JP6770743B2 - 感圧センサー - Google Patents

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Description

本開示は、感圧センサーに関する。
一対の櫛形電極と、抵抗体層を積層した構造とされた感圧センサーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような感圧センサーの場合、櫛形電極と抵抗体層との間には僅かな空隙が設けられ、櫛形電極と抵抗体層の積層方向に荷重がかかった際、その荷重が増大するほど、櫛形電極と抵抗体層との接触面積が増大するように構成されている。これにより、感圧センサーにかかる荷重が増大すると、櫛形電極と抵抗体層との接触面積が増大する分だけ、一方の櫛形電極と他方の櫛形電極との間で電気抵抗が低下する。したがって、この電気抵抗の変化を読み取ることにより、感圧センサーに作用した圧力を測定することができる。
特開2010−230647号公報
上述のような感圧センサーの多くは、感圧部分の表面が硬い。そのため、人が触れる部分に感圧センサーを設置すると異物感があり、そのような異物感を低減したいという要望がある。このような異物感を低減する方法として、感圧センサー以外の場合であれば、例えば硬い部分の表面に柔らかいスポンジのようなものを取り付けて異物感を緩和する、といった対策を施すことができる。
しかし、感圧センサーの場合は、感圧部分にスポンジのようなものを取り付けると、圧力の検出精度が低下してしまうおそれがある。あるいは、感圧部分にスポンジのようなものを取り付けると、圧力を検出可能な下限値から上限値までの範囲が狭まってしまうおそれがある。また、上述のような感圧センサーの場合、ある程度の圧力がかかった時点で急激に電気抵抗が低下してしまい、それ以上の高荷重域では電気抵抗の変化が小さくなってしまうという問題もある。
本開示の一局面においては、異物感を抑制可能で、低荷重域から高荷重域にわたって圧力に対する感度が良好な感圧センサーを提供することが望ましい。
本開示の一態様は、感圧センサーであって、エラストマー材料中に導電性フィラーを分散させることによって導電性が付与された材料であり、かつエラストマー材料を発泡させた材料である導電性発泡エラストマー材料によって構成され、加圧された際には圧力に応じて圧縮されて、その圧縮量が増大するほど電気抵抗が低下する可変抵抗部と、可変抵抗部に接する一面において、互いに間隔を空けた位置に配置される複数の電極とを備え、複数の電極は、各電極の中心間を互いに交差しない複数の仮想的な線分で結んで当該線分によって区画される複数の三角形の領域を想定した際に、各領域の頂点に対応する位置にある三つの電極のうち、少なくとも一つが信号電極となり、かつ、少なくとも一つがグランド電極となるように配置されている。
このように構成された感圧センサーによれば、可変抵抗部が導電性発泡エラストマー材料によって構成されている。そのため、非発泡性導電材料(例えば導電ゴムなど。)を利用して構成された感圧センサーに比べ、感圧部分の表面を柔らかくすることができる。したがって、このような感圧センサーであれば、人が触れる部分に設置した場合でも異物感を低減することができる。
また、本開示の感圧センサーの場合、可変抵抗部は、圧縮量が増大するほど電気抵抗が低下する。そのため、櫛形電極と抵抗体層との接触面積が増大するほど電気抵抗が低下するように構成された感圧センサーとは異なり、可変抵抗部の圧縮量が変化すれば可変抵抗部における電気抵抗が変化する。しかも、本開示の感圧センサーの場合、複数の電極が上述のような特徴的な位置に配置されている。これにより、ある程度の圧力がかかった時点で急激に電気抵抗が低下してしまうのを抑制でき、低荷重域から高荷重域にわたって電気抵抗が適度に変化する。よって、低荷重域から高荷重域にわたって圧力を適切に検出することができる。
図1Aは感圧センサーの正面図である。図1Bは感圧センサーの右側面図である。 図2Aは感圧センサーの要部を分解して示す説明図である。図2Bは電極基板を分解して示す説明図である。 図3Aは第一導電部及び第二導電部の形状と電極との位置関係を示す説明図である。図3Bは電極同士の位置関係を示す説明図である。 図4Aは比較例の感圧センサーの要部を示す正面図である。図4Bは試験装置の概略構成を示す説明図である。 図5は実施例及び比較例の感圧特性を示すグラフである。 図6Aは第一変形例の感圧センサーの要部を示す正面図である。図6Bは第二変形例の感圧センサーの要部を示す正面図である。図6Cは第三変形例の感圧センサーの要部を示す正面図である。図6Dは第四変形例の感圧センサーの要部を示す正面図である。
次に、上述の感圧センサーについて、例示的な実施形態を挙げて説明する。
[感圧センサーの構成]
図1A及び図1Bに示すように、感圧センサー1は、可変抵抗部3、電極基板5、及びスペーサー7などを有する。可変抵抗部3は、導電性発泡エラストマー材料によって構成されている。導電性発泡エラストマー材料は、エラストマー材料中に炭素繊維を分散させることによって導電性が付与された材料であり、かつエラストマー材料を発泡させた材料である。
より詳しくは、本実施形態の場合、エラストマー材料としては、スチレン系エラストマー(スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)、分子量:10万、スチレン含有率:30質量%、製品名:セプトン(登録商標)4033、株式会社クラレ製)に対し、軟化剤として炭化水素系プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、40℃での動粘度:30.9mm2/s、分子量:400、SP値7.4)を配合してなるエラストマー材料(配合比:SEEPS/炭化水素系プロセスオイル=22.8/77.2(質量部))を使用している。炭素繊維としては、気相成長炭素繊維(品名:VGCF(登録商標)−H、平均繊維径0.15μm、繊維長10〜20μm、アスペクト比66.7〜133.3、昭和電工株式会社製)を使用している。また、エラストマー材料を発泡させるために、市販の発泡剤(品名:ダイフォームH850、大日精化工業株式会社製)を配合している。
本実施形態の場合、上述の原料は、エラストマー材料100質量部に対して、気相成長炭素繊維35質量部、及び発泡剤3質量部の配合比で混合される。その混合物を二軸押出機で押し出すことにより、無数の独立気泡を含む導電性発泡エラストマー材料の成形品を得ることができる。本実施形態の場合、導電性発泡エラストマー材料の発泡倍率は2.01倍である。このような導電性発泡エラストマー材料で、面状の可変抵抗部3が構成されている。可変抵抗部3は、加圧された際には圧力に応じて圧縮されて、その圧縮量が増大するほど電気抵抗が低下する部材となる。なお、本実施形態の場合、可変抵抗部は直径18mm×厚さ2.5mmの円板状に構成されている。
電極基板5は、図2Aに示すように、三つの信号電極11Aと、四つのグランド電極11Bと、信号端子13Aと、グランド端子13Bとを有する。信号端子13A及びグランド端子13Bには、所望の長さのリード線14A,14B(あるいはフレキシブルフラットケーブルなど)を接続することができる。なお、実際の感圧センサー1において、信号電極11A及びグランド電極11Bは、それぞれが配置されている位置に違いがあるだけで、外観上の差異はない。ただし、図2A等においては、どれが信号電極11Aでどれがグランド電極11Bなのかを容易に判別できるようにするため、図面上のグランド電極11Bに相当する領域には網を掛けてある。信号端子13A及びグランド端子13Bについても、信号電極11A及びグランド電極11Bの場合と同様の主旨で、グランド端子13Bに相当する領域には網を掛けてある。
また、電極基板5は、図2Bに示すように、三層構造になっていて、第一層となる基材15と、第二層となる第一導電部17A及び第二導電部17Bと、第三層となる絶縁層19とを有する。本実施形態の場合、基材15、第一導電部17A、及び第二導電部17Bは、ガラスエポキシ基板を利用して構成されている。すなわち、基材15は、ガラス繊維織布にエポキシ樹脂を含浸させてなるプリプレグ(FR−4)によって構成されている。また、第一導電部17A及び第二導電部17Bは、上述のプリプレグ上に張られた銅箔、及びその銅箔の表面に設けられた無電解金めっき膜によって構成されている。
絶縁層19は、ガラスエポキシ基板に対してソルダーレジスト組成物を塗工することによって構成された絶縁性薄膜によって構成されている。第一導電部17A及び第二導電部17Bは、それぞれが図2Aに示した通りの形状とされている。このような形状の第一導電部17A及び第二導電部17Bに対し、絶縁層19は、図3Aに示すように、信号電極11A、グランド電極11B、信号端子13A、及びグランド端子13Bに対応する領域以外の範囲において、第一導電部17A及び第二導電部17Bの表面を被覆する状態にある。
これにより、第一導電部17A及び第二導電部17Bのうち、絶縁層19に覆われていない箇所が外部に露出して、その露出箇所によって上述の信号電極11A、グランド電極11B、信号端子13A、及びグランド端子13Bが構成される。よって、三つの信号電極11Aと信号端子13Aは、互いに電気的に接続された同電位の箇所となる。また、四つのグランド電極11Bとグランド端子13Bは、互いに電気的に接続された同電位の箇所となる。なお、図2Bにおいては、第一導電部17A及び第二導電部17Bについて、信号電極11A及びグランド電極11Bの場合と同様の主旨で、第二導電部17Bに相当する領域には網を掛けてある。
信号電極11A及びグランド電極11Bは、図3Bに示すように、各電極の中心間を互いに交差しない複数の仮想的な線分(図3B中の仮想線参照。)で結んで当該線分によって区画される複数の三角形の領域を想定した際に、各領域の頂点に対応する位置にある三つの電極のうち、少なくとも一つが信号電極11Aとなり、かつ、少なくとも一つがグランド電極11Bとなるように配置されている。
本実施形態の場合、上記三角形の領域は、正三角形の領域とされている。すなわち、各領域の頂点に対応する位置にある三つの電極の中心間距離は、どの領域においても等距離(本実施形態の場合は、電極の中心間距離が約9mm、電極間の間隔は約6.3mm。)になっている。これにより、どの正三角形領域においても、必ず対になる信号電極11A及びグランド電極11Bが存在し、かつ、その対になる信号電極11Aとグランド電極11Bとの中心間距離は、どの正三角形領域であっても等距離になる。
スペーサー7は、可変抵抗部3と電極基板5との間に挟み込まれた、厚さ約0.1mmの薄層である。スペーサー7は、図2Aに示すように、複数(本実施形態の場合は七つ。)の孔9を有する。これらの孔9は、信号電極11A及びグランド電極11Bに対応する位置に設けられている。これにより、可変抵抗部3と信号電極11A及びグランド電極11Bは、スペーサー7の厚み相当の間隙を空けて対向する状態になっている。スペーサー7は、アクリル系接着剤で構成されている。これにより、スペーサー7は、可変抵抗部3と電極基板5との間に介在して、可変抵抗部3と電極基板5とを接着する接着層としても機能している。
[性能試験]
以上のように構成された感圧センサー1について、その感圧性能を測定した(実施例)。また、比較のため、図4Aに示すような、電極及び電極基板の形状が異なる感圧センサー2を用意して、その感圧性能についても同じ方法で測定した(比較例)。感圧センサー2は、一つの信号電極12Aと一つのグランド電極12Bとを有する。感圧センサー2の場合、信号電極12A及びグランド電極12Bは、略長方形に構成されて、長手方向に直交する方向に一定の間隔を空けた状態で平行に配置されている。なお、図2では図示を省略してあるが、上記信号電極12A及びグランド電極12Bの上には、感圧センサー1と同様な材料で構成されたスペーサーと可変抵抗部が積層される。
試験装置としては、図4Bに概略的な構成を示すような圧縮試験機20及び抵抗計30を使用した。圧縮試験機20は、台座21、圧子23、及びロードセル25などを備える市販の機器である。抵抗計30は、抵抗の他に電圧や電流の測定が可能な市販のマルチメータである。
試験方法としては、圧縮試験機20の台座21上に感圧センサーを設置し、感圧センサーの端子には抵抗計30を取り付けて、圧縮荷重を変化させたときの抵抗値の変化を測定した。感圧センサーにかかる圧力については、加圧時の応力[N]をロードセル25で取得し、加圧面積で除算して圧力[Pa]を算出した。測定結果を図5に示す。
図5に示すグラフから明らかなように、実施例の感圧センサー1は、比較例の感圧センサー2に比べ、圧力を変化させた際に低荷重域から高荷重域にわたる広い範囲で電気抵抗が適度に変化することがわかる。一方、比較例の感圧センサー2の場合、圧力が20kPa未満の低荷重域では大きく電気抵抗が変化するのに対し、圧力が20kPa以上の高荷重域では低荷重域の場合ほど電気抵抗が大きく変化しなくなる。特に、比較例の感圧センサー2の場合、圧力が30kPa以上になると、電気抵抗の変化がきわめて小さくなるため、この領域では圧力の僅かな変化を正確に検出することが難しくなる。これに対し、実施例の感圧センサー1は、圧力が30kPa以上になっても電気抵抗が大きく変動する。したがって、実施例の感圧センサー1の方が、圧力測定時の分解能が高く、圧力の僅かな変化を比較例の感圧センサー2よりも正確に検出することができる。
[効果]
以上説明した感圧センサー1によれば、可変抵抗部3が上述のような導電性発泡エラストマー材料によって構成されている。そのため、非発泡性導電材料(例えば導電ゴムなど。)を利用して構成された感圧センサーに比べ、感圧部分の表面を柔らかくすることができる。したがって、このような感圧センサー1であれば、人が触れる部分に設置した場合でも異物感を低減することができる。
よって、このような感圧センサー1であれば、例えば、感圧センサー1を椅子に組み込んで、着席時の姿勢管理をするためのセンサーとして利用することができる。あるいは、例えば、感圧センサー1を靴に組み込んで、歩行時の重心移動を確認するためのセンサーとして利用することができる。このような歩行状態の管理ができれば、歩き方による生活習慣病対策などに利用することができる。あるいは、例えば、感圧センサー1をベッドに組み込んで、就寝時の体重移動を記録することができる。これにより、睡眠の質の改善に利用することができる。
また、上記感圧センサー1の場合、可変抵抗部3は、圧縮量が増大するほど電気抵抗が低下する。そのため、櫛形電極と抵抗体層との接触面積が増大するほど電気抵抗が低下するように構成された感圧センサーとは異なり、可変抵抗部3の圧縮量が変化すれば可変抵抗部3における電気抵抗が変化する。しかも、上記感圧センサー1の場合、信号電極11A及びグランド電極11Bは、図3Bに示したような特徴的な位置に配置されている。これにより、図5に示したように、低荷重域においてある程度の圧力がかかった時点で急激に電気抵抗が低下してしまうのを抑制でき、低荷重域から高荷重域にわたって電気抵抗が適度に変化する。よって、低荷重域から高荷重域にわたって圧力を適切に検出することができる。
[他の実施形態]
以上、感圧センサーについて、例示的な実施形態を挙げて説明したが、上述の実施形態は本開示の一態様として例示されるものに過ぎない。すなわち、本開示は、上述の例示的な実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内において、様々な形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、三つの信号電極11Aと、四つのグランド電極11Bを設ける例を示したが、各電極の数は限定されない。例えば、図6Aに示すように、二つの信号電極11Aと、三つのグランド電極11Bを設けてもよい。この場合でも、各電極を正三角形領域の頂点に対応する位置に配置することができる。あるいは、図6Bに示すように、四つの信号電極11Aと、四つのグランド電極11Bを設けてもよい。この場合でも、各電極を正三角形領域の頂点に対応する位置に配置することができる。これらの電極数は、例えば、感圧センサーにおける感圧部分(可変抵抗部)の面積、電極の面積、電極間距離、及び可変抵抗部の抵抗値等を考慮して適宜調節されていればよい。
また、上記実施形態では、各電極を正三角形領域の頂点に対応する位置に配置する例を示したが、各電極を配置する位置は、正三角形領域の頂点に対応する位置には限定されない。具体例を挙げれば、例えば、図6Cに示すように、各電極を二等辺三角形領域の頂点に対応する位置に配置してもよい。この場合でも、二等辺三角形領域の頂点にある三つの電極は、少なくとも一つが信号電極11Aとされ、少なくとも一つがグランド電極11Bとされる。
図6Cに示す例の場合は、電極間距離が二通りになる。これら二通りの電極間距離が過大であったり過小であったりしない限り、電極間距離が二通りになること自体は問題ない。ただし、図6Cに示す例においては、二等辺三角形における二等辺が他の一辺よりも長い。よって、二等辺の長さを最適な電極間距離にすると他の一辺の長さは最適な電極間距離よりも短くなることになる。したがって、この場合は、他の一辺の長さが過小にならないように二等辺三角形領域の形状及び大きさを設定することが好ましい。逆に、他の一辺の長さを最適な電極間距離にすると二等辺の長さは最適な電極間距離よりも長くなることになる。したがって、この場合は、二等辺の長さが過大にならないように二等辺三角形領域の形状及び大きさを設定することが好ましい。
最適な電極間距離がある数値範囲内となる場合には、その数値範囲内で二等辺の長さ及び他の一辺の長さを選定すればよい。ただし、各電極を正三角形領域の頂点に対応する位置に配置すれば、最適な電極間距離を設定すると同時に、そのような電極間距離を確保したまま複数の電極を最密配置することができる。したがって、電極密度を高める観点からは、各電極を正三角形領域の頂点に対応する位置に配置すると好ましい。
あるいは、例えば、図6Dに示すように、各電極を直角二等辺三角形領域の頂点に対応する位置に配置してもよい。図6Dに示す例の場合は、実質的に各電極が正方形領域の頂点に対応する位置に配置されていることにもなる。この場合でも、直角二等辺三角形領域の頂点にある三つの電極は、少なくとも一つが信号電極11Aとされ、少なくとも一つがグランド電極11Bとされる。
また、上記実施形態では、導電性発泡エラストマー材料として、スチレン系エラストマーを母材とする例を示し、スチレン系エラストマーとしては、スチレンエチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEEPS)を例示したが、他のスチレン系エラストマーを利用してもよい。例えば、上述したSEEPSの他には、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体(SBS)、スチレンエチレンプロピレンブロック共重合体(SEP)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)などを用いてもよい。これらのスチレン系エラストマーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
あるいは、スチレン系エラストマー以外のエラストマー材料を母材としてもよい。例えば、シリコーンゴムを用いてもよく、より詳しくは、ビニルメチルシリコーンゴム、メチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴムなどを利用することができる。これらのシリコーンゴムは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また、上記実施形態では、導電性フィラーとして、気相成長炭素繊維を用いたが、他の導電性フィラーを用いてもよい。他の導電性フィラーとしては、気相成長炭素繊維以外の炭素繊維、黒鉛、金属粉等を挙げることができる。
また、上記実施形態では、電極間の間隔が約6.3mmとなっている例を示したが、複数の電極は、互いに0.5mm以上の間隔を空けた位置に配置されていればよい。
[補足]
なお、以上説明した例示的な実施形態から明らかなように、本開示の感圧センサーは、更に以下に挙げるような構成を備えていてもよい。
まず、本開示の感圧センサーにおいて、複数の電極は、複数の三角形の領域それぞれにおいて、各領域が有する三つの内角それぞれが鋭角又は直角となるように配置されていてもよい。
このように構成された感圧センサーによれば、各領域が有する三つの内角それぞれが鋭角又は直角となっている。そのため、いずれか一つの内角が鈍角となっている場合に比べ、鈍角の対辺(すなわち、鈍角をなす二辺とは別の一辺。)の長さが過大になるのを抑制できる。したがって、いずれか一つの内角が鈍角となっている場合に比べ、所定以上の電極間距離を確保しつつ複数の電極を配置するに当たって、より高い密度で複数の電極を配置することができ、その分だけ感圧センサーの感度を向上させることができる。
また、本開示の感圧センサーにおいて、複数の電極は、複数の三角形の領域それぞれが正三角形の領域となるように配置されていてもよい。
このように構成された感圧センサーによれば、各領域が正三角形の領域となっている。そのため、各領域が正三角形の領域となっていない場合に比べ、三角形の一辺又は二辺が他の辺よりも長くなることがない。したがって、各領域が正三角形の領域となっていない場合に比べ、所定以上の電極間距離を確保しつつ複数の電極を配置するに当たって、より高い密度で複数の電極を配置することができ、その分だけ感圧センサーの感度を向上させることができる。
また、本開示の感圧センサーにおいて、複数の電極は、互いに0.5mm以上の間隔を空けた位置に配置されていてもよい。
このように構成された感圧センサーによれば、電極間の間隔が0.5mm未満となるような感圧センサーとは異なり、電極を形成する際に微細な加工をしなくても済み、感圧センサーの生産性を向上させることができる。
また、本開示の感圧センサーにおいて、面状に構成された基材を有し、基材の一面に複数の電極が設けられており、可変抵抗部は、面状に構成されて、基材の一面に重ねて配置されることにより、複数の電極が基材と可変抵抗部との間に挟み込まれた構造になっていてもよい。
このように構成された感圧センサーによれば、可変抵抗部が圧力を受けて変形した場合でも、基材によって複数の電極が支持される。よって、設計通りの電極間距離を適切に維持することができる。
1…感圧センサー、3…可変抵抗部、5…電極基板、7…スペーサー、9…孔、11A…信号電極、11B…グランド電極、13A…信号端子、13B…グランド端子、14A,14B…リード線、15…基材、17A…第一導電部、17B…第二導電部、19…絶縁層、20…圧縮試験機、21…台座、23…圧子、25…ロードセル、30…抵抗計。

Claims (5)

  1. エラストマー材料中に導電性フィラーを分散させることによって導電性が付与された材料であり、かつ前記エラストマー材料を発泡させた材料である導電性発泡エラストマー材料によって構成され、加圧された際には圧力に応じて圧縮されて、その圧縮量が増大するほど電気抵抗が低下する可変抵抗部と、
    前記可変抵抗部に接する一面において、互いに間隔を空けた位置に配置される複数の電極と
    を備え、
    前記複数の電極は、各電極の中心間を互いに交差しない複数の仮想的な線分で結んで当該線分によって区画される複数の三角形の領域を想定した際に、各領域の頂点に対応する位置にある三つの前記電極のうち、少なくとも一つが信号電極となり、かつ、少なくとも一つがグランド電極となるように配置されており、
    それぞれの信号電極は、互いに電気的に接続されて同電位であり、それぞれのグランド電極は、互いに電気的に接続されて同電位である、
    感圧センサー。
  2. 請求項1に記載の感圧センサーであって、
    前記複数の電極は、前記複数の三角形の領域それぞれにおいて、各領域が有する三つの内角それぞれが鋭角又は直角となるように配置されている
    感圧センサー。
  3. 請求項2に記載の感圧センサーであって、
    前記複数の電極は、前記複数の三角形の領域それぞれが正三角形の領域となるように配置されている
    感圧センサー。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の感圧センサーであって、
    前記複数の電極は、互いに0.5mm以上の間隔を空けた位置に配置されている
    感圧センサー。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の感圧センサーであって、
    面状に構成された基材を有し、前記基材の一面に前記複数の電極が設けられており、
    前記可変抵抗部は、面状に構成されて、前記基材の一面に重ねて配置されることにより、前記複数の電極が前記基材と前記可変抵抗部との間に挟み込まれた構造になっている
    感圧センサー。
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