JP6771425B2 - 積層構造体及び成形体 - Google Patents
積層構造体及び成形体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6771425B2 JP6771425B2 JP2017094278A JP2017094278A JP6771425B2 JP 6771425 B2 JP6771425 B2 JP 6771425B2 JP 2017094278 A JP2017094278 A JP 2017094278A JP 2017094278 A JP2017094278 A JP 2017094278A JP 6771425 B2 JP6771425 B2 JP 6771425B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- refractive index
- layer
- laminated structure
- dielectric layer
- laminated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Optical Filters (AREA)
Description
また、蒸着光学多孔層として、誘電体材料で形成された反射率減衰層と金属材料で形成された光吸収膜と隠蔽膜と備えた着色製品が開示されている(例えば、特許文献2参照)。更に、熱伝導性及び絶縁性の観点から、薄片化黒鉛を含む薄片化黒鉛層を有する複合シート、及び波長400nm〜700nmでの表面反射率及び裏面反射率が1%以下である光吸収部、遮光部、光吸収部より成る光吸収部材が開示されている(例えば、特許文献3〜4参照)。
古くから良好な質感を有する製品の代表例として、漆塗りの製品が知られている。特に黒漆塗りは、製品に奥行き感を持たせ、高級感が付与されるとされている。ところが、黒漆塗りは、職人らによる伝統工芸的な手法であることから、工業的生産に適していない課題がある。
漆調の黒色が漆以外の材料で再現されることは、近年の需要に沿うものと考えられる。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、色味(特に青味)を有し、かつ、黒度の高い漆調黒色を呈する積層構造体を提供することにある。
本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、色味(特に青味)を有し、かつ、黒度の高い漆調黒色を呈する成形体を提供することにある。
<1> 基材と、基材上に配置された積層膜と、を備え、積層膜は、
400nm〜700nmの波長域の全域における平均消衰係数が0.01以上である光吸収層と、光吸収層からみて基材とは反対側に光吸収層に隣接させて配置され、かつ、屈折率が互いに異なる2以上の誘電体層を含み、2以上の誘電体層の間で相対的に低い屈折率を有する低屈折率誘電体層と、2以上の誘電体層の間で相対的に高い屈折率を有する高屈折率誘電体層と、を互いに接触させて積層された積層体を含む光学調整層と、を有し、かつ、以下に示す式a、並びに、式b1、式b2及び式b3を満たす、黒色調の積層構造体。
R1>R2>R3 式a
4.0%<R1<6.0% 式b1
4.0%<R2<6.0% 式b2
4.0%<R3<6.0% 式b3
R1は、400nm〜500nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光に対する平均反射率を表し、R2は、500nm〜600nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光に対する平均反射率を表し、R3は、600nm〜700nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光に対する平均反射率を表す。
<3> 低屈折率誘電体層の屈折率が、1.55以下である<1>又は<2>に記載の積層構造体である。
<4> 高屈折率誘電体層の屈折率が、1.70以上である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<5> 高屈折率誘電体層の屈折率と低屈折率誘電体層の屈折率との差の絶対値が、0.3以上である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<6> S偏光に対する反射率Rsが、下記式を満たす<1>〜<5>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
なお、λ2はλの2乗を表し、λ3はλの3乗を表し、λ4はλの4乗を表す。
N1>N2>N3>1.55 式c
K1>K2>K3>0.01 式d
上記において、N1は、400nm〜500nmの波長域の平均屈折率を表し、N2は、500nm〜600nmの波長域の平均屈折率を表し、N3は、600nm〜700nmの波長域の平均屈折率を表すである。K1は、400nm〜500nmの波長域の平均消衰係数を表し、K2は、500nm〜600nmの波長域の平均消衰係数を表し、K3は、600nm〜700nmの波長域の平均消衰係数を表すである。
