JP6768286B2 - 耐火被覆構造及び耐火被覆方法 - Google Patents

耐火被覆構造及び耐火被覆方法 Download PDF

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本発明は、耐火被覆構造及び耐火被覆方法に関する。
下記特許文献1には、梁下有効寸法を確保するために、鉄骨梁の下フランジを薄い耐火シートで被覆し、その他の部分を吹き付け不燃材で被覆する耐火被覆構造が開示されている。
特開2013−227752号公報
しかし、一般的に梁下有効寸法を確保する必要がある場所は、梁下に配管が通る場所などに限られており、梁の材軸方向の全長に亘って上記特許文献1に記載されたように耐火被覆すると、施工に手間がかかるうえ、部分的にはオーバースペックの仕様となる。
本発明は上記事実を考慮して、梁などの構造部材の材軸方向の全長に亘って最適な耐火仕様の耐火被覆を施すことを目的とする。
請求項1の耐火被覆構造は、建物のと、前記の材軸方向の一部を吹き付けにより耐火被覆している第1被覆部と、前記の材軸方向において前記第1被覆部によって耐火被覆された部分以外の部分を吹き付けにより耐火被覆して前記第1被覆部と異なる耐火仕様とされた第2被覆部と、を備え、前記第1被覆部は、前記梁において、配管が挿通された貫通孔の周囲の部分又は下方に配管が配置された部分に、スラリー成分を含む被覆部材を吹き付けて形成されており、前記第2被覆部よりも被覆厚が厚い
請求項1の耐火被覆構造によると、構造部材が、材軸方向に沿って異なる耐火仕様の第1被覆部と第2被覆部とで耐火被覆されている。このため、構造部材の部分ごとに例えば耐火被覆の材質、被覆厚等を変えて、それぞれの部分に最適な耐火性能を与えることができる。
一態様の耐火被覆構造は、前記第1被覆部は、前記構造部材において、配管が挿通された貫通孔の周囲の部分又は下方に配管が配置された部分にスラリー成分を含む被覆部材を吹き付けて形成されており、前記第2被覆部よりも被覆厚が厚い。
一態様の耐火被覆構造によると、構造部材の貫通孔周囲の耐火被覆がその他の部分よりも厚いため、貫通孔の小口に耐火被覆しなくても、構造部材への総合的な熱の侵入が抑制される。貫通孔の小口に耐火被覆する場合は、貫通孔に配管を通す作業に先立って耐火被覆する必要があり、工程順序に制約をうける。しかし、一態様の耐火被覆構造では、貫通孔に配管を通した後に耐火被覆できるので、工程順序に制約を受けない。
さらに、貫通孔の小口に耐火被覆しなければ、貫通孔と配管との間に耐火被覆のための隙間を設ける必要がないので、貫通孔の径を小さくすることができる。このため、構造部材の強度低下を抑制することができる。
請求項2の耐火被覆方法は、建物のの材軸方向の一部を吹き付けにより耐火被覆した第1被覆部を形成する先行被覆工程と、前記の材軸方向において前記第1被覆部によって耐火被覆された部分以外の部分を吹き付けにより耐火被覆して前記先行被覆工程の耐火被覆と異なる仕様とした第2被覆部を形成する後行被覆工程と、を備え、前記第1被覆部は、前記梁において、配管が挿通された貫通孔の周囲の部分又は下方に配管が配置された部分に、スラリー成分を含む被覆部材を吹き付けて形成されており、前記第2被覆部よりも被覆厚が厚い。
請求項2の耐火被覆方法によると、先行被覆工程の耐火被覆と後行被覆工程の耐火被覆とは耐火仕様が異なる。このため、構造部材の部分ごとに例えば耐火被覆の材質、被覆厚等を変えて、それぞれの部分に最適な耐火性能を与えることができる。
さらに、例えば構造部材の近傍に配管が通る場合、先行被覆工程で配管の近傍だけを耐火被覆した後、配管を施工することで、配管の施工を早期に開始することができる。このため、構造部材の材軸方向の全体を耐火被覆した後に配管を施工する場合と比較して、配管施工の工期が圧迫されにくくなる。したがって、工期が遅延する可能性を低くすることができる。
本発明に係る耐火被覆構造及び耐火被覆方法によれば、構造部材の材軸方向の全長に亘って最適な耐火仕様の耐火被覆を施すことを目的とする。
(A)は本発明の第1実施形態における耐火被覆構造を示す斜視図であり、(B)は第1実施形態の耐火被覆方法において配管された状態を示す断面図であり、(C)は先行被覆された状態を示す断面図であり、(D)は後行被覆された状態を示す断面図である。 (A)は本発明の第2実施形態の耐火被覆方法において先行被覆された状態を示す斜視図であり、(B)は配管された状態を示す斜視図であり、(C)は後行被覆された状態を示す斜視図である。 (A)は本発明の第3実施形態における耐火被覆構造の立面図であり、(B)はスラブの支持状態を示す平面図である。 本発明の第4実施形態における耐火被覆構造の立面図である。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、第1実施形態の耐火被覆構造10及び耐火被覆方法について説明する。
(耐火被覆構造)
図1(A)に示すように、本実施形態の耐火被覆構造10は、H形鋼の梁20と、梁20のウェブ22を貫通する貫通孔28と、貫通孔28の周囲のウェブ22、下フランジ24及び上フランジ26を被覆部材で被覆する第1被覆部32と、第1被覆部以外の部分を被覆する第2被覆部34と、を備えている。
梁20は、本発明における構造部材の一例であり、両端が図示しない柱に接合された大梁である。
被覆部材は、ロックウール粒状綿を主原料とし、セメントスラリーが混錬された湿式の吹付け材であり、吹付け機を用いて梁20に吹付け施工される。第1被覆部32は、貫通孔28の両側の、貫通孔28の孔径φD(mm)に対して0.5φDの範囲を耐火被覆している部分であり、第2被覆部34よりも吹付け厚さが厚い。このため、第1被覆部32は、第2被覆部34と比較して、ウェブ22、下フランジ24及び上フランジ26からの伝導熱量が小さく、耐火性能が高い。
第1被覆部32は、貫通孔28における小口28aを被覆しておらず、図1(B)に示すように、貫通孔28の孔径φD(mm)に対して概ね0.9φD以上の外径の排煙ダクトとされた配管100が貫通可能とされている。なお、「小口28aを被覆していない状態」とは、小口28aを、貫通孔28の孔径φDに対して概ね0.05φD以下の吹付け厚さで吹き付け材が被覆された状態も含む。すなわち、小口28aに対して積極的に形成した被覆ではなく、貫通孔28の周囲を被覆する第1被覆部32の吹き付け作業によって小口28aに形成された被覆も含む。なお、本実施形態においては配管100の外径は、貫通孔28の孔径φD(mm)に対して概ね0.9φD以上とされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば0.9φD未満であってもよい。この場合、小口28aには第1被覆部32の吹き付け作業によって被覆が形成されることがあるが、このような状態も、「小口28aを被覆していない状態」に含めるものとする。
なお、本実施形態において貫通孔28は1つのみ示されているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、概ね1.0φD以上離れていれば、貫通孔28は複数設けてもよい。このとき、貫通孔28のピッチが狭ければ第1被覆部32の被覆厚を厚くすればよいし、貫通孔28のピッチが広ければ貫通孔28毎に第1被覆部32を複数設ければよい。また、第1被覆部32は貫通孔28の孔径φDに対して0.5φDの範囲を耐火被覆するものとしているが、0.5φD以上の範囲を耐火被覆するものとしてもよい。
また、本実施形態においては、第1被覆部32及び第2被覆部34が同じ被覆部材で構成されているものとしたが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、第1被覆部32及び第2被覆部34の双方またはいずれかを、乾式の巻付け式被覆部材で構成されているものとしてもよいし、塗布式の塗料型被覆部材、ケイ酸カルシウムなどを成形したボード状の被覆材等で構成されているものとしてもよい。また、異なる種類の被覆部材を重ねあわせ、同一断面内が複数の被覆部材で構成された合成耐火被覆としてもよい。
なお、本発明における「耐火被覆」とは、梁や柱等の構造部材が、構造耐力上支障のある変形、溶融、破損その他の損傷を生じない状態(耐火性能)を保持するために構造部材の温度上昇を抑制することを目的とした被覆のほか、防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じない、避難上有害な煙又はガスを発生しない等の状態(防火性能)を保持するための内装材等のことを指す。
また、「耐火仕様が異なる」とは、これらの耐火被覆の種類が異なる場合、種類が同一で厚みや施工方法、性能が異なる場合、さらに、一方に耐火被覆があり他方にはない場合等が含まれる。つまり、本発明における「第1被覆部と異なる耐火仕様で耐火被覆している第2被覆部」とは、第2被覆部に耐火被覆が施されない場合も含まれる。
(耐火被覆方法)
第1実施形態の耐火被覆方法、すなわち、耐火被覆構造10の施工方法では、図1(B)に示すように、まず、梁20の貫通孔28に、配管100を通す(配管工程)。
次いで、図1(C)に示すように、梁20の配管100を通した貫通孔28の周囲の部分に被覆部材を吹き付けて、後行被覆工程で形成される第2被覆部34よりも厚い第1被覆部32を形成する(先行被覆工程)。
次いで、図1(D)に示すように、梁20の第1被覆部32以外の部分に被覆部材を吹き付けて第2被覆部34を形成する(後行被覆工程)。
(作用及び効果)
第1実施形態の耐火被覆構造によれば、貫通孔28の周囲の第1被覆部32が、第2被覆部34よりも吹付け厚さが厚い。このため、貫通孔28の小口28aに耐火被覆しなくても、火災時に梁20の貫通孔28の周囲の部分に対する外部からの熱の侵入が、その他の部分よりも抑制される。また、配管100を通過する煙、炎や高温ガスによる熱が小口28aから梁20に伝達された場合も、被覆部材に含まれるスラリー成分が熱を吸収し、梁20の温度上昇が抑制される。したがって、梁20の強度の低下が抑制される。
また、貫通孔28の小口28aに耐火被覆しなくてもよいので、貫通孔28には外径の大きな配管を通すことができる。換言すると、貫通孔28の孔径を、配管の外径とほぼ同等まで小さくすることができる。したがって、梁20の強度の低下が抑制される。
また、第2被覆部34の吹付け厚さを第1被覆部32よりも薄くしているので、例えば梁20の全長に亘って厚く吹付ける場合と比較して、吹付け工事の労務が軽減され、施工効率が向上する。
さらに、小口28aに耐火被覆する場合は、貫通孔28に配管100を通す作業に先立って小口28aを耐火被覆する必要があり工程順序に制約をうけるが、本実施形態の耐火被覆構造では、貫通孔28の小口28aに耐火被覆しなくてもよいので、工程順序に制約を受けない。
例えば、本実施形態においては、先行被覆工程及び後行被覆工程が、配管工程の後とされているが、これを配管工程の前としてもよい。この場合、貫通孔28の小口28aに被覆部材が被覆されないように円筒状の部材などを用いて仮養生するか、配管100の施工時に小口28aに付着した被覆部材を適宜はつり取ればよい。
さらに、本実施形態においては、先行被覆工程で第1被覆部32を形成し、後行被覆工程で第2被覆部34を形成するものとしたが、先行被覆工程で第2被覆部34を形成し、後行被覆工程で第1被覆部32を形成するものとしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の耐火被覆構造12及び耐火被覆方法について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成には同符号を付し、説明を適宜省略する。
(耐火被覆構造)
図2(C)に示すように、本実施形態の耐火被覆構造12は、H形鋼の梁40と、梁40のウェブ42、下フランジ44及び上フランジ46を耐火被覆する構造とされている。梁40の直下には排煙ダクトである配管102が通っており、配管102の近傍を第1被覆部52で被覆し、第1被覆部52以外の部分を第2被覆部54で被覆している。
梁40は、第1実施形態の梁20と同様、両端が図示しない柱に接合された大梁である。
第1被覆部52は、ロックウール繊維をシート状あるいはロール状に成形した乾式の巻付け材で構成されており、巻付け材は、固定ピンなどを用いて梁40に固定される。第2被覆部54は吹付け材で構成されており、吹付け機を用いて梁40に吹付け施工される。
(耐火被覆方法)
第2実施形態の耐火被覆方法、すなわち、耐火被覆構造12の施工方法では、図2(A)に示すように、まず、梁40に巻付け材を巻付けて第1被覆部52を形成する(先行被覆工程)。なお、巻付け材を巻付けるのは、直下に配管102が通る予定の部分である。
次いで、図2(B)に示すように、第1被覆部52の直下に配管102を施工する(配管工程)。
次いで、図2(C)に示すように、第1被覆部52以外の部分に吹付け材を吹き付けて第2被覆部54を形成する(後行被覆工程)。
(作用及び効果)
本実施形態の耐火被覆方法によれば、耐火被覆を先行被覆工程と後行被覆工程に分けて行うので、先行被覆工程で近傍に配管102が通る予定の部分だけを耐火被覆(第1被覆部52)した後、配管工程で配管102を施工することができる。このため、梁40の材軸方向の全体(両端の柱に挟まれる部分全体)を耐火被覆した後に配管102を施工する場合と比較して、配管102の施工を早期に開始することができ、配管施工の工期が圧迫されにくくなる。したがって、工期が遅延する可能性を低くすることができる。
また、先行被覆工程の第1被覆部52は、巻付け材を巻付けることにより形成されるので、吹付け材を吹き付ける方法と比較して、施工が容易である。このため、先行被覆工程は、例えば配管工が行うことができるので、建設現場ごとの職人の需給状況に合わせて、融通性の高い施工計画を立てることができる。
なお、本実施形態においては、配管102の近傍を被覆する第1被覆部52は、梁40のウェブ42、下フランジ44、上フランジ46の全てを巻付け材で被覆するものとしているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、下フランジ44のみを巻付け材で被覆し、ウェブ42、上フランジ46は吹付け材で被覆するものとしてもよい。このようにすることで、配管工が先行被覆工程を行う場合の耐火被覆作業を、さらに容易にすることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第1、第2実施形態において、構造部材としての梁20、40は大梁としているが、本実施形態においては、構造部材は図3(A)に示されるように、大梁60に両端部が接合された小梁62とされている。このように、本発明の構造部材は大梁に限定されるものではなく、大梁に支持される小梁なども含まれる。
小梁62の両端部すなわち大梁の接合部近辺(概ね小梁62の全長に対して両端1/4の範囲)は、吹付け材によって耐火被覆されている第1被覆部64によって被覆され、中央部すなわち大梁の接合部近辺以外は、耐火被覆されていない領域66とされている。
ところで、小梁62はスラブ68の脱落を抑制する働きを持つが、スラブ68自体にも耐力が備わっている。すなわち、図3(B)に示されるように、仮に小梁62が無い状態でも、四方が大梁60に支持されたスラブ68は、火災時に中央部分が撓み、スラブ68の内部に引張り応力Tが発生して耐力が発生する。
さらに、このスラブ68を、大梁60との接合部近辺が第1被覆部64で被覆された小梁62によって支えることで、火災時にスラブ68の脱落を抑制できる。すなわち、火災時に小梁62の中央部の耐力が低下しても、第1被覆部64で被覆された小梁62の両端部の耐力の健全性が保たれるので、スラブの脱落を抑制できる。
このため、小梁62の中央部を耐火被覆する場合と比較して、耐火被覆の労務を軽減できる。また、中央部に例えば貫通孔69を形成しても、貫通孔69の周りに耐火被覆を施す必要がないので、配管工事と耐火被覆工事との前後関係に配慮する必要が無く、工程計画が容易になる。配管が小梁62の中央部を貫通せず、近接して設けられる場合も同様である。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。第1、第2実施形態において、耐火仕様は、貫通孔28及び配管102の近傍とそれ以外の部分で分けられていたが、本実施形態においては、図4に示す梁70のように、室ごとに耐火仕様が分けられている。また、梁70の他、図4に示す柱72も本発明の構造部材の一例であり、柱72は、天井下と天井裏で耐火仕様が分けられている。
このとき、耐火仕様が分けられる室とは、例えば、厨房、ボイラー室、倉庫や車庫など火災の発生確率が比較的大きい室と、それ以外の室である。又は、隣接する建築物等が火災になった場合に延焼する可能性の高い部分(所謂、延焼のおそれのある部分)にある室と、それ以外の部分にある室である。あるいは、図4のように梁70が天井によって隠蔽されている室と、梁70が露出されている室(屋外空間も含む)である。
このように、室ごとや天井下と天井裏で耐火仕様を分けることにより、例えば梁70のように、高い耐火性能が求められる室にある部分(70A)とそうでない室にある部分(70B)の耐火性能に差をつけて、オーバースペックの耐火被覆となる事を抑制できる。
又は、例えば精密機械を扱う室にある部分を粉塵の発生が少ないボード状の耐火被覆とし、その他の部分を吹付けによる耐火被覆とすることで、養生手間を削減することができる。
又は、例えば柱72のように、天井下の露出部分(72A)を塗装による耐火被覆として、天井裏の隠蔽部分(72B)を吹付けによる耐火被覆とすることで、露出部分の意匠性を高めると共に、隠蔽部分の施工効率を上げることができる。
なお、本発明における「構造部材の材軸方向の一部」とは、構造部材が柱の場合は、上下のスラブに挟まれる範囲内、又は上下の柱梁接合部の間の範囲内の一部を指す。
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例について説明する。本発明において、第1被覆部と第2被覆部は異なる耐火仕様で耐火被覆されるが、第1被覆部と第2被覆部との境界は、必ずしも明確である必要はない。例えば第1被覆部が巻付け材、第2被覆部が吹付け材によって構成されている場合、巻付け材の表面に吹付け材を吹付けて第1被覆部と第2被覆部が重なる部分があってもよい。このようにすれば、構造部材に対して、第1被覆部と第2被覆部との継ぎ目から熱が侵入することを抑制できる。
また、上記実施形態においては、第1被覆部を形成する工程(先行被覆工程)と第2被覆部を形成する工程(後行被覆工程)では、それぞれ別の場所を被覆しているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、先行被覆工程で被覆する場所と、後行被覆工程で被覆する場所が重複していてもよい。すなわち、先行被覆工程で構造部材の材軸方向全体に亘って吹付け材を吹付けて第1被覆部を構成し、その後、後行被覆工程で部分的に再度吹付け材を吹き付けた場合、この部分が第2被覆部となる。
また、上記実施形態においては、配管100、102は排煙ダクトとされているが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば換気用の給排気ダクト、厨房設備の排気ダクト等比較的直径の大きいダクトの他、給排水管、スプリンクラー用配管、ガス管、配電管等の各種の配管や、更には各種ケーブルを載置するケーブルラック等も含まれる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10、12 耐火被覆構造
20、40 梁(構造部材)
28 貫通孔
32、52 第1被覆部
34、54 第2被覆部
62 小梁(構造部材)
64 第1被覆部
66 領域(第2被覆部)
70 梁(構造部材)
72 柱(構造部材)

Claims (2)

  1. 建物のと、
    前記の材軸方向の一部を吹き付けにより耐火被覆している第1被覆部と、
    前記の材軸方向において前記第1被覆部によって耐火被覆された部分以外の部分を吹き付けにより耐火被覆して前記第1被覆部と異なる耐火仕様とされた第2被覆部と、
    を備え
    前記第1被覆部は、前記梁において、配管が挿通された貫通孔の周囲の部分又は下方に配管が配置された部分に、スラリー成分を含む被覆部材を吹き付けて形成されており、前記第2被覆部よりも被覆厚が厚い、耐火被覆構造。
  2. 建物のの材軸方向の一部を吹き付けにより耐火被覆した第1被覆部を形成する先行被覆工程と、
    前記の材軸方向において前記第1被覆部によって耐火被覆された部分以外の部分を吹き付けにより耐火被覆して前記先行被覆工程の耐火被覆と異なる仕様とした第2被覆部を形成する後行被覆工程と、
    を備え、
    前記第1被覆部は、前記梁において、配管が挿通された貫通孔の周囲の部分又は下方に配管が配置された部分に、スラリー成分を含む被覆部材を吹き付けて形成されており、前記第2被覆部よりも被覆厚が厚い、耐火被覆方法。
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