JP2017101337A - 複合紡績糸およびそれを用いてなる繊維構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、これらの短繊維の混率の変化が豊かな複合紡績糸、およびそれぞれの品種により発揮される特徴が複合紡績糸の縦列方向に変化している複合紡績糸からなる繊維構造物を提供する。【解決手段】本発明の複合紡績糸は、2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、少なくとも一種の短繊維の断面形状は異型断面を有し、前記の複合紡績糸の縦列方向に断続的に前記の短繊維の混率が切替っている複合紡績糸である。前記の複合紡績糸は、いずれかの短繊維が、その混紡糸の縦列方向に断続的に存在しない部分を有する複合紡績糸である。【選択図】 なし
Description
本発明は、紡績糸の縦列方向に断続的に混率が切替る複合紡績糸、およびその複合紡績糸を用いてなる繊維構造物に関し、詳しくは、本発明は、複合紡績糸でありながらそれぞれの品種により発揮される特徴が複合紡績糸の縦列方向に変化する複合紡績糸と、それを用いてなる繊維構造物に関するものである。
従来から、2種類以上の異なる短繊維を混ぜ合わせて複合紡績糸を製造する方法は、混打綿工程で原綿を混ぜる方法や、練条工程や粗紡工程でスライバーを混ぜる方法、精紡工程で粗糸を混ぜる方法、および出来上がった単糸を撚糸工程で撚り合わせる方法など、多種に渡って行われてきた。
従来の方法で製造されている複合紡績糸である混紡糸は、通常、短繊維同士が均一に混紡されていることから、用いられるそれぞれの繊維の特徴が紡績糸の縦列方向に常に一定であるため、このような混紡糸を用いた繊維構造物は、物性や機能性なども一定で品位も安定しており、一般的に好まれて使用されている。
他方、2種類以上の短繊維を均一に混ぜることを好まない用途もあり、代表的なものとして杢糸がある。杢糸は、異色に染色された原綿や異染色の原綿を10質量%以下と低い混紡率にすることにより、混打綿における分散性が悪さから均一に混紡されず杢糸となる。しかしながら、この方法では、混率の変化が乏しいため杢糸の光沢斑の表現が乏しいことや、色差がはっきりしないなどの課題があり、その他にも種々検討されている。
具体的に、異型断面のカチオン染料易染性ポリエステル短繊維とカチオン染料易染性ポリエステル短繊維を二層構造とした複合紡績糸が提案されている(特許文献1参照。)。また、連続した幹糸に不連続に部分的に貼り付けられた形態のパッチ糸からなる複合糸提案されている(特許文献2参照。)。また別に、ポリエステル繊維とレーヨンの混紡糸であって、不等長の着色されたレーヨンが0.1〜10質量%で紡績糸の長さ方向に分散されている混紡糸が提案されている(特許文献3参照。)。さらに、複数種の粗糸を精紡機に仕掛けその粗糸のうち少なくとも一つが、糸軸に沿って間欠的にスラブを有する方法も提案されている(特許文献4参照。)。
しかしながら、これらの提案では、異なる短繊維の混率の変化が乏しいため光沢斑の表現が平凡になるという課題があった。
そこで本発明の目的は、上記の課題を解決すべく、混率の変化が豊かな複合紡績糸、およびそれぞれの品種により発揮される特徴が複合紡績糸の縦列方向に変化することにより、光沢斑を表現することができる複合紡績糸と、その複合紡績糸からなる光沢斑を表現することができる繊維構造物を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決せんとするものであって、本発明の混紡糸2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、少なくとも一種の短繊維の断面形状は異型断面を有し、前記の複合紡績糸の縦列方向に断続的に前記の短繊維の混率が切替っている複合紡績糸である。
本発明の複合紡績糸の好ましい態様によれば、前記のいずれかの短繊維が、前記の複合紡績糸の縦列方向に断続的に存在しない部分を有することである。
本発明の繊維構造物は、前記の複合紡績糸を用いてなる繊維構造物である。
本発明によれば、混率の変化が豊かな複合紡績糸、およびそれぞれの短繊維断面形状による光沢差を混紡糸の縦列方向に変化する複合紡績糸とそれからなる繊維構造物が得られる。
本発明の複合紡績糸は、2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、少なくとも一種の短繊維の断面形状は異型断面を有し、前記の混紡糸の縦列方向に断続的に前記の短繊維の混率が切替っている複合紡績糸である。
次に、複合紡績糸の縦列方向に断続的に短繊維の混率が切替る複合紡績糸と、その複合紡績糸を用いてなる繊維構造物の実施の形態について説明する。
本発明の複合紡績糸は、2種以上の短繊維が混在している。ここで記載される種とは、素材はもちろんのこと、同素材でも繊維長、単繊維繊度、または断面形状が異なるものや染色差が異なるものも一つの種として数えられる。すなわち、例えば、同じ素材であるポリエステル繊維でも、断面形状が異なる丸断面と三角断面であれば2種であり、単繊維繊度も1.0dtexと2.0dtexであれば2種であり、例えば、単繊維繊度が0.1dtex違う場合も2種となることがあり、また原綿染色した黒色と原綿染色していない白色も2種と数える。
本発明の複合紡績糸は、2種以上の異なる短繊維が混在してなる混紡糸であり、例えば、短繊維が2種の場合は、短繊維Aと短繊維Bで構成される。
複合紡績糸を構成する短繊維Aの素材としては、例えば、通常のあらゆる合成繊維はもとより、アセテート等のセルロース系繊維、再生セルロース系繊維、または木綿、絹、および動物繊維(羊毛)などの天然繊維なども適用することができる。
複合紡績糸を構成する短繊維Aの断面形状は、あらゆる断面形状のものを使用することができる。
また、複合紡績糸を構成する短繊維Bの素材としては、例えば、あらゆる形状に変更が容易な合成繊維または半合成繊維が好ましく用いられる。
本発明の複合紡績糸は、2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、少なくとも一種の短繊維の断面形状は異型断面を有している。例えば、複合紡績糸を構成する単繊維Bは、その繊維断面を見た場合に、異型断面であることが望ましい。具体的な断面形状としては、三角型、Y型、十字型、星型、扁平型および多葉型があげられる。異型断面繊維を用いることにより、光の乱反射作用による光沢抑制が発揮でき、複合紡績糸を構成する短繊維Aとの光沢差を表現することができる。
前述のとおり、本発明の複合紡績糸は、2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であるが、短繊維の種類の上限は、性能や管理面から10種程度である。また、2種の短繊維の混紡の場合、その混紡割合範囲は好ましくは5:95〜95:5とすることができる。1種の短繊維の割合が、が5%以下であると、その1種の単繊維効果が発揮できないことがある。より好ましい混紡割合は、30:70〜70:30である。
前記の複合紡績糸を構成する短繊維の単繊維繊度や繊維長は、通常、紡績糸で適用される範囲であればよく、例えば、用いられる短繊維の単繊維繊度は、好ましくは0.5〜10dtexの範囲であり、より好ましくは0.7〜4.0dtexの範囲である。また、短繊維の繊維長は、好ましくは25〜200mmの範囲であり、より好ましくは30〜100mmの範囲である。
また、本発明の複合紡績糸の糸番手は、10〜100番手(綿式)の範囲が好ましいが、用途に応じて適宜選ぶことができる。例えば、衣料用の織編物であれば、20〜100番手(綿式)がより好ましい態様である。カーペットなどのパイル織物であれば、10〜30番手(綿式)がより好ましい態様である。また、糸番手は、用途に応じて複合紡績糸の縦列方向で変更することができるが、複合紡績糸の縦列方向に一定である方が繊維構造物の品位が良くなる。
本発明の複合紡績糸のヨリ係数は、2.0〜5.0の範囲が好ましいが、用途に応じて適宜選ぶことができる。また、ヨリ係数は一定である必要はなく、用途に応じて複合紡績糸の縦列方向に変更することができる。
本発明の複合紡績糸は、用途に応じてスラブ糸にして用いることができる。例えば、スラブ太さは、基準とする番手の100%以下であると糸強力が劣り、紡績糸が製造できないことがあることや、500%以上であると次工程の織機や編機等で番手変動による糸切れが発生する恐れがあることから、100〜500%の範囲が好ましい態様である。また、スラブ長さは、30mm以下であると単繊維長より短くスラブ形成が不可能であることや、2000mm以上であると生地にした場合スラブが強調されないなどのことから、30〜2000mmの範囲が好ましい態様である。
本発明の複合紡績糸は単糸だけでなく、双糸や三子糸など撚糸加工や長繊維と複合加工することができる。
本発明において「複合紡績糸の縦列方向に断続的に短繊維の混率が切替る」とは、用途や目的に応じて種類の異なる短繊維の混率が切り替わるものであるが、それぞれの種類の短繊維が50質量%未満の部分を有することが好ましく、さらには、それぞれの種類の短繊維が存在しない部分を有すること、即ち、他の種類の短繊維のみで形成される部分を有することが更に好ましい態様である。これは、それぞれの種類の短繊維の特徴がより発揮されるためである。
短繊維の質量%は、採取するサンプルを混紡糸の長さで10mmとする以外は、JIS L1030−2(2012年版)に準じて定量することができ、また、複合紡績糸の断面を電子顕微鏡もしくはマイクロスコープで写真を撮影し、それぞれの種の短繊維数を数え、またそれぞれの種の単繊維繊度をJIS法(合成繊維であればJIS L1015(2010年版))で求め、比重を掛けて求めることもできる。また、ある種の短繊維が存在しない部分とは、紡績糸や繊維構造物から分解した紡績糸の断面写真からそれぞれの短繊維の有無によって評価される。
具体的に、長さ200mmの紡績糸5本を用意し、その紡績糸を端から20mmでカットし、その混紡糸の断面を電子顕微鏡もしくはマイクロスコープで写真を撮影し、それぞれの種類の短繊維の存在を確認する。カットした端からまた20mmでカットし、同様な方法で、それぞれの種の短繊維の存在を確認する。これを繰り返し、長さ200mmの紡績糸で10回、断面写真で糸種の存在を確認する。同様の方法で残った4本の紡績糸を評価し、合計50回の評価を行い、それぞれの種の短繊維の存在有無を確認する。50回の評価の中で、1回でも糸種が存在しないことが確認される場合、本発明のそれぞれの糸種が存在しない部分を有する複合紡績糸とする。
次に、本発明の複合紡績糸である混紡糸は、必要に応じてフィラメント糸と複合させ、複合混紡糸とすることができる。フィラメントの割合が5%質量以下であるとフィラメントの特徴が発揮できないことや、その割合が50質量%以上であるとステープル側の特徴が発現できないことから、フィラメントの複合割合は5〜50質量%の範囲であることが好ましい。
また、複合紡績糸の形態も、リング紡績糸でも良く、空気紡績糸や結束紡績糸とすることもできる。
次に、本発明の複合紡績糸の製造方法について説明する。
本発明の複合紡績糸を得る方法としては、例えば、練条機やギル機などの練条工程で、2種類のスライバーを用意し、クリールを単独で駆動させ2種類のスライバーを縦列方向に断続的に切替える方法で作製したスライバーを、必要に応じて、粗糸にしてリング精紡機や空気精紡機や結束紡績機などに仕掛けて複合紡績糸を得る方法や、精紡工程で2本の粗糸をそれぞれミドルローラーとバックローラーから供給し、独立したエプロン機構とドラフトローラー駆動により紡績糸を縦列方向に断続的に切替えるモザイクヤーンシステム(豊田自動織機(株)製)を有する精紡機を用いて複合紡績糸を得る方法がある。
切り替えピッチ長については、40mm〜1500mmの範囲が好ましく、更に好ましくは50mm〜1000mmの範囲である。切り替えピッチ長が40mm未満では、編物の場合はループがあるため、外観変化に乏しくなる場合がある。また、切り替えピッチ長が1500mmを超えると、同じ素材が長く続くため、変化に乏しい繊維構造物となる場合がある。
次に、本発明の複合紡績糸を使用してなる繊維構造物について説明する。
本発明の複合紡績糸を用いてなる繊維構造物は、パイル織物を含めた織物や編物などその用途によって選ぶことができる。
例えば、本発明の複合紡績糸を織物に用いる場合は、織物の経糸および/または緯糸として使用することができ、通常の製織工程で製織することができる。また、本発明の複合紡績糸を編物に用いる場合は、通常の丸編みや、経編工程で編成することができる。
製織編工程は、一般的に使用される工程で良く、織機および編機の種類は特に限定されない。また、織編物の組織や密度は、求められる風合いや物性および機能性により選択される。
製織編工程で得られた生機は、使用される素材によって選別されるが、一般的な染色工程と条件で染色仕上げ加工され、最終の仕上げにより織編物となる。また、必要に応じて、染色した原綿や製織編工程前の紡績糸で染色することもできる。
また、本発明の複合紡績糸は、繊維構造物の一部に使っても繊維構造物全体に使用しても構わず、その用途や目的に沿って決めることができる。例えば、インナーやジャケット、ユニフォーム、カットソー等の衣料用途およびマットやタオル等の家庭用途などに好適に用いることができる。
本発明における測定方法および評価方法は、次のとおりである。
(1)それぞれの種の短繊維の存在しない箇所:
織物から分解した紡績糸の断面写真からそれぞれの種の短繊維の有無を評価した。
織物から分解した紡績糸の断面写真からそれぞれの種の短繊維の有無を評価した。
織物の緯糸方向に幅に200mmで、長さ方向で10mmの大きさにカットしサンプルを作製する。そのサンプルからヨコ糸を5本抜き取る。その際、5本は紡績糸の長さ方向で200mmあると共に、織物になっている際にヨコ糸として並びあった紡績糸とする。紡績糸を端から20mmでカットし、その紡績糸の断面をマイクロスコープにて20倍で写真を撮影し、それぞれの種の短繊維の存在を確認した。カットした端からまた20mmでカットし、同様の方法で、糸種の存在を確認し、これを繰り返し、長さ200mmの糸で10回、断面写真でそれぞれの種の短繊維の存在を確認した。同様の方法で、残った4本の紡績糸を評価し、合計50回の評価を行い、それぞれの種の短繊維の存在しない箇所を確認した。50回の中で1回でも存在しないことが確認される場合、本発明のそれぞれの糸種の短繊維の存在しない部分を有する複合紡績糸とする。
(2)織物の外観評価:
杢糸の見え方の評価として、織物の外観評価を次のとおりの3段階で級判定を行った。
・3級:光沢部と光沢抑制部がはっきり分かれており光沢杢が見える。
・2級:光沢部と、光沢抑制部がそれぞれ存在し、独立している部分が存在するが、混ざっている部分が見られ光沢杢が見えない。
・1級:光沢部か光沢抑制部のみしか存在せず、光沢杢が見えない。
杢糸の見え方の評価として、織物の外観評価を次のとおりの3段階で級判定を行った。
・3級:光沢部と光沢抑制部がはっきり分かれており光沢杢が見える。
・2級:光沢部と、光沢抑制部がそれぞれ存在し、独立している部分が存在するが、混ざっている部分が見られ光沢杢が見えない。
・1級:光沢部か光沢抑制部のみしか存在せず、光沢杢が見えない。
また、実際に織物間で光沢に差があるか自動変角光度計を用いて光沢度の差を評価した。
織物から5×5cmをランダムに切り取った試料を4枚サンプリングし、自動変角光度計((株)村上色彩科学研究所製、GP−200)に固定した状態で一定の角度(60°)から光をあて、受光器を試料の法線方向を0度としたときに0から90度まで動かしたときの0度の拡散反射強度と最大反射強度(正反射強度)を測定し、その対比によって光沢度(対比光沢度)を、次式1で計算した。
(実施例1)
短繊維Aとして、単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmのポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT403)を準備し、短繊維Bとして、単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が38mmの扁平ポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT1681)を準備した。
短繊維Aとして、単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmのポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT403)を準備し、短繊維Bとして、単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が38mmの扁平ポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT1681)を準備した。
短繊維Aを100質量%使用し、通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸(A)を作製した。また、短繊維Bを100質量%使用し、通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸(B)を作製した。それぞれの粗糸(A)と粗糸(B)を、豊田自動織機(株)製のモザイクヤーンシステムを有する精紡機に、粗糸(A)をミドルローラーから、粗糸(B)をバックローラーからそれぞれ供給し、表1に示す条件で綿方式の番手が40‘Sの複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。
得られた複合紡績糸を緯糸に用い、経糸に56dtex−24フィラメントのポリエステルフィラメント糸を用いて、通常のレピア織機を用いて、織組織を1/3ツイル、織密度を経が113本/2.54cmで緯が53本/2.54cmとした織物を得た。
得られた織物は、光沢部と光沢抑制部が複合紡績糸の縦列方向に断続的に変化し、外観で光沢部と光沢抑制部の変化が激しい今までにない、新しい外観の織物を得た。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1と同じ短繊維A短繊維B)を準備し、実施例1と同じ粗糸Aと粗糸Bを作製した。それぞれの粗糸(A)と粗糸(B)を、豊田自動織機(株)製のモザイクヤーンシステムを有する精紡機に、粗糸(A)をミドルローラーから、粗糸(B)をバックローラーからそれぞれ供給し、表1に示す条件で綿方式の番手が40‘Sの複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。
実施例1と同じ短繊維A短繊維B)を準備し、実施例1と同じ粗糸Aと粗糸Bを作製した。それぞれの粗糸(A)と粗糸(B)を、豊田自動織機(株)製のモザイクヤーンシステムを有する精紡機に、粗糸(A)をミドルローラーから、粗糸(B)をバックローラーからそれぞれ供給し、表1に示す条件で綿方式の番手が40‘Sの複合紡績糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好であった。
得られた複合紡績糸を緯糸に用い、経糸に56dtex−24フィラメントのポリエステルフィラメント糸を用いて、通常のレピア織機を用いて、織組織を1/3ツイル、織密度を経が113本/2.54cmで緯が53本/2.54cmとした織物を得た。
