」と略称する)のうちから選ばれる1種類または複数種類であり、具体的な構造は以下の通りである。
(e)ジスルホン酸エステル化合物
ジスルホン酸エステル化合物は、2個のスルホン酸基(-S(=O)O-)を有する化合物であり、好ましくは、メチレンジスルホネート化合物から選ばれ、メチレンジスルホネート化合物は、式II-4で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-4において、R24、R25、R26、R27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のC〜C10のアルキル基、置換または無置換のC〜C10のアルケニル基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
好ましくは、R24、R25、R26、R27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のC〜Cのアルキル基、置換または無置換のC〜Cのアルケニル基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
さらに好ましくは、ジスルホン酸エステル化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよいが、本願はこれらに限定されるものではない。
より好ましくは、ジスルホン酸エステル化合物は、メチレンメタンジスルホネート(methylene methanedisulfonate,「MMDS」と略称する)から選ばれてもよく、具体的な構造は以下の通りである。
(f)亜硫酸エステル化合物
亜硫酸エステル化合物は、好ましくは、環状亜硫酸エステル化合物であり、具体的には、式II-5で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-5において、R28は、置換または無置換のC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
好ましくは、R28は、置換または無置換のC〜Cのアルキレン基、置換または無置換のC〜Cのアルケニレン基から選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基のうちから選ばれる1種類または複数種類である。
さらに好ましくは、亜硫酸エステル化合物は、亜硫酸ビニル(「ES」と略称する)、亜硫酸プロピレン(「PS」と略称する)、亜硫酸ブテンエステル(「BS」と略称する)のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
(g)ニトリル化合物
ニトリル化合物は、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、グルタニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベリンニトリル、およびセバコニトリルのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、ニトリル化合物は、スクシノニトリル、グルタニトリル、アジポニトリル、およびピメロニトリルのうちから選ばれる1種類または複数種類である。
(h)芳香族化合物
芳香族化合物は、シクロヘキシルベンゼン、フルオロシクロヘキシルベンゼン化合物(1-フルオロ-2-シクロヘキシルベンゼン、1-フルオロ-3-シクロヘキシルベンゼン、1-フルオロ-4-シクロヘキシルベンゼン)、tert-ブチルベンゼン、tert-アミルベンゼン、1-フルオロ-4-tert-ブチルベンゼン、ビフェニル、ターフェニル(オルト、メタ、パラ)、ジフェニルエーテル、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン(オルト、メタ、パラ)、アニソール、2,4-ジフルオロアニソール、ターフェニルの部分水素化物(1,2-ジシクロヘキシルベンゼン、2-フェニルビシクロヘキシル、1,2-ジフェニルシクロヘキサン、o-シクロヘキシルビフェニル)のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、芳香族化合物は、ビフェニル、ターフェニル(オルト、メタ、パラ)、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、tert-アミルベンゼンのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。さらに好ましくは、芳香族化合物は、ビフェニル、O-ターフェニル、フルオロベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、tert-アミルベンゼンのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
(i)イソシアネート化合物
イソシアネート化合物は、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、アクリル酸2-イソシアナトエチル、メタクリル酸2-イソシアナトエチルのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、イソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、アクリル酸2-イソシアナトエチル、メタクリル酸2-イソシアナトエチルのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
