JP6587872B2 - 共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents
共役ジエン重合体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6587872B2 JP6587872B2 JP2015175532A JP2015175532A JP6587872B2 JP 6587872 B2 JP6587872 B2 JP 6587872B2 JP 2015175532 A JP2015175532 A JP 2015175532A JP 2015175532 A JP2015175532 A JP 2015175532A JP 6587872 B2 JP6587872 B2 JP 6587872B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conjugated diene
- diene polymer
- group
- solvent
- carbon atoms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 CN(*IC(C*)OC)C(*)(*)* Chemical compound CN(*IC(C*)OC)C(*)(*)* 0.000 description 2
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
[1]
共役ジエン重合体と、溶剤と、を含む共役ジエン重合体溶液を製造する製造工程と、
前記共役ジエン重合体溶液を回転する二軸のスクリューを有する装置で搬送しながら加熱し、前記溶剤を脱揮する脱揮工程と、を有し、
前記装置において、スクリューの径に対するスクリューの長さの比率が、4.0以上12以下であり、
前記脱揮工程において、前記装置の内容積と単位時間当たりに揮発する溶剤量とが下記の関係式(1)を満たす、共役ジエン重合体の製造方法。
1.0≦((VA)/(V0))≦50 ・・・(1)
(式(1)中、(V0)は、前記装置の内容積〔L〕を表し、(VA)は、単位時間〔h〕当たりに揮発する溶剤量〔L〕を表す。)
[2]
前記共役ジエン重合体溶液は、前記共役ジエン重合体100質量部に対して、オイルを5.0質量部以上100質量部以下含む、[1]に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[3]
前記脱揮工程において、前記二軸のスクリューを有する装置を二基以上用いる、[1]又は[2]に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[4]
前記共役ジエン重合体は、エポキシ基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物で変性されている、[1]〜[3]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[5]
前記化合物は、下記の一般式(2)で表される化合物及び下記の一般式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[4]に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[6]
前記共役ジエン重合体の重量平均分子量が、10万以上200万以下である、[1]〜[5]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[7]
前記共役ジエン重合体は、該共役ジエン重合体の総量に対して、分子量100万以上の成分を1.0質量%以上99質量%以下含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[8]
前記脱揮工程は、前記溶剤の含有量が、得られる共役ジエン重合体の総量に対して、5.0質量%以下になるまで脱揮する工程である、[1]〜[7]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
[9]
前記脱揮工程における平均滞留時間が、10秒以上300秒以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載の共役ジエン重合体の製造方法。
本実施形態の共役ジエン重合体の製造方法は、共役ジエン重合体と、溶剤と、を含む共役ジエン重合体溶液を製造する製造工程と、該共役ジエン重合体溶液を回転する二軸のスクリューを有する装置で搬送しながら加熱し、該溶剤を脱揮する脱揮工程とを有する。また、上記装置において、スクリューの径に対するスクリューの長さの比率が、4.0以上12以下である。さらに、上記脱揮工程において、上記装置の内容積と単位時間当たりに揮発する溶剤量とが下記の関係式(1)を満たす。
1.0≦((VA)/(V0))≦50 ・・・(1)
式(1)中、(V0)は、上記装置の内容積〔L〕を表し、(VA)は、単位時間〔h〕当たりに揮発する溶剤量〔L〕を表す。
本実施形態の製造工程は、共役ジエン重合体と、溶剤と、を含む共役ジエン重合体溶液を製造する工程である。共役ジエン重合体を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、共役ジエン重合体の原料となる単量体(以下、「共役ジエン単量体」という。)を後述する重合反応用溶剤に溶解し、溶液重合で重合する方法、及び公知の方法が挙げられる。
本実施形態の共役ジエン重合体溶液は、共役ジエン重合体と溶剤とを含むものをいう。具体的には、溶液重合で共役ジエン単量体を重合した結果、残存する溶剤中に共役ジエン重合体が存在している溶液が挙げられる。ここで、共役ジエン重合体溶液中の共役ジエン重合体は、溶剤に全て溶解している状態でなくともよく、全てが溶解している状態、一部が溶解している状態、溶解せずに溶剤に分散している状態等のものが含まれる。
