JP6772538B2 - 凹凸織編物 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸を一部に用いてなる織編物であり、その複合紡績糸を構成する異なる短繊維の混率が糸長手方向に断続的に切替っている凹凸織編物に関するものである。
従来より、織物表面に凹凸を表現する手法として、タペット、ドビーおよびジャガード織機などの特殊織機を使い、開口装置を機械的に操作して複雑な柄を表現する方法が一般的で広く知られている。また、染色加工面からは、代表的なプリント加工を始め、エンボス加工およびオパール加工などが、目的、織物品種および最終用途などに応じて使用されている。なかでも、織物表裏に梨地や楊柳調の柄を付加する手法として、エンボス加工が多様されており、特に、合成繊維織物は、その熱可塑性特性を有しており、この特性を活かした手法といえる。
しかしながら、前述の特殊織機においては高速運転に限界があり、必然的にWJLやAJL織機と比較すると生産性が劣り、一方、染色加工面から開発されたエンボス加工などは生産技術が確立され、品質的にも安定したものであるが、通常の染色工程と比較してコストアップとなることは避けられない。また、エンボス加工された部分の風合いが硬くなり、素材展開に制限が多いという課題があった(特許文献1参照。)。
一方、2種類以上の異なる短繊維を混ぜ合わせた複合紡績糸を用いて、織編物に杢感や凹凸感を付与する方法も開発されている。例えば、杢糸は、異色に染色された原綿や異染色の原綿を10質量%以下と低い混紡率にすることにより、混打綿における分散性の悪さから均一に混紡されず杢糸となる。しかしながら、この方法では、異なる短繊維群の混率の変化が乏しいため凹凸部分や色差がはっきりしないなどの課題がある。
このような課題を解決すべくその他にも種々の検討がなされており、ポリエステル繊維とレーヨンの混紡糸であって、不等長の着色されたレーヨンが0.1〜10質量%で紡績糸の長さ方向に分散されている混紡糸が提案されている(特許文献2参照。)。また別に、収縮率が異なる2種類の粗糸を精紡機の同一錘に仕掛けて紡出し、その2種類の繊維素材が糸軸に沿って連続的に存在する複合糸も提案されている(特許文献3参照。)。しかしながら、これらの提案では、異なる短繊維群の混率の変化が乏しいため、凹凸の表現が平凡になるという課題があった。
特開2003−082552号公報 特開平07−331547号公報 特開2013−253334号公報
そこで本発明の目的は、織編物の組織や加工に限定されず、織編物を構成する複合紡績糸において、その複合紡績糸を構成する短繊維群の混率が糸長手方向に断続的に切替っている複合紡績糸を用いてなる、細かい表面凹凸に優れた凹凸織編物を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、本発明の凹凸織編物は、少なくとも2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸を一部に用いてなる織編物であり、前記の複合紡績糸を構成する異なる短繊維群の混率が糸長手方向に断続的に切替って、それぞれの種類の短繊維のみで形成される部分を有していることを特徴とする凹凸織編物である。
本発明の凹凸織編物の好ましい態様によれば、前記の複合紡績糸で構成される織編物の
単位構成の糸長変動差率は5%以上である。
本発明の凹凸織編物の好ましい態様によれば、前記の複合紡績糸を構成する異なる短繊維群の混率切り替えピッチ長は40mm〜300mmである。
本発明によれば、糸長手方向に異なる短繊維の混率の変化が豊かな複合紡績糸であって、それぞれの短繊維収縮差による凹凸が複合紡績糸の糸長手方向に変化する複合紡績糸からなる凹凸織編物であって、従来得ることができなかった細かい表面凹凸に優れた凹凸織編物を得ることができる。
図1は、本発明で用いられる複合紡績糸の構造を説明するための縦断面模式図である。
本発明の凹凸織編物は、少なくとも2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸を一部に用いてなる織編物であり、前記の複合紡績糸を構成する異なる短繊維群の混率が糸長手方向に断続的に切替っている凹凸織編物である。
本発明で用いられる2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸とは、繊維素材の種類はもちろんのこと、同じ繊維素材でも繊維長、単繊維繊度、または断面形状が異なるものや染色差が異なるものも一つの種類として数えられる。すなわち、例えば、同じ繊維素材であるポリエステル繊維でも、収縮差が異なる短繊維であれば2種類であり、単繊維繊度も1.0dtexと2.0dtexであれば2種類であり、例えば、単繊維繊度が0.1dtex違う場合も2種類となることがあり、また原綿染色した黒色と原綿染色していない白色も2種類として数えることができる。
本発明の凹凸織編物は、複合紡績糸を構成する短繊維群の混率が糸長手方向に断続的に切替っていることが重要である。複合紡績糸の糸長手方向に断続的に短繊維群の混率が切替るとは、用途や目的に応じて種類の異なる短繊維群の混率が切り替わるものであるが、それぞれの種類の短繊維が50質量%未満の部分を有することが好ましく、さらには、それぞれの種類の短繊維が存在しない部分を有すること、即ち、他の種類の短繊維のみで形成される部分を有することが更に好ましい態様である。これは、それぞれの種類の短繊維の特徴がより発揮されるためである。
短繊維の質量%は、採取するサンプルを複合紡績糸の長さで10mmとすること以外は、JIS L1030−2(2012年版)に準じて定量することができ、また、複合紡績糸の断面を電子顕微鏡もしくはマイクロスコープで写真を撮影し、それぞれの種の短繊維数を数え、またそれぞれの種の単繊維繊度をJIS法(合成繊維であればJIS L1015(2010年版))で求め、比重を掛けて求めることもできる。また、ある種の短繊維が存在しない部分とは、複合紡績糸や織編物から分解した複合紡績糸の断面写真からそれぞれの短繊維の有無によって評価される。
具体的に、長さ200mmの複合紡績糸5本を用意し、その複合紡績糸を端から20mmでカットし、その複合紡績糸の断面を電子顕微鏡もしくはマイクロスコープで写真を撮影し、それぞれの種類の短繊維の存在を確認する。カットした端からまた20mmでカットし、同じ方法で、それぞれの種類の短繊維の存在を確認する。これを繰り返し、長さ200mmの複合紡績糸で10回、断面写真で短繊維の存在を確認する。同じ方法で残った4本の複合紡績糸を評価し、合計50回の評価を行い、それぞれの種類の短繊維の存在有無を確認する。50回の評価の中で、1回でもその短繊維が存在しないことが確認される場合は、本発明のそれぞれの短繊維が存在しない部分を有する複合紡績糸とする。
本発明の凹凸織編物は、経緯方向に細かい表面凹凸に優れた織編物であるためには、複合紡績糸で構成される織編物の糸長変動差が5%以上であることが好ましい。異なる2種類の糸の配列による糸長の変動ではなく、2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸の糸長が変動することにより、自然な凹凸感を付与することができる。より好ましい糸長変動差は、5%以上50%以下である。
糸長変動差が5%未満では、凹凸感が不足して特徴の少ない織編物になる。また、糸長変動差が50%を超えると、凹凸感が大きすぎて、糸の浮きが多すぎスナッギング等物性面で問題が発生することがある。
2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸は、収縮率が異なる2種類以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であることが好ましい態様である。例えば、短繊維が2種類の場合は、収縮率が10%以下の低収縮性短繊維と、その低収縮性短繊維との収縮差が5%以上の高収縮性短繊維で構成される。好ましい低収縮性短繊維Aの収縮率は10%以下であり、さらに好ましくは10%〜2.5%である。
本発明で用いられる複合紡績糸は、2種類以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、この複合紡績糸を構成する低収縮性短繊維の素材としては、例えば、通常のあらゆる合成繊維はもとより、アセテート等のセルロース系繊維、再生セルロース系繊維、または木綿、絹、および動物繊維などの天然繊維なども適用することができる。
複合紡績糸を構成する短繊維の断面形状としては、丸型、三角型、Y型、十字型、星型、および扁平型等あらゆる断面形状のものを使用することができる。
また、複合紡績糸を構成する高収縮性短繊維の素材としては、収縮率が好ましくは10%以上の合成繊維または半合成繊維が用いられる。さらに好ましくは高収縮ポリエステル短繊維であり、例えば高収縮PETと低収縮PETをサイドバイサイドまたは偏心芯鞘複合させたポリエステル短繊維が好適に用いられる。
短繊維の単繊維繊度は、精紡性と風合の両立の面から好ましくは通常の複合紡績糸で使用される単繊維繊度が0.5〜10dtexの範囲であり、より好ましくは0.7〜4.0dtexの範囲である。ここで、単繊維繊度が0.5dtex未満であると、精紡性が極端に悪化し好ましくない。また、単繊維繊度が10dtexを超えると、風合が硬くなり衣料用として適さないので好ましくない。
また、短繊維の繊維長は、品質の面から好ましくは25〜200mmの範囲であり、より好ましくは30〜100mmの範囲である。ここで、繊維長が25mm未満であると、糸強度が悪くなり好ましくない。また、繊維長が200mmを超えると、精紡性が極端に悪化し好ましくない。