(j)ホスファゼン化合物
ホスファゼン化合物は、環状ホスファゼン化合物であることが好ましい。環状ホスファゼン化合物は、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、フェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、エトキシヘプタフルオロシクロテトラホスファゼンのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、環状ホスファゼン化合物は、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、フェノキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンのうちから選ばれてもよい。
さらに好ましくは、環状ホスファゼン化合物は、メトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンまたはエトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンから選ばれてもよい。
(k)酸無水物化合物
酸無水物化合物は、鎖状酸無水物であってもよく、環状酸無水物であってもよい。具体的には、酸無水物化合物は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、2-アリル無水コハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、3-スルホ-無水プロピオン酸のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、無水物化合物は、無水コハク酸、無水マレイン酸、2-アリル無水コハク酸のうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。さらに好ましくは、無水物化合物は、無水コハク酸、2-アリル無水コハク酸のうちから選ばれる1種類または2種類であってもよい。
(l)亜リン酸エステル化合物
亜リン酸エステル化合物は、シラン亜リン酸エステル化合物から選ばれてもよく、具体的には、式II-6で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-6において、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38、R39は、それぞれ独立に、ハロゲン置換または無置換のC〜Cのアルキル基から選ばれる。
好ましくは、シラン亜リン酸エステル化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
(m)リン酸エステル化合物
リン酸エステル化合物は、シランリン酸エステル化合物から選ばれてもよく、具体的には、式II-7で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-7において、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49は、それぞれ独立に、ハロゲン置換または無置換のC〜Cのアルキルから選ばれる。
好ましくは、シランリン酸エステル化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
(n)ホウ酸エステル化合物
ホウ酸エステル化合物は、シランホウ酸エステル化合物から選ばれてもよく、具体的には、式II-8で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。式II-8において、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59は、それぞれ独立に、ハロゲン置換または無置換のC〜Cのアルキルから選ばれる。
好ましくは、シランホウ酸エステル化合物は、具体的には、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
好ましくは、添加剤Bは、炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物およびハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物を共に含んでおり、互いに協働して負極表面に良質なSEI膜を形成することができ、電解液中の他の成分が負極電子に接触することを効果的に遮断し、副反応の発生を抑制し、電池の常温および高温におけるサイクル性能を著しく向上させる。
〔有機溶媒〕
本願の実施例の電解液に用いられる有機溶媒としては、環状炭酸エステルおよび鎖状炭酸エステルを含むことにより、高温高電圧の場合のサイクル性能および貯蔵性能をさらに向上させることができる。また、電解液の導電率を適切な範囲(25℃における導電率が6mS/cm〜10mS/cm)に調整することが容易となり、添加剤Aおよび添加剤Bの成膜効果をより良好にすることができる。
