JP6754616B2 - 共役ジエン重合体組成物の製造方法 - Google Patents

共役ジエン重合体組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、共役ジエン重合体組成物の製造方法に関する。
溶液重合で得られる共役ジエンの重合体の製造工程においては、一般に重合後に得られる共役ジエン重合体と溶剤の混合物を大量のスチームと接触させて溶剤を蒸発させる、スチームストリッピング法と称される工程が含まれている。この工程では大量のスチームを消費するため多大なエネルギーを要することやポリマーに残存する水分除去に必要な工程が多く、そこでのエネルギー消費量が多いこと、出荷時の製品形態であるベール成形品に残存する水分が運搬中に容器に結露するなどの課題がある。そこで共役ジエン重合体と溶剤の混合物にスチームと接触させずに溶液自体を直接加熱して脱溶剤する、直脱法と称される方法が提案されている。上記直脱法としては、二軸押し出し機やニーダーなどのスクリュー型の装置を用いてスクリューで混合物を搬送しつつ、加熱し溶剤脱揮する方法が典型的である。例えば、特許文献1には、脱揮装置及び脱揮方法が開示されている。また、特許文献2では、2本のスクリューを有する押出し装置で溶剤脱揮する際に超臨界流体を注入して低温、低圧で樹脂を押出す方法等が開示されている。
特開2011−116025号公報 特開2006−26949号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の直脱法で高分子量の共役ジエン重合体の脱溶剤を試みると溶液の発泡が起こりやすくなる。このような発泡が起こると、本来は気化したガスを装置外へ排出する目的のベント口へ発泡した溶液が流入するベントアップと称される現象の原因となる。一方、脱溶剤速度が緩やかなるように、温度や圧力を調整して発泡及びベントアップを避けることも考えられるが、その場合は脱溶剤後の共役ジエン重合体の残揮発分が増加するという問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、高分子量の共役ジエン重合体を含む共役ジエン重合体組成物であって、脱溶剤操作中の発泡及び/又はベントアップが抑えられ、残溶剤量が低減された共役ジエン重合体組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、共役ジエン重合体の溶液に石油樹脂及び/又はテルペン樹脂を加えると発泡及びベントアップが抑えられ、十分に脱溶剤された共役ジエン重合体が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下のとおりである。
[1]
共役ジエン重合体(A)の溶液(B)を得る工程Iと、
前記溶液(B)に、数平均分子量200〜3,000の石油樹脂及び/又はテルペン樹脂(C)を前記共役ジエン重合体(A)100質量部に対して3〜50質量部混合し、溶液(D)を得る工程IIと、
前記溶液(D)を直接加熱して脱溶剤することにより共役ジエン重合体組成物を得る工程IIIと、
をこの順に含む、共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[2]
前記石油樹脂及び/又はテルペン樹脂(C)がクマロン樹脂である、[1]に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[3]
前記共役ジエン重合体(A)が、エポキシ基、シラノール基、及び珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物を反応させて得られる変性共役ジエン重合体である、[1]又は[2]に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
[4]
前記共役ジエン重合体(A)が連続式の重合様式によって得られたものである、[1]〜[3]のいずれかに記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
本発明の方法によれば、高分子量の共役ジエン重合体を含む共役ジエン重合体組成物であって、脱溶剤操作中の発泡及び/又はベントアップが抑えられ、残溶剤量が低減された共役ジエン重合体組成物を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態に係る共役ジエン重合体組成物の製造方法は、共役ジエン重合体(A)の溶液(B)を得る工程Iと、前記溶液(B)に、数平均分子量200〜3,000の石油樹脂及び/又はテルペン樹脂(C)を前記共役ジエン重合体(A)100質量部に対して3〜50質量部混合し、溶液(D)を得る工程IIと、前記溶液(D)を直接加熱して脱溶剤することにより共役ジエン重合体組成物を得る工程IIIと、をこの順に含む。このように構成されているため、本実施形態に係る共役ジエン重合体組成物の製造方法によれば、高分子量の共役ジエン重合体を含む共役ジエン重合体組成物であって、脱溶剤操作中の発泡及び/又はベントアップが抑えられ、残溶剤量が低減された共役ジエン重合体組成物を得ることができる。
〔共役ジエン重合体(A)〕
本実施形態における共役ジエン重合体(A)の原料となるモノマーは、重合可能な共役ジエン単量体であれば特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。共役ジエン重合体(A)の原料中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、重合体末端の変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることが更に好ましい。
アレン類としては、以下に限定されないが、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、以下に限定されないが、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
共役ジエン重合体(A)は、上記共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物の共重合体であってもよい。芳香族ビニル化合物は共役ジエン単量体と共重合可能な単量体であればよく、特に限定されず、例えば、スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
共役ジエン重合体(A)が共重合体である場合、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。共重合体鎖中の各単量体の組成分布は特に限定されないが、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成分布に勾配があるテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。
