JP6769577B2 - キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物 - Google Patents
キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6769577B2 JP6769577B2 JP2020506360A JP2020506360A JP6769577B2 JP 6769577 B2 JP6769577 B2 JP 6769577B2 JP 2020506360 A JP2020506360 A JP 2020506360A JP 2020506360 A JP2020506360 A JP 2020506360A JP 6769577 B2 JP6769577 B2 JP 6769577B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pigment
- solid solution
- quinacridone
- water
- derivative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B48/00—Quinacridones
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D11/00—Inks
- C09D11/02—Printing inks
- C09D11/03—Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder
- C09D11/037—Printing inks characterised by features other than the chemical nature of the binder characterised by the pigment
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0025—Crystal modifications; Special X-ray patterns
- C09B67/0027—Crystal modifications; Special X-ray patterns of quinacridones
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0033—Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0033—Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions
- C09B67/0034—Mixtures of two or more pigments or dyes of the same type
- C09B67/0036—Mixtures of quinacridones
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09B—ORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
- C09B67/00—Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
- C09B67/0071—Process features in the making of dyestuff preparations; Dehydrating agents; Dispersing agents; Dustfree compositions
- C09B67/0092—Dyes in solid form
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09D—COATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
- C09D11/00—Inks
- C09D11/30—Inkjet printing inks
- C09D11/32—Inkjet printing inks characterised by colouring agents
- C09D11/322—Pigment inks
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Description
ここで、本発明に近い構成を開示するものとして、82.5−99重量%の未置換γ相のキナクリドンと、1−17.5重量%の1種または複数の2,9−及びまたは3,10−置換キナクリドンとからなるガンマ相のキナクリドン混晶顔料を開示した(特許文献:特開2000−281930)、少なくとも1種の2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸類を出発物質とした閉環工程と、該反応物のスルホン化工程と、得られたキナクリドン顔料の回収工程とを含むキナクリドンの製造方法を開示した(特許文献:特開2000−248189)がある。
固溶体(混晶と呼ばれることがある)とは、ある一つの結晶相の格子点にある原子が全く不規則に別種の原子と置換するか、あるいは格子間隙に別種の原子が統計的に分布されるように入り込んだ相、すなわち、ある結晶相に他物質が溶け込んだとみなされる混合相をいう。結晶相としては均一相であって2相の共存でないものに限られる。
固溶体は単なる混合物とは異なる物理的又は光学的性質を示す場合がある。
また、固溶体の存在は、例えば、結晶X線回折スペクトルを測定した場合には、単なる混合物の場合には、存在していなかった回折角に新たなピークが発現したり、逆に単なる混合物の場合に存在していた特定の回折角のピークが消失することで確認することができる。キナクリドン顔料である、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202およびC.I.ピグメントレッド209は、それぞれ単独で単一または複数(例えば、C.I.ピグメントバイオレット19では、α、βおよびγ型)の結晶構造を形成するだけでなく、それぞれを構成成分として、単独の結晶構造とは異なる固溶体を形成する。
また、これら固溶体を形成するためには、固溶体を形成し得る各成分の組成があり、構成成分が任意の割合で同一の固溶体を形成できるわけではない。
しかしながら、これまで報告されてきたキナクリドンの固溶体では、結晶子の大きさ、一次粒子の大きさや形を微細かつ均一に整えることは困難であり、インキとして使用した場合、目的の色相と発色を有し、かつ、良好な貯蔵安定性が得られていない。特に、インクジェットインク用キナクリドンマゼンタ顔料では、色相:黄味鮮明、かつ、貯蔵安定性良好なインクが得られるキナクリドン顔料が望まれているが、色相:黄味が得られるC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202の固溶体は、一次粒子が過剰に成長してしまうために、インクジェットインクに使用できる微細な一次粒子を得るためには、多大なエネルギーを要するソルベントソルトミリング法を使用する必要があること、ソルベントソルトミリング法を使用せずに、比較的小さい一次粒子が得られるC.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体では、色相:青味であり、一次粒子の大きさ・形が不揃いであるために、インクジェットインクとしての貯蔵安定性が悪い。また、いずれの固溶体についても、固溶体を形成している構成成分の比率を特定することは困難であり、固溶体の組成と色相や貯蔵安定性などの特性値との関係が明確でないといった課題があった。
このようなことから前記キナクリドン顔料については未だ改良が望まれていた。
『項1.C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122と、からなるキナクリドン固溶体顔料であって、X線回折法により、回折角2θ=11.9±0.2°の回折ピーク強度に対する回折角2θ=14.8±0.2°の回折ピーク強度の比率が1.20以下であることを特徴とする、キナクリドン固溶体顔料。(以下、本発明のキナクリドン固溶体顔料と表記する場合がある)。
項2.X線回折法により、回折角2θ=13〜14°に観測される最大ピークの回折ピークの半値幅から求められる結晶子の厚さが20nmから40nmであることを特徴とする、項1に記載のキナクリドン固溶体顔料。
項3.項1又は項2に記載のキナクリドン固溶体顔料が、さらにキナクリドン顔料誘導体を含むことを特徴とするキナクリドン顔料。
項4.前記キナクリドン顔料誘導体の含有量が、キナクリドン顔料誘導体1〜10質量部であることを特徴とする、項3に記載のキナクリドン顔料
項5.項1又は2に記載のキナクリドン固溶体顔料と、キナクリドン顔料誘導体と、を少なくとも含むことを特徴とするインキ組成物。
項6.キナクリドン固溶体顔料100質量部に対して、キナクリドン顔料誘導体が1〜10質量部となるように含有することを特徴とする項5に記載のインキ組成物。』に関する。
<課題の裏返しを記載>。
本発明においてキナクリドン固溶体とは、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122と、を必須成分として含み、より具体的には、C.I.ピグメントバイオレット19の結晶相にC.I.ピグメントレッド122が溶け込んだとみなされる混合相を形成しているものをいう。よって、この固溶体には、C.I.ピグメントバイオレット19の単結晶や、C.I.ピグメントレッド122の単結晶には存在しない、結晶X線回折による回折角に固有のピークを有する。このため、固溶体か、各単結晶の単なる混合物かは、結晶X線回折により容易に判別可能である。
なかでも、より優れた貯蔵安定性を与える観点から、スルホン酸およびその金属塩、ジメチルアミノプロピルアミノスルファモイル誘導体が好ましい。
本発明において、キナクリドン顔料誘導体を併用する場合には、キナクリドン固溶体顔料100質量部に対して、キナクリドン顔料誘導体1〜10質量部となるように用いることが好ましい。
ここで、本発明のキナクリドン固溶体顔料を得る方法の一例を示すが、これらに限定して解釈されるべきものではない。
ここで、液媒体は、粗製キナクリドン固溶体顔料を溶解しないものを選択して用いる。また、結晶制御を安定的に行う観点から、水可溶性有機溶媒を主成分として含むことが好ましい。
2Lセパラブルフラスコに85%リン酸510gを量り取り、無水リン酸725gを加え攪拌し、84%ポリリン酸を作製した。ポリリン酸の温度が低下し約100℃となってから、C.I.ピグメントバイオレット19の原料である2,5−ジアニリノテレフタル酸255g、次いで、C.I.ピグメントレッド122の原料である2,5−ジ−トルイジノテレフタル酸170gを徐々に加え、原料の添加終了後、125℃で3時間の縮合反応を行なった。反応終了後、10Lステンレスカップに30℃の水を7L量り取り、この水を攪拌しながら,反応液を水中に投入し、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体粗顔料スラリーを得た。この固溶体スラリーをろ過・水洗して、固溶体粗顔料ウェットケーキ1550g(固形分26.5%)を得た。
2Lセパラブルフラスコに85%リン酸510gを量り取り、無水リン酸725gを加え攪拌し、84%ポリリン酸を作製した。ポリリン酸の温度が低下し約100℃となってから、C.I.ピグメントバイオレット19の原料である2,5−ジアニリノテレフタル酸212.5g、次いで、C.I.ピグメントレッド122の原料である2,5−ジ−トルイジノテレフタル酸212.5gを徐々に加え、原料の添加終了後、125℃で3時間の縮合反応を行なった。反応終了後、10Lステンレスカップに30℃の水を7L量り取り、この水を攪拌しながら,反応液を水中に投入し、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体粗顔料スラリーを得た。この固溶体スラリーをろ過・水洗して、固溶体粗顔料ウェットケーキ1560g(固形分26.3%)を得た。
2Lセパラブルフラスコに85%リン酸510gを量り取り、無水リン酸725gを加え攪拌し、84%ポリリン酸を作製した。ポリリン酸の温度が低下し約100℃となってから、C.I.ピグメントバイオレット19の原料である2,5−ジアニリノテレフタル酸297.5g、次いで、C.I.ピグメントレッド122の原料である2,5−ジ−トルイジノテレフタル酸127.5gを徐々に加え、原料の添加終了後、125℃で3時間の縮合反応を行なった。反応終了後、10Lステンレスカップに30℃の水を7L量り取り、この水を攪拌しながら,反応液を水中に投入し、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体粗顔料スラリーを得た。この固溶体スラリーをろ過・水洗して、固溶体粗顔料ウェットケーキ1540g(固形分26.6%)を得た。
製造例1で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ2264g、イソブタノール1940gおよび水2350gを内容積10Lの密閉容器に仕込み、40℃で3時間、さらに140℃で3時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーをろ過・水洗後、98℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料573gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は0.97、結晶子の厚さは26.1nmであった。
製造例1で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ189g、イソブタノール162gおよび水190gを内容積1Lの密閉容器に仕込み、40℃で3時間、さらに140℃で3時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーをろ過・水洗後、98℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料47.5gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は1.06、結晶子の厚さは26.1nmであった。
製造例1で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ189g、イソブタノール162gおよび水190gを内容積1Lの密閉容器に仕込み、140℃で5時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーをろ過・水洗後、98℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメント19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料44.5gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は1.01、結晶子の厚さは22.3nmであった。
製造例1で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ2190g、イソブタノール1940gおよび水2350gを内容積10Lの密閉容器に仕込み、80℃で3時間、さらに135℃で2時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーをろ過・水洗後、98℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料570gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は0.99、結晶子の厚さは31.3nmであった。
製造例1で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ135g、イソブタノール129gおよび水168gを内容積1Lの密閉容器に仕込み、130℃で5時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーに、ジクロロキナクリドンスルホン酸アルミニウム0.2gを添加し、60℃で30分攪拌した後、ろ過・水洗後、8℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料36.9gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は0.97、結晶子の厚さは26.1nmであった。
製造例3で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ188g、イソブタノール162gおよび水192gを内容積1Lの密閉容器に仕込み、40℃で3時間、さらに140℃で3時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーをろ過・水洗後、98℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料43.9gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は0.68、結晶子の厚さは13.2nmであった。
製造例2で得た固溶体粗顔料ウェットケーキ190g、イソブタノール162gおよび水190gを内容積1Lの密閉容器に仕込み、100℃で5時間、攪拌下に加熱処理した後、イソブタノールを蒸留により系内から回収し、固溶体顔料スラリーを得た。この固溶体顔料スラリーをろ過・水洗後、98℃で18時間乾燥し、さらに粉砕して、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料43.5gを得た。この固溶体顔料のXRD回折ピーク強度比は1.31、結晶子の厚さは19.5nmであった。
CuKα線をX線源とした粉末X線回折装置(PANalytical製:X’Pert PRO MPD)
を使用し、管球の電流40mA、電圧設定45kV、走査範囲(2θ)を4°〜35°の条件で測定した。
強度比は次の式で定義した。
作製した評価用インクを、印刷試験用プリンタで普通紙に単色印刷して色見本を作製した。色見本のベタ印字部を、X−Rite社製eXactで測色した。なお、ここで評価に用いた基準は以下の通りである。b*値が大きい(ゼロに近い)ほど色相は黄味で良好であることを表す。
○:b*≧−5.0
×:b*<−5.0
作製した評価用インクを、スクリュー管等のガラス容器に密栓し、70℃の恒温器で2週間の加熱試験を行い、加熱試験前後の粘度変化を観察することにより、評価用インクの安定性の評価を実施した。測定には東機産業株式会社製TV−35を用いて、20℃、30.0 rpm、1分間予熱攪拌を行なった後、20℃、30.0 rpm、1分間撹拌の条件で測定した。貯蔵安定性は次の式で定義した。
貯蔵安定性[%]=[(評価用インク加熱2週間後の粘度[mPa・s])/(評価用インク作製当日の粘度[mPa・s])]×100
なお、ここで評価に用いた基準は以下の通りである。貯蔵安定性(%)は、数値が小さいほど経時での変化が少なく、貯蔵安定性が良好であることを表す。
◎:300>
○:300〜500
×:>500
Claims (6)
- C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122のみからなるキナクリドン固溶体顔料であって、
X線回折法により、
回折角2θ=11.9±0.2°の回折ピーク強度に対する
回折角2θ=14.8±0.2°の回折ピーク強度の比率が1.20以下である
ことを特徴とする、キナクリドン固溶体顔料。 - X線回折法により、回折角2θ=13〜14°において観測される最大ピークの半値幅から求められる結晶子の厚さが20nm以上40nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のキナクリドン固溶体顔料。
- 請求項1又は2に記載のキナクリドン固溶体顔料が、さらにキナクリドン顔料誘導体を含むことを特徴とするキナクリドン顔料。
- 前記キナクリドン顔料誘導体の含有量が、
キナクリドン固溶体顔料100質量部に対して、キナクリドン顔料誘導体1〜10質量部であることを特徴とする、請求項3に記載のキナクリドン顔料。 - 請求項1又は2に記載のキナクリドン固溶体顔料と、キナクリドン顔料誘導体と、を少なくとも含むことを特徴とするインキ組成物。
- キナクリドン固溶体顔料100質量部に対して、キナクリドン顔料誘導体が1〜10質量部となるように含有することを特徴とする請求項5に記載のインキ組成物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018079077 | 2018-04-17 | ||
JP2018079077 | 2018-04-17 | ||
PCT/JP2019/013575 WO2019202939A1 (ja) | 2018-04-17 | 2019-03-28 | キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2019202939A1 JPWO2019202939A1 (ja) | 2020-05-28 |
JP6769577B2 true JP6769577B2 (ja) | 2020-10-14 |
Family
ID=68238908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020506360A Active JP6769577B2 (ja) | 2018-04-17 | 2019-03-28 | キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20210040327A1 (ja) |
EP (1) | EP3786236A4 (ja) |
JP (1) | JP6769577B2 (ja) |
WO (1) | WO2019202939A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023112375A1 (ja) * | 2021-12-14 | 2023-06-22 | Dic株式会社 | 顔料組成物、着色剤、及びインクジェットインク |
JP7188661B1 (ja) * | 2021-12-14 | 2022-12-13 | Dic株式会社 | 顔料組成物、着色剤、及びインクジェットインク |
WO2023208924A1 (en) | 2022-04-26 | 2023-11-02 | Sun Chemical Corporation | Mixed crystal composition of quinacridones with diketopyrrolopyrroles and manufacturing process |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10219166A (ja) * | 1997-02-05 | 1998-08-18 | Dainippon Ink & Chem Inc | ジェットプリンター用インキ |
JP3556835B2 (ja) * | 1997-06-02 | 2004-08-25 | 大日精化工業株式会社 | 画像記録用着色組成物及びその製造方法 |
DE19733642A1 (de) * | 1997-08-04 | 1999-02-11 | Clariant Gmbh | Mischkristallpigmente der Chinacridonreihe |
DE19854571A1 (de) * | 1998-11-26 | 2000-05-31 | Clariant Gmbh | Verwendung von Mischkristallpigmenten der Chinacridonreihe in elektrophotographischen Tonern und Entwicklern, Pulverlacken und Ink-Jet-Tinten |
DE19901060A1 (de) | 1999-01-14 | 2000-07-20 | Clariant Gmbh | Chinacridon-Mischkristallpigmente der gamma-Phase |
US6284890B1 (en) | 1999-02-26 | 2001-09-04 | Ciba Specialty Chemicals Corp. | Aqueous process for the preparation of linear quinacridones having a reduced particle size |
JP2001335577A (ja) * | 2000-05-29 | 2001-12-04 | Dainippon Ink & Chem Inc | キナクリドンの製造方法 |
JP2002146224A (ja) * | 2000-08-29 | 2002-05-22 | Dainippon Ink & Chem Inc | キナクリドン固溶体顔料およびその製造方法 |
JP2006096927A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Dainippon Ink & Chem Inc | グラビアインキ用キナクリドン顔料組成物、その製造方法および該顔料組成物を含有するグラビアインキ |
JP5291985B2 (ja) * | 2008-05-15 | 2013-09-18 | 花王株式会社 | インクジェット記録用水系インク |
EP2374848B1 (en) * | 2010-04-09 | 2013-01-16 | Clariant Finance (BVI) Limited | New magenta quinacridone pigments |
JP5775485B2 (ja) * | 2011-09-29 | 2015-09-09 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット画像形成方法 |
WO2015046011A1 (ja) * | 2013-09-27 | 2015-04-02 | Dic株式会社 | 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 |
CN105189659B (zh) * | 2013-12-19 | 2018-05-18 | Dic株式会社 | 低胺含量的喹吖啶酮颜料以及其制造方法 |
EP3323858B1 (en) * | 2015-06-24 | 2022-08-17 | DIC Corporation | Process for producing quinacridone pigment composition |
US10011729B2 (en) * | 2016-05-26 | 2018-07-03 | Ricoh Company, Ltd. | Ink, method for producing ink, ink storage container, recording device, and recording method |
-
2019
- 2019-03-28 JP JP2020506360A patent/JP6769577B2/ja active Active
- 2019-03-28 EP EP19788308.5A patent/EP3786236A4/en active Pending
- 2019-03-28 WO PCT/JP2019/013575 patent/WO2019202939A1/ja unknown
- 2019-03-28 US US16/978,057 patent/US20210040327A1/en active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20210040327A1 (en) | 2021-02-11 |
EP3786236A1 (en) | 2021-03-03 |
EP3786236A4 (en) | 2022-01-19 |
JPWO2019202939A1 (ja) | 2020-05-28 |
WO2019202939A1 (ja) | 2019-10-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6769577B2 (ja) | キナクリドン固溶体及びこれを含有するインキ組成物 | |
DE60312419T2 (de) | Tintenzusammensetzungen enthaltend Phthalozyanine | |
KR101248041B1 (ko) | 비대칭으로 치환된 성분을 포함하는 퀴나크리돈 안료조성물 | |
JP5114905B2 (ja) | 顔料、顔料組成物及び顔料分散体 | |
KR100767267B1 (ko) | 황색 디스아조 착색제의 결정 다형체들, 및 이들의 제조방법 | |
JPH10219166A (ja) | ジェットプリンター用インキ | |
KR101685774B1 (ko) | 녹미 청색 안료, 상기 안료를 포함하는 착색제 조성물 및 화상 기록제 | |
KR100230612B1 (ko) | 코퍼프탈로시아닌계 안료조성물 | |
JP6090544B1 (ja) | キナクリドン顔料組成物の製造法 | |
CN101932659A (zh) | 改进的青色着色剂 | |
JP7066828B2 (ja) | キナクリドン固溶体顔料の製造方法、顔料分散液及びインクジェット用インキ | |
US5282896A (en) | Process for producing phthalocyanine pigment composition containing highly halogenated different-metalo-phthalocyanine | |
CA2219294C (en) | Incorporation of quinacridone additives during quinacridone preparation | |
EP0398716B1 (en) | Pigment composition | |
KR100352395B1 (ko) | 형인단스론청색안료및그제조방법 | |
JP3827035B2 (ja) | キナクリドン法における顔料誘導体の導入 | |
JP2906833B2 (ja) | 顔料組成物 | |
JPH04246469A (ja) | 顔料組成物 | |
JP4517543B2 (ja) | キノロノキノロン−イソインドリノン固溶体及び顔料 | |
JP2014031443A (ja) | キナクリドン固溶体の製造方法及びキナクリドン固溶体顔料の製造方法 | |
US6103896A (en) | Process for the production of metal phthalocyanine | |
JP2617620B2 (ja) | 顔料組成物 | |
JPS63363A (ja) | 顔料分散剤 | |
JP2004059626A (ja) | 油性印刷インキの製造方法 | |
JP2002161220A (ja) | 顔料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200205 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20200205 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20200401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200414 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200604 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200825 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200907 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6769577 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |