JP2020112477A - 感圧センサ - Google Patents
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Description
これらの感圧センサは、上部電極を設けた上部シートと、下部電極を設けた下部シートとをスペーサを挟んで重ね合わせた構造を有している。このスペーサにより上部電極と下部電極との間に空間が形成され、この空間により上部電極と下部電極とが電気的に絶縁されている。感圧センサに荷重が加わると、この荷重により上部電極と下部電極とが近づき接触し、上部電極と下部電極との間の電気抵抗が変化する。この電気抵抗の変化を検出することにより、感圧センサに加わった荷重を検出する。
また、グラフェン多孔質構造を利用したひずみセンサが知られている(例えば、非特許文献1)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低減された製造コストで製造でき、耐久性の高い感圧センサを提供する。
本発明の感圧センサでは、第1電極、絶縁部及び第2電極を多孔質弾性シートの内部に設けるため、第1電極、絶縁部及び第2電極の位置がずれることない。このため、感圧センサが誤検知なく安定して荷重を検出することができる。また、感圧センサを曲げたときに誤検知することを抑制することができる。また、感圧センサがシンプルな構造を有することができ、感圧センサの製造コストを低減することができる。さらに、感圧センサの耐久性を向上させることができる。
本発明の感圧センサでは、多孔質弾性シートに第1電極及び第2電極を設けるため、本発明の感圧センサをマットレス、布団、座布団などに違和感なく設置することができ、看護管理や高齢者見守りに利用することが可能である。
本発明の感圧センサに含まれる第1電極又は第2電極は、金属粒子、金属繊維、金属ナノワイヤー、炭素粒子、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性高分子及び導電性粒子のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。このことにより、多孔質弾性シートの細孔内に第1電極又は第2電極を設けることができる。
本発明の感圧センサにおいて、複数の第1電極はそれぞれ縦方向に伸びる直線状電極であることが好ましく、かつ、横方向に並べて配置されることが好ましい。また、複数の第2電極は、それぞれ横方向に伸びる直線状電極であることが好ましく、かつ、縦方向に並べて配置されることが好ましい。さらに、第1電極と第2電極とが重なる部分は、マトリックス状に配置されることが好ましい。このことにより、感圧センサに加えられた荷重の分布を測定することができる。
本発明の感圧センサは、検出部を備えることが好ましく、前記検出部は、第1電極と第2電極との間の電気抵抗に基づき第1電極と第2電極とが重なる部分に荷重が加えられたこと又は加えられた荷重の大きさを検出するように設けられることが好ましい。
図1は本実施形態の感圧センサの概略断面図である。
本実施形態の感圧センサ30は、表面3及び裏面4を有する多孔質弾性シート2と、多孔質弾性シート2の表面3及びその内部の細孔7内に設けられた少なくとも1つの第1電極5と、多孔質弾性シート2の裏面4及びその内部の細孔7内に設けられた少なくとも1つの第2電極6とを備え、第1電極5及び第2電極6は、少なくとも一部が絶縁部10を挟んで重なるように配置され、絶縁部10は、多孔質弾性シート2の一部であり、かつ、細孔7内に第1電極5及び第2電極6のいずれもが設けられていない部分であり、第1電極5及び第2電極6は、第1電極5と第2電極6とが重なる部分に荷重が加えられると絶縁部10の細孔7を通して第1電極5の一部と第2電極6の一部とが接触するように設けられたことを特徴とする。
また、感圧センサ30は、検出部11を備えることができる。
多孔質弾性シート2は、表面3及び裏面4を有するシート形状を有し、弾性特性を有する多孔質材料からなる。この多孔質材料は、例えば、ポリマー発泡体、紙、不織布、織布などである。また、この多孔質材料は、絶縁体又は高抵抗の半導体である。また、多孔質弾性シートは、スポンジシートであってもよい。
多孔質弾性シート2の厚さは、例えば、0.1mm以上5cm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上5mm以下とすることができる。
多孔質弾性シート2が紙、不織布又は織布である場合、繊維が骨格となり、繊維が重なること又は繊維が織られることにより形成される空間が細孔7となる。
多孔質弾性シート2は、50%以上の空隙率を有することができる。このことにより、絶縁部10の細孔7を通して第1電極5と第2電極6とを接触させることが可能になる。
第1担持部8と第2担持部9との間の絶縁部10の厚さは、例えば0.05mm以上5mm以下とすることができる。
第1電極5と第2電極6との間の電気抵抗が十分に高い場合、感圧センサ30に荷重が加えられていない場合であっても第1担持部8と第2担持部9とがわずかに接触していてもよい。
ペースト又は懸濁液に含まれる導電性物質は、例えば、金属粒子(銀粒子、銅粒子、金粒子など)、金属繊維(銀繊維、銅繊維、金繊維など)、金属ナノワイヤー(銀ナノワイヤー、銅ナノワイヤー、金ナノワイヤーなど)、炭素粒子、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性高分子(PEDOT:PSSなど)及び導電性粒子(ITO粒子など)のうち少なくとも1つを含むことができる。
ペースト又は懸濁液に含まれる液体は、水であってもよく、非水溶剤であってもよい。また、ペースト又は懸濁液は、増粘剤、分散剤、バインダーなどを含んでもよい。
図3は、図2(b)に示したように感圧センサ30に荷重が加えられ圧縮された部分21を上から見た模式図である。圧縮された部分21では、多孔質弾性シート2の細孔7がつぶれ、第1担持部8の骨格17、絶縁部10の骨格19及び第2担持部9の骨格18が重なっている。このため、図3に示した接触部分22のような、第1担持部8の骨格17と第2担持部9の骨格18との間に絶縁部10の骨格19が存在しない部分では、絶縁部10の細孔7を通して第1担持部8の骨格17の表面の第1電極5と、第2担持部9の骨格18の表面の第2電極6とが接触する。このため、第1電極5と第2電極6との間に電圧を印加すると、第1電極5と第2電極6との間に電流が流れ、第1電極5と第2電極6との間の電気抵抗は低くなる。このような電気抵抗の低下を検出部11を用いて検出することにより、感圧センサ30は、第1電極5と第2電極6とが重なる部分に荷重が加えられたことを検出することができる。
図4は第2実施形態の感圧センサの概略斜視図であり、図5は図4の破線A−Aにおける感圧センサの概略断面図であり、図6は図4の一点鎖線B−Bにおける感圧センサの概略断面図である。
本実施形態の感圧センサ30は、複数の第1電極5a〜5jと複数の第2電極6a〜6jとを備える。各第1電極5及び各第2電極6については、第1実施形態において説明したためここでは省略する。
図5、図6に示したように、第1電極5と第2電極6とが重なった各部分では、第1担持部8と第2担持部9との間に絶縁部10が配置される。この構成は、第1実施形態の感圧センサ30の構成と同様である。このため、第1電極5と第2電極6とが重なった部分に荷重が加わると、絶縁部10の細孔7を通して第1担持部8の骨格17の表面の第1電極5と、第2担持部9の骨格18の表面の第2電極6とが接触する。このときに、第1電極5と第2電極6との間に電圧を印加すると、第1電極5と第2電極6との間に電流が流れ、第1電極5と第2電極6との間の電気抵抗は低くなる。
例えば、図4〜図6に示した感圧センサ30では、まず、検出部11は、電源部12を用いて第1電極5aと第2電極6aとの間に電圧を印加し、第1電極5aと第2電極6aとが重なった部分に荷重が加えられたこと又はこの部分に加えられた荷重の大きさを検出する。次に、検出部11は、電源部12を用いて第1電極5aと第2電極6bとの間に電圧を印加し、第1電極5aと第2電極6bとが重なった部分に荷重が加えられたこと又はこの部分に加えられた荷重の大きさを検出する。検出部11は、このような検出を、第1電極5a〜5jと第2電極6a〜6jとが重なる各部分について順次行う。このことにより、感圧センサ30に加えられた荷重の分布を測定することができる。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。第1実施形態についての記載は、矛盾がない限り第2実施形態について当てはまる。
多孔質弾性シートに、縦方向に伸びる3本の第1電極と、横方向に伸びる3本の第2電極を形成し、感圧センサを作製した。多孔質弾性シートには、フィルター用の軟質ポリウレタンフォーム(厚さ3mm)を用いた。
第1電極及び第2電極は、水、カーボンナノチューブ及びキサンタンガム(増粘剤)を含むペーストを多孔質弾性シートの表面及び裏面に塗布し浸み込ませ、塗布層を乾燥させることにより形成した。
図7(a)は作製した感圧センサの写真である。作製した感圧センサは、第1電極と第2電極とが重なった部分が9箇所形成されている。
作製した感圧センサの第1電極と第2電極とが重なった部分の1つに様々な荷重を加えて第1電極と第2電極との間の電気抵抗値を測定した。測定では、測定対象とした第1電極と第2電極とに配線を用いてデジタルマルチメーター(テスター)を接続し、第1電極と第2電極との間の電気抵抗値を測定した。測定結果を図8に示す。また、測定対象とした第1電極と第2電極とが重なった部分において作製した感圧センサを切断して、感圧センサの切断面の写真を撮影した。撮影した写真を図7(b)に示す。
図7(b)に示した写真から、第1電極(第1担持部)と第2電極(第2担持部)との間に絶縁部が形成されていることがわかる。
また、約38N以上の荷重を感圧センサに加えると、約72kΩの電気抵抗値が測定された。これは、感圧センサに加える荷重が一定の値を超えると、第1電極と第2電極とが接触する面積がほぼ変わらなくなるためと考えられる。
以上の実験結果から、第1電極と第2電極との間の電気抵抗に基づき第1電極と第2電極とが重なる部分に荷重が加えられたこと又は加えられた荷重の大きさを検出することができることがわかった。
Claims (6)
- 表面及び裏面を有する多孔質弾性シートと、前記多孔質弾性シートの前記表面及びその内部の細孔内に設けられた少なくとも1つの第1電極と、前記多孔質弾性シートの前記裏面及びその内部の細孔内に設けられた少なくとも1つの第2電極とを備え、
第1電極及び第2電極は、少なくとも一部が絶縁部を挟んで重なるように配置され、
前記絶縁部は、前記多孔質弾性シートの一部であり、かつ、細孔内に第1電極及び第2電極のいずれもが設けられていない部分であり、
第1電極及び第2電極は、第1電極と第2電極とが重なる部分に荷重が加えられると前記絶縁部の細孔を通して第1電極の一部と第2電極の一部とが接触するように設けられたことを特徴とする感圧センサ。 - 前記多孔質弾性シートは、50%以上の空隙率を有する請求項1に記載の感圧センサ。
- 第1電極又は第2電極は、金属粒子、金属繊維、金属ナノワイヤー、炭素粒子、炭素繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、導電性高分子及び導電性粒子のうち少なくとも1つを含む請求項1又は2に記載の感圧センサ。
- 前記多孔質弾性シートは、ポリマー発泡体シート、紙、不織布及び織布のうち少なくとも1つを含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の感圧センサ。
- 複数の第1電極は、それぞれ縦方向に伸びる直線状電極であり、かつ、横方向に並べて配置され、
複数の第2電極は、それぞれ横方向に伸びる直線状電極であり、かつ、縦方向に並べて配置され、
第1電極と第2電極とが重なる部分は、マトリックス状に配置された請求項1〜4のいずれか1つに記載の感圧センサ。 - 検出部をさらに備え、
前記検出部は、第1電極と第2電極との間の電気抵抗に基づき第1電極と第2電極とが重なる部分に荷重が加えられたこと又は加えられた荷重の大きさを検出するように設けられた請求項1〜5のいずれか1つに記載の感圧センサ。
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