具体的には、環状炭酸エステルは、エチレンカーボネート(「EC」と略称する)、プロピレンカーボネート(「PC」と略称する)、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブタンジオールカーボネートのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。さらに好ましくは、環状炭酸エステルは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
具体的には、鎖状炭酸エステルは、非対称鎖状炭酸エステルであってもよく、好ましくは、エチルメチルカーボネート(「MEC」と略称する)、メチルプロピルカーボネート(「MPC」と略称する)、メチルイソプロピルカーボネート(「MIPC」と略称する)、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネートのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。鎖状炭酸エステルは、対称鎖状炭酸エステルであってもよく、ジメチルカーボネート(「DMC」と略称する)、ジエチルカーボネート(「DEC」と略称する)、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートのうちから選ばれる1種類または複数種類であることが好ましい。また、非対称鎖状炭酸エステルと対称鎖状炭酸エステルとの混合物であってもよい。
有機溶媒は、カルボン酸エステルをさらに含んでもよく、すなわち、本願による有機溶媒は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、およびカルボン酸エステルの混合物を含んでもよい。
具体的には、カルボン酸エステルは、ピバル酸メチル、ピバル酸エチル、ピバル酸プロピル、ピバル酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのうちから選ばれる1種類または複数種類であってもよい。
カルボン酸エステルは、誘電率が大きく粘度が低いという特徴を有し、リチウムイオンと電解液中のアニオンとの会合を効果的に防止するとともに、イオン伝導の点で環状炭酸エステルや鎖状炭酸エステルよりも有利であり、特に低温では、電解液の良好なイオン伝導特性を確保することができる。
ここで、環状炭酸エステルの含有量は、有機溶媒の全質量を基準として、15質量%〜55質量%であり、好ましくは、25質量%〜50質量%である。鎖状炭酸エステルの含有量は、15質量%〜74質量%であり、好ましくは、25質量%〜70質量%である。カルボン酸エステルの含有量は、0.1質量%〜70質量%であり、好ましくは、5質量%〜50質量%である。
〔電解質塩〕
本願で用いる電解質塩としては、下記のリチウム塩が好適に挙げられる。
〔Li塩-1類〕:LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiPF(CF)、LiPF(C)、LiPF(CF)、LiPF(イソ-C)およびLiPF(イソ-C)のうちから選ばれる1種類または複数種類の「ルイス酸とLiFとの錯塩」が好適に挙げられ、好ましくは、LiPF、LiBF、LiAsFから選ばれ、より好ましくは、LiPF、LiBFから選ばれる。
〔Li塩-2類〕:LiN(SOF)、LiN(SOCF)、LiN(SO)、(CF)(SO)NLi(環状)、(CF)(SO)NLi(環状)およびLiC(SOCF)のうちから選ばれる1種類または複数種類の「イミンまたはメチル化リチウム塩」が好適に挙げられ、好ましくは、LiN(SOF)、LiN(SOCF)またはLiN(SO)から選ばれ、より好ましくは、LiN(SOF)またはLiN(SOCF)から選ばれる。
〔Li塩-3類〕:LiSOF、LiCFSO、CHSOLi、CSOLi、CSOLi、三フッ化((メチルスルホニル)オキシ)ホウ酸リチウム(LiTFMSB)、五フッ化((メチルスルホニル)オキシ)リン酸リチウム(LiPFMSP)のうちから選ばれる1種類または複数種類の「S(=O)O構造の有するリチウム塩」が好適に挙げられ、好ましくは、LiSOF、CHSOLi、CSOLiまたはLiTFMSBから選ばれる。
〔Li塩-4類〕:LiPO、LiPOFおよびLiClOのうちから選ばれる1種類または複数種類の「P=OまたはCl=Oの構造を有するリチウム塩」が好適に挙げられ、好ましくは、LiPO、LiPOFから選ばれる。
〔Li塩-5類〕:ビス〔シュウ酸基-O,O’〕ホウ酸リチウム(LiBOB)、ジフルオロ〔シュウ酸基-O,O’〕ホウ酸リチウム、ジフルオロビス〔シュウ酸基-O,O’〕リン酸リチウム(LiPFO)およびテトラフルオロ〔シュウ酸基-O,O’〕リン酸リチウムのうちから選ばれる1種類または複数種類の「シュウ酸塩配位子をアニオンとするリチウム塩」が好適に挙げられ、好ましくは、LiBOB、LiPFOから選ばれる。
上記のリチウム塩は、単独でまたは混合して使用することができる。リチウム塩は、好ましくは、LiPF、LiPO、LiPOF、LiBF、LiSOF、三フッ化((メチルスルホニル)オキシ)ホウ酸リチウム(LiTFMSB)、LiN(SOF)、LiN(SOCF)、LiN(SO)、ビス〔シュウ酸基-O,O’〕ホウ酸リチウム(LiBOB)、ジフルオロビス〔シュウ酸基-O,O’〕リン酸リチウム(LiPFO)およびテトラフルオロ〔シュウ酸基-O,O’〕リン酸リチウムのうちから選ばれる1種類または複数種類である。より好ましくは、リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiSOF、三フッ化((メチルスルホニル)オキシ)ホウ酸リチウム(LiTFMSB)、LiPO、LiN(SOCF)、LiN(SOF)、ビス〔シュウ酸基-O,O’〕ホウ酸リチウム(LiBOB)およびジフルオロビス〔シュウ酸基-O,O’〕リン酸リチウム(LiPFO)のうちから選ばれる1種類または複数種類である。さらに好ましくは、リチウム塩は、LiPFである。
