JP2016103321A - 座金組込みねじ付き圧着端子及び電気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧着端子が端子ねじに対して回転し、かつねじ孔に端子ねじが確実容易に螺挿されるようにして、コスト低減および作業性の向上を共に実現する座金組込みねじ付き圧着端子、及び、この座金組込みねじ付き圧着端子を搭載して配線作業を容易にする電気装置を提供する。【解決手段】端子ねじ10の首部にばね座金20と圧着端子30とを回転しやすい状態で軸支するとともに、座金40で抜け留めした座金組込みねじ付き圧着端子1とした。また、この座金組込みねじ付き圧着端子1を接続に使用する電気装置とした。【選択図】図1
Description
本発明は、配線接続用の座金組込みねじ付き圧着端子、及び、このような座金組込みねじ付き圧着端子を配線接続に使用する電気装置に関する。
スマートメータ(電力量計)などの計器や、一括受電自動検針などに用いるPLC通信用機器などの電気機器では、その端子部に配線が電気的に接続される(以下、これら計器や電気機器を一括して単に電気装置という)。このような配線としては、通信用の配線や給電用の配線が想定される。
さて、電気装置に配線を接続する場合、配線の心線に圧着端子を取り付け、ばね座金の孔、圧着端子の取り付け孔および座金の孔に端子ねじを差し込み、端子台に端子ねじを螺挿して圧着端子を固定する方法が一般的である。しかしながら、端子ねじ、ばね座金、圧着端子および座金という何れも小さい部品をあらかじめ組み合わせておき、これらの部品が分離脱落しないように端子台に固定する作業は容易ではない。
例えば、電気装置の一例である電力量計は、需要家の建屋の外壁や集合端子函など比較的狭い場所に設置されることが多い。狭い場所で、端子部のタップに対し、圧着端子を端子ねじで締め付けて電力量計に配線を接続する作業は、困難を伴う作業であった。特に給電用の配線であって活線作業の場合には危険度も高くなっていた。
このように部品の小ささや作業場所の狭さが原因で、端子ねじなどの部品を落としたりすると、部品を無くすのみならず、場合によっては電気回線がショートする等の重大事故を発生させる恐れもあった。
そこで、圧着端子と端子ねじとの離脱を防ぐ従来技術が、例えば、特許文献1(特開2001−297805号公報)に開示されている。この従来技術では、圧着端子の取り付け孔の径をねじ部の円周溝(首部に相当)よりも大きくし、かつねじ部の山部の径よりも小さくして圧着端子が抜けないようにしている。
特許文献1に記載の従来技術では、圧着端子の取り付け孔の孔径は、端子ねじの円周溝(首部に相当)と比較して十分に大きい径ではないため、圧着端子がばね座金の抜け止め機能を果たすものの、ねじ部の円周溝に対して圧着端子が回転しにくい場合もあり、この場合は不良品となるため、不良品が増加してコスト高の要因となっていた。また、圧着端子の取り付け孔の孔径を高精度で形成する必要もあり、この点でもコスト増大の懸念があった。
また、特許文献1に記載の従来技術では、例えば電動ドライバーを用いたねじ締め作業において、ねじ孔の位置合わせをするとき及び中心軸の傾斜を補正するときに端子ねじの先端がねじ孔タップに当接し,かつ高速で回転する場合には、ねじ孔タップのねじ山を損傷するおそれもあった。同様に端子ねじや圧着端子に遮られてねじ孔が見えないため、端子ねじの位置合わせが難しく、例えば電動ドライバーを用いたねじ締め作業において、ねじ孔に対して端子ねじの軸ずれが起きているような場合には、中心軸の傾斜を補正しようとする作用により、やはりねじ孔タップのねじ山を損傷するおそれもあった。この場合には作業コストが増大することもあった。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧着端子が端子ねじに対して回転し、かつねじ孔に端子ねじが確実容易に螺挿されるようにして、コスト低減および作業性の向上を共に実現する座金組込みねじ付き圧着端子、及び、この座金組込みねじ付き圧着端子を搭載して配線作業を容易にする電気装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、
頭部とねじ山部との間に首部を有し、首部外径がねじ山部外径よりも小さく形成されており、かつ前記ねじ山部が螺挿されるねじ孔内径よりも小径で棒状の誘導部を前記ねじ山部の先端に有する端子ねじと、
ばね座金取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記ばね座金取り付け孔に挿通されて、前記端子ねじの前記頭部側に装着されるばね座金と、
圧着端子取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記圧着端子取り付け孔に挿通されて、前記ばね座金側に装着される圧着端子と、
前記端子ねじの首部外径とほぼ同じ孔径の座金取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記座金取り付け孔に挿通されて、前記圧着端子側に装着されるとともに、前記ねじ山部の抜け留め作用により前記ばね座金と前記圧着端子とを遊支しつつ前記首部に軸支される座金と、
を備えることを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子である。
頭部とねじ山部との間に首部を有し、首部外径がねじ山部外径よりも小さく形成されており、かつ前記ねじ山部が螺挿されるねじ孔内径よりも小径で棒状の誘導部を前記ねじ山部の先端に有する端子ねじと、
ばね座金取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記ばね座金取り付け孔に挿通されて、前記端子ねじの前記頭部側に装着されるばね座金と、
圧着端子取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記圧着端子取り付け孔に挿通されて、前記ばね座金側に装着される圧着端子と、
前記端子ねじの首部外径とほぼ同じ孔径の座金取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記座金取り付け孔に挿通されて、前記圧着端子側に装着されるとともに、前記ねじ山部の抜け留め作用により前記ばね座金と前記圧着端子とを遊支しつつ前記首部に軸支される座金と、
を備えることを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子である。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の座金組込みねじ付き圧着端子において、
前記誘導部は、円柱部の先端に円錐状または円錐台形状の尖頭部を形成した尖頭体であることを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子である。
請求項1に記載の座金組込みねじ付き圧着端子において、
前記誘導部は、円柱部の先端に円錐状または円錐台形状の尖頭部を形成した尖頭体であることを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子である。
また、請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に記載の座金組込みねじ付き圧着端子において、
前記圧着端子の前記圧着端子取り付け孔の孔径は、前記端子ねじの首部外径よりも大きく、かつ、前記座金の座金外径よりも小さいことを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子である。
請求項1または請求項2に記載の座金組込みねじ付き圧着端子において、
前記圧着端子の前記圧着端子取り付け孔の孔径は、前記端子ねじの首部外径よりも大きく、かつ、前記座金の座金外径よりも小さいことを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子である。
また、請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の座金組込みねじ付き圧着端子と、
前記座金組込みねじ付き圧着端子が螺挿されて接続される端子台と、
を有し、電気的接続がなされることを特徴とする電気装置である。
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の座金組込みねじ付き圧着端子と、
前記座金組込みねじ付き圧着端子が螺挿されて接続される端子台と、
を有し、電気的接続がなされることを特徴とする電気装置である。
本発明によれば、圧着端子が端子ねじに対して回転し、かつねじ孔に端子ねじが確実容易に螺挿されるようにして、コスト低減および作業性の向上を共に実現する座金組込みねじ付き圧着端子、及び、この座金組込みねじ付き圧着端子を搭載して配線作業を容易にする電気装置を提供することができる。
続いて、本発明の座金組込みねじ付き圧着端子及び電気装置について以下に説明する。
まず、座金組込みねじ付き圧着端子について説明する。図1で示すように、座金組込みねじ付き圧着端子1は、配線2の心線2aが電気的に接続され、この接続部を絶縁被覆3が覆っている。なお、電気装置の端子台のスペースが狭く、座金組込みねじ付き圧着端子1の端子ねじがM3サイズというように小さいねじの場合、作業の支障となるため、絶縁被覆3を装着しないこともある。
まず、座金組込みねじ付き圧着端子について説明する。図1で示すように、座金組込みねじ付き圧着端子1は、配線2の心線2aが電気的に接続され、この接続部を絶縁被覆3が覆っている。なお、電気装置の端子台のスペースが狭く、座金組込みねじ付き圧着端子1の端子ねじがM3サイズというように小さいねじの場合、作業の支障となるため、絶縁被覆3を装着しないこともある。
続いて、座金組込みねじ付き圧着端子1の詳細について説明する。座金組込みねじ付き圧着端子1は、図2(a),(b)で示すように、詳しくは、端子ねじ10、ばね座金20、圧着端子30、座金40を備える。
端子ねじ10は、図3で示すように、頭部11、首部12、ねじ山部13、誘導部14をさらに備える。これら頭部11、首部12、ねじ山部13、誘導部14が、導電性を有する材料(例えばステンレス)により一体に形成されて端子ねじ10としている。
頭部11には+(プラス)や−(マイナス)の溝が形成されている。本形態では、図2(a)でも明らかなように、+(プラス)ねじとしている。
首部12は、頭部11とねじ山部13との間に設けられたねじ山がない箇所である。首部12の外径はねじ山部13の外径よりも小さく形成される。
首部12は、頭部11とねじ山部13との間に設けられたねじ山がない箇所である。首部12の外径はねじ山部13の外径よりも小さく形成される。
ねじ山部13は、ねじ山が形成された箇所である。
誘導部14は、ねじ山部13の先に形成されており、図3でも明らかなように、円柱部14aの先端部分において、円錐台形状(円錐の頂点側に面を形成した形状)の尖頭部14bを形成した尖頭体である。誘導部14の円柱部14aの外径は、ねじ山部13が螺挿されるねじ穴の内径より僅かに小さい円柱形状であり、後述するが、誘導部14はねじ穴に抜き差し可能となっている。尖頭部14bは先端側に行くに連れて小径となっており、ねじ穴へ導きやすくしている。なお、端子ねじ10が締結されたときにこの誘導部14がねじ穴の底に当接しないようにねじ穴は十分に底が深く形成されているものとする。
誘導部14は、ねじ山部13の先に形成されており、図3でも明らかなように、円柱部14aの先端部分において、円錐台形状(円錐の頂点側に面を形成した形状)の尖頭部14bを形成した尖頭体である。誘導部14の円柱部14aの外径は、ねじ山部13が螺挿されるねじ穴の内径より僅かに小さい円柱形状であり、後述するが、誘導部14はねじ穴に抜き差し可能となっている。尖頭部14bは先端側に行くに連れて小径となっており、ねじ穴へ導きやすくしている。なお、端子ねじ10が締結されたときにこの誘導部14がねじ穴の底に当接しないようにねじ穴は十分に底が深く形成されているものとする。
このねじ穴に対して端子ねじ10の中心軸の位置を誘導するときには円錐台形状の尖頭部14bが作用し、また、端子ねじ10の中心軸の傾斜を補正するときには円柱部14aが作用する。この円柱部14aの長さを、少なくとも端子ねじ10のねじピッチの1.5倍以上にすると中心軸の傾斜補正がし易い。なお、本形態の誘導部14は、円柱部14aの先端に円錐台形状の尖頭部14bを形成した尖頭体であるものとして説明したが、これに代えて、誘導部14は、円柱部14aの先端部分において、円錐状の尖頭部を形成した尖頭体としても良い。
ばね座金20は、ばね座金取り付け孔21(図5参照)を有し、端子ねじ10の首部12がばね座金取り付け孔21に挿通されて、ばね座金20は、端子ねじ10の頭部11と圧着端子30との間に配置される。ばね座金20は導電性を有する材料(例えばステンレス)により形成されている。
圧着端子30は、例えば導電性を有する材料(例えば銅)により形成された丸形圧着端子であり、図4(a),(b)で示すように、ワイヤーバレル部31、接続部32を備える。ワイヤーバレル部31は、配線2の心線2a(図1参照)が挿通される円筒体である。配線2の心線2aを包み込んだ状態で圧着または半田付けにより機械的および電気的に接続される。接続部32は、リング状であって圧着端子取り付け孔32a(図5参照)が形成される。端子ねじ10の首部12が圧着端子取り付け孔32aに挿通されて、圧着端子30は、ばね座金20と座金40との間に配置される。
座金40は、端子ねじ10の首部12の外径とほぼ同じ孔径の座金取り付け孔41(図5参照)を有し、端子ねじ10の首部12が座金取り付け孔41に挿通され、かつねじ山部13により抜け留めがなされており、座金としての機能に加え、ばね座金20と圧着端子30との抜け留めとしても機能する。座金40は導電性を有する材料(例えばステンレス)により形成されている。
続いて、これらのような構成を有する座金組込みねじ付き圧着端子1の機能について説明する。
まず、図5で示すように、圧着端子30の圧着端子取り付け孔32aの孔径は、端子ねじ10の首部12の外径よりも大きく、かつ、座金40の座金外径よりも小さくなっている。これにより、圧着端子30は、端子ねじ10の首部12を軸として自在に回転する。
まず、図5で示すように、圧着端子30の圧着端子取り付け孔32aの孔径は、端子ねじ10の首部12の外径よりも大きく、かつ、座金40の座金外径よりも小さくなっている。これにより、圧着端子30は、端子ねじ10の首部12を軸として自在に回転する。
また、座金40は、その座金取り付け孔41の孔径を、端子ねじ10の首部12の外径と同径程度としているのに対し、ねじ山部13の外径より小径としている。これにより、座金40は、端子ねじ10から抜け落ちない。
このように座金組込みねじ付き圧着端子1では、座金40が抜け止めとして作用するため、端子ねじ10から、ばね座金20、圧着端子30および座金40が脱落しないようにあらかじめ組み合わせて一体化されており、座金組込みねじ付き圧着端子1の取り扱いを容易にしている。
また、抜け止めとして作用するのは座金40であることから、圧着端子取り付け孔32aの孔径を充分に大きくできる。
また、従来技術では、ねじの取り付けに際し、誘導部がない標準的なねじ形状のねじとねじ穴(タップ)とでは位置合せが難しいため、タップのねじ山を損傷することがあったが、本発明の座金組込みねじ付き圧着端子1では、端子ねじ10の先端部分に形成した誘導部14の外径をねじ穴の内径より小さくしており、図6(a),(b)でも示すように、電気装置の端子台(タップ部分)4に、配線の末端である端子ねじ10を固定するとき、端子ねじ10の先端の誘導部14の尖頭部14bがねじ穴4aへのガイドとして機能してねじ穴4aへ確実に誘導し、また、誘導部14の円柱部14aが図7(a)で示すように、ねじ穴4aに対して端子ねじ10の軸合わせ機能を有するため、ねじ締め作業が容易に行える。座金組込みねじ付き圧着端子1はこのようなものである。
続いて座金組込みねじ付き圧着端子の製造方法について説明する。
まず、頭部および首部を形成したねじ体を準備する。なお、ねじ体はねじ加工前でねじ山部および誘導部を形成していないものとする。
まず、頭部および首部を形成したねじ体を準備する。なお、ねじ体はねじ加工前でねじ山部および誘導部を形成していないものとする。
続いて、首部にばね座金20、圧着端子30、座金40を順次装着する。続いて転造加工によりねじ体にねじ山部を形成する。転造加工によりねじ山が盛り上がるように形成され、ねじ山部の外径が首部の外径よりも大きくなって、座金40が抜けないようになり、この座金40によりばね座金20や圧着端子30が抜け留めされる。最後に切削加工などによりねじ山部の先端を削って誘導部14を形成し、ねじ山部13および誘導部14を設ける。このようにして座金組込みねじ付き圧着端子1を製造できる。
続いて、この座金組込みねじ付き圧着端子1が取り付けられる電気装置について説明する。電気装置は、先に説明したように計器や電気機器であり、例えば、建家壁面に設けられた電力量計である。電気装置は、図6(a),(b)で示すように、金属製(例えば黄銅製)であってねじ穴(タップ)4aを有する端子台4が設けられている。座金組込みねじ付き圧着端子1の圧着端子30に配線2の心線2aが電気的に接続されている。そして、図7(b)で示すように、電力量計の端子台4に座金組込みねじ付き圧着端子1の端子ねじ10が螺挿されて配線2と電気装置とが電気的に接続される。
このような電気装置は限られた狭いスペースに配置されることが多く、座金組込みねじ付き圧着端子1の端子台4のねじ穴のサイズは、例えば、M3程度と比較的小さい寸法である。それでも本発明の座金組込みねじ付き圧着端子1は配線2とともに移動できるため取り扱いが容易であり、作業性を高めている。なお、当然ながらねじのサイズはこれ以外のサイズ、例えばM4〜M6というサイズを採用しても良い。
続いて、座金組込みねじ付き圧着端子1を用いる電気装置への配線作業の詳細について説明する。
まず、作業者は、配線2の心線2aに座金組込みねじ付き圧着端子1を取り付ける。この際、座金組込みねじ付き圧着端子1の圧着端子30のワイヤーバレル部31(図4(a),(b)参照)へ心線2aを挿入する。ワイヤーバレル部31には絶縁被覆3が組付けられた状態であってワイヤーバレル部31は絶縁被覆3で覆われており、絶縁被覆3の上から圧着工具を用いて圧着(かしめ)する。図1で示すように座金組込みねじ付き圧着端子1と配線2とが一体になり、絶縁被覆3により接続箇所が外界から保護される。なお、本形態では絶縁被覆3について言及しているが、この絶縁被覆3は必ず装着されるものではなく、絶縁被覆が装着されていない座金組込みねじ付き圧着端子1であっても良い。
まず、作業者は、配線2の心線2aに座金組込みねじ付き圧着端子1を取り付ける。この際、座金組込みねじ付き圧着端子1の圧着端子30のワイヤーバレル部31(図4(a),(b)参照)へ心線2aを挿入する。ワイヤーバレル部31には絶縁被覆3が組付けられた状態であってワイヤーバレル部31は絶縁被覆3で覆われており、絶縁被覆3の上から圧着工具を用いて圧着(かしめ)する。図1で示すように座金組込みねじ付き圧着端子1と配線2とが一体になり、絶縁被覆3により接続箇所が外界から保護される。なお、本形態では絶縁被覆3について言及しているが、この絶縁被覆3は必ず装着されるものではなく、絶縁被覆が装着されていない座金組込みねじ付き圧着端子1であっても良い。
続いて、作業者は、図6(a)の矢印で示すように、配線された座金組込みねじ付き圧着端子1の誘導部14を端子台4のねじ穴4aの締結位置まで案内させる。例えば一方の手で配線2をつまんで移動させれば配線2の先端の座金組込みねじ付き圧着端子1も移動する。
続いて、作業者は、図6(b)で示すように、誘導部14の尖頭部14bをねじ穴4a内に入れる。この際、ねじ穴(タップ)4aの中心軸に対して端子ねじ10の中心軸が一致するように誘導補正される。そして、座金組込みねじ付き圧着端子1は、図7(a)で示すように、その誘導部14の円柱部14aが端子台4のねじ穴4aに挿入される。この際、ねじ穴(タップ)4aの中心軸に対して端子ねじ10の中心軸傾斜が誘導補正される。このように誘導されるため、座金組込みねじ付き圧着端子1は確実容易に締結位置に到達する。
ここまでの移動にあたり、座金40によりばね座金20、圧着端子30の脱落防止が図られていることから、落下を考慮する必要がなくなって、作業の手間を低減している。さらに、仮に座金組込みねじ付き圧着端子1を落としたとしても、座金組込みねじ付き圧着端子1には配線2が付いているので、すぐに引き上げることができる。
続いて、作業者は、このように一方の手で配置誘導された座金組込みねじ付き圧着端子1の端子ねじ10を、他方の手のドライバーや電動ドライバーにより回転させて端子台4に組み付けていく。誘導部14により誘導された座金組込みねじ付き圧着端子1の端子ねじ10を締め付けることにより、図7(b)で示すように、座金組込みねじ付き圧着端子1は端子台4に確実に締結固定される。
以上、本発明の座金組込みねじ付き圧着端子及び電気装置について説明した。上記形態では、電気装置の一例として電力量計を挙げて説明したが、電気装置が電力量計に限定されるという趣旨ではない。電気装置の他の例として、配電機器、制御装置や計測器という各種の機器を採用することができる。
このように図1〜図7を用いて説明した、座金組込みねじ付き圧着端子及び電気装置によれば、以下のような利点を有する。
(1)座金によりばね座金、圧着端子が端子ねじから脱落しないため、端子台への取付け/取り外しの作業中に部品を落として紛失してしまうような事態がなくなる。
(2)座金組込みねじ付き圧着端子は配線に取り付けられているため、端子台への取付け/取り外しの作業に座金組込みねじ付き圧着端子を落として紛失してしまうような事態もなくなる。
(3)誘導部により確実に締結位置へ誘導されるため、特に電動ドライバーを用いたねじ締めの作業においてねじ孔タップのねじ山を損傷することがなくなり、電動ドライバーの作業が容易となり、作業性が著しく向上する。
(4)上記の(1),(2)の効果により、落下に注意を払う手間が排除され、座金組込みねじ付き圧着端子の取付け/取り外しの作業性が著しく向上する。さらに、座金組込みねじ付き圧着端子部品の脱落に起因する短絡等・作業中停止等の諸問題が防止され、従来に比し安全性が向上する。また、作業性が向上して作業コストの低減を実現する。
(5)ねじの首部に対して圧着端子の圧着端子取り付け孔が十分に大きい開口径を有するため、ねじの首部に対して圧着端子を回転自在に維持し、不良の発生を抑えコスト低減を実現する。
本発明の座金組込みねじ付き圧着端子及び電気装置は、家庭用や産業用の各種の電気装置への配線の接続に幅広く適用が可能である。
1:座金組込みねじ付き圧着端子
10:ねじ
11:頭部
12:首部
13:ねじ山部
14:誘導部
14a:円柱部
14b:尖頭部
20:ばね座金
21:ばね座金取り付け孔
30:圧着端子
31:ワイヤーバレル部
32:接続部
32a:圧着端子取り付け孔
40:座金
41:座金取り付け孔
2:配線
2a:心線
3:絶縁被覆
4:端子台
4a:ねじ穴
10:ねじ
11:頭部
12:首部
13:ねじ山部
14:誘導部
14a:円柱部
14b:尖頭部
20:ばね座金
21:ばね座金取り付け孔
30:圧着端子
31:ワイヤーバレル部
32:接続部
32a:圧着端子取り付け孔
40:座金
41:座金取り付け孔
2:配線
2a:心線
3:絶縁被覆
4:端子台
4a:ねじ穴
Claims (4)
- 頭部とねじ山部との間に首部を有し、首部外径がねじ山部外径よりも小さく形成されており、かつ前記ねじ山部が螺挿されるねじ孔内径よりも小径で棒状の誘導部を前記ねじ山部の先端に有する端子ねじと、
ばね座金取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記ばね座金取り付け孔に挿通されて、前記端子ねじの前記頭部側に装着されるばね座金と、
圧着端子取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記圧着端子取り付け孔に挿通されて、前記ばね座金側に装着される圧着端子と、
前記端子ねじの首部外径とほぼ同じ孔径の座金取り付け孔を有し、前記端子ねじの前記首部が前記座金取り付け孔に挿通されて、前記圧着端子側に装着されるとともに、前記ねじ山部の抜け留め作用により前記ばね座金と前記圧着端子とを遊支しつつ前記首部に軸支される座金と、
を備えることを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子。 - 請求項1に記載の座金組込みねじ付き圧着端子において、
前記誘導部は、円柱部の先端に円錐状または円錐台形状の尖頭部を形成した尖頭体であることを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子。 - 請求項1または請求項2に記載の座金組込みねじ付き圧着端子において、
前記圧着端子の前記圧着端子取り付け孔の孔径は、前記端子ねじの首部外径よりも大きく、かつ、前記座金の座金外径よりも小さいことを特徴とする座金組込みねじ付き圧着端子。 - 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の座金組込みねじ付き圧着端子と、
前記座金組込みねじ付き圧着端子が螺挿されて接続される端子台と、
を有し、電気的接続がなされることを特徴とする電気装置。
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---|---|---|---|
JP2014239687A JP2016103321A (ja) | 2014-11-27 | 2014-11-27 | 座金組込みねじ付き圧着端子及び電気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018019553A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 中国電力株式会社 | 接地短絡器具、及びその仮支持具 |
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- 2014-11-27 JP JP2014239687A patent/JP2016103321A/ja active Pending
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