本実施形態の共役ジエン重合体は、共役ジエン単量体を重合することによって得られる単独重合体であってもよい。共役ジエン単量体としては、重合可能な単量体であれば特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、及び1,3−ヘキサジエンが挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、及びイソプレンが好ましい。これらは1種のみならず2種以上を併用してもよい。
共役ジエン単量体及び芳香族ビニル単量体を重合する際の重合開始剤は、アニオン性重合開始剤であれば特に限定されないが、安定性や取扱い性の観点から、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属のアルキル化合物であることが好ましく、これらの中でも重合効率の観点から、有機リチウムがより好ましい。
共役ジエン単量体の重合反応は、溶剤(以下、「重合反応用溶剤」ともいう。)中で重合する溶液重合の反応が好ましい。重合反応用溶剤としては、共役ジエン単量体が溶解するものであれば特に限定されず、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的な重合反応用溶剤としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;これらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
製造工程においては、極性化合物を添加してもよい。極性化合物は、芳香族ビニル単量体を共役ジエン単量体とランダムに共重合させるためにも用いることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
上述のような方法で得られた共役ジエン重合体は、その活性末端に対して、エポキシ基及びアルコキシシリルキ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物(以下、「変性剤」ともいう。)で変性させていることが好ましい。
本実施形態の共役ジエン重合体溶液は、オイルをさらに含むことが好ましい。オイルとしては、特に限定されないが、例えば、アロマチック系、ナフテン系、パラフィン系オイル、RAE(Residual Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、及びT−DAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)が挙げられ、その中でも250℃以上の高沸点であるオイルがより好ましい。
本実施形態の溶剤は、上述した重合反応用溶剤には限定されないが、該重合反応用溶剤と同様のものが挙げられる。具体的には、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。溶剤の具体例としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;これらの混合物からなる炭化水素が挙げられる。
本実施形態の脱揮工程は、上述した製造工程で製造した共役ジエン重合体溶液を、回転する二軸のスクリューを有する装置で搬送しながら加熱し、該共役ジエン重合体溶液に含まれる溶剤を脱揮する工程である。また、この脱揮発工程において、上記装置の内容積と単位時間当たりに揮発する溶剤量とが下記の関係式(1)を満たす。
1.0≦((VA)/(V0))≦50 ・・・(1)
式(1)中、(V0)は、前記装置の内容積〔L〕を表し、(VA)は、単位時間〔h〕当たりに揮発する溶剤量〔L〕を表す。
本実施形態のスクリューを有する装置としては、回転する二軸のスクリューを有するものであれば特に限定されないが、例えば、樹脂混練に用いるスクリュー押出機、スクリューニーダー、及びこれらに類似した構造のものが挙げられる。スクリュー押出機の場合は、スクリューの数は、2本が好ましい。
1.0≦((VA)/(V0))≦50 ・・・(1)
共役ジエン共重合体の試料を、クロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基による紫外光吸収波長(254nm)における吸収量により、共役ジエン共重合体100質量%に対しての結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所社製の商品名「UV−2450」)。また、結合スチレン量と結合ブタジエン量との合わせた量が100質量%として、結合ブタジエン量も算出した。
共役ジエン共重合体の試料に対して、赤外分光光度計(日本分光社製の商品名「FT−IR230」)を使用して、600〜1000cm-1の範囲で赤外線スペクトルを測定した。試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いた。その結果得られた吸光度よりハンプトンの方法の計算式(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、ビニル結合量(モル%)を求めた。
共役ジエン重合体の試料に対して、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本を連結して用いたGPCを使用して、試料及び標準ポリスチレンのクロマトグラムを測定した(ガードカラム;東ソー社製の商品名「TSKguardculmn HHR−H」、カラム;東ソー社製の商品名「TSKgel G6000HHR」、「TSKgel G5000HHR」、「TSKgel G4000HHR」)。標準ポリスチレンの測定結果から検量線を作成し、これにより重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。試料10mgを、20mLのTHFに溶解し、これを200μLのカラムに注入して測定した。オーブン温度40℃、THFの流量1.0mL/分の条件で、東ソー社製の商品名「HLC8020」(検出器;RI)を用いて測定した。
