JP6772635B2 - 接地短絡器具、及びその仮支持具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば22kVの特別高圧の電線路を接地短絡させる作業に用いる接地短絡器具および仮支持具に関する。
従来、受電設備や電線路などに対して停電状態で各種作業を行なう際には、作業員の安全を確保するために接地線を電線路等に接続して短絡させることが行なわれており、電線路等を短絡するために用いられる接地短絡器具は、それが取り付けられる電線路等の設備に応じて異なるものが用いられるのが一般的である(例えば、特許文献1〜5参照)。
これら各種接地短絡器具のうち、特に22kVの特別高圧電線路を接地短絡するためのものとして、特許文献5に開示されたような接地線端部用仮支持具及び接地短絡器具がある。この先行技術に開示された接地短絡器具を用いて接地短絡作業を行う場合、電線路に固定された電線路側ネジ端子のカバー部材(中空通常体)の内奥部に位置する雌ネジ部に分岐接地線の先端部に取り付けられた接地線側ネジ端子の雄ネジ部を螺合させるが、そのためには絶縁操作棒の先端にネジ端子保持具を取り付け、そのネジ端子保持具の回転工具部に接地線側ネジ端子の六角ネジ部を挿入した状態で絶縁操作棒を操る必要がある。
実開平7−7076号公報 特開2002−152935公報 実開平5−60119号公報 特開2001−157333公報 特開2008−79430公報
しかしながら、電線路側ネジ端子の雌ネジ部は前述したように電線路側ネジ端子のカバー部材内奥部に位置するので操作時のネジ接続部の視認性が悪く、絶縁操作棒を用いてカバー部材の空間内で接地線側ネジ端子の六角ネジ部を回転させる際にネジ接続状態の良否を目視確認しにくくなる。このため、充分に螺合されていないのに螺合されたものと勘違いして接地線側ネジ端子からネジ端子保持具を離脱させたときに、接地線側ネジ端子の六角ネジ部がネジ端子保持部の回転工具部より抜け落ちることが多々あり、作業効率が悪いという課題があった。また、分岐接地線は雄ネジ部の軸に対して脱落不能に装着されている丸端子を介して導通しているので六角ネジ部を回転させて雄ネジ部を電線路側ネジ端子の雌ネジ部に螺合させる際、六角ネジ部を回転させるに伴い丸端子も供回りし、その結果、丸端子に接続している分岐接地線が絶縁操作棒に絡みつき、操作性を低下させるという課題があった。
そこで、本発明は、電線路を接地短絡する場合に、電線路側の接続端子に接地線の端子を容易かつ安全に接続する作業を実現する接地線および接地線仮支持具等の接地短絡器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る接地短絡器具は、電線路に予め導通接続されている電線路ネジ端子の雌ネジ部に着脱される接地短絡器具であって、3個の接地線ネジ端子機構と、該接地線ネジ端子機構と夫々導通した3本の分岐接地線と、を備え、個々の前記接地線ネジ端子機構は、絶縁操作棒を係止するための差込切欠部を有するジョイント部と、該ジョイント部の他端に一部を固定され、他部に前記電線側ネジ端子の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有した導電性軸部材と、前記導電性軸部材を前記分岐接地線と導通させる導電性ワッシャ部材と、前記導電性軸部材の外径側に、且つ、該導電性軸部材に対して軸方向に相対移動可能に配置され、軸方向突出位置にある時に前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を非露出状態とし、軸方向退避位置にある時に前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部の少なくとも一部を露出させるシリンダ部材と、前記シリンダ部材を前記軸方向突出位置に付勢するバネ部材と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決する接地短絡器具の第2の発明は、前記第1の発明の特定事項に加え、前記導電性軸部材のジョイント部側にフランジを形成し、該フランジを介して導電性軸部材の雄ネジ部と前記導電性ワッシャ部材とを導通させたことを特徴とする。
上記課題を解決する接地短絡器具の第3の発明は、前記第1の発明の特定事項に加え、前記ジョイント部が導電性の材料から構成したことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明に係る接地短絡器具の仮支持具は、請求項1乃至請求項3に記載された接地短絡器具を構成する前記3個の前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を螺合させて仮支持する仮支持具であって、ベース部材と、該ベース部材に設けられて一本の前記電線路に対して絶縁操作棒により着脱操作される電線路取付機構と、前記ベース部に設けられて前記接地短絡器具の前記各接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部と、を備え、前記3個のネジ端子係止部は仮支持具の重心点から略等距離に配置され、前記電線路取付機構は前記ベース部材の重量バランスを均衡させる位置に配置されていることを特徴とする。
