以下、本発明の実施形態に係る建設機械として、クローラ式の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図10を参照して説明する。
図1において、土砂の掘削作業等に用いられる建設機械としての油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3に俯仰動可能に設けられたフロント装置4とからなっている。そして、上部旋回体3は、旋回フレーム5、カウンタウエイト6、エンジン7、キャブ10、作動油タンク11、燃料タンク12等を含んで構成されている。
フロント装置4は、ブーム4A、アーム4B、バケット4Cを備え、これらはブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fによって回動される。ここで、ブーム4Aの基端側は、左,右の縦板5B,5Cの前端側にピン結合されている。
図3に示すように、旋回フレーム5は、下部走行体2に取付けられるための支持構造体を構成している。旋回フレーム5は、前,後方向に延びる厚肉な底板5Aと、底板5A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左縦板5B、右縦板5Cと、底板5Aおよび左縦板5Bから左側に張出した複数の左張出しビーム5Dと、底板5Aおよび右縦板5Cから右側に張出した複数の右張出しビーム5Eと、各左張出しビーム5Dの先端部に接合され、底板5Aの左側を前,後方向に延びた左サイドフレーム5Fと、各右張出しビーム5Eの先端部に接合され、底板5Aの右側を前,後方向に延びた右サイドフレーム5Gとにより構成されている。
カウンタウエイト6は、旋回フレーム5の後部に設けられたものである。このカウンタウエイト6は、左縦板5Bと右縦板5Cの後端側に取付けられ、フロント装置4との重量バランスをとっている。
エンジン7は、カウンタウエイト6の前側に位置して旋回フレーム5の後部に横置き状態で搭載されている(図2参照)。このエンジン7は、例えばディーゼルエンジンとして構成されている。エンジン7の左側には、エンジン7によって駆動される冷却ファン7Aが設けられ、冷却ファン7Aの回転によって吸込まれる冷却風により、ラジエータ、オイルクーラ等の熱交換装置8を冷却することができる。一方、エンジン7の右側には、油圧ポンプ9が取付けられている。油圧ポンプ9は、エンジン7によって駆動されることにより、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧機器(例えば、ブームシリンダ4D)に向けて作動用の圧油を供給する。
キャブ10は、旋回フレーム5の左前側に設けられている。このキャブ10は、油圧ショベル1を運転するためにオペレータが搭乗するもので、内部にはオペレータが着座する運転席、各種操作を行うレバー、ペダル等(いずれも図示せず)が配設されている。
作動油タンク11は、エンジン7の前側で、かつ旋回フレーム5の右張出しビーム5E上に設けられている。作動油タンク11は、油圧ポンプ9を介してブームシリンダ4D等の油圧アクチュエータに供給される作動油を貯えるものである。
燃料タンク12は、作動油タンク11の前側に位置して旋回フレーム5の右張出しビーム5E上に設けられている。この燃料タンク12は、エンジン7に供給される燃料を貯えるもので、例えば直方体状の中空容器として形成されている。燃料タンク12の上面12Aには、例えば給油車(図示せず)から燃料を給油するための給油口13が上向きに突出して設けられている。
また、燃料タンク12の後面12Bの上端側には、供給管路接続口14が設けられている。この供給管路接続口14には、後述する供給管路28が接続される。また、供給管路接続口14の右側位置には、後述のケーブル23が接続されるケーブル接続口15が設けられている。
収容空間16は、作動油タンク11と後述の右前側面カバー32との間に形成された空間である。この収容空間16は、右前側面カバー32を開けることにより開放される。そして、収容空間16には、後述のサポート17、燃料給油装置19、およびブラケット取付具36が配設されている。
サポート17は、作動油タンク11と燃料タンク12との間で収容空間16内に配設されている。このサポート17は、作動油タンク11の上面板と下面板との間を延びている。図6に示すように、サポート17の右板17Aには、上,下方向に離間して設けられたヒンジ18を介して後述の右前側面カバー32が取付けられている。また、右板17Aの前端から左側に向けて延び、燃料タンク12の後面12Bに対面する縦板17Bには、後述する燃料給油装置19の燃料供給ポンプ20、燃料フィルタ21、および動作スイッチ22等が取付けられている。