本発明で用いられる複合紡績糸の糸番手は、10〜100番手(綿式)の範囲であることが好ましいが、この糸番手は用途に応じて適宜選ぶことができる。例えば、衣料用の織編物であれば、20〜100番手(綿式)が好ましい態様である。カバンなどの衣料資材織編物であれば、10〜30番手(綿式)が好ましい態様である。また、糸番手は、用途に応じて複合紡績糸の糸長手方向で変更することができるが、複合紡績糸の糸長手方向に一定である方が織編物の品位が良くなる。
複合紡績糸のヨリ係数は、2.0〜5.0の範囲であることが好ましいが、このヨリ係数は、用途に応じて適宜選ぶことができる。また、ヨリ係数は一定である必要はなく、用途に応じて複合紡績糸の糸長手方向に変更することができる。
複合紡績糸は、用途に応じてスラブ糸にして用いることができる。例えば、スラブ太さや長さは、基準とする番手の100%以下にあると、糸強力が劣り紡績糸が製造できないことがあることや、基準とする番手の500%以上にあると、次工程の織機や編機等で番手変動による糸切れが発生する恐れがあることから、スラブ太さや長さは、基準とする番手の100〜500%の範囲であることが好ましい態様である。スラブ太さや長さは、より好ましくは150〜300%での範囲である。
また、スラブ長さは、30mm以下にあると単繊維長より短くスラブ形成が不可能であることや、また、2000mm以上であると生地にした場合スラブが強調されないなどのことから、スラブ長さは、30〜2000mmの範囲であることが好ましい態様である。スラブ長さは、より好ましくは50〜1000mmの範囲である。
複合紡績糸は、単糸だけでなく、双糸や三子糸など撚糸加工や長繊維と複合加工することができる。
次に、本発明の凹凸織編物の製造方法について説明する。
まず、複合紡績糸を得る方法としては、例えば、練条機やギル機などの練条工程で、2種類のスライバーを用意し、クリールを単独で駆動させ2種類のスライバーを糸長手方向に断続的に切替える方法で作製したスライバーを、必要に応じて、粗糸にしてリング精紡機や空気精紡機や結束紡績機などに仕掛けて複合紡績糸を得る方法や、精紡工程で2本の粗糸をそれぞれミドルローラーとバックローラーから供給し、独立したエプロン機構とドラフトローラー駆動により紡績糸を糸長手方向に断続的に切替えるモザイクヤーンシステム(豊田自動織機(株)製)を有する精紡機を用いて、複合紡績糸を得る方法が挙げられる。
複合紡績糸を構成する短繊維の混率が糸長手方向に断続的に切替る際の平均ピッチ長は、40mm〜300mmの範囲であることが好ましい。平均ピッチ長が40mm未満では短繊維長に近い長さになるため、精紡時の糸切れが多くなる。また、平均ピッチ長が300mmを超えると、同じ素材が長く続くため、凹凸変化に乏しい織編物になる。また、低収縮短繊維の平均ピッチ長を高収縮短繊維の平均ピッチ長より短くすることにより、より細かい表面凹凸を表現することができる。
また、複合紡績糸の形態も、リング紡績糸でも良く、空気紡績糸や結束紡績糸とすることもできる。
本発明の凹凸織編物は、公知の製織方法と編成方法を用いて、織組織や編組織としては公知の如何なる組織をも適用することができる。
例えば、織物においては、本発明で用いられる複合紡績糸を織物の経糸および/または緯糸として使用することができ、通常の製織工程で製織することができる。組織についても任意の組織が使用できるが、凹凸変化を細かくする点では平組織やツイル組織が好ましく用いられる。また、編物においては、通常の丸編みや経編工程で編成することができる。組織についても任意の組織が使用できるが、凹凸変化を細かくする点では丸編みでは天竺組織、鹿の子組織、ポンチ組織およびツイル組織が、また経編みではハーフ組織が好ましく用いられる。
製織編工程は、一般的に使用される工程で良く、織機および編機の種類は特に限定されない。また、織編物の組織や密度は、求められる風合いや物性および機能性により選択される。
製織編工程で得られた生機は、使用される素材によって選別されるが、一般的な染色工程と条件で染色仕上げ加工され、最終の仕上げにより織編物となる。その中で、凹凸感を表現するために、リラックス熱処理は120℃以上の高温高圧液流リラックス加工で織編物にモミ効果を付与することが好ましい。また、必要に応じて、染色した原綿や製織編工程前の複合紡績糸で染色することもできる。
また、本発明の凹凸織編物は、繊維構造物の一部に使っても繊維構造物全体に使用しても構わず、その用途や目的に沿って決めることができる。例えば、インナー、ジャケット、シャツ、コート、ドレス、ユニフォーム、カットソー、肌着類、靴下類、裏地類、手袋、マフラー類等の衣料用途、およびマット、タオルやカバン等の家庭用途などに用いることができ、特にシャツ地やジャケット地などで好適に利用することができる。