本願の第1の態様による電解液は、電解液の調製方法は限定されず、従来の電解液の方法に従って調製することができる。例えば、上記の有機溶媒を混合し、電解質塩、添加剤Aおよび添加剤Bを添加することにより得ることができる。
本願の第1の態様による電解液では、添加剤Aは、以下の方法により合成することができる。
式I-1で示される化合物の合成:
反応方程式は次のようになる。
具体的な調製プロセスは以下のとおりである。
原料P-1に濃度30%〜40%のP-2水溶液を20分〜60分をかけて滴下して急速攪拌し、滴下終了後15時間〜30時間急速攪拌した後、70℃〜90℃のオイルバスで3時間〜5時間還流攪拌し、無色の発煙粘稠な液体中間生成物I-1-1を得る。KCO、KI、無水アセトニトリルを引き続き加え、急速攪拌して固液混合相にした後、40℃〜60℃で原料P-3を急速に加え、さらに10時間〜20時間攪拌した後、室温まで冷却し、分離精製により、式I-1で示される化合物を得る。
(2)式I-2で示される化合物の調製:
反応方程式は次のようになる。

具体的な調製プロセスは以下のとおりである。
無水炭酸ナトリウム、原料P-4および原料P-3を無水エタノール中で混合し、2時間〜5時間反応攪拌し、熱エタノールを複数回繰り返して洗浄して粗生成物を得て、再結晶して式I-2で示される化合物を得る。
(3)式I-3で示される化合物の調製:
反応方程式は次のようになる。
具体的な調製プロセスは以下のとおりである。
無水炭酸ナトリウム、原料P-5および原料P-3を無水エタノール中で混合し、2時間〜5時間反応攪拌し、熱エタノールを数回繰り返し洗浄して粗生成物を得て、再結晶して式I-3で示される化合物を得る。
次に、本願の第2の態様に係る電池について説明する。
本願の第2の態様に係る電池は、正極シートと、負極シートと、正極シートと負極シートとの間に配置されたセパレータと、本願の第1の態様に係る電解液とを備える。なお、本願の第2の態様に係る電池は、リチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池であってもよい。
電池がリチウムイオン電池である場合、正極は、リチウムイオンを放出や吸蔵可能な正極活性物質を含み、負極は、リチウムイオンを吸蔵や放出可能な負極活性物質を含む。
具体的には、電池がリチウムイオン電池である場合、正極活性物質は、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケルマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物、上記の酸化物に他の遷移金属または非遷移金属を添加して得られた化合物から選ばれてもよい。具体的には、層状リチウム含有酸化物、スピネル型リチウム含有酸化物、オリビン型リチウム含有リン酸塩化合物等を用いることができる。しかし、本願はこれらの材料に限定されるものではなく、リチウムイオン電池の正極活性物質として用いられる従来公知の他の材料を用いてもよい。これらの正極活性物質は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。好ましくは、正極活性物質は、Co元素を含む。さらに好ましくは、正極活性物質は、コバルト酸リチウムである。
具体的には、電池がリチウムイオン電池である場合、負極活性物質は、ソフトカーボン、ハードカーボン、人造黒鉛、天然黒鉛、ケイ素、ケイ素-酸素化合物、ケイ素-炭素複合体、チタン酸リチウム、リチウムと合金を形成する金属等から選ばれてもよい。具体的には、炭素系材料、ケイ素系材料、スズ系材料等を用いることができる。ただし、本願はこれらの材料に限定されるものではなく、リチウムイオン電池の負極活性物質として用いられる従来公知の他の材料を用いてもよい。これらの負極活性物質は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
電池がナトリウムイオン電池である場合、正極は、ナトリウムイオンを放出や吸蔵可能な正極活性物質を含み、負極は、ナトリウムイオンを吸蔵や放出可能な負極活性物質を含む。
具体的には、正極活性物質は、ナトリウム鉄複合酸化物(NaFeO)、ナトリウムコバルト複合酸化物(NaCoO)、ナトリウムクロム複合酸化物(NaCrO)、ナトリウムマンガン複合酸化物(NaMnO)、ナトリウムニッケル複合酸化物(NaNiO)、ナトリウムニッケルチタン複合酸化物(NaNi1/2Ti1/2)、ナトリウムニッケルマンガン複合酸化物(NaNi1/2Mn1/2)、ナトリウム鉄マンガン複合酸化物(Na2/3Fe1/3Mn2/3)、ナトリウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(NaNi1/3Co1/3Mn1/3)、ナトリウム鉄リン酸化合物(NaFePO)、ナトリウムマンガンリン酸化合物(NaMnPO)、ナトリウムコバルトリン酸化合物(NaCoPO)等から選ばれてもよい。ただし、本願はこれらの材料に限定されるものではなく、ナトリウムイオン電池の正極活性物質として用いられる従来公知の他の材料を用いてもよい。これらの正極活性物質は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、負極活性物質は、ハードカーボン、天然黒鉛、人造黒鉛、ソフトカーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボンナノファイバー等の炭素材料から選ばれてもよい。また、他の負極活性物質としては、例えば、Si、Ge、Pb、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh等のナトリウムと合金化する元素の単体、これらの元素を含む酸化物や炭化物等が挙げられる。ただし、これらの材料に限定されるものではなく、ナトリウムイオン電池の負極活性物質として用いられる従来公知の他の材料を用いてもよい。これらの負極活性物質は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
電池がマグネシウムイオン電池である場合、正極は、マグネシウムイオンを放出や吸蔵可能な正極活性物質を含み、負極は、マグネシウムイオンを吸蔵や放出可能な負極活性物質を含む。例えば、正極活性物質は、V、MoO、MnO、TiS、MoS等から選ばれてもよく、負極活性物質は、金属マグネシウム、マグネシウム合金、黒鉛等から選ばれてもよい。ただし、これらの材料に限定されるものではなく、マグネシウムイオン電池の正負極活性物質として用いられる従来公知の他の材料を用いてもよい。これらの正負極活性物質は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本願の第2の態様に係る電池では、セパレータの具体的な種類は、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、これらの複層複合膜など、従来の電池に用いられているセパレータ材料であれば、どのようなものであってもよいが、これらに限定されるものではない。
本願の第2の態様に係る電池では、正極シートは、バインダおよび導電剤をさらに含む。正極活性物質、バインダおよび導電剤を含む正極スラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥させて正極シートを得た。同様に、負極シートは、バインダおよび導電剤をさらに含む。負極活性物質、バインダおよび導電剤を含む負極スラリーを負極集電体上に塗布し、乾燥させて負極シートを得た。
本願の第2の態様に係る電池では、電池の充電遮断電圧が4.2V以上であり、すなわち、電池は4.2V以上の高電圧状態で使用することができる。高電圧状態では、正極活性物質表面の遷移金属の価数が高いほど、添加剤A中のニトリル基とのクーロン相互作用が強くなり、すなわち、添加剤Aがそれに応じた保護作用を発揮することができる。電池は、4.2V〜4.9Vの範囲で動作することが好ましく、電池は、4.3V〜4.8Vの範囲で動作することがさらに好ましい。
本願の発明の目的、技術案および有益な技術的効果をより明確にするために、以下、実施例に関連して本願を更に詳細に説明する。本明細書に記載された実施例は、単に本願を説明するためのものであり、本願を限定するものではなく、実施例の配合、比率等は、結果に実質的な影響を及ぼすことなく、適切に選ばれてもよいことを理解すべきである。
本願の以下の具体的な実施例では、電池がリチウムイオン電池である実施例のみを示しているが、本願はこれに限定されるものではない。実施例、比較例において、使用された試薬、材料、および器具は、特に断りのない限り、すべて市販されている。添加剤A1、A2、A3の具体的な合成工程は以下の通りであり、他の種類の添加剤Aも同様の方法で合成することができる。
添加剤A1の合成:
1,3-プロパンジアミンに37%ホルムアルデヒド水溶液を0.5時間かけて滴下しながら急速撹拌し、滴下終了後も20時間急速撹拌を続け、その後80℃のオイルバスで4時間還流撹拌し、無色の発煙粘稠な液体中間生成物であるヘキサヒドロピリミジンを得る。KCO、KI、無水アセトニトリルを引き続き加え、急速撹拌して固液混合相にした後、60℃で0.5時間かけてβ-クロロプロピオニトリルを加え、さらに17時間撹拌した後、室温まで冷却し、分離精製により、A1を得た。核磁気共鳴炭素スペクトルを図1に示す。
添加剤A2の合成:
無水炭酸ナトリウム、ピペラジンおよびβ-クロロプロピオニトリルを無水エタノール中で混合し、4時間反応攪拌し、熱エタノールを複数回繰り返して洗浄して粗生成物を得て、再結晶してA2を得た。核磁気共鳴炭素スペクトルを図2に示す。
添加剤A3の合成:
無水炭酸ナトリウム、1,3,5-ホモトリアジンとクロロアセトニトリルを無水エタノール中で混合し、4時間反応攪拌し、熱エタノールを複数回繰り返して洗浄して粗生成物を得て、再結晶してA3を得た。核磁気共鳴炭素スペクトルを図3に示す。
実施例および比較例では、リチウムイオン電池を以下の方法によって作製した。
(1)電解液の調製:プロピレンカーボネート(「PC」と略称する)およびエチレンカーボネート(「EC」と略称する)の少なくとも1種類、エチルメチルカーボネート(「EMC」と略称する)およびジエチルカーボネート(「DEC」と略称する)の少なくとも1種類、およびプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチルのうち少なくとも1種類の混合液を有機溶媒とし、その混合割合を所望の電解液粘度および導電率となるように調整する。リチウム塩はLiPFであり、LiPFの総含有量は、電解液の全質量の12.5%である。各添加剤成分の含有量は、電解液の全質量を基準にして、表1に示される電解液組成によって各添加剤を添加した。