<8> 光吸収層の厚みが、2μm以上である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<9> 光学調整層が、SiO2、SiN、及びAl2O3から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<10> 光学調整層中の積層体が、低屈折率誘電体層の少なくとも2層と高屈折率誘電体層の少なくとも2層とを含み、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とが交互に積層された4層以上の積層体である<1>〜<9>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<11> 基材に対して積層膜が配置された側の表面粗さRaの算術平均値が、30nm以下である<1>〜<10>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<12> 積層膜の、光吸収層と積層体との界面における界面粗さの算術平均値並びに低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層との界面における界面粗さの算術平均値が、30nm以下である<1>〜<11>のいずれか1つに記載の積層構造体である。
<13> <1>〜<12>のいずれか1つに記載の積層構造体が2次元又は3次元に成形されてなる成形体である。
本発明の他の実施形態によれば、色味(特に青味)を有し、かつ、黒度の高い漆調黒色を呈する成形体が提供される。
本明細書において、「工程」との用語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
また、平均屈折率及び平均消衰係数とは、特定の波長領域において、分光エリプソメトリー法により10nm以下で等間隔に測定した測定値を測定点の数で除した平均の値である。
本開示の積層構造体は、基材と、基材上に配置された積層膜と、を備えており、積層膜は、400nm〜700nmの波長域の全域における平均消衰係数が0.01以上である光吸収層と、光吸収層からみて基材とは反対側に光吸収層に隣接させて配置された光学調整層と、を有する積層構造を含み、かつ、以下に示す式a、並びに、式b1、式b2及び式b3を満たすものである。
R1>R2>R3 式a
4.0%<R1<6.0% 式b1
4.0%<R2<6.0% 式b2
4.0%<R3<6.0% 式b3
本開示における光学調整層は、屈折率が互いに異なる2以上の誘電体層を含み、2以上の誘電体層の間で相対的に低い屈折率を有する低屈折率誘電体層と、2以上の誘電体層の間で相対的に高い屈折率を有する高屈折率誘電体層と、を互いに接触させて(例えば3層以上からなる場合は低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とが交互に)積層された積層体を含む。
ここで、上記の式中におけるR1、R2及びR3はそれぞれ以下の通りである。
R1は、400nm〜500nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光(誘電体層の表面に対する垂直入射光)に対する平均反射率を表す。
R2は、500nm〜600nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光(誘電体層の表面に対する垂直入射光)に対する平均反射率を表す。
R3は、600nm〜700nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光(誘電体層の表面に対する垂直入射光)に対する平均反射率を表す。
しかしながら、例えば特許文献1のように、単に防眩性を得るために、微粒子を用いたり、表面に凹凸形状を付与すると、防眩効果こそ期待できるが、表面性状が艶消し状になって光沢感が著しく損なわれ、結果、見た目の奥行き感も低下しやすい。また、特許文献2〜4に記載の発明でも、反射光に対する減衰効果は得られると考えられるが、単に反射光を減衰しても、艶がなくなり、奥行き感が得られなくなるに過ぎない。
このように、表面に粒子が存在したり凹凸形状が形成される等により、入射した光が表面で散乱しやすい場合には、光沢の低下を招くばかりか、奥行き感も低下すると考えられる。従来より提案されている技術では、艶のある光沢を再現しつつ、しかも黒色の濃淡によるのではなく、漆調黒色が有する、色味が加わった黒の色相を呈し、かつ、奥行き感のある色調を実現する技術までは提供されるに至っていないのが実情である。
本開示は、上記に鑑み、基材上に積層膜を設けるにあたり、光吸収層と屈折率が大小異なる複数の誘電体層を含む光学調整層とを設け、かつ、波長域400nm〜500nmの平均反射率R1、波長域500nm〜600nmの平均反射率R2、及び波長域600nm〜700nmの平均反射率R3が、R1>R2>R3の関係を満たし、更にR1、R2及びR3の全てが4.0%〜6.0%に調整される。これにより、黒色は、単に黒色が濃く光沢があるだけの質感とは異なり、色味(例えば青味)がかった黒調を呈し、反射像が鮮鋭に映るが防眩作用が得られる程度に反射率が抑えられて奥行き感のある色合いとして現れる。そのため、いわゆる漆塗りされた製品に近い高級感が得られる効果がある。
このように、本開示の積層構造体は、黒度が高く、かつ、漆調の黒色が再現されたものとなる。
R1>R2>R3 式a
4.0%<R1<6.0% 式b1
4.0%<R2<6.0% 式b2
4.0%<R3<6.0% 式b3
各式において、R1、R2及びR3の詳細は、以下の通りである。
R1は、400nm〜500nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光(誘電体層の表面に対する垂直入射光)に対する平均反射率を表す。
R2は、500nm〜600nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光(誘電体層の表面に対する垂直入射光)に対する平均反射率を表す。
R3は、600nm〜700nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光(誘電体層の表面に対する垂直入射光)に対する平均反射率を表す。
上記と同様の理由から、R1、R2及びR3は、以下の式b4、式b5及び式b6を満たす場合がより好ましい。
5.0%<R1<6.0% 式b4
4.0%<R2<5.0% 式b5
4.0%<R3<5.0% 式b6
積層構造体に対し、積層体の基材から最も遠い位置に配置された最外層をなす誘電体層の表面に対し、反射分光膜厚計(大塚電子株式会社)を用いて、400nm〜500nmの波長域での平均反射率R1、500nm〜600nmの波長域での平均反射率R2、及び600nm〜700nmの波長域での平均反射率R3を測定する。各平均反射率は、各々の波長範囲内における、例えば1nm毎に測定した反射率の合計を、その測定点の数で除した値として求められる。
積層構造体100は、図1に示すように、基材30の上に、光学調整層22と光吸収層24とを含む積層構造を有する積層膜20が設けられており、さらに光学調整層22は、高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とが交互に配置された、高屈折率誘電体層12、低屈折率誘電体層14、高屈折率誘電体層16、及び低屈折率誘電体層18の4層の誘電体層からなる積層体で形成されている。
本開示における積層膜は、400nm〜700nmの波長域の全域における平均消衰係数が0.01以上である光吸収層と、光吸収層の基材を有する側とは反対側に光吸収層に隣接させて配置された光学調整層と、を有する積層構造を含み、光吸収層と光学調整層との間に接触界面を有している。
本開示における積層膜は、400nm〜700nmの波長域の全域における平均消衰係数が0.01以上である光吸収層を有する。平均消衰係数が0.01以上であることは、光吸収層が吸光のある層であり、透明性の層でないことを指しており、本開示における光吸収層は、400nm〜700nmの波長域の全域に亘って吸収を有している。
平均屈折率及び平均消衰係数は、波長λ1〜λ2における平均値として求められる。
具体的には、平均屈折率及び平均消衰係数は、400nm〜700nmの波長域において例えば1nm毎に300点の屈折率又は消衰係数を分光エリプソメトリー法により測定し、測定された値を平均して求められる。又は、平均屈折率及び平均消衰係数は、上記のように測定された値から近似曲線(屈折率分散曲線)n(λ)を求め、下記の式に基づいて算出される。
N1>N2>N3>1.55 式c
K1>K2>K3>0.01 式d
N1は、400nm〜500nmの波長域の平均屈折率を表し、N2は、500nm〜600nmの波長域の平均屈折率を表し、N3は、600nm〜700nmの波長域の平均屈折率を表す。K1は、400nm〜500nmの波長域の平均消衰係数を表し、K2は、500nm〜600nmの波長域の平均消衰係数を表し、K3は、600nm〜700nmの波長域の平均消衰係数を表す。
上記と同様の理由から、N1、N2及びN3は、以下の式c1を満たす場合がより好ましい。
N1>N2>N3>1.60 式c1
上記と同様の理由から、K1、K2及びK3は、以下の式d1を満たす場合がより好ましい。
K1>K2>K3>0.02 式d1
光吸収層の厚みが2μm以上であると、黒の色相を確保するだけでなく、光に対する吸収性をより高めることができる。
光吸収層の厚みとしては、4μm以上がより好ましい。また、光吸収層の厚みの上限値は、特に制限はなく、例えば200μm以下としてもよい。
本開示における積層膜は、既述の光吸収層の基材を有する側とは反対側に、光吸収層に隣接させて配置された光学調整層を有する。
本開示における光学調整層は、屈折率が互いに異なる2以上の誘電体層を含み、2以上の誘電体層の間で相対的に低い屈折率を有する低屈折率誘電体層と、2以上の誘電体層の間で相対的に高い屈折率を有する高屈折率誘電体層と、が積層された積層体を有する。
光学調整層は、2層以上含まれることが好ましく、より好ましくは3層以上である。光学調整層は、積層体を有する積層構造となっており、積層構造体の反射スペクトルを調整して奥行き感を発現させる役割を担う。
光学調整層による反射スペクトルの調整は、積層体を形成する複数の誘電体層の膜厚及び屈折率を最適化することにより行うことができる。
