JP6768016B2 - 鋳造用金型およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造用金型およびその製造方法に関する。
一般に、金属を所望の形状に鋳造する際には、金型に流し込む溶湯(例えば、アルミニウム)がキャビティ内の全域にわたって所定の溶湯温度を維持した状態で迅速かつ円滑に充填されるように、例えばダイキャスト金型においては、その方案部(溶湯が供給されるプランジャ部からキャビティに至る部位)およびキャビティ内部での流動性を高めることが重要である。
そのため、出願人は、パルスレーザを用いたアブレーション加工で金型表面に複数の微細な溝部を格子状に形成して、エアギャップを構成することによって溶湯と金型表面との接触面積を低減することにより、溶湯の流動性を高めようとする技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。さらに、出願人は、レーザによる溝加工だけでなく、溶湯と金型が接触した際に金型表面が冷えて流動性が低下するのを防止するために、溝部内に炭素膜をコーティングして金型表面の断熱性を高めることにより、金型の流動性をより一層高める技術も提案している(例えば、特許文献2参照)。
特許第5814988号公報 特許第5718415号公報
しかしながら、微細溝部が形成された金型表面に溶湯を流した場合、溝部の形状によっては溶湯の差込み(溶湯が溝部に入り込む現象)が発生する。この溶湯の差込み割合(溝部の容積に占める溶湯の割合)が高くなると、溶湯とコーティング(炭素膜)との接触面積が増えて摩擦力が増大し、断熱層であるコーティング(炭素膜)が溝部から剥離してしまう恐れがある。コーティングが剥離すると、金型と溶湯との断熱性が低下してしまい、溶湯の流動性を高めることができなくなってしまう。
本発明は、このような事情に鑑み、コーティングの剥離を抑制することで、溶湯の流動性を維持することが可能な鋳造用金型およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る鋳造用金型(例えば、後述の鋳造用金型1)は、型材(例えば、後述の型材2)の溶湯接触部位の表面に形成された格子状溝(例えば、後述の格子状溝4)の溝部(例えば、後述の溝部5)に炭素膜(例えば、後述の炭素膜6)がコーティングされた表面処理部(例えば、後述の表面処理部3)を有する鋳造用金型であって、前記表面処理部は、前記溝部の幅(例えば、後述の幅W1)が35μm以下であるとともに、三次元表面粗さのスキューネス(例えば、後述のスキューネスSsk)が−0.8〜−0.2の範囲内にあり、かつ、ナノインデンターによる前記炭素膜の押し込み硬さ(例えば、後述の押し込み硬さH1)が1000N/mm2 以上である。
前記表面処理部は、方案部を含む前記型材の溶湯接触部位に形成されていてもよい。
本発明に係る鋳造用金型の製造方法は、上記鋳造用金型の製造方法であって、パルス幅が10psec以下のパルスレーザを照射するパルスレーザ装置を用い、前記パルスレーザを前記型材の表面に照射して前記溝部を形成する。
第1のレーザ加工により、前記溝部をその幅が35μm以下となるように形成し、前記溝部の形成に伴って突設された突部(例えば、後述の突部7)の頂面に、第2のレーザ加工により、微細溝(例えば、後述の微細溝9)を形成し、前記溝部および前記微細溝を覆うように前記炭素膜を形成してもよい。
本発明によれば、鋳造用金型の表面処理部について、その表面性状を3つの評価指標で数値特定して溶湯の差込み割合を低く抑えることにより、コーティングが溝部から剥離しにくいように最適化することができる。その結果、鋳造用金型において、コーティングの剥離を抑制して、溶湯の流動性を維持することが可能となる。
本発明の実施形態に係る鋳造用金型によるアルミニウムの鋳造工程のうち射出工程を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る鋳造用金型の表面処理部を示す模式断面図である。 溝部の幅が溶湯(アルミニウム)の差込み割合に及ぼす影響を示すグラフである。 表面処理部の三次元表面粗さのスキューネスが溶湯(アルミニウム)の差込み割合に及ぼす影響を示すグラフである。 コーティング処理時間と炭素膜の押し込み硬さとの関係を示すグラフである。 コーティング処理時間と溶湯(アルミニウム)の差込み割合との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る鋳造用金型によるアルミニウムの鋳造工程のうち射出工程を示す断面図である。図2は、本発明の実施形態に係る鋳造用金型の表面処理部を示す模式断面図である。
実施形態に係る鋳造用金型1は、図1に示すように、雄型8と協働して、アルミニウム10を所望の形状に鋳造するためのものである。この鋳造用金型1は型材2を有しており、型材2は製品部11および方案部12を備えている。方案部12の溶湯接触部位(鋳造用金型1が溶湯と接触する部位)には、図2に示すように、表面処理部3が形成されている。この表面処理部3は、複数のテーパ状の溝部5に炭素膜6がコーティングされたものである。これらの溝部5は、互いに直交する2方向(図2の紙面に直角な方向および左右方向)において、所定の幅W1を有して互いに平行に形成され、全体として表面処理部3、つまり溶湯接触部位の表面に格子状溝4を形成するものである。ここで、溝部5の幅W1は、溝部5の開口端部における幅を意味する。また、これらの溝部5の形成に伴って複数の突部7が突設されており、各突部7の頂面には、それぞれ複数の微細溝9が形成されている。また、炭素膜6は、すべての溝部5およびすべての微細溝9を覆うように形成されている。
また、鋳造用金型1には、図1に示すように、溶湯を注ぎ込むためのゲート13が形成されている。さらに、鋳造用金型1には、このゲート13から注ぎ込まれた溶湯を押し込むためのプランジャ14が、矢印M、N方向に進退自在に取り付けられている。
鋳造用金型1の表面処理部3は、パルス幅が10psec(ピコ秒)以下のパルスレーザを照射するパルスレーザ装置(図示せず)を用い、このパルスレーザを型材2の平坦な表面に対して走査しながら照射する工程を行い、所定深さの溝部5を形成したものである。具体的には、例えば、第1のレーザ加工により、複数の溝部5を格子状に形成し、これらの溝部5の形成に伴って突設された複数の突部7の頂面に、第2のレーザ加工により、複数の微細溝9を形成したものである。
この鋳造用金型1を用いて、アルミニウム10を所望の形状に鋳造する際には、まず、図1に二点鎖線で示すように、プランジャ14が矢印N方向に後退しているとともに、鋳造用金型1が雄型8によって型締めされた状態で、溶融させたアルミニウム10(溶湯)をゲート13から注ぎ込む(注湯工程)。次に、図1に実線で示すように、プランジャ14を矢印M方向に押し込んで、このアルミニウム10を方案部12から製品部11、つまりキャビティ15内部に供給する(射出工程)。そして、キャビティ15内の全域にアルミニウム10が行き渡ったところで、鋳造用金型1を冷却してアルミニウム10を凝固させる(キュア工程)。その後、鋳造用金型1を雄型8から後退させ(型開き工程)、鋳物(製品)としてのアルミニウム10を取り出す(取り出し工程)。ここで、アルミニウム10の鋳造が終了する。
この射出工程では、鋳造用金型1の方案部12にアルミニウム10が供給されると、方案部12の表面処理部3に格子状溝4が形成されているため、格子状溝4にアルミニウム10の差込みが発生する。このアルミニウム10の差込み割合が高くなると、アルミニウム10とコーティング(炭素膜6)との接触面積が増えて摩擦力が増大し、コーティングが溝部5から剥離しやすくなる。
そこで、こうした不都合を回避すべく、鋳造用金型1の表面処理部3は、溝部5の幅W1が35μm以下であるとともに、三次元表面粗さのスキューネスSskが−0.8〜−0.2の範囲内にあり、かつ、ナノインデンターによる炭素膜6の押し込み硬さH1が1000N/mm2 以上であるようになっている。なお、このスキューネスSskは、表面処理部3に形成された格子状溝4の平均深さに対する突部7の上下の分布割合を表すものであり、これが小さいほど突部7の頂面が鈍くなり、これが大きいほど突部7の頂面が鋭くなる。
その結果、この鋳造用金型1は、表面処理部3について、アルミニウム10の差込み割合を低く抑えることにより、コーティング(炭素膜6)が溝部5から剥離しにくいように最適化することができる。その結果、鋳造用金型1において、コーティングの剥離を抑制して、アルミニウム10の流動性を維持することが可能となる。
この理由として考えうることは、次のとおりである。まず、溝部5の幅W1があまり広いと、アルミニウム10が溝部5に入り込みやすくなるため、アルミニウム10の差込み割合が高くなると考えられる。次に、三次元表面粗さのスキューネスSskについては、これが小さ過ぎると、突部7の頂面が鈍くなることを示しており、溝部5自体の容積が減るため、コーティングが剥離しやすくなり、逆に大き過ぎると、突部7の頂面が鋭くなり、溝部5の幅が広がることから、アルミニウム10が溝部5に入り込みやすくなるため、アルミニウム10の差込み割合が高くなると推察することができる。さらに、ナノインデンターによる炭素膜6の押し込み硬さH1があまり小さいと、コーティングが密に詰まっておらずポーラス状になっている可能性が高く、そのコーティングの細孔、すなわち溝部5にアルミニウム10が入り込みやすくなるため、アルミニウム10の差込み割合が高くなると考えられる。
この効果を実験で確認するため、この鋳造用金型1について、まず、溝部5の幅W1がアルミニウム10の差込み割合に及ぼす影響を調べた。具体的には、溝部5の幅W1を概ね21〜50μmの間で段階的に変え、そのときのアルミニウム10の差込み割合を測定した。その結果を図3に示す。図3のグラフにおいて、横軸は溝部5の幅W1(単位:μm)を表し、縦軸はアルミニウム10の差込み割合(単位:%)を表す。
図3のグラフから明らかなように、溝部5の幅W1が増加すると、それに伴ってアルミニウム10の差込み割合が増加する傾向が見られ、溝部5の幅W1が35μm以下(W1≦35μm)であれば、アルミニウム10の差込み割合が10%以下に低く抑えられることが判明した。
次に、この鋳造用金型1について、三次元表面粗さのスキューネスSskがアルミニウム10の差込み割合に及ぼす影響を調べた。具体的には、このスキューネスSskを概ね−0.9〜−0.1の間で段階的に変え、そのときのアルミニウム10の差込み割合を測定した。その結果を図4に示す。図4のグラフにおいて、横軸は表面処理部3の三次元表面粗さのスキューネスSsk(無次元量)を表し、縦軸はアルミニウム10の差込み割合(単位:%)を表す。なお、このスキューネスSskは、ISO25178(JIS B0601)に準拠して測定した。
図4のグラフから明らかなように、表面処理部3の三次元表面粗さのスキューネスSskが小さ過ぎても大き過ぎてもアルミニウム10の差込み割合が増加し、このスキューネスSskが−0.8〜−0.2の範囲内(−0.8≦Ssk≦−0.2)にあれば、アルミニウム10の差込み割合が10%以下に低く抑えられることが判明した。
しかしながら、上述した2つの条件(W1≦35μm、−0.8≦Ssk≦−0.2)をともに満たす場合であっても、コーティング処理時間が短いと、コーティングが密に詰まっていない状態(ポーラス状)が発生して、アルミニウム10の差込み割合が10%以下にならない場合が起こりうる。
そこで、上述した2つの条件(W1≦35μm、−0.8≦Ssk≦−0.2)をともに満たす鋳造用金型1について、コーティング処理時間とナノインデンターによる炭素膜6の押し込み硬さH1とがどのような関係にあるのかを調べるため、コーティング処理時間を6つの水準(1.5h、2h、3h、4h、6h、8h)に設定し、各水準での炭素膜6の押し込み硬さH1をそれぞれ10箇所ずつ測定した。
その結果を図5に示す。図5のグラフにおいて、横軸はコーティング処理時間(単位:h)を表し、縦軸はナノインデンターによる炭素膜6の押し込み硬さH1(単位:N/mm2 )を表す。このグラフでは、コーティング処理時間(横軸)の各水準において、平均値を○、最大値を▽、最小値を△、標準偏差の3倍の数値を▼(上側)および▲(下側)でプロットした。なお、コーティング処理時間1.5hのとき、10箇所の押し込み硬さH1はすべて同じ値が得られた。
一方、上述した2つの条件(W1≦35μm、−0.8≦Ssk≦−0.2)をともに満たす鋳造用金型1について、コーティング処理時間とアルミニウム10(溶湯)の差込み割合とがどのような関係にあるのかを調べるため、コーティング処理時間を5つの水準(2h、3h、4h、6h、8h)に設定し、各水準でのアルミニウム10の差込み割合をそれぞれ8箇所ずつ測定した。
その結果を図6に示す。図6のグラフにおいて、横軸はコーティング処理時間(単位:h)を表し、アルミニウム10の差込み割合(単位:%)を表す。このグラフでは、コーティング処理時間(横軸)の各水準において、8個のデータをそのままプロットした。
そして、コーティング処理時間と炭素膜6の押し込み硬さH1との関係(図5)およびコーティング処理時間とアルミニウム10の差込み割合との関係(図6)を踏まえ、コーティング処理時間を介して、炭素膜6の押し込み硬さH1とアルミニウム10の差込み割合との関係を整理すると、炭素膜6の押し込み硬さH1が1000N/mm2 以上(H1≧1000N/mm2 )であれば、アルミニウム10の差込み割合が10%以下に低く抑えられると結論づけることができる。
このように、本実施形態によれば、鋳造用金型1の表面処理部3について、その表面性状を3つの評価指標(溝部5の幅W1、スキューネスSsk、炭素膜6の押し込み硬さH1)で数値特定して、アルミニウム10の差込み割合を低く(10%以下に)抑えることにより、コーティング(炭素膜6)が溝部5から剥離しにくいように最適化することができる。その結果、鋳造用金型1において、コーティングの剥離を抑制して、アルミニウム10の流動性を維持することが可能となる。
また、この鋳造用金型1の表面処理部3は、上述したとおり、突部7の頂面に微細溝9が形成されており、加えて炭素膜6が少なくとも微細溝9を被覆する厚さにコーティングされていることから、微細溝9が炭素膜6に噛み込むことで炭素膜6がより一層剥離しにくくなっており、また、炭素膜6が部分的に剥がれたとしても、アルミニウム10と表面処理部3との接触状態が点接触となることから、両者の断熱性を維持することができ、アルミニウム10の流動性を高めた状態に維持することができる。
さらに、この鋳造用金型1の表面処理部3は、上述したとおり、方案部12の溶湯接触部位に形成されているので、方案部12の材料を削減することができるとともに、薄肉ランナ化に対応することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、表面処理部3の形成に、パルス幅が10psec以下のパルスレーザを照射するパルスレーザ装置を用いる場合について説明したが、必ずしも、このような性能を備えたパルスレーザ装置を用いる必要はない。
また、上述した実施形態では、突部7の頂面に微細溝9が形成されている場合について説明したが、頂面に微細溝9が形成されていない場合にも、本発明を同様に適用することができる。
また、上述した実施形態では、所定の表面性状を有する表面処理部3が方案部12に形成されている鋳造用金型1について説明したが、この表面処理部3を鋳造用金型1の製品部11に形成することにより、同様の効果を得ることもできる。
さらに、上述した実施形態では、アルミニウム10を鋳造する鋳造用金型1について説明したが、アルミニウム10以外の金属を鋳造する鋳造用金型に本発明を同様に適用することも可能である。
1……鋳造用金型
2……型材
3……表面処理部
4……格子状溝
5……溝部
6……炭素膜
7……突部
9……微細溝
10……アルミニウム(溶湯)
11……製品部
12……方案部
H1……炭素膜の押し込み硬さ
W1……溝部の幅

Claims (2)

  1. 型材の溶湯接触部位の表面に形成された格子状溝の溝部に炭素膜がコーティングされた表面処理部を有するアルミニウム鋳造用金型であって、
    前記表面処理部は、前記溝部の開口端部の幅が35μm以下であるとともに、三次元表面粗さのスキューネスが−0.8〜−0.2の範囲内にあり、かつ、ナノインデンターによる前記炭素膜の押し込み硬さが1000N/mm2 以上であるアルミニウム鋳造用金型。
  2. 前記表面処理部は、方案部を含む前記型材の溶湯接触部位に形成されている請求項1に記載のアルミニウム鋳造用金型。
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