次に、燃料タンク12に燃料を供給するために設けられた燃料給油装置19について説明する。
燃料給油装置19は、作動油タンク11とサポート17とに取付けられた状態で収容空間16内に配設されている。即ち、燃料給油装置19は、燃料タンク12に燃料を供給するために、燃料タンク12に隣接して設けられている。図7に示すように、この燃料給油装置19は、例えば給油車が立ち入ることができないような作業現場で、外部の燃料貯蔵源D(例えば、ドラム缶等の容器)に貯えられた燃料を燃料タンク12に給油(供給)するためのものである。そして、燃料給油装置19は、燃料供給ポンプ20、燃料フィルタ21、動作スイッチ22、吸込管路26、吐出管路27、および供給管路28等を含んで構成されている。
燃料供給ポンプ20は、サポート17の縦板17Bにボルト等により取付けられている。この燃料供給ポンプ20は、例えばプランジャポンプ、ギヤポンプ、トロコイドポンプ、ベーンポンプ等からなり、図示しない電動モータにより駆動される。燃料供給ポンプ20の吸込口20Aには、内部に燃料が流通する後述の吸込管路26の下流側が接続され、吐出口20Bには、後述する吐出管路27の上流側が接続されている。
燃料フィルタ21は、燃料供給ポンプ20の下側に位置してサポート17の縦板17Bにボルト等により取付けられている。燃料フィルタ21には、後述する吐出管路27の下流側が接続される流入口21Aと、後述する供給管路28の上流側が接続される流出口21Bとが設けられている。これにより、燃料フィルタ21は、内部に設けられたフィルタエレメント(図示せず)により燃料に含まれる塵挨等の異物を捕えて、清浄された燃料を燃料タンク12に供給する。
動作スイッチ22は、燃料フィルタ21の前側に位置してサポート17の縦板17Bに取付けられている。この動作スイッチ22は、電線により電源(いずれも図示せず)と接続されている。また、動作スイッチ22は、図示しない電線により燃料供給ポンプ20の電動モータに接続されている。動作スイッチ22には、オンスイッチ22Aとオフスイッチ22Bとが上,下方向に離間して設けられている。オンスイッチ22Aを操作することにより、燃料供給ポンプ20を駆動させることができ、オフスイッチ22Bを操作することにより、燃料供給ポンプ20を停止させることができる。
また、動作スイッチ22と燃料タンク12のケーブル接続口15との間には、ケーブル23が接続されている。ケーブル接続口15から燃料タンク12内に向けて延びたケーブル23の先端側には、燃料タンク12内の燃料の有無を検出するレベルセンサ(図示せず)が設けられている。このレベルセンサが、燃料タンク12内の燃料の満検出をすることにより、動作スイッチ22は自動的に切断される。これにより、オンスイッチ22Aが操作され、燃料タンク12に燃料を供給しているときに、燃料タンク12から燃料が溢れだす(オーバーフローする)のを防止している。
ホース接続口24は、収容空間16内に位置してボルト25により作動油タンク11に取付けられている。このホース接続口24は、燃料供給ポンプ20に向けて燃料を供給するための入口部分で、例えばクイックカップリングと呼ばれるワンタッチ継手の一方の継手部となっている。そして、外部の燃料貯蔵源Dに接続された後述の燃料供給ホース48の継手部48Aをホース接続口24に接続することにより、燃料貯蔵源D内の燃料をホース接続口24から燃料供給ポンプ20を介して燃料タンク12へと導くことができる(図5参照)。
吸込管路26は、ホース接続口24と燃料供給ポンプ20の吸込口20Aとを接続している。また、吐出管路27は、燃料供給ポンプ20の吐出口20Bと燃料フィルタ21の流入口21Aとの間を接続している。供給管路28は、燃料フィルタ21の流出口21Bと燃料タンク12の供給管路接続口14との間を接続している。吸込管路26、吐出管路27、および供給管路28は、例えば可撓性を有する耐圧ホース、金属製の管体により構成されている。
建屋カバー29は、エンジン7、油圧ポンプ9等を覆うように旋回フレーム5上に設けられている。この建屋カバー29は、キャブ10とカウンタウエイト6との間に位置してエンジン7等の上方を覆う上面カバー30と、キャブ10とカウンタウエイト6との間で左側面を覆う左側面カバー31と、作動油タンク11の外側面を覆う右前側面カバー32と、油圧ポンプ9の右側を覆う右後側面カバー33とを含んで構成されている。右前側面カバー32は、サポート17にヒンジ18を介して開閉可能に取付けられている。この右前側面カバー32は、例えば鋼板材等を用いて形成され、燃料給油装置19を用いて燃料タンク12に燃料を供給するときに開放する。
物品収容ケース34は、旋回フレーム5の右前側に設けられている。即ち、物品収容ケース34は、燃料タンク12の前側に位置して右縦板5Cと右サイドフレーム5Gとの間に設けられている。図9に示すように、物品収容ケース34は、内部に工具、後述のホース巻取りブラケット37等の物品を収容するための物品収容空間Sが画成されている。物品収容ケース34には、物品収容空間Sの上方を閉塞すると共に、上,下方向に開閉可能な上蓋34Aが設けられている。また、この上蓋34Aは、閉じた状態では作業者が建屋カバー29の上面カバー30に昇降するためのステップとなっている。
物品収容空間S内には、ホース巻取りブラケット37を係合して保持する保持具35が設けられている。これにより、ホース巻取りブラケット37は、燃料供給ホース48を使用しないときに、油圧ショベル1の走行、掘削作業時に邪魔にならない物品収容ケース34内に収納することができる。
次に、旋回フレーム5の側部に設けられたブラケット取付具36について説明する。
ブラケット取付具36は、作動油タンク11と右前側面カバー32との間に形成された収容空間16内に位置して右サイドフレーム5G上に設けられている。このブラケット取付具36は、燃料給油装置19のホース接続口24に対向する位置で、右サイドフレーム5G上にボルトや溶接等により固定されている。
図8に示すように、ブラケット取付具36は、右サイドフレーム5Gの上面から上方に向けて立設するコ字状の立設部36Aと、立設部36Aの前,後方向の中間部に位置して立設部36Aの上端から作動油タンク11側に向けて折曲られた折曲部36Bと、折曲部36Bの前,後方向に位置して立設部36Aの上端から下方に向けてU字状に窪む凹部36Cとにより構成されている。折曲部36Bは、後述のホース巻取りブラケット37の係合部47の掛止棒状体47Bが掛止めされ、各凹部36Cには、係合部47の各延出棒状体47Aがそれぞれ挿通する。
次に、燃料供給ホース48を巻付けるホース巻取りブラケット37について説明する。なお、ホース巻取りブラケット37は、右サイドフレーム5Gに取付けた状態(図4、図5の状態)で、図4、図5中の紙面右側を前方(前側)とし、紙面上側を上方(上側)として説明する。
ホース巻取りブラケット37は、外部の燃料貯蔵源Dと燃料給油装置19との間を接続する後述の燃料供給ホース48が巻付けられるものである。このホース巻取りブラケット37は、燃料供給ホース48を持ち運び易くするものであると共に、物品収容ケース34内(物品収容空間S)に燃料供給ホース48をコンパクトに収納するためのものである。また、ホース巻取りブラケット37は、燃料供給ホース48を燃料給油装置19のホース接続口24に容易に接続することができるように、ブラケット取付具36に取付けられる(掛止めされる)ものである。
そして、図10に示すように、ホース巻取りブラケット37は、板状のベース部材38と、基端側がベース部材38の表面38A1に固着されベース部材38から離間する方向に延び燃料供給ホース48が巻付けられる巻付部46と、基端側がベース部材38の裏面38B1に固着されベース部材38から離間する方向に延びブラケット取付具36に係合する係合部47とを含んで構成されている。
ベース部材38は、表面38A1側に燃料供給ホース48が配設され裏面38A2側に右サイドフレーム5Gの側面が当接する縦板部38Aと、縦板部38Aの上端から左側(ブラケット取付具36側)に向けて折曲られた上側折曲部38Bと、縦板部38Aの下端から右側(ブラケット取付具36とは反対側)に向けて折曲られた下側折曲部38Cとにより構成されている。
縦板部38Aの表面38A1の後上端側には、右側に向けてL字状に屈曲するL字板39が溶接等により固着されている。このL字板39の先端側(右端側)の前面39Aには、燃料貯蔵源Dに挿入される燃料供給ホース48の吸込筒部48Bを保持する保持部40が設けられている。一方、L字板39の先端側(右端側)の後面39Bには、ホース巻取りブラケット37を持ち運ぶときに把持することができる棒状の把持部41が設けられている。また、縦板部38Aの表面38A1の前端側には、ホース巻取りブラケット37を持ち運ぶときに把持することができる棒状の把持部42が設けられている。
一方、縦板部38Aの裏面38A2には、ゴム材料等により板状に形成されたクッション材43が固着されている。このクッション材43は、ホース巻取りブラケット37をブラケット取付具36に取付けたときに、右サイドフレーム5Gの側面に当接する保護部材である。
上側折曲部38Bには、ホース巻取りブラケット37を右サイドフレーム5Gに取付けるときに、ブラケット取付具36に係合させる後述の係合部47が設けられている。そして、図7に示すように、係合部47をブラケット取付具36に係合させたときに、上側折曲部38Bの裏面38B1が右サイドフレーム5Gの上面に対面する。
図10に示すように、下側折曲部38Cの上面38C1の後端側には、燃料給油装置19のホース接続口24に接続される燃料供給ホース48の継手部48Aを収納する収納筒部44が溶接等により固着されている。一方、下側折曲部38Cの下面38C2には、ゴム材料等により板状に形成されたクッション材45が固着されている。このクッション材45は、ホース巻取りブラケット37を物品収容ケース34内に収納したときに、物品収容ケース34の底部に当接する保護部材である。
巻付部46は、縦板部38Aの表面38A1から右側(ベース部材38から離間する方向)に向けて延びている。この巻付部46は、後述の燃料供給ホース48を巻付けるもので、ベース部材38の縦板部38Aの上端側に設けられた上側巻付部46Aと、上側巻付部46Aよりも下方に位置してベース部材38の縦板部38Aに設けられた下側巻付部46Bとにより構成されている。即ち、上側巻付部46Aと下側巻付部46Bとは、上,下方向に対向して設けられている。
図10に示すように、上側巻付部46Aは、縦板部38Aの表面38A1に溶接等により固着された前,後の固着部46A1と、各固着部46A1から右側に向けて延びる前,後の巻付棒状体46A2と、各巻付棒状体46A2の先端側から上方に向けて屈曲して前,後の巻付棒状体46A2を接続しホース巻取りブラケット37を持ち運ぶときに把持可能な把持部46A3とにより構成されている。
一方、下側巻付部46Bは、縦板部38Aの表面38A1に溶接等により固着された前,後の固着部46B1と、各固着部46B1から右側に向けて屈曲して延びる前,後の巻付棒状体46B2と、各巻付棒状体46B2の先端側から下方に向けて屈曲して前,後の巻付棒状体46B2を接続しホース巻取りブラケット37を持ち運ぶときに把持可能な把持部46B3とにより構成されている。上側巻付部46Aの前,後の巻付棒状体46A2と下側巻付部46Bの前,後の巻付棒状体46B2とは、後述の燃料供給ホース48を巻付けるのに十分な長さ寸法となっている。
係合部47は、ベース部材38の上側折曲部38Bに設けられている。この係合部47は、ホース巻取りブラケット37を右サイドフレーム5Gに取付けるときに、ブラケット取付具36に係合させて掛止めするものである。また、係合部47は、ホース巻取りブラケット37を物品収容ケース34内に収容するときに、物品収容ケース34内の保持具35に係合させて掛止めするものである。
そして、係合部47は、基端側47A1が上側折曲部38Bの裏面38B1に溶接等により固着され左側(ブラケット取付具36側)に向けて延びる前,後の延出棒状体47Aと、各延出棒状体47Aの先端側を接続しブラケット取付具36に掛け止めされる掛止棒状体47Bとによりコ字状の棒状体として形成されている。
前,後の延出棒状体47Aは、ブラケット取付具36の凹部36Cにそれぞれ対応する位置に形成され、掛止棒状体47Bとベース部材38の上側折曲部38Bとの間には、挿入開口47Cが形成されている。そして、図7、図8に示すように、ホース巻取りブラケット37は、挿入開口47Cの下側からブラケット取付具36の折曲部36Bを挿入して掛止棒状体47Bを折曲部36Bに掛止めすることにより、右サイドフレーム5Gに取付けられる。
燃料供給ホース48は、燃料給油装置19のホース接続口24と燃料貯蔵源Dとの間を接続して燃料タンク12に燃料を供給するときに用いるものである。この燃料供給ホース48は、例えば樹脂材料により形成された可撓性および耐圧性を有する管体で、一端側(基端側)には、ホース接続口24に接続される継手部48Aが設けられ、他端側(先端側)には、燃料貯蔵源Dに挿入される吸込筒部48Bが設けられている。
図8に示すように、燃料供給ホース48は、上側巻付部46Aと下側巻付部46Bとの間で巻回されることにより、ホース巻取りブラケット37に保持される。この場合、継手部48Aは、ベース部材38の下側折曲部38Cに設けられた収納筒部44内に収納される。一方、吸込筒部48Bは、L字板39の先端側に設けられた保持部40に保持される。
本実施の形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次にその動作について説明する。
キャブ10に搭乗したオペレータは、エンジン7を始動して油圧ポンプ9を駆動する。この状態で、走行用のレバーを操作することにより、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、作業用のレバーを操作することにより、フロント装置4を俯仰動させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
燃料タンク12に燃料を補給する場合には、図示しない給油車により燃料タンク12の給油口13から燃料を供給することができる。また、給油車が立ち入ることができない作業現場等では、油圧ショベル1に搭載された燃料給油装置19を用いて外部の燃料貯蔵源D(ドラム缶等)から燃料タンク12に燃料を供給することができる。
具体的には、物品収容ケース34の上蓋34Aを開けて、物品収容ケース34内(物品収容空間S)に収納されているホース巻取りブラケット37を取出し、ホース巻取りブラケット37を右前側面カバー32の近くまで持ち運ぶ。ホース巻取りブラケット37の巻付部46には、燃料供給ホース48がコンパクトに巻付けられており、また把持部41,42,46A3,46B3を把持しながらホース巻取りブラケット37を持ち運ぶことができるので、作業者は効率よく燃料供給ホース48を持ち運ぶことができる。
そして、図7、図8に示すように、右前側面カバー32を開けて、ブラケット取付具36の折曲部36Bにホース巻取りブラケット37の係合部47を挿入開口47Cの下側から挿入して、係合部47の掛止棒状体47Bを折曲部36Bに掛止めする。この場合、ホース巻取りブラケット37の縦板部38Aの裏面38A2に設けられたクッション材43が右サイドフレーム5Gの側面に当接する。これにより、ホース巻取りブラケット37は、右サイドフレーム5G(旋回フレーム5の側部)に安定した状態で取付けられる。
次に、燃料供給ホース48の継手部48Aを収納筒部44から取外して、燃料給油装置19のホース接続口24に接続する。この場合、ブラケット取付具36は、ホース接続口24に対向して配置されているので、ホース巻取りブラケット37はホース接続口24の近傍に配設される。
これにより、燃料供給ホース48の継手部48Aを収納筒部44から取外した(引抜いた)長さ分だけで、そのままホース接続口24に継手部48Aを接続させることができる。即ち、燃料供給ホース48の全てをホース巻取りブラケット37の巻付部46から取外すことなく、継手部48Aをホース接続口24に接続させることができるので、継手部48Aをホース接続口24に接続する作業の作業性を向上することができる。
そして、燃料供給ホース48の吸込筒部48Bをホース巻取りブラケット37の保持部40から取外すと共に、必要分の燃料供給ホース48を巻付部46から取外して、吸込筒部48Bを燃料貯蔵源D内に挿入する。なお、図6では、燃料供給ホース48の全てをホース巻取りブラケット37の巻付部46から取外した状態を示しているが、燃料供給ホース48が長いときには、余り分をホース巻取りブラケット37に巻付けたままの状態としてもよい。これにより、燃料貯蔵源Dとホース接続口24との間で燃料供給ホース48を効率よく配設させることができるので、燃料供給作業の作業性を向上することができる。
そして、動作スイッチ22のオンスイッチ22Aを操作することにより、燃料供給ポンプ20を駆動させることができる。これにより、燃料貯蔵源D内の燃料は、燃料供給ホース48に吸込まれて、燃料供給ポンプ20および燃料フィルタ21を介して燃料タンク12の供給管路接続口14から燃料タンク12内に供給される。
そして、動作スイッチ22のオフスイッチ22Bを操作することにより、燃料供給ポンプ20の駆動を停止させることができる。また、ケーブル23に接続された燃料タンク12内のレベルセンサが燃料の液面の上限(満タン)を検知すると、動作スイッチ22が自動的に切られ燃料供給ポンプ20の駆動が停止される。
燃料貯蔵源Dから燃料タンク12への燃料供給が終了した場合には、燃料供給ホース48をホース巻取りブラケット37の巻付部46に巻付けて、継手部48Aを収納筒部44内に収納させると共に、吸込筒部48Bを保持部40に保持させる。そして、ホース巻取りブラケット37の係合部47をブラケット取付具36から取外して、ホース巻取りブラケット37を物品収容ケース34内に収納する。これにより、ホース巻取りブラケット37(燃料供給ホース48)は、使用しないときには上部旋回体3の旋回範囲内に形成され、油圧ショベル1の走行、掘削作業時に邪魔にならない物品収容ケース34内に収納することができる。
かくして、本実施形態では、自走可能な下部走行体2と、前記下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とからなり、前記上部旋回体3は、旋回フレーム5と、前記旋回フレーム5上に設けられ燃料を貯える燃料タンク12と、前記燃料タンク12に隣接して設けられ前記燃料タンク12に給油を行う燃料給油装置19とが備えられた建設機械において、外部の燃料貯蔵源Dと前記燃料給油装置19との間を接続する燃料供給ホース48が巻付けられたホース巻取りブラケット37を有し、前記旋回フレーム5の側部の前記燃料給油装置19に対応する位置に前記ホース巻取りブラケット37を取付けるためのブラケット取付具36が設けられている。
これにより、燃料貯蔵源D内の燃料を燃料タンク12内に供給するときには、燃料供給ホース48が巻付けられたホース巻取りブラケット37を、燃料給油装置19に対応する位置に設けられたブラケット取付具36に取付けることができるので、燃料供給ホース48を用いた燃料供給作業の作業性を向上することができる。
また、前記旋回フレーム5の前端には、前記燃料タンク12よりも前側に位置して内部に物品を収容するための物品収容ケース34が備えられ、前記ホース巻取りブラケット37は、前記物品収容ケース34内に取出し可能に収納されている。
これにより、燃料供給ホース48を使用しないときには、燃料供給ホース48が巻付けられたホース巻取りブラケット37を油圧ショベル1の走行、掘削作業時に邪魔にならない物品収容ケース34内に収納することができる。また、燃料供給ホース48を使用するときには、物品収容ケース34からホース巻取りブラケット37を簡単に取出すことができる。
また、前記燃料給油装置19は、前記燃料供給ホース48が接続されるホース接続口24を有し、前記ブラケット取付具36は、前記ホース接続口24に対向して配置されている。これにより、ホース巻取りブラケット37をブラケット取付具36に取付けたときに、燃料供給ホース48の継手部48Aをホース接続口24に簡単に取付けることができるので、燃料供給作業の作業性を向上することができる。
また、前記ホース巻取りブラケット37は、板状のベース部材38と、基端側が前記ベース部材38の表面38A1に固着され前記ベース部材38から離間する方向に延び前記燃料供給ホース48が巻付けられる巻付部46と、基端側が前記ベース部材38の裏面38B1に固着され前記ベース部材38から離間する方向に延び前記ブラケット取付具36に係合する係合部47とが備えられている。これにより、燃料供給ホース48は、ホース巻取りブラケット37の巻付部46にコンパクトに巻付けることができる。また、燃料供給ホース48を巻付けたホース巻取りブラケット37の係合部47を簡単にブラケット取付具36に係合させることができ、必要分の燃料供給ホース48をホース巻取りブラケット37の巻付部46から取出すことができる。
また、前記ホース巻取りブラケット37の巻付部46は、前記ベース部材38の上端側に設けられた上側巻付部46Aと、前記上側巻付部46Aよりも下方に位置して前記ベース部材38に設けられた下側巻付部46Bとからなり、前記上側巻付部46Aと前記下側巻付部46Bとの先端側は、前記ホース巻取りブラケット37を持ち運ぶときの把持部46A3,46B3となっている。
これにより、燃料供給ホース48は、上側巻付部46Aと下側巻付部46Bとの間に安定した状態で巻付けることができる。また、把持部46A3,46B3により、ホース巻取りブラケット37(燃料供給ホース48)の持ち運びを簡単に行うことができるので、燃料供給作業の作業性を向上することができる。
なお、上述した実施形態では、ブラケット取付具36を右サイドフレーム5G上に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばブラケット取付具36を作動油タンク11の下面板、右張出しビーム5E、右縦板5Cと右サイドフレーム5Gとの間に設けられたアンダカバー(図示せず)に設けてもよい。
また、上述した実施形態では、1個のブラケット取付具36を右サイドフレーム5G上に設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばブラケット取付具をホース巻取りブラケット37の前,後の延出棒状体47Aに対応させた位置に分割して設けてもよい。
また、上述した実施形態では、ホース巻取りブラケット37の巻付部46を上側巻付部46Aと下側巻付部46Bとにより構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば巻付部46は、上側巻付部46Aのみでもよいし、3個以上の巻付部を設けてもよい。
また、上述した実施形態では、燃料給油装置19のホース接続口24を作動油タンク11に取付けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホース接続口24を右張出しビーム5E上や右サイドフレーム5G上に設けてもよい。
また、本実施形態では、建設機械として、クローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。