次に、図面に基づいて、本発明の凹凸織編物を構成する複合紡績糸の構造を例示説明する。図1は、本発明で用いられる複合紡績糸の構造を説明するための縦断面模式図である。
図1において、本発明の複合紡績糸4は、短繊維Aからなる短繊維群1、短繊維Bからなる短繊維群2、および短繊維Aと短繊維Bからなる複合短繊維群3で構成されている。
このように、異なる短繊維の混率が糸長手方向に切替り、複合紡績糸が糸長手方向に断続的に変化することにより、得られた織物は外観で凹凸部分の変化が激しい今までにない新しい外観となる。
また、本発明で用いられる複合紡績糸は、必要に応じてフィラメント糸と複合させ、長短複合紡績糸とすることができる。フィラメント糸の割合が5%質量以下であるとフィラメント糸の特徴が発揮できないことや、逆にその割合が50質量%以上であるとステープル側の特徴が発現できないことから、フィラメント糸の複合割合は5〜50質量%の範囲であることが好ましい態様である。
本発明で用いられるフィラメント糸としては、具体的には、ポリエステル繊維、ビスコースレーヨン繊維、キュプラレーヨン繊維、ポリアミド繊維、アセテート繊維、ポリアミド繊維、ポリトリメチレンテレフタール繊維、ポリプロピレン繊維およびナイロン繊維からなるフィラメント糸等が挙げられる。また、フィラメント糸の形態としては、仮撚り加工糸、加工を施されていない原糸および先染め糸等のいずれでもよく、これらの複合糸を用いることもできる。
次に、本発明の凹凸織編物について、実施例により説明する。本発明における物性等の測定方法および評価方法は、次のとおりである。
(1)それぞれの種類の短繊維の存在しない箇所:
織編物を経緯15cmにサンプリングを行い、複合紡績糸を任意の場所から順番に30本分離する。複合紡績糸を端から20mmでカットし、その複合紡績糸の断面をマイクロスコープによって20倍で写真を撮影し、それぞれの種類の短繊維の存在を確認した。カットした端からまた30mmでカットし、同様の方法で、それぞれの種類の短繊維の存在を確認し、これを繰り返し、複合紡績糸で5回、断面写真でそれぞれの種類の短繊維の存在を確認した。同様の方法で、30本の複合紡績糸を評価し、合計150回の評価を行い、それぞれの種類の短繊維の存在しない箇所を確認した。150回の中で1回でも存在しないことが確認される場合、本発明のそれぞれの種類の短繊維の存在しない部分を有する複合紡績糸とする。
(2)乾熱収縮率試験:
JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)(2015年改訂)に準じ、180℃の温度の乾熱で測定した。
(3)織編物の単位構成の糸長変動差:
織編物を経緯15cmにサンプリングを行い、複合紡績糸を用いた方向に10cm間隔の印を付けて織編物長さLとし、複合紡績糸を任意の場所から順番に50本分離する。分離した複合紡績糸にそれぞれ繊度D(dtex)×0.1gの荷重を付与し、織物の状態で先に印をした糸の間隔の長さを50本分測定する。その長さ測定値の最大値と最小値を求め、下記式で糸長変動差を求める。
・糸長変動差(%)=(最大値−最小値)/最小値×100。
(4)織編物の凹凸外観評価:
実施例で作成した織編物の凹凸感において、次のとおりの級判定を行い、無作為に選んだ10人の評価の平均に近いものを結果とした。◎と○は、凹凸感が合格と判定できるレベルにある。
・◎:凹部と凸部が細かくはっきり分かれており、凹凸感に特に優れている。
・○:凹部と凸部が細かく分かれており、凹凸感に優れている。
・△:凹部と凸部が不明瞭であり、凹凸感に不足している。
・×:凹部と凸部が存在せず、フラットな表面感である。
(実施例1)
単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmであり、乾熱収縮率が5.0%のPET短繊維Aからなる粗糸(A)を準備し、かつ単繊維繊度が2.2dtexで、繊維長が38mmであり、乾熱収縮率が12.0%の高収縮PETと低収縮PETをサイドバイサイド型に貼り合わせたPETバイメタル短繊維Bからなる粗糸(B)を準備した。それぞれの粗糸(A)と粗糸(B)を豊田自動織機(株)製のモザイクヤーンシステムを有する精紡機で、粗糸(A)をミドルローラーから、粗糸(B)をバックローラーからそれぞれ供給し、表1に示す条件(粗糸(A)の平均ピッチ長:70mm、粗糸(B)の平均ピッチ長:70mm)で綿方式の番手で40Sの複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。得られた複合紡績糸は、糸長手方向に断続的に短繊維Aからなる短繊維群と短繊維Bからなる短繊維群の混率が切替っている複合紡績糸であった。