得られた織物は、光沢部と光沢抑制部が複合紡績糸の縦列方向に断続的に変化し、外観で実施例1と同様に、光沢部と光沢抑制部の変化が激しい外観の織物を得た。結果を表1に示す。
(比較例1)
短繊維Aとして、単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmのポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT403)を準備し、短繊維Bとして、単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が38mmの扁平ポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT1681)を準備した。
短繊維Aとして、単繊維繊度が1.45dtexで、繊維長が38mmのポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT403)を準備し、短繊維Bとして、単繊維繊度が1.7dtexで、繊維長が38mmの扁平ポリエステル短繊維(東レ(株)製、原綿タイプT1681)を準備した。
混打綿工程において、質量比で短繊維Aを50質量%、短繊維Bを50質量%混ぜて投入し、カード工程以降は通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸Aを作製した。作成した粗糸Aを、豊田自動織機(株)製の精紡機のバックローラーから供給し、表1に示す条件によって、綿方式の番手で40‘Sの混紡糸を得た。糸切れの発生も少なく、紡績性は良好だった。
得られた混紡糸を緯糸に用い、経糸に56dtex−24フィラメントのポリエステルフィラメントを用いて、通常のレピア織機を用いて、織組織を1/3ツイル、織密度を経が113本/2.54cmで緯が53本/2.54cmとした織物を得た。得られた織物は、光沢部と光沢抑制部が混紡糸の縦列方向に断続的に変化せず、官能評価と光沢度ともに差異のない外観織物を得た。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同じ短繊維A準備し、100質量%の短繊維Aを混打綿工程で通常の混綿を施した後、通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸(A)を作製した。その粗糸(A)を通常のリング精紡機に仕掛け、綿方式の番手で40‘Sの紡績糸を得た。この混紡糸も糸切れの発生も少なく、紡績性は良好だった。
実施例1と同じ短繊維A準備し、100質量%の短繊維Aを混打綿工程で通常の混綿を施した後、通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸(A)を作製した。その粗糸(A)を通常のリング精紡機に仕掛け、綿方式の番手で40‘Sの紡績糸を得た。この混紡糸も糸切れの発生も少なく、紡績性は良好だった。
得られた紡績糸を緯糸に用い、実施例1と同様の方法によって織物を得た。得られた織物は、縦列方向に断続的に変化することはなく、官能評価と光沢度ともに差異のない外観織物を得た。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1と同じ短繊維B準備し、100質量%の短繊維Bを混打綿工程で通常の混綿をした後、通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸(B)を作製した。その粗糸(A)を通常のリング精紡機に仕掛け、綿方式の番手で40‘Sの紡績糸を得た。この紡績糸も糸切れの発生も少なく、紡績性は良好だった。
実施例1と同じ短繊維B準備し、100質量%の短繊維Bを混打綿工程で通常の混綿をした後、通常の紡績工程を経て、0.47g/mの粗糸(B)を作製した。その粗糸(A)を通常のリング精紡機に仕掛け、綿方式の番手で40‘Sの紡績糸を得た。この紡績糸も糸切れの発生も少なく、紡績性は良好だった。
得られた紡績糸を緯糸に用い、実施例1と同様の方法によって織物を得た。得られた織物は、縦列方向に断続的に変化することはなく、官能評価と光沢度ともに差異がない外観織物を得た。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 2種以上の異なる短繊維が混在してなる複合紡績糸であって、少なくとも一種の短繊維の断面形状は異型断面を有し、前記複合紡績糸の縦列方向に断続的に前記短繊維の混率が切替っている複合紡績糸。
- いずれかの短繊維が、前記複合紡績糸の縦列方向に断続的に存在しない部分を有する請求項1記載の複合紡績糸。
- 請求項1または2記載の複合紡績糸を用いてなる繊維構造物。
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