JP6770674B2 - 積層構造体および半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に有用な積層構造体に関する。
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。しかも、広いバンドギャップからLEDやセンサー等の受発光装置としての応用も期待されている。当該酸化ガリウムは非特許文献1によると、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶することによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはInAlGa(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5〜2.5)を示し、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
特許文献1には、ガリウム又はインジウムの臭化物又はヨウ化物を用いて、ミストCVD法により、InAlGaO系半導体の酸化物結晶薄膜を製造する方法が記載されており、基板として、c面サファイアが用いられている。しかしながら、このような方法で製造した場合、結晶性に優れた酸化物結晶薄膜が得られるものの、電気特性において満足のいくものではなかった。
特開2015−17027号公報
金子健太郎、「コランダム構造酸化ガリウム系混晶薄膜の成長と物性」、京都大学博士論文、平成25年3月
本発明は、電気特性に優れた結晶性酸化物半導体膜を有する積層構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、従来用いられてきたc面サファイアではなく、a面サファイア、r面サファイア、m面サファイアを基板として用いて結晶性酸化物半導体膜を成膜すると、驚くべきことに、電気特性に優れた半導体膜が得られることを見出し、この積層構造体が、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを知見した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 主面の全部または一部にコランダム構造を有する結晶基板上に、、直接にまたは他の層を介して、結晶性酸化物半導体を主成分として含む結晶性酸化物半導体膜が積層されている積層構造体であって、結晶基板の主面が、a面、m面またはr面であることを特徴とする積層構造体。
[2] 結晶性酸化物半導体が、コランダム構造を有する前記[1]記載の積層構造体。
[3] 結晶性酸化物半導体が、ガリウムまたはインジウムを少なくとも含む前記[1]または[2]に記載の積層構造体。
[4] 結晶性酸化物半導体が、ガリウムを少なくとも含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層構造体。
[5] 結晶性酸化物半導体膜が、ドーパントを含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の積層構造体。
[6] ドーパントがスズまたはゲルマニウムである前記[5]記載の積層構造体。
[7] 結晶基板の主面がa面またはm面である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の積層構造体。
[8] 結晶基板の主面がa面である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の積層構造体。
[9] 結晶基板が、サファイア基板である前記[1]〜[8]のいずれかに記載の積層構造体。
[10] 前記[1]〜[9]のいずれかに記載の積層構造体からなる半導体装置。
本発明の積層構造体は、電気特性に優れた結晶性酸化物半導体膜を有する。
実施例において用いられた成膜装置(ミストCVD)の概略構成図である。
本発明の積層構造体は、コランダム構造を有する結晶基板上に、結晶性酸化物半導体を主成分として含む結晶性酸化物半導体膜が積層されている積層構造体であって、結晶基板の主面が、a面、m面またはr面であることを特徴とする。
前記結晶性酸化物半導体膜は、コランダム構造を有する結晶性酸化物半導体、またはβ−ガリア構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含んでいるのが好ましく、コランダム構造を有する結晶性酸化物半導体であるのがより好ましい。また、前記結晶性酸化物半導体膜は、InAlGaO系半導体を主成分とするのが好ましく、ガリウムまたはインジウムを少なくとも含むのがより好ましく、ガリウムを少なくとも含むのが最も好ましい。なお、「主成分」とは、結晶性酸化物半導体がα−Gaである場合、膜中の金属元素中のガリウムの原子比が0.5以上の割合でα−Gaが含まれていればそれでよい。本発明においては、前記膜中の金属元素中のガリウムの原子比が0.7以上であることが好ましく、0.8以上であるのがより好ましい。また、前記結晶性酸化物半導体膜が、コランダム構造を有する結晶性酸化物半導体を主成分として含む場合には、前記結晶性酸化物半導体膜の主面が、a面、m面またはr面であるのが好ましく、a面またはm面であるのがより好ましく、a面であるのが最も好ましい。
また、結晶性酸化物半導体膜の厚さは、特に限定されず、1μm以下であってもよいし、1μm以上であってもよいが、前記主面がm面である場合には、2.2μm以上であるのが好ましい。このような好ましい厚さとすることで、電気特性により優れた結晶酸化物半導体膜を得ることができる。なお、前記結晶性酸化物半導体膜は、通常、単結晶であるが、多結晶であってもよい。また、前記結晶性酸化物半導体膜は、単層膜であってもよいし、多層膜であってもよい。
前記結晶性酸化物半導体膜は、ドーパントが含まれているのが好ましい。前記ドーパントは、特に限定されず、公知のものであってよい。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはp型ドーパントなどが挙げられる。本発明においては、前記ドーパントが、Snであるのが好ましい。Snの含有量は、前記結晶性酸化物半導体膜の組成中、0.00001原子%以上であるのが好ましく、0.00001原子%〜20原子%であるのがより好ましく、0.00001原子%〜10原子%であるのが最も好ましい。
前記結晶基板は、主面の全部または一部にコランダム構造を有している基板であって、主面が、a面、m面またはr面であれば特に限定されないが、結晶成長面側の主面の全部または一部にコランダム構造を有している基板であるのが好ましく、結晶成長面側の主面の全部にコランダム構造を有しているのがより好ましい。また、本発明においては、前記主面が、a面またはm面であるのが好ましく、a面であるのがより好ましい。また、前記結晶基板は、オフ角を有していてもよい。前記オフ角としては、例えば、0.2°〜12.0°のオフ角などが挙げられるが、本発明においては、前記主面がm面である場合には、前記オフ角が、0.5°〜3.0°であるのが、より電気特性を向上させることができるので好ましい。前記基板形状は、板状であって、前記結晶性酸化物半導体膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、導電性基板であってもよいが、前記基板が、絶縁体基板であるのが好ましく、また、表面に金属膜を有する基板であるのも好ましい。前記結晶基板の基板材料は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記のコランダム構造を有する基板材料は、例えば、α−Al(サファイア基板)またはα−Gaが好適に挙げられ、a面サファイア基板、m面サファイア基板、r面サファイア基板や、α型酸化ガリウム基板(a面、m面またはr面)などがより好適な例として挙げられる。
本発明の積層構造体は、例えば、原料溶液を霧化または液滴化し(霧化・液滴化工程)、得られたミストまたは液滴をキャリアガスでもって成膜室内に搬送し(搬送工程)、ついで、成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、前記結晶基板上に、結晶成長により、結晶性酸化物半導体を主成分として含む結晶性酸化物半導体膜を積層する(成膜工程)ことにより好適に得られる。
(霧化・液滴化工程)
霧化・液滴化工程は、原料溶液を霧化または液滴化する。原料溶液の霧化手段または液滴化手段は、原料溶液を霧化または液滴化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明においては、超音波を用いる霧化手段または液滴化手段が好ましい。超音波を用いて得られたミストまたは液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましく、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので衝突エネルギーによる損傷がないためにより好ましい。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは1〜10μmである。
原料溶液は、ミストCVDにより、前記結晶性酸化物半導体が得られる溶液であれば特に限定されない。前記原料溶液としては、例えば、金属の有機金属錯体(例えばアセチルアセトナート錯体等)やハロゲン化物(例えばフッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物等)の水溶液などが挙げられる。前記金属は、半導体を構成可能な金属であればそれでよく、このような金属としては、例えば、ガリウム、インジウム、アルミニウム、鉄等が挙げられる。本発明においては、前記金属が、ガリウムまたはインジウムを少なくとも含むのが好ましく、ガリウムを少なくとも含むのがより好ましい。原料溶液中の金属の含有量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、好ましくは、0.001モル%〜50モル%であり、より好ましくは0.01モル%〜50モル%である。
また、原料溶液は、ドーパントが含まれているのが好ましい。ドーパントを含ませることにより、イオン注入等を行わずに、結晶性酸化物半導体膜の導電性を制御することができる。前記ドーパントとしては、例えば前記金属が少なくともガリウムを含む場合には、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛などのn型ドーパント等が挙げられる。本発明においては、前記ドーパントがスズであるのが電気特性をより向上させることができるので好ましい。なお、前記ドーパントを原料溶液に含ませる場合には、ハロゲン化物や錯体の形態にして含有させるのが好ましい。また、ドーピング量は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、原料溶液中、体積比で、0.001〜20%であるのが好ましく、0.01〜10%であるのがより好ましい。また、本発明においては、ノンドープも好ましい。
また、原料溶液には、さらに、酸や塩基等のその他添加剤が含まれていてもよい。本発明においては、原料溶液に酸が含まれているのが好ましく、このような好ましい酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などが挙げられる。
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明においては、前記溶媒が水を含むのが好ましく、水または水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましい。
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記ミストまたは前記液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01〜20L/分であるのが好ましく、1〜10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001〜2L/分であるのが好ましく、0.1〜1L/分であるのがより好ましい。
(成膜工程)
成膜工程では、成膜室内で前記ミストまたは液滴を熱反応させることによって、絶縁化させた第1の半導体膜上に、第2の半導体からなる第2の半導体膜を成膜する。熱反応は、熱でもって第1のミスト等が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、600℃以下がより好ましく、300℃〜550℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよく、また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
また、本発明においては、前記結晶基板上にバッファ層や応力緩和層等の他の層を設けてもよい。
上記のようにして得られた積層構造体の結晶性酸化物半導体膜は、電気特性に優れており、半導体装置等に好適に用いることができる。また、本発明においては、前記結晶性酸化物半導体膜を、前記結晶基板等から剥離する等の公知の手段を用いた後に、半導体装置等に用いてもよい。
前記半導体装置としては、例えば、半導体レーザ、ダイオードまたはトランジスタなどが挙げられ、より具体的には例えば、MISやHEMT等のトランジスタやTFT、半導体‐金属接合を利用したショットキーバリアダイオード、他のP層と組み合わせたPN又はPINダイオード、受発光素子等が挙げられる。
本発明においては、前記半導体装置が、前記積層構造体の結晶性酸化物半導体膜と電極とを少なくとも含む半導体装置であるのが好ましい。前記電極は、例えば、前記半導体装置がショットキーダイオードである場合には、ショットキー電極やオーミック電極であってよく、また、例えば、前記半導体装置がMOSFETである場合には、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極であってよい。前記電極材料としては、例えば、Al、Mo、Co、Zr、Sn、Nb、Fe、Cr、Ta、Ti、Au、Pt、V、Mn、Ni、Cu、Hf、W、Ir、Zn、In、Pd、NdもしくはAg等の金属またはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物などが挙げられる。電極の形成は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの公知の手段により行うことができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.成膜装置
図1を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置19を説明する。ミストCVD装置19は、基板20を載置するサセプタ21と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給手段22aと、キャリアガス供給手段22aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)供給手段22bと、キャリアガス(希釈)供給手段22bから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁23bと、原料溶液24aが収容されるミスト発生源24と、水25aが入れられる容器25と、容器25の底面に取り付けられた超音波振動子26と、内径40mmの石英管からなる供給管27と、供給管27の周辺部に設置されたヒーター28とを備えている。サセプタ21は、石英からなり、基板20を載置する面が水平面から傾斜している。成膜室となる供給管27とサセプタ21をどちらも石英で作製することにより、基板20上に形成される膜内に装置由来の不純物が混入することを抑制している。
2.原料溶液の作製
ガリウムアセチルアセトナートと塩化スズ(II)を超純水に混合し、ガリウムに対するスズの原子比が1:0.002およびガリウムアセチルアセトナート0.05モル/Lとなるように水溶液を調整し、この際、塩酸を体積比で1.5%を含有させ、これを原料溶液とした。
3.成膜準備
上記2.で得られた原料溶液24aをミスト発生源24内に収容した。次に、基板20として、a面サファイア基板をサセプタ21上に設置し、ヒーター28を作動させて成膜室27内の温度を460℃にまで昇温させた。次に、流量調節弁23a、23bを開いて、キャリアガス源であるキャリアガス供給手段22a、22bからキャリアガスを成膜室27内に供給し、成膜室27の雰囲気をキャリアガスで十分に置換した後、キャリアガスの流量を1L/minに、キャリアガス(希釈)の流量を0.5L/minにそれぞれ調節した。なお、キャリアガスとして窒素を用いた。
4.半導体膜形成
次に、超音波振動子26を2.4MHzで振動させ、その振動を、水25aを通じて原料溶液24aに伝播させることによって、原料溶液24aを微粒子化させて原料微粒子を生成した。この原料微粒子が、キャリアガスによって成膜室27内に導入され、大気圧下、460℃にて、成膜室27内でミストが反応して、基板20上に半導体膜が形成された。なお、膜厚は1.8μmであり、成膜時間は180分間であった。
5.評価
XRD回折装置を用いて、上記4.にて得られた結晶膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はa面α−Gaであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.75×1019cm−3において、移動度が48.1cm/Vsであった。また、抵抗率は、7mΩcmであった。
(実施例2)
基板としてr面サファイア基板を用いたこと、成膜温度を450℃としたこと以外は、実施例1と同様にして、積層構造体を得た。得られた積層構造体の結晶性酸化物半導体膜につき、実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、r面α−Gaであった。膜厚は、1μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.36×1019cm−3において、移動度が3.82cm/Vsであった。
(実施例3)
基板としてm面サファイア基板を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、積層構造体を得た。得られた積層構造体の結晶性酸化物半導体膜につき、実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は、1μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度2.41×1019cm−3において、移動度が19.01cm/Vsであった。
(実施例4)
ガリウムアセチルアセトナートと塩化スズ(II)を超純水に混合し、ガリウムに対するスズの原子比が1:0.001およびガリウムアセチルアセトナート0.05モル/Lとなるように水溶液を調整したこと以外は、実施例2と同様にして、積層構造体を得た。得られた積層構造体の結晶性酸化物半導体膜につき、実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、r面α−Gaであった。膜厚は、0.9μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度9.96×1018cm−3において、移動度が7.48cm/Vsであった。
(実施例5)
基板としてm面サファイア基板を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、積層構造体を得た。得られた積層構造体の結晶性酸化物半導体膜につき、実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は、0.9μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.57×1019cm−3において、移動度が20.60cm/Vsであった。
(実施例6)
結晶基板として、表面にバッファ層としてノンドープのα−Ga、さらにその上にα−Gaが積層されているm面サファイア基板を用いたこと、成膜時間を6時間としたこと以外は、実施例1と同様にして、結晶性酸化物半導体膜を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は2.5μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度2.89×1019cm−3において、移動度が42.70cm/Vsであった。
(実施例7)
結晶基板としてm面よりa軸方向に0.5°のオフ角を有するサファイア基板を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、結晶性酸化物半導体膜を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は3.3μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度2.84×1019cm−3において、移動度が55.83cm/Vsであった。
(実施例8)
結晶基板としてm面よりa軸方向に3.0°のオフ角を有するサファイア基板を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、結晶性酸化物半導体膜を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は2.6μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度3.13×1019cm−3において、移動度が55.35cm/Vsであった。
(実施例9)
塩酸として、純塩酸を用いたこと、結晶基板としてm面より0.5°のオフ角を有するサファイア基板を用いたこと以外は、実施例6と同様にして、結晶性酸化物半導体を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は2.2μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.65×1019cm−3において、移動度が51.75cm/Vsであった。
(実施例10)
結晶基板として、m面よりa軸方向に2.0°のオフ角を有するサファイア基板を用いたこと以外は、実施例9と同様にして結晶性酸化物半導体を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は2.9μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.31×1019cm−3において、移動度が50.22cm/Vsであった。
(実施例11)
結晶基板として、m面よりa軸方向に3.0°のオフ角を有するサファイア基板を用いたこと以外は、実施例9と同様にして結晶性酸化物半導体を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、m面α−Gaであった。膜厚は3.6μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.09×1019cm−3において、移動度が51.77cm/Vsであった。
(実施例12)
原料溶液として、臭化ガリウムと臭化スズを混合し、ガリウムに対するスズの原子比が1:0.08となるように水溶液を調整し、この際、臭化水素酸を体積比で10%を含有させた水溶液を用いたこと、結晶基板として、表面にノンドープのα−Gaが積層されているa面サファイア基板を用いたこと、キャリアガスの流量を5L/minとしたこと、成膜温度を490℃、成膜時間を10分としたこと以外は、実施例1と同様にして、結晶性酸化物半導体膜を得た。得られた結晶性酸化物半導体膜に実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、a面α−Gaであった。膜厚は0.2μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度2.91×1019cm−3において、移動度が55.61cm/Vsであった。
(比較例1)
基板としてc面サファイア基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、積層構造体を得た。得られた積層構造体の結晶性酸化物半導体膜につき、実施例1と同様にして相の同定を行ったところ、c面α−Gaであった。膜厚は、1.8μmであった。また、得られた膜につき、ホール効果測定を実施したところ、キャリア密度1.05×1019cm−3において、移動度が1.65cm/Vsであった。
実施例1および実施例6〜12から明らかなように、結晶基板として、特に主面がa面またはm面であるサファイア基板を用いて成膜を行うと、移動度により優れた結晶性酸化物半導体膜を得ることができる。また、主面がm面であるサファイア基板を用いた場合であって、膜厚を2.2μm以上とした場合にはより移動度に優れた結晶性酸化物半導体膜を得ることができる。
本発明の積層構造体は、電気特性に優れた結晶性酸化物半導体膜を有しているので、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)産業に好適に用いることができる。
19 ミストCVD装置
20 基板
21 サセプタ
22a キャリアガス供給手段
22b キャリアガス(希釈)供給手段
23a 流量調節弁
23b 流量調節弁
24 ミスト発生源
24a 原料溶液
25 容器
25a 水
26 超音波振動子
27 供給管
28 ヒーター

Claims (8)

  1. 主面の全部または一部にコランダム構造を有する結晶基板上に、直接にまたは他の層を介して、結晶性酸化物半導体を主成分として含むコランダム構造を有する結晶性酸化物半導体膜が積層されている積層構造体であって、結晶性酸化物半導体膜がドーパントを含み、結晶基板の主面が、a面、m面またはr面であることを特徴とする積層構造体。
  2. 結晶性酸化物半導体が、ガリウムまたはインジウムを少なくとも含む請求項1記載の積層構造体。
  3. 結晶性酸化物半導体が、ガリウムを少なくとも含む請求項1〜のいずれかに記載の積層構造体。
  4. ドーパントがスズである請求項1〜3のいずれかに記載の積層構造体。
  5. 結晶基板の主面がa面またはm面である請求項1〜のいずれかに記載の積層構造体。
  6. 結晶基板の主面がa面である請求項1〜のいずれかに記載の積層構造体。
  7. 結晶基板が、サファイア基板である請求項1〜のいずれかに記載の積層構造体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の積層構造体と電極とを少なくとも含む半導体装置。
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