JP6774241B2 - 特定システム、特定方法、及び特定プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、特定システム、特定方法、及び特定プログラムに関する。
従来、在室者に対して快適な空調制御を行う際の制御操作を支援するシステムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。このようなシステムでは、在室者から「暑い」「寒い」等の空調に関するクレームがあると、当該クレームを聞いた運用者が、クレーム内容を示すクレームデータを運用者管理装置に入力する。そして、運用者管理装置では、このクレームデータに基づいてPPD曲線(PMV−PPD曲線)を横軸(PMVの軸)方向にシフトして修正し、在室者の温冷感を反映させた空調制御を行っている。
特開2009−109034号公報
ここで、上述したように、従来のシステムでは、在室者からのクレームに応じて運用者がクレームデータを入力することにより調整して空調制御を行っていた。したがって、在室者のクレームが無い場合には、運用者は在室者の意見を把握できず、好適な空調制御を行えない可能性があった。例えば、在室者が直接運用者に会ってクレームを行うことを面倒に感じている場合などには、空調制御が好適に行われず、在室者は温熱環境を不快に感じつつも耐えている可能性があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、上述した在室者の如き対象者からのクレーム時のような受動的タイミングに限らず能動的タイミングで満足度を取得でき、対象者の意思を好適に反映させて、上述したPPD曲線の如き相関データを精度よく特定できる特定システム、特定方法、及び特定プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の特定システムは、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段と、前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得手段と、前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得手段と、前記満足度取得手段にて取得した満足度と、前記満足度取得手段にて前記満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定手段と、を備え、前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する
請求項に記載の特定システムは、請求項に記載の特定システムにおいて、前記温熱環境指標は複数の階級に区分されており、前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標の階級が、前記格納手段に格納された温熱環境指標の階級のうち、前記満足度の申告の件数が所定値よりも少ない階級に該当する場合、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断する。
請求項に記載の特定システムは、請求項1又は2に記載の特定システムにおいて、前記温熱環境指標は、前記対象者の代謝量に少なくとも基づいて算定され、前記対象者の代謝量を検出する検出手段と、前記対象者が前記満足度を申告するための申告手段と、を有する携帯端末をさらに備える。
請求項に記載の特定システムは、請求項1からのいずれか一項に記載の特定システムにおいて、前記温熱環境指標は、前記対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定されたものである
請求項に記載の特定方法は、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進工程と、前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得工程と、前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得工程と、前記満足度取得工程において取得した満足度と、前記満足度取得工程において満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得工程にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定工程と、を含み、前記促進工程は、前記指標取得工程にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する
請求項に記載の特定プログラムは、コンピュータを、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段と、前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得手段と、前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得手段と、前記満足度取得手段にて取得した満足度と、前記満足度取得手段にて満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定手段と、として機能させ、前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する。
請求項1に記載の特定システム、請求項の特定方法、又は請求項の特定プログラムによれば、満足度について対象者に申告を促して主導的タイミングで満足度を取得するので、対象者からのクレーム時のような受動的タイミングに限らず能動的タイミングで満足度を取得でき、対象者の意思を好適に反映させて、相関データを精度よく特定できる。
また、指標取得手段にて取得した温熱環境指標が格納手段における温熱環境指標の不足領域に該当する場合に満足度の申告を促進するので、不足領域のデータを効果的に充足させて、相関データをより精度高く特定することができると共に、不要なタイミングでの申告促進が多発することによる煩わしさを低減できる。
請求項に記載の特定システムによれば、取得した温熱環境指標の階級が、格納手段に格納された格納された温熱環境指標の階級のうち、温熱環境指標の件数が所定値よりも少ない階級に該当する場合に申告を促進するので、取得した温熱環境指標の階級が不足領域の温熱環境指標であるか否かを正確に特定でき、不足領域のデータを効果的に充足させることができる。
請求項に記載の特定システムによれば、携帯端末に検出手段及び申告手段を備えるので、対象者のリアルタイムの代謝量に少なくとも基づいて算定された温熱環境指標を取得することができ、相関データをより高精度で特定することができる。
請求項に記載の特定システムによれば、温熱環境指標は、対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定されたものであるので、例えば温熱環境指標としてPMVやSETのように前記6要素からの算定式が標準化されているものを用いることができ、学習前の初期状態にこのような温熱環境指標を用いることで、初期状態での信頼性及び安定性を向上できる。
本発明の実施の形態に係る特定システムを概略的に示す図である。 サーバを例示するブロック図である。 対象者現在情報を例示する図である。 関連蓄積情報を例示する図である。 変数情報を例示する図である。 PMV−pPPDの式を例示するグラフである。 空調情報を例示する図である。 携帯端末を例示するブロック図である。 指標取得処理のフローチャートである。 促進処理のフローチャートである。 申告処理のフローチャートである。 不快度申告画面の表示例である。 申告PPD取得処理のフローチャートである。 特定処理のフローチャートである。 制御処理のフローチャートである。 パーソナルファンの設定風量とpPPDとの関係性を示すグラフである。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る特定システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、相関データを特定する特定システムに関する。ここで、「相関データ」とは、「温熱環境指標」と「満足度」との関係性を示すデータであって、本実施の形態では、後述する図6に示すPMV−pPPDの式である。
「温熱環境指標」とは、相関データを特定する対象となる者(以下、対象者)が置かれた温熱環境を特定するための指標である。この温熱環境指標は任意の指標を適用できるが、以下では、温熱環境指標として、対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定されたものを用いる。このような6要素に少なくとも基づいて算定されたものとしては、例えば、「PMV(Predicted Mean Vote、予想平均温冷感申告)」や「SET(Standard New Effective Temperature、新標準有効温度)」が含まれる。なお、以下では一例として「PMV」を用い、大多数の人が感じる温冷感を数値(「+3」暑い、「+2」暖かい、「+1」やや暖かい、「0」どちらでもない、「−1」やや涼しい、「−2」涼しい、「−3」寒い)で示す。なお、このPMVは、例えば、代謝量、着衣量、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の上述した6要素を公知の式に代入して求めることができる。また、温熱環境指標としてPMVやSET以外を用いてもよく、例えば6要素のうちいずれかのみ(例えば、室内温度や室内湿度)に基づいた指標を用いてもよいし、他の要素(例えば、不均一放射、ドラフト、上下温度分布)などを含めた指標としてもよい。
また、「満足度」とは、対象者が自身の置かれた温熱環境にどの程度満足しているかを示す指標である。この満足度として、以下では「申告PPD(Predicted Precentage of Dissatisfied)」と「pPPD(personal Predicted Precentage of Dissatisfied)」を必要に応じて区別して用いる。「申告PPD」とは、対象者が自身の置かれた温熱環境を申告する際の満足度であり、例えば以下では対象者は感じる不快の大きさを6段階の百分率(例えば、「100%(非常に不快)」、「80%(不快)」、「60%(やや不快)」、「40%(どちらでもない)」、「20%(やや快適)」、「0%(快適)」)で申告する。また、「pPPD」とは、対象者から申告されて蓄積した申告PPDのデータに基づいて特定される満足度であり、例えば以下では百分率(「100%(非常に不快)」から「0%(快適)」の各値)で表される。なお、上記の満足度は例示に過ぎず、例えば申告PPDを6段階以外で段階分け(100%から0%までを10%毎に区切った10段階や、暑いか寒いかの2段階など)してもよい。
また、特定システムにて特定した相関データの利用方法は任意で、以下では相関データに基づいて自動的に調整し空調を制御して対象者にとって快適な環境をつくることに用いられるが、これに限らず、例えば相関データを管理者が確認して手動で調整し空調を制御しても良い。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
(実施の形態)
まずは、実施の形態に係る特定システムについて説明する。
(構成)
まず、本実施の形態に係る特定システム1の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る特定システム1を概略的に示す図である。この図1に示すように、特定システム1は、サーバ10、複数の携帯端末20、複数の空調機器30、及び複数のビーコン40を概略的に備える。なお、各機器の台数は例示に過ぎず、図示のものに限定されない。なお、同一名称の機器はいずれも同様に構成できるので詳細な説明を省略する。また、サーバ10を管理する者を以下では「管理者(図示省略)」、携帯端末20を保有する者を以下では「対象者」と必要に応じて区別して称する。
(構成−サーバ)
サーバ10は、特定システム1を管理するコンピュータであり、例えば管理室や電気室等に配置される。ただし、これに限らず、サーバ10はクラウド上に設けたクラウドサーバであってもよい。図2は、サーバ10を例示するブロック図である。この図2に示すように、サーバ10は、概略的に、入力部11、出力部12、通信部13、制御部14、及び記憶部15を備える。
(構成−サーバ−入力部)
入力部11は、管理者からの各種操作入力を受け付ける操作手段である。本実施の形態では、この入力部11は、公知のマウスやキーボードで構成されるが、これに限らず例えば透明又は半透明状に形成され、サーバ10の出力部12(ディスプレイ)の前面において当該出力部12の表示面と重畳するように設けられてタッチパッドとして形成してもよい。このタッチパッド(後述する携帯端末20の入力部21も同様)としては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパッドを用いることができ、管理者の指等で押圧されることにより、当該管理者から各種操作入力を受け付ける。
(構成−サーバ−出力部)
出力部12は、後述する制御部14の制御に基づいて各種情報(例えば、記憶部15に格納された情報)を出力する出力手段である。この出力部12(後述する携帯端末20の出力部22も同様)の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
(構成−サーバ−通信部)
通信部13は、空調機器30や携帯端末20との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。この通信部13(後述する携帯端末20の通信部24も同様)の具体的な種類や構成は任意であり、有線又は無線のいずれの通信を用いてもよいが、本実施の形態では、空調機器30に対しては有線通信、携帯端末20に対しては無線通信が適用される。
(構成−サーバ−制御部)
制御部14は、サーバ10を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る特定プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してサーバ10にインストールされることで、サーバ10の制御部14の各部を実質的に構成する。
制御部14は、機能概念的に、促進部14a、申告PPD取得部14b、指標取得部14c、及び特定部14dを備えている。促進部14aは、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段である。申告PPD取得部14bは、対象者から申告された申告PPDを取得する満足度取得手段である。指標取得部14cは、対象者のPMVを取得する指標取得手段である。特定部14dは、後述する関連蓄積DB15bに格納されたPMVと申告PPDとに基づいて、PMVとpPPDとの関係性を示す相関データ(後述するPMV−pPPDの式)を特定する特定手段である。なお、この制御部14の各部により行われる処理については、後述する。
(構成−サーバ−記憶部)
記憶部15は、サーバ10の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はFlash、ROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記憶媒体を用いることができる。
この記憶部15は、概略的に、対象者現在DB15a、関連蓄積DB15b、変数DB15c、及び空調DB15dを備えている。
(構成−サーバ−記憶部−対象者現在DB)
対象者現在DB15aは、対象者の現在の環境を特定するための対象者現在情報を格納する対象者現在情報格納手段である。図3は、対象者現在情報を例示する図である。この図3に示すように、対象者現在情報は、例えば、項目「演算日時」、項目「対象者ID」、項目「現在位置」、項目「ゾーンID」、項目「室内温度」、項目「室内湿度」、項目「平均放射温度」、項目「風速」、項目「着衣量」、項目「代謝量」、項目「PMV」、と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
ここで、項目「演算日時」に対応する情報は、各レコードの情報を更新して各対象者のPMVを算定した日時である。項目「対象者ID」に対応する情報は、対象者を一意に特定する対象者IDであり、以下では対象者毎に予め割り振られた通し番号(0001、0002等)である。項目「現在位置」に対応する情報は、対象者の現在の位置を示す情報であって、対象者の携帯端末20が電波を受信しているビーコン40のビーコンID(後述する)であり、例えば「B0002」、「B0030」である。なお、携帯端末20がビーコン40から電波を受信していない場合(すなわち、対象者が室外にいる場合)には、項目「現在位置」、項目「ゾーンID」、項目「室内温度」、項目「室内湿度」、項目「平均放射温度」、および項目「風速」に対応する情報として「NULL」が格納される。項目「ゾーンID」は、対象者が存在するゾーンを特定する情報である。ここで、「ゾーン」とは特定システム1にて空調対象となる空間全体(例えば建物全体)を仮想的に区分した領域である。例えば、本実施の形態のゾーンは部屋毎の区分であるが、これに限らず、例えば1つの部屋を複数のゾーンに区分しても構わない。
項目「室内温度」に対応する情報は、対象者が存在する部屋の室温を特定する情報である。項目「室内湿度」に対応する情報は、対象者が存在する部屋の湿度を特定する情報である。項目「平均放射温度」に対応する情報は、対象者が存在する部屋の平均放射温度を特定する情報であり、部屋内の各所に配置された温度計で測定された温度に基づいて公知の方法で特定された平均放射温度が格納される。
項目「風速」に対応する情報は、対象者が存在する部屋のパーソナルファン31(後述する)により、対象者がパーソナルファン31から受ける風速を特定する情報である。項目「着衣量」に対応する情報は、対象者の着衣量を特定するための情報である。この着衣量は、本実施の形態では小数値で表されており、冬のように着る衣服が多い季節では数値は大きくなり、夏のように着る衣服が少ない季節では数値は小さくなる。項目「代謝量」に対応する情報は、対象者の現在の代謝量を示す情報である。この代謝量は、本実施の形態では携帯端末20の代謝検出部23(後述する)にて検出された代謝量の大きさに応じた小数値で表される。なお、対象者現在DB15aに格納される上記各情報を算定する具体的な方法については後述する指標取得処理において詳細に説明する。
(構成−サーバ−記憶部−関連蓄積DB)
図2に戻り、関連蓄積DB15bは、申告PPD取得部14bにて取得した不快度(申告PPD)と、申告PPD取得部14bにて申告PPDを取得した際における対象者の温熱環境指標(PMV)であって、指標取得部14cにて取得したPMVと、を相互に関連付けた関連蓄積情報を格納する格納手段である。図4は、関連蓄積情報を例示する図である。この図4に示すように、関連蓄積情報は、例えば、項目「対象者ID」、項目「階級」、項目「申告日時」、項目「PMV」、及び項目「申告PPD」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。この関連蓄積情報は、対象者が携帯端末20から不快度を申告する度に更新される。
項目「対象者ID」に対応する情報は、申告PPDの申告をした対象者を一意に特定する対象者IDである。項目「階級」に対応する情報は、PMVの階級である。すなわち、本実施の形態ではPMVは複数の階級に区分されており、具体的には図示のようにPMV0.5刻みで区分されている。項目「申告日時」に対応する情報は、対象者が不快度(申告PPD)を申告した日時を特定する情報である。なお、申告が存在しない場合には「NULL」が格納されており、例えば図示では階級「+3.0〜」に属する申告は存在しない。この場合には、項目「PMV」及び項目「申告PPD」に対応する情報にも同様に「NULL」が格納される。項目「PMV」に対応する情報は、対象者が申告PPDの申告をした際における、対象者のPMVを特定する情報である。このPMVは、プラスマイナス及び小数点第一桁の小数で表されており、一般的には「0」を中立として、数値が大きくなるほど暑いと感じる人が増加し、数値が小さくなるほど寒いと感じる人が増加する傾向にある。項目「申告PPD」に対応する情報は、対象者が自身の感じる不快度を上述した6段階の百分率(「100%(非常に不快)」、「80%(不快)」、「60%(やや不快)」、「40%(どちらでもない)」、「20%(やや快適)」、「0%(快適)」)で申告した数値である。なお、関連蓄積DB15bに格納される上記各情報を算定する具体的な方法については後述する。
(構成−サーバ−記憶部−変数DB)
図2に戻り、変数DB15cは、対象者毎のPMVとPPDとの関係性を示す相関データ(以下、PMV−pPPDの式(下記式(1))を特定するための変数情報を格納する変数情報格納手段である。
pPPD=1−(1−minPPD)×e(a×(PMV−shiftPMV)^4+b×(PMV−shiftPMV)^2)・・・(1)
ただし、
minPPD=PPD最小値
a=感度
b=感度
shiftPMV=PPD最小値となるPMVのずれ
上記式(1)には、4つの変数(minPPD、a、b、shiftPMV)が含まれており、この4つの変数を定めることによりPMV−pPPDの式が特定される。この4つの変数は対象者毎に固有の値が定められており、このことにより各対象者に固有のPMV−pPPDの式が特定される。図5は、変数情報を例示する図である。この図5では、上記4つの変数を対象者毎に格納している。なお、このPMV−pPPDの式は、対象者の申告の蓄積に基づいて特定されるが、具体的な特定方法については後述する。ここで、図5に示すように、変数情報は、概略的に、項目「minPPD」、項目「a」、項目「b」、及び項目「shiftPMV」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。なお、この変数情報は、PMV−pPPDの式を算定する度に更新される。
ここで、図5における項目「minPPD」に対応する情報は、上記式(1)におけるPPD最小値「minPPD」である。項目「a」に対応する情報は、上記式(1)における感度「a」である。項目「b」に対応する情報は、上記式(1)における感度「b」である。項目「shiftPMV」に対応する情報は、上記式(1)におけるPPD最小値となるPMVのずれ「shiftPMV」である。なお、変数DB15cに格納される上記各情報を算定する具体的な方法については後述する。
図6は、PMV−pPPDの式を例示するグラフである。なお、この図6では2人の対象者(ID=0001、ID=0002)のPMV−pPPDの式と、4つの変数に初期値を代入した際のPMV−pPPDの式とを例示している。このように、対象者によっては平均よりも暑がりであったり(対象者ID=0001)、気温の変化に鈍感であったり(対象者ID=0002)と感受性に個人差があるため、PMV−pPPDの式はこの個人差に応じて異なるものになる。
(構成−サーバ−記憶部−空調DB)
図2に戻り、空調DB15dは、空調に関する空調情報を格納する空調情報格納手段である。図7は、空調情報を例示する図である。この図7に示すように、空調情報は、例えば、項目「空調ID」、項目「ビーコンID」、項目「設定風量」、及び項目「風速」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。
項目「空調ID」に対応する情報は、空調機器30を一意に特定する空調識別情報であり、以下では空調機器30毎に予め割り振られた通し番号(C0001、C0002等)である。項目「ビーコンID」に対応する情報は、各空調機器30により空調対象となる空間に存在するビーコン40を一意に特定するビーコン識別情報である。例えば、「C0001」の空調機器30が空調する部屋には「B0001」のビーコン40が存在することを示している。なお、これらの空調ID及びビーコンIDは、ビーコン40の設置時等の任意のタイミングで空調DB15dに格納される。項目「設定風量」に対応する情報は、各空調機器30の現在の設定風量を特定する情報であり、本実施の形態では、「切」を示す「0」、「弱」を示す「1」、「中」を示す「2」、「強」を示す「3」のいずれかが格納されている。なお、この設定風量は、空調機器30の設定風量が変更される度に更新される。項目「風速」に対応する情報は、空調機器30による送風の風速を特定する情報であり、上述した設定風量から換算した値が格納される。例えば本実施の形態では、設定風量が「切」の場合は「0.0m/s」、「弱」の場合は「1.0m/s」、「中」の場合は「2.0m/s」、「強」の場合は「3.0m/s」と換算する。
(構成−携帯端末)
図1に戻り、携帯端末20は、対象者の代謝量を検出する代謝検出部23と、対象者が不快度を申告するための入力部21と、を有する端末である。図8は、携帯端末20を例示するブロック図である。この携帯端末20はサーバ10と通信可能な任意の機器を適用でき、例えばノートパソコンやスマートフォンなどでも構わないが、本実施の携帯ではウェアラブル端末(特に、腕に装着する腕時計型端末)であるものとする。ここで、図8に示すように、携帯端末20は、概略的に、入力部21、出力部22、代謝検出部23、通信部24、及び制御部25を備える。
(構成−携帯端末−入力部)
入力部21は、対象者からの各種操作入力を受け付ける操作手段である。また、対象者が不快度(申告PPD)の申告をするための申告手段である。本実施の形態では、この入力部21は、透明又は半透明状に形成され、携帯端末20の出力部22(ディスプレイ)の前面において当該出力部22の表示面と重畳するように設けられてタッチパッドとして形成されている。
(構成−携帯端末−出力部)
出力部22は、後述する制御部25の制御に基づいて各種情報を出力する出力手段である。
(構成−携帯端末−代謝検出部)
代謝検出部23は、対象者の代謝量を検出する検出手段である。この代謝量の検出の具体的方法については任意であるが、例えば携帯端末20に予め登録された対象者の身長及び体重、携帯端末20に内蔵された加速度センサ(図示省略)のデータ、並びに対象者の脈拍などに基づいて公知の方法で検出できる。
(構成−携帯端末−通信部)
通信部24は、サーバ10やビーコン40との間でネットワークを介した通信を行う通信手段である。具体的には、ビーコン40から発信された電波の受信や、サーバ10に対して申告PPDの送信などを行う。
(構成−携帯端末−制御部)
制御部25は、携帯端末20を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る特定プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して携帯端末20にインストールされることで、携帯端末20の制御部25の各部を実質的に構成する。
(構成−空調機器)
図1に戻り、空調機器30は、対象者の存在する空間(部屋)の空調を行う空調手段である。この空調機器30としては、部屋の温熱環境を変化させる任意の機器を適用できるが、本実施の形態では、空調空気を送風して部屋の温度を調整する公知のパーソナルファン31と、温度調整可能なパネルの輻射により天井を暖めたり冷やしたりする公知の放射パネル32を採用する。ただし、これに限らず空調機器30として例えばビル用マルチ室内機などのパッケージエアコン(PAC)、ファンコイルユニット(FCU)、エアハンドリングユニット(AHU)、又はその他の空調機を採用できる。この空調機器30の位置や数は任意であるが、本実施の形態では説明の便宜上、1つの部屋に1ペア(パーソナルファン31及び放射パネル32)の空調機器30が配置されているものとする。ただし、本実施の形態においては、特記する場合を除いて空調機器30とはパーソナルファン31を指すものとして説明する。また、このパーソナルファン31は数段階に設定風量を調整できてもよく、本実施の形態では「切」、「弱」、「中」、「強」の4段階に調整できる。
(構成−ビーコン)
ビーコン40は、携帯端末20の現在位置を特定するための信号を発信するための発信手段である。このビーコン40の位置や数は任意であるが、本実施の形態では各ゾーン(部屋)に複数のビーコン40が配置されている。このビーコン40は、所定の周期(例えば数秒毎)で自身のビーコンIDを信号に載せて送信しており、この信号を受信した携帯端末20は当該信号に含まれるビーコンIDに基づいて携帯端末20の現在位置を特定できる。
(処理)
続いて、本実施の形態に係る特定システム1にて実行される指標取得処理、促進処理、申告処理、申告PPD取得処理、特定処理、及び制御処理の一例について説明する。
(処理−指標取得処理)
まずは、指標取得処理について説明する。図9は、指標取得処理のフローチャートである。この指標取得処理は、概略的に、各対象者のPMVを取得する処理である。なお、この指標取得処理を実行するタイミングは任意であり、例えばサーバ10の電源がオンとなった場合に自動的に実行するものとして説明する。
SA1にて、指標取得部14cは、取得タイミングが到来したか否か判定する。取得タイミングとは、PMVの取得を要するタイミングであり、例えば本実施の形態では5分毎のタイミングとするが、これに限らず任意のタイミングを予め設定してよい。そして、取得タイミングが到来するまで待機し(SA1、No)、取得タイミングが到来した場合(SA1、Yes)、SA2に移行する。
SA2にて、指標取得部14cは、「対象者ID」、「着衣量」、「代謝量」、及び「現在位置」を更新する。この更新の具体的な方法は任意で、例えば本実施の形態では携帯端末20に対して要請信号を送信し、この要請信号を受信した携帯端末20が、各種情報(例えば、対象者ID、性別、代謝量、及び、受信中のビーコンID等)を含む指標情報信号をサーバ10に返信する。なお、このうち「対象者ID」及び「性別」は、携帯端末20の記憶部(図示省略)に予め設定登録されており、「代謝量」は、携帯端末20の代謝検出部23が性別、身長、体重、加速度等に基づいて検出した代謝量であり、「受信中のビーコンID」は、携帯端末20の通信部24にて現在受信しているビーコン40からの信号に含まれるビーコンIDである。そして、指標取得部14cは、このように受信した指標情報信号に含まれる情報に基づいて「対象者ID」、「着衣量」、「代謝量」、及び「現在位置」を取得する。具体的には、まず「対象者ID」については、指標情報信号に含まれる対象者IDを取得する。また、「着衣量」については、性別、季節、及び着衣量に関する情報を相互に関連付けて格納する着衣量テーブル(図示省略)を参照し、指標情報信号に含まれる性別と、サーバ10の記憶部15に格納された日付情報で特定される季節から着衣量を特定し、取得する。また、「代謝量」については、指標情報信号に含まれる代謝量を取得する。また、「現在位置」については、指標情報信号に含まれる受信中のビーコンID(すなわち携帯端末20が存在する部屋の内部に存在するビーコン40のビーコンID)を取得する。以下では一例として、ビーコンID「B0001」を受信したものとする。そして、指標取得部14cは、取得したこれらの情報により対象者現在情報の項目「対象者ID」、項目「着衣量」、項目「代謝量」、及び項目「現在位置」に対応する情報を上書き更新する。
SA3にて、指標取得部14cは、「ゾーンID」を更新する。例えば本実施の形態では、複数のビーコン40のビーコンIDと、これらのビーコン40が含まれるゾーンのゾーンIDを相互に関連付けて格納するゾーン特定テーブル(図示省略)を参照し、現在位置のビーコンIDが含まれるゾーンを取得する。そして、指標取得部14cは、取得したゾーンの情報により項目「ゾーンID」に対応する情報を上書き更新する。
SA4にて、指標取得部14cは、「室内温度」及び「室内湿度」を更新する。例えば本実施の形態では、ビーコンIDと、温湿度計(図示省略)を一意に特定する温湿度計IDとを相互に関連付けて格納する温湿度計DB(図示省略)を参照し、現在位置のビーコンID(B0001)に関連付けられた温湿度計で測定された温度及び湿度を取得し、この温度及び湿度の情報により項目「室内温度」及び項目「室内湿度」に対応する情報を上書き更新する。ただし、これに限らず、例えば携帯端末20にて室内温度及び室内湿度を測定してサーバ10に送信してもよい。
SA5にて、指標取得部14cは、「平均放射温度」を更新する。例えば本実施の形態では、対象者の現在位置のビーコンIDが含まれる部屋に存在する複数の温度計(図示省略)で測定された壁表面温度、床表面温度、天井表面温度等のデータに基づいて、公知の計算式にて平均放射温度を算定し、項目「平均放射温度」に対応する情報を上書き更新する。
SA6にて、指標取得部14cは、「風速」を更新する。例えば本実施の形態では、図7に示す空調情報を参照し、対象者の現在位置のビーコンID(B0001)と同一レコードの空調機器30(C0001)の風速(1.0)を取得し、項目「風速」に対応する情報を上書き更新する。
SA7にて、指標取得部14cは、「PMV」を更新する。例えば本実施の形態では、SA2からSA6の処理にて更新された室内温度、室内湿度、平均放射温度、風速、着衣量、及び代謝量の計6要素に基づいて、公知の算定式を用いてPMVを算定して取得し、項目「PMV」に対応する情報を更新する。このように、PMVは、対象者の代謝量に少なくとも基づいて算定されたものであるため、対象者の温熱環境を精度よく特定できる。なお、このようなPMVの算出方法は公知であるため詳細な説明を省略する。
SA8にて、指標取得部14cは、「演算日時」を更新する。例えば本実施の形態では、サーバ10の記憶部15等に格納される日時情報に基づいて、現在の日時を取得し、項目「演算日時」に対応する情報を上書き更新する。以上にて、指標取得処理の説明を終了する。
(処理−促進処理)
次に、促進処理について説明する。図10は、促進処理のフローチャートである。この促進処理は、概略的に、対象者に対して不快度の申告の促進を行うための処理である。なお、この促進処理を実行するタイミングは任意であり、例えばサーバ10の電源がオンとなった場合に自動的に実行するものとして説明する。また、この促進処理は、各対象者に対して行われるが、いずれも同様の処理であるため以下では1人の対象者(以下では、対象者ID0001の対象者)に対する処理のみ説明する。
SB1にて、促進部14aは、促進タイミングが到来したか否かを判定する。この「促進タイミング」とは、対象者に対して申告の促進を行うタイミングであり、任意の時間を設定できるが、以下では6時間置きのタイミングとする。そして、促進タイミングが到来するまで待機し(SB1、No)、促進タイミングが到来した場合(SB1、Yes)、SB2に移行する。
SB2にて、促進部14aは、対象者が室内に居るか否かを判定する。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば、図3に示す対象者現在情報に基づいて、対象者ID0001のレコードを参照し、項目「現在位置」に対応する情報としてビーコンIDが格納されている場合、対象者が室内に居ると判定し、「NULL」が格納されている場合、対象者が室内に居ないと判定する。そして、対象者が室内に居ない場合(SB2、No)、対象者から不快度(申告PPD)の申告を取得しても、空調制御の参考になるデータは得られないものとし、SB1に戻る。一方、対象者が室内に居る場合(SB2、Yes)、SB3に移行する。
SB3にて、促進部14aは、対象者の現在のPMVが不足領域に属するか否かを判定する。すなわち、促進部14aは、指標取得部14cにて取得したPMVが、関連蓄積DB15bに格納されたPMVのうち、申告PPDの申告の不足領域に関連付けられたPMVであるか否かを判断する。具体的には、例えば、図3を参照すると、対象者(ID0001)の現在のPMVは−0.2であり、この−0.2が属する「−0.5〜−0.1」の階級が不足領域に属するか否かについて、図4を参照して判定する。なお、「不足領域」とは、満足度の申告が不足している領域のことである。この不足領域の具体的な範囲は任意に設定できるが、本実施の形態では、図4に示す関連蓄積情報の「階級」のうち、申告数が所定数(例えば、10件)以下の階級を、不足領域とする。例えば、「−0.5〜−0.1」の階級には、現在のところ1件の申告(PMV=「−0.1」、PPD=「20%」の申告)しか存在しないため、10件以下であり、不足領域に該当すると判定する。そして、不足領域に該当しない場合(SB3、No)、十分に不快度(申告PPD)のデータが蓄積されている範囲であり、これ以上申告PPDの申告を促進する必要はないものとし、SB1に戻る。一方、不足領域に該当する場合(SB3、Yes)、SB4に移行する。
SB4にて、促進部14aは、サーバ10の通信部13を介して不快度申告の促進信号を送信する。すなわち、申告PPDの申告の不足領域に関連付けられたPMVであると判断した場合、申告PPDの申告を促進する。この際には、図4の関連蓄積情報を参照して対象者ID(0001)を取得して、当該対象者IDを促進信号に載せて送信する。以上にて、促進処理の説明を終了する。
(処理−申告処理)
次に、申告処理について説明する。図11は、申告処理のフローチャートである。この申告処理は、概略的に、対象者が不快度(申告PPD)の申告を行うための処理である。なお、この申告処理を実行するタイミングは任意であり、例えば携帯端末20の電源がオンとなった場合に自動的に実行するものとして説明する。
SC1にて、携帯端末20の制御部25は、上述した図10の促進処理のSB4にてサーバ10から送信された促進信号を受信したか否かを判定する。具体的には、受信した促進信号に含まれる対象者ID(0001)と、携帯端末20の記憶部(図示省略)に予め格納された対象者IDとを比較して一致する場合、促進信号を受信したと判定する。そして、携帯端末20の制御部25は、促進信号を受信するまで待機し(SC1、No)、促進信号を受信した場合(SC1、Yes)、SC2に移行する。
SC2にて、携帯端末20の制御部25は、携帯端末20の出力部22に不快度申告画面を表示させる。図12は、不快度申告画面の表示例である。図示のように、0(満足)から100(不快)までの計6段階のアイコンを表示し、対象者に対して自身の現在の不快度(申告PPD)に最も適合すると思う申告PPDの選択を促す。なお、申告PPDを申告可能である限り上記の態様に限らず、例えば対象者が音声入力で申告しても構わない。また、より細かく(例えば10段階)または荒く(例えば2段階)段階分けしても構わない。また、対象者に申告を促進するために、携帯端末20から申告を促す旨の通知音や電子音声等を出力してもよい。
SC3にて、携帯端末20の制御部25は、対象者からの入力を受け付けたか否かを判定する。具体的には、表示した6つのアイコンのうち、いずれかが対象者にタップされた場合に、入力を受け付けたと判定する。そして、携帯端末20の制御部25は、対象者からの入力を受け付けるまで待機し(SC3、No)、入力を受け付けた場合(SC3、Yes)、SC4に移行する。例えば以下では、対象者は「20%」を入力したものとする。
SC4にて、携帯端末20の制御部25は、サーバ10へ申告信号を送信する。具体的には、申告信号に、携帯端末20の記憶部(図示省略)に予め格納された対象者ID(0001)と、SC3にて入力された申告PPD(20%)と、サーバ10を特定するサーバIDを含めて送信する。これにて、対象者は、自身が思う現在の不快度をサーバ10へ送信できる。以上にて、申告処理の説明を終了する。
(処理−申告PPD取得処理)
次に、申告PPD取得処理について説明する。図13は、申告PPD取得処理のフローチャートである。この申告PPD取得処理は、概略的に、対象者から申告された申告PPDを取得して、図4に示す関連蓄積DB15bを更新するための処理である。なお、この申告PPD取得処理を実行するタイミングは任意であり、例えばサーバ10の電源がオンとなった場合に自動的に実行するものとして説明する。
SD1にて、申告PPD取得部14bは、申告信号を受信したか否か判定する。具体的には、サーバ10の通信部13を介して、上述した図11の申告処理のSC4にて送信された申告信号に含まれるサーバIDが自身の記憶部15に格納されたサーバIDと一致する場合、申告信号を受信したと判定する。そして、受信するまで待機し(SD1、No)、受信した場合(SD1、Yes)、SD2に移行する。
SD2にて、申告PPD取得部14bは、申告PPDを取得する。具体的には、上記SD1で受信した申告信号に含まれる申告PPD(20%)を取得する。
SD3にて、申告PPD取得部14bは、対象者の現在のPMVを取得する。具体的には、図3に示す対象者現在情報に基づいて、SD1で受信した申告信号に含まれる対象者ID(0001)のレコードを参照し、項目「PMV」に対応する情報を取得する。例えば図3では、対象者ID0001の現在のPMVは「−0.2」である。
SD4にて、申告PPD取得部14bは、図4に示す関連蓄積DB15bを更新する。具体的には、図4を参照し、申告信号に含まれる対象者ID(0001)において、SD3にて取得したPMV(−0.2)が属する階級(−0.5〜−0.1)のレコードに、SD3にて取得したPMV(−0.2)と、SD2にて取得したPPD(20%)を申告PPDとして追加する。これにて、対象者のPMVとPPDとの紐づけが可能となる。すなわち、当該対象者(対象者ID0001)は、PMV−0.2の温熱環境において20%の不快度を有するという1件の申告が関連蓄積DB15bに蓄積される。以上にて、申告PPD取得処理の説明を終了する。
(処理−特定処理)
次に、特定処理について説明する。図14は、特定処理のフローチャートである。この特定処理は、概略的に、関連蓄積DB15bに格納されたPMVとPPDとに基づいて、PMVとPPDとの関係性を示す相関データ(PMV−pPPDの式)を特定する特定処理である。なお、このように関連蓄積DB15bに格納されたPMVとPPDとに基づいて相関データを特定することを、必要に応じて「学習する」と称する。なお、この特定処理を実行するタイミングは任意であり、例えば上述した図13に示す申告PPD取得処理が終了した場合に自動的に実行するものとして説明する。
SE1にて、特定部14dは、プロットに基づいてPMV−pPPDの近似式を算出する。具体的には、図4の関連蓄積情報に含まれる各申告によるPMV−pPPDの関係性をプロットしたものが図6に表示されており、この各プロットに基づいて、対象者(ID0001)のPMVとpPPDの関係性の近似式を算出する。この算出の具体的な方法は公知で、例えば最小二乗法等を用いる。例えば、対象者(ID0001)のPMV−pPPDの近似式を下記式(2)のように算出したものとする。
pPPD=1−(1−0.23)×e(0.13×(PMV−0.09)^4−1.45×(PMV−0.09)^2)・・・(2)
SE2にて、特定部14dは、PMV−pPPDの式の各変数を特定する。具体的には、SE1にて算出した近似式(上記式(2))と、上記式(1)とを比較して各変数(minPPD、a、b、shiftPMV)を特定する。この例では、minPPD=0.23、a=0.13、b=−1.45、shiftPMV=0.09である。
SE3にて、特定部14dは、図5に示す変数DB15cを更新する。具体的には、対象者ID0001のレコードに格納されている各情報として、SE2にて求めた各変数を格納する。これにて、PMVとPPDとの関係性を示す相関データ(PMV−pPPDの式)を対象者毎に特定できる。以上にて、特定処理の説明を終了する。
(処理−制御処理)
最後に、制御処理について説明する。図15は、制御処理のフローチャートである。この制御処理は、概略的に、上述した特定処理で特定したPMV−pPPDの式に基づいて、対象者にとって快適なように空調機器30(以下、パーソナルファン31)を制御するための処理である。なお、学習初期(上述した特定処理にて対象者に固有の相関データ(PMV−pPPDの式)を特定する前)には、相関データの初期値として、公知の一般的なPMV−pPPDの式(図6の初期値参照)に基づいて当該制御処理を実行してもよい。また、この制御処理を実行するタイミングは任意であり、例えばサーバ10の電源がオンとなった場合に自動的に実行するものとして説明する。
SF1にて、サーバ10の制御部14は、制御タイミングが到来したか否かを判定する。この制御タイミングは任意に設定できるが、例えば数分置き(例えば、5分置き)に制御タイミングが到来してもよい。そして、制御タイミングが到来するまで待機し(SF1、No)、制御タイミングが到来した場合(SF1、Yes)、SF2に移行する。
SF2にて、サーバ10の制御部14は、パーソナルファン31の各設定風量(切、弱、中、強)での対象者のPMVを算出する。具体的には、図3に示す対象者現在情報を参照し、項目「風速」に対応する情報を、「0.0m/s(切)」、「1.0m/s(弱)」、「2.0m/s(中)」、及び「3.0m/s(強)」に変えた場合を仮定し、各場合に関して、上述した指標取得処理と同様に公知の算出式にてPMVを算出する。
SF3にて、サーバ10の制御部14は、SF2にて算出した各PMVでのpPPDを、PMV−pPPDの式を用いて算出する。具体的には、上述した図14に示す特定処理のSE1にて算出したpPPDの式(2)に、SF2にて算出した各PMVを代入し、設定風量が切、弱、中、及び強のそれぞれの場合において対象者のpPPDが何%になるかを算出する。ここで、図16は、パーソナルファン31の設定風量とpPPDとの関係性を示すグラフである。この図16において、横軸はPMVを示しており、縦軸はpPPDを示している。また、横軸では、設定風量が切、弱、中、及び強のそれぞれの場合におけるPMVをそれぞれ切、弱、中、及び強の文字で図示している。
なお、本実施の形態では制御処理にてパーソナルファン31を制御する場合について説明したが、放射パネル32を制御する場合についても同様の処理を実行できる。例えば、SF2にて、放射パネル32の放射空調表面温度設定値を任意の値(例えば、18℃から28度の間の0.5℃刻みの値)にした場合のPMVを算出し、SF3にて、各PMVでのpPPDを、PMV−pPPDの式を用いて算出すれば構わない。
また、上記においては、対象者が同一ゾーンに一人のみ居る場合について説明したが、複数の対象者が同一ゾーンに居る場合であっても同様の処理により空調機器30を制御できる。この場合には、同一ゾーンに居るすべての対象者にとって快適な温熱環境とするために、同一ゾーン内のすべての対象者のpPPDに基づいて算定された代表値(例えば、単純平均値や重みづけ平均値)に基づいてpPPDを特定してもよい。このような制御の具体的な方法は任意であるが、例えば、SF3において同一ゾーンに居るすべての対象者のpPPDの平均値を算出してもよい。具体的には、同一ゾーンに対象者2人(ID0001、ID0002)が居る場合、2人の各設定風量でのpPPDの平均値を、当該SF3にて求めるpPPDとすればよい。なお、空調機器30として上述したような放射パネル32を制御する場合には、同一ゾーンに対象者2人(ID0001、ID0002)が居る場合、例えば2人の各放射空調表面温度設定値でのpPPDの平均値を、当該SF3にて求めるpPPDとすればよい。また、このようにゾーン毎に制御する空調機器30としては、上述した放射パネル32の他にも、天井設置のビル用マルチ室内機(HP−PAC)なども含まれる。
図15に戻り、SF4にて、サーバ10の制御部14は、SF3にて算出した各pPPDのうち、目標PPDを満たす設定風量があるか否かを判定する。ここで、「目標PPD」とは、対象者に与える満足度の目標となる値であって、例えばサーバ10の記憶部15に予め格納されている。なお、この目標PPDは対象者毎に異なる値を格納してもよいし、管理者が任意のタイミングで値を変更できてもよい。なお、本実施の形態では、図16に示すように、目標PPDを「40%」に設定している。そして、目標PPDを満たす風量が無い場合(SF4、No)、SF5に移行し、目標PPDを満たす風量が有る場合(SF4、Yes)、SF6に移行する。
SF5にて、サーバ10の制御部14は、最小のpPPDとなる設定風量でパーソナルファン31を稼働させる。すなわち、切、弱、中、及び強のいずれの設定風量でも目標PPDを満たさない場合には、可能な限り対象者の不快度が低くなるような設定風量に設定して、対象者の不満を最小限に抑える。なお、このSF5(及び後述するSF7、SF8)にて稼働させるパーソナルファン31は、対象者が現在居る位置に対して送風するパーソナルファン31である。このパーソナルファン31を特定するためには、例えば、図3の対象者現在情報の項目「現在位置」のビーコンIDを参照し、この現在位置のビーコンIDに関連付けられたパーソナルファン31を図7の空調情報に基づいて特定すればよい。
SF6にて、サーバ10の制御部14は、目標PPDを満たす設定風量が複数あるか否かを判定する。そして、複数無い場合、すなわち1つしか無い場合(SF6、No)、SF7に移行し、複数ある場合(SF6、Yes)、SF8に移行する。
SF7にて、サーバ10の制御部14は、目標PPDを満たす唯一の設定風量でパーソナルファン31を稼働させる。この設定風量により目標を満たすことができ、対象者にとって快適な温熱環境を構築することができる。
SF8にて、サーバ10の制御部14は、目標PPDを満たす複数の設定風量のうち、出力が最小の設定風量でパーソナルファン31を稼働させる。すなわち、複数の設定風量で目標を満たせるのであれば、これらのうち出力が最小の設定風量とすることで、パーソナルファン31の使用電力を最小化でき、省エネ性能が向上する。例えば図16では、設定風量「弱」と「中」のいずれでも目標PPD(40%)以下となるので、このうち出力が最小の「弱」とする。なお、省エネ性能を考慮せずに、単にpPPDが最も小さくなる設定風量でパーソナルファン31を稼働させても構わない。
そして、SF5、SF7、又はSF8のいずれかにおいてパーソナルファン31を稼働させた場合には、制御処理を終了する。なお、「パーソナルファン31を稼働させる」とは、パーソナルファン31の電源をオンにすることに限らず、パーソナルファン31の設定風量を変更することも含む。以上にて、制御処理の説明を終了する。
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、申告PPDについて対象者に申告を促して主導的タイミングで申告PPDを取得するので、対象者からのクレーム時のような受動的タイミングに限らず能動的タイミングで申告PPDを取得でき、対象者の意思を好適に反映させて、PMV−pPPDの式を精度よく特定できる。
また、指標取得部14cにて取得したPMVが関連蓄積DB15bにおけるPMVの不足領域に該当する場合に申告PPDの申告を促進するので、不足領域のデータを効果的に充足させて、PMV−pPPDの式をより精度高く特定することができると共に、不要なタイミングでの申告促進が多発することによる煩わしさを低減できる。
また、取得したPMVの階級が、関連蓄積DB15bに格納された格納されたPMVの階級のうち、PMVの件数が所定値よりも少ない階級に該当する場合に申告を促進するので、取得したPMVの階級が不足領域のPMVであるか否かを正確に特定でき、不足領域のデータを効果的に充足させることができる。
また、携帯端末20に代謝検出部23及び入力部21を備えるので、対象者のリアルタイムの代謝量に少なくとも基づいて算定されたPMVを取得することができ、PMV−pPPDの式をより高精度で特定することができる。
また、温熱環境指標は、対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定されたものであるので、例えば温熱環境指標としてPMVやSETのように前記6要素からの算定式が標準化されているものを用いることができ、学習前の初期状態にこのような温熱環境指標を用いることで、初期状態での信頼性及び安定性を向上できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。例えば、特定システム1をサーバ10のみで構成しても構わない。また、本出願における「端末」、「機器」とは、単一の端末や機器によって構成されたものに限定されず、複数の端末や機器によって構成されたものを含む。
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
(現在位置について)
本実施の形態では、携帯端末20の現在位置を特定するためにビーコン40からの発信電波を利用したが、現在位置を特定可能であればこれに限らず、例えば携帯端末20に例えばGPS又は地磁気センサの如き現在位置取得部を設けて現在位置を特定してもよい。
(制御処理について)
本実施の形態では、サーバ10の制御部14が制御処理を実行して自動的に空調機器30を制御するものとして説明したが、これに限らず、例えば特定処理にて特定された各対象者のpPPDを参照して、適切な温熱環境となるように管理者が空調機器30を手動で制御してもよい。
(不足領域について)
本実施の形態では、「申告の不足領域」とは、申告PPDの申告件数が所定数未満の階級であるものとしたが、これに限らない。例えば申告を時間帯で区分し、申告PPDの申告件数が所定数未満の時間帯を不足領域としてもよい。また、申告を任意の指数で表現し、この指数が所定数未満の階級を不足領域としてもよい。また、不足領域であるか否かの判定をせずに申告を促進しても構わない。
(付記)
付記1の特定システムは、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段と、前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得手段と、前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得手段と、前記満足度取得手段にて取得した満足度と、前記満足度取得手段にて前記満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定手段と、を備える。
付記2の特定システムは、付記1に記載の特定システムにおいて、前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する。
付記3の特定システムは、付記2に記載の特定システムにおいて、前記温熱環境指標は複数の階級に区分されており、前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標の階級が、前記格納手段に格納された温熱環境指標の階級のうち、前記満足度の申告の件数が所定値よりも少ない階級に該当する場合、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断する。
付記4の特定システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の特定システムにおいて、前記温熱環境指標は、前記対象者の代謝量に少なくとも基づいて算定されたものであり、前記対象者の代謝量を検出する検出手段と、前記対象者が前記満足度を申告するための申告手段と、を有する携帯端末をさらに備える。
付記5の特定システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の特定システムにおいて、前記温熱環境指標は、前記対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定されたものである。
付記6の特定方法は、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進工程と、前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得工程と、前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得工程と、前記満足度取得工程において取得した満足度と、前記満足度取得工程において満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得工程にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定工程と、を含む。
付記7の特定プログラムは、コンピュータを、対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段と、前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得手段と、前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得手段と、前記満足度取得手段にて取得した満足度と、前記満足度取得手段にて満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定手段と、として機能させる。
(付記の効果)
付記1に記載の特定システム、付記6に記載の特定方法、又は付記7に記載の特定プログラムによれば、満足度について対象者に申告を促して主導的タイミングで満足度を取得するので、対象者からのクレーム時のような受動的タイミングに限らず能動的タイミングで満足度を取得でき、対象者の意思を好適に反映させて、相関データを精度よく特定できる。
付記2に記載の特定システムによれば、指標取得手段にて取得した温熱環境指標が格納手段における温熱環境指標の不足領域に該当する場合に満足度の申告を促進するので、不足領域のデータを効果的に充足させて、相関データをより精度高く特定することができると共に、不要なタイミングでの申告促進が多発することによる煩わしさを低減できる。
付記3に記載の特定システムによれば、取得した温熱環境指標の階級が、格納手段に格納された格納された温熱環境指標の階級のうち、温熱環境指標の件数が所定値よりも少ない階級に該当する場合に申告を促進するので、取得した温熱環境指標の階級が不足領域の温熱環境指標であるか否かを正確に特定でき、不足領域のデータを効果的に充足させることができる。
付記4に記載の特定システムによれば、携帯端末に検出手段及び申告手段を備えるので、対象者のリアルタイムの代謝量に少なくとも基づいて算定された温熱環境指標を取得することができ、相関データをより高精度で特定することができる。
付記5に記載の特定システムによれば、温熱環境指標は、対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定されたものであるので、例えば温熱環境指標としてPMVやSETのように前記6要素からの算定式が標準化されているものを用いることができ、学習前の初期状態にこのような温熱環境指標を用いることで、初期状態での信頼性及び安定性を向上できる。
1 特定システム
10 サーバ
11 入力部
12 出力部
13 通信部
14 制御部
14a 促進部
14b 申告PPD取得部
14c 指標取得部
14d 特定部
15 記憶部
15a 対象者現在DB
15b 関連蓄積DB
15c 変数DB
15d 空調DB
20 携帯端末
21 入力部
22 出力部
23 代謝検出部
24 通信部
25 制御部
30 空調機器
31 パーソナルファン
32 放射パネル
40 ビーコン

Claims (6)

  1. 対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段と、
    前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得手段と、
    前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得手段と、
    前記満足度取得手段にて取得した満足度と、前記満足度取得手段にて前記満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、
    前記格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定手段と、を備え、
    前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する、
    特定システム。
  2. 前記温熱環境指標は複数の階級に区分されており、
    前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標の階級が、前記格納手段に格納された温熱環境指標の階級のうち、前記満足度の申告の件数が所定値よりも少ない階級に該当する場合、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断する、
    請求項に記載の特定システム。
  3. 前記温熱環境指標は、前記対象者の代謝量に少なくとも基づいて算定され、
    前記対象者の代謝量を検出する検出手段と、前記対象者が前記満足度を申告するための申告手段と、を有する携帯端末をさらに備える、
    請求項1又は2に記載の特定システム。
  4. 前記温熱環境指標は、前記対象者の代謝量及び着衣量、並びに、室内温度、室内湿度、風速、及び平均放射温度の6要素に少なくとも基づいて算定される、
    請求項1からのいずれか一項に記載の特定システム。
  5. 対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進工程と、
    前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得工程と、
    前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得工程と、
    前記満足度取得工程において取得した満足度と、前記満足度取得工程において満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得工程にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定工程と、を含み、
    前記促進工程は、前記指標取得工程にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する、
    特定方法。
  6. コンピュータを、
    対象者に対して環境に対する満足度の申告を促進する促進手段と、
    前記対象者から申告された前記満足度を取得する満足度取得手段と、
    前記対象者の温熱環境指標を取得する指標取得手段と、
    前記満足度取得手段にて取得した満足度と、前記満足度取得手段にて満足度を取得した際における前記対象者の温熱環境指標であって、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標と、を相互に関連付けて格納する格納手段と、
    前記格納手段に格納された前記温熱環境指標と前記満足度とに基づいて、前記温熱環境指標と前記満足度との関係性を示す相関データを特定する特定手段と、として機能させ、
    前記促進手段は、前記指標取得手段にて取得した前記温熱環境指標が、前記格納手段に格納された温熱環境指標のうち、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であるか否かを判断し、前記満足度の申告の不足領域に関連付けられた温熱環境指標であると判断した場合、前記満足度の申告を促進する、
    特定プログラム。
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