JP6778566B2 - ウエーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウエーハ等の被加工物にレーザー加工を施すためのレーザー加工方法、特に、サファイア(Al)基板、リチウムタンタレート(LiTaO)基板、リチウムナイオベート(LiNbO)基板等のレーザー加工に適するレーザー加工方法に関する。
サファイア基板等の基板の表面にn型窒化物半導体層、及びp型窒化物半導体層からなる発光層が積層され、格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域に光デバイス(LED等)が形成されたウエーハ、又はリチウムタンタレート基板、リチウムナイオベート基板の表面にSAW(Surface Acoustic Wave)デバイスが形成されたウエーハは、レーザー加工装置によって分割起点が形成され、該分割起点に沿って各デバイスが個々のチップに分割され、携帯電話、パソコン、照明機器などの電気機器に使用される。
レーザー加工装置は、ウエーハを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたウエーハにレーザー光線を照射する集光器を備えたレーザー光線照射手段と、該保持手段と該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする加工送り手段と、から概ね構成されていて、ウエーハの分割予定ラインに沿って高精度にレーザー光線を照射することができる。
上述したレーザー光線照射手段は、ウエーハに対して吸収性を有する波長のレーザー光線を照射して分割溝をアブレーション加工によって形成するタイプ(例えば、特許文献1を参照。)のものと、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を被加工物の内部に位置付けて照射して改質層を形成するタイプ(例えば、特許文献2を参照。)のものと、に分けられる。
特開平10−305420号公報 特許第3408805号公報
しかし、上述したアブレーション加工によって分割溝を形成するタイプのものでは、レーザー光線を照射した分割予定ラインに隣接して形成されているデバイスの外周に、加工時に生じるデブリやスラッジ等が残存し、特に分割しようとするウエーハのデバイスが光デバイスである場合は、該光デバイスの輝度を低下させる原因となる。
また、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射して、ウエーハの内部に改質層を形成するタイプのものでは、良好な分割起点を形成するために、同じ分割予定ラインに対して複数回レーザー光線を照射しなければならず、生産性が悪いという問題がある。
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、ウエーハにレーザー光線を照射して効率よく分割起点を形成することができるレーザー加工方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射してウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法であって、ウエーハを保持する保持テーブルにウエーハを保持するウエーハ保持工程と、該ウエーハ保持工程の前、又は後で、レーザー光線の波長に対して透過性を有する透過性部材をウエーハの表面に敷設する敷設工程と、レーザー光線を該透過性部材から照射してウエーハの内部に細孔と該細孔を囲繞する非晶質とから構成されるシールドトンネルを分割予定ラインに沿って形成するシールドトンネル形成工程と、該ウエーハに外力を付して該ウエーハを個々のチップに分割する分割工程と、から少なくとも構成され、該シールドトンネル形成工程において、レーザー光線の集光点は該透過性部材によって収差が形成されるウエーハの加工方法が提供される。
該レーザー光線の集光点は該透過性部材と該ウエーハとの界面を含むウエーハの内部に位置付けられることが好ましい。さらに、該ウエーハは、サファイア基板、リチウムタンタレート基板、リチウムナイオベート基板のいずれかであり、該透過性部材は、光学ガラス基板、PET基板、アクリル基板、光学プラスチック基板、臭化ヨウ化タリウム基板、ジンクセレン基板のうち、少なくともいずれかを含むことができる。
本発明に基づき構成されるレーザー光線加工方法は、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射してウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法であって、ウエーハを保持する保持テーブルに該ウエーハを保持するウエーハ保持工程と、レーザー光線の波長に対して透過性を有する透過性部材を該ウエーハの表面に敷設する敷設工程と、レーザー光線を該透過性部材から照射して該ウエーハの内部に細孔と該細孔を囲繞する非晶質とから構成されるシールドトンネルを分割予定ラインに沿って形成するシールドトンネル形成工程と、該ウエーハに外力を付して個々のチップに分割する分割工程と、から少なくとも構成され、該シールドトンネル形成工程において、レーザー光線の集光点は該透過性部材によって収差が形成されるように構成されるので、簡易な方法で、意図的に集光点の収差を形成することでシールドトンネルの形成が良好に行われる。特に、透過性部材の厚みを変化させて収差を30〜200μmに伸長させることで、良好な、すなわち、長いシールドトンネルを形成することができる。
さらに、該レーザー光線の集光点を該透過性部材と該ウエーハとの界面を含む該ウエーハの内部に至る位置に位置付けることで、さらに良好なシールドトンネルを形成することができる。
本発明に基づき構成される加工方法を実施するための一例として示すレーザー加工装置の全体斜視図である。 図1のレーザー加工装置により実行されるレーザー加工方法を説明する説明図である。 本発明に基づき構成される加工方法によりシールドトンネルが形成されたウエーハを説明するための説明図である。 本発明に基づき構成される加工方法の分割工程を説明するための説明図である。
以下、本発明によるレーザー加工方法について添付図面を参照して詳細に説明する。図1には、本発明に基づいて構成されるレーザー加工方法を実施するためのレーザー加工装置、および、被加工物としてのウエーハ10の斜視図が示されている。被加工物としての該ウエーハ10は、例えば、サファイア(Al)基板からなり、略円板形状をなすウエーハ10の表面には複数の分割予定ライン12が格子状に形成されており、分割予定ライン12によってウエーハ10の表面が複数の領域に区画されている。該複数の領域のそれぞれには光デバイス14(LED)が形成され、ウエーハ10は、環状のフレームFに外周が貼着された粘着テープTに裏面側が貼り付けられ保持され、さらに、光デバイス14が形成された表面側には、後述する透過性部材としての光学ガラス基板16が配設される。なお、ウエーハ10を環状のフレームFに保持させる形態はこれに限定されず、ウエーハ10の表面側を該フレームFに外周が貼着された粘着テープTに貼り付けて保持し、ウエーハ10の裏面側に透過性部材としての光学ガラス基板16を配設してウエーハ10の裏面側から後述するレーザー加工を実施することも可能である。
図1に示すレーザー加工装置40は、基台41と、該被加工物を保持する保持機構42と、保持機構42を移動させる移動手段43と、保持機構42に保持される被加工物にレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段44と、撮像手段45と、コンピュータにより構成される図示しない制御手段とを備え、該制御手段により各手段が制御されるように構成されている。
保持機構42は、X方向において移動自在に基台41に搭載された矩形状のX方向可動板51と、Y方向において移動自在にX方向可動板51に搭載された矩形状のY方向可動板53と、Y方向可動板53の上面に固定された円筒状の支柱50と、支柱50の上端に固定された矩形状のカバー板52とを含む。カバー板52にはY方向に延びる長穴52aが形成されている。長穴52aを通って上方に延びる円形状の被加工物を保持する保持手段としてのチャックテーブル54の上面には、多孔質材料から形成され実質上水平に延在する円形状の吸着チャック56が配置されている。吸着チャック56は、支柱50を通る流路によって図示しない吸引手段に接続されている。チャックテーブル54の周縁には、周方向に間隔をおいて複数個のクランプ58が配置されている。なお、X方向は図1に矢印Xで示す方向であり、Y方向は図1に矢印Yで示す方向であってX方向に直交する方向である。X方向、Y方向で規定される平面は実質上水平である。
移動手段43は、X方向移動手段60と、Y方向移動手段65と、図示しない回転手段とを含む。X方向移動手段60は、基台41上においてX方向に延びるボールねじ60bと、ボールねじ60bの片端部に連結されたモータ60aとを有する。ボールねじ60bの図示しないナット部は、X方向可動板51の下面に固定されている。そしてX方向移動手段60は、ボールねじ60bによりモータ60aの回転運動を直線運動に変換してX方向可動板51に伝達し、基台41上の案内レール43aに沿ってX方向可動板51をX方向において進退させる。Y方向移動手段65は、X方向可動板51上においてY方向に延びるボールねじ65bと、ボールねじ65bの片端部に連結されたモータ65aとを有する。ボールねじ65bの図示しないナット部は、Y方向可動板53の下面に固定されている。そして、Y方向移動手段65は、ボールねじ65bによりモータ65aの回転運動を直線運動に変換し、Y方向可動板53に伝達し、X方向可動板51上の案内レール51aに沿ってY方向可動板53をY方向において進退させる。回転手段は、支柱50に内蔵され支柱50に対して吸着チャック56を回転させる。
レーザー光線照射手段44は、基台41の上面から上方に延び、次いで実質上水平に延びる枠体46に内蔵されている。該レーザー光線照射手段44は、被加工物であるウエーハ10の分割予定ライン12の上面に沿って照射するものであり、チャックテーブル54に保持されたウエーハ10に対しに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点を所定の深さ位置に位置付けて照射し、分割予定ライン12に沿ってシールドトンネルを形成して分割起点とするシールドトンネル形成工程を実施するためのものである。
本実施形態におけるレーザー加工装置40は、図示しない制御手段を備えており、該制御手段は、コンピュータにより構成され、制御プログラムに従って演算処理する中央演算処理装置(CPU)と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)と、検出した検出値、演算結果等を一時的に格納するための読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)と、入力インターフェース、及び出力インターフェースとを備えている。該制御手段の入力インターフェースには、撮像手段45からの画像信号の他、保持機構42の図示しないX方向、Y方向の位置検出手段からの信号等が入力される。また、該出力インターフェースからは、該レーザー光線照射手段、X方向移動手段60、Y方向移動手段65等に向けて作動信号が送信される。
撮像手段45は、枠体46の先端下面に付設されており、案内レール43aの上方に位置し、チャックテーブル54を案内レール43aに沿って移動させることによりチャックテーブル54に載置された被加工物を撮像することが可能になっている。なお、本実施形態の撮像手段45は、被加工物の表面を可視光線によって撮像する図示しない撮像素子(CCD)によって構成されている。
本発明に基づいて実行されるウエーハの加工方法について、さらに、順を追って説明する。先ず、図1に示すように、サファイア基板の表面上で、複数の分割予定ライン12で区画された各領域に光デバイス14が形成され、粘着テープTを介して環状のフレームFに保持されたウエーハ10を用意する。そして、チャックテーブル54の吸着チャック56上に、粘着テープT側を下にして該ウエーハ10を載置し、クランプ58によりその環状のフレームFを保持すると共に、図示しない吸引手段を作動して負圧を吸着チャック56に作用させてウエーハ10を吸引保持するウエーハ保持工程が実施される。
ここで、上述したウエーハ保持工程が実施される前、又は後のいずれかで、上記したレーザー光線照射手段44から照射されるレーザー光線の波長に対して透過性を有する透過性部材、例えば、光学ガラス基板16を該ウエーハ10の光デバイスが形成された表面側に敷設する敷設工程を実施する。より具体的には、ウエーハ10上に光学ガラス基板16を載置した後、外周をPVA(ポリビニルアルコール)により接着しウエーハ10上に光学ガラス基板16を固定する。該敷設工程における敷設方法としてはこれに限定されず、後にウエーハ10から光学ガラス基板16を容易に剥離することができる方法であれば、他の方法を選択することもできる。例えば、紫外線を照射することで粘着力が消失するUV硬化性樹脂を接着剤として用いたり、加熱することにより粘性が低下する透明性のワックスをウエーハ10と光学ガラス基板16との間に塗布し両者を接着することができる。なお、該ウエーハ10の厚みは例えば150μmであり、該光学ガラス基板16の厚みは例えば700μmである。
吸着チャック56上に光学ガラス基板16が敷設されたウエーハ10を吸引保持したならば、X方向移動手段60、Y方向移動手段65を作動して、図2(a)に示すようなレーザー加工を実施すべく、チャックテーブル54を移動し、ウエーハ10を撮像手段45の直下に位置付ける。チャックテーブル54が撮像手段45の直下に位置付けられると、撮像手段45、および図示しない制御手段によって、後述するシールドトンネル形成工程にてレーザー加工すべき領域を検出するアライメント工程を実行する。即ち、撮像手段45、および該制御手段は、ウエーハ10の所定方向に形成されている分割予定ライン12と、分割予定ライン12に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段44の集光器44aとの位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行してレーザー光線照射位置のアライメントを行う。なお、該所定方向と直交する方向に形成される分割予定ライン12に沿っても同様のアライメント工程を遂行する。
上記したアライメント工程を実行したならば、チャックテーブル54を、集光器44aが位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の方向に形成された分割予定ライン12の一端が集光器44aの直下になるように位置付ける。そして、図示しない集光点位置調整手段を作動して集光器44aを光軸方向に移動し、分割予定ライン12における所定の深さ位置に集光点を位置付ける。
この際、本発明に基づき構成されたレーザー加工方法を実施するため、レーザー光線照射手段44の出力と、透過性部材である光学ガラス基板16の厚みが予め実施される実験等により適切に設定されることにより、該レーザー光線の集光点の収差が伸長(30〜200μm)されている。そして、上記した集光点を設定する際には、図2(a)の一部拡大断面図として示す図2(b)に示すような、該収差が伸長された集光点Pを該透過性部材と該ウエーハとの界面を含む該ウエーハの内部に至る位置に位置付ける。
上述した集光点Pの位置付けを行ったならば、レーザー光線照射手段44を作動し、所定のレーザー加工条件に基づいて、光学ガラス基板16を通して分割予定ライン12に沿ってレーザー光線LBを照射して、シールドトンネル100を分割予定ライン12に沿って形成するシールドトンネル形成工程を実施する。
なお、上記レーザー光線照射手段44により実行されるシールドトンネル形成工程は、例えば、以下のようなレーザー加工条件で実施される。
透過性部材 :光学ガラス基板 700μm
ウエーハ素材 :サファイア 150μm
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :2W
パルス幅 :10ps
開口数 :0.8
加工送り速度 :1000mm/秒
焦点位置 :界面からウエーハ内部に向けて40μmの位置に設定
より具体的には、上記した加工条件にてレーザー光線の照射が開始されると、X方向移動手段60を作動して、チャックテーブル54を図2(a)の矢印Xで示す方向に上記加工送り速度で移動し、該レーザー光線LBが分割予定ライン12に沿って照射される。図2(b)に示すように、上述した本実施形態のレーザー加工条件によって照射されるレーザー光線LBの集光点Pは、光学ガラス基板16の作用により収差Pが伸長されて該光学ガラス基板16と該ウエーハ10との界面Cを含む該ウエーハ10の内部に至る位置に位置付けられている。この作用により、ウエーハ10の表面側から裏面側に向かって細孔102と該細孔102を囲繞する非晶質104とからなるシールドトンネルが良好に形成される。そして、該レーザー光線照射手段44と、チャックテーブル54、X方向移動手段60、Y方向移動手段65とを作動して、ウエーハ10の表面の全ての分割予定ライン12に沿ってシールドトンネル100の非晶質が隣接するように連続して形成され、ウエーハ10に対するシールドトンネル形成工程が完了する。なお、図2(b)に示すウエーハ10の厚さ、光学ガラス基板16の厚さについては、説明の都合上実際の厚さの比とは異なるように記載している。
上述したシールドトンネル形成工程が完了すると、図3に示すように、ウエーハ10の表面に敷設された光学ガラス基板16(透過性部材)を剥離し除去する。上述したように、光学ガラス基板16は外周において水溶性のPVAによってウエーハ10に接着されているため、温水などを噴射することにより容易に剥離することができる。この状態では、分割起点となるシールドトンネル100が連続的に形成された分割予定ライン12´が形成されているものの、光デバイス14は個々のチップに分割されていない。よって、図4に示すような分割装置76を用いて外力を付与し、ウエーハ10に形成された光デバイス14を個々のチップに分割する分割工程を実施する。
図示の実施形態における分割装置70は、ウエーハ10を保持する環状のフレームFを保持するフレーム保持手段76と、該フレーム保持手段76に保持された環状のフレームFに装着されたダイシングテープTを拡張するテープ拡張手段77を備えている。フレーム保持手段76は、環状のフレーム保持部材761と、該フレーム保持部材761の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ762とからなっている。フレーム保持部材761の上面は環状のフレームFを載置する載置面761aを形成しており、この載置面761a上に環状のフレームFが載置される。そして、載置面761a上に載置された環状のフレームFは、クランプ762によってフレーム保持部材761に固定される。このように構成されたフレーム保持手段76は、第2のテーブル73の上方に配設され、後述するテープ拡張手段77によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段77は、上記環状のフレーム保持部材761の内側に配設される拡張ドラム770を備えている。この拡張ドラム770は、環状のフレームFの内径より小さく該環状のフレームFに装着されたダイシングテープTに貼着されるウエーハ10の外径より大きい内径および外径を有している。図示の実施形態におけるテープ拡張手段77は、上記フレーム保持部材761を上下方向に進退可能な支持手段771を備えている。この支持手段771は、複数のエアシリンダ772からなっており、そのピストンロッド773がフレーム保持部材761の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ772からなる支持手段771は、図4の(a)にて実線で示すように環状のフレーム保持部材761を載置面761aが拡張ドラム770の上端と略同一高さとなる基準位置と、2点鎖線で示すように環状のフレーム保持部材761を載置面761aが拡張ドラム770の上端から所定量下方の拡張位置に選択的に移動させ得る。
図示の実施形態における分割装置70は概略以上のように構成されており、この分割装置70を用いて実施する分割工程およびピックアップ工程についてより具体的に説明する。
上述したウエーハ10を、ダイシングテープTを介して支持した環状のフレームFを、フレーム保持手段76を構成するフレーム保持部材761の載置面761a上に載置し、クランプ762によってフレーム保持部材761に固定する。このとき、フレーム保持部材761は図4の(a)にて実線で示す基準位置に位置付けられている。
図4の(a)にて実線で示す基準位置に位置付けられているフレーム保持部材761に、ダイシングテープTを介しウエーハ10を支持した環状のフレームFを固定したならば、テープ拡張手段77を構成する支持手段771を構成する複数のエアシリンダ772を作動して、環状のフレーム保持部材761を下降させる。従って、フレーム保持部材761の載置面761a上に固定されている環状のフレームFも下降するため、図4(a)にて2点鎖線で示すように環状のフレームFに装着されたダイシングテープTは相対的に上昇する拡張ドラム770の上端縁に当接して拡張させられる。この結果、ダイシングテープTに貼着されているウエーハ10には放射状に引張力が作用するので、図4(b)に示すように、シールドトンネル100が連続して形成された分割予定ライン12´に沿って光デバイス14が個々のチップに分割される。このようにして、分割工程が完了し、その後、ピックアップ工程に移行し、ピックアップされた個々の光デバイス14は、次工程に移送される。なお、ウエーハ10に外力を付与して個々のチップに分割する手段がこれに限定されず、一般的に知られた他の方法も採用できる。
上述した実施形態では、ウエーハをサファイア基板、透過性部材を光学ガラス基板から構成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、種々のウエーハ基板、透過性部材を選択することができる。例えば、ウエーハ基板としては、リチウムタンタレート基板、リチウムナイオベート基板から選択することができ、透過性部材としては、PET基板、アクリル基板、光学プラスチック基板、臭化ヨウ化タリウム基板、ジンクセレン基板から選択することができる。この際に重要なことは、照射されるレーザー光線LBの集光点Pが、上記透過性部材を透過させることによって伸長されるように収差が形成される部材を選択することであり、そのことにより、本願発明の解決すべき課題を解決することができる。
なお、本発明に基づき構成されるレーザー加工方法においては、少なくとも透過性部材の厚み、及びパルスレーザー光線の焦点位置を変更することにより、形成されるシールドトンネルの長さ、形成位置を変化させることができることが以下の実験の如く確認されている。
<実験1>
「透過性部材(光学ガラス基板)の厚みを変化させた場合のシールドトンネルの長さ」
<レーザー加工条件>
ウエーハ素材 :サファイア 200μm
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :2W
パルス幅 :10ps
開口数 :0.8
加工送り速度 :1000mm/秒
焦点位置 :界面から40μm
<実験結果>
透過性部材:厚み シールドトンネル長さ
:0μm(透過性部材なし) 20μm
:200μm 90μm
:300μm 110μm
:700μm 170μm
:1000μm 140μm

<実験2>
「パルスレーザー光線の焦点位置を変化させた場合のシールドトンネル長さ」
<レーザー加工条件>
透過性部材厚み :光学ガラス基板 300μm
ウエーハ素材 :サファイア 200μm
波長 :1064nm
繰り返し周波数 :100kHz
平均出力 :2W
パルス幅 :10ps
開口数 :0.8
加工送り速度 :1000mm/秒
<実験結果>
焦点位置 シールドトンネルの形成位置と長さ
:透過性部材とサファイアの界面 界面から40μm
:界面からサファイア方向に20μm 界面から80μm
:界面からサファイア方向に40μm 界面から110μm
:界面からサファイア方向に60μm サファイア内部に110μm
:界面からサファイア方向に80μm サファイア内部に110μm
:界面からサファイア方向に100μm サファイア下面から70μm
上述した実験結果から、透過性部材の厚みが700μmである場合にシールドトンネルが長くなること、収差が形成された焦点の位置が、界面を含みサファイア基板の内部に向けて40μmの位置にある場合に、シールドトンネルが長く且つ界面から良好なシールドトンネルが形成されることが確認された。そして、該実験結果を参考にしながら、上述した実施形態における実際の加工の設定を行い、良好なシールドトンネル形成工程を行うことができた。よって、ウエーハ10の基板を構成する素材や厚さ、採用する透過性部材が変更される場合は、使用するレーザー加工装置に備えられているレーザー光線照射手段のレーザー発振器に対して最適な透過性部材の厚み、焦点位置について予め実験により検証し、実際の加工に採用する透過性部材の厚さ、焦点位置を設定すればよい。
10:ウエーハ
12:分割予定ライン
14:光デバイス
16:光学ガラス基板(透過性部材)
40:レーザー加工装置
42:保持機構
43:移動手段
44:レーザー光線照射手段
45:撮像手段
70:分割装置
100:シールドトンネル
102:細孔
104:非晶質

Claims (3)

  1. ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射してウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法であって、
    ウエーハを保持する保持テーブルに該ウエーハを保持するウエーハ保持工程と、
    該ウエーハ保持工程の前、又は後で、レーザー光線の波長に対して透過性を有する透過性部材を該ウエーハの表面に敷設する敷設工程と、
    レーザー光線を該透過性部材から照射して該ウエーハの内部に細孔と該細孔を囲繞する非晶質とから構成されるシールドトンネルを分割予定ラインに沿って形成するシールドトンネル形成工程と、
    該ウエーハに外力を付して個々のチップに分割する分割工程と、
    から少なくとも構成され、
    該シールドトンネル形成工程において、レーザー光線の集光点は該透過性部材によって収差が形成されるウエーハの加工方法。
  2. 該レーザー光線の集光点を該透過性部材と該ウエーハとの界面を含む該ウエーハの内部に至る位置に位置付ける請求項1に記載のウエーハの加工方法。
  3. 該ウエーハは、サファイア基板、リチウムタンタレート基板、リチウムナイオベート基板のいずれかであり、
    該透過性部材は、光学ガラス基板、PET基板、アクリル基板、光学プラスチック基板、臭化ヨウ化タリウム基板、ジンクセレン基板のうち、少なくともいずれかを含む請求項1又は2に記載のウエーハの加工方法。
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