JP6776814B2 - 竪型粉砕機の運転方法及び竪型粉砕機 - Google Patents

竪型粉砕機の運転方法及び竪型粉砕機 Download PDF

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Description

本発明は、粉砕分野に係り、スラグ、クリンカ、石灰石、石炭、及びその他無機原料、並びに、バイオマスを含む有機原料を粉砕するに好適な竪型粉砕機の運転方法及び竪型粉砕機に関する。
従来から、石炭等を粉砕する粉砕機として竪型粉砕機(竪型ミル、或いは竪型ローラミルと称されることもある)と呼ばれる粉砕機が広く採用されている。竪型粉砕機は、被粉砕物(本明細書においては単に原料と称することもある)を効率的に微粉砕することができるという優れた特性を有している反面、原料の種類や粉砕条件によって、異常振動が発生し易いという問題点を有していた。竪型粉砕機に発生する異常振動は、様々な原因によって誘発されるために、その振動原因に応じた様々な対策を講じる必要があり、従来から数多くの異常振動防止対策が提案されている。
ここで、異常振動が発生し易いケースの1つとして、竪型粉砕機の運転開始時に異常振動が誘発され易いことが知られている。運転開始時は、回転テーブル上の原料層が安定した状態になっていないために、定常運転時の条件で竪型粉砕機を運転すると異常振動が発生し易い傾向にあった。
運転開始時の異常振動を抑える運転方法について、従来技術の多くは、運転者の経験や勘等に頼るものであるが、方法の1つとして、特許文献1に開示される従来技術も公知である。特許文献1には、運転開始時に、原料供給量や粉砕荷重等を、定常運転状態とは異なる特殊な条件に調整することによって、異常振動等を防止する技術が開示されている。
特開平11−147047号公報
特許文献1に開示された従来技術は、粉砕ローラを上方或いは側方から押さえる方式の竪型粉砕機を例として説明されており、運転中は、粉砕ローラを回転テーブル側から離間させる方向の力を制御対象としていないと推察される。そのため、粉砕ローラのローラ力の調整域に限界があり、運転開始時の運転方案に制限を受ける。
本発明は、以上、説明したような問題点に鑑みてなされたものであり、粉砕ローラによるローラ力の調整の域を広げ、竪型粉砕機の運転開始時に発生し易い異常振動を防止して原料を効率的に粉砕するに好適な竪型粉砕機の運転方法及びその装置に関する。
上記の目的を達成するため、本発明による竪型粉砕機の運転方法は、
(1) 回転テーブル上に供給した原料を粉砕ローラによって粉砕する竪型粉砕機の運転方法において、油圧シリンダに一端側が連結されて、回転軸を中心に回動することにより、他端側に支持した粉砕ローラを回転テーブルに対して近接及び離間させるスイングレバーを備えて、油圧シリンダに形成された2つのシリンダ室について、スイングレバーを介して粉砕ローラを回転テーブルから離間させる方向に油圧の力が作用するシリンダ室を第1のシリンダ室とし、粉砕ローラを回転テーブルに近接させる方向に油圧の力が作用するシリンダ室を第2のシリンダ室とし、運転開始時に、スイングレバーにより、運転中に形成される原料層の厚みより大きく回転テーブルより離間させた粉砕ローラを、原料の供給開始に合わせて徐々に下降させる際に、第1のシリンダ室の油圧を測定及び制御しながら、粉砕ローラを回転テーブルに近接させることにより、粉砕ローラによるローラ力を調整し、粉砕ローラを回転テーブル上の原料に接触させて原料を均した後、第1のシリンダ室の油圧を除圧し、第2のシリンダ室の油圧を制御することによって、原料を粉砕する。
(2) (1)に記載の竪型粉砕機の運転方法において、前記粉砕ローラを回転テーブル上の原料に接触させる際のローラ力が、粉砕ローラ部の自重により生じるローラ力より小さいことを特徴とした。
上記の目的を達成するため、本発明による竪型粉砕機は、
(3) 回転テーブル上に投入した原料を、粉砕ローラによって粉砕する竪型粉砕機において、ヘッド側とロッド側の2つのシリンダ室を有する油圧シリンダ、油圧シリンダのシリンダロッドに一端側が連結されて回転軸を中心に回動することにより他端側に支持した粉砕ローラを回転テーブルに対して近接及び離間させるスイングレバー、ヘッド側及びロッド側のシリンダ室に供給する油圧を測定する圧力センサを備えて、ヘッド側及びロッド側のシリンダ室に供給する油圧の測定及び制御することにより、ローラ力を演算し、該演算値を利用してローラ力を制御することを特徴とした。
本発明によれば、竪型粉砕機の運転開始時に発生し易い異常振動を抑制して、原料を効率良く粉砕する。
本発明の実施形態に係わり竪型粉砕機の全体構造を説明する図である。 本発明の実施形態に係わり粉砕ローラ、スイングレバー、油圧シリンダ、及び回転テーブルの配置を説明する図である 本発明の実施形態に係り粉砕ローラの制御機構を説明する概念図である。 本発明の実施形態に係り粉砕ローラの加圧動作のタイミング、及び緊張油圧の状況を示すチャートである。 本発明の実施形態に係り粉砕ローラの制御工程を説明するフロー図である。
以下、図面等に基づき本発明の好ましい実施形態の1例について詳細に説明する。
図1から図5は、本発明の実施形態に係わりその好ましい1例を示したものであって、図1は竪型粉砕機の全体構成を説明する概念図であり、図2は粉砕ローラ、スイングレバー、油圧シリンダ、及び回転テーブルの配置を説明する図である。図3は粉砕ローラの制御機構を説明する概念図であり、図4は粉砕ローラの加圧動作のタイミング、及び緊張油圧(シリンダ油圧)の状況を示すチャートである。図5は粉砕ローラの制御工程を説明するフロー図である。
以下、本実施形態に係る竪型粉砕機1の好ましい構成について説明する。
本実施形態に用いた竪型粉砕機1は、図1に示すように、外郭を形成するケーシング1B、ケーシング1A、竪型粉砕機1の下部に設置された減速機2Bと駆動モータ2Mによって駆動される回転テーブル2、及び、回転テーブル2に従動して回転するコニカル型の粉砕ローラ3等を備えている。図1に示した竪型粉砕機1は、駆動モータ2Mの駆動用電源として図示しないインバータ電源を備えており、運転中、回転テーブル2の回転速度が任意に変更可能な可変速式の竪型粉砕機1である。
本実施形態に使用した竪型粉砕機1の粉砕ローラ3は、図2(1)に示すように、回転テーブル2の上面2Aに位相を90度ずらした配置で4個が配されており、それぞれ回転テーブル2の方向に下降して押圧されるよう構成されている。そして、粉砕ローラ3は、回転テーブル2が回転することにより、回転テーブル2に対して、原料を介して従動して回転するように構成されている。本実施形態に使用した竪型粉砕機1は、所謂、補助ローラを備えない4ローラタイプの竪型粉砕機である。
また、図1に示す竪型粉砕機1の上部には、機内に原料を供給するための原料供給口35、原料供給口35から回転テーブル側に向かって延びるシュート、及び、所望の粒度となった原料を製品として取り出すための上部取出口39等が配されている。
竪型粉砕機1の内部には、回転テーブル2の上方に形状が略逆円錐型の内部コーン19が配されており、内部コーン19の上部には固定式の一次分級機14が配されている。また、内部コーン19の上方で一次分級機14の内側に回転式の分級羽根を備えた回転式分級機13が配されている。回転式分級機13が備えた回転式の羽根は、竪型粉砕機1の上部に設置された図示しない駆動モータにより駆動されて、自在に回転する構成となっている。
竪型粉砕機1の下部には、回転テーブル2の下方からガスを導入するためのガス供給口33と、機内に投入された極端に大きな重量の原料を取り出すための下部取出口34とを備えている。図1に示した竪型粉砕機1は、ガス供給口33より機内にガス(本実施形態においては空気)を導入すると、ガスの気流が、回転テーブル2の下方から上方に向かって流れて、一次分級機14及び回転式分級機13を通過し、上部取出口39へと流れる構成となっている。
図1に示す竪型粉砕機1は前述の構成によって、原料供給口35から供給された原料を、粉砕ローラ3と回転テーブル2の間で粉砕する。そして、粉砕後の原料等は、ガス供給口33から機内に導入したガスにより吹き上げられて、回転式分級機13等により分級された後、上部取出口39からガスと共に取り出される構成となっている。
以下、粉砕ローラ3とスイングレバー3Aの構成及び配置等について説明する。
図2(2)に示すように、本実施形態による粉砕ローラ3は、スイングレバー3Aの上端側の一端に、粉砕ローラ3の周方向に回転自在な状態で支持されて取り付けられている。粉砕ローラ3が取り付けられたスイングレバー3Aは、下部ケーシング1Aに対して回転軸3Cを中心として回動自在に軸支されている。また、スイングレバー3Aの下端側の一端には、後述する油圧シリンダ5のシリンダロッド5Rが回動自在な状態で連結されて取り付けられている。
図3に油圧シリンダ5による粉砕ローラ3の制御機構を示す。
スイングレバー3Aを回動させる油圧シリンダ5には、シリンダロッド5Rとシリンダヘッド5Hが配されており、油圧シリンダ5のケーシング内に、ロッド側シリンダ室R、及び、ヘッド側シリンダ室Hの2つのシリンダ室を形成している。
そして、油圧シリンダ5のヘッド側シリンダH側のケーシング下部に配したリング状の下部連結部が、基盤に固定された台座に回動自在な状態で支持されて取り付けられているとともに、シリンダロッド5Rの上端がリング状の上部連結部を介して、スイングレバー3Aの下方に回動自在な状態で支持されて取り付けられた構造となっている。
なお、図3に示す本実施形態においては、ヘッド側シリンダ室Hを、第1のシリンダ室とし、第1シリンダ室H内に油圧を供給して昇圧すると、スイングレバー3Aを介して粉砕ローラ3を回転テーブル2から離間させる方向に油圧の力が作用する。
また、ロッド側シリンダ室Rを第2のシリンダ室とし、第2シリンダ室R内に油圧を供給して昇圧すると、スイングレバー3Aを介して粉砕ローラ3を回転テーブル2に近接させる方向に油圧の力が作用する。
本実施形態においては、前述したように、それぞれの連結部を介して、ヘッド側シリンダ室H側のケーシング下部を台座、又、シリンダロッド5Rをスイングレバー3Aの下側の一端に取り付けて支持する構成とした。この構成は、シリンダロッド5Rの移動による油圧シリンダ5の伸長状態の変化に対して、油圧シリンダ5のケーシング位置が影響を受けにくいという特徴があり、油圧シリンダ5に接続する油圧ラインの配管が比較的簡単にできるという利点がある。
しかし、本発明に適応できる油圧シリンダ5の取り付け方法はこれに限らず、油圧シリンダ5のシリンダロッド5R側を固定された台座に取り付けるとともに、ヘッド側シリンダ室H側のケーシング下部をスイングレバー3Aの下方側に取り付けて支持することも可能である。
油圧ユニット100について以下簡単に説明する。
油圧シリンダ5に形成された第1及び第2の2つのシリンダ室には、油圧ユニット100から2本の油圧ラインで油圧が供給されるように接続されている。
図3に油圧ユニット100の構成を示す。油圧ユニット100は、ポンプP、電磁切替弁E1、比例電磁式のリリーフ弁E2及びE3等から構成されている。
なお、図3に示した油圧ユニット100は説明を簡潔にするため簡略化されている。
したがって、油圧ユニット100の構成が、図3に示した実施形態に限らないことは勿論であって、前述した2つのシリンダ室に対して、油圧を供給して所望の圧力に制御できる構成であれば良く、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で変更が可能である。
本実施形態においては、油圧ユニット100から供給される2本の油圧ラインに、それぞれヘッド側油圧センサP1とロッド側油圧センサP2が接続されて配されており、ヘッド側油圧センサP1がヘッド側シリンダ室Hの油圧を測定し、ロッド側油圧センサP2がロッド側シリンダ室Rの油圧を測定する構成となっている。
また、図3に示す本実施形態においては、ロッド側シリンダ室Rに接続する油圧ラインの途中にアキュムレータACが配設されている。竪型粉砕機1の定常運転時においては、電磁切替弁E1とロッド側シリンダ室Rの間で、粉砕ローラ3により原料を粉砕するに必要な油圧をアキュムレータAC内に畜圧することによって、運転に必要なエネルギーの省力化をすることができる。
また、アキュムレータACがあれば、運転中に原料層の状態が何らかの原因により変化し、粉砕ローラ3が不意に揺動して上側に持ち上げられた際においても、油圧ライン内の油圧が急激に上昇するのを防止することができる。したがって、装置の保護を図れるという観点で有用である。
以上説明したように、本実施形態では、油圧ユニット100から油圧シリンダ5に流れる作動油の圧力、即ち、油圧を、昇圧或いは減圧すること等によって、油圧シリンダ5に配したシリンダロッド5Rを、そのケーシングから突出又引込動作させる。
そして、シリンダロッド5Rの突出又引込動作によって、スイングレバー3Aを揺動させて、回転軸3Cを回転軸として回動させることにより、スイングレバーの3Aの上端側一端に取り付けられた粉砕ローラ3を、回転テーブル2に近接又離間させる。
粉砕ローラ3が回転テーブル2側に押しつけられる力を、ローラ力Faとした場合に、ローラ力Faは、以下の数式1で算出することが可能である。
Fa=Fw+Fp=Fw+α×(Sr×Pr−Sh×Ph)・・・数式1
Fa:ローラ力
Fw:ローラ部の自重によるローラ力(一部スイングレバーの自重含む)
Fp:油圧シリンダによるローラ力
Ph:シリンダヘッド側油圧(ヘッド側油圧)
Sh:シリンダヘッド側面積(へッド側面積)
Pr:シリンダロッド側油圧(ロッド側油圧)
Sr:シリンダロッド側面積(ロッド側面積)
α :スイングレバーによるレバー批(レバー比)
スイングレバー3Aに油圧シリンダ5を取り付けない場合を仮定すると、粉砕ローラ3は、粉砕ローラ部(粉砕ローラ3及びスイングレバー3Aの一部)の自重による力のみによって下降して回転テーブル側に移動する。その際におけるローラ力がFwとなる。
粉砕ローラ部の自重に含まれるスイングレバー3Aの一部重量は、スイングレバー3Aの形状によって異なる。通常、回転軸3Cより粉砕ローラ3側部分にあるスイングレバー3A部分の重量や重心位置等を計算すること等により算出が可能である。また、運転停止中に、油圧シリンダ5内の油圧を完全に零にした状態で、粉砕ローラ3下に圧力センサ等を配することによりローラ力Fwを実測することも可能である。
以下、本実施形態に係わる竪型粉砕機1の運転開始時における運転方法について、その好ましい1例を説明する。図4又図5に運転方法における参考図を示す。
本実施形態による竪型粉砕機1の運転方法は、竪型粉砕機1の運転開始前に、図示しない制御装置に対して、ロッド側シリンダ室R、及び、ヘッド側シリンダ室Hに供給する油圧の制御に関して、原料供給開始時から計時開始するタイマを基準とし、圧力、流量、又変更時間等の条件値を設定する。
具体的には、運転開始前の時点で、粉砕ローラ3を、スイングレバー3Aにより、回転テーブル2より大きく離して上方に持ち上げておくように条件設定し、少なくとも運転中に形成される原料層の厚みより大きく回転テーブルより離間させた状態に位置させる。
その際に、油圧シリンダ5に油圧を供給する油圧ユニット100は、電磁切替弁E1がニュートラルの状態で2つの油圧ラインを共にブロックすることにより、油圧シリンダ5への油圧の供給及び排出を停止して、スイングレバー3Aの位置を前述した回転テーブルより大きく離れた位置で保持させる。
運転開始の際には、竪型粉砕機1の機内に、ガス導入口33からガスの導入を開始するとともに、回転式分級機13を図示しないモータで駆動して回転開始させる。そして、停止している竪型粉砕機1の下部に設置された駆動モータ2Mを起動して回転テーブル2の回転を開始させて、回転テーブル2の回転数が定常運転速度になった時点で、原料投入口35から機内に原料を供給する。
竪型粉砕機1の原料投入口35に投入された原料(本実施形態においては被粉砕物であるスラグ)は、原料投入シュートを介して回転テーブル2の中央付近に投入されて、渦巻き状の軌跡を描きながら、回転テーブル2の外周側に移動する。
本実施形態においては、原料供給開始にあわせて、油圧ユニット100に配した電磁切替弁E1をニュートラルのポジションの状態から切り替えてA側のポジションにシフトさせる(図4のt0)。油圧ユニット100は、電磁切替弁E1をA側のポジションにシフトさせることにより、ポンプPからの油圧をロッド側シリンダ室Rに供給するとともに、ヘッド側シリンダ室Hから排出される油圧をタンクTへと導くよう構成する。
なお、電磁切替弁E1をニュートラルの状態からA側のポジションにシフトさせて切り替える際においては、リリーフ弁E2のリリーフ圧力をPrx1(MPa)に設定し、リリーフ弁E3のリリーフ圧力をPhxとして設定する。
即ち、ポンプPの圧力、リリーフ弁E2及びリリーフ弁E3のリリーフ圧力等を制御することによって、ヘッド側シリンダ室H及びロッド側シリンダ室Rがスイングレバー3Aに与える力を調整する。本実施形態においては、スイングレバー3Aが粉砕ローラ3を回動させる力と、粉砕ローラ部の自重Fwがバランスした状態とし、ローラ力Faが略0となるように調整することによって、粉砕ローラ3が極めて小さい力で下方に移動するように制御する。
前述の状態で粉砕ローラ3は徐々に下降して、回転テーブル2に近接し、回転テーブル2上の原料層に接触する(図4のt1)。
粉砕ローラ3が原料に接触した時のローラ力Faは、ヘッド側シリンダ室H、及びロッド側シリンダ室Rの圧力状態で決定される。前述したように本実施形態では、粉砕ローラ3が原料に接触するまで、極めて小さいローラ力Faで下方に移動するように調整しているので、ローラ力Faが、接触時に大きく圧力上昇することはない。
ここで、本願発明者らは、鋭意検討の結果、運転開始時において一定時間(図4のt1からt2)の間、ローラ力Faを監視ししながら、小さなローラ力Fa1で回転テーブル2上の原料層を平坦に均すことにより異常振動を抑制できることを知見した。
なお、図4(1)の例では、粉砕ローラ3が原料層に接触した以降に、粉砕ローラ3が一定の速度で下降して原料層を平坦に均すようにするために、粉砕ローラ3が原料層に接触した以降、ローラ力Fa1まで一定の上昇勾配で徐々にローラ力Faを大きくするように構成している。
なお、運転開始時においては、回転テーブル2上の原料層の厚みが一定になっておらず、まだ全体的に薄い原料層しか形成されていない、或いは、局部的に薄い原料層部分がある等の可能性がある。また、回転テーブル2上に原料が残っていた状態で停止させた竪型粉砕機1を再運転開始する際には、局部的に厚い原料層部分がある等のケースもある。
そのような状態の原料層に対して、大きなローラ力Faを負荷すれば、原料層厚みとローラ力Faのバランスが崩れて振動が発生し易くなる。
本実施形態は、運転開始時に、極めて小さなローラ力Faを使用することによって、まだ薄い原料層に対して大きなローラ力が負荷されるのを防止し、また回転テーブル2上の原料層を均すことによって、局部的に薄い或いは厚い部分がある等の不均一状態も解消する。そして、回転テーブル2上に均一で十分な厚みの原料層を形成してから後、大きなローラ力Fa2で原料の粉砕を開始するので異常振動の発生が抑制される。
なお、原料を粉砕する際に必要十分なローラ力をローラ力Fa2とした場合において、従来技術による竪型粉砕機1の運転方法はローラ力Fa2で運転開始するケースが多い。
その場合には、ローラ力Fa2の負荷と同時に、粉砕ローラ3が急激に下降し、粉砕ローラ3が原料層に到達した時点で、急激にローラ圧力が上昇して一気に原料の粉砕を開始するといった現象が生じて、異常振動を誘発する可能性があった。
また、油圧シリンダを使用して粉砕ローラを回転テーブルから持ち上げる従来型の竪型粉砕機において、油圧シリンダに供給又排出する油の流量を絞って、粉砕ローラの下降速度を調整するタイプの機種がある。しかし、油圧の調整方法は、運転者の経験と勘に頼るものであって、本実施形態のように油圧シリンダから排出する油圧をセンサで測定して、適正な圧力に制御するものではない。
前述したように、本実施形態においては、運転開始時に粉砕ローラ3を下降させる際に、定常運転時に使用する原料を粉砕する際に必要十分なローラ力Fa2を使用せず、ヘッド側シリンダ室Hに所定の油圧を生じさせてローラ力Faを軽減する。その結果、極めて小さなローラ力Faにより、粉砕ローラ3を回転テーブル2上の原料に接触させることが可能であり、原料層を均した状態としてから後、原料の粉砕を開始するので、運転開始時に発生し易い異常振動を抑制することが可能になる。
前述の特許文献1では、原料層を粉砕開始する際において、定常運転時に使用するローラ力を採用しない。しかし、特許文献1に開示された技術においても、上方又は側方から粉砕ローラを押す構成となっているから、運転開始時におけるローラ力Faを小さくすることには限界があり、例えば、粉砕ローラの自重であるFwより小さくすることは構造上不可能である。
なお、前述の工程を詳しく説明すれば、運転開始時(図4のt0)において油圧ユニット100により、電磁切替弁E1を切り替えてポンプPがロッド側シリンダ室Rに繋がるようにし、リリーフ弁E2をPrx1(MPa)の圧力設定にするとともに、リリーフ弁E3をPhx(MPa)として、ローラ力Faが略0となるように調整することによって、極めて小さい力により粉砕ローラ3を下降させる。本実施形態では、ヘッド側シリンダ室Hの油圧を外部へ排出する油圧ラインに、図3に示したヘッド側油圧センサP1とリリーフ弁E3が配されているので、粉砕ローラ3によるローラ力を、粉砕ローラ部の自重により生じるローラ力Fwより小さいローラ力Faに調整することが可能である。
即ち、リリーフ弁E3を圧力Phx(MPa)、リリーフ弁E2をPrx1(MPa)の圧力設定として、電磁切替弁E1を切り替えると、粉砕ローラ3が下降を開始する。その際に、ヘッド側シリンダ室HからタンクTに流れる油をリリーフ弁E3により絞ることで圧力Phxまで上昇させることによって、粉砕ローラ3の自重により発生するローラ力Fw等を緩和して、粉砕ローラ3が下降し始める際のローラ力を、極めて小さなローラ力Faに制御することが可能である。そして、粉砕ローラ3は徐々に下降して、回転テーブル2に近接し、回転テーブル2上の原料層に接触する。
その結果、本実施形態であれば、粉砕ローラ3が原料層に到達しても、ロッド側シリンダ室Rの圧力が急激に上昇することなく、原料層と接触する。
そして、粉砕ローラ3が原料に接触した以降は、リリーフ弁E2の設定圧力がPrx2(MPa)になるまで一定の上昇勾配で徐々に大きくして、ローラ力Faを少しづつ大きくすることにより、原料層を徐々に平坦にして均すという作用効果を奏する。
ここで、前述したローラ力Faの圧力上昇勾配は、粉砕ローラ3が一定速度で下降するように調整することが好ましい。本実施形態においては、ローラ力Faを少しづつ大きくすることにより、粉砕ローラ3が、できる限り一定に近い速度で下降するように調整した。しかし、粉砕ローラ3をできる限り一定に近い速度で下降させる方法はこれに限らず、他の方法であっても良く、例えば、粉砕ローラ3の下降速度をスイングレバー3Aに取り付けたセンサ等で測定し、一定速度になるようにして、リリーフ弁E2の設定圧力を調整する、或いは、リリーフ弁E3から排出される油量を調整する等の方法は、好ましい形態である。
なお、粉砕ローラ3を下降させるに最低限必要な原料層の厚みが確保される時間については、回転テーブル2上に載っている原料の状態によって異なる。そのため、均す時間(図4のt1〜t2)は、起動時の状況(原料供給量、回転テーブル速度、原料の種類)に応じて調整をすることが好ましい。
また、本実施形態では、好ましい例の1つとして、リリーフ弁E2の設定圧力を徐々に大きくすることにより、ローラ力Faを少しづつ大きくして原料層を均す例を説明した。
しかし、例えば、粉砕ローラ3が原料に接触した時点で、リリーフ弁E2の設定圧力を一気にPrx2(MPa)まで大きくして原料層を均す形態であっても、粉砕開始前に原料層を均すという点で一定の効果が期待できる。
原料層の均しが完了した時点(図4のt2)で、リリーフ弁E3及びリリーフ弁E2に信号を送り、リリーフ弁E3を0(MPa)の圧力設定として除圧するとともに、リリーフ弁E2を定常運転時の圧力Prx2で維持する。
その結果、粉砕ローラ部の自重Fwに加えて、ロッド側シリンダ室Rの油圧がスイングレバー3Aを介して粉砕ローラ3を回転テーブル2に近接させる方向に作用して、強力なローラ力Fa2となり、原料層を圧縮(強)し、粉砕ローラ3による原料の効率的な粉砕を開始する。
なお、ローラ力をFa2に上昇させる際には、圧力上昇の勾配が急激になることを避けるために緩やかな勾配を描いて上昇するように設定することが好ましい。本実施形態においては、上昇するまでの時間(図4のt2〜t3)を設定し、緩やかな勾配を持たせて制御した。
竪型粉砕機1の運転中においては、竪型粉砕機1の原料投入口35に投入された原料は。原料投入シュートを介して回転テーブル2の中央付近に投入されて、渦巻き状の軌跡を描きながら、回転テーブル2の外周側に移動する。そして、回転テーブル2上に投入された原料は、回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれ粉砕される。回転テーブル2と粉砕ローラ3に噛み込まれて粉砕された原料は、回転テーブル2の外縁部に周設されたダムリング15を乗り越えて、回転テーブル2の上面2Aの外周部とケーシングとの隙間である環状通路30(環状空間部30と称することもある)へと向かう。
環状通路30に達した原料は、前記ガスにより吹き上げられてケーシング内を上昇し、一次分級機14方向に流れるが、径が大きく重量の大きな原料は一次分級機14或いは回転式分級機13まで到達できずに落下して、回転テーブル2上で再度粉砕される。
また、極端に重量が大きな原料は竪型粉砕機1の下部にある下部取出口34より機外に排出される。一方、回転式分級機13を通過した径の小さな原料は、上部取出口39から製品として取り出される。
竪型粉砕機1の運転を停止する際においては、図3に示す油圧ユニット100により、電磁切替弁E1を切り替えてB側のポジションにシフトさせてポンプPがヘッド側シリンダ室Hに繋がるようにし、リリーフ弁E2の圧力設定を変更して、粉砕ローラ3が上昇できる油圧とする。また、この際には、ロッド側シリンダ室Rの油圧を外部へ排出する油圧ラインについて、リリーフ弁E3を0(MPa)の圧力設定として除圧し、粉砕ローラ3の上昇を阻害しないようにする。
以上のように本願発明に係わる竪型粉砕機の運転方法及びその装置は、運転と停止を繰りかす竪型粉砕機に特に好適に使用できる。
1 竪型粉砕機
2 回転テーブル
3 粉砕ローラ
3A スイングレバー
3C 回転軸
5 油圧シリンダ
5H シリンダヘッド
5R シリンダロッド
13 回転式分級機
14 一次分級機
15 ダムリング
19 内部コーン
35 原料投入口
39 上部取出口
100 油圧ユニット
E1 電磁切替弁
E2 リリーフ弁(比例電磁式)
E3 リリーフ弁(比例電磁式)
P1 ヘッド側油圧センサ
P2 ロッド側油圧センサ
H ヘッド側シリンダ室
R ロッド側シリンダ室
T タンク

Claims (3)

  1. 回転テーブル上に供給した原料を粉砕ローラによって粉砕する竪型粉砕機の運転方法において、
    油圧シリンダに一端側が連結されて、回転軸を中心に回動することにより、他端側に支持した粉砕ローラを回転テーブルに対して近接及び離間させるスイングレバーを備えて、 油圧シリンダに形成された2つのシリンダ室について、スイングレバーを介して粉砕ローラを回転テーブルから離間させる方向に油圧の力が作用するシリンダ室を第1のシリンダ室とし、粉砕ローラを回転テーブルに近接させる方向に油圧の力が作用するシリンダ室を第2のシリンダ室とし、
    運転開始時に、スイングレバーにより、運転中に形成される原料層の厚みより大きく回転テーブルより離間させた粉砕ローラを、原料の供給開始に合わせて徐々に下降させる際に、
    第1のシリンダ室の油圧を測定及び制御しながら、粉砕ローラを回転テーブルに近接させることにより、粉砕ローラによるローラ力を調整し、粉砕ローラを回転テーブル上の原料に接触させて原料を均した後、
    第1のシリンダ室の油圧を除圧し、第2のシリンダ室の油圧を制御することによって、原料を粉砕する竪型粉砕機の運転方法。
  2. 前記粉砕ローラを回転テーブル上の原料に接触させる際のローラ力が、粉砕ローラ部の自重により生じるローラ力より小さいことを特徴とした請求項1に記載の竪型粉砕機の運転方法。
  3. 回転テーブル上に投入した原料を、粉砕ローラによって粉砕する竪型粉砕機において、
    ヘッド側とロッド側の2つのシリンダ室を有する油圧シリンダ、油圧シリンダのシリンダロッドに一端側が連結されて回転軸を中心に回動することにより他端側に支持した粉砕ローラを回転テーブルに対して近接及び離間させるスイングレバー、ヘッド側及びロッド側のシリンダ室に供給する油圧を測定する圧力センサを備えて、
    ヘッド側及びロッド側のシリンダ室に供給する油圧の測定及び制御することにより、ローラ力を演算し、該演算値を利用してローラ力を制御することを特徴とした竪型粉砕機。
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