JP6764739B2 - 共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、共役ジエン重合体の製造方法に関する。
共役ジエン単量体を製造する方法においては、一般的に、溶液重合後に得られる共役ジエン重合体と溶剤との混合物を、大量のスチームと接触させて、混合物中の溶剤を蒸発させる、すなわち脱揮する工程を行う。
また、共役ジエン重合体と溶剤との混合物にスチームを直接接触させることなく、混合物中の溶剤を脱揮する方法も知られている。例えば、二軸押し出し機、ニーダー等のスクリューを有する装置を用いて、そのスクリューで混合物を搬送しつつ加熱し、溶剤を脱揮する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、前記スクリューを有する装置のベント部に重合体戻し手段を設置し、飛来する重合物をスクリュー内部へ押し戻して溶剤の脱揮を行う方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらにまた、付着性の強い共役ジエン重合体であっても付着しにくいガイドパーツを用いて溶剤の脱揮を行う方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−116025号公報 特開2003−251626号公報 特願2015−040240号公報
しかしながら、共役ジエン重合体と溶剤との混合物を大量のスチームと接触させる方法においては、大量のスチームを消費するため、多大なエネルギーを要すること、並びに、脱揮後の共役ジエン重合体に残存する水分に起因して、その水分を除去するために必要な工程が多く、そこでのエネルギー消費量が多いこと、及び共役ジエン重合体の最終製品が運搬中に容器に結露すること、という問題を有している。
また、上記特許文献1に記載の方法においては、微細な共役ジエン重合体の重合物が、二軸を有する装置のベント部に付着したり蓄積したりするため、装置を長期間運転することにより、ベントが閉塞する。ベントが閉塞した場合は、装置の運転を停止し、多大な労力と時間とをかけて付着物を除去する必要があるため、生産効率は低下するという問題を有している。
さらに、上記特許文献2に記載の方法においては、付着性の強い共役ジエン重合体を用いた場合、重合体戻し手段に少なからず付着物が蓄積し、熱履歴によって付着物が劣化及び変質する。劣化した付着物はスクリュー内部に落下する場合があり、落下した付着物に起因して、最終的に得られる共役ジエン重合体の分子量が低下したり、共役ジエン重合体への異物混入が生じたりし、品質低下を招来する懸念がある。
さらに、上記特許文献3に記載の方法においては、ガイドパーツの表面を被覆している素材が、装置を長期間運転することにより蓄熱して変形・剥離する場合があり、最終的に得られる共役ジエン重合体への異物混入が生じたりし、品質低下を招来する懸念がある。
そこで、本発明は、スクリューを有する装置が備えるガイドパーツに対する共役ジエン重合体の付着を抑制し、かつ、付着した共役ジエン重合体の熱劣化を抑制することのできる、共役ジエン重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、共役ジエン重合体と溶剤とを含む混合物を製造する工程と、二軸のスクリューを有する装置を用いて、溶剤を脱揮する脱揮工程と、を有し、前記装置が特定のガイドパーツを備えるものとして共役ジエン重合体を製造することにより、前記装置が備えるガイドパーツに対する共役ジエン重合体の付着を抑制しつつ、付着した共役ジエン重合体の熱劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
共役ジエン重合体と溶剤とを含む混合物を製造する工程(1)と、
二軸のスクリューを有する装置を用いて、前記混合物から直接溶剤を蒸発させて除去す
る工程(2)と、を、有する、共役ジエン重合体の製造方法であって、
前記二軸のスクリューを有する装置は、前記スクリューを覆うスクリューバレル、当該
スクリューバレルの内側の空間に接続するベント口、及び前記スクリューバレルのスクリ
ュー配置側の面に対向する装置内壁面に設けられたガイドパーツを具備しており、
前記ガイドパーツが、前記スクリュー側面に対向した位置に設けられているスクリュー側面ガイドパーツであり、
当該ガイドパーツは、前記混合物が接触する面が曲面を有しており、
前記ガイドパーツの曲面の円弧半径R、前記スクリューバレルの円弧半径rとが、R>
rの関係を有しており、
前記ガイドパーツの曲面が、前記スクリューと前記装置内壁面との境界部に設置され、これにより、前記二軸のスクリューを有する装置内への付着物の蓄積の抑制を図る、
共役ジエン重合体の製造方法。
〔2〕
前記ガイドパーツの円弧半径Rと、前記スクリューバレルの円弧半径rとが、
1.1≦R/r≦1.5の関係を有している、
前記〔1〕に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
〔3〕
記曲面は、異なるパーツ間の繋ぎ目での段差が3mm未満であり、また同一パーツ内
での段差や凹凸が1mm未満である、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
本発明によれば、スクリューを有する装置が備えるガイドパーツに対する共役ジエン重合体の付着を抑制でき、かつ、付着した共役ジエン重合体の熱劣化を抑制することができる。
本実施形態の二軸のスクリューを有する装置の一例の模式的縦断面図を示す。 本実施形態の二軸のスクリューを有する装置の一例の模式的横断面図を示す。 本実施形態の二軸のスクリューを有する装置の他の一例の模式的縦断面図を示す。 本実施形態の二軸のスクリューを有する装置の他の一例の模式的横断面図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に制限する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔共役ジエン重合体の製造方法〕
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法は、
共役ジエン重合体と溶剤とを含む混合物を製造する工程(1)と、
二軸のスクリューを有する装置を用いて、前記混合物から直接溶剤を蒸発させて除去する工程(2)と、
を、有する。
前記二軸のスクリューを有する装置は、前記スクリューを覆うスクリューバレル、当該スクリューバレルの内側の空間に接続するベント口、及び前記スクリューバレルのスクリュー配置側の面に対向する装置内壁面に設けられたガイドパーツを具備しており、
当該ガイドパーツは、前記混合物が接触する面が曲面を有しており、
前記ガイドパーツの曲面の円弧半径R、前記スクリューバレルの円弧半径rとが、
R>rの関係を有している。
(共役ジエン重合体と溶剤を含む混合物を製造する工程(1))
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法における、前記工程(1)は、共役ジエン重合体と溶剤とを含む共役ジエン重合体溶液を製造するものであればよく、以下のものに限定されないが、例えば、共役ジエン重合体の原料となる単量体(以下、「共役ジエン単量体」という。)を溶剤に溶解し、溶液重合で重合する方法、及び公知の方法が挙げられる。
前記工程(1)で製造される混合物は、少なくとも共役ジエン重合体と溶剤とを含む。
例えば、溶液重合で共役ジエン単量体を重合した結果、残存する溶剤中に共役ジエン重合体が存在している混合物が挙げられる。
ここで、混合物中の共役ジエン重合体は、溶剤に全て溶解している状態でなくともよく、全てが溶解している状態、一部が溶解している状態、及び溶解せずに溶剤に分散している状態のものが含まれる。
また、混合物中に、共役ジエン単量体が含まれていてもよい。
<共役ジエン重合体>
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法により得られる共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体を重合することによって得られる重合体であればよく、単独重合体であっても、共重合体であってもよい。
共役ジエン単量体としては、重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
共役ジエン単量体は、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、重合後の共役ジエン重合体の末端の変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の合計含有量は、共役ジエン単量体の総量に対して、200質量ppm以下であることが好ましく、100質量ppm以下であることがより好ましく、50質量ppm以下であることがさらに好ましい。
アレン類としては、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエンが挙げられ、アセチレン類としては、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレンが挙げられる。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法により得られる共役ジエン重合体は、前記共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体であってもよい。
芳香族ビニル単量体は、共役ジエン単量体と共重合可能な単量体であれば以下のものに限定されず、例えば、スチレン、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ジビニルベンゼンが挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。
これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
共役ジエン重合体が共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体である場合、品質管理の観点から、共役ジエン重合体中の芳香族ビニル単量体単位は、共役ジエン重合体100質量%に対して、3質量%以上97質量%以下含まれていることが好ましく、5質量%以上95質量%以下含まれていることがより好ましい。
芳香族ビニル単量体単位の含有量は、後述する〔実施例〕に記載する結合スチレン量を測定する方法に準じて、用いる共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とに合わせて測定することができる。
品質管理の観点から、共役ジエン重合体の結合様式の総量に対して、1,2−結合及び3,4−結合の含有量(ビニル結合量)は、5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。ビニル結合量は、後述する〔実施例〕に記載の方法により測定することができる。
共役ジエン重合体が共重合体である場合、共役ジエン重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。これらの共重合体鎖中の各単量体の組成分布としては、以下のものに限定されないが、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成分布に勾配があるテーパー(勾配)ランダム共重合体が挙げられる。
共役ジエン重合体の結合様式、すなわち1,4−結合、1,2−結合等の組成は、分子鎖によって均一であってもよいし、異なっていてもよい。
ブロック共重合体としては、以下のものに限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体が挙げられる。
ここで、スチレン等の芳香族ビニル単量体からなるブロックをSで表し、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン単量体からなるブロック及び/又は芳香族ビニル単量体と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
上記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。
例えば、ブロックBが芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。
また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。
さらに、ブロックBに、芳香族ビニル単量体の含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。
共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量、組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
品質管理の観点から、本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法により得られる共役ジエン重合体の重量平均分子量(Mw)は、5万以上200万以下であることが好ましく、10万以上180万以下であることがより好ましい。また、同様の観点から、共役ジエン重合体の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量、Mw/Mn)は、1.0以上3.0以下であることが好ましく、1.5以上2.5以下であることがより好ましい。
重量平均分子量及び分子量分布は、後述する〔実施例〕に記載の方法により測定することができる。
品質管理の観点から、本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法により得られる共役ジエン重合体のムーニー粘度は、20以上150以下であることが好ましく、30以上130以下であることがより好ましい。ムーニー粘度は、後述する〔実施例〕に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法においては、工程(1)で重合開始剤を用いてもよい。
重合開始剤としては、共役ジエン単量体を重合する開始剤であれば特に限定されないが、アニオン重合開始剤であることが好ましい。
アニオン重合開始剤の中でも、安定性及び取扱い性の観点から、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属のアルキル化合物がより好ましく、さらにこれらの中でも、重合効率の観点から、有機リチウムがさらに好ましい。
重合開始剤として用いる有機リチウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、低分子化合物又は可溶化したオリゴマーの有機リチウムが挙げられる。
また、有機リチウムが有する有機基とリチウムとの結合様式で分類した有機リチウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、炭素−リチウム結合からなる有機リチウム、窒素−リチウム結合からなる有機リチウムが挙げられる。
炭素−リチウム結合を有する有機リチウムとしては、以下のものに限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムが挙げられる。
窒素−リチウム結合からなる有機リチウムとしては、以下のものに限定されないが、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジ−n−ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリドが挙げられる。
有機リチウムとしては、上述の単官能基を有するモノ有機リチウムだけでなく、多官能基を有する多官能有機リチウムも挙げられる。モノ有機リチウム及び多官能有機リチウムは、1種のみならず2種以上を併用してもよい。
多官能有機リチウムとしては、以下のものに限定されないが、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンとの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエンとジビニルベンゼンとの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物との反応物が挙げられる。
また、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機リチウムも挙げられる。
上述した有機リチウムの中では、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムがより好ましい。これらの有機リチウムは、1種のみならず2種以上の混合物として用いてもよい。
有機リチウムを重合に用いる際は、取扱い性及び重合溶液への分散性を良くするために、炭化水素溶剤に希釈して溶液にしたものを用いることが好ましい。
炭化水素溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、C4〜C8の炭化水素溶剤、トルエン、キシレンが挙げられる。
炭化水素溶剤は、環式でもよく、不飽和結合又は分岐構造を含んでいてもよい。炭化水素溶剤は、沸点又は蒸気圧が製造工程上取り扱いやすいことから、C5、C6の炭化水素溶剤がより好ましく、具体的には、ペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンがさらに好ましい。
有機リチウムを上記炭化水素溶剤に希釈したときの濃度は、重合開始効率とモノマーとの均一混合性の観点から、0.01質量%以上1.0質量%以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上0.8質量%以下である。
共役ジエン重合体を製造する工程(1)の重合反応は、溶剤(以下、「重合反応用溶剤」ともいう。)中で重合する溶液重合の反応が好ましい。
重合反応用溶剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶剤が挙げられる。
炭化水素系溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;それらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類及びアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、重合後に変性反応を行う場合には高い変性率が達成される傾向にあるため、好ましい。
共役ジエン重合体を製造する工程(1)においては、極性化合物を添加してもよい。
極性化合物は、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させるためにも用いることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物が挙げられる。
これらの極性化合物は、それぞれ1種のみならず2種以上を併用してもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができるが、重合開始剤1モルに対して、0.01モル以上100モル以下であることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は、共役ジエン重合体の共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量を用いることができる。
多くの極性化合物は、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整剤及びスチレンブロック量の調整剤としても用いることができる。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法が挙げられる
共役ジエン重合体を重合する工程(1)における重合温度は、重合が進行する温度であれば特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合中の失活を抑制する観点から、120℃以下であることが好ましい。
また、工程(1)において、共役ジエン系重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐をコントロールするためのジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
加硫物性の観点からは、本実施形態の製造方法により得られる共役ジエン重合体は、グリシジル基又はアルコキシシリル基の官能基を有する化合物で、変性されていることが好ましい。
上述のような方法で共役ジエン重合体を得た後、さらに、共役ジエン重合体の活性末端に、グリシジル基又はアルコキシシリル基を有する化合物を反応させることで、共役ジエン重合体を変性させることができる。
グリシジル基を有する化合物として、以下のものに限定されないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;4,4’−ジグリシジル−ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物が挙げられる。
グリシジル基を有する化合物の中では、分子中に2個以上のグリシジル基及び1個以上の窒素含有基を有する多官能化合物が好ましい。加硫物性の観点から、下記の一般式(1)で表される多官能化合物がより好ましい。
式(1)中、R1及びR2は、各々独立して、炭素数1〜10のアルキル基、或いは、エーテル基及び/又は3級アミン基を有する炭素数1〜10のアルキル基を表す。
3及びR4は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、或いは、エーテル基及び/又は3級アミン基を有する炭素数1〜20のアルキル基を表す。
5は、炭素数1〜20のアルキル基、又は、エーテル基、3級アミン基、エポキシ基、カルボニル基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する炭素数1〜20のアルキル基を表す。
nは、1〜6の整数を表す。nが2以上の整数である場合のR1〜R4がそれぞれ複数存在する場合、R1〜R4は、各々独立しており、これらは同一であっても異なっていてもよい。
式(1)で表される多官能化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが挙げられる。
当該多官能化合物は、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物がより好ましい。
また、当該多官能化合物は、分子内のエポキシ基を2個以上有しており、3個以上有していることが好ましく、4個以上有していることがさらに好ましい。
アルコキシシリル基を有する化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、ジメトキシジメチルシラン、キシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、トリフェノキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)エチルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)ビニルシラン、トリフェノキシフェニルシラン、テトラフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、フェノキシジビニルクロロシラン、メトキシジエチルクロロシラン、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジフェノキシフェニルヨードシラン、ジエトキシメチルクロロシラン、ジメトキシエチルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシラン、トリス(2−エチルヘキシルオキシ)クロロシラン、フェノキシメチルジクロロシラン、メトキシエチルジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン、フェノキシフェニルジヨードシラン、フェノキシジクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ビス(2−メチルブトキシ)ジブロモシランが挙げられる。
アルコキシシリル基を有する化合物の中では、加硫物性の観点から、分子内にN原子と複数個のアルコキシシリル基とを有する、下記の一般式(2)で表される化合物が好ましい。
式(2)中、R1及びR2は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。
3及びR4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
5は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、隣接する窒素原子と珪素原子とともに5員環以上の環構造をなし、R6は、炭素数1〜20のアルキル基、活性水素原子を有しない且つヘテロ原子で置換されている炭素数1〜20のアルキル基、又は有機置換シリル基を表す。
mは、1又は2の整数を表し、nは、2又は3の整数を表す。
m及びnの数によりR1〜R4がそれぞれ複数存在する場合のR1〜R4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
式(2)で表される化合物としては、以下のものに限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが挙げられる。これらの化合物の中でも、化合物の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点、及び加工性の観点から、mが2、nが3であるものが好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンがより好ましい。
共役ジエン重合体を重合する工程(1)の終了後に、反応溶液に必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。
失活剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールが挙げられる。
中和剤としては、以下のものに限定されないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等のカルボン酸;無機酸の水溶液、炭酸ガスが挙げられる。
重合後のゲル生成をより抑制する観点、及び加工時の安定性を向上させる観点から、得られた共役ジエン重合体に対して、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。
ゴム用安定剤としては、以下のものに限定されず公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノールの酸化防止剤が好ましい。
本実施形態の共役ジエン重合体に製造方法における、工程(1)で得られる共役ジエン重合体と溶剤との混合物は、オイルを含むことが好ましい。
オイルとしては、以下のものに限定されないが、例えば、アロマチック系、ナフテン系、パラフィン系オイル、MES(Mild Extracted Solvates )、T−DAE(Treated−Distilled Aromatic Extracts)が挙げられ、これらの中でも、250℃以上の高沸点であるオイルがより好ましい。
これらのオイルは、後述する脱揮工程において、共役ジエン重合体と溶剤との混合物から溶剤を脱揮した際にも、脱揮されずに共役ジエン重合体と共に残存する。
残存したオイルは、共役ジエン重合体を他の材料と混合加工する際に加工性を改良する効果を有する。
これらのオイルは、一般的にゴム伸展油と呼ばれている。
重合体と溶剤の混合物にオイルを配合する際のオイルの配合量は、共役ジエン重合体100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、15質量部以上40質量部以下であることがさらに好ましい。
配合量が5質量部以上であることで、加工性の改良効果が発現される傾向にある、100質量部以下であることで、共役ジエン重合体の架硫物の機械特性が優れる傾向にある。
品質管理の観点から、脱揮工程後における、オイルが含まれる共役ジエン重合体のムーニー粘度は、20以上120以下であることが好ましく、30以上100以下であることがより好ましい。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法における、工程(1)で得られる共役ジエン重合体と溶剤との混合物は、例えば、上述したように共役ジエン単量体を重合反応用溶剤中で重合した結果、製造されるものである。
また、共役ジエン重合体と溶剤との混合物は、後述する脱揮工程以外の別の方法による溶剤を脱揮する工程を経ていてもよく、例えば、重合後にフラッシュ乾燥等の手段を用いて濃縮したものを用いて脱揮されていてもよい。
<溶剤>
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法における、工程(1)で得られる、共役ジエン重合体との混合物を構成する溶剤は、上述した重合反応用溶剤には限定されないが、該重合反応用溶剤と同様のものが挙げられる。
例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶剤が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;これらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
共役ジエン重合体と溶剤との混合物には、重合開始剤等を希釈する溶媒、重合工程で添加される極性化合物、重合終了時に添加される失活剤、中和剤、ゴム用安定剤、酸化防止剤をさらに含んでいてもよい。
また、これら以外に、共役ジエン重合体と溶剤の混合物は、共役ジエン重合体を溶解可能な溶剤と混合させることで調整してもよい。
さらに、共役ジエン重合体と溶剤との混合物中で、共役ジエン重合体は、溶剤に溶解していても分離していてもよい。
共役ジエン重合体と溶剤との混合物に占める溶剤組成は、1.0質量%以上99質量%以下であることが好ましく、30質量%以上93質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上90質量%以下であることがさらに好ましい。また、共役ジエン重合体と溶剤との混合物中の共役ジエン重合体の濃度は、混合物の流動性の観点から、5.0質量%以上95質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
共役ジエン重合体と溶剤の混合物の粘度は、特に限定されないが、供給時の取扱い性の観点から、0.01Pa・s以上100,000Pa.s以下が好ましく、スクリュー搬送性の観点から、10Pa・s以上10,000Pa.s以下であることがより好ましい。
(混合物から溶剤を蒸発させて除去する工程(2))
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法においては、前記混合物から溶剤を蒸発させて除去する工程(2)を有する。
この溶剤の除去工程は、いわゆる脱揮工程であり、当該脱揮工程は、上述した共役ジエン重合体と溶剤の混合物を製造する工程(1)で得た共役ジエン重合体と溶剤との混合物を、二軸のスクリューを有する装置を用いて、溶剤を脱揮する工程である。
ここで、当該装置が有する二軸のスクリューを回転させることで、二軸のスクリューで当該混合物を搬送しながら加熱することで、溶剤を揮発し、共役ジエン重合体を単離することが好ましい。
溶剤を脱揮する工程は、脱揮工程のみであってもよいし、製造工程の前及び脱揮工程の後に別の方法により溶剤を脱揮する工程を含んでもよい。また、製造工程の後且つ脱揮工程の前に、脱揮工程以外の別の方法により溶剤を脱揮する工程を行ってから、脱揮工程でさらに溶剤を脱揮し、共役ジエン重合体を単離してもよい。
<二軸のスクリューを有する装置>
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法における、工程(2)で用いる二軸のスクリューを有する装置としては、特に限定されないが、回転する二軸のスクリューを有する装置が好ましい。
本実施形態において用いる二軸のスクリューを有する装置は、スクリューを覆うスクリューバレル、当該スクリューバレルの内側の空間に接続するベント口、及び前記スクリューバレルのスクリュー配置側の面に対向する装置内壁面に設けられたガイドパーツを有している。
回転する二軸のスクリューを有する装置としては、樹脂混練に用いる押出機型、ニーダー型、これらに類似した構造のものであれば特に限定されない。
スクリューの形状は、通常のフライトスクリューの他、シールリング、ディスク、ローター、逆行フライト等から適宜選定し、必要に応じて組み合わせてよい。
また、スクリューは、軸芯を平行にして互いに噛合っていても、噛み合わなくてもよい。
脱揮された共役ジエン重合体の残溶剤組成の観点からは、工程(2)の脱揮工程において、回転する二軸のスクリューを有する装置を二以上用いることが好ましい。
また、複数のスクリューを回転させる場合には、回転方向は同方向でも、逆方向でもよく、回転速度は同じでも異なっていてもよい。
ただし、そのスクリューに対して共役ジエン重合体が付着することを抑制する観点から、回転方向は異方向、回転速度は異速度であることが好ましい。
二軸のスクリューを有する装置は、その装置が備えるジャケットに、高温の水蒸気、オイル等の熱媒を流通させて、共役ジエン重合体と溶剤との混合物を加熱してもよい。
このときの熱媒体の温度は、脱揮する速度の観点から、50℃以上300℃以下であることが好ましく、混合物の搬送性とゲル抑制との観点から、100℃以上200℃以下であることがより好ましい。脱揮される共役ジエン重合体の温度も、これらの範囲が好ましい。ただし、共役ジエン重合体の温度は、溶剤の脱揮に伴う気化熱消費のため、熱媒体の温度より低い場合がある。
二軸のスクリューを有する装置は、脱揮された溶剤のガス成分を装置の外に排気するための、スクリューバレルの内側の空間に接続するベント口を1つ以上有している。
脱揮されたガスは、ベント口から排出された後、冷却器等で冷却及び凝縮され、液体として回収及び再利用されることもある。
ベント口に共役ジエン重合体が付着すると、排気量が低下する可能性もあるため、後述するガイドパーツ以外にも、ベント口に対する付着物を除去する装置を付けてもよい。
その装置としては、例えば、ベント口内壁面に沿って回転するスクレーパー及び回転翼が挙げられる。
なお、ベント口に対する付着物を除去する装置は、ベント口に対する付着物を強制的に剥離させるための装置であり、本実施形態において用いるガイドパーツは、ベント口への物質の飛来を防止するためのものであるため、両者は全く異なる作用効果を奏する。
二軸のスクリューを有する装置の前後又は当該装置と連続して、前記二軸のスクリューを有する装置、又は異なる機構の装置を用いる場合には、2つ以上の装置を直列に連結して、共役ジエン重合体と溶剤との混合物を連続式に送る方法、及び各装置でバッチ式に処理する方法のいずれも適用できるが、連続式に送る方法の方が、生産効率の観点から好ましい。
連続式に共役ジエン重合体と溶剤との混合物を送る装置としては、例えば、ギアポンプ等のポンプ、二軸押出機等のスクリュー型装置、コンベアが挙げられる。
2つ以上の装置を連結して連続式に脱揮する方法では、温度、圧力等の脱揮する条件は装置ごとに異なっていてもよい。
二軸のスクリューを有する装置は、工程(2)の脱揮工程における濃縮初期の段階では一般に、加熱速度が脱揮処理の律速となるため、伝熱面積の広く取れる装置が好ましい。そのために、スクリュー内部を中空状態として、そこに熱媒を通すことによって、スクリュー表面を伝熱部にすることも好ましい。
濃縮の進行に伴い、固形物が析出する場合がある。その場合は、固形物に内包された溶剤分を脱揮させるために、固形物にせん断を与え、表面更新することが好ましい。
溶剤を脱揮するときの気相部の圧力は、脱揮する速度の観点から、常圧以下であることが好ましいが、脱揮する速度と共役ジエン重合体の溶剤ガスによる同伴防止等の観点から、50torr以上700torr以下であることがより好ましい。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法における工程(2)で用いる二軸のスクリューを有する装置は、上記のように、スクリューバレルのスクリュー配置側の面に対向する装置内壁面に設けられたガイドパーツを具備している。
また、当該ガイドパーツは、前記共役ジエンと溶剤とを含む混合物が接触する面が曲面を有しており、当該曲面の円弧半径をR、スクリューバレルの円弧半径をrとして、R>r(R/r>1)である。
R>rであるガイドパーツを備える二軸のスクリューを有する装置を用いて、上述した混合物中の溶剤を脱揮することで、付着性の強い共役ジエン重合物でも、装置内への付着物の蓄積が抑制され、熱履歴による共役ジエン重合物の劣化も抑制することができる。
以下、図面を用いて本実施形態において用いる、ガイドパーツを備える二軸のスクリューを有する装置について具体的に説明するが、これらは以下のものに限られない。
図1、3は、本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法の、工程(2)で用いる二軸のスクリューを有する装置の一例の模式的縦断面図を示し、図2、4は、二軸のスクリューを有する装置の一例の模式的横断面図である。
投入口1は、共役ジエン重合体と溶剤の混合物を製造する工程(1)で得られた混合物を投入する口であり、スクリューバレルの内側の空間に接続している。
投入された混合物は、スクリュー7により搬送及び加熱されることにより、工程(2)の脱揮工程において溶剤を脱揮し、排出口8から共役ジエン重合体として排出される。
装置は、装置外壁面2と装置内壁面3とを備えており、これらの装置の壁のうち、曲面によりスクリュー7を覆う部分を特にスクリューバレルと称する。
当該スクリューバレルのスクリュー配置側の面、すなわちスクリューバレルの内壁側に対向する装置内壁面に、ガイドパーツが備えられている。
なお、本実施形態において用いる装置は、前記ガイドパーツとして、スクリュー側面に沿った位置であって、ベント口5下方に到達しない箇所に配置されているガイドパーツ6(以下、スクリュー側面ガイドパーツ6と称する)に加え、ベント口5の下方にさらにガイドパーツ9(以下、ベント口下方ガイドパーツ9と称する)が備えられていることが好ましい。
これらのスクリュー側面ガイドパーツ6及びベント口下方ガイドパーツ9は、揮発した溶剤のガスに同伴され飛来する物質が、ベント口5にまで飛来することを防ぐために、装置の内部に備えられている。
スクリュー側面ガイドパーツ6及びベント口下方ガイドパーツ9は、装置の蒸発室4内に設置されている。
スクリュー側面ガイドパーツ6は、装置の蒸発室4内にスクリュー7と平行方向に設置されることが好ましい。
また、スクリュー側面ガイドパーツ6は、全てのスクリュー7と装置内壁面3との境界部に設置しているが、一部のスクリュー7と装置内壁面3との境界部に設置してもよい。
さらに、装置内壁面3への共役ジエン重合体の付着防止の観点から、回転方向が外回転方向、すなわちスクリュー7と直行する方向からスクリュー7の断面を観察した際、互いのスクリュー7が離れようとする方向に回転しているスクリュー7と装置内壁面3との境界部に設置することがより好ましい。
ベント口下方に設けられているベント口下方ガイドパーツ9は、ベント口5とスクリュー7の中間位置に設置されることが好ましい。
蒸発室4は、装置内部のスクリュー7と装置内壁面3との間に生じる空間であり、揮発ガスに同伴される飛来物を抑制する観点から、蒸発室4の容積は大きいほど好ましいが、装置自身が大型化するため、装置の設置面積に合わせた蒸発室4の容積とすることが好ましい。
ガイドパーツは、混合物が接触する面が曲面を有しており、当該曲面の形状は、当該ガイドパーツの円弧半径をR、スクリューバレルの円弧半径をrとして、R>r(R/r>1)である。
ガイドパーツの設置方向は、特に限定されないが、ガイドパーツの曲面がスクリュー7と装置内壁面3との境界部に接するよう設置すると、効率的に装置内への付着物の蓄積を抑制することができる傾向にあるため、好ましい。また、ガイドパーツの大きさは、特に限定されないが、スクリュー7と装置内壁面3との形状に合わせて自在に設計できる。
共役ジエン重合体と溶剤を含む混合物が、ガイドパーツ6、9に接する面(接液面)が曲面で、R>r(R/r>1)であることで、スクリューに巻きついた混合物が当該ガイドパーツとスクリューバレルの隙間へ効率よく巻き込まれる。また、ガイドパーツとスクリューバレルの隙間での付着物の更新性が良化することで、付着物の熱劣化を抑制できる。ガイドパーツとスクリューバレルの円弧半径の比R/rは、R/r>1であり、R/r>1.1であることが好ましく、R/r>1.2であることがより好ましく、R/r≧1.5であることがさらに好ましい。
ガイドパーツの円弧半径Rとは、ガイドパーツの曲面を連続させてひとつの球面とした時、その球体の半径に相当する長さをいう。
スクリューバレルの円弧半径rとは、スクリューバレルを横断面方向から観察し、スクリューバレルの曲線を連続させてひとつの円とした時、その縁の半径に相当する長さをいう。
ガイドパーツの円弧半径R、スクリューバレルの円弧半径rは、それぞれ製作段階の図面上で決定され、実物の円弧半径は図面の寸法と実物を比較することで確認することができる。もしくは、後述する実施例に記載の方法により測定することもできる。
二軸のスクリューを有する装置は、上記のように、スクリュー側面ガイドパーツ6、及びベント口下方ガイドパーツ9の両方を有していることが好ましく、かかる場合、少なくともいずれかのガイドパーツが曲面を有していることが好ましい。
また、ガイドパーツ6、9の両方が曲面を有していることが好ましい。
前記ガイドパーツ6、9の曲面は、上記のように、ガイドパーツの曲面の円弧半径R、スクリューバレルの円弧半径rにおいて、R>rの関係を有している。
さらに、前記曲面は、滑らかで連続した曲面であることが好ましい。
この場合、「滑らか」とは、異なるパーツ間の繋ぎ目での段差が3mm未満であり、好ましくは2mm未満であり、さらに好ましくは1mm未満であることを意味し、「連続した曲面」とは、同一パーツ内での段差や凹凸が1mm未満であり、好ましくは0.5mm未満であり、さらに好ましくは0.05mm未満であることを意味する。
これにより、混合物が、ガイドパーツとスクリューバレルの隙間に効率よく巻き込まれるようになる。また、ガイドパーツとスクリューバレルの隙間での付着物の更新性が良化し、付着物の熱劣化を効果的に抑制できる。
ガイドパーツの材質としては、特に限定されないが、例えば、鋳鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属、アルミナセラミックス等の非金属、テフロン(登録商標)等の樹脂が挙げられる。長期運転の観点からは、剥離や変形によって最終製品へガイドパーツの一部が混入する懸念があるため、鋳鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属、アルミナセラミックス等の非金属が好ましい。ガイドパーツの製造コストの観点からは、材質は、炭素鋼等の金属が好ましい。
製造コストの観点から、二軸のスクリューを有する装置は、主たる部材をさらに備え、ガイドパーツと異なる素材で構成されていても良い。本明細書において、主たる部材とは、二軸のスクリューを有する装置を構成する部材の中で、最も容積が大きい部材である。
主たる部材としては、以下のものに限定されないが、例えば、鋳鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の金属材料、アルミナセラミックス等の非金属材料、テフロン(登録商標)等の樹脂が挙げられる。
溶剤の脱揮を促進することを目的に、ストリッピング剤を添加してもよい。ストリッピング剤としては、例えば、水、アルコール、超臨界炭酸ガスが挙げられる。
共役ジエン重合体と溶剤との混合物を、二軸のスクリューを有する装置に供給する前に加熱すると、脱揮速度が向上する傾向にあり好ましい。加熱する温度は特に限定されないが、二軸のスクリューを有する装置内の圧力における溶剤の沸点以上に溶剤を加熱すると、脱揮速度が高くなる傾向にあるため好ましい。例えば、共役ジエン重合体と溶剤との混合物中の溶剤がヘキサンで、二軸のスクリューを有する装置内の圧力が400torrの場合、400torrにおけるヘキサンの沸点は約50℃なので、混合物の温度を50℃以上に加熱するとよい。
製造工程後の共役ジエン重合体と溶剤との混合物は、二軸のスクリューを有する装置を用いる前に、二軸のスクリューを有しない、別の装置で脱揮することもできる。別の装置としては、例えば、フラッシュタンク、薄膜型濃縮器、ドラムドライヤー、撹拌翼付き濃縮容器が挙げられる。
共役ジエン重合体と溶剤との混合物を脱揮した後に、二軸のスクリューを有する装置からその装置外に出すときは、熱及び大気中の酸素による劣化を防ぐために、水若しくは不活性ガスの雰囲気下、又は減圧下の環境下であることが好ましい。
脱揮工程後の共役ジエン重合体中の残揮発分は、10質量ppm以上50,000質量ppm以下であることが、製品に加工する際の作業性の観点から好ましい。残揮発分は、重合に用いた溶剤等の原料の他、水を含んでもよい。残揮発分は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
脱揮工程後の共役ジエン重合体中のゲル分は、製品性能及び外観の観点から、5質量%以下であることが好ましい。ゲル分は、後述する実施例に記載の方法により測定する。
本実施形態の製造方法によれば、スクリューを有する装置が備えるガイドパーツに対する共役ジエン重合体の付着を抑制し、かつ、付着した共役ジエン重合体の熱劣化を抑制することができる。加えて、このようなガイドパーツを備えることに起因して、スクリューを有する装置のベント口への共役ジエン重合体の付着及び閉塞を抑制することができる。
共役ジエン重合体はベールと当業界で称される直方体に圧縮成形される。また、共役ジエン重合体は天然ゴム等のゴム材料;シリカ、カーボン等の無機材料等と配合してタイヤ、各種工業用ベルト、履物等に加工して用いることが好ましい。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本実施形態をさらに詳しく説明するが、本実施形態は以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
なお、製造例、実施例、及び比較例における各種の物性の測定及び評価は下記の方法で行った。
(物性1)結合スチレン量
共役ジエン重合体の試料を、クロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基による紫外線吸収波長(254nm付近)の吸収量により、共役ジエン重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製の商品名「UV−2450」)。また、結合スチレン量と結合ブタジエン量との合わせた量が100質量%として、結合ブタジエン量も算出した。
(物性2)ブタジエン部分のミクロ構造
共役ジエン共重合体の試料に対して、赤外分光光度計(日本分光社製の商品名「FT−IR230」)を使用して、600〜1000cm-1の範囲で赤外線スペクトルを測定した。試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いた。その結果得られた吸光度よりハンプトンの方法の計算式に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、ビニル結合量(質量%)を求めた。
(物性3)ムーニー粘度
共役ジエン共重合体の試料に対して、JIS K6300−1:2001に準拠して、100℃で1分間予熱し、4分後の粘度を測定した。