(2)正極シートの調製:正極活性物質であるLiCoO、バインダであるPVDF、導電剤であるアセチレンブラックを質量比98:1:1で混合し、N-メチルピロリドンを加え、真空攪拌機で均一になるまで攪拌し、正極スラリーを得た。正極スラリーをアルミニウム箔上に均一に塗布する。アルミニウム箔を室温で乾かした後、120℃の送風オーブンに移して1時間乾燥させた後、冷間プレスおよび分割を行って、正極シートを得た。
(3)負極シートの調製:負極活性物質である黒鉛、導電剤であるアセチレンブラック、増粘剤であるカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液、バインダであるスチレンブタジエンゴムエマルジョンを質量比97:1:1:1で混合し、脱イオン水を加え、真空攪拌機で均一になるまで攪拌し、負極スラリーを得た。負極スラリーを銅箔上に均一に塗布する。銅箔を室温で乾かした後、120℃の送風オーブンに移して1時間乾燥させた後、冷間プレスおよび分割を行って、負極シートを得た。
(4)リチウムイオン電池の調製:正極シート、負極シートおよびPP/PE/PPセパレータを巻回して得られた電気コアを外装缶に入れた後、電解液を注液し、順次に封口し、静置、熱間/冷間プレス、化成、排気、容量測定などの工程を経て、リチウムイオン電池を得る。
注:PSは、1,3-プロパンスルトンを表し、DTDは、硫酸ビニル表し、FECは、フルオロエチレンカーボネート表し、VCは、ビニレンカーボネートを表す。
次に、リチウムイオン電池のテスト手順を説明する。
(1)リチウムイオン電池の常温、高電圧でのサイクル性能テスト
リチウムイオン電池を25℃で1Cの定電流で電圧4.35Vになるまで充電し、さらに4.35Vの定電圧で電流0.05Cになるまで充電した後、1Cの定電流で電圧3.0Vになるまで放電し、これが一回の充電/放電サイクル過程であり、今回の放電容量は、初回サイクルの放電容量である。リチウムイオン電池を上記の方法で200回サイクル充電/放電テストを行い、200回目サイクルの放電容量を検出した。
リチウムイオン電池のサイクル200回後の容量維持率(%)=(リチウムイオン電池のサイクル200回の放電容量/リチウムイオン電池の初回サイクルの放電容量)×100%。
(2)リチウムイオン電池の高温、高電圧でのサイクル性能テスト
リチウムイオン電池を45℃で1Cの定電流で電圧4.35Vになるまで充電し、さらに4.35Vの定電圧で電流0.05Cになるまで充電した後、1Cの定電流で電圧3.0Vになるまで放電し、これが一回の充電/放電サイクル過程であり、今回の放電容量は、初回サイクルの放電容量である。リチウムイオン電池を上記の方法で200回サイクル充電/放電テストを行い、200回目サイクルの放電容量を検出した。
リチウムイオン電池のサイクル200回後の容量維持率(%)=(リチウムイオン電池のサイクル200回の放電容量/リチウムイオン電池の初回サイクルの放電容量)×100%。
(3)リチウムイオン電池の高温での貯蔵性能テスト
リチウムイオン電池を25℃で0.5Cの定電流で電圧4.35Vになるまで充電した後、4.35Vの定電圧で電流0.05Cになるまで充電したときのリチウムイオン電池の厚みをテストし、hとする。その後、リチウムイオン電池を85℃の恒温槽に入れ、24時間貯蔵した後に取り出し、そのときのリチウムイオン電池の厚みをテストし、hとする。
85℃で24時間保存後のリチウムイオン電池の厚み膨張率(%)=〔(h-h)/h〕×100%。
(4)リチウムイオン電池の低温性能テスト
リチウムイオン電池を保温炉に入れ、炉温を25℃に調整した後、リチウムイオン電池を0.5Cの定電流で電圧4.35Vになるまで充電した後、4.35Vの定電圧で電流0.05Cになるまで充電し、この過程により、リチウムイオン電池を完全に充電にする。満充電のリチウムイオン電池を0.5Cの定電流で3.0Vの電圧になるまで放電させ、この過程により、リチウムイオン電池を完全に放電させ、完全放電過程における放電容量をCとした。
保温炉の温度を-20℃に調節した後、60分間静置し、炉内の温度が-20℃に達するまで待機した後、上記の完全充電と完全放電の過程を繰り返し、完全放電過程における放電容量をCとした。
リチウムイオン電池の-20℃での容量保持率(%)=(C/C)×100%。
比較例4〜6の比較から、リチウムイオン電池の電解液にポリニトリル基六員窒素複素環化合物を添加することにより、リチウムイオン電池の高電圧、高温サイクル性能をある程度向上させ、リチウムイオン電池の高温貯蔵性能を改善するとともに、リチウムイオン電池の低温性能も両立させることができることがわかる。その原因は、ポリニトリル基六員窒素複素環分子が、複数のニトリル基を有し、ニトリル基における窒素原子に含まれる孤立電子対が正極活性物質表面の遷移金属の3d空軌道と強力に錯化し、正極活性物質表面を効果的に不動態化するため、正極活性物質表面の活性を低下させるとともに電解液と正極活性物質表面との直接接触を遮断し、副反応の発生を減少させ、副反応で消費されるリチウムイオンもそれに応じて減少し、可逆的リチウムイオンの消費速度が大幅に減速され、サイクル容量維持率が大幅に向上する。また、一般に、リチウムイオン電池では、正極活性物質表面の副反応の一部でガスが発生し、リチウムイオン電池が厚さ方向に膨張するため、表面副反応が減少することは、生成ガス量が減少することを意味し、高温でリチウムイオン電池の厚さ膨張率が著しく低下する。同時に、ポリニトリル基六員窒素複素環分子は、電解液の導電率をある程度向上させることができ、リチウムイオン電池の動力学性能を改善するため、リチウムイオン電池の低温性能にも一定の改善効果を有する。