共役ジエン重合体の試料に対して、JIS K6300−1:2013に準拠して、100℃で1分間予熱し、4分後の粘度を測定した。
脱揮工程後に得られた共役ジエン重合体1gを、180℃、50torrの条件下で、3時間おいた。この操作による共役ジエン重合体の質量減少分(δ[g])を残揮発分とし、100×δ/(1−δ)の計算式から残揮発分量(質量%)を求めた。
脱揮工程後に得られた共役ジエン重合体3gを、トルエン100gに完全に溶解させ、100メッシュのろ紙(α1〔g〕)でろ過した。ろ過後のろ紙を乾燥させ、秤量し(α2〔g〕)、(100×(α2−α1)/3)の計算式からゲル含有量(質量%)を求めた。なお、この測定の定量限界値及び検出限界値は0.1質量%であり、それ未満の場合は「未検出」と記載する。
脱揮操作の後にベント配管内部を肉眼で観察し、付着した共役ジエン重合体が確認できた場合は、共役ジエン重合体を回収して秤量して、評価した。なお、付着重合体が確認できなかった場合の重合体量は「0g」と記載する。
実施例及び比較例における内容積(V0)は、脱揮装置の内容積(L)を表し、スクリュー部や装置ジャケット部の容積は含まなかった。具体的には、スクリューを具備したまま、装置に接続するベント配管やフィード、原料フィード配管、重合体吐出配管等の配管と装置の接続部を全て閉じた状態で装置内に水を入れ、満液となるまで入れた水量をV0とした。
4枚パドルの撹拌翼を具備する10L反応器(反応器の径(D)に対する反応器の長さ(L)の比率としてL/D=4.0)を2つ直列に配置し、1基目を重合反応器、2基目を変性反応器とした。予め、水分等の不純物を除去した、1,3−ブタジエンを22.0g/分、スチレンを7.1g/分、n−ヘキサンを144g/分の条件で混合し、更に不純物不活性化処理用として、重合反応器に入る直前でn−ブチルリチウム(処理n−ブチルリチウム)0.10mmol/分とスタティックミキサーで混合した後、重合反応器の底部に連続的に供給し、更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.040g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.210mmol/分の速度で、重合反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を90℃となるように重合反応を継続させた。1基目から押出された重合溶液を、そのまま変性反応器に供給した。変性反応器の温度を85℃に保ち、変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.42mmol/分の速度で変性反応器の底部から添加し、変性反応を実施した。反応器内の液面高さが反応器全体の70%となるように反応液を流出し、その流出液に酸化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT))を0.048g/分(n−ヘキサン溶液)、プロセスオイルとしてS−RAEオイル(JX日鉱日石エネルギー(株)製、NC−140)を5.80g/分で連続的に添加し、共役ジエン重合体溶液(A)を得た。
共役ジエン重合体溶液(B)は、プロセスオイルの含有量を2.6質量部とした他は、溶剤量や共役ジエン重合体の構造も共役ジエン重合体溶液(A)と同じ製法により製造した。ここで、得られた共役ジエン重合体溶液(B)から、後述の実施例4の操作により得られた共役ジエン重合体(P4)を試料として、ムーニー粘度は75であった。その他の組成及び物性は、表1に示す。
共役ジエン重合体溶液(C)は、プロセスオイルを全く含まない他は、溶剤量及び共役ジエン重合体の構造が混合物(A)と同じ製法により製造した。ここで、得られた共役ジエン重合体溶液(C)から、後述の実施例5の操作により得られた共役ジエン重合体(P5)を試料として、ムーニー粘度は95であった。その他の組成及び物性は、表1に示す。
重合後に添加する変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの代わりに2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン0.21mmolを用いた他は共役ジエン重合体溶液(A)と同様の製法を採って、共役ジエン重合体溶液(D)を得た。得られた共役ジエン共重合体溶液(D)は、ノルマルヘキサン83質量部、共役ジエン重合体17質量部、プロセスオイル3.4質量部を含有していた。ここで、得られた共役ジエン重合体溶液(D)から、後述の実施例8の操作により得られた共役ジエン重合体(P9)を試料として分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量64モル%であり、ポリスチレン換算分子量からは、重量平均分子量(Mw)が95万、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、分子量100万以上の組成は25質量%であった。また、共役ジエン重合体のムーニー粘度80あった。その他の組成及び物性は、表1に示す。
スクリュー径(D)が100mm、スクリュー径(D)に対するスクリュー長さ(L)の比率(L/D)=6.0、V0=8.0の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、共役ジエン重合体溶液(A)を供給口から毎時60Kgの速さで連続的に供給した。この時スクリュー回転速度とモーター駆動部から見た時の回転方向は、二軸共に100rpmの反時計回りであった。ニーダーのジャケットに200℃の熱媒オイルを供給しながら共役ジエン重合体溶液(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。共役ジエン重合体溶液(A)はスクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的にはニーダー装置の先端下面に設けられた70mm角の正方形の口から排出され、固形状の共役ジエン重合体(P1)を得た。脱揮された溶剤ガスはベント口を通り、真空ポンプ手前に設置された−30℃に冷却されたコンデンサーで凝縮され、液体として回収された。上記操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液(A)の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は72Lで、(VA)/(V0)=9.0であった。P1の残揮発分量は0.7質量%であり、ゲルは検出されなかった。
スクリュー径が100mm、L/D=6.0、V0=8.0の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、共役ジエン重合体溶液(A)を供給口から毎時100Kgの速さで連続的に供給した。この時スクリュー回転速度とモーター駆動部から見た時の回転方向は、一方は反時計回りで150rpm、もう一方は時計回りで300rpmであった。ニーダーのジャケットに180℃の熱媒オイルを供給しながら共役ジエン重合体溶液(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。共役ジエン重合体溶液(A)はスクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的にはニーダー装置の先端上面に接続された小型押出機から排出され、固形状の共役ジエン重合体(P2)を得た。気化した溶剤はベント口を通り、真空ポンプ手前に設置された−30℃に冷却されたコンデンサーで凝縮され、液体として回収された。上記操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液(A)の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は120Lで、(VA)/(V0)=15であった。脱揮された固形状の共役ジエン重合体(P2)は上記操作により溶剤脱揮されP2の残揮発分量は0.3質量%であり、ゲルは検出されなかった。
樹脂混練用に用いられるスクリュー径50mm、L/D=8.0、V0=2.0の二軸押出機を脱揮装置に用いた。共役ジエン重合体溶液(A)を供給口から毎時3Kgの速さで連続的に供給した。スクリューの回転方向は二軸共に、回転数120rpmで同一方向であった。二軸押出機の胴体をヒーターで180℃に加熱した。胴体に設けられたベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。共役ジエン重合体溶液(A)はスクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的にはニーダー装置の先端ダイスから、固形状の共役ジエン重合体(P3)が押し出された。気化した溶剤はベント口を通り、真空ポンプ手前に設置された−30℃に冷却されたコンデンサーで凝縮され、液体として回収された。上記操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液(A)の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は4.0Lで、(VA)/(V0)=2.0であった。P3の残揮発分量は1.2質量%、ゲル含有量は0.9質量%であった。
用いる原料を共役ジエン重合体溶液(A)の代わりに共役ジエン重合体溶液(B)を用い、供給量を毎時200Kgとした他は、実施例2と同様に行った。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は241Lで、(VA)/(V0)=30であった。脱揮して得られた共役ジエン重合体(P4)の残揮発分量は0.7質量%、ゲルは検出されなかった。
用いる原料を共役ジエン重合体溶液(A)の代わりに共役ジエン重合体溶液(C)を用い、供給量を毎時60Kgとした他は、実施例2と同様に行った。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は74Lで、(VA)/(V0)=9.3であった。脱揮して得られた共役ジエン重合体(P5)の残揮発分量は0.6質量%、ゲル含有量は0.3質量%であった。
共役ジエン重合体溶液(A)の供給量を毎時300Kgとした他は、実施例2と同様に行った。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は340Lで、(VA)/(V0)=43であった。脱揮して得られた共役ジエン重合体(P6)の残揮発分量は25.3質量%、ゲルは検出されなかった。
実施例2で用いた二軸スクリュー型ニーダーと小型押出機の装置に実施例3で用いた二軸押出機を直接連結させた。小型押出機の吐出側を二軸押出機の側面に直結させる構造をとした。二軸スクリュー型ニーダーに共役ジエン重合体溶液(A)を毎時260Kgで供給し、実施例2と同様の操作条件で脱揮処理を行った。二軸スクリュー型ニーダーで濃縮された共役ジエン重合体溶液(A)は小型押出機を通して二軸スクリュー型ニーダーから二軸押出機へと移送された。二軸押出機の操作条件は実施例3と同様である。二軸押出機の先端からは粉末状の共役ジエン重合体(P8)が排出された。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、二軸スクリュー型ニーダーと二軸押出機のベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。二軸スクリュー型ニーダーから脱揮された溶剤の回収量(VA)は298Lで(VA)/(V0)=37、二軸押出機から脱揮された溶剤の回収量(VA)は26Lで(VA)/(V0)=13であった。P8の残揮発分量は0.2質量%、ゲルは検出されなかった。
用いる原料を共役ジエン重合体溶液(A)の代わりに共役ジエン重合体溶液(D)を用いた他は実施例7と同様に行った。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、二軸スクリュー型ニーダーと二軸押出機のベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。二軸スクリュー型ニーダーから脱揮された溶剤の回収量(VA)は287Lで(VA)/(V0)=36、二軸押出機から脱揮された溶剤の回収量(VA)は32Lで(VA)/(V0)=16であった。P9の残揮発分量は0.4質量%、ゲルは検出されなかった。
スクリュー径が200mm、L/D=9.0、V0=15.0の二軸スクリュー型ニーダーにおいて、共役ジエン重合体溶液(A)を供給口から毎時500Kgの速さで連続的に供給した。この時スクリュー回転速度とモーター駆動部から見た時の回転方向は、一方は反時計回りで150rpm、もう一方は時計回りで300rpmであった。ニーダーのジャケットに180℃の熱媒オイルを供給しながら共役ジエン重合体溶液(A)を加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。共役ジエン重合体溶液(A)はスクリューで搬送されながら濃縮されていき、最終的にはニーダー装置の先端上面に接続された小型押出機から排出され、固形状の共役ジエン重合体(P10)を得た。気化した溶剤はベント口を通り、真空ポンプ手前に設置された−30℃に冷却されたコンデンサーで凝縮され、液体として回収された。上記操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液(A)の供給を停止し、ベント配管の内壁を観察したが、重合体の付着は観察されなかった。回収された溶剤量(VA)は598Lで、(VA)/(V0)=40であった。脱揮された固形状の共役ジエン重合体(P9)は上記操作により溶剤脱揮されP9の残揮発分量は0.7質量%であり、ゲルは検出されなかった。
二軸スクリュー型ニーダーのV0を8.0に調整した他は実施例9と同様に行った。供給を開始して4分後に装置内の圧力が100torrから徐々に増加する傾向が見られた。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、ベント配管内部を観察すると、配管内壁に重合体が付着し配管が閉塞された状態であった。ベント配管に付着した重合体を回収して秤量すると54gであった。回収された溶剤量(VA)は583Lで、(VA)/(V0)=73であった。脱揮して得られた共役ジエン重合体(P11)の残揮発分量は12.0質量%、ゲルは検出されなかった。
二軸押出機のスクリュー長さを変更して、L/Dを20に調整した他は実施例3と同様に行った。操作を1時間継続した時点で共役ジエン重合体溶液の供給を停止し、ベント配管内部を観察したが、重合体は付着していなかった。回収された溶剤量(VA)は5.1Lで、(VA)/(V0)=2.6であった。脱揮して得られた共役ジエン重合体(P12)の残揮発分量は0.3質量%、ゲルは12質量%であった。
Claims (9)
- 共役ジエン重合体と、溶剤と、を含む共役ジエン重合体溶液を製造する製造工程と、
前記共役ジエン重合体溶液を回転する二軸のスクリューを有する装置で搬送しながら加熱し、前記溶剤を脱揮する脱揮工程と、を有し、
前記装置において、スクリューの径に対するスクリューの長さの比率が、4.0以上12以下であり、
前記脱揮工程において、前記装置の内容積と単位時間当たりに揮発する溶剤量とが下記の関係式(1)を満たす、共役ジエン重合体の製造方法。
1.0≦((VA)/(V0))≦50 ・・・(1)
(式(1)中、(V0)は、前記装置の内容積〔L〕を表し、(VA)は、単位時間〔h〕当たりに揮発する溶剤量〔L〕を表す。) - 前記共役ジエン重合体溶液は、前記共役ジエン重合体100質量部に対して、オイルを5.0質量部以上100質量部以下含む、請求項1に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記脱揮工程において、前記二軸のスクリューを有する装置を二基以上用いる、請求項1又は2に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン重合体は、エポキシ基及びアルコキシシリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物で変性されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記化合物は、下記の一般式(2)で表される化合物及び下記の一般式(3)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項4に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン重合体の重量平均分子量が、10万以上200万以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン重合体は、該共役ジエン重合体の総量に対して、重量平均分子量100万以上の成分を1.0質量%以上99質量%以下含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記脱揮工程は、前記溶剤の含有量が、得られる共役ジエン重合体の総量に対して、5.0質量%以下になるまで脱揮する工程である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 前記脱揮工程における平均滞留時間が、10秒以上300秒以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014254933 | 2014-12-17 | ||
JP2014254933 | 2014-12-17 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016117877A JP2016117877A (ja) | 2016-06-30 |
