JP6769595B2 - ねじ部材の不正回転操作防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじ部材の不正回転操作防止装置に関し、特に、指で摘まんで操作するねじ部材の不正回転操作防止装置に関するものである。
従来、回転操作を行う機械装置において、不正な回転操作(誤操作を含む。)を防止するための各種機構が提案され、実用化されている。
このような機構の1つとして、本件出願人は、先に、ハンドルに施錠機構を備えることによって、ハンドルの回転操作が回転軸に伝達されるようにする状態と、ハンドルが空転してハンドルの回転操作が回転軸に伝達されないようにする状態とを選択できるようにした不正回転操作防止装置を提案した(特許文献1参照。)。
特開2015−200401号公報
ところで、特許文献1で提案した不正回転操作防止装置は、ハンドルという大型の機械装置には適しているが、指で摘まんで操作するねじ部材のような小型の機械装置には適用することができず、小型の機械装置に適用することが可能な不正回転操作防止装置が要請されていた。
本発明は、このような要請に鑑み、指で摘まんで操作するねじ部材の不正回転操作防止装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置は、ねじ部材と、該ねじ部材の前端側部分に外嵌される摘まみケースと、摘まみケースの回転操作がねじ部材に伝達されるようにする状態と、摘まみケースが空転して摘まみケースの回転操作がねじ部材に伝達されないようにする状態とを切り換えるロック部材とからなるねじ部材の不正回転操作防止装置であって、前記ロック部材が、押釦、外ケース、該外ケース内に収容された前筒及び後筒並びに前筒及び後筒間に亘って配設した施錠機構部品を備え、突出状態の押釦が押し込まれたときに、ばねによって付勢されて後筒から出没可能に設けているロック用カムが押釦の後部位置の外周面の凹部に嵌合することによって、押釦が押し込まれた状態で保持されるようにした施錠機構と、摘まみケースとねじ部材とを係合して、摘まみケースの回転操作をねじ部材に伝達する係合機構とからなり、施錠機構の押釦が突出状態のとき、係合機構により摘まみケースとねじ部材とを係合し、施錠機構の押釦が押し込み操作され、その状態が保持されているとき、係合機構による摘まみケースとねじ部材との係合を解除して施錠機構が施錠され、施錠機構を鍵を用いて回転操作して開錠することによって、ロック用カムの押釦の凹部に対する嵌合状態を解除することで、施錠機構の押釦が突出状態に復帰させ、鍵を元の位置まで回転操作して、施錠機構から引き抜くようにしたことを特徴とする。
この場合において、前記摘まみケースの後端側開口端面に、操作用のピンを挿入するためのピン挿入溝を開口させ、ねじ部材のピンが摘まみケースの内周面に形成された溝に挿入されることにより、ねじ部材が摘まみケースに抜け止めされており、ピン挿入溝から操作用のピンを挿入することによって、ばねの付勢力に抗してねじ部材のピンを押し下げて摘まみケースからねじ部材及びロック部材を分離して取り出すことができるようにするとができる。
本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置によれば、ねじ部材と、該ねじ部材の前端側部分に外嵌される摘まみケースと、摘まみケースの回転操作がねじ部材に伝達されるようにする状態と、摘まみケースが空転して摘まみケースの回転操作がねじ部材に伝達されないようにする状態とを切り換えるロック部材とからなるねじ部材の不正回転操作防止装置であって、前記ロック部材が、押釦を備えた施錠機構と、摘まみケースとねじ部材とを係合して、摘まみケースの回転操作をねじ部材に伝達する係合機構とからなり、施錠機構の押釦が突出状態のとき、係合機構により摘まみケースとねじ部材とを係合し、施錠機構の押釦が押し込まれた状態のとき、係合機構による摘まみケースとねじ部材との係合を解除して施錠機構が施錠され、施錠機構を開錠することによって施錠機構の押釦が突出状態に復帰するようにすることにより、指で摘まんで操作するねじ部材の不正回転操作防止装置を提供することができる。
また、摘まみケースの後端側開口端面に、摘まみケースからねじ部材及びロック部材を分離して取り出すことができるようにするピン挿入溝を開口させることにより、摘まみケースからねじ部材及びロック部材を分離して取り出すことができるようにするピン挿入溝を、使用状態では外観から見えないようにすることができ、ねじ部材の不正回転操作防止装置の安全性及び意匠性を向上することができる。
本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の第1実施例の組み立て工程を示し、(a1)〜(a3)及び(b1)〜(b3)は取り付け工程の説明図、(c)は摘まみケースの説明図である。 同ねじ部材の不正回転操作防止装置の操作工程を示し、(a)は取り付け工程の説明図、(b)は取り外し工程の説明図である。 同ねじ部材の不正回転操作防止装置の操作工程を示し、(a)は施錠機構が開錠状態のときの説明図、(b)は施錠機構が施錠状態のときの説明図である。 同ねじ部材の不正回転操作防止装置の操作工程を示し、(a)は施錠機構が開錠状態のときの説明図、(b)及び(c)は施錠機構が施錠状態のときの説明図、(d)〜(f)は施錠機構を開錠するときの説明図、(g)は鍵の説明図である。 同ねじ部材の不正回転操作防止装置を分解した状態を示す説明図である。 本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の第2実施例の操作工程を示し、(a)は施錠機構が開錠状態のときの説明図、(b)は施錠機構が施錠状態のときの説明図である。 本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の第3実施例の組み立て工程を示し、(a1)〜(a3)及び(b1)〜(b3)は取り付け工程の説明図、(c)は摘まみケースの説明図である。 同ねじ部材の不正回転操作防止装置の分解工程を示す説明図である。 同ねじ部材の不正回転操作防止装置の分解工程を示す説明図である。
以下、本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図5に、本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の第1実施例を示す。
このねじ部材の不正回転操作防止装置は、ねじ部材1と、このねじ部材1の前端側部分に外嵌される摘まみケース2と、摘まみケース2の回転操作がねじ部材1に伝達されるようにする状態と、摘まみケース2が空転して摘まみケース2の回転操作がねじ部材1に伝達されないようにする状態とを切り換えるロック部材3とからなる。
そして、ロック部材3が、押釦4を備えた施錠機構5と、摘まみケース2とねじ部材1とを係合して、摘まみケース2の回転操作をねじ部材1に伝達する係合機構6とからなり、施錠機構5の押釦4が突出状態のとき、係合機構6により摘まみケース2とねじ部材1とを係合し、施錠機構5の押釦4が押し込まれた状態のとき、係合機構6による摘まみケース2とねじ部材1との係合を解除して施錠機構5が施錠され、施錠機構5を開錠することによって施錠機構5の押釦4が突出状態に復帰するようにされている。
この場合において、ねじ部材1は、雄ねじ11と、雄ねじ11の前端側に設けた円柱部12とからなり、円柱部12には、ばねによって付勢されるピン13と、係合機構6のボール61とを、それぞれ出没可能に設けるようにする。
なお、本実施例において、ねじ部材1のねじ部分は、雄ねじ11で構成されているが、雌ねじで構成することもできる。
また、係合機構6のボール61は、3個のボール61を、円柱部12に等角度間隔に形成したボール挿入孔にそれぞれ挿入するようにしたが、それ以外の個数、例えば、図6に示す、本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の第2実施例のように、1個にすることもできる。
摘まみケース2は、筒状(本実施例においては、円筒状。)をするとともに、必要に応じて、外周面にローレット等の滑り止めを施し(ローレット等の滑り止めのほか、外周面を多角形形状等に形成したり、蝶ねじのような摘まみ部を設けることもできる。)、施錠機構5及び係合機構6からなるロック部材3並びにねじ部材1の円柱部12を内部に収容し、施錠機構5の押釦4が前端側開口端面から突出して、押し込み操作を行うことができるようにしている。
摘まみケース2に収容されたねじ部材1は、ピン13が摘まみケース2の内周面に形成された溝21に挿入されることにより、係合機構6が働かないときは、摘まみケース2に対して抜け止めされた状態で自由に回転できるようにされている。なお、ねじ部材1の抜け止め機構として、ピン13に代えて、図3及び図5に示すように、C型止め輪14を用いることもできる。
また、摘まみケース2に収容された施錠機構5は、外ケース51が、ピン22によって、摘まみケース2に固定されている。
施錠機構5は、押釦4、外ケース51、外ケース51内に収容された前筒52及び後筒53、前筒52及び後筒53間に亘って配設したピンタンブラ54、ドライバピン55等の施錠機構部品とからその主要部が構成されている。外ケース51と後筒53とは、ピン32によって固定されている。なお、施錠機構5には、機械式のもののほか、磁石式のものを用いることもできる。
押釦4は、施錠機構5の外ケース51に対して、連結ピン56を介して、前筒52と共に回転するとともに、ばね41の付勢力に抗して、後方に向けて押し込むことができるようにしている。
押釦4は、図4(a)〜(b)に示すように、中間部に長孔42を備え、施錠機構5の外ケース51に対して、長孔42に挿通される、前筒52に取り付けた連結ピン56を介して、前筒52と共に回転するとともに、ばね41の付勢力に抗して、後方に向けて押し込むことができるようにしている。
また、押釦4は、長孔42より後部位置の外周面に凹部43を備え、押釦4が後方に向けて押し込まれたときに、外ケース51の内周面によって背面が支持されたばねによって付勢されて、後筒53から出没可能に設けているロック用カム57が凹部43に嵌合することによって、押釦4が押し込まれた状態で保持されるようにしている。
押し込まれた状態で保持されている押釦4の突出状態への復帰は、図4(c)〜(g)に示すように、鍵7を用いて、施錠機構5を開錠することによって行う。
具体的には、鍵7を施錠機構5に差し込むことによって、ピンタンブラ54とドライバピン55とが当接した境界面が、前筒52と後筒53の境界面の位置に来るように押し込み、鍵7を回転操作することで、前筒52及びそれに従動させて押釦4を回転させると、凹部43に嵌合していたロック用カム57が外れ、押釦4は突出状態に復帰する。なお、鍵7が施錠機構5に合致したものでない場合は、ピンタンブラ54とドライバピン55とが当接した境界面が、前筒52と後筒53の境界面の位置に来ないため、鍵7を回転操作できない
押釦4は突出状態に復帰した後、鍵7を元の位置まで回転操作して、施錠機構5から引き抜くようにする。
そして、押釦4が突出状態のとき、係合機構6により摘まみケース2とねじ部材1とが係合されて、摘まみケース2の回転操作がねじ部材1に伝達されるようにし、押釦4が押し込まれた状態のとき、係合機構6による摘まみケース2とねじ部材1との係合が解除されて、摘まみケース2が空転して摘まみケース2の回転操作がねじ部材1に伝達されないようにする。
具体的には、係合機構6は、ボール61と、押釦4の後端部に取り付けたボール押し上げ用カム62とからなり、押釦4が突出状態のとき、ボール61がボール押し上げ用カム62に当接して放射方向外側に移動し、ボール61を介して、摘まみケース2とねじ部材1とが係合され、摘まみケース2の回転操作がねじ部材1に伝達されるようにし、摘まみケース2を回転操作することによって、図2(a)に示すように、ねじ部材1を取り付け対象部材9に取り付けたり、図2(b)に示すように、ねじ部材1を取り付け対象部材9から取り外すことができるものとなる。
一方、押釦4が押し込まれた状態のとき、ボール61が押釦4の軸部に当接して中心方向内側に移動し、ボール61による摘まみケース2とねじ部材1との係合が解除され、係合機構6による摘まみケース2とねじ部材1との係合が解除されて、摘まみケース2が空転して摘まみケース2の回転操作がねじ部材1に伝達されないようにし、摘まみケース2を回転操作しても、ねじ部材1を取り付け対象部材9に取り付けたり、ねじ部材1を取り付け対象部材9から取り外すことができないようにする。
ところで、摘まみケース2の内部に施錠機構5及び係合機構6からなるロック部材3並びにねじ部材1の円柱部12を収容するのに際して、図7〜図9に示す、本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置の第3実施例のように、摘まみケース2の後端側開口端面に、摘まみケース2からねじ部材1及びロック部材3を分離して取り出すことができるようにするピン挿入溝23を開口させることができる。
この場合、摘まみケース2には、摘まみケース2の後端側開口端面に開口する突起ガイド溝24を形成し、摘まみケース2の内部にロック部材3を収容する際に、ロック部材3の外周面に形成した突起31が、突起ガイド溝24に入り込むようにすることで、摘まみケース2と外ケース51とを固定するピン22を省略するようにしている。なお、外ケース51と後筒53とは、ピン32によって固定されている。
これにより、ピン挿入溝23にピン8を挿入することによって、ばねの付勢力に抗してピン13を押し下げて、摘まみケース2からねじ部材1を取り出し、次に、ロック部材3を取り出すことができるとともに、ピン挿入溝23を、使用状態では外観から見えないようにすることができ、ねじ部材の不正回転操作防止装置の安全性及び意匠性を向上することができる。
以上、本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のねじ部材の不正回転操作防止装置によれば、指で摘まんで操作するねじ部材の不正回転操作防止装置を提供することができる。
1 ねじ部材
2 摘まみケース
3 ロック部材
4 押釦
5 施錠機構
6 係合機構
7 鍵
8 ピン
9 取り付け対象部材

Claims (2)

  1. ねじ部材と、該ねじ部材の前端側部分に外嵌される摘まみケースと、摘まみケースの回転操作がねじ部材に伝達されるようにする状態と、摘まみケースが空転して摘まみケースの回転操作がねじ部材に伝達されないようにする状態とを切り換えるロック部材とからなるねじ部材の不正回転操作防止装置であって、
    前記ロック部材が、
    押釦、外ケース、該外ケース内に収容された前筒及び後筒並びに前筒及び後筒間に亘って配設した施錠機構部品を備え、突出状態の押釦が押し込まれたときに、ばねによって付勢されて後筒から出没可能に設けているロック用カムが押釦の後部位置の外周面の凹部に嵌合することによって、押釦が押し込まれた状態で保持されるようにした施錠機構と、
    摘まみケースとねじ部材とを係合して、摘まみケースの回転操作をねじ部材に伝達する係合機構とからなり、
    施錠機構の押釦が突出状態のとき、係合機構により摘まみケースとねじ部材とを係合し、
    施錠機構の押釦が押し込み操作され、その状態が保持されているとき、係合機構による摘まみケースとねじ部材との係合を解除して施錠機構が施錠され、
    施錠機構を鍵を用いて回転操作して開錠することによって、ロック用カムの押釦の凹部に対する嵌合状態を解除することで、施錠機構の押釦が突出状態に復帰させ、鍵を元の位置まで回転操作して、施錠機構から引き抜くようにした
    ことを特徴とするねじ部材の不正回転操作防止装置。
  2. 前記摘まみケースの後端側開口端面に、操作用のピンを挿入するためのピン挿入溝を開口させ、ねじ部材のピンが摘まみケースの内周面に形成された溝に挿入されることにより、ねじ部材が摘まみケースに抜け止めされており、ピン挿入溝から操作用のピンを挿入することによって、ばねの付勢力に抗してねじ部材のピンを押し下げて摘まみケースからねじ部材及びロック部材を分離して取り出すことができるようにてなることを特徴とする請求項1に記載のねじ部材の不正回転操作防止装置。
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