共役ジエン重合体(A)が共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物の共重合体である場合、芳香族ビニル化合物単量体の含有量は、タイヤトレッドに用いる場合の転がり抵抗とウェットグリップのバランスの観点から、5〜50質量%が好ましく、10〜45質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。また、共役ジエン単量体単位の含有量は、タイヤトレッドに用いる場合の、転がり抵抗とウェットグリップのバランスの観点から、50〜95質量%が好ましく、55〜90質量%がより好ましく、60〜80質量%がさらに好ましい。上記芳香族ビニル化合物の含有量及び共役ジエン単量体の含有量は、後述する実施例に記載の方法(スチレン結合量、ブタジエン結合量)に基づいて求めることができる。
共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、分子鎖によって均一であってもよいし、異なっていてもよい。
共役ジエン単量体単位中、結合様式が1,2結合(ビニル結合)である含有量は、タイヤトレッドに用いる場合の転がり抵抗とウェットグリップのバランスの観点から、10〜80%が好ましく、20〜70%がより好ましく、30〜60%がさらに好ましい。上記含有量は、後述する実施例に記載の方法(ビニル結合量)に基づいて求めることができる。
ブロック共重合体としては、以下に限定されないが、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体等が挙げられる。ここでスチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン単量体からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン単量体との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
上式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えば、ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン単量体との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。ブロック共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
<共役ジエン重合体(A)の溶液(B)を製造する工程I>
本実施形態における工程Iは、共役ジエン重合体(A)の原料を重合して共役ジエン重合体(A)を含む溶液(B)を製造する工程とすることができる。共役ジエン単量体や芳香族ビニル化合物を原料として重合する際の開始剤としては、アニオン重合開始剤であれば特に限定されないが、安定性や取扱い性の観点からアルミニウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属のアルキル化合物が好ましく、中でも重合効率の観点から有機リチウムが特に好ましい。重合開始剤として用いる有機リチウムとしては、特に限定されないが、例えば、低分子化合物や可溶化したオリゴマーの有機リチウムが挙げられ、また、有機基とリチウムの結合様式においては、炭素−リチウム結合からなる化合物、窒素−リチウム結合からなる化合物、錫−リチウム結合からなる化合物等が挙げられる。
炭素−リチウム結合を有する有機リチウムとしては、以下に限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
窒素−リチウム結合からなる有機リチウムとしては、以下に限定されないが、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジ−n−ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド等が挙げられる。
有機リチウムとしては、上記のモノ有機リチウムだけでなく、多官能有機リチウムを使用して、又は、モノ有機リチウムと併用して重合させることもできる。
多官能有機リチウムとしては、以下に限定されないが、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエン及びジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物等が挙げられる。さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機リチウムも使用することもできる。有機リチウムとしては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
有機リチウムは1種のみならず2種以上の混合物として用いてもよい。
本実施形態において、有機リチウムを重合に用いる際は、取扱い性及び重合溶液への分散性を良くするために、炭化水素溶剤に希釈して溶液にしたものを用ることが好ましい。炭化水素溶剤の具体例としては、以下に限定されないが、C4〜C8の炭化水素溶剤やトルエン、キシレン等が挙げられ、環式でもよく、不飽和結合や分岐構造を含んでいてもよい。沸点や蒸気圧が製造工程上取り扱いやすいことからC5,C6が好ましく、具体的にはペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが好ましく用いられる。
有機リチウムを上記炭化水素に希釈する場合の有機リチウム濃度は、重合開始効率とモノマーとの均一混合性の観点から0.01質量%〜1質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%〜0.8質量%である。
共役ジエン重合体(A)を得るための重合反応は、溶剤中で行うことが好ましい。溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素混合物が好ましく、これはらは単独でも2種以上併用してもよい。本実施形態においては、脱溶剤後の共役ジエン重合体(A)の粒径を小径化する観点からノルマルヘキサンを含む混合溶媒であることがより好ましく、重合槽内のスケーリング防止の観点からノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサンの混合溶媒がさらに好ましい。その場合、ノルマルヘキサンの組成は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜65質量%が特に好ましい。20質量%以上である場合、脱溶剤後のポリマー粒子の粒径がより小さくなる傾向にあり、80質量%以下である場合、重合槽のスケーリングがより効果的に防止できる傾向にある。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理することは、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、重合後に変性反応を行う場合には高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
共役ジエン単量体の重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物は、芳香族ビニル化合物を共役ジエン単量体とランダムに共重合させるために用いることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、特に限定されず、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。これらの極性化合物は、それぞれ単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。
多くの極性化合物は、同時に共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。共役ジエン単量体と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、特に限定されないが、例えば、特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
重合温度は重合が進行する温度であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合中の失活を抑制する観点から、120℃以下であることが好ましい。また、共役ジエン重合体(A)のコールドフローを防止する観点から、分岐をコントロールするためのジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
共役ジエン重合体(A)の重合は連続式でも、バッチ式でもよいが、高分子量化の観点から連続式の重合様式で重合されることが好ましい。
上述のような方法で共役ジエン重合体(A)を得た後、共役ジエン重合体(A)の活性末端に、エポキシ基、アルコール基、アミノ基、イソシアネート基、シアヌレート基、シラノール基、及び珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物を反応させることで、共役ジエン重合体(A)を変性させてもよい。本実施形態において、シリカやカーボン等の無機フィラーとの密着性の観点から、共役ジエン重合体(A)が、エポキシ基、シラノール基、及び珪素に結合したアルコキシル基を有する化合物を反応させて得られる変性共役ジエン重合体であることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、及び4,4’−ジグリシジル−ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、及びポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、及び4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロペンタン等のジグリシジルアミノ化合物等が挙げられる。これらのうち、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物が好ましい。また、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物の分子内のエポキシ基の数は2個以上であり、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以上である。
シラノール基及び/又は珪素に結合したアルコキシル基を有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(式中、Xは各々独立してCl、Br又はIであり、R1は各々独立して水素原子、アルキル基、アリール基又はビニル基であり、R2は各々独立してアルキル基、アリール基又はビニル基であり、mは1〜4の整数であり、nは1〜3の整数であり、m+nは2〜4である。なお、R1及びR2は置換されていてもよい。)
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、以下に限定されないが、ジメトキシジメチルシラン、キシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、トリフェノキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)エチルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)ビニルシラン、トリフェノキシフェニルシラン、テトラフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、フェノキシジビニルクロロシラン、メトキシジエチルクロロシラン、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジフェノキシフェニルヨードシラン、ジエトキシメチルクロロシラン、ジメトキシエチルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシラン、トリス(2−エチルヘキシルオキシ)クロロシラン、フェノキシメチルジクロロシラン、メトキシエチルジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン、フェノキシフェニルジヨードシラン、フェノキシジクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ビス(2−メチルブトキシ)ジブロモシラン等が挙げられる。
更に、珪素に結合したアルコシキル基を有する化合物(アルコキシシリル基を有する変性剤)としては、分子内にN原子と複数個のアルコキシシリル基を有する一般式(2)又は(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
(式(2)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基、又はアリール基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
(式(3)中、R1及びR2は、各々独立して炭素数1〜20のアルキル基、又はアリール基であり、R3は炭素数1〜20のアルキレン基であり、R4及びR5は炭素数1〜6の炭化水素基であって、隣接する2つのNとともに5員環以上の環構造をなし、R6は炭素数1〜20の炭化水素基、活性水素を持たないヘテロ原子で置換されている炭素数1〜20の炭化水素基、又は3有機置換シリル基であり、nは、2又は3の整数である。なお、R1〜R6は、置換されていてもよい。)
一般式(2)で表される化合物としては、以下に限定されないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点や、引っ張り特性の観点から、mが2、nが3であるものが好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
一般式(3)で示される化合物としては、以下に限定されないが、例えば、1−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−4−アルキルピペラジン、1−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−4−アルキルピペラジン、1−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルイミダゾリジン、1−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルイミダゾリジン、1−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−1−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−1−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン等であり、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
即ち、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)−プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−テトラヒドロピリミジン−1−イル}−エチル)ジメチルアミン等が挙げられる。好ましい化合物としては、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジンである。
反応溶液に必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。失活剤としては、特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。中和剤としては、特に限定されず、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等のカルボン酸、無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
さらに、重合後のゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、得られた共役ジエン重合体(A)に対して、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
共役ジエン重合体(A)の数平均分子量は10万〜100万が好ましく、より好ましくはシリカ配合物の物性の観点から20万〜80万であり、さらに好ましくは30〜70万である。10万以上あることにより、シリカ等の無機フィーラーを配合、架橋した複合材料の機械強度や耐摩耗性により優れる傾向にあり、100万以下であることにより、上記複合材料を製造するときの加工性がより向上する傾向にある。数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
共役ジエン重合体(A)の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は、共役ジエン重合体の架硫物性と加工性のバランスの観点から1.2〜3.0が好ましく、より好ましくは1.4〜2.7であり、さらに好ましくは1.6〜2.4である。
共役ジエン重合体(A)の溶液(B)はオイルを含んでいてもよい。オイルとしては、以下に限定されないが、例えば、アロマチック系、ナフテン系、パラフィン系オイル、MES(Mild Extracted Solvates)、T−DAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)等が挙げられ、250℃以上の高沸点であるオイルがより好ましい。
本実施形態において、共役ジエン重合体(A)の溶液(B)は、例えば、上述のように共役ジエン単量体や芳香族ビニル化合物を溶剤中で重合した結果製造されるものであってもよく、ある系で製造された共役ジエン重合体(A)を、別の系において溶剤と混合して製造されるものであってもよい。前者の場合、共役ジエン重合体(A)の溶液(B)の溶剤は、通常は重合工程で使われる溶剤と同じであり、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。炭化水素系溶媒の具体例としては、以下に限定されないが、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
溶液(B)の溶剤は、開始剤等を希釈する溶媒や重合工程で添加される極性化合物や重合終了時に添加される失活剤、中和剤、ゴム用安定剤、酸化防止剤を含んでいてもよい。また、これ以外に溶液(B)は、共役ジエン重合体(A)を溶解可能な溶媒と混合させることで調製してもよい。
溶液(B)に占める溶剤組成は1〜99質量%であることが好ましい。より好ましくは30〜93質量%であり、さらに好ましくは50〜90質量%である。
溶液(B)に占める共役ジエン重合体(A)の組成は溶液の流動性の観点から5〜95質量%であることが好ましく、7〜50質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることがさらに好ましい。
<溶液(B)に、数平均分子量が200〜3,000である石油樹脂及び/又はテルペン樹脂(C)(以下、単に「(C)成分」ともいう。)を(A)100質量部に対し3〜50質量部混合し、溶液(D)を製造する工程II>
工程IIでは、上記工程Iで得られた溶液(B)に所定の樹脂を混合する。かかる樹脂としては、溶液(B)の脱溶剤工程における発泡とベントアップ抑制の観点から、石油樹脂及び/又はテルペン樹脂であって、数平均分子量が200〜3,000であるものを用いる。
石油樹脂は、一般にナフサの熱分解によって得られるビニルトルエン、インデン、メチルインデンを主要なモノマーとするC8〜C10の留分を重合して得られる樹脂であるが、上記3種のモノマー以外にも、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、クマロン単位、脂肪族オレフィン単位、フェノール単位、クレゾール単位を含んでもよい。上記した中でも、残溶剤量低減の観点からクマロン単位を含むクマロン樹脂が好ましい。
テルペン樹脂はテルペン化合物を重合して得られる樹脂、及びそれらの水素添加物である。テルペン化合物は(C58nの組成で表される炭化水素及び、その含酸素誘導体でモノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)等を基本骨格とする化合物であり、以下に限定されないが、例えば、α―ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、α―フェランドレン、α―テルピネン、γ−テルピネン、テルピレノン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α―テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール等が挙げられる。
(C)成分の数平均分子量は脱溶剤工程(III)での溶液(B)の発泡抑制の観点から、200〜3,000であり、吐出口での付着性の観点から500〜1,500であることがより好ましい。
(C)成分の添加量は、発泡抑制の観点から、共役ジエン重合体(A)100質量部に対して3〜50質量部であり、好ましくは5〜40質量部である。3質量部以上であることにより、脱溶剤時の発泡及びベントアップの抑制効果に優れ、50質量部以下であることにより、脱溶剤工程で用いる装置吐出口での共役ジエン重合体の付着を防止できる。
(C)成分を溶液(B)に加えるときは溶剤に希釈してもよい。ここで使用できる溶剤としては、通常は重合工程で使われる溶剤と同じであり、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体例としては、以下に限定されないが、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及びそれらの混合物からなる炭化水素等が挙げられる。
(C)成分と溶液(B)の混合は連続式でも、バッチ式でもよい。連続式で混合する場合、攪拌機やスタティックミキサーを用いることができる。
溶液の発泡が激しくなると溶液の泡が脱溶剤装置のベント口に吸入されるベントアップと称される現象が起こることもある。ベント口は、本来、脱溶剤装置で発生した溶剤ガスを装置外に排出するために設けられた開口部であり、この部分に溶液成分が吸入され続けると溶剤ガスを排出する機能が損なわれるため、操作を継続することが不可能となる。一方、本実施形態の共役ジエン重合体組成物の製造方法によれば、上述のとおり発泡及び/又はベントアップが抑制され、安定した製造が可能となる。
<(D)を直接加熱して脱溶剤することにより共役ジエン重合体組成物を得る工程III>
本実施形態の工程IIIは、溶液(B)と(C)成分を含む溶液(D)を直接加熱して脱溶剤することにより共役ジエン重合体組成物を得る工程である。本実施形態において、「直接加熱する」とは、いわゆる直脱法と称される加熱方法を採用することを意味する。直脱法は、共役ジエン重合体と溶剤の混合物にスチームを接触させず、溶液自体を直接加熱して脱溶剤する方法である。このような直脱法としては、以下に限定されないが、例えば、二軸押し出し機やニーダーなどのスクリュー型の装置を用いてスクリューで混合物を搬送しつつ、加熱し溶剤脱揮する方法が典型的である。一方、一般に重合後に得られる共役ジエン重合体と溶剤の混合物を大量のスチームと接触させて溶剤を蒸発させる、スチームストリッピング法と称される工程は、本実施形態における工程IIIには含まれない。
本実施形態における直脱法としては、特に限定されず、種々公知の態様をとりうるが、具体例としては、(1)タンクへのフラッシング、(2)タンク内で、翼でフィルムを作りながら加熱蒸発、(3)押出し蒸発等が挙げられる。上記方法で用いうる具体的な装置名の例としては、上記(1)の場合はフラッシュタンク、濃縮缶、上記(2)の場合は薄膜蒸発器、上記(3)の場合は押出機、ニーダー等が挙げられるが、これらに限定されない。上記(1)〜(3)に係る方法は単独でも、複数の方法を組み合わせてもよい。上記方法での装置内の圧力は大気圧未満の減圧状態で行うと、脱溶剤後の共役ジエン重合体(A)を含む組成物の残溶剤量を低減することができる。一般に減圧度を下げて、装置内の圧力を低くするほど、共役ジエン重合体(A)を含む組成物の残溶剤量は低減する一方、発泡及びベントアップは起こりやすい傾向にある。発泡及びベントアップを抑えるために減圧度を上げることもできるが、共役ジエン重合体(A)を含む組成物の残溶剤量は増大する傾向にある。
工程IIIにおいて用いうる装置では、ジャケットや熱交換器で溶液(D)を加熱することができ、その加熱温度は105〜200℃であることが好ましく、より好ましくは50〜180℃である。105℃以上では脱溶剤性が向上する傾向にあり、200℃以下では熱劣化が抑えられゲル生成も抑えられる傾向にある。共役ジエン共重合体(A)は上記装置に備えられたジャケットを通して直接加熱される他、共役ジエン共重合体(A)を含む溶液(D)に作用するせん断力に伴ってせん断発熱が発生するため、温度が上昇する場合がある。このような温度上昇を考慮して適宜温度調整を行うことが好ましい。
工程IIIにおいて用いうる装置に溶液(D)を供給する前に、熱交換器によって予め溶液(D)を加熱することもできる。
工程IIIにおいて用いうる装置は、脱溶剤された溶剤ガスを装置外へ排出するためのベント口を少なくとも1つ以上有する。
工程IIIにおいて用いうる装置には、装置内の圧力を調整する等の目的で窒素等の不活性ガスを供給することもある。また、脱溶剤を促進するために水や二酸化炭素ガス等をストリッピング剤として供給することもある。
工程IIIにおいて、吐出される共役ジエン重合体組成物の温度は、105〜200℃が好ましく、より好ましくは120〜180℃である。105℃以上では脱溶剤性が向上する傾向にあり、200℃以下では熱劣化が抑えられゲル生成も抑えられる傾向にある。
本実施形態における共役ジエン重合体組成物の残揮発分は100〜5,000ppmであることが好ましく、より好ましくは200〜2,000ppmであり、さらに好ましくは500〜1,000ppmである。5,000pppm以下では、脱溶剤以降の工程、例えば、ベール成形工程や包装工程等の作業場で発生するガス量が少なくなる傾向にあるため作業環境上好ましい。100ppm以上ではゴム粉体の飛散が少なくなる傾向にある。
残揮発分の主成分は水、重合溶剤であるが、その他、未反応の単量体、重合時に添加する極性化合物、重合後に加える変性剤、オイル等の副原料、原料の単量体や副原料に含まれる不純物等も含んでもよい。
本実施形態における共役ジエン重合体組成物の用途としては、以下に限定されないが、例えば、天然ゴム等の他のゴム材料、シリカ、カーボン等の無機材料などと配合して、タイヤ、各種工業用ベルト、履物等に加工することができる。
以下の実施例により、本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態はその要旨を越えない限り、これら実施例によって限定されるものではない。
各種の測定は下記の方法によった。
(1)結合スチレン量
工程Iで得られた共役ジエン重合体をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した。測定装置として、島津製作所製のUV−2450を用いた。
(2)ブタジエン部分のミクロ構造
工程Iで得られた共役ジエン重合体を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いて赤外線スペクトルを600〜1000cm-1の範囲で測定して所定の吸光度よりハンプトンの方法の計算式に従い、ミクロ構造(ブタジエンのビニル結合量)を求めた。
(3)分子量及び分子量分布
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを用いたGPCを使用して、試料(工程Iで得られた共役ジエン重合体)及び標準ポリスチレンのクロマトグラムを測定した標準ポリスチレンの測定結果から検量線を作成し、これにより重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を計算した。溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。すなわち、試料10mgを20mlのTHFに溶解し、これを200μLカラムに注入して測定した。測定はオーブン温度40℃、THFの流量1.0mL/分の条件で、東ソー;HLC8020(検出器;RI)を用いて行った。なお、後述するクマロン樹脂、α−メチルスチレン樹脂及びテルペンフェノール樹脂についても上述と同様に数平均分子量を求めた。
(4)共役ジエン重合体組成物の残揮発分量の測定
成形後24時間経過したベール成形品を半分に切断し、中央付近の重合体0.1gをヘッドスペースGC法(サンプリングにヘッドスペース法を用いたガスクロマトグラフィー)を用いて測定した。
(5)発泡及びベントアップの確認
目視により、工程IIIにおける発泡及びベントアップの有無を確認した。
[実施例1]
溶液(B)の製造工程I
1,3−ブタジエンを22g/分、スチレンを12g/分、n−ヘキサンを150g/分の条件で混合した後、10Lの重合槽の底部に連続的に供給した。この重合槽の底部からは更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.038g/分、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.013g/分、シクロヘキサンを12g/分の速度で供給し、重合槽の内温を90℃となるように連続重合反応を継続させた。連続重合の平均反応時間は38分であった。重合槽は重合溶液で満たされており、重合槽の頂上部から押出された重合溶液は、配管を通して容量10Lの変性反応槽の底部へ供給した。変性反応器の温度を85℃に保ち、変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロペンタンを0.42mmol/分の速度で変性反応槽の底部から添加し、変性反応槽内を攪拌機で撹拌、混合しながら変性反応を実施し、変性された共役ジエン重合体(A−1)とn−ヘキサンの溶液(B−1)を得た。(A−1)を分析した結果、結合スチレン量34質量%、結合ブタジエン量66質量%、ブタジエン中のビニル結合量40%、数平均分子量が43万、分子量分布が2.1であった。
溶液(D)の製造工程II
変性反応槽の頂上部から押出された(B−1)に、数平均分子量770のクマロン樹脂(C−1)10重量%のシクロヘキサン溶液を34g/分の速度で加え、攪拌機で混合することで溶液(D−1)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−1)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
スクリュー径が250mm、L/D=20の二軸押出機へ溶液(D−1)を供給口から毎時100Kgの速さで連続的に供給した。二軸押出機のジャケットに180℃の熱媒オイルを供給しながら溶液(D−1)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。(D−1)はスクリューで脱溶剤され、脱溶剤されて得られた共役ジエン重合体は装置の下部に設置された二軸スクリュータイプの搬送機から排出された。二軸押出機の装置内で溶液(D−1)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は141℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−1)の残揮発分は780ppmであった。
〔実施例2〕
溶液(B)の製造工程I
テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロペンタンの代わりに変性剤として1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン0.18mmol加えた他は実施例1と同様に行ない、変性された共役ジエン重合体(A−2)とn−ヘキサンの溶液(B−2)を得た。(A−2)を分析した結果、結合スチレン量34質量%、結合ブタジエン量66質量%、ブタジエン中のビニル結合量38%、数平均分子量が49万、分子量分布が1.9であった。
溶液(D)の製造工程II
(B−1)の代わりに(B−2)を用いた他は実施例1と同様に行い混合物(D−2)を得た。(B−2)100質量部に対する(C−1)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−2)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−2)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は142℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−2)の残揮発分は820ppmであった。
〔実施例3〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に行なった。
溶液(D)の製造工程II
実施例1と同様に行なった。
脱溶剤工程III
二軸押出機のジャケット温度を130℃とした他は、実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−1)の発泡やベントアップは起こらなかった。また、二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は114℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−3)の残揮発分は2,050ppmであった。
〔実施例4〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に行った。
溶液(D)の製造工程II
共役ジエン重合体(C−1)20質量%のシクロヘキサン溶液を119g/分の速度で加えた他は、実施例1と同様に行ない、(D−3)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−1)の組成は35質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−3)にした他は実施例3と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−3)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は112℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−4)の残揮発分は1,080ppmあった。
〔実施例5〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程II
(C−1)10質量%のシクロヘキサン溶液を17g/分の速度で加えた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−4)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−1)の組成は5質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−4)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−4)は発泡したが、ベントアップまでには至らなかったため、操作を継続した。押出機のベント口に粉状ゴムの付着が見られた。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は148℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−5)の残揮発分は940ppmであった。
〔実施例6〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程II
(C−1)10質量%のシクロヘキサン溶液を153g/分の速度で加えた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−5)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−1)の組成は45質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−5)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−5)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は152℃であった。二軸押出機の吐出口にポリマーの付着物は見られたが、閉塞はしなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−6)の残揮発分は1,200ppmであった。
〔実施例7〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に行った。
溶液(D)の製造工程II
(C−1)の代わりに(C−2)を用いた他は実施例1と同様に行い、溶液(D−6)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−2)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−6)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−6)は少し発泡したが、ベントアップは起こらなかった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口にポリマーの付着物は見られなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は148℃であった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−7)の残揮発分は1,050ppmであった。
〔実施例8〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に行った。
溶液(D)の製造工程II
樹脂(C−1)の代わりに(C−3)を用いた他は実施例1と同様に行い、溶液(D−7)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−3)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−7)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−7)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は147℃であった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−8)の残揮発分は1,150ppmであった。
〔実施例9〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に行った。
溶液(D)の製造工程II
樹脂(C−1)の代わりにα―メチルスチレン重合体(C−6)を用いた他は実施例1と同様に行い、溶液(D−8)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−6)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−8)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−8)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は151℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−9)の残揮発分は2,050ppmであった。
〔実施例10〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に行った。
溶液(D)の製造工程II
(C−1)の代わりにテルペンフェノール樹脂(C−7)を用いた他は実施例1と同様に行い、溶液(D−9)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−7)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−9)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−9)の発泡やベントアップは起こらなかった。二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は149℃であった。二軸押出機の吐出性は良好で、吐出口に付着物は見られなかった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−10)の残揮発分は2,080ppmであった。
〔比較例1〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程
シクロヘキサンのみを7.5g/分の速度で加えた他は実施例1と同様に行い、溶液(D−10)を得た。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−10)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−10)が発泡し、ベントアップが発生したため、操作を継続することはできなかった。
〔比較例2〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程
樹脂(C−1)10重量%のシクロヘキサン溶液を6.8g/分の速度で加えた他は実施例1と同様に行い、溶液(D−11)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−1)の組成は2質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−11)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−11)が発泡し、ベントアップが発生したため、操作を継続することはできなかった。
〔比較例3〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(B)の製造工程I
比較例2と同様に実施した。
脱溶剤工程III
二軸押出機内の真空度を600torrとした他は比較例2と同様に行った。溶液(D−11)の発泡やベントアップは発生しなかった。
吐出口でのポリマーの付着が継続し、やがて吐出口は閉塞した。閉塞するまでに二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は76℃であった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−11)の残揮発分は22,000ppmであった。
〔比較例4〕
溶液(B)の製造工程
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程
樹脂(C−1)10質量%のシクロヘキサン溶液を204g/分の速度で加えた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−12)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−1)の組成は60質量部であった。
脱溶剤工程III
(D−12)を用いた他は実施例1と同様に行った。溶液(D−12)の発泡やベントアップは発生しなかった。
吐出口でのポリマーの付着が継続し、やがて吐出口は閉塞した。閉塞するまでに二軸押出機から排出された重合体粒子の温度は137℃であった。脱溶剤によって得られた共役ジエン重合体組成物(E−12)の残揮発分は4,320ppmであった。
〔比較例5〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程
樹脂(C−1)の代わりに(C−4)を用いた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−13)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−4)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
(D−1)の代わりに(D−13)を用いた他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−12)が発泡し、ベントアップが発生したため、操作を継続することはできなかった。
〔比較例6〕
溶液(B)の製造工程I
実施例1と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程II
樹脂(C−1)の代わりに(C−5)を用いた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−14)を得た。(A−1)100質量部に対する(C−5)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−14)が発泡し、ベントアップが発生したため、操作を継続することはできなかった。
〔比較例7〕
溶液(B)の製造工程I
実施例2と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程
樹脂(C−1)の代わりに(C−4)を用いた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−15)を得た。(A−2)100質量部に対する(C−4)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
(D−1)の代わりに(D−15)を用いた他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−15)が発泡し、ベントアップが発生したため、操作を継続することはできなかった。
〔比較例8〕
溶液(B)の製造工程I
実施例2と同様に実施した。
溶液(D)の製造工程II
樹脂(C−1)の代わりに(C−5)を用いた他は、実施例1と同様に行い、溶液(D−16)を得た。(A−2)100質量部に対する(C−5)の組成は10質量部であった。
脱溶剤工程III
二軸押出機へ供給する溶液を(D−16)にした他は実施例1と同様に行った。二軸押出機の装置内で溶液(D−16)が発泡し、ベントアップが発生したため、操作を継続することはできなかった。
上記した(C−1)〜(C−7)の詳細を表1に示す。また、実施例1〜10の評価結果等を表2に示す。さらに、比較例1〜8の評価結果等を表3に示す。
なお、上記クマロン樹脂は「高分子化学 第23巻 252号 1966年」の記載に基づき、ビニル基を有するインデンとスチレンモノマーをカチオン重合することにより合成した。
また、上記α―メチルスチレン樹脂は、α―メチルスチレンモノマーを、ブチルリチウムを開始剤としてシクロヘキサン中でアニオン重合することにより合成した。
さらに、上記テルペンフェノール樹脂は特開2007−31682号公報の記載に基づき、α―ピネンとフェノールをトルエン溶液中、塩化アルミニウム触媒存在下で重合反応することによって合成した。

Claims (4)

  1. 共役ジエン重合体(A)の溶液(B)を得る工程Iと、
    前記溶液(B)に、数平均分子量200〜3,000の石油樹脂及び/又はテルペン樹脂(C)を前記共役ジエン重合体(A)100質量部に対して3〜50質量部混合し、溶液(D)を得る工程IIと、
    スクリュー型の装置を用いてスクリューで前記溶液(D)を搬送しつつ加熱して溶剤脱揮することにより共役ジエン重合体粒子を含む共役ジエン重合体組成物を得る工程IIIと、
    をこの順に含む、共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  2. 前記石油樹脂及び/又はテルペン樹脂(C)がクマロン樹脂である、請求項1に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  3. 前記共役ジエン重合体(A)が、エポキシ基、シラノール基、及び珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物を反応させて得られる変性共役ジエン重合体である、請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
  4. 前記共役ジエン重合体(A)が連続式の重合様式によって得られたものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体組成物の製造方法。
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