JP6389485B2 - 冷やし金を用いた鋳造法 - Google Patents

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Description

本発明は、模型または木型(以下、「模型等」)と冷やし金とを用い、鋳鉄もしくは鋳鋼もしくは非鉄金属などの溶湯を鋳込む冷やし金を用いた鋳造法に関する。
木型法の鋳造では、冷やし金は一般的に溶湯と冷やし金が直接接するように施工されることが多い。消失模型鋳造法は、発泡ポリスチレンやPMMA等の発泡材を用いて模型を製作し、この模型と溶湯を置換しながら鋳物製品をつくるものであり、同様に溶湯と冷やし金が直接接するように施工される。
製品表面が曲面や入り組んだ面である場合には、冷やし金そのものを曲面等に沿って加工、もしくは鋳造で製作し、隙間なく接触させる必要がある。消失模型鋳造法では冷やし金間に隙間があると溶湯や塗型剤の刺し込みが起こる。しかも、冷やし金を隙間なく密着させると、冷やし金の膨張により種々の鋳造欠陥が発生するなどの問題がある。
また、特許文献1では、冷やし金と鋳物との焼き付きを防ぐために、消失模型と冷やし金との双方に塗型剤を塗布し、これらを貼り付ける手法が提唱されている。
ところで、木型法は内部が空洞であるために、鋳込み前に内部を乾燥し、冷やし金に付着する水分などを除去することが出来るため、冷やし金によるキライの発生を防止することが出来る。しかし、消失模型鋳造法では、木型法のように空洞ができないため、鋳込み前に鋳型内部の乾燥が行えず、冷やし金に付着する水分を除去することが出来ない。よって、消失模型鋳造法では、溶湯と冷やし金が直接接するように模型に直接冷やし金を当てると、冷やし金に付着した水分等によるキライによって、ガスブロー欠陥が出たりする。
また、木型法では砂型側に塗型剤の塗布を行うため、塗型剤と砂は接合している。一方、消失模型鋳造法では模型側に塗型剤の塗布を行うために、鋳込み時に塗型剤が独立しており、冷やし金の膨張により、冷やし金周囲の塗型剤が押されて製品内部に入り込んだりする、塗型の掬割れと呼ばれる問題が起こる。
木型法では、造型時に冷やし金を施工し、木型を抜いた後に砂側に塗型剤の塗布を行うために、冷やし金の隙間などに塗型剤を塗ることができ、冷やし金の隙間に溶湯が刺し込むことがない。これに対して消失模型鋳造法では、冷やし金の隙間ができた場合、この隙間から溶湯が刺し込む問題がある。また、冷やし金の隙間に残った塗型剤が製品に入り込んだりする問題もある。
特開平7−60396号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、鋳物が曲面や入り組んだ面を有していても特別な切削工程等が不要であり、しかも、冷やし金が鋳物に焼き付くことも無い冷やし金を用いた鋳造法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、冷やし金を用いた鋳造法の特徴は、模型等と冷やし金とを用いる方法であって、溶湯によって溶融せず鋳型材料よりも熱伝導率の高い材料により構成されると共に前記冷やし金の端面より面積の狭い中間体を前記模型等に貼り付け、この中間体の端面より面積の広い冷やし金の端面をこの中間体の端面に接するように施工する冷やし金を用いたことにある。
ここで、前記中間体は、黒鉛片、黒鉛シート、炭化ケイ素片、銅片、鉄片、ニッケル片、砂片、シェル片、耐火物片、セラミック片の何れかとしてもよい。また、前記中間体を前記模型等に貼り付けた後、塗型剤を前記中間体及び前記模型等に塗布し、前記中間体の背面の前記塗型剤を剥離した後前記冷やし金を前記中間体に接するように施工してもよい。
前記中間体を前記模型等に貼り付けた後、前記冷やし金を前記中間体に接するように耐火物とともに施工し、前記模型等を除去した後、この模型等の除去により形成されたキャビティに塗型剤を塗布してもよい。この場合、前記中間体の上に塗布される塗型剤層の厚みが0.5mm以下とするとよい。
前記中間体の厚みは、前記塗型剤層の厚さ以上で、前記中間体同士の施工間隔が100mm以下であるとよい。
前記模型等より離れるに従って末広がりとなるテーパーを前記中間体の側面に設けてもよい。
一方、上記目的を達成するため、模型等と冷やし金とを用いる冷やし金を用いた鋳造法の他の特徴は、溶湯によって溶融せず鋳型材料よりも熱伝導率の高い可撓性の材料よりなる中間シートを連続的又は非連続的に前記模型等に貼り付け、この中間シートを耐火物に固定し、この中間シートに接するように冷やし金を施工することにある。
このとき、前記模型等に対して前記中間シートを耐火物にピン止めし、または、前記中間シートの一部を凸型に形成して前記耐火物に埋め込むことにより、前記中間シートを前記耐火物に固定してもよい。また、前記中間シートが黒鉛系のシートとしてもよい。
上記各鋳造法において、鋳込む溶湯はアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鋳鉄、ステンレス、鋳鋼の何れかとすることができる。
上記本発明に係る冷やし金を用いた鋳造法によれば、鋳物が曲面や入り組んだ面を有していても特別な切削工程等が不要であり、しかも、冷やし金が鋳物に焼き付くことも無くなった。これにより、鋳物が曲面や入り組んだ面を有していても、より効率的な生産が可能となり、2次元的な平面ばかりではなく3次元的な曲面形状に対しても冷やし金が自由に施工できるようになった。このことにより、任意の場所の黒鉛粒数を増加させることが出来るようになり、加工後の面粗度の良い球状黒鉛鋳鉄が作れるようになった。また、引け巣の制御も楽に行えるようになり、特に消失模型鋳造法による鋳鋼では、指向性凝固方案が楽にできるようになり、引けやガス欠陥の制御に有効となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
本発明の第一実施形態に係る消失模型鋳造方法を示す図である。 図1における中間体の形状を示す図であって、(a)及び(b)は中間体がテーパーを有さない場合、(c)及び(d)は中間体がテーパーを有する場合を示す。 中間体を用いた模型を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る図1相当図である。 中間シートの鋳型砂への固定方法を示す図である。 中間体と中間シートの吸熱領域を比較する図であって、(a)は中間体を用いた場合、(b)は中間シートを用いた場合を示す。 本発明に係る鋳型の製造方法を示す図である。 テストピース製造時の、中間体や冷やし金の位置関係を示す模式図である。 テストピース製造時の、中間体の設置位置を示す図であって、中間体の間隔がそれぞれ、(a)50mm、(b)100mm、(c)120mmである場合を示す図である。 テストピース製造時の、中間体による冷却効果を示す縦断面図である。 中間体の間隔を120mmとしたときの、黒鉛組織状況を示す図である。 中間体の遠冷やし効果を検証するためのテストピースの図である。 図12のテストピースと冷やし金の位置関係を示す図である。 図12のテストピース製造後の、組織確認部位を示す図である。 図12のテストピースの中間体からの距離と黒鉛粒数との関係を示す図である。 中間体への塗型厚み効果を検証するためのテストピースと、中間体、塗型及び冷やし金の位置関係と、組織確認部位を示す図である。 図16における塗型厚みと黒鉛粒数との関係を示す図である。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1〜3は本発明の第一実施例を示し、図1の鋳型1(1a)は、発泡スチロール等で成型された消失模型100の周囲に塗型層2が設けられ、冷やし金20が中間体30を介して消失模型100に接触している。同図では、冷やし金20及び中間体30はそれぞれ4組設けられている。枠体4の内側には耐火物である鋳型砂3が充填され、セキ鉢5及び湯道6を通じて溶湯110が注がれるように構成されている。注がれた溶湯110はキャビティCaに到達し、消失模型100を消失させながら順次キャビティCaに充填され、鋳物製品となる。
本実施形態では、角柱状の冷やし金20が用いられ、中間体30は、平面視方形の小板状の金属片等が用いられている。この中間体30の平面視の面積は、冷やし金20の端面の面積よりも小さく構成されている。製品表面が曲面である場合には、冷やし金20そのものを曲面に沿って加工、もしくは鋳造で製作する必要があったが、中間体30を用いることにより、極端な凹凸形状などに対しても対応が可能である。また、ある程度の大きさの中間体30を用いる場合でも、部分的に加工すれば良いので効率が良い。
冷やし金20には、一般的に用いられる鋼や鋳鉄、もしくは黒鉛やSiCなど熱伝導性が良いものならば何でも使用できるが、初期の冷却効果を狙うのであれば、黒鉛が好ましい。冷やし金20のサイズは、引け巣防止や黒鉛粒数増加等、目的を達成するのに必要な容量を満たしていればよい。
中間体30は、鋳込まれる溶湯110によって溶けない材料であり、その材料に接するように冷やし金20を施工し、鋳物を冷却するようになっている。模型に貼り付ける材料は、直接冷やしと同じく冷却速度を必要とする場合には黒鉛片、黒鉛シート、炭化ケイ素片、銅片、鉄片、ニッケル片などの熱伝導性の高い材料を用い、遠冷やし的な冷却効果を目的とする場合には、砂片、シェル片、耐火物片、セラミック片などとすればよい。
中間体30の材料は、模型に鋳込む溶湯110の融点と同等かもしくは、高い融点の材料であれば良い。冷やし金20によって熱が奪われるため、事実上、鋳込みで溶けない材料であれば用いることができる。
溶湯110が鋳鉄の場合は、カーボン含有量が多いために、中間体30は黒鉛板等でも溶けることがなく問題はないが、ステンレスを含む鋳鋼ではカーボン含有量が低いために、カーボン製の板やシートは好ましくない。このため、鋳鋼やステンレスなどの加炭が問題となる材種の場合には、鉄板やステンレス板を用いる。また、鋳鉄や鋳鋼で鉄板等を用いる場合には、後述するように凝着を防止する目的で、この中間体30の冷やし金20と接触させる面に0.5mm以下の薄い塗型を塗布して、模型に張り付けても良い。
直接冷やしと同様の冷却効果を必要とする場合には、中間体30材料の熱伝導率は高いことが望ましいが、鋳型材料よりも熱伝導率が高ければ、効果は期待される。ただし、黒鉛や鉄板もしくは銅板のような熱伝導性の高いものがより好ましい。
直接冷やしと同様の冷却効果を必要としない場合、すなわち、間接冷やしに用いる場合には、中間体30の材料の熱伝導率は問題とならないため、砂片、シェル片、耐火物片、セラミック片などの鋳型材料と同等か、もしくは熱伝導率が低いものでも構わない。
中間体30は、片面を冷やし金20と接触させる必要があるため、接触面は模型の塗型剤を塗布した面より外側に出ていなければならない。このためには、中間体30の厚みは塗型剤の厚みよりあれば良い。但し、冷やし金20と製品間への砂込めのし易さや作業性からは、厚み10mm程度が好ましい。また、間接冷やしに用いる場合の中間体30についても、中間体30の厚みが増すほど遠冷やしの冷却効果が低減することから、同様に10mm程度の厚みが好ましい。
通常、模型に貼り付けられた中間体30は、周囲を覆う塗型層2によって鋳型1に固定されるため、製品内部に入り込むことはない。しかし、図2(a)に示すように、外力Fが中間体30に作用して、塗型層2の固定が外れる場合がある。この場合、同図(b)に示すように、溶湯110の流れの影響を受けて、中間体30が製品内部に入り込むおそれがある。
このように中間体30が製品(溶湯110)内部に入り込むのを防止するために、同図(c)に示すように、中間体30の側面に、製品から離れるほど末広がりになるテーパー30aを設けてもよい。この場合、同図(d)に示すように、中間体30に外力Fが作用しても、テーパー30aにより反力Rが生じ、中間体30の脱落が防がれる。
中間体30を張り付ける間隔は、広がれば広がるほど効果がなくなるので、鋳物の組織改善の目的で中間体30を使用する場合は、各中間体30同士の最大間隔は、後述するように100mm以下が好ましい。ただし、引け巣等を防止する目的の場合は、その場所のみ冷却すればよいので、特に中間体30の間隔を定める必要はない。
次に図1、図3を参照しながら、本鋳造法における鋳型の施工手順について説明する。
図3(a)の白地のブロックは上記消失模型100であり、その上に、黒い小角板状の上記中間体30を多数貼り付ける。接着剤は消失模型100と同様に溶湯110との接触で消失する素材を用いるとよい。次いで、同図(b)に示すように、中間体30を貼り付けた消失模型100に水溶性の塗型剤を塗布し、乾燥させて上述の塗型層2を形成する。
続いて、冷やし金20と接触する中間体30の面の塗型層2をヘラ等で除去する。当該除去部分にテープ等をあらかじめ施工しておいて、塗型剤を塗布後にテープ等を除去しても良い。そして、枠体4内で中間体30上に冷やし金20を施工しながら、鋳型砂3等の耐火物で造型を行い、鋳型1が完成する。なお、仮に、中間体30の表面に塗型剤が残った場合でも、付着した塗型剤の厚さが0.5mm以下であれば、熱伝導が多少落ちることにはなるが、冷却効果に対する影響としては問題がない。
以下、本発明の他の実施形態について説明する。なお、上記第一実施形態と同様の部材については同一の符号を用いるものとする。
まず、本発明の第二実施形態について、図4〜6を参照しながら説明する。
本実施形態の鋳型1(1b)では、上記中間体30の代わりに、可撓性部材よりなるシート状の中間シート40を用いても良い。図4では、消失模型100の表面に黒鉛等をシート状に成型した中間シート40を張り付けている。特に中間シート40に黒鉛素材のものを用いる場合には、中間シート40自体に塗型剤と同様の焼き付き防止効果があるため、消失模型100の接する施工面に塗型剤を塗布しなくてもよい場合もある。もちろん、第三の実施形態のように消失模型100を除去してから、キャビティCa側より塗型剤を塗布してもよい。
中間シート40の表面には前記冷やし金20が接触するように設置することができる。このような可撓性中間シート40の場合、中間シート40自身の撓みによって複雑な形状の消失模型100の表面を覆うことが可能であり、面全体に対して簡単に施工することが可能である。もちろん、中間体30を中間シート40と冷やし金20との間に併用してもよい。
この中間シート40を鋳物砂3中に固定するにあたっては、図5(a)に示すように、当該シートの一部を織り込んで突起41を鋳型砂3中に埋め込んでもよい。また、同図(b)に示すように、中間シート40の内側(消失模型100側)より平坦な頭部を有する固定ピン42等を刺して鋳型砂3に到達させてもよい。
図6は、中間体30と中間シート40の吸熱領域を比較する図である。同図(a)に示すように、中間体30を用いた場合、中間体30を通して冷やし金20に伝熱する熱の総量E1は、主に中間体30から伝わるものであり、塗型層2から伝わる量は僅かである。一方、同図(b)に示す中間シート40を用いた場合では、中間シート40自体の横方向への熱伝導を利用して周囲の冷却ができるため、中間シート40を通して冷やし金20に伝熱する熱の総量E2は先のE1よりも大きく、面全体を効率良く冷却することができる。
本発明は、図7に示す第三実施形態の如く、消失模型100を鋳造前に除去する消失模型鋳造法でない鋳造法においても有効である。本実施形態では、消失模型100に中間体30を施工する工程までは同じであるが、図7(a)に示すように、施工後の模型101には塗型剤を塗布せずに、冷やし金20を施工しながら造型作業を行う。その後、同図(b)のごとく消失模型100を断片101に分割して除去し、同図(c)の如く鋳物砂3の部分及び中間体30の表面に塗型剤を塗布して塗型層2を作成し、中間体30の表面の塗型層2を除去する。このように作成した下型1xの上に上型1yをセットし、鋳型1(1c)が完成する。なお、本実施形態では、消失模型100を用いたが、型の上部から抜き取れるのであれば、木型を用いても構わない。
以下、本発明のその他の実施形態の可能性について列挙する。
本発明の冷やし金を用いた鋳造法は、各種金属の鋳造に有効である。鋳込む溶湯110は、鋳鉄、ステンレス、鋳鋼のほか、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金であってもよい。
また、本発明の方法は鋼や黒鉛の中間体30の代わりに、シェルやセラミック等の熱伝導性が高くなく、焼付き難い材料を任意の間隔を置いて貼り付け、その上に冷やし金20を施工する間接冷やしとしても使用できる。間接冷やしは直冷やしほど冷却力が高くないものの、全体を均一に冷却することが可能であり、冷やし金20によるガス欠陥問題や過冷却によるチルの発生問題を回避できる利点がある。また、間接冷やしの場合、鋳物と冷やし金20の距離が冷却効果に大きく影響を及ぼすが、中間体30を用いることにより、鋳物と冷やし金20の間の距離を一定に保って施工することが可能となり、均一な冷却が行われるようになる。
本発明の上記各実施形態は相互に組み合わせて実施することができる。また、各構成要素は、発明の趣旨を逸脱することなく種々の改変が可能である。
次に、上記実施形態を実施するための実験データについて説明する。ここでは、冷却の効果が分かりやすい球状黒鉛鋳鉄の黒鉛粒数を例に説明する。鋳鋼や非鉄材料においても概ね形態は同様である。
(実験例1)中間体30の施工間隔
図8に示すように、300×300mmで厚さ130mmの消失模型100の盤面上に、30×30mmで厚さ10mmの中間体30に相当する黒鉛小板63を一定間隔で設置し、その上に70×70mmで高さ250mmの鋼材を冷やし金62として配置し、鋳型1を作成して、消失模型100部分にテストピース60を鋳込んで作成した。図9に示すように、黒鉛小板63の間隔は同図(a)50mm、同図(b)100mm、同図(c)120mmとし、それぞれ1個ずつテストピース60を鋳造し、凝固後に冷やし金62の施工面断面の黒鉛粒数の分布について測定・比較を行った。
各テストピース60について、黒鉛小板63間の断面組織を測定した結果、黒鉛粒数の分布は図10に示すような結果になった。また、各テストピース60の縦断面の各組織を図11に示す。黒鉛小板63の直下に対しては、施工条件に関わらずほぼ一定となっている。一方、黒鉛小板63間の部分については、施工間隔が広がるほど黒鉛粒数が少なくなっており、施工間隔120mmの場合では黒鉛小板63間の中間で黒鉛粒数が増加していない部分が見られた。これより実製品における加工代を10mm程度とした場合、冷やし金20による冷却効果が面全体に期待できる施工間隔は、100mm以下であることが分かる。よって黒鉛粒数を増す目的では、中間体30の間隔は100mm以下が好ましい。但し、引け巣対策などの目的で中間体30と冷やし金20を施工する場合には、この限りではない。また、中間体30の施工間隔が25mmより小さいと、便宜上一つの中間体にまとめてもよいため、施工間隔は25mm以上としてもよい。
(実験例2)中間体30の厚み
テストピース80として図12に示すような消失模型100の凹んでいる盤面上に、30×30mmで任意の厚さのセラミック小板83を中間体30として一定間隔で設置し、その上に図13のごとき120×500mmで高さ200mmの鋼材を間接冷やし金82として配置した。セラミック小板83の厚さは5mm、10mm、15mmとし、それぞれ1個ずつテストピース80を消失模型100の部分に鋳造し、図14に示すように凝固後にテストピース80の凹んでいる部分より組織観察部位80aを切り出して、組織観察部位80aの中の黒鉛粒数の分布について測定・比較を行った。
各テストピース80について、鋳肌面から鋳物内部に向かっての断面組織を測定した結果を図15に示す。この結果より、冷やし金20と鋳物の距離が短いほど、すなわち中間体30の厚さが薄いものほど黒鉛粒数は多くなっており、冷却効果が高いことが分かる。但し、塗型剤の厚さより中間体30の厚みが薄くなると、冷やし金20が施工できなくなる問題がある。よって、中間体30の厚みは塗型剤の厚さより厚くなければならない。冷やし金20と塗型剤を塗布した模型の間の空間には、砂を込めなければならないため、中間体30の厚みは10mm程度が好ましい。
(実験例3)中間体30への塗型厚さ
500×500mmで高さ400mmの鋳物ブロック91の外周4面に、150×150mmで高さ150mmのテストピースが各1個ずつ付設するように、これらテストピース90及び鋳物ブロック91の部分に消失模型100をセットし、これの一面のみに30×30mmで厚さ10mmの黒鉛小板よりなる中間体30を設置し、その上に200×200mmで厚さ30mmの鋼材を冷やし金92として配置した(図16)。テストピース90に設置した各中間体30には、冷やし金92との接触面に対して塗型剤を塗布し、乾燥後の塗型層93の部分が、存在しない(塗型なし)、膜厚0.5mm、膜厚2mm、膜厚4mmとなるように調整した。鋳造後、各テストピース90の黒鉛小板直下より組織観察部位90aを切り出して、組織観察部位90a中の黒鉛粒数の分布について測定・比較を行った。
各テストピース90について、鋳肌面から内部に向かっての断面組織を測定したところ、図17に示すような結果となった。これより黒鉛小板の表面(=冷やし金92との接触面)に塗布された塗型層93の膜厚が厚くなるほど黒鉛粒数は少なくなっており、膜厚4mmの場合では殆ど冷却効果が見られなかった。これに対して、塗型層93の膜厚が0.5mmの場合には塗型なしとほぼ同等の黒鉛粒数となっており、塗型層93の厚みによる冷却効果の減少が殆ど見られなかった。以上の結果より、冷やし金20と接触させる黒鉛小板の表面については、冷却効果を損なわないために、塗型層2の膜厚の付着を0.5mm以下にすればよいことが判明した。なお、中間体と冷やし金との間については、塗型剤層が残る場合は、砂の平均粒径(例えば0.2〜0.4mm程度)以上となる。中間体と製品との間については、塗型剤層が残る場合は、製品に中間体が焼き付かない厚さ以上となる。
本発明にかかる中間体又は中間シートとともに冷やし金を用いた鋳造方法は、組織の微細化や球状黒鉛の微細化、また冷やし金の効果のコントロールなどに用いられる。また、この方法は鋳鉄だけではなく、鋳鋼・ステンレス・アルミ合金・銅合金などの非鉄金属にも有効である。本方法は消失模型鋳造法だけではなく、模型材を除去する鋳造法にも有効である。
1:鋳型、1x:下型、1y:上型、2:塗型層、3:鋳型砂(耐火物)、4:枠体、5:セキ鉢、6:湯道、20:冷やし金、30:中間体、30a:テーパー、40:中間シート(黒鉛シート)、41:シートを織り込んで成型した突起部分、42:固定ピン、60:テストピース、62:鋼材冷やし金、63:黒鉛小板、71:黒鉛粒数200個/mm2以上の部分、72:黒鉛粒数150〜200個/mm2の部分、73:黒鉛粒数100〜150個/mm2の部分、74:黒鉛粒数100個/mm2以下の部分、80:テストピース、80a:組織観察部位、82:冷やし金、83:セラミック小板、90:テストピース、90a:組織観察部位、91:鋳物ブロック、92:鋼材冷やし金、93:塗型層、100:消失模型、101:断片、110:溶湯、Ca:キャビティ、E1:中間体を通して冷やし金に伝熱する熱の総量、E2:中間シートを通して冷やし金に伝熱する熱の総量、F:外力、R:反力

Claims (11)

  1. 模型または木型(以下、「模型等」)と冷やし金とを用いる冷やし金を用いた鋳造法であって、
    溶湯によって溶融せず鋳型材料よりも熱伝導率の高い材料により構成されると共に前記冷やし金の端面より面積の狭い中間体を前記模型等に貼り付け、
    この中間体の端面より面積の広い冷やし金の端面をこの中間体の端面に接するように施工する冷やし金を用いた鋳造法。
  2. 前記中間体が、黒鉛片、黒鉛シート、炭化ケイ素片、銅片、鉄片、ニッケル片、砂片、シェル片、耐火物片、セラミック片の何れかである請求項1に記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  3. 前記中間体を前記模型等に貼り付けた後、塗型剤を前記中間体及び前記模型等に塗布し、前記中間体の背面の前記塗型剤を剥離した後前記冷やし金を前記中間体に接するように施工する請求項1又は2のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  4. 前記中間体を前記模型等に貼り付けた後、前記冷やし金を前記中間体に接するように耐火物とともに施工し、前記模型等を除去した後、この模型等の除去により形成されたキャビティに塗型剤を塗布する請求項1又は2のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  5. 前記中間体の上に塗布される塗型剤層の厚みが0.5mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  6. 前記中間体の厚みが前記塗型剤層の厚さ以上で、前記中間体同士の施工間隔が100mm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  7. 前記模型等より離れるに従って末広がりとなるテーパーを前記中間体の側面に設けてある請求項1〜6のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  8. 模型等と冷やし金とを用いる冷やし金を用いた鋳造法であって、
    溶湯によって溶融せず鋳型材料よりも熱伝導率の高い可撓性の材料よりなる中間シートを連続的又は非連続的に前記模型等に貼り付け、この中間シートを耐火物に固定し、この中間シートに接するように冷やし金を施工する冷やし金を用いた鋳造法。
  9. 前記模型等に対して前記中間シートを耐火物にピン止めし、または、前記中間シートの一部を凸型に形成して前記耐火物に埋め込むことにより、前記中間シートを前記耐火物に固定する請求項8に記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  10. 前記中間シートが黒鉛系のシートである請求項8又は9のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
  11. 鋳込む溶湯がアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鋳鉄、ステンレス、鋳鋼の何れかである請求項1〜10のいずれかに記載の冷やし金を用いた鋳造法。
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