JP6587872B2 true JP6587872B2 (ja) | 2019-10-09 |
Family
ID=56242896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015175532A Active JP6587872B2 (ja) | 2014-12-17 | 2015-09-07 | 共役ジエン重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6587872B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6764739B2 (ja) * | 2016-09-20 | 2020-10-07 | 旭化成株式会社 | 共役ジエン重合体の製造方法 |
-
2015
- 2015-09-07 JP JP2015175532A patent/JP6587872B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016117877A (ja) | 2016-06-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102336847B1 (ko) | 공액 디엔계 중합체의 크럼 및 베일 성형체 | |
JP6297041B2 (ja) | 重合体の製造方法 | |
CN111492003A (zh) | 橡胶组合物及轮胎 | |
JP6480758B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6587872B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6554366B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6752053B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法及びゴムベールの製造方法 | |
RU2654009C1 (ru) | Способ получения полимера сопряженного диена | |
JP6754616B2 (ja) | 共役ジエン重合体組成物の製造方法 | |
JP6764739B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6422403B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6713827B2 (ja) | 共役ジエン重合体組成物の製造方法 | |
JP6181415B2 (ja) | 変性共役ジエン系重合体の組成物 | |
JP6659224B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6991817B2 (ja) | 共役ジエン系重合体組成物、マスターバッチ、タイヤ用部材、及び共役ジエン系重合体組成物の製造方法 | |
JP6850161B2 (ja) | 共役ジエン系重合体のベール成形体 | |
JP7370163B2 (ja) | 共役ジエン系重合体の製造方法、共役ジエン系重合体組成物の製造方法、タイヤの製造方法、及びビニル化剤 | |
JP6430854B2 (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
JP6956027B2 (ja) | 共役ジエン系重合体の製造方法 | |
JP2016128543A (ja) | 共役ジエン重合体の製造方法 | |
CN113845634A (zh) | 橡胶组合物的压块成型体及其制造方法、交联用橡胶组合物以及轮胎用胎面 | |
US20230322990A1 (en) | Modified Conjugated Diene-Based Polymer, Production Method for Modified Conjugated Diene-Based Polymer, Modified Conjugated Diene-Based Polymer Composition, and Rubber Composition | |
CN113845707A (zh) | 橡胶组合物的压块成型体、压块成型体的制造方法、交联用橡胶组合物以及轮胎用胎面 | |
JP2019143081A (ja) | 共役ジエン系重合体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20160401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160523 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180606 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190320 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190425 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190621 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190903 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190911 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6587872 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |