JP2013202974A - インプリント用のモールドおよび微細構造の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材12の主面12aに主領域13Aと該主領域に隣接した補助領域13Bからなる凹凸構造領域13を有し、主領域13Aは転写すべき凹凸構造を備え、補助領域13Bは主領域から被転写材料とともに気泡を誘引するための凹凸構造を備えたモールド11を準備し、該モールド11の主領域の凹凸構造の反転したパターンを転写するために必要な量を超える量の被転写材料31を、転写基材21上に滴下して供給し、モールドの少なくとも主領域13Aが被転写材料31と接触するようにモールド11と転写基材21とを近接させて両者間に被転写材料を介在させ、その後、モールドの主領域13Aで余剰となった被転写材料31をモールドの補助領域13Bに移動させ、次いで、被転写材料を硬化させた後、被転写材料とモールドとを引き剥がすことにより、微細構造を形成する。
【選択図】 図8
Description
このようなインプリント方法では、モールドの凹凸構造に被転写材料が完全に充填されることが重要であり、モールドの凹凸構造の凹部に気泡が閉じ込められた場合、この気泡は形成する微細構造の欠陥の原因となる。このような気泡の閉じ込めを防止するために、例えば、モールドの凹凸構造の凹部のコーナー部にマイクロトレンチ(微小凹部)を形成する方法(特許文献2)等が提案されている。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、所望の凹凸構造の凹部への気泡の閉じ込めを抑制できるインプリント用のモールドと、このモールドを使用した微細構造の形成方法を提供することを目的とする。
本発明の他の態様として、前記モールドの前記補助領域の凹凸構造を、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも浅い凹部を備える構造とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記モールドの前記補助領域の凹凸構造を、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも深い凹部を備える構造とするような構成とした。
本発明の他の態様として、前記主領域と前記補助領域との境界から、該境界の最近傍に位置する主領域の凹凸構造における凹部までの距離は、1000nm以下であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記補助領域の凹凸構造は、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも浅い凹部を備えるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記補助領域の凹凸構造は、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも深い凹部を備えるような構成とした。
また、本発明のインプリント用のモールドは、転写すべき凹凸構造を備える主領域に隣接して、気泡を捕捉するための凹凸構造を備える補助領域を有するので、インプリント時にモールドと転写基材との間に被転写材料が介在した状態で、主領域の凹部に気泡が発生しても、余剰となった被転写材料が主領域から補助領域へ移動するのに伴って、主領域の凹部に発生した気泡が補助領域に移送されて、補助領域およびこの補助領域の凹凸構造の凹部に気泡が捕捉され、これにより、主領域の凹凸構造での気泡の閉じ込めを抑制することができる。
[インプリント用のモールド]
図1は、本発明のインプリント用のモールドの一実施形態を説明するための平面図であり、図2は、図1に示されるインプリント用のモールドのI−I線における縦断面図である。図1および図2において、インプリント用のモールド11は基材12を有し、この基材12の一主面12aには、凹凸構造領域13が位置している。図示例では、この凹凸構造領域13は、転写すべき凹凸構造を備える主領域13Aと、この主領域13Aの周囲に位置し、気泡を捕捉するための凹凸構造を備える補助領域13Bに画定されている。そして、主領域13Aの凹凸構造は凹部14Aを有し、補助領域13Bの凹凸構造は凹部14Bを有している。尚、図2における凹凸構造は便宜的に示したものであり、これに限定されるものではない。
また、被転写材料とモールドとの引き剥がしを容易とするために、モールド11の基材12は、主面12aに離型剤層を備えていてもよい。しかし、離型剤層が主面12aに存在し、被転写材料と主面12aとの濡れ性が低下することにより、後述するキャピラリーフォース(毛細管現象)による主領域13Aから補助領域13Bへの被転写材料の移動容易性が低下するので、離型剤層を設ける場合は、離型性と移動容易性を考慮することが好ましい。
また、図3(B)に示される例では、補助領域13Bの凹凸構造の凹部14Bの深さd′は、主領域13Aの凹凸構造の凹部14Aの深さdよりも小さいものである。このように補助領域13Bの凹部14Bを、主領域13Aの凹部14Aよりも浅くすることにより、補助領域13Bにおいて被転写材料に作用するキャピラリーフォース(毛細管現象)がより強くなり、主領域13Aから補助領域13Bへの被転写材料の移動に伴う気泡の移送、捕捉がより効果的に行われる。
また、補助領域13Bの複数の凹部14Bは、同じ深さでなくてもよい。例えば、図4に示されるように、補助領域13Bの凹部14Bが、主領域13Aの凹部14Aと同じ深さdの凹部と、深さがd′であって主領域13Aの凹部14Aよりも浅い凹部との組み合わせであってもよい。この場合、主領域13Aと補助領域13Bの境界部位の最近傍に位置する凹部14Bは、深さdの凹部、深さd′の凹部のいずれであってもよい。また、主領域13Aの凹部14Aよりも深い凹部を組み合わせてもよく、組み合わせる凹部の種類、位置は特に限定されない。
上述のインプリント用のモールドの実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態では、凹凸構造領域13を構成する補助領域13Bは主領域13Aを囲むように位置するが、主領域13Aに隣接して1個、あるいは、複数個の補助領域13Bが位置するものであってもよい。例えば、図6に示されるように、主領域13Aが備える転写すべき凹凸構造が、図示の矢印a方向に被転写材料の移動容易性をもつ場合、補助領域13Bを主領域13Aの両側2箇所に画定することにより、矢印a方向に沿って主領域13Aから補助領域13Bへの余剰の被転写材料の移動が容易に行われる。
また、図7に示されるように、補助領域13Bが主領域13Aの矢印a方向の一端部側に画定されるものであってもよい。
図8は、本発明の微細構造の形成方法の一実施形態を説明するための工程図である。
本発明の微細構造の形成方法では、凹凸構造を備えた凹凸構造領域を基材の主面に有するモールドであって、この凹凸構造領域が、転写すべき凹凸構造を備えた主領域と、気泡捕捉用の凹凸構造を備え主領域に隣接する補助領域と、有するモールドを準備する。このようなモールドとして、上述の本発明のインプリント用のモールドを使用することができ、当該実施形態では、本発明のインプリント用のモールドとして図1、図2および図3(A)に示されるモールド11を準備する。したがって、モールド11の詳細な説明は、ここでは省略する。尚、図8におけるモールド11の凹凸構造は便宜的に示したものであり、これに限定されるものではない。
次に、モールド11の主領域13Aの凹凸構造の反転したパターンを転写するために必要な量を超える量の被転写材料31を、転写基材21上に滴下して供給する(図8(A))。転写基材21において被転写材料31を供給する領域は、少なくともモールド11の主領域13Aの所望部位に相対する領域であればよい。したがって、被転写材料31を供給する転写基材21の領域は、モールド11の主領域13Aの全域に相対する領域であってもよく、また、モールド11の補助領域13Bの一部の部位に相対する領域を含むものでもよく、さらに、モールド11の凹凸構造領域13を除く主面12aの一部の部位に相対する領域を含むものでもよい。
また、被転写材料31の供給量は、上記のように、モールド11の主領域13Aの凹凸構造の反転したパターンを転写するために必要な量を超える量である。すなわち、モールド11の主領域13Aと転写基材21との間隙空間とモールド11の主領域13Aの凹部14A内とに収容可能な量を超える量となるように、被転写材料31の供給量を適宜設定する。例えば、モールド11の主領域13Aと転写基材21との間隙空間と主領域13Aの凹部14A内とに収容可能な量に、モールド11の補助領域13Bと転写基材21との間隙空間と補助領域13Bの凹部14B内とに収容可能な量を加えた量を供給量とすることができる。このような被転写材料31の供給量設定により、後工程において、余剰となった被転写材料が、キャピラリーフォース(毛細管現象)によって、モールド11と転写基材21との間隙空間を主領域13Aから補助領域13Bへ移動可能となる。
このような本発明の微細構造の形成方法では、モールド11の主領域13Aと転写基材21との間隙空間に収容しきれずに余剰となった被転写材料が、モールド11の主領域13Aから補助領域13Bへ移動し、このとき、主領域13Aの凹凸構造の凹部14Aに存在する気泡も被転写材料31と共に補助領域13Bの凹凸構造に移送されて、補助領域13Bの凹部14Bに気泡が捕捉される。これにより、主領域13Aの凹凸構造での気泡の閉じ込めを抑制することができ、微細構造41Aの形成における欠陥の発生を大幅に低減することが可能となる。
12…基材
12a…主面
13…凹凸構造領域
13A…主領域
13B…補助領域
14A…主領域の凹部
14B…補助領域の凹部
21…転写基材
31…被転写材料
41…微細構造
Claims (8)
- 凹凸構造を備えるモールドと転写基材との間に被転写材料を介在させて、前記凹凸構造の反転したパターンを前記被転写材料に転写する微細構造の形成方法において、
凹凸構造を備えた凹凸構造領域を基材の主面に有するモールドであって、該凹凸構造領域は転写すべき凹凸構造を備えた主領域と、気泡捕捉用の凹凸構造を備え前記主領域に隣接する補助領域と、有するモールドを準備する工程と、
該モールドの前記主領域の凹凸構造の反転したパターンを転写するために必要な量を超える量の被転写材料を、転写基材上に滴下して供給する工程と、
前記モールドの少なくとも前記主領域が前記被転写材料と接触するように前記モールドと前記転写基材とを近接させ、前記モールドと前記転写基材との間に被転写材料を介在させ、前記モールドの前記主領域で余剰となった前記被転写材料を前記モールドの前記補助領域に移動させるとともに、前記主領域に発生した気泡を前記補助領域に移送する工程と、
前記被転写材料を硬化させる工程と、
硬化後の前記被転写材料と前記モールドとを引き剥がす工程と、を有することを特徴とする微細構造の形成方法。 - 前記モールドの主領域と補助領域との境界から、該境界の最近傍に位置する主領域の凹凸構造における凹部までの距離を1000nm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の微細構造の形成方法。
- 前記モールドの前記補助領域の凹凸構造を、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも浅い凹部を備える構造とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微細構造の形成方法。
- 前記モールドの前記補助領域の凹凸構造を、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも深い凹部を備える構造とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに微細構造の形成方法。
- 転写基材に供給された被転写材料に所望のパターンを転写するインプリント用のモールドにおいて、
基材と、該基材の一主面に位置する凹凸構造領域と、を有し、該凹凸構造領域は転写すべき凹凸構造を備える主領域と、該主領域に隣接するとともに気泡を捕捉するための凹凸構造を備える補助領域と、を有することを特徴とするインプリント用のモールド。 - 前記主領域と前記補助領域との境界から、該境界の最近傍に位置する主領域の凹凸構造における凹部までの距離は、1000nm以下であることを特徴とする請求項5に記載のインプリント用のモールド。
- 前記補助領域の凹凸構造は、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも浅い凹部を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインプリント用のモールド。
- 前記補助領域の凹凸構造は、前記主領域の凹凸構造における凹部よりも深い凹部を備えることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかにインプリント用のモールド。
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