JP6776762B2 - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素(以下、SiCという)で構成される半導体素子に形成される電極のオーミック接触を実現することができるSiC半導体装置およびその製造方法に関するものである。
従来からパワーデバイスとして用いられている半導体デバイスとしては、半導体材料としてSi(シリコン)を用いたものが主流である。一方、Siよりもバンドギャップが広い半導体(以下、ワイドギャップ半導体とする)であるSiCは、Siと比較して熱伝導度が3倍、最大電界強度が10倍、電子のドリフト速度が2倍という物性値を有している。このため、絶縁破壊電圧が高く低損失で高温動作可能なパワーデバイスとして、近年、SiCを応用する研究がなされている。
パワーデバイスの構造は、裏面側に低抵抗なオーミック電極を備えた配線用電極を有する縦型の半導体デバイスが主流である。この縦型の半導体デバイスの配線用電極には、様々な材料および構造が用いられており、SiCデバイスにおける配線用電極として、シリサイド層の表面にTi(チタン)層を介して、Ni(ニッケル)層およびAu(金)層もしくはAg(銀)層などの積層体を成膜した構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−86999号公報
SiC上にNiシリサイド等で構成されるシリサイド層を形成する際に、充分に低いオーミックを確保するには高温熱処理が必要である。その反面、SiCにおいてオーミックを得るために必要な高温熱処理をSiC基板の全体に対して行うとSiC基板に形成したデバイスへの影響が懸念される。このため、レーザアニールを用いた局所的な高温熱処理によってシリサイド層を形成し、デバイスへの影響を抑制することが必要となる。
ここで、配線用電極については、高温熱処理後に形成することになるが、Tiなどで構成される配線用電極とNiシリサイド等で構成されるシリサイド層とは接触しているものの反応性に乏しい。このため、シリサイド層と配線用電極との密着性が確保できず、シリサイド層からの配線用電極の剥がれを引き起こす要因となる。
本発明は上記点に鑑みて、シリサイド層と配線用電極との間の密着性を確保することができるSiC半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のSiC半導体装置において、オーミック電極(11)は、半導体基板(1)の一面側に形成された金属シリサイドにて構成されるシリサイド層(11b)と、シリサイド層の上に形成され、シリサイド層との界面において該シリサイド層と合金化された金属によって構成された接合金属層(11c)と、接合金属層を介してシリサイド層の上に形成された配線用電極(11d)と、を有して構成され、配線用電極のうち最も接合金属層側に配置された材料がTiであり、接合金属層はSiを含有しており、該接合金属層中におけるSi含有比率がシリサイド層中におけるSi含有比率より小さくなっている
このように、シリサイド層と配線用電極との間に、シリサイド層と合金化する金属によって構成された接合金属層を備え、接合金属層とシリサイド層とが合金化するようにしている。これにより、接合金属層を介してシリサイド層と配線用電極との密着性を高めることができる。そして、シリサイド層と配線用電極との密着性を高めることができるので、配線用電極がシリサイド層から剥がれることを抑制することが可能となる。
請求項に記載のSiC半導体装置の製造方法では、半導体基板(1)の一面にSiC中のCと反応してカーバイドを形成する第1金属薄膜(50a)を形成することと、第1金属膜の上に、SiC中のSiと反応してシリサイドを形成する第2金属薄膜(50b)を形成することと、第1金属膜および第2金属膜に対してレーザ光(60)を照射してレーザアニールを行うことで、金属カーバイドにて構成されるカーバイド層(11a)を形成すると共にカーバイド層と接する金属シリサイドにて構成されるシリサイド層(11b)とを形成することと、シリサイド層の上に、該シリサイド層と合金化された金属によって構成された接合金属層(11c)を形成することと、接合金属層を介してシリサイド層の上に配線用電極(11d)を形成することと、を含んでいる。そして、接合金属層を形成することでは、シリサイド層との界面において接合金属層を構成する金属をシリサイド層と合金化させることで、Siが含有させられると共にSi含有比率がシリサイド層中におけるSi含有比率より小さい接合金属層を形成し、配線用電極を形成することでは、配線用電極のうち最も接合金属層側に配置される材料をTiとする
このように、レーザアニールによってカーバイド層およびシリサイド層を形成する場合において、シリサイド層と配線用電極との間に、シリサイド層と合金化する金属によって構成された接合金属層を備えるようにしている。これにより、接合金属層を介してシリサイド層と配線用電極との密着性を高めることができる。そして、シリサイド層と配線用電極との密着性を高めることができるので、配線用電極がシリサイド層から剥がれることを抑制することが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかるSiC半導体装置の断面図である。 ドレイン電極の製造工程を示した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態にかかるSiC半導体装置について説明する。本実施形態では、縦型の半導体素子としてのプレーナ型の縦型パワーMOSFETを備えるSiC半導体装置について説明する。本SiC半導体装置は、例えばインバータに適用すると好適なものである。
縦型パワーMOSFETは、n+型SiC基板1を用いて形成されている。n+型SiC基板1は、上面を主表面1aとし、主表面1aの反対面である下面を裏面1bとしており、単結晶SiCからなるものである。例えば、n+型SiC基板1として、厚さが350μm、不純物濃度が1×1018cm-3のものを用いている。
+型SiC基板1の主表面1a上には、n+型SiC基板1よりも低いドーパント濃度を有するSiCにて構成されたn-型エピタキシャル層(以下、n-型エピ層という)2が積層されている。
-型エピ層2の表層部における所定領域には、所定深さを有するp-型ベース領域3a、3bが互いに離れて形成されている。また、p-型ベース領域3a、3bには、一部厚さが厚くなったディープベース層30a、30bが備えられている。このディープベース層30a、30bは、後述するn+型ソース領域4a、4bに重ならない部分に形成されている。そして、p-型ベース領域3a、3bのうちディープベース層30a、30bが形成された厚みの厚くなった部分が、ディープベース層30a、30bが形成されていない厚みの薄い部分よりも不純物濃度が濃くなっている。このようなディープベース層30a、30bを形成することによって、n+型SiC基板1とディープベース層30a、30bとの間の電界強度を高くすることができ、この位置でアバランシェブレークダウンさせ易くすることができる。
-型ベース領域3aの表層部における所定領域には、当該p-型ベース領域3aよりも浅いn+型ソース領域4aが形成されている。また、p-型ベース領域3bの表層部における所定領域には、当該p-型ベース領域3bよりも浅いn+型ソース領域4bが形成されている。
さらに、n+型ソース領域4aとn+型ソース領域4bとの間におけるn-型エピ層2およびp-型ベース領域3a、3bの表面部にはn-型層5aおよびn+型層5bからなるn型SiC層5が延設されている。つまり、p-型ベース領域3a、3bの表面部においてソース領域4a、4bとn-型エピ層2とを繋ぐようにn型SiC層5が配置されている。このn型SiC層5は、デバイスの動作時にデバイス表面においてチャネル形成層として機能する。以下、n型SiC層5を表面チャネル層という。
表面チャネル層5は、例えばn-型エピ層2およびp-型ベース領域3a、3bの表面部にn型不純物をイオン注入することで形成されている。表面チャネル層5のうちp-型ベース領域3a、3bの上部に配置されたn-型層5aのドーパント濃度は、n-型エピ層2およびp-型ベース領域3a、3bのドーパント濃度以下、例えば1×1015〜1×1017cm-3程度の低濃度となっている。また、n-型エピ層2の表面部に形成されたn+型層5bのドーパント濃度は、n-型エピ層2よりも高濃度とされている。これにより、低オン抵抗化が図られている。
また、p-型ベース領域3a、3b、n+型ソース領域4a、4bの表面部には凹部6a、6bが形成されており、凹部6a、6bの底部からp-型ベース領域3a、3bが露出させられている。
表面チャネル層5の上面およびn+型ソース領域4a、4bの上面にはシリコン酸化膜などで構成されるゲート絶縁膜7が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜7の上にはゲート電極8が形成されており、ゲート電極8はシリコン酸化膜などで構成される絶縁膜9にて覆われている。また、絶縁膜9の上には、表面電極に相当するソース電極10が形成されている。このソース電極10は、絶縁膜9に形成されたコンタクトホールおよび上述した凹部6a、6bを通じて、n+型ソース領域4a、4bおよびp-型ベース領域3a、3bと接している。
そして、n+型基板1の裏面1bに、ドレイン電極11が形成されている。本実施形態の場合、ドレイン電極11はオーミック電極とされており、後述する図2(d)に示すように、カーバイド層11a、シリサイド層11b、接合金属層11cおよび配線用電極11dの積層構造によって構成されている。
カーバイド層11aは、SiC中のCと結合することで形成された金属カーバイドによって構成されている。例えば、カーバイド層11aは、カーバイド化する第1金属であるMo(モリブデン)、Ti、Nb(ニオブ)、W(タングステン)、Ta(タンタル)等のカーバイドによって構成されている。カーバイド層11aの厚みは任意であるが、10nm以上、例えば70nmとなっている。カーバイド層11aについては、後述するシリサイド層11bを形成する際に必然的に残るCを捕捉するためのものであり、すべてがカーバイド化している必要はなく、第1金属のままの状態で残っている部分があっても良い。
シリサイド層11bは、SiC中のSiと結合することで形成された金属シリサイドによって構成されており、SiCとオーミックを得るための層である。例えば、シリサイド層11bは、シリサイド化する第2金属であるNi、Co(コバルト)等によって構成されている。シリサイド層11bの厚みについても任意であるが、10nm以上、例えば100nmとなっている。シリサイド層11bについては、少なくともSiCとの界面においてシリサイド化したものであれば良く、SiCと反対側の面において第2金属のままのものが残っていても良い。
なお、ここではカーバイド層11aとシリサイド層11bとを積層構造として図示してあるが、必ずしも積層構造である必要はない。すなわち、カーバイド層11aがシリサイド層11b中に入り込んでいる構造であっても、シリサイド層11bとSiCとの界面もしくはシリサイド層11b中に点在している構造とされていても良い。カーバイド層11aについては、接触抵抗の増加を招くことから、シリサイド層11bとSiCとの界面に存在していても薄くなっていることが好ましく、分断されて点在している構造とされているとより好ましい。さらに、カーバイド層11aが分断されて点在しつつ、SiCから離れるように存在しているとシリサイド層11bとSiCとの接触面積が増えることから、更に良好なオーミック特性を得ることが可能となる。
また、カーバイド層11aを形成しなくても、シリサイド層11bを形成することでオーミックを得ることは可能である。しかしながら、SiC中のCによってカーバイド層11aが構成されないようにするとカーボン層が形成されることになり、繋がったカーボン層からシリサイド層11bやSiCが剥離が生じ得る。このため、カーバイド層11aを構成しつつ、カーバイド層11aが薄くされること、もしくは点在した構造とされることが好ましい。
接合金属層11cは、シリサイド層11bと合金層を構成する第3金属によって構成されており、例えばNi、Al(アルミニウム)、Al−Siなどによって構成されている。接合金属層11cは、シリサイド層11bとの界面において合金化されている。具体的には、接合金属層11cは、シリサイド層11bからSiを取り込んでシリサイド合金層となっている。接合金属層11c中におけるSi含有比率はシリサイド層11b中におけるSi含有比率と比較して小さくなっている。例えば、シリサイド層11bに使用される第2金属や接合金属層11cに使用される第3金属を共にNiとした場合、前者がNi:Si=1:1〜1:2程度、後者がNi:Si=2:1程度となっている。
なお、接合金属層11cは、すべてがSiを取り込んだシリサイド合金層とされている必要はない。接合金属層11c中のSi含有比率についても、接合金属層11c中の全域においてSi含有比率が均一であっても良いが、全域において均一である必要はない。特に、接合金属層11cにおけるSi含有比率がシリサイド層11b側において高く、配線用電極11d側に向かうほど少なくなっていると良い。接合金属層11cと配線用電極11dとの間の密着性が配線用電極11d側においてSi含有比率が高くなっていると低下することが懸念されるが、配線用電極11d側においてSi含有比率が低くなることでこれらの間の密着性を高くすることが可能となる。
配線用電極11dは、外部接続が行われるパッド部などを構成するための金属によって構成されており、例えばTi/Ni/Auなどの積層構造によって構成されている。最も接合金属層11c側に配置されるTiについては、上記したように接合金属層11c中のSi含有比率が低くなっていることから、接合金属層11cを構成する第3金属と高い密着性を有して接合されている。従来のように、シリサイド層と接するように配線用電極を形成している構造においては、Si含有比率の大きなシリサイド層と配線用電極との密着性が乏しく、これらの間に剥離が生じる可能性があった。しかしながら、本実施形態のように接合金属層11cを備え、接合金属層11cのSi含有比率が低くなっていることから、接合金属層11cと配線用電極11dとの間の密着性を高めることが可能となり、これらの間の剥離を抑制することが可能となる。
以上のような構成により、本実施形態にかかる縦型パワーMOSFETを有するSiC半導体装置が構成されている。 次に、図1に示す縦型パワーMOSFETの製造方法について説明する。ただし、本実施形態にかかる縦型パワーMOSFETの基本的な製造方法に関しては従来と同様であるため、従来と異なるドレイン電極11の形成方法についてのみ説明する。
図2は、図1に示した縦型パワーMOSFETにおけるドレイン電極11の製造工程を示した図であが、簡略化のため縦型パワーMOSFETの素子構造については図示を省略してある。
まず、n+型基板1の表面側に図1に示したデバイスを構成する各要素を形成した試料、すなわちドレイン電極11を除くソース電極10まで形成したものを用意する。
そして、図2(a)に示す工程を行う。具体的には、n+型基板1を裏面からの研削等によって薄膜化し、n+型基板1の厚さを350μmとする。そして、n+型基板1の主表面1a側に図示しないソース電極10を覆う保護膜40を形成する。保護膜40は、n+型基板1に形成された表面電極、すなわちソース電極10等を保護するものであり、例えばポリイミド等の樹脂材料で構成される。
この保護膜40により、n+型基板1の表面側を保護したのち、さらに金属薄膜形成工程として、n+型基板1の裏面1bにカーバイドを生成する第1金属を例えば10nm以上の膜厚で形成することで第1金属薄膜50aを形成する。例えば、真空蒸着装置を用いて、Moを蒸着により70nmの厚さで成膜することで第1金属薄膜50aを形成する。また、第1金属薄膜50aの上に、第2金属を例えば10nm以上の膜厚で形成することで第2金属薄膜50bを形成する。例えば、真空蒸着装置を用いて、Niを蒸着により100nmの厚さで成膜することで第2金属薄膜50bを形成する。
次に、図2(b)に示す工程では、アニール工程として、大気中において第1金属薄膜50aおよび第2金属薄膜50bにレーザ光60の照射によるレーザアニールを行う。具体的には、基本波長1064nmのLD励起固体レーザを用い、波長変換アダプタにて波長355nmの3倍波を生成し、波長355nmのレーザ光60をn+型基板1の裏面1b上で走査する。これにより、第1金属薄膜50aおよび第2金属薄膜50bに対してレーザ光60を照射する。このとき、スキャニング、もしくは、マスキングにより第1金属薄膜50aおよび第2金属薄膜50bが形成された部分にのみレーザ光60が照射されるようにすると好ましい。
これにより、図2(c)に示されるように、アニール工程として、第2金属薄膜50bを構成する第2金属、例えばNiとn+型基板1の構成材料であるSiC中のSiとを反応させてシリサイド層11bを生成することができる。また、SiC中のCが第2金属薄膜50bを構成する第1金属、例えばMoと反応してカーバイド層11aが生成される。このとき形成されるカーバイド層11aについては、シリサイド層11bと積層構造とされている必要はなく、シリサイド層11b内に入り込んだ構造もしくは点在した構造とされていても良い。そして、このようなアニール工程をレーザ照射にて行っているため、局所的な加熱が可能となり、レーザ照射がなられる領域以外に対して高温処理を行わなくても済むようにできる。したがって、n+型基板1に形成したデバイスへの影響を抑制することが可能となる。
なお、図2(c)では、第1金属薄膜50aすべてがCと反応してカーバイド層11aになるような図としているが、一部がカーバイド化しておらず、例えばSiC界面から離れた箇所において第1金属薄膜50aのまま残存している領域が残っていても良い。
また、このようなレーザアニールを行う場合、図示しないが、シリコン粒子もしくはシリコンの酸化物(SiO2)からなる不要膜がシリサイド層11bの表面に形成される。この不要膜は剥離の原因となり得るため、続く図2(d)に示す工程の前に除去する必要がある。このため、除去工程として、例えばHF(フッ化水素酸)を使ったウェットエッチングやイオンプラズマを使ったプラズマドライエッチングなどを行うことで不要膜を除去する。
なお、Si半導体装置の場合、本実施形態で説明するSiC半導体装置と同様の構造を実現する場合でも、シリサイド層の形成後に連続的に配線用電極を形成することができるため、シリサイド層と配線用電極との間に高い密着性を得ることができる。これは、SiC半導体装置のようにレーザアニールによる局所的なアニールを行わなくても高温熱処理によるアニールを行うことができ、レーザアニールを行う場合のように大気中に試料を取り出す必要がなく、不要膜も形成されないためである。SiC半導体装置においては、レーザアニールの必要性から不要膜が生成され、これを取り除くための除去工程が必要になる。
続く、図2(d)に示す工程では、シリサイド層11bの上に、シリサイド層11bと合金層を構成する第3金属によって構成される接合金属層11cおよびTi/Ni/Auなどで構成される配線用電極90が順に積層されるように成膜する。これら接合金属層11cおよび配線用電極90については、例えば真空蒸着装置を用いた真空蒸着などによって形成可能であり、同一装置内から外部に取り出すことなく連続的に形成可能である。また、真空蒸着によって接合金属層11cおよび配線用電極90を形成する場合であれば、接合金属層11cを形成する際に真空状態に近づければ、その状態を維持したまま配線用電極90についても形成することができるため、製造工程の簡略化、短時間化を図ることが可能となる。
そして、加熱装置内において、接合金属層11cを構成する第3金属がシリサイド層11bと合金化する温度、かつ、デバイスに影響を与えない温度、例えば100〜450℃でアニールすることで、第3金属とシリサイド層11bとを合金化させる。これにより、シリサイド層11bと接合金属層11cとの間の密着性を高くすることが可能となる。また、このときに接合金属層11c中にシリサイド層11bからSiが取り込まれ、例えばシリサイド層11b側がシリサイド合金層となる。ただし、接合金属層11c中におけるSi含有比率は、シリサイド層11bからSiが取り込まれる程度であるため、シリサイド層11b中におけるSi含有比率よりも小さくなる。また、アニール条件などによって接合金属層11c中のSi含有比率を調整でき、接合金属層11c中すべてにおいて同じ比率になるようにもできるし、シリサイド層11b側において高く、配線用電極11d側に向かうほど少なくなるようにもできる。
なお、シリサイド層11bのうち接合金属層11cとの界面側がシリサイド化せずに第2金属のままとなっていることもある。その場合には、第2金属と第3金属との合金が形成されることで、同様に高い密着性を得ることができる。さらに、第2金属と第3金属を同じ金属材料、例えばNiとする場合であれば、同じ金属材料同士の金属結合が形成されることで、同様に高い密着性を得ることができる。
また、接合金属層11cと配線用電極11dについては、同一装置内において連続的に形成することが可能となるため、接合金属層11cを形成してから装置内より外部に試料を取り出した場合のような不純物が接合金属層11cの表面に生成されない。このため、接合金属層11cと配線用電極11dとの間についても、高い密着性を得ることができる。
さらに、上記したようにHFを用いて不要膜を除去する場合、シリサイド層11bの表面にフッ素などの不純物が残り得る。この場合において、シリサイド層11bの上に配線用電極11dを直接形成すると、これらの間の密着性が低下することになる。しかしながら、本実施形態のように、シリサイド層11bと配線用電極11dとの間に接合金属層11cを配置していることから、シリサイド層11bと接合金属層11cとの間および接合金属層11cと配線用電極11dとの間に高い密着性を得ることができる。したがって、シリサイド層11bと配線用電極11dとの間についても、接合金属層11cを介して高い密着性を得ることが可能となる。
このような工程により、ドレイン電極11が形成される。そして、ドレイン電極11を形成することによって、図1に示す縦型パワーMOSFETが完成する。
以上説明したように、本実施形態では、シリサイド層11bと配線用電極11dとの間に、シリサイド層11bと合金化する第3金属によって構成された接合金属層11cを備え、接合金属層11cとシリサイド層11bとが合金化するようにしている。これにより、接合金属層11cを介してシリサイド層11bと配線用電極11dとの密着性を高めることができる。そして、シリサイド層11bと配線用電極11dとの密着性を高めることができるので、配線用電極11dがシリサイド層11bから剥がれることを抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して接合金属層11cを構成する第3金属をシリサイド層11bに合金化する工程を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、レーザアニールによって接合金属層11cを構成する第3金属をシリサイド層11bと合金化する。例えば、第1実施形態で説明した図2(b)に示す工程で用いたLD励起固体レーザを用いて、カーバイド層11aやシリサイド層11bを形成するときと同様のアニール工程を行う。
上記第1実施形態では、接合金属層11cを構成する第3金属をシリサイド層11bと合金化するのに加熱装置内での加熱を行っている。すなわち、デバイス形成を行った試料全体について加熱を行っている。このため、デバイスに影響を与えない温度として、加熱温度を例えば100〜450℃としている。このような場合、デバイスに影響を与えない程度の温度にする必要があり、第3金属とシリサイド層11bとの合金化を十分に行えない可能性がある。しかしながら、本実施形態のようにレーザアニールを用いることで、局所的な加熱が可能となり、デバイスに影響を与えないようにしつつ、より高い温度、例えば1000℃程度でアニールを行うことが可能となる。
これにより、第3金属とシリサイド層11bとの合金化を十分に行うことができ、接合金属層11cとシリサイド層11bとの密着性を更に高くすることが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、SiC基板の表面側に各構成要素が形成されるデバイスの裏面側の電極をオーミック電極とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、上記第1実施形態で説明した構造についてはSiC基板の表面側に各構成要素が形成される裏面側にのみ適用できるのではなく、SiCに対してオーミック電極を形成する構造であれば、どのような部位についても適用できる。例えば、SiC基板の表面側にオーミック電極を形成する場合についても適用可能である。その場合においても、デバイスの各構成要素を形成してからオーミック電極を形成する構成とする場合には、レーザアニールを用いるようにすることで、局所的な加熱が可能となって、デバイスへの影響を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態では、接合金属層11cを単層の膜によって構成する場合について説明したが、材質の異なる金属材料の複数層の積層体によって構成しても良い。例えば、NiとAlを順に積層した複数層の積層体によって接合金属層11cを構成することができる。
また、上記各実施形態では、レーザアニールに用いるレーザ光にLD励起固体レーザを用いたが、レーザ光に他のもの、例えば基本波長248nmのKrFエキシマレーザなどを採用することもできる。KrFエキシマレーザをレーザ光として用いる場合、レーザ光の強度を1300mJ/cm2程度とすることでアニール工程を行うことができる。
また、上記第1実施形態では、半導体素子として縦型パワーMOSFETを備えたSiC半導体装置を例に挙げて説明したが、これも単なる一例であり、ダイオードやIGBTなどの他の半導体素子を備えるようにしても良い。すなわち、SiCにて構成される半導体基板に対して形成される半導体素子に対してオーミック電極が備えられるようなSiC半導体装置であれば、どのようなものであっても良い。
1 n+型SiC基板
8 ゲート電極
10 ソース電極
11 ドレイン電極
11a カーバイド層
11b シリサイド層
11c 接合金属層
11d 配線用電極
50a、50b 第1、第2金属薄膜
60 レーザ光

Claims (8)

  1. 炭化珪素で構成され、半導体素子が形成されてなる半導体基板(1)と、
    前記半導体基板の一面に対して形成されたオーミック電極(11)とを有する炭化珪素半導体装置であって、
    前記オーミック電極は、
    前記半導体基板の一面側に形成された金属シリサイドにて構成されるシリサイド層(11b)と、
    前記シリサイド層の上に形成され、前記シリサイド層との界面において該シリサイド層と合金化された金属によって構成された接合金属層(11c)と、
    前記接合金属層を介して前記シリサイド層の上に形成された配線用電極(11d)と、を有して構成され
    前記配線用電極のうち最も前記接合金属層側に配置された材料がTiであり、
    前記接合金属層はSiを含有しており、該接合金属層中におけるSi含有比率が前記シリサイド層中におけるSi含有比率より小さくなっている炭化珪素半導体装置。
  2. 前記接合金属は、前記シリサイド層と合金化する複数の異なる材料で構成される積層体とされている請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記接合金属層中の全域において前記Si含有比率が均一とされている請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記接合金属層中おける前記Si含有比率は、前記シリサイド層から前記配線用電極に向かうほど低くされている請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 前記オーミック電極は、
    前記半導体基板の一面側に形成された金属カーバイドにて構成されるカーバイド層(11a)を含み、
    前記シリサイド層は、前記カーバイド層に接して形成されている請求項1ないしのいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 炭化珪素で構成され、半導体素子が形成されてなる半導体基板(1)を用意することと、
    前記半導体基板の一面に対してオーミック電極(11)を形成することと、を含む炭化珪素半導体装置の製造方法であって、
    前記半導体基板の一面に炭化珪素中の炭素と反応してカーバイドを形成する第1金属薄膜(50a)を形成することと、
    前記第1金属膜の上に、炭化珪素中のシリコンと反応してシリサイドを形成する第2金属薄膜(50b)を形成することと、
    前記第1金属膜および前記第2金属膜に対してレーザ光(60)を照射してレーザアニールを行うことで、金属カーバイドにて構成されるカーバイド層(11a)を形成すると共に前記カーバイド層と接する金属シリサイドにて構成されるシリサイド層(11b)とを形成することと、
    前記シリサイド層の上に、該シリサイド層と合金化された金属によって構成された接合金属層(11c)を形成することと、
    前記接合金属層を介して前記シリサイド層の上に配線用電極(11d)を形成することと、を含み、
    前記接合金属層を形成することでは、前記シリサイド層との界面において前記接合金属層を構成する金属を前記シリサイド層と合金化させることで、Siが含有させられると共にSi含有比率が前記シリサイド層中におけるSi含有比率より小さい前記接合金属層を形成し、
    前記配線用電極を形成することでは、前記配線用電極のうち最も前記接合金属層側に配置される材料をTiとする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記接合金属層を形成することと前記配線用電極を形成することは、同一装置内において連続して行われる請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記接合金属層を形成することでは、前記接合金属層を構成する金属を成膜した後に、前記接合金属層を構成する金属を前記シリサイド層と合金化させることを行い、該合金化させることとして100〜1000℃の温度でアニールする請求項6または7に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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