上記課題を解決する本発明に係る接地短絡器具の仮支持具は、請求項1乃至請求項3に記載された接地短絡器具を構成する前記3個の前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を螺合させて仮支持する仮支持具であって、ベース部材と、該ベース部材に設けられて一本の前記電線路に対して絶縁操作棒により着脱操作される電線路取付機構と、前記ベース部に設けられて前記接地短絡器具の前記各接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部とを備え、前記ベース部材には前記接地線ネジ端子機構と夫々導通した3本の分岐接地線を取り付ける分岐接地線取付手段と、接地金具と導通した接地線を取り付ける接地線取付手段と、前記分岐接地線取付手段と接地線取付手段とを導通させる連結手段とを有していることを特徴とする。
本発明によれば、電線路に導通接続する全ての接地線の端部をその電線路に一時的に支持させつつ、それぞれの電線路にネジ端子同士を螺合させる作業を順次に行うことができると共に、ネジ端子同士の螺合の際には接地線ネジ端子が工具より抜け落ちることがなく、電線路の接地短絡作業を容易、安全かつ効率的に完了することができる。
電線路に予め設置されている電線路ネジ端子の取り付け時における縦断面図である。 電線路ネジ端子を示す図であり、(a)はそのカバー部材を示す平面図、(b)はその接続端子を示す一部断面平面図、(c)はその蓋部材を示す平面図である。 従来用いられている接地線30の構成を示す図である。 接地線30を電線路1の電線路ネジ端子10に接続した状態を示す図である。 本発明に係る接地短絡器具の接地線50を示す図である。 (a)、(b)、(c)は本発明に係る接地短絡器具の接地線ネジ端子機構を示す図であり、(a)、(b)は接地線ネジ端子機構のシリンダ部材が上下する状態を示した図、(c)は接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を電線路ネジ端子の雌ネジ部に固定した状態を示す図である。 本発明に係る接地短絡器具の接地線ネジ端子機構の分解斜視図である。 (a)は接地線ネジ端子機構を操作する際に用いる絶縁操作棒を示す図、(b)は絶縁操作棒の先端部に接地線ネジ端子機構を取り付けた状態を示す図である。 接地短絡作業時に用いる仮支持具を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 接地短絡作業時に用いる仮支持具90の使用を説明するための斜視図である。 (a)、(b)は本発明に係る他の実施の形態である接地線ネジ端子機構のシリンダ部材が上下する状態を示した図である。 本発明に係る他の実施の形態である接地線ネジ端子機構の分解斜視図である。 接地短絡作業時に用いる仮支持具の他の実施の形態を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 接地短絡作業時に用いる仮支持具120の使用を説明するための斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の説明に先立ち、22kV特別高圧の電線路に設けられる接地短絡用の電線路ネジ端子について図1、図2、図3、図4に基づいて説明する。図1は電線路に予め設置されている電線路ネジ端子の取り付け時における縦断面図、図2は電線路ネジ端子を示す図であり、(a)はそのカバー部材を示す平面図、(b)はその接続端子を示す一部断面平面図、(c)はその蓋部材を示す平面図である。
電線路ネジ端子10は、T字形状に形成されて電線路1に導通接続させる接続端子11と、この接続端子11を内装可能に内部にT字形状の空間Sを画成するカバー部材15と、接続端子11に接続保持させてカバー部材15の下部側開口を閉塞状態にする蓋部材21と、を備えている。
接続端子11は、電線路1の外被2を剥がされた状態の導通線3をスリット12aから内装させるように被せて圧着接続させることにより導通接続させるストレート部12と、このストレート部12の中央部に連設されている雌ネジ部13と、を備えている。この接続端子11は、電線路1の導通線3にストレート部12を導通接続させた状態で雌ネジ部13に接地線を導通接続させることにより電線路1の接地短絡を可能にする。
カバー部材15は、絶縁性を有する樹脂材料により作製されて接続端子11のストレート部12が導通接続された箇所の電線路1の挿通空間を画成するストレート部16と、接続端子11の雌ネジ部13を内部に位置させて接地線の端部を差し込んで導通接続させる空間を画成する差込部17と、を備えている。このカバー部材15は、ストレート部16の両端部を絶縁被覆18で覆うと共にその内部に絶縁樹脂材料19を充填することにより、蓋部材21と共に電線路1の22kV特別高圧の絶縁性を確保している。
蓋部材21は、接続端子11の雌ネジ部13に螺合させて固定可能な雄ネジ部22と、この雄ネジ部22に相対回転不能に連設された絶縁材料からなる棒状部材23と、この棒状部材23を中心に保持するとともにカバー部材15の差込部17の下部側開口17aを閉塞する絶縁材料からなる円盤部材24と、棒状部材23の端部に相対回転不能に連設された六角ネジ部25と、を備えている。この蓋部材21は、六角ネジ部25を回転道具などで回転させることにより棒状部材23を介して雄ネジ部22を接続端子11の雌ネジ部13に螺合させてカバー部材15の下部側開口17aを閉塞・開放するように着脱することができ、これにより電線路1の接地短絡や絶縁確保を可能にしている。
図3は従来用いられている接地線30の構成を示す図、図4は接地線30を電線路1の電線路ネジ端子10に接続した状態を示す図である。接地線30はワニ口クリップなどの接地金具32によりアース接続する集合接地線33と、集合接地線33の端部に設けられた分岐端子部34と、分岐端子部34から分岐されている3本の分岐接地線35と、各分岐接地線35の先端部に設けられた接地線ネジ端子36と、を備え、接地線ネジ端子36は分岐接地線の先端部で導通接続されて略直角に屈折されている丸端子37と、この丸端子37に脱落不能に装着された雄ネジ部38と、この雄ネジ部38に相対回転不能に連設された六角ネジ部39と、を備えている。
このように構成した接地線ネジ端子36の六角ネジ部39に対して、六角柱状の凹所を有した回転工具の該凹所を嵌挿させ、該回転工具を絶縁操作棒の先端に取り付けて接地線ネジ端子36の雄ネジ部38を電線路1に取り付けた接続端子11の雌ネジ部13に螺合させることで電線路の接地短絡を行っていた。しかし、電線路1に取り付けられた接続端子11の雌ネジ部13はカバー部材15の最奥に位置するため視認性が悪く、また、六角ネジ部39を回転工具に嵌挿させているため、回転工具から六角ネジ部39が抜け落ち易いという問題点があった。更には接地線ネジ端子36の丸端子37は雄ネジ部38が抜け落ちないように構成されているので、六角ネジ部39を回転させて雄ネジ部38を接続端子11の雌ネジ部13に螺合させようとすると、六角ネジ部39の回転に伴って丸端子37が供回りしやすく、その結果、丸端子37に取り付けられた分岐接地線35が絶縁操作棒に絡みつき、作業性が低下する虞があること前述のとおりである。
そこで、本発明に係る接地短絡器具は以下の構成をとる。
図5は本発明に係る接地短絡器具の接地線50を示す図、図6(a)、(b)、(c)は本発明に係る接地短絡器具の接地線ネジ端子機構を示す図であり、(a)、(b)は接地線ネジ端子機構のシリンダ部材が上下する状態を示した図、(c)は接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を電線路の接続端子の雌ネジ部に固定した状態を示す図、図7は接地線ネジ端子機構の分解斜視図、図8(a)は接地線ネジ端子機構を操作する際に用いる絶縁操作棒を示す図、(b)は絶縁操作棒の先端部に接地線ネジ端子機構を取り付けた状態を示す図である。
接地線50は、ワニ口クリップなどの接地金具52を一端に備えた集合接地線53と、集合接地線53の他端に設けられた分岐端子部54と、分岐端子部54から分岐されている3本の分岐接地線55と、各分岐接地線55の先端部に夫々設けられた接地線ネジ端子機構56と、を備えている。
図6、図7に判り易く示すように、接地線ネジ端子機構56は一端が開口した筒状部材により構成した導電性のジョイント部61と、ジョイント部61の他端面に略同軸状に一端が固定された導電性軸部材62と、導電性軸部材62が貫通する開口部70を中心に有し、かつ、端部に分岐接地線55が導通接続された導電性ワッシャ部材63と、導電性軸部材62が内部を貫通するコイルバネであるバネ部材64と、導電性軸部材62の外径側に軸方向移動自在に配置されてバネ部材64により上方(突出方向)へ付勢された円筒状のシリンダ部材65と、を有している。
ジョイント部材61の周面には開口側の一端から略T字状の差込切欠67が形成され、後述する絶縁操作棒の先端部に取り付けられる。このジョイント部61の他端には導電性軸部材62が固定され、導電性軸部材62の先端には電線路ネジ端子10の雌ネジ部13に螺合する雄ネジ部68が設けられている。なお導電性軸部材62は、例えばジョイント部61の他端面に設けた小穴61aを利用してネジ等で固定することができる。
導電性ワッシャ部材63はリング状の本体から突出した端部に分岐接地線55が導通接続されると共に、その開口部70を導電性軸部材62が貫通する。開口部70の径は導電性軸部材62の外径よりも充分に大きく形成しているため、導電性ワッシャ部材63は導電性軸部材62を中心に相対回動可能となっている。そのため、雄ネジ部68を電線路ネジ端子10の雌ネジ部13に螺合させる際、ジョイント部61及び導電性軸部材62が回転しても、導電性ワッシャ部材63の供回りが発生しにくい構成となっている。
シリンダ部材65は軸方向に貫通した円筒状の部材であり、その内壁には内側に向かって突出した凸部66が形成されている。その材料は導電性材料あるいは絶縁性材料のいずれでも利用可能であるが、加工のしやすさや軽さ等の諸要件を考慮すると、樹脂等の絶縁性材料が好ましい。シリンダ部材65はバネ部材64により雄ネジ部68方向に付勢され、導電性軸部材62の軸方向に沿って可動するが、シリンダ部材65の内壁に形成した凸部66が雄ネジ部68の下面と当接することでシリンダ部材65が抜け落ちることを防止し、図6(a)の突出状態において雄ネジ部68を非露出状態としている。
また雄ネジ部68が電線路ネジ端子10の雌ネジ部13に螺合する際、シリンダ部材65の上端面は電線路ネジ端子10のカバー部材15の内底面に当接する。そのため、雄ネジ部68が電線路ネジ端子10の雌ネジ部13に捩じ込まれるに伴ってシリンダ部材65は下方に押し下げられ、雄ネジ部68が雌ネジ部13に完全に絞め込まれた際にはシリンダ部材65はバネ部材64を圧縮方向に押圧し、その押圧力により導電性ワッシャ部材63をバネ部材64とジョイント部61との間で挟持し、雄ネジ部68と導電性ワッシャ部材63との電気的な導通が確保される。
なお、雄ネジ部68の締め込みに伴い、シリンダ部材65が下方にシフトし、バネ部材64を圧縮することで、導電性ワッシャ部材63とジョイント部61との摩擦力が高まり、導電性ワッシャ部材63がジョイント部61の回転に伴い供回りしやすい状況となる。従来の接地線ネジ端子に用いられていた丸端子は雄ネジ部から脱落しないよう雄ネジ部の軸径とほぼ同径の開口部が用いられていたのに対し、本発明に係る接地短絡器具においては導電性軸部材62が貫通する導電性ワッシャ部材63の開口部70を大きくとることができるので、ジョイント部61及び導電性軸部材62の回転に対する供回りが発生しにくく、絶縁操作棒に分岐接地線55が絡みにくい。また、導電性ワッシャ部材63とジョイント部61との摩擦力はシリンダ部材65の重量やバネ部材64の弾性力によって調整可能であり、雄ネジ部68を完全に締め付ける直前まで導電性ワッシャ部材63とジョイント部61との摩擦力が高まらず、締め付けが完全に行われた際に摩擦力が高まるように設定すれば良いし、導電性ワッシャ部材63とジョイント部61との間に必要に応じてスラスト玉軸受を配置すれば、ジョイント部61の回転力は導電性ワッシャ部材63に伝わらず、バネ部材64からの押圧力に関係なく導電性ワッシャ部材63の自由な動きを確保でき、分岐接地線55の絶縁操作棒への絡みつきを防止するうえでより一層効果を発揮する。
絶縁操作棒80は、図8(a)に示すように汎用道具であり、先端部の互いに反対側となる側面に突起形状に一対立設されることにより接地線ネジ端子機構56のジョイント部61の差込切欠67内に挿し込んで係合させることのできるピン81と、先端部の先端面に配設されて不図示の内蔵スプリングにより突出方向に付勢されている突起82と、先端部の側面に刻設されている不図示のネジ形状に螺合して進退可能なグリップ83と、滑り難い材質の取替え可能な滑り止が施されて作業員の把持する基端部側の把持部84と、を備えている。
これにより、絶縁操作棒80は、図9に示した仮支持具90や接地線ネジ端子機構56のジョイント部61内に先端部を差し込んで突起82を内蔵スプリングの弾性力に抗して沈ませつつ、ピン81の双方をそのジョイント部61の差込切欠67内に進入させて回転させた後に、その進入させる力を解放すると、図8(b)に示したように突起82がスプリングの弾性力により突出してジョイント部61を押し出すことにより、その差込切欠67から屈曲する係合溝69内にピン81を離脱不能に係合させることができる。さらに、この絶縁操作棒80は、グリップ83を回転させてジョイント部61側に寄せることによりピン81が係合溝69内から離脱して回転しないようにロックすることができ、接地線ネジ端子機構56が相対回転して外れてしまうことを信頼性高く防止して取り扱い易くすることができる。ここで、この絶縁操作棒80は、中間部分に傘カバー85、86が取り付けられているとともに、全体をプラスチックなどの絶縁材料で作製されることにより絶縁性が確保されており、先端側の傘カバー85が接地線ネジ端子機構56側からの水分を滴下させるとともに、基端側の傘カバー86が安全に作業を行い得る限界位置を示して、作業する際の安全を確保している。
次に上述した接地短絡器具を用いた接地短絡作業時に用いる仮支持具について説明する。図9は仮支持具90を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。仮支持具90は、平面視で凸型の外形を有する板状のベース部材91と、このベース部材91に取り付けられて、ベース部材91を電線路1に引っ掛け、固定するための電線路取付機構93と、接地線ネジ端子機構56の雄ネジ部68を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部95と、を備えている。また電線路取付機構93は、電線路1にベース部材91を引っ掛けて吊り下げるためのフック形状の引掛け部97と、引掛け部との間で電線路を挟圧保持する電線固定部99とを有する。電線固定部99は、下端に位置する中空筒状のジョイント部101と、このジョイント部101に相対回転不能に連設されてヘッド部103を引掛け部97内に進退させるスライド部105と、を備えている。
ジョイント部101は、絶縁操作棒80の先端部を差込可能に後端面が開口する有底の円筒形状に形成されており、その円筒部の互いに反対側となる周面が概略T字形状に切り欠かれることにより、後端面(絶縁操作棒80)側から先端側に向う差込切欠部107と、この差込切欠部107の直交方向の両側に連続するように屈曲する係合切欠部108と、が一対形成されている。
これにより、引掛け部97は、操作棒80のピン81をジョイント部101の差込切欠部107から係合切欠部108内の奥まで進入させて引っ掛けることにより相対回転不能かつ引抜不能(脱落不能)に取り付けることができる。
スライド部105は、ベース部材91に刻設されている不図示の雌ネジに螺合する雄ネジ106が外周面に形成されており、そのベース部材91に刻設された雌ネジに対する軸方向にジョイント部101を介して相対回転されることにより雄ネジ106との螺合位置を変化させてヘッド部103を引掛け部97内で進退させることができる。
これにより、仮支持具90の引掛け部97は、引掛け部97の開口側から電線路1を進入させて引っ掛けた状態にした後に、ジョイント部101を介してスライド部105を回転させることにより、そのスライド部105のヘッド部103を引掛け部97の湾曲部分に接近させて電線路1を押圧する状態で挟持(保持)することができ、仮支持具90を電線路1の所望の位置に容易に一時的に取り付けることができる。
反対に、ジョイント部101を介してスライド部105を逆回転させることにより、そのスライド部105のヘッド部103を引掛け部97の湾曲部分から離隔させて電線路1を自由にして引掛け部97の開口側から離脱させることができ、仮支持具90を電線路1から容易に回収することができる。
仮支持具90のネジ端子係止部95は、接地線ネジ端子機構56の雄ネジ部68を螺合可能な雌ネジがベース部材91上の三か所に刻設されたものであり、ネジ端子係止部95の設置位置は仮支持具90の重心(雄ネジ106が螺合する雌ネジの位置付近)から略等距離の位置となっている。
これにより、3本の分岐接地線55の雄ネジ部68を仮支持具90のネジ端子係止部95に螺合させた状態で仮支持具90を電線路1に取り付けた際、ベース部材91がほぼ水平となりバランスが取れるようになっており、作業員の操作性を向上することができる。
なお、本実施の形態ではベース部材91にスリット92を形成し、該スリット92の間でボルトナット等の締め具94を用いて引掛け部97をベース部材91に固定しているが、引掛け部97をベース部材91と一体的に形成しても良い。また仮支持具90に3本の分岐接地線55を固定した状態で仮支持具90がバランスを取れるようにネジ端子係止部95の設置位置を仮支持具90の重心から略等距離としたがこれに限るものではなく、ベース部材91の形状を変える等の変更を行うことでバランスが取れるのであれば、ネジ端子係止部95は仮支持具90の重心から略等距離でない所望の位置に設置しても良い。
次に、図10は仮支持具90を用いて各電線路ネジ端子10に対して接地線ネジ端子機構56を取り付ける手順を説明するための斜視図である。
なお、この取付け作業に先だってベース部材91の全てのネジ端子係止部95内に全ての接地線ネジ端子機構56を螺着しておく。この螺着作業は絶縁操作棒以外の工具を用いて簡単に行うこともできる。
先ず、電線路1に設置した電線路ネジ端子10の蓋部材24を取り外し(図1参照)、全ての分岐接地線55が取り付けられた仮支持具90(電線路取付機構93)を電線路ネジ端子10の近傍の電線路1上に引っ掛け、挟圧固定する。その後、絶縁操作棒80を一つの接地線ネジ端子機構56に係合し、回転させることで接地線ネジ端子機構56を仮支持具90から取り外し、そのままの状態で接地線ネジ端子機構56を電線路ネジ端子10のカバー部材15内に差し込み、絶縁操作棒80を回転させることにより、接地線ネジ端子機構56の雄ネジ部68を電線路ネジ端子10の雌ネジ部13に螺合させる。
この際、接地線ネジ端子機構56のジョイント部61および該ジョイント部61に取り付けられた導電性軸部材62が絶縁操作棒80の操作により回転しても、導電性ワッシャ部材63は供回りが生じにくく、導電性ワッシャ部材63に取り付けられた分岐接地線55が絶縁操作棒80に絡みつきにくい。
また、ジョイント部61は従来のように六角ネジ部ではないため、操作棒により螺着作業を行っている最中に絶縁操作棒から接地線ネジ端子機構56が脱落することはない。
図11(a)、(b)は本発明に係る他の実施の形態である接地線ネジ端子機構のシリンダ部材が上下する状態を示した図、図12は接地線ネジ端子機構の分解斜視図であり、上述した実施の形態と同一部位には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態が前述した実施の形態と異なる点は導電性軸部材62のジョイント部61側に円形状のフランジ71を一体的に設けると共に、分岐接地線55が導電接続する導電性ワッシャ部材63の端子部63aを略直角に折り曲げてジョイント部61の周面に略平行に延在させた点である。また導電性軸部材62にフランジ71を形成したことに伴い、シリンダ部材65の内壁には凸部66を形成せず、その代わりにシリンダ部材65の下端部とバネ部材64の上端部とを固定し、更にバネ部材64の下端部を導電性ワッシャ部材63の上面に固定することによりシリンダ部材65が抜け落ちることを防止し、雄ネジ部68を非露出状態としている。
また、導電性軸部材62の一端にフランジ71を形成することで、雄ネジ部68はフランジ71を介して導電性ワッシャ部材63との導通が確保される。したがって、ジョイント部61は非導電性の材料を用いることができ、絶縁操作棒80を用いて作業を行う際により一層感電等の危険を回避し、また樹脂等の材料を用いれば、器具の軽量化が図られ作業を安全かつ効率的に行うことができる。さらに導電性ワッシャ部材63の端子部63aをジョイント部61の周面に対して略平行となるよう折り曲げているので、接地線ネジ端子機構56を絶縁操作棒80の先端に取り付け、電線路ネジ端子10のカバー部材15内に接地線ネジ端子機構56を挿入した際、カバー部材15の内壁に端子部63aが接触しにくく、より一層作業効率が向上する。
なお上記実施の形態と同様に、導電性ワッシャ部材63とフランジ71との間にスラスト玉軸受を配置すれば、ジョイント部61およびフランジ部70の回転力は導電性ワッシャ部材63に伝わらず、バネ部材64からの押圧力に関係なく導電性ワッシャ部材63の自由な動きを確保でき、分岐接地線55の絶縁操作棒への絡みつきを防止するうえでより一層効果を発揮する。
図13は仮支持具の他の実施の形態を示した図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。図14は仮支持具を用いて各電線路ネジ端子10に対して接地線ネジ端子機構56を取り付ける状態を示す斜視図である。本実施の形態における仮支持具120は、先に説明した実施の形態における仮支持具90と同様、接地線ネジ端子機構56を支持し、電線路1の電線路ネジ端子10近傍に接地線ネジ端子機構56を配置させる機能を有すると共に、接地線としての分岐接地線、分岐端子部、集合接地線の機能を持たせている。
仮支持具120は平面視で凸型の外形を有する板状のベース部材121と、このベース部材121に取り付けられて、ベース部材121を電線路1に引っ掛け、固定するための電線路取付機構123と、接地線ネジ端子機構56の雄ネジ部68を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部125と、を備えている。また電線路取付機構123は、電線路1にベース部材121を引っ掛けて吊り下げるためのフック形状の引掛け部127と、引掛け部との間で電線路を挟圧保持する電線固定部129とを有する。電線固定部129は、下端に位置する中空筒状のジョイント部131と、このジョイント部131に相対回転不能に連設されてヘッド部133を引掛け部127内に進退させるスライド部135と、を備えている。
ジョイント部131は、絶縁操作棒80の先端部を差込可能に後端面が開口する有底の円筒形状に形成されており、その円筒部の互いに反対側となる周面が概略T字形状に切り欠かれることにより、後端面(絶縁操作棒80)側から先端側に向う差込切欠部137と、この差込切欠部137の直交方向の両側に連続するように屈曲する係合切欠部138と、が一対形成されている。
これにより、引掛け部127は、操作棒80のピン81をジョイント部131の差込切欠部137から係合切欠部138内の奥まで進入させて引っ掛けることにより相対回転不能かつ引抜不能(脱落不能)に取り付けることができる。
スライド部135は、ベース部材121に刻設されている不図示の雌ネジに螺合する雄ネジ136が外周面に形成されており、そのベース部材121に貫通形成された穴内に設けられた雌ネジに対する軸方向にジョイント部131を介して相対回転されることにより雄ネジ136との螺合位置を変化させてヘッド部133を引掛け部127内で進退させることができる。
これにより、仮支持具120の引掛け部127は、引掛け部127の開口側から電線路1を進入させて引っ掛けた状態にした後に、ジョイント部131を介してスライド部135を回転させることにより、そのスライド部135のヘッド部133を引掛け部127の湾曲部分に接近させて電線路1を押圧する状態で挟持(保持)することができ、仮支持具120を電線路1の所望の位置に容易に一時的に取り付けることができる。
反対に、ジョイント部131を介してスライド部135を逆回転させることにより、そのスライド部135のヘッド部133を引掛け部127の湾曲部分から離隔させて電線路1を自由にして引掛け部127の開口側から離脱させることができ、仮支持具120を電線路1から容易に回収することができる。
仮支持具120のネジ端子係止部125は、接地線ネジ端子機構56の雄ネジ部68を螺合可能な雌ネジがベース部材121上の三か所の貫通穴内に刻設されたものであり、ネジ端子係止部125の設置位置はベース部材121の長手方向の略直線上にほぼ等間隔で配置している。これにより、接地線ネジ端子機構56の雄ネジ部68をネジ端子係止部125に螺合させた仮支持具120を電線路1に取り付けた際、ベース部材121がほぼ水平となり重量バランスが取れるようになっており、作業員の操作性を向上することができる。
また、本実施の形態における接地線ネジ端子機構56は図6に示した構造のものを用いても良いし、あるいは図11に示した構造のものを用いても良く、各接地線ネジ端子機構56のワッシャ部材63に導通接続した分岐接地線55はベース部材121の端面に設けられた分岐接地線取付手段である分岐接地線取付穴140に導通固定されている。
更に、各分岐接地線取付穴140は図示を省略した連結手段である個別の配線を用いて束ねられ、ベース部材121の端面に設けた接地線取付手段である接地線取付穴142と導通し、該接地線取付穴142に集合接地線53を導通接続することで集合接地線53の端部に設けられたワニ口クリップなどの接地金具52と導通させるか、あるいは、個別の配線を用いず、ベース部材121を構成する導体を連結手段として利用して各分岐接地線55と集合接地線53とを導通させ、接地線ネジ端子機構56と接地金具52とを導通させても良い。
なお、各分岐接地線55の長さは、図10に示したように仮支持具120を電線路1に引っ掛け、挟圧固定した際に接地線ネジ端子機構56を電線路ネジ端子10の雄ネジ部に螺合させるために十分な長さがあれば良く、また集合接地線53の長さも仮支持具120を電線路1に固定した際、所望の個所に接地金具52を取り付けられる長さを有していれば良い。
本実施の形態によれば、分岐接地線55を仮支持具120のベース部材121に導通固定し、集合接地線53をベース部材121から導出させたので、接地線の機能の一部を仮支持具120に一体的に取り込み、作業性を向上することができる。また、仮支持具120と接地線50の管理を一括して行うことで、仮支持具120と接地線50とが別の構成である場合に比較し、作業時に持出し忘れを防ぐ等の効果も有する。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。例えば、上述実施形態では、3相の電線路100を接地短絡させる3本の分岐接地線160の先端を支持可能にする場合を説明するが、これに限るわけではなく、1本または2本の接地線用にしてもよく、また、より多くの接地線の先端を支持可能に設計してもよいことは言うまでもない。
<発明の構成、作用、効果のまとめ>
本発明に係る接地短絡器具は、電線路に予め導通接続されている電線路ネジ端子の雌ネジ部に着脱される接地短絡器具であって、3個の接地線ネジ端子機構と、該接地線ネジ端子機構と夫々導通した3本の分岐接地線と、該各分岐接地線を集合した集合接地線とを備え、個々の前記接地線ネジ端子機構は、一端が開口した筒状部材の周面に前記一端側から切り欠き形成された絶縁操作棒を係止するための差込切欠部を有するジョイント部と、該ジョイント部の他端に一部を固定され、他部に前記電線側ネジ端子の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有した導電性軸部材と、前記導電性軸部材を前記分岐接地線と導通させる導電性ワッシャ部材と、前記導電性軸部材の外径側に、且つ、該導電性軸部材に対して軸方向に相対移動可能に配置され、軸方向突出位置にある時に前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を非露出状態とし、軸方向退避位置にある時に前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部の少なくとも一部を露出させるシリンダ部材と、前記シリンダ部材を前記軸方向突出位置に付勢するバネ部材と、を備えたことを特徴とする。
この発明では、導電性軸部材が貫通する導電性ワッシャ部材の開口部を大きくとることができるので、絶縁操作棒の端部に接地線ネジ端子機構を取り付け、該接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を電線路ネジ端子の雌ネジ部に螺合させる際、接地線ネジ端子機構のジョイント部及び導電性軸部材が回転しても、前記導電性ワッシャ部材が供回りしにくく、分岐接地線が絶縁操作棒に絡みにくいので作業効率が向上する。
接地短絡器具の第2の発明は、前記第1の発明の特定事項に加え、前記導電性軸部材のジョイント部側にフランジを形成し、該フランジを介して導電性軸部材の雄ネジ部と前記導電性ワッシャ部材とを導通させたことを特徴とする。
この発明では接地線ネジ端子機構の雄ネジ部がフランジを介して導電性ワッシャ部材との導通が確保され、これによりジョイント部に非導電性の材料を用いることができ、絶縁操作棒を用いて作業を行う際により一層感電等の危険を回避することができる。
接地短絡器具の第3の発明は、前記第1の発明の特定事項に加え、前記ジョイント部が導電性の材料から構成したことを特徴とする。
この発明では接地線ネジ端子機構の雄ネジ部がジョイント部を介して導電性ワッシャ部材との導通が確保され、ジョイント部として金属等の剛性の高い材料を使用することができる。
接地短絡器具の仮支持具は、請求項1乃至請求項3に記載された接地短絡器具を構成する前記3個の前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を螺合させて仮支持する仮支持具であって、ベース部材と、該ベース部材に設けられて一本の前記電線路に対して絶縁操作棒により着脱操作される電線路取付機構と、前記ベース部に設けられて前記接地短絡器具の前記各接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部と、を備え、前記前記3個のネジ端子係止部は仮支持具の重心点から略等距離に配置され、前記電線路取付機構は前記ベース部材の重量バランスを均衡させる位置に配置されていることを特徴とする。
この発明では電線路ネジ端子に螺合させる接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を仮支持具のネジ端子係止部に係止させた状態で、その電線路取付機構を電線路に一時的に取り付けることにより、電線路ネジ端子の近傍に接地線ネジ端子機構を位置させることができ、その接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を仮支持具のベース部材のネジ端子係止部から絶縁操作棒などにより外して電線路ネジ端子に螺合させる作業を順次に行うことにより、電線路に接地線を導通接続して接地短絡することができる。またネジ端子係止部は当該仮支持具の重心点から略等距離に配置され、電線路取付機構はベース部材の重量バランスを均衡させる位置に配置されているので、接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を仮支持具のネジ端子係止部に係止させた状態で電線路に取り付けた際、仮支持具がバランスよく保持され、作業効率を向上することができる。
接地線ネジ端子機構の雄ネジ部をネジ端子係止部(雌螺子部)に装着する作業は絶縁操作棒を用いた操作によってもよいし、絶縁操作棒以外の工具を用いて行っても良い。ネジ端子係止部は雌螺子である必要は無く、接地線ネジ端子機構を着脱自在に支持できる構造であればどのような構造であってもよい。例えば、着脱自在に接地線ネジ端子機構を保持するクリップであってもよい。
本発明の接地短絡器具の仮支持具は、請求項1乃至3の何れか一項に記載された接地短絡器具を構成する前記3個の前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を螺合させて仮支持する仮支持具であって、ベース部材と、該ベース部材に設けられて一本の前記電線路に対して絶縁操作棒により着脱操作される電線路取付機構と、前記ベース部に設けられて前記接地短絡器具の前記各接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部とを備え、前記ベース部材には前記接地線ネジ端子機構と夫々導通した3本の分岐接地線を取り付ける分岐接地線取付手段と、接地金具と導通した接地線を取り付ける接地線取付手段と、前記分岐接地線取付手段と接地線取付手段とを導通させる連結手段とを有していることを特徴とする。
本発明によれば、分岐接地線55を仮支持具120のベース部材121に導通固定し、集合接地線53をベース部材121から導出させたので、接地線の機能の一部を仮支持具120に一体的に取り込み、作業性を向上することができる。また仮支持具120と接地線50の管理を一括して行うことで、仮支持具120と接地線50とが別の構成である場合に比較し、作業時に持出し忘れを防ぐ等の効果も有する。
1…電線路、10…電線路ネジ端子、13…雌ネジ部、15…カバー部材、50…接地線、53…集合接地線、55…分岐接地線、56…接地線ネジ端子機構、61…ジョイント部、62…導電性軸部材、63…導電性ワッシャ部材、64…バネ部材、65…シリンダ部材、67…差込切込、68…雄ネジ部、70…開口部、71…フランジ、80…絶縁操作棒、90、120…仮支持具、91、121…ベース部材、93、123…電線路取付機構、95、135…ネジ端子係止部

Claims (5)

  1. 電線路に予め導通接続されている電線路ネジ端子の雌ネジ部に着脱される接地短絡器具であって、
    3個の接地線ネジ端子機構と、該接地線ネジ端子機構と夫々導通した3本の分岐接地線と、を備え、
    個々の前記接地線ネジ端子機構は、
    絶縁操作棒を係止するための差込切欠を有するジョイント部と、
    前記ジョイント部に一部を固定され、他部に前記電線路ネジ端子の雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有した導電性軸部材と、
    前記導電性軸部材を前記分岐接地線と導通させる導電性ワッシャ部材と、
    前記導電性軸部材の外径側において、該導電性軸部材に対して軸方向に相対移動可能に配置され、軸方向突出位置にある時に前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を非露出状態とし、軸方向退避位置にある時に前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部の少なくとも一部を露出させるシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材を前記軸方向突出位置に付勢するバネ部材と、を備えたことを特徴とする接地短絡器具。
  2. 前記導電性軸部材のジョイント部側にフランジを形成し、該フランジを介して導電性軸部材の雄ネジ部と前記導電性ワッシャ部材とを導通させたことを特徴とする請求項1に記載の接地短絡器具。
  3. 前記ジョイント部を導電性材料から構成したことを特徴とする請求項1に記載の接地短絡器具。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載された接地短絡器具を構成する前記3個の前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を螺合させて仮支持する仮支持具であって、
    ベース部材と、該ベース部材に設けられて一本の前記電線路に対して絶縁操作棒により着脱操作される電線路取付機構と、前記ベース部に設けられて前記接地短絡器具の前記各接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部と、を備え、
    前記3個のネジ端子係止部は仮支持具の重心点から略等距離に配置され、前記電線路取付機構は前記ベース部材の重量バランスを均衡させる位置に配置されていることを特徴とする接地短絡器具の仮支持具。
  5. 請求項1乃至3の何れか一項に記載された接地短絡器具を構成する前記3個の前記接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を螺合させて仮支持する仮支持具であって、
    ベース部材と、該ベース部材に設けられて一本の前記電線路に対して絶縁操作棒により着脱操作される電線路取付機構と、前記ベース部に設けられて前記接地短絡器具の前記各接地線ネジ端子機構の雄ネジ部を着脱可能に係止する3個のネジ端子係止部と、を備え、
    前記3個のネジ端子係止部は仮支持具の重心点から略等距離に配置され、前記電線路取付機構は前記ベース部材の重量バランスを均衡させる位置に配置されていることを特徴とする接地短絡器具の仮支持具。
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