(物性4)分子量及び分子量分布
共役ジエン重合体の試料に対して、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本を連結して用いたGPCを使用して試料及び標準ポリスチレンのクロマトグラムを測定した(ガードカラム;東ソー社製の商品名「TSKguardculmn HHR−H」、カラム;東ソー社製の商品名「TSKgel G6000HHR」、「TSKgel G5000HHR」、「TSKgel G4000HHR」)。標準ポリスチレンの測定結果から検量線を作成し、これにより重量平均分子量及び分子量分布を算出した。溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。試料10mgを20mLのTHFに溶解し、これを200μLのカラムに注入して測定した。測定は、オーブン温度40℃、THFの流量1.0mL/分の条件で、東ソー社製の商品名「HLC8020」(検出器;RI)を用いて測定した。
(物性5)重合体の残揮発分量の測定
脱揮工程後に得られた共役ジエン重合体1gを、180℃、50torrの条件下で、3時間おいた。この操作による共役ジエン重合体の重量減少分(δ〔g〕)を残揮発分とし、100×δ/(1−δ)の計算式から残揮発分量(質量%)を求めた。
(物性6)ゲル含有量の測定
脱揮工程後に得られた共役ジエン重合体3gを、トルエン100gに完全に溶解させ、100メッシュのろ紙(α1〔g〕)でろ過した。ろ過後のろ紙を乾燥させ秤量し(α2〔g〕)、(100×(α2−α1)/3)の計算式からゲル含有量(質量%)を求めた。
(物性7)ガイドパーツの円弧半径Rの測定、スクリューバレルの円弧半径rとの比(R/r)の算出
ガイドパーツの曲面を輪郭形状測定機(株式会社小坂研究所製の商品名「フォームコーダーEF550−M50」)を使用して、円弧半径Rを測定し、スクリューバレルの円弧半径rとの比(R/r)を算出した。
(物性8) ガイドパーツへの付着堆積の評価
ガイドパーツへの付着堆積は、運転中の装置内部の様子をサイトグラスから目視により評価し、下記の基準により判断した。
あり:徐々に付着物堆積量の増加が認められる様子。
少量あり:一時的な付着と剥離を繰り返すが、一定量の堆積が認められる様子。
なし:一時的な付着と剥離を繰り返すが、一切の堆積が認められない様子。
全くなし:一切の付着物が認められない様子。
(物性9) 内壁への付着滞留の評価
内壁への付着滞留は、運転中の装置内部の様子をサイトグラスから目視により評価し、下記の基準により判断した。
あり:徐々に付着物堆積量の増加が認められる様子。
少量あり:一時的な付着と剥離を繰り返すが、一定量の堆積が認められる様子。
なし:一時的な付着と剥離を繰り返すが、一切の堆積が認められない様子。
(物性10) 熱劣化(ゲル)
熱劣化は、前述のゲル含有量の測定により評価し、下記の基準により判断した。
あり:ゲル含有量が1質量%以上である。
なし:ゲル含有量が1質量%未満である。
(物性11 ガイドパーツの変形)
ガイドパーツの変形は、運転終了後にガイドパーツを取り外して目視により評価し、下記の基準により判断した。
あり:削れ・凹み・ねじれが目視にて確認される。
なし:削れ・凹み・ねじれが目視にて確認されない。
(総合評価)
総合評価は、下記の基準により行った。
優:ガイドパーツへの付着堆積が全くなく、内壁への付着滞留、熱劣化(ゲル)、ガイドパーツの変形がない。
良:ガイドパーツへの付着堆積がなく、内壁への付着滞留、熱劣化(ゲル)、ガイドパーツの変形がない。
可:ガイドパーツへの付着堆積、または内壁への付着滞留、またはガイドパーツの変形があるが、熱劣化(ゲル)がない。
不可:ガイドパーツへの付着堆積、および内壁への付着滞留、およびガイドパーツの変形に関わらず、熱劣化(ゲル)がある。
〔製造例1〕 共役ジエン重合体と溶剤との混合物(A)
4枚パドルの撹拌翼を具備する10L反応器(反応器の径(D)に対する反応器の長さ(L)の比率としてL/D=4)を2つ直列に配置し、1基目を重合反応器、2基目を変性反応器とした。
予め水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを22.0g/分、スチレンを7.1g/分、n−ヘキサンを144g/分の条件で混合し、更に不純物不活性化処理用として、重合反応器に入る直前でn−ブチルリチウム(処理n−ブチルリチウム)0.10mmol/分とスタティックミキサーで混合した後、重合反応器の底部に連続的に供給し、さらにまた、極性化合物として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.040g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.210mmol/分の速度で、重合反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を90℃となるように重合反応を継続させた。
1基目から押出された重合溶液を、そのまま変性反応器に供給した。変性反応器の温度を85℃に保ち、変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.42mmol/分の速度で変性反応器の底部から添加し、変性反応を実施した。反応器内の液面高さが反応器全体の70%となるように反応液を流出し、その流出液に酸化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT))を0.048g/分(n−ヘキサン溶液)、プロセスオイルとしてS−RAEオイル(JX日鉱日石エネルギー(株)製、NC−140)を5.80g/分で連続的に添加し、共役ジエン共重合体と溶剤との混合物(A)を得た。
共役ジエン共重合体と溶剤との混合物(A)は、ノルマルヘキサン84質量部、共役ジエン重合体16質量部、プロセスオイル6.0質量部から構成されていた。
ここで、上述の測定方法により、共役ジエン重合体を分析した結果、結合スチレン量27質量%、結合ブタジエン量73質量%、ブタジエン中のビニル結合量65%、ポリスチレン換算分子量は、重量平均分子量(Mw)が108万、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。
また、後述する脱揮工程後の、オイルを含む共役ジエン重合体のムーニー粘度は54であった。
〔製造例2〕 共役ジエン重合体と溶剤との混合物(B)
プロセスオイルの含有量を3.0質量部となるよう調整した。その他の条件は、前記〔製造例1〕と同様の製法により製造し、共役ジエン重合体と溶剤との混合物(B)を得た。
混合物(B)は、溶剤量も共役ジエン重合体の構造も混合物(A)と同じである。オイルを含む共役ジエン重合体のムーニー粘度は、72であった。
〔製造例3〕 共役ジエン系重合体と溶剤との混合物(C)
プロセスオイルを全く用いなかった。その他の条件は、前記〔製造例1〕と同様の製法により製造し、共役ジエン重合体と溶剤との混合物(C)を得た。
混合物(C)は、溶剤量も共役ジエン重合体の構造も混合物(A)と同じである。共役ジエン重合体のムーニー粘度は89であった。
〔実施例1〕 共役ジエン重合体P1
スクリュー径(D)が150mm、スクリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比率(L/D)が6.0、の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、混合物(A)を供給口から毎時50kgで連続的に供給した。このとき、スクリュー回転速度とモーター駆動部から見たときの回転方向は、二軸共に100rpmの反時計回りであった。
ニーダーのジャケットに200℃の熱媒オイルを供給しながら混合物(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。スクリューと蒸発室の内壁面の境界部を覆うように、接液面がバフ#200研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)のガイドパーツ(スクリュー側面ガイドパーツ6に相当)を設置した。
混合物(A)は、スクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的には固形状の共役ジエン重合体P1を得た。
脱揮された溶剤ガスは、ベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められたが、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P1の残揮発分量は0.59質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
〔実施例2〕 共役ジエン重合体P2
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#400研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P2を得た。
脱揮された溶剤ガスは、ベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められたが、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P2の残揮発分量は0.55質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
〔実施例3〕 共役ジエン重合体P3
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#600研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P3を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められたが、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P3の残揮発分量は0.62質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
〔実施例4〕 共役ジエン重合体P4
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#800研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P4を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P4の残揮発分量は0.58質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
〔実施例5〕 共役ジエン重合体P5
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#1000研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P5を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P5の残揮発分量は0.66質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
〔実施例6〕 共役ジエン重合体P6
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#200研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.2である金属製(炭素鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P6を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P6の残揮発分量は0.52質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
〔実施例7〕 共役ジエン重合体P7
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#200研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.5である金属製(炭素鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P7を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P7の残揮発分量は0.55質量%であり、ゲルは検出されなかった。
運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
〔実施例8〕 共役ジエン重合体P8
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#400研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.5である金属製(炭素鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P8を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物は一切認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P8の残揮発分量は0.57質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、極めて良好(優)であった。
〔実施例9〕 共役ジエン重合体P9
原料として混合物(A)の代わりに混合物(B)を用いた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P9を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められたが、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P9の残揮発分量は0.44質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
〔実施例10〕 共役ジエン重合体P10
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#200研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.5である金属製(炭素鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例9〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P10を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P10の残揮発分量は0.43質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
〔実施例11〕 共役ジエン重合体P11
原料として混合物(A)の代わりに混合物(C)を用いた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P11を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められたが、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P11の残揮発分量は0.27質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
〔実施例12〕 共役ジエン重合体P12
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#200研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.5である金属製(炭素鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔実施例11〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P12を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P12の残揮発分量は0.25質量%であり、ゲルは検出されなかった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
参考例13〕 共役ジエン重合体P13
スクリューと蒸発室の内壁面の境界部を覆うように、接液面がバフ#200研磨された
曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)のガイドパーツ
(スクリュー側面ガイドパーツ6に相当)を設置し、またベント口とスクリューの中間位
置に、接液面がバフ#200研磨された平滑面で、金属製(ステンレス鋼)のガイドパー
ツ(ベント口下方ガイドパーツ9に相当)も設置した。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重
合体P13を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収され
た。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められたが、蒸発室の内壁面への付着物は認
められなかった。
共役ジエン重合体P13の残揮発分量は0.51質量%であり、ゲルは検出されなかっ
た。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
参考例14〕 共役ジエン重合体P14
スクリューと蒸発室の内壁面の境界部を覆うように、接液面がバフ#200研磨された
平滑面である金属製(ステンレス鋼)のガイドパーツ(スクリュー側面ガイドパーツ6に
相当)を設置し、またベント口とスクリューの中間位置に、接液面がバフ#200研磨さ
れた曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.1である金属製(ステンレス鋼)のガイドパ
ーツ(ベント口下方ガイドパーツ9に相当)も設置した。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重
合体P14を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収され
た。
運転中、ガイドパーツへの付着物は少量認められ、蒸発室の内壁面への付着物も少量認められた。
共役ジエン重合体P14の残揮発分量は0.56質量%であり、ゲルは検出されなかっ
た。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲内(可)であった。
参考例15〕 共役ジエン重合体P15
スクリューと蒸発室の内壁面の境界部と、ベント口とスクリューの中間位置を覆うよう
に、接液面がバフ#200研磨された円滑な連続曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.
1である金属製(炭素鋼)のガイドパーツも設置した(それぞれ、スクリュー側面ガイド
パーツ6、ベント口下方ガイドパーツ9に相当)。
その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重
合体P15を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収され
た。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認め
られなかった。
共役ジエン重合体P15の残揮発分量は0.54質量%であり、ゲルは検出されなかっ
た。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、良好(良)であった。
参考例16〕 共役ジエン重合体P16
用いたガイドパーツを、接液面がバフ#200研磨された円滑な連続曲面で、円弧半径
の比(R/r)が1.5である金属製(炭素鋼)に変えた。その他の条件は、前記〔参考例15〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P16を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収され
た。
運転中、ガイドパーツへの付着物は一切認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認め
られなかった。
共役ジエン重合体P16の残揮発分量は0.48質量%であり、ゲルは検出されなかっ
た。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、極めて良好(優)であった。
〔実施例17〕 共役ジエン重合体P17
用いたガイドパーツを、接液面の円弧半径の比(R/r)が1.1で、100℃における熱伝導率が1.0W/m・Kの樹脂(テフロン(登録商標))に変えた。その他の条件は、前記〔実施例1〕と同様の方法により実施し、固形状の共役ジエン重合体P17を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、ガイドパーツへの付着物はほぼ認められず、蒸発室の内壁面への付着物は認められなかった。
共役ジエン重合体P17の残揮発分量は0.52質量%であり、ゲルは検出されなかった。
120時間運転後のガイドパーツには僅かながら変形と摩耗痕が認められたが、許容範囲内(可)であった。
〔比較例1〕 共役ジエン重合体P18
スクリュー径(D)が150mm、スクリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比率(L/D)が6.0の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、混合物(A)を供給口から毎時50kgで連続的に供給した。
このとき、スクリュー回転速度とモーター駆動部から見たときの回転方向は、二軸共に100rpmの反時計回りであった。
ニーダーのジャケットに200℃の熱媒オイルを供給しながら混合物(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。混合物(A)はスクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的には固形状の共役ジエン重合体P18を得た。
脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。
運転中、蒸発室の内壁面へ付着物の堆積が認められ、また粉状の濃縮物がベント口へ飛来し、12時間後にはベントの閉塞が認められた。共役ジエン重合体P18の残揮発分は0.56質量%であり、ゲルは運転開始直後には検出されなかったものの、12時間運転後には4.8質量%のゲル含有量であった。ガイドパーツを設けなかったため、飛来する粉状物質がベントを閉塞させ、また装置内に付着した重合物が長時間加熱されることで変質し、ゲルを生成したと推察された。
結果としては、許容範囲外(不可)であった。
〔比較例2〕 共役ジエン重合体P19
スクリュー径(D)が150mm、スクリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比率(L/D)が6.0、の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、混合物(A)を供給口から毎時50kgで連続的に供給した。
このとき、スクリュー回転速度とモーター駆動部から見たときの回転方向は、二軸共に100rpmの反時計回りであった。
ニーダーのジャケットに200℃の熱媒オイルを供給しながら混合物(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。スクリューと蒸発室の内壁面の境界部を覆うように、接液面がバフ#200研磨された曲面で、円弧半径の比(R/r)が1.0である金属製(ステンレス鋼)のガイドパーツ(スクリュー側面ガイドパーツ6に相当)を設置した。
混合物(A)は、スクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的には固形状の共役ジエン重合体P19を得た。
脱揮された溶剤ガスは、ベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。運転中、ガイドパーツへ付着物の堆積が認められ、蒸発室の内壁面への付着物も少量認められた。
共役ジエン重合体P19の残揮発分は0.44質量%であり、ゲルは運転開始直後には検出されなかったものの、12時間運転後には4.2質量%のゲル含有量であった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲外(不可)であった。
〔比較例3〕 共役ジエン重合体P20
スクリュー径(D)が150mm、スクリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比率(L/D)が6.0の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、混合物(A)を供給口から毎時50kgで連続的に供給した。
このとき、スクリュー回転速度とモーター駆動部から見たときの回転方向は、二軸共に100rpmの反時計回りであった。
ニーダーのジャケットに200℃の熱媒オイルを供給しながら混合物(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。
スクリューと蒸発室の内壁面の境界部を覆うように、接液面がエンボス加工された平滑面で、金属製(ステンレス鋼)のガイドパーツを設置した。
混合物(A)は、スクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的には固形状の共役ジエン重合体P20を得た。
脱揮された溶剤ガスは、ベント口を通り、コンデンサーで凝縮され、液体として回収された。運転中、ガイドパーツへ付着物の堆積が認められ、蒸発室の内壁面への付着物も認められた。
共役ジエン重合体P20の残揮発分は0.53質量%であり、ゲルは運転開始直後には検出されなかったものの、120時間運転後には10.6質量%のゲル含有量であった。運転後のガイドパーツに変形は認められなかった。
結果としては、許容範囲外(不可)であった。
本発明の共役ジエン重合体の製造方法によれば、高品質の共役ジエン重合体が製造できるため、各種ゴム材料の共役ジエン重合体の製造方法として、産業上の利用可能性がある。
1 投入口
2 装置外壁面
3 装置内壁面
4 蒸発室
5 ベント口
6 スクリュー側面ガイドパーツ
7 スクリュー
8 排出口
9 ベント口下方ガイドパーツ

Claims (3)

  1. 共役ジエン重合体と溶剤とを含む混合物を製造する工程(1)と、
    二軸のスクリューを有する装置を用いて、前記混合物から直接溶剤を蒸発させて除去す
    る工程(2)と、
    を、有する、共役ジエン重合体の製造方法であって、
    前記二軸のスクリューを有する装置は、前記スクリューを覆うスクリューバレル、当該
    スクリューバレルの内側の空間に接続するベント口、及び前記スクリューバレルのスクリ
    ュー配置側の面に対向する装置内壁面に設けられたガイドパーツを具備しており、
    前記ガイドパーツが、前記スクリュー側面に対向した位置に設けられているスクリュー側面ガイドパーツであり、
    当該ガイドパーツは、前記混合物が接触する面が曲面を有しており、
    前記ガイドパーツの曲面の円弧半径R、前記スクリューバレルの円弧半径rとが、R>
    rの関係を有しており、
    前記ガイドパーツの曲面が、前記スクリューと前記装置内壁面との境界部に設置され、これにより、前記二軸のスクリューを有する装置内への付着物の蓄積の抑制を図る、
    共役ジエン重合体の製造方法。
  2. 前記ガイドパーツの円弧半径Rと、前記スクリューバレルの円弧半径rとが、
    1.1≦R/r≦1.5の関係を有している、
    請求項1に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
  3. 記曲面は、異なるパーツ間の繋ぎ目での段差が3mm未満であり、また同一パーツ内
    での段差や凹凸が1mm未満である、
    請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
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