次に、得られた複合紡績糸を緯糸と経糸の双方で使用し、通常のレピア織機を用いて、織組織を平組織とし、織密度を経が136本/2.54cmで緯が72本/2.54cmとした織物を得た。次に、得られた製織生地を98℃の温度で拡布連続精練のあと、130℃の温度の液流リラックス処理で表面に凹凸が発現させ、その後、180℃の温度で中間セットし、分散染料による130℃染色、160℃の温度で仕上げセットを施した。得られた織物の糸長変動差は、経が15%で緯が18%であり、織物表面は細かい表面凹凸に特に優れた織物であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmであり、乾熱収縮率が6.5%のカチオンPET短繊維Aからなる粗糸(A)を準備し、粗糸(A)の平均ピッチ長を100mmとしたこと以外は、実施例1と同じ方法で複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。次にカチオン染料で染色したこと以外は、実施例1と同じ方法で織物を得た。得られた織物の糸長変動差は、経が13%で緯が17%であり、織物表面は細かい表面凹凸に特に優れており、さらに流れ杢調の意匠性に優れていた。結果を表1に示す。
(実施例3)
繊維長が38mmで、乾熱収縮率が4.5%の綿短繊維からなる粗糸(A)を準備した。また、単繊維繊度が2.2dtexで、繊維長が38mmであり、乾熱収縮率が12.0%の高収縮PETと低収縮PETをサイドバイサイド型に貼り合わせたPETバイメタル短繊維Bと単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmであり、乾熱収縮率が5.0%の低収縮ポリエステル原綿を混打綿工程で50:50の質量割合で混紡した粗糸(B)を準備したこと以外は、実施例1と同じ方法で複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。次に、実施例1と同じ方法で織物を得た。得られた織物の糸長変動差は、経が8%で緯が8%であり、織物表面は細かい表面凹凸に優れ、より自然な表面感を有していた。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同じ方法で得られた複合紡績糸を得て、その複合紡績糸を用いて、通常の28G丸編み機機を用いて、天竺組織で編物を得て、実施例1と同じ方法で加工を施した。得られた織物の糸長変動差は、糸長手方向に10%であり、編物表面は細かい表面凹凸に優れ、より自然な表面感を有していた。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じ方法でPET短繊維AとPETバイメタル短繊維Bを準備し、混打綿工程において、混打綿工程で50:50の質量割合で混ぜて投入し、カード工程以降は通常の紡績工程を経て、粗糸(C)を作製した。作成した粗糸(C)を、豊田自動織機(株)製の精紡機のバックローラーから供給し、表1に示す条件によって、綿方式の番手で45の複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。
得られた複合紡績糸を実施例1と同じ方法を用いて織物を得た。得られた織物の糸長変動差は、経が1%で緯が2%であり、織物表面は凹部と凸部がなく、フラットな表面感であった。結果を表2に示す。
(比較例2)
単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mm、乾熱収縮率が8%のナイロン6短繊維Bからなる粗糸(B)を準備した以外は、実施例1と同じ方法で複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。次に実施例1と同じ方法で織物を得た結果、得られた織物の糸長変動差は、経が3%で緯が4%であり、織物表面の凹部と凸部が不明瞭であり、凹凸感に不足している表面感であった。結果を表2に示す。
1:短繊維Aからなる短繊維群
2:短繊維Bからなる短繊維群
3:短繊維Aと短繊維Bが混在してなる複合短繊維群(複合部)
4:複合紡績糸

Claims (2)

  1. 少なくとも2種類以上の異なる短繊維が混在する複合紡績糸を一部に用いてなる織編物であり、前記複合紡績糸を構成する異なる短繊維群の混率が糸長手方向に断続的に切替って、それぞれの種類の短繊維のみで形成される部分を有し、かつ、前記複合紡績糸で構成される織編物の糸長変動差が5%以上であることを特徴とする凹凸織編物。
  2. 複合紡績糸を構成する異なる短繊維群の混率切り替えピッチ長が40mm〜300mmであることを特徴とする請求項1記載の凹凸織編物。
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