比較例6で用いた直鎖状アジポニトリルと比較して、ポリニトリル基六員窒素複素環分子中のニトリル基とニトリル基との間隔は、六員窒素複素環構造の調整により、正極活性物質表面の遷移金属と遷移金属との間隔に近く、より多くのニトリル基を錯体化して、不動態化表面効果を高めることができるため、正極活性物質表面の被覆作用がアジポニトリルよりはるかに強くなり、サイクルおよび貯蔵性能の改善効果がより顕著になる。
実施例1〜14と比較例4との比較から、ポリニトリル基六員窒素複素環化合物を2%含有する電解液にPS、DTD、FECまたはVC等の負極成膜用添加剤を0.1%〜10%加えた後、リチウムイオン電池の常温および45℃でのサイクル容量維持率はいずれも著しく向上し、又、満充電状態におけるリチウムイオン電池の85℃での貯蔵性能および低温性能を劣化させることはなかった。これは、PS等の負極成膜用添加剤の還元電位がECやPCよりも高く、リチウムイオン電池の充電/放電過程でECやPCよりも先に負極で還元反応が起こり、ポリニトリル基六員窒素複素環化合物を配合して使用することにより、負極表面に均一かつ緻密なSEI膜を形成することができ、電解液中の他の成分が負極電子に接触することを効果的に遮断し、副反応の逆生成を抑制し、リチウムイオン電池の常温および45℃でのサイクル性能を著しく向上させることができる。同時に、ポリニトリル六員窒素複素環化合物が正極を保護し、ガス発生を低減する作用が依然として存在するため、比較例4と比較して、リチウムイオン電池の85℃での貯蔵性能に大きな劣化は見られなかった。また、負極成膜用添加剤を添加しても電解液の導電率は変化しないため、リチウムイオン電池の動力学的特性には影響を与えず、低温特性はほぼ変わらない。比較例3と合わせてみると、2%のVCを単独で添加すると、リチウムイオン電池の常温でのサイクル容量維持率、45℃でのサイクル容量維持率および低温容量維持率に対する改善効果が乏しく、85℃での貯蔵ガス問題が深刻であることがわかる。
実施例15〜16から、2%のポリニトリル基六員窒素複素環化合物および2%のVCを含有する電解液に、さらにFECを添加した後、リチウムイオン電池の常温でのサイクル容量維持率および45℃でのサイクル容量維持率は、いずれもさらに向上しており、高温貯蔵性能および低温性能はほぼ一定であった。これは、電解液に炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物(VC)とハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物(FEC)とが同時に含まれていると、負極表面に形成されるSEI膜の品質がさらに向上し、電解液中の他の成分が負極電子に接触することをより効果的に遮断することができ、副反応の逆生成を抑制し、リチウムイオン電池の常温および45℃でのサイクル性能をより顕著に向上させ、同時にポリニトリル六員窒素複素環化合物が正極を保護し、ガス発生を減少させ、導電率を安定化させる作用があるため、リチウムイオン電池の高温貯蔵性能と低温性能は変わらない。
比較例1〜2から、電解液の導電率がリチウムイオン電池の性能にも影響することがわかる。電解液の導電率が小さすぎると、電解液の動力学的性能が劣り、リチウムイオン電池の低温性能が悪くなり、導電率が小さすぎると、電解液の粘度が大きくなり、ポリニトリル基六員窒素複素環化合物の正極表面への吸着成膜効果にも影響し、VC等の負極成膜用添加剤による負極表面へのSEI膜の成膜効果にも影響する。電解液の導電率が大きすぎると、電解液の熱安定性が悪く、リチウムイオン電池の高温特性が悪くなる。
上記の明細書の開示および教示に基づいて、本願が属する技術分野の当業者は、上記の実施形態に対して適切な変更および修正を加えることができる。したがって、本願は、上記に開示された具体的な実施形態に限定されるものではなく、本願に対する修正および変更は、本願の特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。また、本明細書では、いくつかの特定の用語を使用しているが、これらの用語は説明の便宜上のものであり、本願を限定するものではない。

Claims (14)

  1. 電解質塩と、環状炭酸エステル、および、鎖状炭酸エステルを含む有機溶媒とを含む電解液であって、
    前記電解液は、正極成膜用添加剤である添加剤Aと、負極成膜用添加剤であり、還元電位が環状炭酸エステルの還元電位よりも高い添加剤Bとをさらに含み、添加剤Aは、式I-1、式I-2、式I-3で示される化合物から選ばれる1種類または複数種類であり、