また、積層体中の低屈折率誘電体層及び高屈折率誘電体層の数は、それぞれ偶数層でも奇数層でもよい。積層体中の低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とは、同数であってもよいし、異なる数で含まれた態様であってもよい。
中でも、光学調整層は、低屈折率誘電体層の少なくとも2層と高屈折率誘電体層の少なくとも2層とを含み、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とが交互に積層された4層以上の積層体とされている態様が好ましい。
上記態様であると、奥行き感に優れたものとなり、しかも製造上も容易である。
光吸収層の屈折率を中心として低屈折率側と高屈折率側とを、屈折率の異なる複数の誘電体層によって調整されるので、層数を少なく抑えながら、色味のある黒色調が得られやすく、かつ、奥行き感のある色調に調整しやすい。
低屈折率誘電体層の屈折率が1.55以下であると、高屈折率誘電体層との間の屈折率差を確保しやすく、色味と奥行き感のある漆調黒色に調整しやすい。
高屈折率誘電体層の屈折率が1.70以上であると、低屈折率誘電体層との間の屈折率差を確保しやすく、色味と奥行き感のある漆調黒色に調整しやすい。
高屈折率誘電体層の屈折率と低屈折率誘電体層の屈折率との差の絶対値が0.3以上であると、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層との間の屈折率差を確保しやすく、色味と奥行き感のある漆調黒色に調整しやすい。
S偏光は、積層膜の誘電体層の表面に直交し入射光及び反射光を含む入射面に垂直に電解が振動する偏光をいう。
λは、入射する光の波長であり、単位はnmである。なお、λ2はλの2乗を表し、λ3はλの3乗を表し、λ4はλの4乗を表す。
A、B、C、D及びEは、それぞれ、A=4.813×10−13、B=−1.606×10−9、C=2.049×10−6、D=−1.212×10−3、E=1.846である。
したがって、Pは、入射角θの範囲で反射率が値の小さい側に許容される範囲でずれを生じた場合の最小値を示し、Qは、入射角θの範囲で反射率が値の大きい側に許容される範囲でずれを生じた場合の最大値を示す。よって、S偏光に対する反射率RsがP〜Qの範囲を満足しているということは、入射角θの範囲では斜めから光が入射した場合も、漆調黒色に似た色調が再現されることを示している。
光学調整層は、スパッタリング法によって好適に形成することができる。
また、反射スペクトルを調整するのに適した樹脂を含有する塗布用調整液を用いた塗布法によって形成されてもよい。この場合、光学調整層は、塗布層で形成される。
また、光学調整層の厚みとしては、干渉(反射率)の調整の行い易さと耐傷性を両立させる観点から、0.05μm〜2μmが好ましい。
本開示の積層構造体は、基材を有する。
基材の材料としては、例えば、樹脂材料、無機材料などが挙げられる。
樹脂材料及び無機材料は、透明性のある材料であることが好ましい。ここで、「透明性」があるとは、波長400nm〜700nmの可視光の透過率が80%以上であることを意味する。したがって、透明性の樹脂材料又は無機材料を用いた基材は、波長400nm〜700nmの可視光の透過率が80%以上である基材を指し、基材の可視光の透過率は90%以上であることが好ましい。
無機材料としては、例えば、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子;透光性圧電セラミックス(PLZT)等のセラミックス;石英;蛍石;サファイア基材;などが挙げられる。
表面粗さRaとしては、15nm以下がより好ましい。表面粗さRaは、値が小さいほど好ましいが、下限値としては例えば0.1nm以上としてもよい。
界面粗さが30nm以下の平滑な表面であることで、界面の粗れに起因する艶やかさの低下が抑えられ、より艶のある光沢を維持することができ、ひいては奥行き感に優れたものとなる。
界面粗さとしては、15nm以下がより好ましい。界面粗さは、値が小さいほど好ましいが、下限値としては例えば0.1nm以上としてもよい。
本開示の成形体は、既述の本開示の積層構造体が2次元又は3次元に成形されてなるものである。本開示の成形体は、既述の積層構造体を用いて成形されているので、色味(特に青味)を有し、かつ、黒度の高い漆調黒色を呈する。したがって、単に黒色が濃く光沢があるだけの質感とは異なり、例えば青味がかった黒調を呈し、その黒調は、反射像が鮮鋭に映るが反射率が抑えられて奥行き感のある色合いとして現れる。そのため、いわゆる漆塗りされた製品に近い高級感が得られる。
成型方法の例としては、熱成型又は真空成型などが好適に挙げられる。
−積層構造体の作製−
10cm四方の大きさに裁断した石英(Qz)基材の上に、光学黒墨GT−1000(キヤノン化成株式会社)を、濃度を調節して塗布し、乾燥させて乾燥厚みが4μmの光吸収層を形成した。その後、光吸収層の上に反応性スパッタリングにより、下記表1に示すようにSiO2層とAl2O3層とを交互に積層し、下記表1に示す厚みを有する酸化ケイ素(SiO2)層と酸化アルミニウム(Al2O3)層とがそれぞれ2層ずつ積層された積層体である光学調整層を形成した。
以上のようにして、黒色調の積層構造体を作製した。
なお、本実施例において、膜厚は、薄膜計算ソフトEssential Macleod(Thin Film Center社)を用いてシミュレーションし、表1に示す最適化された膜厚にて形成した。以下に示す他の実施例についても同様である。
また、光吸収層の平均屈折率及び平均消衰係数を下記表2に示す。なお、光吸収層の平均屈折率及び平均消衰係数は、400nm〜700nmの波長域において1nm毎に300点の屈折率又は消衰係数を分光エリプソメトリー法により測定し、測定された値を平均して求めた。
なお、上記と同様に測定したSiO2層及びAl2O3層の消衰係数は、0.01未満であり、SiO2層及びAl2O3層はいずれも透明性を有していた。
作製した積層構造体について、以下の測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表10及び図2〜図6に示す。
イ.測定:
作製した積層構造体のAl2O3層の表面に対し、反射分光膜厚計(大塚電子株式会社)を用いて、400nm〜500nmの波長域での平均反射率R1、500nm〜600nmの波長域での平均反射率R2、及び600nm〜700nmの波長域での平均反射率R3を測定した。各平均反射率は、各々の波長範囲内において1nm毎に測定した反射率の合計をその測定点の数で除して求めた。
そして、平均反射率R1、R2及びR3がそれぞれ、式a(R1>R2>R3)並びに式b1、式b2及び式b3(いずれも4.0%〜6.0%の範囲)の関係式を満たす場合を「G」とし、上記の関係式を満たさない場合を「NG」として評価した。測定及び評価の結果を表10に示す。
上記で測定した平均反射率の、400nm〜700nmにおけるスペクトルを図2及び図3に示す。得られたスペクトルを観察し、下記の評価基準にしたがって、スペクトル形状の判定及び黒色調の評価を行った。
<スペクトル判定の評価基準>
A:黒漆塗りの反射スペクトルとほぼ同等の形状を有している。
B:黒漆塗りの反射スペクトルと形状の異なる形状を有している。
<黒色調の評価基準>
A:400nm〜500nmの波長域の反射率が、500nmを超える波長域の反射率に比べて高くなっており、青味がかった黒色調であった。
B:400nm〜500nmの波長域の反射率が、500nmを超える波長域の反射率と同程度以下であり、青味が加わっていない黒色であった。
なお、「青味が加わっていない黒色」では、例えば、色味が無い、又は緑味もしくは赤味が加わった黒色である場合が含まれる。
上記で測定した平均反射率のうち、波長450nm、550nm、及び650nmにおける平均反射率の、入射した光の入射角に対する依存性を下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:全ての波長において、平均反射率がP≦Rs(θ)≦Qを満たしている。
B:いずれかの波長において、平均反射率がP≦Rs(θ)≦Qを満たしていない。
作製した積層構造体に対し、1000ルクスの蛍光灯下、下記の方法により30人の評価者による奥行き感の評価を行った。
評価者に対し、同じサイズの後述の比較例1のサンプルと、金属膜にニッケル(Ni)めっき(エビナ電化工業株式会社)が施され、図7に示すように400nm〜700nmの可視域の全域に亘る反射率が1%以下であるNiモスアイ構造膜と、実施例1で作製した積層構造体と、の3種を観察させ、3種のうち、高級感を有し、かつ、質感が高いと判断されるものを選択させて、以下の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:3種のうち、実施例1の積層構造体を選択した評価者が15人以上である。
B:3種のうち、実施例1の積層構造体を選択した評価者が15人未満である。
作製した積層構造体のAl2O3層の表面(光学調整層1の露出面)の表面粗さRaを、原子間力顕微鏡(ブルガー社製)を用い、5μm四方の領域の表面情報を測定することにより求めた。表面粗さの結果を表1に示す。
また、作製した積層構造体の黒墨を用いた光吸収層とSiO2層(光学調整層4)との界面における界面粗さを透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社)によって観察し、界面の写真を取得して測定した。この際、イオンビームエッチング法により積層構造体の断面を切り出し、切り出した断面について行った。界面粗さの結果を表1に示す。
実施例1において、光学調整層を下記表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、黒色調の積層構造を作製し、かつ、測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表10及び図2〜図6に示す。なお、SiN層及びSiO2層の形成は、スパッタリングにより行った。
作製した積層構造体は、SiN層/SiO2層/SiN層/SiO2層/黒墨層/基材の層構造となっている。
実施例1において、光学調整層を下記表3に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、5層又は6層からなる光学調整層を有する黒色調の積層構造体を作製し、かつ、測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表10及び図2〜図3に示す。表面粗さの測定は、実施例3〜4では光学調整層2の露出面に対して行い、実施例5では光学調整層1の露出面に対して行った。また、界面粗さの測定は、積層構造体の黒墨を用いた光吸収層と光学調整層6との界面について行った。
なお、MgF2層の形成は、電子ビーム蒸着法により行い、SiN層、SiO2層、TiO2層、及びTa2O5層の形成は、いずれもスパッタリングにより行った。
作製した積層構造体は、例えば実施例3では、MgF2層/SiN層/SiO2層/SiN層/MgF2層/黒墨層/基材の層構造となっている。実施例4〜5についても、同様に積層構造となっている。
実施例1において、光吸収層の上に光学調整層を形成しなかったこと(表4参照)以外は、実施例1と同様にして、黒色調の積層構造体を作製し、かつ、測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表10及び図2〜図3に示す。
実施例1において、光学調整層及び光吸収層をそれぞれ下記表4〜表6に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、4層又は5層からなる光学調整層を有する黒色調の積層構造体を作製し、かつ、測定及び評価を行った。測定及び評価の結果は、下記表10及び図2〜図3に示す。
ここで、光学調整層であるSiN層、クロム(Cr)層、及びSiO2層の形成は、いずれも反応性スパッタリングにより行った。
また、光吸収層である銀(Ag)層及びCr層の形成は、いずれも反応性スパッタリングにより行った。
なお、薄膜計算ソフトEssential Macleod(Thin Film Center社)によるシミュレーションに際し、Cr及びAgの光学定数(平均屈折率、平均消衰係数)は、下記表7〜表8に示すように、Edward D. Palik, Handbook of Optical Constants of Solidsのデータを使用した。
なお、ブラック(黒)レジストの光学定数として、Siウエハ上に塗布して形成された厚み200nmの塗膜に対して分光エリプソメトリー法によって平均屈折率及び平均消衰係数を実測し、各実測値を薄膜計算ソフトEssential Macleodに組み入れて行った。平均屈折率及び平均消衰係数の実測値を下記表9に示す。
また、光の入射角を0°、15°、30°、45°、及び60°とした際の反射率を図4〜図6に示す。図4〜図6に示されるように、S偏光に対する反射率Rsが、既述のP≦Rs≦Qを満たして入射光の入射角に依存しない良好な色調を有している。したがって、積層構造体を斜め方向から観察した場合でも、漆調黒色として現れ、黒漆に似た性状が得られている。
特に比較例2、3及び6は、光吸収層の上に誘電体層と金属層とが積層された層構造となっており、本開示の積層構造体のように、低屈折率誘電体層と高屈折率誘電体層とが交互に積層された層構造を有していない。そのため、いずれも平均反射率が式a、並びに、式b1、式b2及び式b3を満足し得ないものであった。
また、比較例2及び4で用いたブラックレジスト、比較例3で用いたAg層、並びに比較例5で用いたCr層は、既述の式c(N1>N2>N3>1.55)及び式d(K1>K2>K3>0.01)を満たさず、実施例に比べて、黒色調及び奥行き感において劣っていた。
Claims (13)
- 基材と、前記基材上に配置された積層膜と、を備え、
前記積層膜は、
400nm〜700nmの波長域の全域における平均消衰係数が0.01以上である光吸収層と、
前記光吸収層からみて前記基材とは反対側に前記光吸収層に隣接させて配置され、かつ、屈折率が互いに異なる2以上の誘電体層を含み、前記2以上の誘電体層の間で相対的に低い屈折率を有する低屈折率誘電体層と、前記2以上の誘電体層の間で相対的に高い屈折率を有する高屈折率誘電体層と、を互いに接触させて積層された積層体を含む光学調整層と、
を有し、かつ、
以下に示す式a、並びに、式b1、式b2及び式b3を満たす、黒色調の積層構造体。
R1>R2>R3 式a
4.0%<R1<6.0% 式b1
4.0%<R2<6.0% 式b2
4.0%<R3<6.0% 式b3
R1は、400nm〜500nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光に対する平均反射率を表し、R2は、500nm〜600nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光に対する平均反射率を表し、R3は、600nm〜700nmの波長域での、積層体の積層方向に平行な入射光に対する平均反射率を表す。 - 前記低屈折率誘電体層の屈折率は、前記光吸収層の屈折率より低く、かつ、前記高屈折率誘電体層の屈折率は、前記光吸収層の屈折率より高い請求項1に記載の積層構造体。
- 前記低屈折率誘電体層の屈折率が、1.55以下である請求項1又は請求項2に記載の積層構造体。
- 前記高屈折率誘電体層の屈折率が、1.70以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 前記高屈折率誘電体層の屈折率と前記低屈折率誘電体層の屈折率との差の絶対値が、0.3以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層構造体。