    式I-1、式I-2、式I-3において、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のC〜C12のアルキル基、置換または無置換のC〜C12のアルコキシ基、置換または無置換のC〜C12のアミン基、置換または無置換のC〜C12のアルケニル基、置換または無置換のC〜C12のアルキニル基、置換または無置換のC〜C26のアリール基、置換または無置換のC〜C12の複素環基のうちから選ばれ、置換基は、ハロゲン原子、ニトリル基、C〜Cのアルキル基、C〜Cのアルケニル基、C〜Cのアルコキシ基のうちから選ばれる1種類または複数種類であり、x、y、zは、それぞれ独立に、0〜8から選ばれる整数であり、m、n、kは、それぞれ独立に、0〜2から選ばれる整数であり、
    前記電解液の25℃における導電率が6mS/cm〜10mS/cmである、
    ことを特徴とする電解液。
  2. 添加剤Aの含有量は、電解液の全質量を基準として、0.1質量%〜3.5質量%である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電解液。
  3. 添加剤Bの含有量は、電解液の全質量を基準として、0.1質量%〜10質量%である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電解液。
  4. 添加剤Aは、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電解液。
  5. 電解質塩と、環状炭酸エステル、および、鎖状炭酸エステルを含む有機溶媒とを含む電解液であって、
    前記電解液は、正極成膜用添加剤である添加剤Aと、負極成膜用添加剤であり、還元電位が環状炭酸エステルの還元電位よりも高い添加剤Bとをさらに含み、添加剤Aは、以下の化合物から選ばれる1種類または複数種類であり、前記電解液の25℃における導電率が6mS/cm〜10mS/cmである、ことを特徴とする電解液。
  6. 添加剤Bは、炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物、ハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物、硫酸エステル化合物、亜硫酸エステル化合物、スルホン酸ラクトン化合物、ジスルホン酸エステル化合物、ニトリル化合物、芳香族化合物、イソシアネート化合物、ホスファゼン化合物、酸無水物化合物、亜リン酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、ホウ酸エステル化合物から選ばれる1種類または複数種類である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電解液。
  7. 添加剤Bは、炭素-炭素不飽和結合を含む環状炭酸エステル化合物と、ハロゲンで置換された環状炭酸エステル化合物とを共に含む、
    ことを特徴とする請求項に記載の電解液。
  8. 前記有機溶媒は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステルおよびカルボン酸エステルの混合物を含む、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電解液。
  9. 前記環状炭酸エステルは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブタンジオールカーボネートのうちから選ばれる1種類または複数種類であり、
    鎖状炭酸エステルは、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートのうちから選ばれる1種類または複数種類であり、
    カルボン酸エステルは、ピバル酸メチル、ピバル酸エチル、ピバル酸プロピル、ピバル酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのうちから選ばれる1種類または複数種類である、
    ことを特徴とする請求項に記載の電解液。
  10. 有機溶媒の全質量を基準として、
    環状炭酸エステルの含有量が、15質量%〜55質量%であり
    鎖状炭酸エステルの含有量が、15質量%〜74質量%であり
    カルボン酸エステルの含有量が、0.1質量%〜70質量%である、
    ことを特徴とする、請求項8又は9に記載の電解液。
  11. 有機溶媒の全質量を基準として、
    環状炭酸エステルの含有量が、25質量%〜50質量%である、
    ことを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の電解液。
  12. 有機溶媒の全質量を基準として、
    鎖状炭酸エステルの含有量が、25質量%〜70質量%である、
    ことを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の電解液。
  13. 有機溶媒の全質量を基準として、
    カルボン酸エステルの含有量が、5質量%〜50質量%である、
    ことを特徴とする、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の電解液。
  14. 正極シートと、負極シートと、前記正極シートと前記負極シートとの間に配置されたセパレータと、電解液とを備える電池であって、
    前記電解液は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電解液である、
    ことを特徴とする電池。
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