- S偏光に対する反射率Rsが、下記式を満たす請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層構造体。
式中、θは、前記積層膜の積層方向に入射する光の入射角を表し、0ラジアン≦θ≦π/3ラジアンを満たし、Rs(θ)及びf(θ)は下記式で表される。
式中、θは、前記積層膜の積層方向に入射する光の入射角を表し、0ラジアン≦θ≦π/3ラジアンを満たす。λは、入射する光の波長であり、単位はnmである。A、B、C、D及びEは、それぞれ、A=4.813×10−13、B=−1.606×10−9、C=2.049×10−6、D=−1.212×10−3、E=1.846である。 - 前記光吸収層が、下記式c及び式dを満たす請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層構造体。
N1>N2>N3>1.55 式c
K1>K2>K3>0.01 式d
N1は、400nm〜500nmの波長域の平均屈折率を表し、N2は、500nm〜600nmの波長域の平均屈折率を表し、N3は、600nm〜700nmの波長域の平均屈折率を表す。K1は、400nm〜500nmの波長域の平均消衰係数を表し、K2は、500nm〜600nmの波長域の平均消衰係数を表し、K3は、600nm〜700nmの波長域の平均消衰係数を表す。 - 前記光吸収層の厚みが、2μm以上である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 前記光学調整層が、SiO2、SiN、及びAl2O3から選ばれる少なくとも一つの化合物を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 前記光学調整層中の前記積層体が、前記低屈折率誘電体層の少なくとも2層と前記高屈折率誘電体層の少なくとも2層とを含み、前記低屈折率誘電体層と前記高屈折率誘電体層とが交互に積層された4層以上の積層体である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 前記基材に対して前記積層膜が配置された側の表面粗さRaの算術平均値が、30nm以下である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 前記積層膜の、前記光吸収層と前記積層体との界面における界面粗さの算術平均値並びに前記低屈折率誘電体層と前記高屈折率誘電体層との界面における界面粗さの算術平均値が、30nm以下である請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の積層構造体。
- 請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の積層構造体が2次元又は3次元に成形されてなる成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017094278A JP6771425B2 (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | 積層構造体及び成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017094278A JP6771425B2 (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | 積層構造体及び成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018189898A JP2018189898A (ja) | 2018-11-29 |
JP6771425B2 true JP6771425B2 (ja) | 2020-10-21 |
Family
ID=64479845
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017094278A Active JP6771425B2 (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | 積層構造体及び成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6771425B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7459483B2 (ja) | 2018-12-28 | 2024-04-02 | Agc株式会社 | 光学フィルタ、近赤外線カットフィルタ、および撮像装置 |
WO2020235540A1 (ja) * | 2019-05-21 | 2020-11-26 | 日本電気硝子株式会社 | 膜付き透明基板 |
Family Cites Families (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6490401A (en) * | 1987-10-01 | 1989-04-06 | Kitazawa Maruchikooto Kk | Endothermic reflecting mirror |
JP4359428B2 (ja) * | 2002-03-07 | 2009-11-04 | 関西ペイント株式会社 | 遮熱性機能を有する塗膜形成方法とこの方法で形成された積層塗膜及び該塗膜により被覆された塗装物品。 |
JP2004361923A (ja) * | 2003-05-15 | 2004-12-24 | Sony Corp | スクリーン及びその製造方法 |
JP2005099675A (ja) * | 2003-08-21 | 2005-04-14 | Sony Corp | 塗布型光学積層膜、光学多層膜及び反射スクリーン |
JP2005321432A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Sony Corp | 反射型スクリーン |
EP2111978A4 (en) * | 2007-02-15 | 2011-03-16 | Toray Industries | LAMINATED FILM AND MOLDED OBJECT |
JP5304551B2 (ja) * | 2009-09-03 | 2013-10-02 | 三菱電機株式会社 | 誘導加熱調理器 |
DE112015004709T5 (de) * | 2014-10-15 | 2017-07-06 | Fujifilm Corporation | Optisches Element und Verfahren zur Herstellung eines optischen Elements |
JP2017019215A (ja) * | 2015-07-13 | 2017-01-26 | 富士フイルム株式会社 | 着色積層体およびその製造方法 |
JP6648446B2 (ja) * | 2015-08-06 | 2020-02-14 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 積層体およびその製造方法 |
-
2017
- 2017-05-10 JP JP2017094278A patent/JP6771425B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018189898A (ja) | 2018-11-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7238424B2 (en) | All-dielectric optically variable pigments | |
KR102201578B1 (ko) | 장식 부재 | |
JP7036355B2 (ja) | 装飾部材 | |
JP6870815B2 (ja) | 装飾部材および装飾部材の製造方法 | |
JP7264176B2 (ja) | 装飾部材および装飾部材の製造方法 | |
JP6416714B2 (ja) | 金属及び誘電体層から作られる赤色全方向構造色 | |
US10899118B2 (en) | Multilayer coating film and coated article | |
JP6771425B2 (ja) | 積層構造体及び成形体 | |
JP2016049777A5 (ja) | ||
KR20240052892A (ko) | 반사 방지막을 구비한 투명 기체 및 화상 표시 장치 | |
JP6913287B2 (ja) | 化粧板 | |
WO2019131728A1 (ja) | 積層シート | |
KR102164772B1 (ko) | 장식 부재 | |
WO2024014442A1 (ja) | 反射防止膜付透明基体および画像表示装置 | |
KR20190138542A (ko) | 장식 부재 및 장식 부재의 제조방법 | |
WO2023195498A1 (ja) | 反射防止膜付透明基体および画像表示装置 | |
CN115349098A (zh) | 遮光部件 | |
TW202400409A (zh) | 附反射防止膜之透明基體及圖像顯示裝置 | |
JP2023172305A (ja) | 遮光部材 | |
Chen et al. | Reflection and color characteristics of tri-layer metal-dielectric structures for generation of distinctive color shifts |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190711 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200730 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200908 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200929 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6771425 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |